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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。

Category [古典・歴史 ] 記事一覧

「わいはただただ絵が描きたいんや」「おれはただ絵が描きたいだけなんだ」

※しばらくブログの更新をゆっくりにします。次回は9日に更新予定です。原田マハ『風神雷神』上下巻を読みました。俵屋宗達の少年時代を描いた小説…なのですが、たぶんそれだけだったら読まなかったと思うのですが「宗達少年が1582年の遣欧使節の少年たちと出会い彼らと一緒にイタリアまで旅をして同じく少年時代のカラヴァッジョに会う」的なあらすじを単行本の帯で見てなん…だと…!!??ってなって読書決定。特に下巻の衝撃が色...

絶藝女流天下無、声名早已動三都。

※しばらくブログの更新をゆっくりにします。次回は25日に更新予定です。小谷野敦『歌舞伎に女優がいた時代』を読みました。出雲の阿国以降の、歌舞伎に出演してきた女性の役者たちについて書かれた本です。書店でタイトルを見て「こういう本を待ってた!」と感激して即購入決定。女性の歌舞伎役者というとわたしは市川九女八や三代目玉三郎くらいしか知らなくて女性と歌舞伎の歴史についても江戸三座ほか各地の芝居小屋に出演して...

リアルとリアリティその2。

大森洋平『考証要集2 蔵出し!NHK時代考証資料』を読みました。前作もおもしろかったですが今回もおもしろすぎる!「アイスクリン」「あひる」「イラスト」「営業中/準備中」「お言いでない」「風見鶏」「ガッツポーズ」「金魚すくい」「携帯カメラ」「高麗人参」「サイドカー」「信楽焼」「将棋倒し」「星条旗」「炭酸水」「チャンバラごっこ」「土下座」「二人三脚」「発破をかける」「半鐘の鳴らし方」「左利き」「ホイッスル...

キャットオブメニーバイタリティーズその2。

八岩まどかさんの『猫神さま日和』(青弓社)を読みました。日本全国に点在する猫神を祀る神社や猫に縁のあるお寺、猫塚や猫がみつけた温泉(!)まで猫の言い伝えや伝説のある場所が散文的に紹介されている本です。著者が各地の猫神を実際に訪ねて地元の人に話を聞いたり写真を撮るなどしていてまるでフィールドワークのレポートを読んでいるようですし、場所も最寄り駅より徒歩数分から電車もバスもバリアフリーもなさそうなとこ...

知の連鎖。

上野の森美術館の「世界を変えた書物」展に行ってきました。金沢工業大学の工学の曙文庫が所蔵する科学技術や工学に関する初版本コレクションを100冊ほど展示している展覧会です。過去に金沢(2012)や名古屋(2013)や大阪(2015)で開催され、ずっと巡回を待っていたんですけどやっと関東に来てくれましたよ~!しかもこの規模で入場無料!写真撮影可!なのが更にうれしい。ほんとにいいの?むしろ払うよ!?ってレベルで楽しか...

歴史のタテヨコ。

大塚ひかり『女系図でみる驚きの日本史』を読みました。歴史系ブロガーさんやフォロワーさんたちが割と「おもしろい」とおっしゃっているのを見かけたり女系図から歴史をみる研究やそれについてまとめた本てあまり見かけなくて珍しいと思いましたので。読み始めて早速、「平家は滅亡していない」という記述がとびこんできてアッハイそうですね…ということまでは思ったものの(滅亡したのはあくまで清盛の直系の子孫というだけで、...

Once upon a time in 室町その2。

呉座勇一『応仁の乱』が売れているらしいですね。京都の人がよく「前の戦争」などとおっしゃる11年にもおよぶグダグダな大乱を約300ページというコンパクトな内容にまとめた新書です。室町時代って学校の授業とかでも地味な扱いをされがちですけど(わたしも全然詳しくないけど)たまに少し勉強すると想像以上の出来事や人々が出てきて手におえなくて頭が「えらいこっちゃ」ってなるのであまり手を付けてこなかったのですが、今...

日記の日に読む日記。

吉川弘文館の現代語訳『小右記』を読み始めました。このブログでもたびたび書いている藤原実資(957~1046)がつけていた日記です。タイトルの由来は「小野宮の右大臣が書いた日記」ということで「小右記」。(小野宮は烏丸にある、滋賀の小野に隠棲した惟喬親王の邸があった土地で実資の祖父実頼がそこに住むようになり一族が小野宮家と呼ばれるようになって実資も小野宮の右大臣と呼ばれたわけです)小右記は当時の世の中を知る...

リアルとリアリティ。

大森洋平『考証要集 秘伝!NHK時代考証資料』を読んでいます。面白い!NHKで時代考証業務を担当された著者が、番組制作支援用に作成した考証資料を「あんみつ」「扇の使い方」「花柳界」「キス」「軍議」「正座」「天下の台所」「鼠小僧」「バイバイ」「幽霊」「流人」「ワイン」などなど、項目を辞典みたいに五十音順に並べて本にしたものです。どのページから読んでも大丈夫な構成になっていますので目次で興味のある言葉を選ん...

おーい、応為。

キャサリン・ゴヴィエ著『北斎と応為』を読みました。ご存知葛飾北斎と子のお栄(画号:応為)が並んだタイトルで、北斎が先にきていますが北斎の史実にお栄の人生を想像で加えて、お栄の一人称で話が進みますので主人公は応為の方ですね~。お栄ちゃんがその場その場で何を思ったかを共有しながら読んでいく感じかな。彼女が主人公の小説ってほとんどないから貴重だと思う。(というかわたし他に知らないのでどなたかオススメあっ...

徒然なるままに日ぐらし。

サントリー美術館の「徒然草 美術で楽しむ古典文学」に行ってきました。卜部兼好の随筆『徒然草』が歴史の中でどのように享受されてきたかを記録から探る内容と徒然草の各章を絵画化した徒然絵が楽しめる内容でした。徒然草の文章や兼好の姿絵などはよく見かけますが、研究や章ごとの絵はほとんど見たことがなく色んな場所で徒然草が研究されたり絵にされていることがわかって面白かったです☆入ってすぐのところには兼好の姿を描い...

江戸の入口、鬼平の街。

月曜日がウォーミングアップを始めたと聞いて逃げたくなったゆさです。皆さんあけましておめでとうございます。(←それ前回記事で言ったなぜだ、21世紀も14年経ったのになぜわたしはオフトゥンから出なければならんのだ。むー。お正月休み中は駅伝見たり、お雑煮食べたり、お節食べたり、おしるこ食べたり、初売りや回転寿司に行ったり、いとこが連れてきた赤ちゃんのほっぺつんつんしたり年末に録りためた番組消化したり、ア...

この辺りに若紫や。

今日は古典の日だったので、Twitterで色んな人たちが色んな古典を語っていてTLに次々流れてくる書名や作品名を見てわくわくしていたゆさです、こんばんは。皆さんそれぞれ思い入れがあっていいですなあ。古典ばんざい。古典の日とは。『紫式部日記』1008年11月1日の記述に、貴族たちの宴会に参加した紫式部が酔っぱらった藤原公任の「この辺りに若紫はいらっしゃいませんか」というつぶやきを聞いて「光源氏のような人も...

白鳥は悲しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ。

上野誠さんの『天平グレート・ジャーニー 遣唐使・平群広成の数奇な冒険』を読みました。Twitter上の、主に歴史クラスタさんたちの間で時々この本が話題になっていたので少し前から気になっていたのですが、これは、かなり、読み応えがありました!遣唐使として唐に渡り、帰るときに嵐で遭難してしまい崑崙国(今のベトナム)に漂着して流行病で部下を失ったり政府に幽閉されたりさんざんな目に遭いながらもあきらめず旅をしつづけ...

さあ、あなたの暮らしぶりを話して。

中野三敏さんの『江戸文化再考』を読んでいます。面白い。意識、無意識に思っていた疑問が次々解かれてスッキリします。江戸の人々の思想とか地理とか、物の見方とか、普段何を考えて何をどうとらえていたか。こういう視点の本がずっと欲しかったので読めてよかったです☆近現代の江戸評価…「近代主義的に評価できる部分を摘まみ上げて、それだけを評価してきた」とか頷けすぎて。。新時代は旧時代の否定から始まるという例に漏れず...

心のすみか。

「scribo ergo sum」の八少女夕様と相互リンクさせていただくことになりました。紹介記事はこちらです。どうぞどうぞ、よろしくお願いいたします☆妹が帰省してきたので、恒例になっている「今日までに買った新刊を見せ合う会(主に漫画)」を昨日から開催してがっぽり漫画漬けな休日だったのですけども、わたしが買った群青さんの『まつるかみ』を妹がかなり気に入ったっぽくて自分も買いたいと言いだしました。トバ様がサンタクロ...

ドール・ドール・ドール。

前回記事の続き。原宿の太田記念美術館へ行ったあとは目黒雅叙園の「人形師辻村寿三郎×平清盛」展へ行ってきました。有形文化財である百段階段に連なる7つの部屋に、辻村氏制作の平家の人たちの人形が雰囲気たっぷりに展示されています。人形が1体いるだけでそこに世界がひとつできたみたいな感じがしました。どれもすごい存在感だった。辻村氏の作る人形は顔から何からすべて布製であるせいか、柔らかい雰囲気であたたかくてさ...

祗園精舎の鐘の声。

土曜日に葛飾区郷土と天文の博物館の「星と琵琶の世界-琵琶で聴く平家物語」を聴いてきました☆プラネタリウムの下で『平家物語』の薩摩琵琶語りが聴けるというイベントです。星空をバックに歴史と軍記物語と芸能を堪能できるなんてラッキー☆と思って気軽に申込んで参加したらプラネタリウムは綺麗だわ琵琶は情感溢れるわで頭の中がてんやわんやでした。とても雰囲気のよいイベントだったと思います。行って良かった♪(この日は金...

御容貌に思ひよそへつつ。

というわけで行ってきました~☆目黒雅叙園の「百段階段×源氏物語」展。あー何もかもが華やかで艶やかで眼福だった!会期ギリギリだったのですが、夕方に行ったら結構すいていてゆっくり見られました。雅叙園に入ってすぐのロビーに、『源氏物語』の「紅葉賀」で源氏と頭中将が青海波を舞う場面を再現したジオラマがありました。京都の風俗博物館から出張してきていたようです。人形さんたち超かわいかった(*´∀`*)♪会場入口にはこ...

アート&ハート。

先月までの『盆栽春秋』に載っていた小林東雲氏のインタビュー記事を読んでいて、東雲氏のたたずまいや語り口が、どうも誰かに似ているなぁと思っていたのですが「ああ、小林忠氏に似ているんだ」と今更のように思い至りました。片や水墨画家・片や江戸絵画研究者でお立場はまったく異なる人たちなのですけれど、おふたりとも口調がとても落ち着いていて、ことばが簡素で的確で鋭くて先人の作品をめちゃくちゃリスペクトしていて、...

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プロフィール

ゆさ

Author:ゆさ
猫に熱烈な愛をそそぐ本の蟲
歴史やアートも溺愛中
最近は新幹線とシンカリオンも熱い
*twitterにも出没なう。→こちら

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