
ジブリ美術館に行ってきました。
前回の訪問から1年ちょっと、なかなかチケットが取れなくて時間が経ってしまったけど
ようやく「食べるを描く」展と映画『毛虫のボロ』が見られる~ヤッホー!
(開館したばかりの頃は平日チケットなら前日、下手すると当日券も取れたりしましたけど
最近はチケット発売日から数日で完売とかおそろしい倍率でスピード勝負みたいになってるよね)
あとカフェ麦わらぼうしの限定メニューが最強に楽しみだったのだ^^

外壁にすでに蔦がからみつき始めている。1年ちょっとで変わるもんですなァ。
受付でいつものようにフィルムチケットをもらって(今回はアリエッティの虫たちでした)、館内へin。
企画展「食べるを描く。」を鑑賞します。
ジブリ映画に出てくる食べ物や食事シーンを紹介する展示で、
入口にはファミレスみたいに大きなケースがあって映画に登場するお料理の食品サンプルがどっさり並んでいたよ!
うおおおジブリ飯の食品サンプルうおおおおщ(゜ロ゜щ)☆
目玉焼き乗せパン(いわゆるラピュタパン)とリンゴ、キキのランチ、マダムのチョコケーキ、
フィオが飲んでたレモネード、サンの干し肉、千尋とリンさんが食べたあんまん、ハウルのベーコンエッグ、
ポニョのはちみつミルク、アリエッティの小さな紅茶まであらゆるジブリ飯が目の前に。
ススワタリに撒かれたコンペイトウのたらいにイモリの黒焼きが入っててうええってなったり
「ジコ坊の味噌雑炊」と書いてあるのを見てあれ雑炊だったんだ!と知ったり
ハクのおにぎりとマダムのチョコケーキが思ったより大きかったのが印象深いですね~。
ニシンとかぼちゃの包み焼きはサンプル制作者さんが「自信作です」とおっしゃったらしい出来栄えで
お言葉に違わず確かにすごくおいしそうだった…!
あとトシちゃんの激辛カレーまであってめっちゃ笑った(笑)見た目は普通のカレーなのになあ;;
ジブリ映画の食事シーンの原画も展示されていて、
パズーの家で勝手に宴会やってたドーラ一家とかマダムがキキにケーキをプレゼントするシーンなど
食べ物にまつわるシーンがどのような演出で制作されていたのかがわかります。
紅の豚で、ホテルアドリアーノでポルコがグラスにワインを注ぐ原画に描かれたワインの揺れとか
フィオが一気飲みするレモネードの色指定とかすっごいよ…!
「レモネードの色」「レモネードの影色」「瓶の向こう側に見える手の色」「瓶の厚みの色」「厚みの影色」
「レモネードの影色に瓶の厚みを加えた色」まで細かく指定されていて
ああだからあのレモネードはあんなにリアリティがあったんだなと思った。
本当にほんの数秒のカットにも手を抜かないよね…知ってるけど。
耳すまで西老人の作った鍋焼きうどんを食べる雫が
箸を運ぶたびに持ち上げるうどんの本数が2本→3本→4本と増えているのは知らなかったです!
食欲がわいてきたということなんでしょうね^^ 細かいところまでおもしろい。
千と千尋でカオナシがお大尽やってるときに出されるお料理も様々なのは知ってるけど
改めて見るといちいち細かくて感動します。
カエルたちが厨房で調理してるカットの後ろで運ばれるロールケーキに
「抹茶のスポンジ」「餡子」とか指示書きがあって楽しくなりました。
あれ抹茶ロールなんだ!実在する食材の名前を聞くと親近感がわくし
カオナシも抹茶好きなのかなあとか想像すると萌える。
となりの山田くんでお父さんがバナナを食べるカットの原画は341枚もあるそうです…積まれた枚数に戦慄。
「箸づかいを描くのは難しい」のパネルに興味津々。
ジブリ映画で和食のシーンは数多くありますが
その中でキャラクターたちがどのように箸を使っているかを比べて見ることができました。
勢いよく使ってるのはサツキちゃんや千尋パパや本条さん、無造作に使ってるのは釜爺やジコ坊、
きちんと使っているのは翔くんや二郎さんや海ちゃん、にぎり箸なのはポニョ(笑)。
キャラクターの性格や時代背景によっても色々ですな~。
個人的にはアシタカの箸の使い方が好きです…静かで礼儀正しい感じ。お育ちの良さが出てるよね。
こういうの見るとスプーンやフォークの使い方も比べてみたくなります。気になる~。
極めつけは草壁家とタイガーモス号の台所の立体再現!
実際にキッチンのセットに入って家具やお料理にさわれるんですよ☆
草壁家のちゃぶ台と台所を見て真っ先に思い出したのは3年前に訪れたサツキとメイの家ですが
今回の展示にはサツキちゃんが作った3人分の朝ごはんとお弁当が実際に置かれているんです!
中味は食品サンプルだけど焼きメザシも鮭のふりかけも映画そのまんまでテンション上がった\(^o^)/
係の人が「触っていいですよ」とおっしゃってくれたので持ち上げてみるとずっしり重くて感動みが強い、
メイちゃんのお弁当箱だけ赤いのいいね~いいね~~。
(お弁当箱の裏側には人の名前が書いてあって、係の人いわく「ご提供くださった人のです」とのこと)
台所も細部まで再現率高かったよ…。
食器や調理器具はもちろん、火おこしの団扇やサツキが刻んでいたホウレンソウまである!
流し台にあった4人分の歯ブラシに泣きそうになりました。お母さん早く帰ってくるといいね…。
外側にお庭もちょこっと再現されてて、メイちゃんが「焦げてる!」って言ったメザシが焼かれていたり
家の壁にはヤモリや蛾がいたり蜂の巣が作られかけていたりナメクジが這っております。細かい!
あとパンフレットに写真が載ってないけど台所の天井隅にススワタリが群がっているので
行った人たちぜひ見つけてみてくだされ~。
タイガーモス号の台所に入って最初に思ったのは「狭い!」でした。
映画だともう少し広かったような気がしますけどもこの空間に5人は無理だわ…
ドーラの息子たちにはお手伝いは遠慮して仕事に戻っていただくしかない^^;
草壁家同様、展示品のお触りOKで引き出しなども自由に開けていいとのことで
片っ端から開けまくりました(笑)。
扉には小麦粉やチーズや果物が入っていて壁には肉やトウガラシがぶら下がり、
引き出しには人数分のカップやお皿やカトラリーがぎっしり。
流し台の下を開けると生ゴミがあったりオーブンにはパンが焼かれて入ってたりして
今にも誰かが戻ってきて調理を再開しそうな感じがする。
そして大鍋には映画でシータが作っていたシチューがぐつぐつ煮えておりました…
これをあの人数でたいらげるんだから皆どんだけ食べるのっていう。
(そんなガス台の正面に小窓があってルイが覗いてるスチルが貼ってあるの笑った)

3階のマンマユートから外に出てカフェへ降りていく途中でいつも見かける窓に猫SPがいるのを
訪れるたびに撮影しておりますが、今回は2匹になってた!

カフェ麦わらぼうしにて「ちっちゃなマダムのチョコケーキを」注文☆
これがもう、もう、最っ高でした…!
うおおおおおあのケーキが現実に食べ物として再現されていただける世の中うおおおおお!!

映画よりは小さいサイズでしたけど食べたら中のスポンジぎっしりでクルミ入りで濃厚で
ものすごい食べ応えがありました。
これでホワイトチョコの模様が映画と同じホウキに乗ったキキだったら完璧だった!
企画した人のお誕生日を知りたい。プレゼントを考えたい。ありがとうございました。生きてるといいことあるね。
このケーキの他にもハウルのベーコンエッグやパズーの肉団子入りスープ、
麦わらぼうしのシベリア、ハチミツ入りホットミルクなどがいただけますので
ジブリ飯をリアルに楽しみたい方ぜひ行ってみてくだされ。
今月末で終わるメニューもあるのでお早めにー!

屋上に来ましたよ~ロボット兵を花越しに。腰や背中から草が生えていました。

奥の庭園にも花が咲いて新緑がきれい。

なんかこう、廃墟に咲く花みたいな感じがあるよね。
大好物ですこういう雰囲気…誰も知らない場所にそれでも植物は咲く…はああぁぁぁああ( ˘ω˘ )。
この後は館内に戻って土星座へ。映画『毛虫のボロ』を鑑賞します。
3月から上映が始まっていますがやっと見に来られました。
ボロが卵から孵るシーンから始まって、生まれてすぐにもぞもぞ動き出して
空気の粒ゼリーを食べたり日光を浴びたり無数の毛虫の先輩たちと大行進したり
カリウドバチに捕まりかけたり(先輩のうち2匹が連れ去られるのを堂々と描いてた)
アブやカマキリをかわしたり人間の女の子のスカートに引っかかってアパートの2階から落とされたり
落ちた先にあったタンポポを食べてヒャッハー!したり。
ナウシカの腐海とはまた全然違った虫の世界を、時にファンタジックに、時に気持ち悪くグロテスクに、
全体的にやっぱり緑を美しく描いていましたね。
ボロが食べる空気のゼリー(と宮崎さんは呼んでいる)がとても印象的でした。
透明な四角いゼリーのような、ナタデココのような、グミのような不思議な物体が空気中にふよふよ浮いていて
わずかに発光しているのかボロや植物に触れるとキラキラしたりします。
美術館の2階ギャラリーで見た宮崎さんのイメージボードによると
「飛んでいるというか漂っている。歪んでいたり色付きもある。
浮いている空気よりわずかに重い感じ。自重で壊れる。噛むと消えちゃう」みたいなものだそう。
虫には空気がこう見えているかもしれないという想像なのですって。
ボロに当たるとガラスのように崩れる作画もむちゃくちゃ美しかった…!
ゼリーの作画は「軸を回さない方がいい。浮遊感が大切。速度にバラつきを。3秒くらいかかる」など
イメージボードの段階から細かく指示されていたみたい。
夜明けの光にボロが包まれるシーンでも、光は光線というより棒や筒のように表現されていて
ボロがそれに包まれると柔らかく霧散していくのですが
この辺りはCGではなく手描きも使われているそうな。
(言い忘れましたが毛虫のボロはフルCGアニメーションです)
光合成したての葉っぱを食べるシーンがすごい!栄養素が透けて見えて葉脈もきらきらしているし
ボロがすごくおいしそうに食べるものだから思わず「葉っぱっておいしいのかな…」とか思ってしまった。
ボロの作画で毛の数は適当にとか、カリウドバチは「コミュニケーション不能の大人」とか
相変わらず宮崎さん、例えがアレだ。
最後にぐっとカメラが引いてボロがいた垣根から街の俯瞰の景色になっておおって思いました、
小さな虫の世界の大きな大冒険。
エンディングで「声と音 タモリ」と表示されたとき、土星座に笑い声が満ちました。
タモさん楽しそうだったなあ。
もともとボロの企画自体はずっと前からあって
紅の豚の後に宮崎さんはもののけ姫とボロどっちを作るかで真剣に悩んでいたんだよね。
結局そのときは鈴木さんが「アクション映画は年をとったらできない」と説得してもののけ姫にしたと
当時鈴木さんご本人が語るのをテレビ(もののけ姫公開記念番組だったと思う)で見たのを覚えていますが、
もしあのとき長編でボロを作っていたら今回みたいな作品になったかどうか、
前はまったく別の内容で考えていらっしゃったからなあ…。
(とある街路樹から別の街路樹へ旅をする1匹の毛虫を通して
彼らにも彼らの世界や冒険があることを描こうとした企画だったように記憶しています)
そっちも見てみたかったけど、そして今回は短編になったけど実現して本当によかったと思う、
わたしもずっと気になっていた企画でしたのでね。
土星座の映画はローテーションしますから、また機会が巡ってきたら見に行きたいです。

帰りに出口を振り向いたら面白い写真が撮れた^^
企画展が変わったらまた来たいです。

井の頭公園もちょこっとお散歩、新緑がきれいでした。
少し風のある日でしたがさわやかで気持ちよかったです。

ミュージアムショップ「マンマユート」にて購入したケーキとラピュタパンのマグネット!
見つけた瞬間にこ、これは何がなんでもおうちにお持ち帰りせねばならぬ!と使命感にかられて
値札も見ないでレジに持って行きました(笑)。
映画に出てきた食べ物がグッズになる!テンション最高潮だったよ☆
わたしはどちらかというとキャラクターがプリントされたものよりも
映画でキャラクターが食べたり使ったりしたもののグッズが欲しい派なので…
こういうのに本当に弱いです。どこにくっつけようかなあ^^
来週はここで高畑さんのお別れ会か…仕事で行けませんが、改めてご冥福を。
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皆様いつもありがとうございます(^-^)/☆
>スカイ様
暁斎・暁翠伝の記事読んでくださってありがとうございます!
思い出しながら書いてたらえらいボリュームになってしまいました;;
後期の展示も行く予定なのでよろしかったら読んでやってください。