美術館の椅子には目で座る。
※しばらくブログの更新をゆっくりにします。次回は10日に更新予定です。

埼玉県立近代美術館に行ってきました。
県民なのに来るの初めてだよ…!ずーっと気になってたけどどうもタイミングがなくて
機会が巡ってきてよかったです。

感染症対策としては、美術館の入口で手の消毒をして
入口にあるテーブルに氏名と連絡先を記入する紙が置いてあるので記入して
スタッフの方に検温をしていただいて、問題なければ入館できます。
マスクを着用すること、人と距離を取って会話を控える、滞在は2時間以内を目安に、とのことでした。
着いたのはお昼過ぎでしたがチケット売り場も展示室も全然人がいなくて
かえって心配になってしまった…状況が状況なので、来てくださいとは言えないけど。

「MEDE SUWARU-今日みられる椅子」を鑑賞します。
埼玉近美は「椅子の美術館」と言われるほど椅子のコレクションが多くて
しかも一部には実際に座ることもできる…というのは何かで聞いて知っていたのですが
現在は感染症対策のために展示品に座ることはできなくて
代わりに「目で見て楽しんで」というコンセプトでコレクションを一挙に展示してくれています。
保存目的のため普段はあまり展示されない椅子も見られるそうです。
ちなみに観覧料は無料、写真撮影OKという太っ腹な展示です!
以下、気になったものをいくつかご紹介します。

展示は1階と2階に分かれていて、まずは1階のロビーから。
こちらの椅子には普段なら座ることができて、座り心地なども感じられるのだそうで…ぐぬぬ。
ヴェルナー・パントンのパントンチェア、ひとつの金型から作られた初めてのプラスチックの椅子だそうです。
座り心地は固そう…青い色がきれいだ。

剣持勇「ホーム・ベンチ」。
1964年の東京五輪と新幹線開業に合わせてデザインされた椅子で、今も各地の駅でよく見かけますね!
あーーっ!めちゃめちゃ座りたかった!!あーもう!!!(*´Д`)

剣持勇「ラウンジ・チェア」。
藤の枝を編んで作られた、あたたかい印象の椅子です。
どことなく猫ちぐらを連想しました…この赤い座布団の上で猫ちゃんが丸まって寝てしまいそう。
これと同じデザインのラタンチェアがニューヨーク近美(MoMA)に収蔵されているそうな。

DSチーム「DS60/DS600」。
繋がっているように見えますが、ひとつひとつの座る部分を金具とジッパーで結合しているので
空間に合わせて自由に形を変えられるのが特徴だそうです。
スイスのデセデ社という、革製品ソファの最高級ブランドが製造元だとか。

オリヴィエ・ムルグ「ジン」。
精霊「ジン」の名前をつけた椅子で、1960年代の椅子のデザインと先駆になったとか。
映画『2001年宇宙の旅』にも使われたとキャプションにあって、マジかよ!!(゚Д゚;)ってなった…
どのシーンに出てきてたっけこの椅子…。
1階ロビーの展示はここまで。次は2階に上がります。

2階の入口。
中途半端に色が塗られた唇がある…と思ったら、赤いシールのようなものがペタペタ貼ってあって
よく見たらひとつひとつに展示を鑑賞した来館者のコメントが書いてあるのでした。
「みんなのコメントでマリリンを完成させよう!」という企画だそうな。

こちらでコメントが書けます。(書いたコメントはスタッフさんが貼ってくれます)
来館者がコメントを書くことで、やがて真っ赤な唇になるんですね。
どうしようかなあと思いつつ感染症が心配だったので遠慮しましたが、会期末には真っ赤になるだろうか。
それにしてもマリリンて何だろう…と思いつつ展示室に入りましたら、答えは展示の中にありました。
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

展示室です。誰もいない!
わたしが鑑賞している間も5~6人しか入ってきてなくて、無料なのに…!?!??
お蔭でソーシャルディスタンスは取れましたけど、何だか本当に心配になってしまう。

アキッレ・カスティリオーニ&ピエル・ジャコモ・カスティリオーニ「セッラ」。
半円形の台から伸びる棒に置かれた自転車のサドルがゆらゆら揺れる作品で、
隣の壁には揺らした映像が投影されていました。
言われてみればサドルも椅子か…!
セッラはイタリア語で「鞍」を意味し、壁掛けの電話をとるスツールとしてデザインされたのだそうです。

ゲブリューダー・トーネット社によるロッキング・チェア。
1890年頃にデザインされたものと推定されていて、ピカソも愛用したタイプの椅子だそうです。
これはゆったりしてゆーらゆーら揺れそうなイメージ。

中川久嗣「のっぽ椅子」。
作者が知人から帽子掛けの注文を受けて、ちょうどよさそうな欅を見つけたところ
帽子のハンガーをつけたらとても余計なものに見えて椅子に変更したとのこと。
おもしろいお話だなと思ったし、芸術家っぽいエピソード。帽子掛けはちゃんとできたんだろうか…。

イームズ「プラスチックアームチェア」。
現代的だなあと思ったら1948年にニューヨーク近美のコンペに出品するためにデザインされたそうで
そんな前のデザインなのか…!と驚いたし、
いや戦後は現代だから現代的ってことでいいのか…などなど。

みかんぐみ「かみかんかぐ」。
埼玉近美が購入したときは組立キット一式がパッケージされていたらしく、
購入者自身で組み立てて完成させるもののようです。
釘や接着剤を使わずリサイクルもできる、環境に配慮した椅子らしいですがどんな座り心地かな。

高鶴元「ニュー・イングランドの森の椅子」。
韓国の焼き物の手法で作られている陶器の椅子です。叩いたら乾いた音とかしそう。

個人的に気に入っていっぱい写真を撮ってしまった、
チャールズ・レニー・マッキントッシュの「ヒルハウスのベッドルームのためのハイバック・チェア」。
配色といい形といい完璧すぎる、背後にできてる影までおしゃれだ!
マッキントッシュが設計したヒルハウスという住宅の寝室に合わせてデザインされてるらしい。

ミヒャエル・トーネット「ステッキ・チェア」。
折りたたんでステッキのように持ち運べるデザイン。オリジナルは1910年代までに考えられたとか!
パイプ椅子みたいな折り畳み椅子の系譜はそんな前から始まっているんですね。

トールスタイン・ニールセン「トーテム」。
ノルウェーのグッドデザイン賞を受賞しているそうです。
背もたれのデザインが扇子みたいだなと思いました。閉じてある扇子。

展覧会のメインビジュアルになっている、アルヴァ・アールト「パイミオ」。
スチールのように見える背もたれは木製だそうで、
作者がサナトリウムの設計を頼まれた際に建築のほかにインテリアデザインを手がけたのだそう。

テルイェ・エクストレム「エクストレム」。
どうやって座るのかなと思ったら、真正面に座ってもいいし
背もたれやアームに腰かけて横向きに座ってもいいんだそうです。
座る方法を自分で考える椅子…その日の気分とかで決めてもよさそうですね。

笠松栄「折り紙チェア パタパタ」。
子どもの折り紙に着想を得て、子ども用のたためるタイプの椅子をデザインしたそうです。
隣の壁に、実際に折りたたむ様子が映像で紹介されていました。結構コンパクトにたためる。

ペーター・オプスヴィック「ガーデン:リトルツリー」。
「ガーデン」というシリーズの一作で、椅子の概念を超えたオブジェのような椅子を制作したそうです。
とてもかわいくて座り心地もよさそう。安定感はあるのかな。

ピエール・ポーラン「タン/モデルNo.577」。
カバーの色を変えることで様々な色のタイプが制作されたそうです。

ヘリット・トーマス・リートフェルト「レッド・アンド・ブルー」。
赤・青・黄・黒でかっちりまとめられた雅なデザイン。
元々は抽象的なイメージの再構成のため色が塗られていなかったらしいですが、
作者がオランダの芸術運動「デ・ステイル」に参加したのちに理念に共感して塗られたそうな。
てっきり完成したと思ってたら別の概念に触れて完成に見えなくなるってこと、あるよね。

内田繁「セプテンバー」。
このタイプの椅子も公共施設とかコンサートホールとか、
それこそミュージアムでよく見かけるような現代的なデザイン。

梅田正徳「Ran」。
花をモチーフにした「フラワーシリーズ」のうちの一作で、花びらの形をした椅子です。
横から見ると本当に花の蘭が咲いているみたいに見える!

アーヴィング・ハーパー&ジョージ・ネルソン「マシュマロ・ソファ」。
マカロンとかマーブルチョコとか化粧ポーチとか、色々連想してしまって
最終的にこんな形のドラムがあったら楽しそうだな…というところに落ち着いた(笑)。

笠松栄「折り紙チェア/ツル-B」。
さっきの子ども用折り紙椅子と同じで、こちらも折り紙がモチーフ。
山折り谷折りみたいな背もたれがおもしろいし、実際に折り紙でもこのデザインが折れそう。

すげ~~何じゃこりゃ!という感想しか出なかった、スタジオ65「マリリン/ポッカ」。
入口にあったマリリンはこれですね☆
元々はミラノのフィットネスジムのロビーに設置されていたそうです。どんなジムか気になる。
何となく過去にダリ展で見たメイ・ウェストの顔を思い出したのですが、まさにあれから着想を得たとか。
あとはたぶん、アンディ・ウォーホルのマリリンあたりからの影響もあるんだろうな。

左はgraf「XL(プランクトン1.8)」、右は柳宗理「バタフライ・スツール」。
grafの製品であるプランクトン・チェアが1.8倍の大きさになっているのですが
「どんなに偉い人が難しいことを発言しても足がぶらぶらしているので偉そうに聞こえなくなる」という
コンセプトがおもしろい。
バタフライ・スツールは本当に蝶が飛んでいるような軽やかなデザインです。

展示室を振り返ってみます。人が少なくてゆったり見られました。
それにしても、部屋のどこから見ても目を引くマリリンの強烈なルージュよ。。

2階の展示室の前には吹き抜けがあります。差し込む光が気持ちいい。

企画展の後は常設展を鑑賞。こちらは料金200円が必要です。

木村直道「ムチ打ち症のサーカス熊」、逆光で真っ黒になってしまった(笑)。
ミシンと車輪からできていてメカメカしい印象ですが、どこか懐かしさも感じます。
常設展示室はセレクションのみ撮影ができましたので、いくつかご紹介。

クロード・モネ「ジヴェルニーの積みわら、夕日」。
モネの絵を見るとホッとします。空気が光ってきらきらしていて、温度や湿度まで感じられる。

渡邉武夫「老図書館長Tさんの像」。
どこの図書館の何というお名前の館長さんかは不明ですが眼鏡にジャケットの老紳士、
いかにも館長さんといった雰囲気。
渡邉武夫は浦和の人で、東京美術学校卒、日展理事や埼玉県美術家協会会長を務めた人で
この絵は25歳のときに新文展で特選を受賞したそう。

山本容子「Pica Picasso」。
ソフトグランドエッチングという技法で、版画ですが鉛筆画のような柔らかさが素敵だなと思いました。
ピカソは誰が描いてもピカソとわかりますねえ…。
山本さんも浦和の生まれで、現在も銅版画家として活躍中。

美術館にはレストランもあるのですが、入口から覗くと人がまあまあ入っていたので諦めて
美術館のある北浦和公園のベンチで買い食い。
ミュージアムでの食事はいつも楽しみにしていますけど、仕方ない。
(実は2月から外食を1度もしていません…いつになったら安心していただけるようになるかなあ)

帰りに北浦和駅の近くで見かけた看板。
気になってぐぐってみたらファッションのお店で、毎日営業しているわけではないようです。
タイミングが合えば入れるのかな。
美術館は密ではなかったけど、最近は電車も人出が戻りつつあるので
今回のお出かけでは先頭車両の隅っこで小さくなっていました。
東上線はともかく武蔵野線や京浜東北線の車内はやっぱり人が多いです。
晴れていたので窓が開いていたのと、会話している人が少なかったのがせめてもの幸いというか。。
はやく気兼ねなく出かけられる日々がきてほしいな…。

埼玉県立近代美術館に行ってきました。
県民なのに来るの初めてだよ…!ずーっと気になってたけどどうもタイミングがなくて
機会が巡ってきてよかったです。

感染症対策としては、美術館の入口で手の消毒をして
入口にあるテーブルに氏名と連絡先を記入する紙が置いてあるので記入して
スタッフの方に検温をしていただいて、問題なければ入館できます。
マスクを着用すること、人と距離を取って会話を控える、滞在は2時間以内を目安に、とのことでした。
着いたのはお昼過ぎでしたがチケット売り場も展示室も全然人がいなくて
かえって心配になってしまった…状況が状況なので、来てくださいとは言えないけど。

「MEDE SUWARU-今日みられる椅子」を鑑賞します。
埼玉近美は「椅子の美術館」と言われるほど椅子のコレクションが多くて
しかも一部には実際に座ることもできる…というのは何かで聞いて知っていたのですが
現在は感染症対策のために展示品に座ることはできなくて
代わりに「目で見て楽しんで」というコンセプトでコレクションを一挙に展示してくれています。
保存目的のため普段はあまり展示されない椅子も見られるそうです。
ちなみに観覧料は無料、写真撮影OKという太っ腹な展示です!
以下、気になったものをいくつかご紹介します。

展示は1階と2階に分かれていて、まずは1階のロビーから。
こちらの椅子には普段なら座ることができて、座り心地なども感じられるのだそうで…ぐぬぬ。
ヴェルナー・パントンのパントンチェア、ひとつの金型から作られた初めてのプラスチックの椅子だそうです。
座り心地は固そう…青い色がきれいだ。

剣持勇「ホーム・ベンチ」。
1964年の東京五輪と新幹線開業に合わせてデザインされた椅子で、今も各地の駅でよく見かけますね!
あーーっ!めちゃめちゃ座りたかった!!あーもう!!!(*´Д`)

剣持勇「ラウンジ・チェア」。
藤の枝を編んで作られた、あたたかい印象の椅子です。
どことなく猫ちぐらを連想しました…この赤い座布団の上で猫ちゃんが丸まって寝てしまいそう。
これと同じデザインのラタンチェアがニューヨーク近美(MoMA)に収蔵されているそうな。

DSチーム「DS60/DS600」。
繋がっているように見えますが、ひとつひとつの座る部分を金具とジッパーで結合しているので
空間に合わせて自由に形を変えられるのが特徴だそうです。
スイスのデセデ社という、革製品ソファの最高級ブランドが製造元だとか。

オリヴィエ・ムルグ「ジン」。
精霊「ジン」の名前をつけた椅子で、1960年代の椅子のデザインと先駆になったとか。
映画『2001年宇宙の旅』にも使われたとキャプションにあって、マジかよ!!(゚Д゚;)ってなった…
どのシーンに出てきてたっけこの椅子…。
1階ロビーの展示はここまで。次は2階に上がります。

2階の入口。
中途半端に色が塗られた唇がある…と思ったら、赤いシールのようなものがペタペタ貼ってあって
よく見たらひとつひとつに展示を鑑賞した来館者のコメントが書いてあるのでした。
「みんなのコメントでマリリンを完成させよう!」という企画だそうな。

こちらでコメントが書けます。(書いたコメントはスタッフさんが貼ってくれます)
来館者がコメントを書くことで、やがて真っ赤な唇になるんですね。
どうしようかなあと思いつつ感染症が心配だったので遠慮しましたが、会期末には真っ赤になるだろうか。
それにしてもマリリンて何だろう…と思いつつ展示室に入りましたら、答えは展示の中にありました。
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

展示室です。誰もいない!
わたしが鑑賞している間も5~6人しか入ってきてなくて、無料なのに…!?!??
お蔭でソーシャルディスタンスは取れましたけど、何だか本当に心配になってしまう。

アキッレ・カスティリオーニ&ピエル・ジャコモ・カスティリオーニ「セッラ」。
半円形の台から伸びる棒に置かれた自転車のサドルがゆらゆら揺れる作品で、
隣の壁には揺らした映像が投影されていました。
言われてみればサドルも椅子か…!
セッラはイタリア語で「鞍」を意味し、壁掛けの電話をとるスツールとしてデザインされたのだそうです。

ゲブリューダー・トーネット社によるロッキング・チェア。
1890年頃にデザインされたものと推定されていて、ピカソも愛用したタイプの椅子だそうです。
これはゆったりしてゆーらゆーら揺れそうなイメージ。

中川久嗣「のっぽ椅子」。
作者が知人から帽子掛けの注文を受けて、ちょうどよさそうな欅を見つけたところ
帽子のハンガーをつけたらとても余計なものに見えて椅子に変更したとのこと。
おもしろいお話だなと思ったし、芸術家っぽいエピソード。帽子掛けはちゃんとできたんだろうか…。

イームズ「プラスチックアームチェア」。
現代的だなあと思ったら1948年にニューヨーク近美のコンペに出品するためにデザインされたそうで
そんな前のデザインなのか…!と驚いたし、
いや戦後は現代だから現代的ってことでいいのか…などなど。

みかんぐみ「かみかんかぐ」。
埼玉近美が購入したときは組立キット一式がパッケージされていたらしく、
購入者自身で組み立てて完成させるもののようです。
釘や接着剤を使わずリサイクルもできる、環境に配慮した椅子らしいですがどんな座り心地かな。

高鶴元「ニュー・イングランドの森の椅子」。
韓国の焼き物の手法で作られている陶器の椅子です。叩いたら乾いた音とかしそう。

個人的に気に入っていっぱい写真を撮ってしまった、
チャールズ・レニー・マッキントッシュの「ヒルハウスのベッドルームのためのハイバック・チェア」。
配色といい形といい完璧すぎる、背後にできてる影までおしゃれだ!
マッキントッシュが設計したヒルハウスという住宅の寝室に合わせてデザインされてるらしい。

ミヒャエル・トーネット「ステッキ・チェア」。
折りたたんでステッキのように持ち運べるデザイン。オリジナルは1910年代までに考えられたとか!
パイプ椅子みたいな折り畳み椅子の系譜はそんな前から始まっているんですね。

トールスタイン・ニールセン「トーテム」。
ノルウェーのグッドデザイン賞を受賞しているそうです。
背もたれのデザインが扇子みたいだなと思いました。閉じてある扇子。

展覧会のメインビジュアルになっている、アルヴァ・アールト「パイミオ」。
スチールのように見える背もたれは木製だそうで、
作者がサナトリウムの設計を頼まれた際に建築のほかにインテリアデザインを手がけたのだそう。

テルイェ・エクストレム「エクストレム」。
どうやって座るのかなと思ったら、真正面に座ってもいいし
背もたれやアームに腰かけて横向きに座ってもいいんだそうです。
座る方法を自分で考える椅子…その日の気分とかで決めてもよさそうですね。

笠松栄「折り紙チェア パタパタ」。
子どもの折り紙に着想を得て、子ども用のたためるタイプの椅子をデザインしたそうです。
隣の壁に、実際に折りたたむ様子が映像で紹介されていました。結構コンパクトにたためる。

ペーター・オプスヴィック「ガーデン:リトルツリー」。
「ガーデン」というシリーズの一作で、椅子の概念を超えたオブジェのような椅子を制作したそうです。
とてもかわいくて座り心地もよさそう。安定感はあるのかな。

ピエール・ポーラン「タン/モデルNo.577」。
カバーの色を変えることで様々な色のタイプが制作されたそうです。

ヘリット・トーマス・リートフェルト「レッド・アンド・ブルー」。
赤・青・黄・黒でかっちりまとめられた雅なデザイン。
元々は抽象的なイメージの再構成のため色が塗られていなかったらしいですが、
作者がオランダの芸術運動「デ・ステイル」に参加したのちに理念に共感して塗られたそうな。
てっきり完成したと思ってたら別の概念に触れて完成に見えなくなるってこと、あるよね。

内田繁「セプテンバー」。
このタイプの椅子も公共施設とかコンサートホールとか、
それこそミュージアムでよく見かけるような現代的なデザイン。

梅田正徳「Ran」。
花をモチーフにした「フラワーシリーズ」のうちの一作で、花びらの形をした椅子です。
横から見ると本当に花の蘭が咲いているみたいに見える!

アーヴィング・ハーパー&ジョージ・ネルソン「マシュマロ・ソファ」。
マカロンとかマーブルチョコとか化粧ポーチとか、色々連想してしまって
最終的にこんな形のドラムがあったら楽しそうだな…というところに落ち着いた(笑)。

笠松栄「折り紙チェア/ツル-B」。
さっきの子ども用折り紙椅子と同じで、こちらも折り紙がモチーフ。
山折り谷折りみたいな背もたれがおもしろいし、実際に折り紙でもこのデザインが折れそう。

すげ~~何じゃこりゃ!という感想しか出なかった、スタジオ65「マリリン/ポッカ」。
入口にあったマリリンはこれですね☆
元々はミラノのフィットネスジムのロビーに設置されていたそうです。どんなジムか気になる。
何となく過去にダリ展で見たメイ・ウェストの顔を思い出したのですが、まさにあれから着想を得たとか。
あとはたぶん、アンディ・ウォーホルのマリリンあたりからの影響もあるんだろうな。

左はgraf「XL(プランクトン1.8)」、右は柳宗理「バタフライ・スツール」。
grafの製品であるプランクトン・チェアが1.8倍の大きさになっているのですが
「どんなに偉い人が難しいことを発言しても足がぶらぶらしているので偉そうに聞こえなくなる」という
コンセプトがおもしろい。
バタフライ・スツールは本当に蝶が飛んでいるような軽やかなデザインです。

展示室を振り返ってみます。人が少なくてゆったり見られました。
それにしても、部屋のどこから見ても目を引くマリリンの強烈なルージュよ。。

2階の展示室の前には吹き抜けがあります。差し込む光が気持ちいい。

企画展の後は常設展を鑑賞。こちらは料金200円が必要です。

木村直道「ムチ打ち症のサーカス熊」、逆光で真っ黒になってしまった(笑)。
ミシンと車輪からできていてメカメカしい印象ですが、どこか懐かしさも感じます。
常設展示室はセレクションのみ撮影ができましたので、いくつかご紹介。

クロード・モネ「ジヴェルニーの積みわら、夕日」。
モネの絵を見るとホッとします。空気が光ってきらきらしていて、温度や湿度まで感じられる。

渡邉武夫「老図書館長Tさんの像」。
どこの図書館の何というお名前の館長さんかは不明ですが眼鏡にジャケットの老紳士、
いかにも館長さんといった雰囲気。
渡邉武夫は浦和の人で、東京美術学校卒、日展理事や埼玉県美術家協会会長を務めた人で
この絵は25歳のときに新文展で特選を受賞したそう。

山本容子「Pica Picasso」。
ソフトグランドエッチングという技法で、版画ですが鉛筆画のような柔らかさが素敵だなと思いました。
ピカソは誰が描いてもピカソとわかりますねえ…。
山本さんも浦和の生まれで、現在も銅版画家として活躍中。

美術館にはレストランもあるのですが、入口から覗くと人がまあまあ入っていたので諦めて
美術館のある北浦和公園のベンチで買い食い。
ミュージアムでの食事はいつも楽しみにしていますけど、仕方ない。
(実は2月から外食を1度もしていません…いつになったら安心していただけるようになるかなあ)

帰りに北浦和駅の近くで見かけた看板。
気になってぐぐってみたらファッションのお店で、毎日営業しているわけではないようです。
タイミングが合えば入れるのかな。
美術館は密ではなかったけど、最近は電車も人出が戻りつつあるので
今回のお出かけでは先頭車両の隅っこで小さくなっていました。
東上線はともかく武蔵野線や京浜東北線の車内はやっぱり人が多いです。
晴れていたので窓が開いていたのと、会話している人が少なかったのがせめてもの幸いというか。。
はやく気兼ねなく出かけられる日々がきてほしいな…。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 ジャンル : 学問・文化・芸術
No title
- 2020/10/06(火) 17:19:52 |
- URL |
- hippopon
- [ 編集 ]
まあだね岡本太郎のアトリエにいってないの。
椅子が見たくて、なかなかになっちゃってて、、
貧乏だからまずは 実用で ちょびっと好みで生活してます。
Re: No title
- 2020/10/11(日) 01:55:10 |
- URL |
- ゆさ
- [ 編集 ]
そうですねえ、ここの椅子は色んなことを教えてくれる気がします。
どんなお部屋から来たのかなあとか考えるの楽しいです。
岡本太郎の椅子もおもしろいですよね!坐ることを拒否する椅子。。
太郎美術館で見てみたいです。
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