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2020_05
23
(Sat)23:59

ボルテッカーは俺も痛いからいやだ!

※しばらくブログの更新をゆっくりにします。次回は31日に更新予定です。


金ローで映画『名探偵ピカチュウ』を観たらあまりにもツボにハマってしまって
まともな精神状態ではないので、感想になってない感想を今からかきます。


世界観。
せんせいわたしこの世界に住みたい…!!。゚(゚´ω`゚)゚。
現実にポケモンと人間が一緒に生活してたらこうなる!っていうリアリティがあったと思います。
ポケGOでスマホの中とはいえポケモンをゲットできる世界になりましたが
それだけでは我慢できない人たちのための映画だ。
御三家の初期形態と最終形態全部出してくれてうれしかったよおぉ~~!!
可能なら中期形態も出してほしかったなあぁ~~~~~!!!(大声)
赤緑青のポケモンが多かったけど新作のポケモンもそれなりにいて、初期ファンにも今のファンにもやさしい作りでした。

カラカラ。
かわいいーーカラカラかわいい!!
草むらでヒョコヒョコ動いてる姿がめちゃくちゃかわいかったです。
というかお母さんのことでトラウマを抱えている主人公くんが最初に捕まえるポケモンがカラカラって、まじですか。
お母さんの骨を被っているカラカラが似たような境遇の子に捕まえられてしまうのか。
主人公くんがバトルしないであっという間にモンスターボール投げたのちょっと戸惑いましたが
ポケモンを痛めつけて捕まえる文化のない世界なんですね。いいねやさしいね。
あっという間にカラカラに破られて200円がパアになったけどまあ200円ですからね、
怒ってホネブーメラン出してきたの、うんそうだよねって思った。

ベロリンガ。
電車の中で知らない人の顔なめちゃうベロリンガちゃん、本能のままに生きていてすばらしいです。
違法バトル場でも他のポケモンたちがRのせいでありとあらゆる攻撃技を繰り出す中、
ベロリンガちゃんだけはしたでなめる攻撃だったのめっちゃいとしかった。

ライムシティ。
人間とポケモンがパートナーシップを結び一緒に暮らしていて、ポケモンバトルもないしトレーナーもいないし
モンスターボールも売られていないことがアナウンスされる街。
ヒトカゲが歩いてる。トゲピー抱っこしてる人がいる。ピジョットが空を飛んでいる。
カイリキーが交通整理をしている道路をカビゴンがふさいでいる。
キモリもドードリオもニューラもヤンチャムも人間と一緒に歩いている。
何じゃこの街、最高!!!+゚+。:.゚(*゚Д゚*).:。+゚ +゚
画面のそこかしこにいるポケモンを目を皿のようにして探してしまったよ。楽しいよ!
ゼニガメ団もいるしさ~~一匹だけ三角形のサングラスしてるの泣きそうになったし
カメックスが消防署にいて消火活動してるの天職って思ったし
ガーディやウインディが警察犬として警察官と一緒にパトロールしてるのアニポケの再現じゃありませんか。
(ジュンサーさんはいなかったけど)
プリンがカラオケで人を眠らせてプク~って怒ってたり、ルンパッパがカフェで給仕してたり
オクタンが屋台で食べ物売ってるのめちゃくちゃ似合ってて泣きそうになりました。
街の看板にもポスターにも新聞にも遊び心がいっぱいで
ウパーやビクティニが看板にいたり、ルギアやリザードンやラティオス&ラティアスがポスターになってたり
ミュウのシルエットが新聞記事に載ってたり…。
こんなにポケモンが日常にいる街、最高!!

ブルー。
怒ったような顔をしてるけど実は緊張してブルブル震えているっていう裏設定があると聞いて
めちゃくちゃいとおしくなりました。がんばってたんだな、ブルーちゃん。
このブルーちゃんをヨシダさんというイケオジがパートナーとして信頼し一緒に仕事してるの最高ですね。

ピカチュウ。
ホームズみたいな帽子をかぶり、おっさん声でしゃべり、記憶をなくしてしまっているなんて
今までどの世界線のピカチュウにもなかった設定ですぞ!すごいね。
ピカチュウのおっさん声が聞こえてるの主人公くんだけですから
主人公くんがピカチュウと話してるシーンは周りの人からはピカチュウの言葉は「ピカピカ」って
いつもの鳴き声に聞こえるってことですよね。
そしてその!!ピカピカって声は大谷さんではないですか!!!!!(大声)
周りの人ヴィジョンに切り替わったとき急に大谷さんのピカピカって声が聞こえてきて心臓止まるところでした、
そういうところですよスタッフ。。
主人公くんの肩にピカチュウが乗ったシーンでアニポケのサトシくんとピカチュウのこととか
主人公くんとピカチュウが一緒に歩いてるシーンでピカVer.をプレイしたときのこととか
色んな記憶が蘇ってきて耐えられなかった。
「1日10万歩をめざしてる」のセリフでポケットピカチュウを思い出したファンいますよね!ね!?
しわしわの顔でアメリカ版ポケモンのオープニングテーマ歌ってるシーンはCMで何度も見たけど
フルで見たら思ったよりしわしわでちょっと気の毒になりました。。
クライマックスでピジョットの背に乗ってミュウツーに立ち向かうシーンは泣きそうになったよ!!
10万ボルトもボルテッカーも決まってたーーーうわああああんかっこいい。゚(゚´Д`゚)゚。
ピカチュウの顔はライアン・レイノルズ氏のモーションキャプチャーで再現されているので
お父さんに戻った後もピカチュウにしか見えなくて大混乱でした。わたしが。
ああその表情がその顔かたちがっ!さっきまで2時間眺め続けていたピカチュウなんですよ。
主人公くんへの態度がおっさんピカチュウそのもので(当たり前ですが)
隣に大谷さん声のピカチュウが並んでいると脳がバグって「今どっちがしゃべってる!?」ってなりました。
こんなことになるとは思わなかったよピカピ…。

エイパム。
怖かった(((((;´Д`))))。
Rを吸い込む前は「エイパムだ~かわいいな~!」って思って観てましたが
吸い込んだ後はグレムリンみたいになってしまって怖かったです。あわわ。
元に戻って本当によかった…君たちが君たちらしく生きられる世の中が一番いいですね。

バリヤード。
パントマイムのシーン最高でした!
無理矢理こちらの話を言って聞かせようとするピカチュウのやり方ではダメで
主人公くんがパントマイムで応えたらうまくいったの、すごくよかったです。
バリヤードにとってパントマイムは言語そのもので、それ以外では対話ができないっていうのは
バリヤードというポケモンを全肯定していてすばらしかった。
ひかるかべを作ってドアに鍵をかけて閉じこもってしまったバリヤードと対話するためには
こちらがバリちゃんの生き方を学習して歩み寄る必要があるんだな…。
コミュニケーションのひとつの形を示してくれたシーンだと思いました。
何よりパントマイムしてるバリちゃんが生き生きしてたのがね!よいね!!

違法ポケモンバトル場。
赤緑のロケット団基地を思い出すような、ゲームの闇の部分を実写化したようなシーンで
決して明るいだけじゃないポケモンの世界観をこうして表現するんだなあと思いました。
客席にガタイのいい人やポケモンがいたりバクオングがDJやってたり
ゴローンが転がってきたりする場所。ゲンガーがゲンガーだ!!!(大歓喜)
ゲンガーとカメックスのバトル、えっ、消えたり出現したり動きも素早いゲンガー超かっこよくないすか???
かげぶんしんとシャドーボール決めてくれたの叫んでしまったし
わたしの理想のゲンガーが暴れまわっていました。すばらしかった。
負けじとハイドロポンプ出してたカメックスもかっこよかったよ!

リザードン。
まさにドラゴンというか恐竜というか太古の昔に存在してそうなリアルな造形、
いや~つくづく実写に向いてるポケモンですね~。
アニポケでピカチュウとの体長差は見慣れていたはずなのに
CGでリアルに表現されるとここまで違うのか!ってびっくりしてしまった。
バトルもサトシくんのピカチュウではないから一方的になってしまってたけど
西島秀俊氏の声でピカピカー!が聴けると思ってなかったからリザちゃんに感謝しないと、
圧倒的強さを見せてくれてありがとうございます。かえんほうしゃかっこよかったです!
コイキングから進化したギャラドスに怯えてしまう表情がリアルだった…相手はみずタイプですからね。
「うちのベイビーに何をする!」ってパートナーの人が必死にリザードンを守ろうとしていて泣けてしまった、
きっと彼はリザちゃんがヒトカゲだった頃から一緒にいて、大切なパートナーなんだろうなって。
(ピカチュウとのバトルに乱入した主人公くんを責めるどころかリザードンのことをまず最初に心配するあたり、
ああこのリザちゃんはすばらしいパートナーをもったなと思いました)

コイキング&ギャラドス。
「コイキングは刺激を与えると進化する」というピカチュウの考えにより
水槽から放り出され苦しくてビチビチ跳ねていたら黄色い尻尾で叩かれたコイキングかわいそうでした。虐待反対!
いやしかしギャラドスかっこよかったですね…!
コイキング→ギャラドスの進化シーンを実写映画で作ってくれたのありがたみしかないですね、
ビジュアルがガラリと変わるので迫力で強烈な印象も残せるし。

コダック。
かわいい。(落ち着いて)
えっなに待って何あの存在、動いても止まっても頭押さえててもかわいい。
ピカチュウに足裏マッサージされて気持ちよくなっちゃってるシーン猛烈にかわいい。
研究所でヒロインにおんぶ紐つきでおんぶされて(20kgあるのに!)逃げ回ってるとき
ずーーっとファファファファ鳴いてて萌えしにそうになりました、
なんだあのかわいさーーーーー!!!(頭抱)本人は頭痛がひどくて大変だったろうけど。
ねんりき発動するシーンはアニポケより強烈な演出で、あれはもはやサイコキネシスでは。(覚えるよね)
というかあのヒロインさん、コダックのために移動中の車でもヒーリングBGMを流してストレス管理してるのいいよね、
コダックをバトルに使うつもりが全然なくて、ただひたすらかわいがってるんだよね。
コダックと生きるためにコダックにとって最適な環境を常に考えているんだなあ…素敵なパートナーさんだ。
最後の最後でコダックがピカチュウを抱きしめるシーンが素敵すぎて泣いてしまった。。

ゲッコウガ。
この映画においてエイパムに次ぐトラウマを残していきましたよね。
体の色が違ったから最初わからなかったけど実験の影響かもって思ったら怖くなった、なんてこと。
みずしゅりけん怖かったです。

ドダイトス。
大地が鳴動して何頭ものドダイトスが出現するシーンはまるで神話を見るようで神々しかった…。
「ドダイトスー!ドダイトスまじかーー!!」ってアン・シャーリーみたいに叫んでしまったよ。
巻き込まれた主人公くんたちは大変な目に遭いましたが
ドダイトスにとっては物音がしたからちょっと起きてみたくらいの感覚っぽかったし(実際すぐ寝たし)、
中盤のクライマックスですがこの後の展開に一切関係なかったのも笑いました。
きっとスタッフの中にドダイトス推しがいたか、
「大きいものが動いたらかっこいい」的な考えを持った人がいたんだろうな。

フシギダネ&ネマシュ。
もうフシギダネがわらわらと出てきただけで涙が止まりませんでした、
ダネフシャーーーーーわたしだーーーーーーっ!!!!!(≧Д≦)ノ
過去記事でも語ってますがわたしが世界一好きなポケモンはフシギダネなのですよ、
そのポケモンがこんなに、こんなに画面に何匹も。ありがとうございます。ありがとうございます。
鳴き声が「ダネフッシ」じゃなく「クルルル…」だったのはちょっと残念でしたがこの際目を瞑ろう、
フシギダネ天国を作ってくれてありがとうございました。(深々)
めぐ姉が声を当てたフシギダネもいたそうなので後で観直さなくては。
水辺に生きてるんだね~ネマシュも一緒なんだね、どこへ連れて行ってくれるの、
あれ、大きな岩があるね、なんか捧げ物の祭壇みたいだね…って思ってたら
ミュウツーが現れたので( д) ゚ ゚ ってなりました。

イーブイ。
引きでシルエットしかなくても君だとわかったよ!小田部さんのデザインは強い。
あっという間にブースターになっちゃったけどね…きっとスタッフさんの中にブースター推しの人がいたんですね。
このときわたしが画面に向かって「エーフィじゃないのかよ!」と叫んだのと同時に、
一緒に見ていた弟くんは「ブラッキーじゃねえのかよ!」って叫んでました。
ちなみにもし別居の妹ちゃんが昨夜家にいたら「シャワーズじゃないのかよ!」って叫んでたと思う。
きょうだいで推しが全然違うのです。みんな違ってみんないい。
欲を言えばほのおのいしを使って進化するシーンが見たかったな~ブースターちゃん。
尻尾がふさふさして超かわいかったです。
尻尾に毛が生えてるデザインのポケモンはあの世界ではもれなくふさふさにされる。
絶対手触りいいよね。抱きしめたい。ブースターやガーディの尻尾モフりたい。最高。

メタモン。
テレビ局のスタジオで一瞬で人間に化けたの感動しました。
メタモンが実際に存在するってそういうことだよねー!!夢があるなあ(*´︶`*)☆
本田圭佑氏みたいなサングラスしてるな…って思ったらもう本田氏にしか見えなくなってしまいました、
あれメタモンの目を隠すためですよね!
メタモンは他の生き物に完璧に化けられるけど目だけはメタモンのままっていうのも
アニポケの設定を活かしてくれていてもう何度目かわかりませんがスタッフに感謝でしたよ。
次々に化けて主人公くんを翻弄したあげくカイリキーの姿で殴っちゃだめー!って思ったけど威力はメタモンなのか、
そこまで主人公くんが吹っ飛ばなくてよかったけど
その後カラカラに化けたのはおまえ正気か!?ってなった…いや記憶を読んだってことなのか。

ミュウツー。
わたしは知っている。幼少期にミュウツーの逆襲を見た人はミュウツーが強く美しくかっこよく映像化されれば
無条件で拝み倒す習性があることを。
サイコキネシスで研究所の設備ぶっこわすシーンも世界制覇したみたいにお空に君臨するシーンも
我に返って主人公くんとピカチュウを助けてくれるシーンもすばらしかったです。
「20年前にカントー地方から逃走」って言われてたからあれって思ったんですけど
この映画が公開されたのは2019年なので20年前というと1999年なわけで
あっこれ誕生&逆襲と地続きの世界か…!ってなって鳥肌が立ちました。
制作スタッフはあの作品も履修済みということですか。ありがとうございます。
誕生と同じように実験に利用されて最初は人間を憎んでいたけど、反対した主人公くんのお父さんのことは信じてくれて
事故から守ってくれてピカチュウと一体化させた能力についても
いやミュウツーならできるでしょと思わせてくれる説得力がありましたね。ミュウツー万能説。
声が山ちゃんと木下さんのダブルキャストでしたね~。
山ちゃんついにミュウツーもやりましたね!逆襲ではミュウだったけどね。

人間たち。
幼少期はポケモンのポスターを部屋中に貼りピカチュウのベッドで寝ていた主人公くん。
お父さんの部屋を訪れてテレビを消したのちょっとドキっとしましたよね、
サトシくんもそうしてマサラタウンを出発していったからね。
記者さんがコダックをパートナーにしているのはたぶんカスミさんがモデルだからだろうな…。
研究所の人々のやってることがゲームやアニポケのロケット団やミュウツーの誕生の博士に似ていて
あの映画で博士以外の研究所の人が何をやっていたのかは描かれないけど
この映画がひとつのifを出してくれたような。
黒幕さんの野望はサカキ様も考えつかなかったようなものだったのですごかった、
ポケモンになろうとした人って今までいましたっけ…!?
(余談ですが演者のビル・ナイ氏は映画出演が決まってポケモンのゲームと攻略本を買いプレイしてみたら
ドハマリしてしまったというエピソードがすごい)
その息子氏はちゃんとしたいい人でしたな。
メタモンに捕まってたとき主人公くんに対して三木眞声で「後ろ後ろ!」とか言うから笑ってしまったけど
最後はめちゃくちゃかっこいいこと言って去って行きましたね。よかった。

エンディング。
公式が無料配信しているので何も言わずに見てください。→こちら
絵柄も音楽もだけどラストカットがモンスターボールなの最高なんですよ!!(大声)


以上、感想という名の叫びでした。ご清聴ありがとうございました。


名探偵ピカチュウは去年の3月に京都ポケセンでパネルを見まして
その時は少し興味をもった程度だったので写真撮ってこなかったんですよね…。
なぜ撮ってこなかったんだ自分~~~アホ~~~~~!!(ノД`)・゜・。
だってこんなにツボるとは思ってなかったんだあの頃はっ…!
今あのとき触ったピカチュウの尻尾のふわふわが懐かしくて仕方ありません。(もう遅い)
ワーナー・ブラザースの皆様本当にありがとうございました。あなたたちのポケモン愛むちゃくちゃ伝わってきました。
吹き替え版はシトロン役の梶さん、カキ役の石川さん、ロケット団のめぐ姉・三木眞・イヌコさんが出演しているし
ポケモンもピカチュウが大谷さんだったりコダックが愛河さんだったりプリンがかないさんだったりと
アニポケのオリジナル声優さんたちがそのままポケモンの声を当てていて泣きそうでした。
英語版も色々と遊び心があるみたいなので字幕で観てみたいなあ。
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2020_03
31
(Tue)23:56

燃やせ魂。

各方面からおすすめされていた映画『プロメア』をDVDで見ました。
さすがTRIGGER&中島かずき、情報量が多くて頭がパンクしそうですよ。
まさか堺雅人氏がロボットに乗るアニメが見られるとは!
特に後半はずっと大声で叫びまくってて大変そうでした。あと主演の松山さんと早乙女さんも。
というか脚本家とのコンビが、これ「ふたがしら」ですよね(笑)。
堺さんも新感線で早乙女さんと一緒に中島さんの舞台に出ていらっしゃるから
俳優さんみなさんにご縁があるんですね。
ご本人たちで実写化待ったなし、いやマジでできそうですよ!できると思います。
松ケンさんや早乙女さんはそのままで大丈夫だもん…堺さんはちょっと、いやだいぶ鍛えないとだけど。
(なんて考えてたら堺さんがインタビューで似たようなことをおっしゃっていた→こちら

とにかく映像がすごいというのをあちこちで聴いていましたし、予告編やCM見てても確かにすごくて
いざ本編を見たら想像以上にものすごかったです。
舞台となる街プロメポリスの構築(背景にでほぎゃらりーが参加している!)、
音速のようなアクション、炎のゆらめき、メカやロボのきらめき、イメージの引用など
とにかく「アニメーションをやる」みたいな、絵を動かすことにひたすら重点が置かれている感じでした。
常に画面のどこかで何かが動いていて、静止した絵がほとんどなくて
あれっ今何かいた?って一時停止して確認したりする作業の連続。
世界では大きくても小さくても必ず何かが動いている、的な意志をひしひしと感じるというか…。
○の表現があまりなくて△や□が多用されていたのは幾何学的な世界観だと説得力を持たせるためなのかな、
こんな表現があるんだなあと思いました。
ずっと「スゲー」「やべー!」「スッゲー!!」って言ってました。全編通して口開けて見てた気がする。
原画の主線がカラフルなのであまり原画っぽくなくて、手描きというよりCGで動かしてる感があって
キャラクターは自由に動き回っているし、カメラの動きもドローンのように縦横無尽で
(船から撃って出ようとするクレイをカメラがぐあ~~って回り込むカットでうおおおってなった)、
こりゃスタッフの皆さん大変だったろうなあ…。
背景もきれいで、プロメポリスの街をはじめレストランの様子とかモービルの内部とか
ガロが頭を冷やしに行く氷の山とかバーニッシュたちが隠れていた火山近くの砂地とか
空気のカチっと冷えた雰囲気とか、強い日差しも感じられるような背景だったと思います。
デザインチックな背景で気温が感じられる画面、見事だ。

グレンラガンやキルラキルがそうだったように、ストーリーは歌舞伎や特撮のように王道で
でも先が読める気持ちよさというか、「やっぱりこうなった!」的なおもしろさがありました。
というか主人公にやたら歌舞伎の演出がつけられてますよね、見得とか七五調セリフとかツケとか…
中島さん歌舞伎も書いてるしね。
キャラクターやロボの名乗りでアルファベットとカタカナと止め絵が必ず出るって、どんだけ歌舞伎好きなんすか(笑)。
メガマックスもグレンラガンみたいな変形するし、ガロの丁々発止な決めゼリフも迫力あって
「で、出た~!中島節!」って突っ込まずにはいられなかった。
(セリフあまりに長くてリオに「おまえは何を言っているんだ」って突っ込まれちゃうのすごく好き)
クライマックスにガロがドリルでメインエンジンに突っ込むシーンはグレンラガンそのものでしたな、
良くも悪くも出世作だからなああれは…。
そんな中島作品でたぶん、歴代で一番バカって言われまくっているガロくんは
活動時に服脱いじゃうのなんでだろうな、
君が憧れている極東の火消しは法被着て火事場で纏振ってたんだぞ(^ω^)。
(カミナさんに似てると思ったらやっぱりそうで、今石さんもインタビューで「僕の主人公はだいたいああなる」って言ってた)
教養はないけど人一倍素直で目立ちたがり屋、火消しとしてまっすぐに生きる信念もあり、
そのための体力もきちんと持ってるから普段から鍛えてそう。
「バーニッシュも飯を食うのか」って言って、それが違うと知ると「悪かった」と謝れるのに
「我慢できれば普通の人間と一緒だろ」って、思ったことをすぐ口にしてしまうドストレートさ。
ただ、リオにクレイの話を聞いて最初は否定しても、ちゃんと疑って勲章を返しに行ってるので(捕まっちゃうけど)
目の前で見たもの聞いたことをそのまま受け止める性格なんだろうなあ。
レスキューの仲間たちも個性的すぎて大好きです。
みんな別方向を向いたオタクですが背中を預けあっている信頼感が見て取れるというか。
明るいアイナもクールなレミーも、マイペースなルチアも豪快なバリスもかっこいい。
「整備しといたよ。隊長の命令でね」っていうセリフはルチアさんの頼もしさが爆発してますが
隊長のかっこよさも伝わってくるいいセリフだなと思います。
信じてくれる仲間たち!
というか新谷さんどこかで聞いたことある声だと思ったら蛇崩さんじゃないですか…!
というか声優陣がいつものメンバーすぎますよね。吉野さん稲田さん小清水さん柚木さん檜山さん小西さん。
…そういえばガロが好んで使う纏は纏流子ちゃんの名前に通じるのか…。
小清水さんは今回はあまり暴れ回らないお役でしたね、
妹のスカイミスに飛び乗ったおねえさまかっこよかったです。
中島さんの書く姉妹キャラはお互いに向き合った時の絆が最強なのだよな。キルラキルの姉妹も好きー!

バーニッシュフレアの表現がとても美しくて、紫とピンクと青と黄色が入り混じった炎が
バーニッシュさんたちの手から出るたびに興奮しておりました。きれいだった。うむ。
炎というとどうしても「何かを燃やす」ものとして描かれがちですが
この映画は化学の現象としてのフレアを表現しているというか…それに色をつけているというか…。
(バーニッシュの炎が三角で表現されているのに対して
レスキューの人々が使う氷の武器は四角く表現されているんですね)
圧巻だと思ったのはリオが龍のかたちをした炎になってプロメポリスを襲撃してくる一連のシーンですが
ビル群の間に舞う龍の美しさと破壊の限りをつくす激しさがもう、何というか言葉になりませんでした。
あのシーンはすごかった。
アメコミチックな画面のなかに東洋の龍がいるというちぐはぐさと
炎は確かに揺らめいているのに硬質というか、ガラスのようにキラキラと尖ってもいて
リオの気持ちがそのまま龍のかたちをとっているように思えてどうしようもなく泣けてしまった。
泣きながら破壊してるんだよね。仲間を不当に奪われた怒りと悲しみの龍なんだよね。
バーニッシュの発火が先天的なものか後天的なものか、劇中では言及されないけど
最初のバーニッシュが現れてから30年経過しているのならたぶんリオたちは先天的な世代で
生まれてからずっと本能と戦いながら生きてきて、それを理解されることなく
ガロが前半で言ったように炎を出すな=「普通の人間」になれと言われ続けてきたわけで。
リオがいつマッドのリーダーになったのかわからないけど(リオ編にあるらしいけど見てない)、
きっと彼は仲間のことも自分のことも守りながら生きてきて
そんな仲間たちをひどい目に遭わされたのだから怒って当然ですよ…。
(ゲーラとメイスに逃がしてもらうときに「おまえたち!」って叫んだセリフ聞いて
某新幹線ロボの運転士を思い出しちゃったのは内緒です)
「むやみに殺さないのが誇りじゃなかったのか」ってガロに言われて我に返った姿を見て
ああ~~~どこまで冷静なの!って頭を抱えそうになりました。
暴走してるようでしてないんですよ。自分が何をしてるかわかってるんだよ彼は…なんて、しんどい。
人の名前は一度聞けば覚えるし、刑務所から仲間を助け出すときも周到に計画用意してるっぽいし
デウス・X・マキナをリオデガロンに作り変えるシーンも、ガロに頼まれて纏を作るシーンも
まあ炎をポキって折って剣を作れたりする子なのでわかるっちゃわかりますが
一度しか見たことないはずの纏をパーフェクトに再現しちゃうあたり、
本当に頭のいい子なのだなあと思います。
対クレイ戦で「あえてよけなかったみたいだがどういう作戦だ」ってあくまで作戦があると思ってるリオと
「やせ我慢!やせ我慢だ!」って何も考えてないガロの対比ほんとにおもしろい。
火の元用心パンチとかマッチ一本火事の元キックとか、どこまでお江戸好きなんだガロ。。
リオデガロンのときはちょっとクレイに押され気味で奥ゆかしい感じでしたがどんどん押し返していって
(炎と氷に貫かれて止まるロボ2体のカットなんすかあれめちゃめちゃ絵になってた)、
クレイの告白を経てリオがガロを守って、ガロがリオに火をつけて
かつて燃やすのを我慢しろと言ったガロの「燃やせ!」のセリフにリオがうなずき、
ガロデリオンになったら2人とも完全に着火してるから燃え上がっちゃってまあ、まあ、
しかも腕組んで仁王立ち、トップをねらえから変わらないガイナ立ちキター!
物事が巨大化して宇宙規模の事態になるのは中島作品文法ですが、
プロメアは太陽系を燃やして終わったけどたぶん尺があったら宇宙の果てまで燃やした可能性もあるよな、
銀河をぶん投げるラスボスと戦ったグレンラガンみたいにさ…。
ラストでプロメアが燃え尽きてリオたちが力を失う描写はフルバを思い出しました…。
リオの表情がさみしそうだった。

クレイの影の努力を思うと泣けてきます。
バーニッシュであることを隠して、ガロを助けた英雄になり街の権力者までのぼりつめて
地球のマグマが爆発しそうになるのを止める手立てを考えて、無理とわかったら船を作って
彼が選んだ人類1万人だけを乗せて他の星へ移住するという、ノアの箱舟のような計画をたてて
滅殺開墾ビームとか瞬砕パイルドライバーとか、移住先の星を開拓するための機能を搭載したロボに乗る。
(つまり戦闘用ロボではないんだよね…ガロくんが勝手にクレイザーXって名前つけてましたけど)
その機能をリオデガロンにぶつける際に人々は地下シェルターにいることを「当然だろう」とする。
「もっと燃やせ」という体の奥底の本能を必死で抑え込んで抑え込んで生きている。
ねえなんでこんな泣けるキャラなの??。゚(゚´ω`゚)゚。
ラスボスが実はとんでもない事情を抱えている設定ほんと、中島さん好きだよねえ…。
「おれは助けるぜ、リオも地球もあんたも」ってガロに言われたときどんな気持ちだったかな、
ラストで燃え尽きた姿を見てちょっと心配になってしまいました。
「炎上したら消してやるし火の粉からも守る」ってガロがリオに言ったけど、
そしてその信念にはクレイも含まれるだろうけど
街の復興もバーニッシュの尊厳回復もとてつもなく長い道のりになりそうだよな…。
(中島さんて社会問題をぶっこむ割には主人公の熱さで押しきって後は宙ぶらりんてことがよくある気がする)
あとフリーズフォースのヴァルカンおじさんがアーマースーツから転げ落ちたとき、
一瞬、ヴァルカンの首が落ちたのかと思って超絶びっくりしてたら彼の体がスーツに乗ってるだけだったっていうオチに
すさまじく驚いてしまいました。小さいおじさんだったのか。。
待って、ヴァルカンがこうってことはじゃあ、部下たちも…??ってなったけど考えないことにしました、
考えたらたぶん眠れなくなる。


タイトルのプロメアもだけど、プロメポリスとかプロメテックエンジンとか
あれらの用語は全部プロメテウスに通じるのでしょうか。
ゼウスが人類から取り上げた火を人類に分け与えたために
怒ったゼウスに鎖で繋がれてハゲタカに体をつつかれちゃう神様で
(彼が不死身で、体が治るとまた次の日につつかれて傷だらけになるっていうのもバーニッシュに通じる気がする)
3万年後にヘラクレスが通りかかって助けてくれるまでずっと大変な目に遭ってるんですよね。
(そしてこのとき不死から解放されて冥界に行ったのがヘラクレスの師であるケイロンさんですな)
そういえばプロメテウス(promētheus)の意味のひとつは先見の明を持つ人というものだそうですが
クレイの名字であるフォーサイト(Foreshigt)も先見という意味だそうですね。
彼もプロメアの声を聞いた人だしなあ…なんだかまた泣けてきました。
ちなみにガロの名字ティモス(thymos)とリオの名字フォーティア(fotia)は
それぞれギリシャ語で「気概」と「炎」という意味だそうですね。
で、プロメス博士がたぶんゼウスなんだよな…デウス(Deus・ラテン語)はゼウス(Zeus・ギリシャ語)のことだと思うし。

あと3回はちゃんと観よう。
2019_12
21
(Sat)23:59

あなたのそばが、僕のいる場所。

ebisugar2.jpg
東京都写真美術館で映画「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)」(字幕版)を見てきました。
中国で制作されたアニメーション映画で、最近じわじわと話題になってきているので気になって
やってるところを探したら単館上映か?ってくらい上映館が少なくて
東京は今月いっぱいは写美ですが来月はどこでやるんだろう。
すごく力の入った作品なので色んな人に見てほしいです。

ebisugar3.jpg
シャオヘイかわいいよかわいい。

観る前にさらっとあらすじだけ読んでから行ったのですが、妖精が存在する世界が舞台で
人間の開拓のために森を追われた猫の妖精の羅小黒(ロシャオヘイ)が
旅の途中で妖精の仲間や人間の師匠(になる人)に出会って世界を知っていく物語…みたいな感じです。
公式サイトにめちゃくちゃかわいい予告編がありますのでどうぞ→こちら
予告編はやさしいシーンが多めに編集されていたので、
てっきりひとりぼっちの猫ちゃんが仲間に囲まれて幸せになるような
ハートフルでソウルフルでほのぼのするストーリーかしらと思っていたら全然違って
師匠と弟子バディ×ロードムービー×能力バトルというめちゃくちゃド派手な内容でした。
わんわん物語とか名犬ラッシーみたいなのじゃなく、ドラゴンボールとかジョジョとかタイバニみたいなジャンル。
もっと上映館多かったら大流行して薄い本がバンバン出ると思う。

以下、ネタバレを含む感想ですのでこれからご覧になる予定の方はご注意ください。



主人公のシャオヘイ。
かわいい。動いてるだけでかわいい。とにかく何をしてもどこにいてもかわいい!
黒猫姿のコロコロした見た目も、よく動く耳も尻尾も、まっくろくろすけみたいなパッチリしたお目々も
「ミャオミャオ」って鳴く声も何もかもがかわいいっ!!!\\ ٩( 'ω' )و //
そんな子が、興奮したり恐怖を感じたりすると一瞬で戦闘態勢になったり
化け猫のように体を巨大化するのはまさに猫だなあと思っていたら
監督のMTJJさんが飼っている猫がモデルなんだそうで。
道理で猫の描き方が神がかってるわけだ…!
食べ物食べるときにめちゃくちゃ幸せそうに目をキラーン☆ってきらめかせるのかわいいし
仲間たちに出会えてすりすりするのもかわいいし、お部屋をもらって丸くなって眠るのかわいいし
そしてときどき船酔いする(乗ったことないもんね)。
あと尻尾の一部が独立してコミュニケーションが取れるミニ猫になってるのもかわいいです。
ムゲンとの出会いは最悪でしたけど(ミニ猫だけは最初からなついていた)、
無理矢理連れてかれて館への旅をするうちにどんどん知恵をつけて強くなって能力も使いこなせるようになっていって
フーシーが霊域を展開させてからのラストバトルにおいて
ムゲンを助けるために猫の手がグワーーーって出てくるシーンはまさにクライマックスだった!
髪も白くなって貫禄出ちゃってさ…強くなったねえシャオヘイ。すごいね。
フーシーに能力を奪われた後に黒猫から白猫になってラストまで変わらなかったけどもうずっとあのままなんだろうか、
中国で白というと仙人を連想するので神の領域に入ったかのような…。
でも最後にムゲンに抱きつく姿はまだまだ子どもだった。かわいい。

ムゲン。
たぶん100歳以上。強くて顔が崩れない、焦らない。やたら金属をつきつける。そしてやたら食い逃げする。
人間だけど妖精みたいな能力を持っていて、とてつもない強さのために妖精からも恐れられていて
でもおいしいものを見つけるのが苦手で、狩ってくるものすべてシャオヘイにペッてされるのがちょっとかわいそうだった。
(たぶん監督の経験なんだろうな)
(そういえば何で執行人として館に所属してるのかは最後までよくわからなかった)
あと、隙あらば逃げようとするシャオヘイを(物理的に)縛って館まで旅をしているうちに
方向音痴であることまで判明してしまった。。バトル以外はポンコツらしいです。
たぶん最初はシャオヘイのことを、フーシーたちに対する感覚と一緒で警戒しながら連れていこうとしたんだろうけど
シャオヘイの才能に気づいてからは明らかに自分の意思で連れていこうとしているのが
今回の出会いでシャオヘイだけではなく彼も変わっていくんだなと思いました。
「生き方を間違ってほしくない」とか。(どういう意味かはこの映画のテーマでもある)
地下鉄で初めてシャオヘイに車内の人々の保護を任せるところは彼の信頼を感じましたし
フーシーに立ち向かう表情は完全にシャオヘイのために怒っていて
シャオヘイが駆けつけてからのタッグバトルがすさまじかったです。アツい展開!

館の妖精たち。
人間と妖精のターミナルとしての機能を果たしている場所で
でも人間には妖精の存在は隠されているので、
妖精が何か事件を起こしそうになる前に予防したり、場合によっては隠蔽したりもするという
人間と妖精の間に存在するなかなかしんどい立場の組織。
館長のパンジンさん素敵なメガネのおじさま!
冷静沈着な敏腕館長という印象で、妖精と人間の間で常にトラブル絶えなくて胃がキリキリしてそう。
今回は龍游の街が半分以上吹っ飛ぶほどの被害が出たけど、うまいこと収めてしまわれるんでしょうね。
館にも色んな妖精たちがいて、シュイみたいに人間が好きな妖精もいれば
キュウ爺みたいに、好きじゃないけど共存を目指すしかないからと一緒にいる妖精もいれば
嫌いだけど生きるためとか居場所のために行動をともにしている妖精たちもいるみたい。
坩堝なんだなと思いました。
そして…ナタさんが…ナタさんが超イケメンだった…!
自信家で口が悪くて、自分が強いことをわかっていて(実際強い)そして何よりか わ い い (大事)。
足に何くっつけて飛んでるんだろうと思ってたんですけど
公式さんによる設定を見ると混天綾らしい!エーーーーーーーーッ( ゚Д゚)
封神演義クラスタとしては刮目せざるをえません…つまり哪吒ってことじゃねえかあああぁぁぁああぁああ
よくわかった…ナタさんがああいう口調で炎を武器にするのは哪吒だからだ…そうか…。
本当にありがとうございました。
中国に封神演義が今も生きていることがわかってわたしゃ本当にうれしいよ…。
そんな個性的なメンバーだらけの館ですが人間は歓迎されない場所とのこと…
ムゲンは見つけた妖精を送り届けてはいるけど館にはあまり近づいてないみたいですね。

そういえば館の美術デザインが個人的にとんでもないクリティカルヒットでして。
青空のど真ん中に浮いていて、大きな屋根と大きな鐘があって、周囲は雲しかなくとても凪いだ世界で
桃源郷とでも言えばいいのか…それにしてはデザインやカラーリングがポップでとても現代的でした。
というかこの映画は背景の美しさがとんでもねえんだ…。
最初にシャオヘイが住んでいた、高い木がたくさん群生して動物たちも多かった深い森。
フーシーたちがいた離島の中の、たくさんの植物と苔むした世界。
白い蝶がいるところはたぶん妖精が住めるしるしというか(もののけ姫のコダマみたいな感じ)、
自然が豊かな証拠でもありそうな。
そんな緑の描写から一転、現代の大都会を思わせる龍游の街(天津市がモデル)はリアリティがものすごい。
(人間の世界と行き来できる出入口が妖精たちによっていくつか作られていて、
シャオヘイはそこから街に迷い込んでフーシーに助けられている)
てっきりファンタジーの世界かと思いきや現代社会と繋がっている世界だと判明するのは映画後半なので
突然の妖精の世界とテクノロジーの融合にびっくりします。
執行人たちはスマホも使うしコカ・コーラのお店にも入るしハンバーガーも食べるしスクーターも運転する。
(大陸に上がったシャオヘイとムゲンが食事したお店の店員の「スマホで支払えますよ」のセリフで
ムゲンが懐からびしょびしょのスマホを出したのはびびりました。あ、持ってるんだ、って)
空を飛べたり、樹を生やせたり、氷や金属を操ったり、空間を創りだしたりと
妖精たちやムゲンの使う技が明らかに五行思想というか、神話や伝説やファンタジーのそれなので
街に来て地下鉄でバトルおっぱじめたのはびっくりしました。おまえら電車の上でケンカすんな。。
(だからムゲンは氷属性のシューファイとは戦わないんだなと思ったし、
金属性のムゲンとシャオヘイに木属性のフーシーは勝てないんですね)
あと個人的に、ガコさんのお店で水墨画から飛び出してくる龍と鳥とカエルの一連のシーンが
夢があってとってもよかったです。(ガコさんはそれどころじゃなかったけど)
あの背景の書や絵画は引用ではなく全部アニメーターさんたちがデザインしたらしい。かわいかった。

作画。
戦闘シーンは素早く、無駄がなく、鮮やかなアクションの連続で
画面を縦横無尽に暴れまわるキャラクターたちを目で追うのが大変でした。
日本のアニメなら1カット差し挟みこみそうなシーンでもそういうのが省かれているから
速さが感じられるというか、スピード感が全然違いました。
日本の作品なら、たとえば人が相手に飛びかかる作画なら踏ん張る顔→踏ん張る足→飛び出す!みたいに
3カットくらい使いそうなシーンを、この映画では最初から飛び出す作画になっているから凄まじく速く見える。
感情の省かれた動きだと思いました。
しゃべりながら戦わず、モノローグが一切入らず、ひたすら目の前の戦いに集中する動きだった。
かと思えば食べたり眠ったりするなどの日常生活のゆったりした動きが滑らかできれいでしたね…
たぶん日常シーンの方が作画枚数が多かったりするんじゃないかな。
シャオヘイが猫になったり人間体になったり、妖精たちが姿を変えるときのなめらかな作画もホレボレする…。
変身シーンはアニメーション表現でもっとも難しい作画のひとつだと思ってますが
この映画はまったく違和感がなくてきれいだった。うん。
中国の妖精は西洋のフェアリーとは違い「化ける物」の類というか意味があるので
(封神演義を通った人なら妖精→道士→仙人の流れとかご存知だと思う)、
その部分を大切に描いてくれてうれしいですね。
あとムゲンとシャオヘイを見ていると、師匠と弟子という関係性が
中国の人々にとっていかに強い影響力を持っているかということも感じられました。
ジャッキーの映画にあるみたいな、指導者の偉大さというか大きさというか
師をあおぐことの精神性みたいなものがひしひしと伝わってくるというか。
(そして弟子は物理的にも精神的にも最後まで師匠を超えられないお約束)
あと中国における達人という人たちはやたらと手を後ろに組んで立つポーズしたり
やたらと尖ったものの上に爪先立ちしたがるのは何故なの。
海の上でひっくり返った筏の先っちょに立つムゲンみたいに。

離島の妖精たち。
みんなのリーダーのフーシー、明るくていいお兄ちゃん的なロジュ、
冷静で聡明なシューファイ、「おにく」「おさけ」しか言わないテンフー。
人間によって住処も尊厳も、何もかも奪われた妖精たちで
人間に対して強い憎しみを抱いていて、街にされてしまったかつての住処を奪い返そうとしている。
なんという酒呑童子的な存在…ド直球で好みです←
だから館に行くのは嫌がって執行人たちとのコミュニケーションを拒否していて
暴力や犠牲をともなうやり方で自己表現するしかなくて、でもそれを誰が責められるだろう。
森を追い出されて別の場所を見つけて、の繰り返しばかり何百年もさせられたら怒って当たり前だし
今回の行動もキレて始めたっておかしくないのに用意周到に計画をたてているから頭は冷静だろうし
(フーシーもシャオヘイに「考えたさ」って言ってるしね)、
考えて考えて今回の行動を起こしたフーシーが選んだ最期があの結末ならあまりにも悲しい。
そんな彼の精一杯の抵抗も「人間に切られて終わりだ」「公園になるかもしれない」
「有料のな」で片付けられてしまう悲しさ…。
他の妖精たちも捕まってしまって、彼らを救えないなら何のための館なんだろうと思いました。
そりゃ確かに、歩み寄りは繊細なものですよ…うまくやらないとすぐ壊れるのわかりますよ、
館の人も「話し合ってみたい」って言ってたけど
ここまでこじれた人と妖精の共存がどんなに難しいかって、わかるけども
シャオヘイを連れて行かれてしまったときとか
ムゲン(というか館側)の考えに同調し始めたシャオヘイを見たときのフーシーの気持ちとか考えるとね…。
悲しかっただろうなあとか、シャオヘイと戦いたくなくてやめてくれって言ったり
最後の最期に「ごめん」て謝ったのもつらくて。
ロジュがシャオヘイのことすごく好きで巻き込みたくないって
フーシーに最後まで抵抗してたのとか思い出すと、彼も今どんな気持ちなんだろうな…。
フーシーが、下心があったとしてもシャオヘイに「お酒は駄目」って言ったのは本心だったと思うんだ。
…でもね。
シャオヘイの力を勝手に奪って泣かせたのはダメです。
自分の都合を優先してシャオヘイから力を奪って行動してはいけなかったと思うよ。
シャオヘイは話せばわかる子なのだから、きちんと目的を話して了解を得てから行動してくれ~~!
ムゲンさまもだぞ~~ラスト、シャオヘイが泣くとわかっていて置いていこうとしてんじゃねえや~~!!
(子どもを泣かせる大人に我慢がならない日々です)

最後にシャオヘイがムゲンを師匠と呼ぶシーンは確かに感動的でしたけど、
それよりもわたしが泣いたのは
ムゲンに焼鳥を差しだされたシャオヘイがフーシーたちと過ごした夜をふと思い出すシーンだよ…。
あのときのシャオヘイは森を追い出されたばかりで、人間の世界に迷いこんで誰のことも信じられなくて
フーシーが助けてくれたときも威嚇して巨大化してて、
だからフーシーたちと過ごせた時間がとてもとても大切な時間になっていたわけで、
なんであの時間が奪われてしまったんだろうとめちゃくちゃ泣けてしまった。。
あの時間がずっと続いたらよかったのに。
フーシーは結果的にシャオヘイをあざむいたけど、あの時間は嘘ではなかったと思います。
ロジュが赤い花を降らせてくれて、テンフーにお肉を焼いてもらって、
フーシーに頭をなでてもらってあたたかい部屋で寝られて、シャオヘイは幸せだったのだから。

現代社会に溶け込んで暮らす妖精たちを見ていると狸合戦ぽんぽこやMr.インクレディブルを思い出すけど
これはずっと考えられていくテーマだなあ…。
そういえばミン先生とモモはあの後平穏に過ごせているんだろうか。


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実は写真美術館に行ったのはこれが初めてだったりします。
今回は映画しか見なかったけど、興味のある展示があったらまた行きたい。
(右の大きな写真はロバート・キャパが1944年にノルマンディー海岸で撮影したアメリカ軍)

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恵比寿ガーデンプレイスに行ったのも初めてだったので周囲を散策。
サッポロビール社の後ろにある恵比寿神社は会社を立ち上げた際に西宮神社から勧請したそうです。
1994年に恵比寿ガーデンプレイスができたときに社殿も新しくしたそうな。

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そのサッポロビール。
ガーデンプレイス内にはビールが楽しめるお店がたくさんありました。

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プレイス内にあったクリスマスツリー。
写真を撮っている人がたくさんいました。

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映画を見終えて美術館を出てきたらライトアップされていました☆
お昼よりももっとたくさんの人が写真を撮っていて、恵比寿駅に向かうのが大変でした。
恵比寿駅は山種美術館に行くときくらいしか下りないから…なので広尾方面しか知らないから…
ガーデンプレイスはやっぱり混んでますね。楽しかったです。
2019_08
04
(Sun)23:57

ジブリの色とポニョとボロと、それから…。

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ジブリ美術館に行ってきました。
最近は先着順で取るのも四苦八苦するほどチケットが取りにくくなってますが
7~8月は先行抽選販売をしてくださるとのことで申し込んだら当たったのです☆
8月は短編映画がボロなのでまた見たかったし、企画展「映画を塗る仕事」展も見たかったし。
ありがたや~。

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今回のフィルム切符はポニョ。
「ポニョ、そ~すけ、すき~」の場面でした!名シーンではないですか~ありがたや。

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「映画を塗る仕事」展は映画の彩色にスポットを当てた展覧会であり、
かつてジブリで色彩設計を担当していた故・保田道世さんのお仕事を紹介する内容でもありました。
キャラクターはもちろん、映画に出てくる建物、食べ物、乗り物、自然描写や水しぶきや月光の色、
物が吹き飛んだ際に飛び散る破片の一粒に至るまで、色指定は細部にわたるんですよね。
すさまじい計算と色彩感覚に裏打ちされた色彩設計の仕事が
当時の設定資料とセル画とパネル解説で紹介されていて、本当に勉強になりました。
(今回の企画展は見て触ってというよりもお勉強的な内容でしたね…)

まずは基本から。
映画は作品ごとに雰囲気が異なるので、キャラクターの色も世界観に合わせて変化します。
明るい魔女宅の彩色。おもひでの引き算の彩色。紅の豚やもののけ姫の原色メインの彩色。
光の当たる部分と影になる部分の色も、キャラクターの立体感を出したり
背景と組み合わせることで状況を表したり(木陰にいるとか)、大きさを対比させたり(神様と人とか)
キャラの心や感情を表現したり(右腕が勝手に動き出してハッと見るアシタカの顔にさす影とか)
影にも様々な役目があります。
それを踏まえて、キャラの「昼間色」「黄昏色」「夕方色」の違いを見ると
色で時間を表現することもできるのだなァと感じられます。
「昼間色」:いつものキャラクターの色。
「黄昏色」:。陽が傾き始めた頃の色。光があたる部分は昼間色と同じで、影のみコントラストを濃くする。
「夕方色」:太陽は沈んだけどまだ辺りは少し明るい頃の色。
光の当たる部分は昼間色よりワントーン明るくして(ただし彩度は低く)、
影は昼間色と同じだけど影の部分を増やして、明るい部分と影の差を少なくする。
差が少なくなることで太陽の光が弱くなったことを表現しているのですね。
今のアニメみたいに撮影で光らせるのではなく、絵の具だけで光を表現しているわけです。
ともすると、陽が沈んだのなら辺りは暗くなるから色は暗くして影も濃くして…みたいな画面作りをしがちだけど
強い光の下では濃い色の影ができて、光がなくなると影も消えるという当たり前の理屈を思い出せました。
真っ暗闇では影どころじゃないもんね…。

セル画に色を塗る仕事も映像で紹介されていて(ナレーションがかぐや姫の朝倉さんでした)、
ヤックルに乗って矢を射るアシタカの線画をカーボンでトレースし、
1枚1枚絵の具で塗っていく様子がダイジェストで上映されていました。
はみ出さず、間違えず、丁寧に手早く塗る作業はいつ見てもホレボレする…
あの映像の人はあの技術の境地に至るまで一体どれだけ修行なさったのだろう…気が遠くなる。
気が遠くなるといえば(?)シシ神の足元に生えては枯れていく草花とか
ハウルのベッドのクッションやアクセサリーなどの色数がもう、多すぎて眩暈がしてきます。
これを1枚1枚全部仕上げていく現場のすさまじさーー!
趣味の絵を1枚仕上げるのにヒィヒィ言ってるわたしと違って、この人たちはお仕事だもんなァ…。
かと思うと、魔女宅クライマックスの群衆シーンはいくつかの色パターンで塗り分けていたり
トトロのトウモロコシ畑は葉の裏表や色の塗り分けで奥行きを表現していたりと
様々な工夫で画面づくりをしていることもわかりました。
すべてを塗り分けることが色指定ではない…深いです。
曇りや雨など、天候によっても色は変わるので
雨の中を飛ぶキキや雨に濡れるアシタカ、雨の中を走るサツキとメイなど
濡れる前濡れた後で色はどう変わるかを表現するのですが
「この物が濡れたらこの色になる」ではなく、あくまで「それらしく塗る」ことを心掛けるのだそうです。
水の色も難しいですな…。
ひといきに水と言っても様々で、水中や水面、深さと浅さ、澄んでいるのか濁っているのかなど
様々に考えることがあるようです。
シシ神の池の深いところまで沈んだアシタカは暗い色彩になっていて、
殴り合い後に浅瀬に倒れ込んだポルコとカーチスはあまり色彩を落とさず鮮やかに、
飛行艇が墜落した海の水面はかき回されたような青い色に、
キキが掃除をした床に人物が鏡のように反転して映るカットは、木目なので暗い色に。
水の周りに、水の下には何があるかで色はここまで違ってくるんですね。
光と影についても。
夜に草壁一家が川の字で眠るカットはあえて布団が明るく塗られています。
(普通は暗闇では布団の色は判別できませんが、あえての色指定)
日光と月光の下でも、千尋とリンさんが縁側でおまんじゅうを食べるシーンでは
外からの満月で2人の姿が明るく照らされていたり
エボシとアシタカが屋根の上で語るときは昼間色よりもワントーン柔らかい色になっています。
ポルコがフィオに過去話をするシーンではランプの光が出てきますが
光源が小さいのでキャラの一部分だけが明るく、影は濃い色に指定されています。
飛行石に照らされるパズーとシータ、ポムじいさんのカットは
飛行石が青い光を放っているので3人の服も青い色に染まっていますが、肌はいつもの昼色でした。
ここもあえての色指定。

過去に保田さんの著書を読んだりドキュメンタリー番組を見たこともあって
改めて彼女の仕事を見せていただいたなぁと思うと同時に
やはり色彩設計の仕事は万物の性質を理解する必要があるのだなぁと改めて思いました。
説明文を読んだり、セル画を見比べたりするのでかなり頭と目を使いましたが
絵を描く人や色彩に興味がある人はものすごく勉強になると思います。
展示は11月までやっていますので興味のある方はぜひに~。
あとこの展示で初めて、俊夫さんの車はスバルだとわかったし
メイちゃんと出会ったばかりの透ける小トトロはエアブラシだと知ることができました。
エアブラシのトトロ!(なんか感動)

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2Fのマンマユートから1Fのカフェへ降りていくときに通る屋外の道でいつも見る猫SPたち。
去年も2匹だったけど今年も2匹でした。

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テイクアウトスペースにいたポルコ・ロッソの蚊取り豚。夏になると置かれる風物詩です。
だいぶ前の商品ですが今も買えるんだろうか…うちにもあるけど。(うずまき線香がないので使ってないけど)

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10年以上通ってるけど初めて出くわしました!メニューを書いてるところ。
あと、これも初めて見ましたがカフェ入口の隣に飲料水の無料サービスが設置されていて
紙コップも置かれて自由に飲めるようになっていました。
暑い中オープンまで待つのでありがたや。

カフェは11時のオープンですが、開店前にお客さんがどんどん並ぶので
いつも早めに行って並ぶようにしているのですが、
今回も買い物を済ませてから行ったら(10:20くらいだったかな)既に待機用の椅子はいっぱいで
後ろにもどんどん人が増えていたので慌てて最後尾へ。
合間にお水をいただきながら待って、有難いことにギリギリ1巡目で入店できました。
相席OKにすると結構、入れてもらいやすかったりします。
(わたしはおひとり様なのでだいたいカウンターに案内される)

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大麦入りのおひさまスープ。
チキンブイヨンに季節の野菜がどっさり入っています。おいしい~☆
ど真ん中の白いかたまりは卵の白身かとおもったらモッツァレラチーズでした!
パンも焼きたてでホカホカしていたので早めにいただきました。外はカリッ、中はモチッ☆

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ふしぎ玉を乗せたレアチーズ。
ケーキの上に乗っているのは常温で固まるゼラチンにブルーベリーを閉じ込めたもので
美術館内の階段の手すりなどに入っているふしぎ玉をイメージしているそうです。
見た目も味もひんやりでおいしかった☆

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ランチの後は屋上へ。ロボット兵も暑い中お疲れさまです。

館内に戻って、土星座で『毛虫のボロ』を鑑賞しました。
初めて見たのは去年で約1年ぶりの鑑賞ですが、忘れている部分も結構あって楽しかったです。
やっぱり空気のゼリーと夜明けの光の表現がすばらしくてな…。
ボロに当たってキラキラ散るゼリーは柔らかそうだな、触るとひんやりしてそうだな、とか
朝の光も昼間と違って柔らかそうで、少しひんやりしつつも暖かそうだな、とか。
あと今更ですがボロかわいいよね!
モフモフいいながら茎を登って空気食べたり葉っぱ食べたり、糸を器用に使って下へ降りたり
タンポポの花にダイブしてぱあぁぁ…☆ってなったり。かわいい!
ボロが動き回るたびに子どもたちがキャッキャ楽しそうにしていたのが忘れられないです。
そしてエンディングで「声と音 タモリ」と表示されたときの大人たちのどよめきがやっぱり楽しい。

2019ghibli10.jpg
基本的にジブ美には企画展とカフェの季節のメニューを楽しみに来るので
常設展の映画の生まれる場所はだいたいいつも最後になりがちなのですが、
今回もいつものように「よし、じゃあ常設展見て帰りますか」という軽い気持ちで行きまして。
少年の部屋は前に比べて物がどんどん増えてるなあとか
(スタッフさんによると「少年が成長して青年になった」ということらしい)、
美術室の今回の背景画はあの映画が中心かなとか、ジブリブリ相変わらず埋もれてるなァとか
いつものようにさらっと鑑賞して終わると思っていたのです、が。

仕上げ室に展示されているアニメーターの作業机は、いつもは原画が数枚置かれて
誰でもパラパラとめくれるようになっているのですが
今回は何だか人だかりができていて、なんだろうと思って近づいたら
机に座って熱心に絵を描いている男性がいるではないですか。
ん??と思ってその人の手元を見たら、千尋を描いているではないですか!!
え???ってなって、そのとき初めて気づいたのですが
机の上に「アニメーター実演中」「話しかけても大丈夫です」という表示が英語とともに書いてあって
ええと、つまり、この人は本職のアニメーターさん…。

( ゚д゚)……

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚)………!?!?!?!????

あまりにびっくりしてその人と絵を5度見くらいしちゃって、声も出せなかったのですけど
その人も静かに描いていらっしゃったし周りのお客さんも静かに見学していたから
出さなくて本当によかったです。
話しかけていいってことだけど、とてもそんな雰囲気ではなかったので
近くに立っていたスタッフさんにお聞きしてみたら
「夏休み特別企画で5日間だけの実演で、今日は3日目です」とのこと。
割と最近決まったので特に広報もしてないみたいでした。(Twitterにはあったけど)
こういうことってあまりなかったように思ったのでそれも伺ってみたら
「ずっと前に吉田さん(ポニョの美術監督)に来て描いていただいたことはあります。それ以来ですね」とのこと。
なので8/1~5に来た人ラッキーです、幸せです!本職の技術をぜひ見にいってください。
(ていうか吉田さん来てたのかよ~~~知らなかった…見たかった…!)

今回、実演されていた齋藤昌哉さんはおもひでぽろぽろからジブリに参加した方で
今は美術館で働いているそうですが、ジブリにいた頃は主に動画を担当されていたそうです。
おもひでから参加っていうとあれだ、宮崎さんたちが今のスタジオ建てて給料制敷いて
本格的にスタッフの育成を始めた頃ではないですか~!
(それまでのジブリは作品ごとにスタッフを集めて終わると解散する体制だった)
まさにジブリで技術を磨いてきた方だ…すごい…!
とか、そんな風に思ってしまってますます緊張してとても質問とか無理、と思ったのですが
「午前中は子どもたちが色々質問してましたよ~本当、大丈夫ですよ」というスタッフさんに押されて
齋藤さんが3枚ほど描き終わったタイミングで思い切って声をかけてみました。
(質問できなかったのは緊張もあったけど、齋藤さんが絵を描くところをとにかく眺めていたかったっていうのもある)
そのとき齋藤さんが描いていたのは、映画後半でタタリ虫を踏み潰す千尋のカットだったので
「このシーンを描かれた方ですか?」と聞いてみたら「いや、僕ではないです」とのことでした。
作業机にあった動画をトレースしてみました、とのこと。
どうしよう、聞きたいこといっぱいあるけど何聞いたらいいんだろう、でもとにかく何か、と思って
「ジブリには色んな監督がいますけど、皆さんどんな感じですか?」とお聞きしたら
「高畑さんは朝ドラほど理屈っぽくないです。委ねてくれて、OKならそのまま通るし、ダメなら書き直しです。
宮崎さんは明確なビジョンがあってご本人も描く人なので、ダメならご自分で(原画を)直しちゃうタイプです」とおっしゃって
おおおスタッフ目線の監督…高畑さん思ったよりソフトだ…てか朝ドラご覧になってるの…とか
なんかもう色々感慨深すぎて言葉が出なくなっちゃいました。
(ぽんぽこ・もののけで高畑・宮崎両監督の映画に出演された石田ゆり子さんも
アフレコのときの両者の演出の違いを過去に何かの番組で述べていらっしゃったっけ…。
高畑さんはブースの中からの指示出しでソフト、宮崎さんは扉をガラッ!と開けてすぐ近くまで来るらしい)
齋藤さんは他にも「今は業務体制がシステム化されてるから割と静かに描いてて(会話はするけど)、
昔は体制が未完成で手探りだから和気あいあいとやってたみたいですね。朝ドラみたいに」
「3Dアニメとかある時代ですけど、宮崎さんは新作も鉛筆でやってます。ずっとそうだと思います」
などなど、スタジオの今と昔の違いみたいなこともお話くださったり
思いがけず新作のお話も聞けたのでもう、ほんと、すっかり頭がパンパンになってしまいました。
でも「スタッフから見た監督」のイメージをスタッフさんから直接お聞きしたいとずっと思っていたので
叶ってよかったです。
齋藤さん本当に本当にありがとうございました!!

頭がボーっとしたまま展示室を出て、帰路につこうと屋外へ出たとたん猛烈な暑さが襲ってきて
その衝撃かわかりませんが頭がいくらかクリアになったんですが、
「握手してもらうの忘れた」「舘野さんのこと聞き忘れた」「美術館のお仕事で何してるか聞き忘れた」等々、
後になって色々聞きたいこと浮かんでくるのほんと何なん…!
なぜ人間の脳は物事が過ぎた後に突然働きだすのか。ぐぬぬ。
あと齋藤さんが描いてる間ずっと動画撮りてぇ…!って思ってた。
浦沢直樹の漫勉みたいな、アニメーターの手元を撮影した1時間番組のシリーズを誰か作ってください。(他力本願)

2019ghibli9.jpg
マンマユートでゲットしたSOU・SOUコラボのマックロクロスケ足袋ソックス☆
なかなか斬新なデザインです。いつ下ろそうかな~楽しみ^^

しかし…。
・チケットの抽選あたった
・ポニョの名シーンきた
・メニュー書くとこ見られた
・アニメーターの実演見られたうえに質問できた
2019年もまだだいぶ残っているのにこんなに色々連続してしまってわたし大丈夫だろうか、
残り5ヶ月がんばって生きねば。
とりま来週の感謝祭だな…健康に気を付けて冷たいもの食べ過ぎないで、早寝を心がけようと思います。
2019_07
07
(Sun)23:56

いつでも誰かがきっとそばにいる。

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東京国立近代美術館の高畑勲展に行ってきました。
去年亡くなった高畑勲氏の作品や膨大な制作資料などから彼の表現と思想をたどる展覧会です。
写真は竹橋駅ホームと改札の間にあったポスター。4種類ある☆

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美術館前の看板。

展示ですが、会場入口のしつらえからもう素敵すぎて→こちら
映画でかぐや姫が何枚もの布をヒラヒラさせながら走っていたシーンを思い出したりしました。
最初の展示室に入ると竹林が再現されていて、竹から生まれたかぐや姫が映像で投影されていて
かすかに聞こえるBGMは映画のメインテーマでした。雰囲気バッチリ。

最初の展示室は壁一面が年表になっていて、
高畑さんの人生と、国内外のアニメーション界の動きと、国内・世界情勢を並べてありました。
ユーリ・ノルシュテイン氏から高畑さんに贈られたイラストが途中に飾られていて
霧のなかのはりねずみが描かれていました。モフモフかわいい。
(高畑さんはノルシュテイン氏の親交が深く、ジブリを通してお仕事を日本に紹介していて
ノルシュテインの他にもフレデリック・バックやジャック・プレヴェール、ミッシェル・オスロなど
海外の映画監督や詩人の作品を紹介していますね)
同じ室内には高畑さんのお仕事の一部として
ドラえもん企画書、2期ルパンの絵コンテ、ナウシカを映画化する際のメモがありました。
ドラえもんは1話完結にするのでシリーズ構成は不要とか
初回はドラえもんの説明をするのではなくいきなりのび太との日常から始めた方がいいとか
企画の段階から色々考えていらっしゃった様子。
ルパンは最初にアニメ化したときニヒルな展開で視聴率がふるわず、
高畑さんと宮崎さんが関わるようになってドタバタが増えてからヒットしたという逸話があるけど
展示されていた絵コンテも確かそんなドタバタ回。
ナウシカのメモは「秘められたかなしさ、あふれ出るかなしさ」「はげまし」「叫び」「苦悩」などのキーワードがあり
王蟲は「根源的な生命力」「しかしなつかしさもある」「BGMはバッハ」などとあり、
未来感となつかしさのある作品づくりを目指していらっしゃったのでしょうか。
ラストシーンはラヴェルやリヒャルト・シュトラウスの音楽を想定していらっしゃったみたい。
ナウシカをクラシック音楽で考えたことはなかったなあ…王蟲はバッハかあ…。
(高畑さんはナウシカのプロデューサーを依頼されたとき最初は断って、
なぜできないかを鈴木さんに何時間も語ったというエピソードがあるんだけど、
宮崎さんの「おれは高畑勲に全青春を捧げた。何も返してもらってない」の言葉と
鈴木さんの説得で最終的には引き受けたっていうのが好き。
でもって、引き受けたら徹底してやり遂げたっていうのも好き)

宮崎さんの出発点が白蛇伝といわれるように、高畑さんにも出発点があったわけで
ポール・グリモー監督の映画「やぶにらみの暴君(現邦題:王と鳥)」の展示がありました。
学生時代に見て「アニメーション映画で思想が語れるのか」と衝撃を受けたそうです。
(高畑さんは「王と鳥」を2006年にジブ美ライブラリーから紹介していて
わたしはその時も今もあの映画を見ていないのですが、
そろそろ見ても大丈夫かなと思い始めています…あらすじを読む限り難解そうなので敬遠してしまったのだ…)
東映に入社後は安寿と厨子王丸やわんぱく王子の大蛇退治などで演出助手をしながら
企画を提出する機会などもあったようで、そのうちのひとつが「ぼくらのかぐや姫」。
かぐや姫の映画が公開された際にずっと昔に考えたみたいなことをどこかでおっしゃっていたけど
これかー!って感動してしまいました。
何枚もの紙にびっしり書いていて読むのが大変でしたけど
(高畑さん字は綺麗だけど書く文章は理屈っぽくて理解するのに時間がかかるんです)、
当時から原作通りにつくることを想定していたんですな…。
冒頭のイメージも既にあったようで絵巻物をクルクルッと開いて始めるみたいな感じにしたかったみたいですな。
若手の頃から抱えていた企画を晩年に制作期間8年もかけて実現させたのほんとすごい、
制作に関わった人たちも応援した人たちもすごい。
その後はTVシリーズの狼少年ケンで絵コンテや演出を担当したそうで
ご本人が「好き」とおっしゃっている72話の絵コンテが展示されていました。
ケンとゴリラの戦いを仲間のゴリラたちがTVを通して見るというものですが
ケンはジャングルが舞台なので当時そういう演出は斬新だったようです。
完成映像も上映されていて、コミカルに動きまわるゴリラたちがおもしろかった。

太陽の王子ホルスの大冒険。
作画枚数が増え続けるわ、制作が遅れに遅れるわ、会社とケンカになって始末書書きまくるわで
もうこの映画制作の話だけで1本映画が作れそうだなといつも思う。
過去にホルスの関係書籍を読んだときも震えあがりましたけど、
それらの関係資料を一部とはいえナマで見られたのはとてもよかったです。
会社からはスケジュールが遅れたり予算が膨らんだことで制作を一時中断させられたり
「スケジュールを完遂するという決意が表明されない限り演出を降ろす」と通達され、
高畑さんは「尚一層の努力をする覚悟です」と反論してカットごとの作画枚数まで決めさせられ、
もう読んでるこっちがハラハラして気持ちが真っ黒になりそうだったけど、当時の熱意も息遣いも伝わってきて。
生々しいやりとりが残ってるってすばらしいですね(((((((((;;´Д`)))))))))ハアハア
展示室の床にそれらの資料のコピーがびっしり貼られていて気が狂いそうでした。
展示されていた資料はほんの一部でしょうし、もっと他にもおっかない資料がいっぱいありそうだし
きっと残された資料以上におっそろしいことがもっともっとあったんだろうな…。
また、高畑さんはホルスを制作するにあたりスタッフにアイディアを募っていて
ストーリーや舞台についてのスケッチやメモもありました。(小田部夫妻と書いてあるのがあったよ)
圧巻は宮崎駿著「覚え書」。
「僕なりに考えて、こんな風に書いてみました」で始まるアイディアは24枚にもおよんでいて
(岩男と氷象に関してはこの時すでにイメージがあったみたい)、どの紙もびっしり文字があって
でもきっとこの枚数以上に言いたいこと伝えたいことがいっぱいあったと思うし、
現場でも倍以上の言葉が交わされたであろうことも容易に想像がつきます。
(後年、ホルスのコメントを求めた鈴木さんの電話に「16ページよこせ」って言ったくらいだし)
あとこの資料に「ヒルダ(シータ)」「ホルス(パズーという名はどうでしょう)」とあって
もうこの頃からシータの名前を使いたかったんだなと。。
ちなみに宮崎さんのイメージではホルスは常に食べることが好きらしいです。かわいい^^
隣に制作当時治の高畑さんと宮崎さんの写真があって、和気あいあいという雰囲気ではなかったけど
色んなことがあったろうなあとしみじみしてしまいました。
(宮崎さんの手元のコップにアトムの絵がついてたよ…アトムは1963年だからね…)(ホルスは1968年)

展示の間にアニメーターの作業机が再現されていました。
高畑さんの机ではないっぽいですが、古くて汚れて、長いこと使いこまれた印象でした。
トレス台の上にヒルダが子どもたちに手を引かれているカットの原画が置いてあった。

ホルスはキャラデザもスタッフからイメージを募っていて、色んな人が描いたキャラクタースケッチがありました。
宮崎さんのホルスはパズーっぽくて、大塚康生さんのホルスは未来少年コナンっぽい。
(大塚さんの描いたキャラクター対照表があって、高畑さんと宮崎さんが全キャラに怒られててちょっとかわいそうだった)
奥山玲子さんのヒルダは強い目をした女の子で、小田部羊一さんのヒルダは森の子って感じで
それらを最終的にまとめた森やすじさんのヒルダは神秘的で強さを秘めた、
この世のものではないような雰囲気をかもし出していてやっべぇ…ってなった。
展示してあった作画担当表のヒルダのカットはほぼ森さんが担当されていたのもうなずける。
高畑さんもヒルダの表現は本当に悩んでいて、ぐっちゃぐちゃなメモからそれが伝わってきます。
「ここのヒルダ実に難しいんだ、目はうるんで、口元は微笑んで、絶望の中で」とか、
確かにヒルダはとても難しい立場の子なのでどうやってまとめるか大変だったろうな…。
(迷いの森のシーンは東山魁夷の絵を参考にしたそうです)
ホルスについても「なぜホルスは追放されるのか」ということで人々の感情の変化を記したメモがあり
ホルスが村に来て追放されるまでの一連の流れが事細かに説明されていました。
小田部さんによるホルスの船出シーンの原画もあって、
ホルスが小舟ごと海に突っ込んで帆を上げる有名なやつですけども
隣に映画の予告編が流れていて完成シーンも確認できました。やっぱり何度見てもあの動きはすごい。

大塚・宮崎とともに東映動画を退社してAプロに移籍した高畑さんは
リンドグレーンの長くつ下のピッピなどを企画していましたが原作者の許可が得られず、
次に制作したのが「パンダコパンダ」。
わたしも子どもの頃何度も見た大好きな映画です。
扉を開けて顔を見せるミミちゃん・パンちゃん・パパンダの絵が壁に貼ってあって和みました(*´︶`*)。
演出は高畑さんですけど、脚本は最終的に宮崎さん高畑さんで仕上げているはずで
おふたりの合作と言ってもいいと思います。
宮崎さんによる雨ふりサーカスのレイアウトがどっさり展示されていて見ごたえありました。
その後は小田部・宮崎とともにズイヨーに移籍して「アルプスの少女ハイジ」を手掛けるわけですね。
日常生活を丁寧に描くためにスイスへロケハンに行き、ヤギの乳しぼりやセントバーナードの生態を研究し、
全52話の構成もきっちり決めておく徹底ぶり。
あとこの頃からレイアウトを本格的に工程に組み込むようになります。
ハイジでは宮崎さんが担当していますが、その一部と完成画面が展示してありました。
「事前設計をしっかりやったうえで仕事をする」ためにどうしても必要だったというレイアウトは
高畑さんが始めたということで有名ですけども、
高畑さんにしてみれば必要だったから取り入れましたっていう意識だったかもしれないな…。
井岡さんの背景画も相変わらずすばらしくて、ロケハン行ってないとか信じられないクオリティでした。
(井岡さんの参加はロケハン後で彼は写真やスケッチのみを参考に仕事してた)
オープニングのブランコ、雲に乗るハイジ、ハイジとペーターがダンスしてる原画とか
ハイジが1話で重ね着を次々に脱いでアルムの山を走って行く原画などもありました。
今思うとなんて贅沢に時間を使っている1話だったんだろ…すごいな。
母をたずねて三千里も、わずか50ページほどの原作を全52話で描くために
本当に苦心されたというのは何度も聞いた話ですが、
1話でマルコが街から路地の家に戻るまでの高低差を意識した道のりの演出とか
マルコと出会うことで右往左往する大人たちの演出なども、今思えば本っっっ当に高畑さんだなと思うし
アメディオの動きについても「(落ちるときは)嘘でもゆっくり落下」とか指示があったりしておもしろい。
椋尾篁さんの背景美術も好きなんだよな~濃い色の背景。日差しが強い国の色彩ですよね。
赤毛のアンは生活描写ここに極まれりとでも言いたくなるレベルですごいよな…。
ご本人は「TVシリーズなので中途半端にならざるを得なかった」と後年語っていらっしゃるので
もっともっとやりたかったみたいですけども。
アンのデザインについても注文が細かくて、
「風変わりで目立ち、骨格からして将来は魅力的で知的になる」という高畑さんの要求に応えるべくして
キャラデザの近藤喜文さんは本当に大変だったろうなと思います。
他にも、じゃりん子チエで当時の大阪の下町の空気まで伝わる演出をしていたり
セロ弾きのゴーシュで音楽映画に挑戦したり
また「ファンタジーを作っていると現実を撮りたくなる」ということで制作された柳川堀割物語などから
ナウシカのプロデューサーを経てスタジオジブリに参加していくわけですね。

となりのトトロと同時上映だった火垂るの墓は、新潮社が制作に参加するまで様々あったり
高畑さんが80分の映画にしたら宮崎さんも「トトロも80分にする」と言い出して大変だったり
高畑・宮崎でスタッフを取りあう地獄絵図があったりと、本当にエピソードに事欠かない映画ですが
わたしはちゃんと見たの2回くらいですな…つらすぎて見られない。
亡くなった清太くんと節子ちゃんが生きている自分たちを見つめる演出とか
生きている人と亡くなった人とで表現を変えてみたりとか
(「ノーマル(生きてる人)とユ~レイ」の表現についての主線や色指定の比較表があった)
色々と挑戦しているんですよね。
高畑さんは、トトロと火垂る両方の色指定を担当した保田さんとは「スリリングな冒険をした」と語っていて
それはキャラクターの昼・夜・幽霊の3パターンの色指定表からも伝わってきます。
おもひでぽろぽろでも、現在と思い出でキャラクターの色や背景のパターンを変えているのは有名な話で
背景がぼかされていたら思い出、くっきりしていたら現在みたいな区別をつけていますね。
美術の男鹿さんはトトロで緑のイメージがある人ですけど、引き算の背景画もきれいですよね。
平成狸合戦ぽんぽこの展示はイメージボードが壁一面に貼られていて、その色彩の鮮やかさにびっくりして
こんなにも色彩豊かな作品だったかと改めて。
総天然色漫画映画ってわざわざ副題つけてるくらいですからな…。
ガラスケースの展示の半分以上を妖怪大作戦の妖怪デザインが占めていておもしろかったです。
「妖怪画談 p.112より」とか引用元までしっかり描かれた頼もしいイメージボード、嫌いじゃないぜ。
(あと玉三郎兄さんがショーパブでバイトしてたっていう裏設定を初めて知りました。そうなのかあ)
こちらも美術は男鹿さんで、里山の風景はもちろん都会の景色も工事現場の様子も本物のようにリアルで
美術の力をこれでもかと見せつけられましたね。
そんなぽんぽこでリアリティを追求しまくった画面づくりから一転、
となりの山田くんでは限界まで引き算した表現になるからすごい…。
シンプルでほとんど白い画面ですがまるで原作の絵がそのまま動いているような錯覚を覚えます。
かぐや姫の物語は山田くんほどではないけど、結構、引き算の画面づくりをしているのは変わらなくて
でも表現はまったく易しくなくて、「絵巻物が動いているような表現」をとことん追求していると思う。
作監の田辺さんが動画に指示したメモが印象的だったんですけど
「線画が硬く原画とニュアンスが違うので直してください」という添え書きとともに
いつものアニメーションの線で描いた原画の隣に筆ペンのようなタッチに修正された原画が並んでいて
違いは一目瞭然で、これを田辺さんは制作中ずーーーーーっとやってたのかと思うと気が遠くなりそうでした。
橋本さんによるかぐや姫疾走シーンの原画と動画が展示ケースにどっさり積まれていたけど
目測ですけど計ったら6~7センチくらいあって頭おかしくなるかと思った、
どんだけ時間かけて描いたんですか橋本さん…!
たった2秒の横顔を52枚かけて描いてるみたいですがあれ何分あったっけあのシーン…考えたくない…。
下書きの鉛筆もあえて残し、ザラッとした力強さでまとめられた原画は
1枚だけ見てても動きが感じられて本当にすごい。
姫が捨丸にいちゃんと空を飛ぶシーンではこの映画で初めて青空が描かれますけど
それも「姫が地球を実感するためにここまで空を描かなかった」という演出のもとだったんですね。

最後の展示が月をバックに映る赤ちゃんかぐや姫で、BGMが天人の音楽でめっちゃドキドキしました。
かぐや姫に始まりかぐや姫に終わる!
高畑さんが亡くなられているという事実も改めて突き付けられた気がした…天人の世界に行っちゃったんだな…。
高畑さんお疲れさまでした。考えて考えて考え抜いた人生でしたね。お疲れさまでした。

isaoten_3.jpg
ショップで図録とパパンダおみくじをゲット。
おみくじは見たとたんに値段も見ないでレジに持って行きました(900円だった)パパかわいいー!
図録は展示品を網羅していません。制作資料は抜粋掲載ですし(多すぎるので無理もないけどね)、
ドラえもん企画書やルパンの絵コンテ、やぶにらみの暴君関連資料、アニメーターの机の再現、
会場で上映されていた映像展示の詳細などは載っていません。
展示室でお見逃しなく。

isaoten_4.jpg
パパンダおみくじ末吉でした。
おうちの戸締りしっかりしようとか、ラッキースポットが竹林とか、
いちいち映画を意識した内容になってておもしろい☆

会場を出たら3時間以上経過していました…。
夢中で観てしまったし、制作メモのたぐいがおもしろすぎて熟読しちゃったからなあ。

今回の展覧会は高畑さんも企画段階から関わっていらっしゃったようなので
高畑さんが亡くなったから展示しますってわけではないようです。
(大きな展覧会は基本的に企画から開催まで数年かかる)
でももし最後まで監修しておられたらどんな内容になったかな…と思わずにはいられません。
骨格は変わってないと思いますが、開催までに新しく見つかった資料もいくつかあるみたいだし…。
担当の方もインタビューで「見ていただきたかった」とおっしゃっているのお見かけして
ほんとにそうだよな~と思いました。
あと、展示の最後にこの展覧会に協力した人々や団体のクレジットがあったのですが
宮崎さんのお名前はありませんでした。
関わったけど載せなかったのか、本当に関わっていないのかわかりませんけど。
新作の絵コンテでそれどころじゃないだろうし、心境を思うとそもそも関わるのも複雑だろうしなあ…。
代わりに鈴木さんが全部やった可能性もあるのかな。

そういえばわたしは借りなかったのですが、今回の音声ガイドは俳優の中川大志さんで
彼は朝ドラ「なつぞら」にて坂場一久なる演出助手を演じていらっしゃいますが
坂場くんのモデルは高畑さんといわれてますね。
東大出身で、フランスのアニメーション映画を見て入社してきて、カチンコが下手。そのまんまですね。
ちなみに主役の広瀬すずさん演じるなっちゃんのモデルは奥山玲子さんなんだよね、
今回の展示で彼女の描いた絵をいろいろ見られてよかったです。
他にも、井浦さんがやってる仲さんのモデルは森さんだろうし川島さんの下山さんは大塚さんだろうし
貫地谷さんの大沢さんは中村和子さんだろうし井原さんの森田さんは保田さんだと思う。
あとは小田部さんと宮崎さんにあたる人が出てくれば役者は揃う!
みんなでホルス(ドラマでは違うタイトルになると思うけど)を作ったりしませんかね。
やたら追求されまくるクオリティ、遅れに遅れるスケジュール、演出降ろす降ろさない泥沼。
いや~朝から大炎上しそうですね!楽しみだなぁ~~(*´▽`*)☆←←


あと今回、展示物は撮影禁止だったのですが
唯一撮影できたスポットがありまして。
追記にその写真を載せてあります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

いつでも誰かがきっとそばにいる。 の続きを読む »

2019_05
03
(Fri)23:52

元気の出るおまじないのおにぎり。

kandam4.jpg
神田明神に行ってきました。
現在、文化交流館「EDOCCO」内にて鈴木敏夫とジブリ展が開催中なのですが
連休中のため4時間待ちだったので諦めまして
(元々すいてたら入ろうかなァくらいの気持ちだったのでそれは別にいいんですが)、
今回はむしろ展示よりも楽しみに、いや展示が見られなくても何が何でもこれだけは!という目的があったので
そっちへ回ることに。

kandam5.jpg
これです!!
展覧会の開催中、交流館内のカフェ「MASU MASU」で期間限定メニューがいただけまして
そのひとつがこれなんです!!!

kandam6.jpg
展覧会もですがカフェも大行列、店内の利用は2時間待ちと聞いてテイクアウトにしたのですが
それでも1時間は並んで待ったかな、
無事にハクのおにぎりと大黒様の縁結びプリンをゲット。
店内にイートインがありましたのでそちらでいただきました。
プリンは展覧会の期間だけ鈴木さんの描きおろしパッケージになってます。かわいい^^

kandam7.jpg
んぐおああぁぁぁああぁああああハクのおにぎりだあああぁぁぁああああ+゚+。:.゚(*゚Д゚*).:。+゚ +゚
すごい、ほんもの、たべられる、まじうれしい、生きててよかった。
たぶん初のフードメニュー化なので本当に、本っっっっっ当に感動しました…!
映画のとおりに竹の皮にくるまれて3個入りで再現度400%!!!すげぇぜ。

kandam8.jpg
塩むすび。
お味は塩、梅ぼし、鮭の3種類なのですが何食かに1回は3個すべて塩むすびが出るとか(笑)。
映画で千尋が食べたのは全部塩むすびでしたから当たった人は千尋の気分が味わえるんですね!
ちなみにわたしは塩、梅ぼし、鮭のセットでした。おいしかったですよ最高でしたよ。
ハク様が握ってくれたのだと思ってかみしめながらいただきました。
形と大きさがほどよいというか、コンビニおにぎりより少し小さいくらいの、
少年の手で握った感がすごくあってすばらしかったしお米も柔らかくておいしくて
ハク様に「お食べ」って言われてる気がして(幻聴)めちゃくちゃ楽しい時間でした。
企画してくれた方ありがとうございましたありがとうございました!!!

kandam9.jpg
巨大コニャラ。カフェの前にある撮影スポットです。
鈴木さんがデザインした日清製粉のキャラクターですが、確か子猫のはずですが
こんなに大きくなっちゃって(笑)もはやトトロ。

kandam10.jpg
こっちに回ったらようやく上下が切れることなく全身図が撮影できました。
(後ろは待機列なのであまり下がれないのです)

kandam11.jpg
触ったら毛がふさふさしておりました。かわいい。
これでお腹がボヨンボヨンしていたらマジでトトロだと思った。

この後は本殿にお参りして、さてお腹もいっぱいになったのでどうしようと思案して
(小さいおにぎり3つでしたけど食べ終わったら結構お腹いっぱいになる量でした)、
そういえば神田明神には何度も来ているけど肝心の祭神である平将門の首塚には
まだ行ったことがなかったなと思って、いい機会だから行こうと思って移動開始。

tokyosta7.jpg
秋葉原から東京駅に移動したら在来線ホームから新幹線が見えたので
「ホギャーッ!」ってなって走って撮影。
E2やまびこ&E3つばさです!シノブくんだよ~~ヒャッホウ☆\(^o^)/

あと、別に新幹線見たからってわけじゃないんですけど
「東京駅に来たらTBSストアに寄るんだ、ぬかるなよ」という声が聞こえた気がしたので(幻聴)、
一番街に降りて寄ってみましたらば。
tokyosta8.jpg
ぬおああああぁぁお店番リュウジさん再び!!(☆o☆)
3月にお会いしたばかりですがまさか再会できるとは思わなくて腰がくだけそうになりました。。
ここのキャラクターパネルはローテーションで、週替わりくらいでの交代制なので
必ずしも彼に会えるとは限らないのですけど、この日はたまたまお店番してくださってた…!
はわわわわスタッフさんマジでありがとうございました。ご縁に感謝します。

tokyosta9.jpg
地上に上がって丸の内駅舎側で中央迎撃システムに思いを馳せるなど。
ここらへん一帯のビル群巻き込んでのシステムほんと壮観でしたなァ…
撮影のためわたしが立った場所も確か地下に沈んだと思われ。
ここにみんなとカイレン様がいたんだよなあ、リュウジさんもいたんだよなあ…
東京駅は聖地。(強い意志)

masakado1.jpg
やっと首塚に到着です…寄り道しすぎ。。
940年2月に坂東の地で乱を起こし斃れた平将門の首を祀っていると伝わる場所です。
ビルの間にあるというのは聞いていたけど本当に周りはビルだらけで
ここだけ緑がわらわらっとあってちょっとびっくりします。

masakado2.jpg
首塚。
京都で晒された将門の首が関東まで飛んできて落ちたのがこの場所ということで、
この場所は神田明神創建の地でもあります。
現在は外神田に移転した同社ですが今月行われる神田祭ではお神輿がここまで来て神事を行うそうです。

開発などで首塚を動かそうとすると揺れたとか嵐が起こったとか、
霊感の強い人は何かを感じる場合もあるとか、この首塚にまつわる話は昔から聞きますけども
周りがこれだけ開発される中でここだけぽつんと保存されているのを見ると
人々が長いこと将門に寄せてきた畏怖と期待について考えずにはいられません。
わたしがお参りしている間も(連休中だったせいかもしれませんが)参拝者が切れ目なく訪れていて
知名度も高いのだなぁと改めて思いました。

masakado3.jpg
境内にあった案内板で、かつてここに酒井家上屋敷があったことを知りました。
伽羅先代萩や樅ノ木は残ったに描かれた伊達騒動の舞台がここなのですな。

この後はお買い物をして帰宅しまして、
そういえばと思って久々に押し入れから引っぱり出してみました。
hakunoonigiri.jpg
うちにあるハクのおにぎりフィギュア☆
千尋のDVDが発売された際の購入特典で、宮崎さんが握ったおにぎりから型をとっているそうです。
今日食べたおにぎりよりはちょっと大きいかな。
訳あってうちには3つあるのですが、これを竹の皮にくるんで懐に入れるのが夢だったので
カフェの竹の皮持って帰ってくればよかったかなァ…!
だいぶ湿ってたので鞄に入れる勇気がなくてお店に置いてきてしまったのです。
ああいう皮はどこで買えるんだろう。
2018_10
01
(Mon)23:50

優しく、哀しい、嘘をついた。

数年ぶりに「萌えでガチでテンパる」という状態になりあまりの挙動不審ぶりを見かねた家族に
「もう1回寝れば」とまで言われました。そうですシンカリオン38話です。
初めて、初めてリアタイで動く推しを、しゃべる推しを見ました。はかに入る†┏┛R.I.P.┗┓†
見終えた直後はあまりの衝撃に言語中枢がダウン&思考がストップし声すら出せなくなりまして
今はだいぶ落ち着きましたがあの後録画を何回見ているのか、
10回超えたあたりで数えるのをやめた。おまえは今まで食ったパンの数を(ry
今回もだったけどわたし次回もどんな顔して見ればいいの。笑えばいいの。むり。

あのね!大宮支部の運動会もおもしろかったですよ!(笑)
出水さんの運動会開始の合図が車掌さんみたいでおもしろかったし
借り物競走のお題が「出水指令長のメガネ」「あの日忘れた恋心」
「ハヤトくんの新幹線格言」「アキタくんの今日のおやつ」とかむちゃくちゃ笑ったし
考えすぎてドア閉まりますしちゃったシャショットに大爆笑した。本庄さんも気をしっかり持って!
シノブくんさ、アキタくんに駆け寄るなりポケット探ったのはさ、
つまりアキタくんがいつもそこにおやつ入れてるの知ってるんだね。仲良しですね。
そしてアキタくんは運動会の日までポケットにチロルチョコ入れてるんですね。かわいい。
すれ違う新幹線同士の風圧はわたしも好きだ~うとうとしてるとふわっと起こされるけどね。好きです。
話は読めた、静岡県内の線路上でのぞみ通過を満喫するのは鉄ヲタの嗜みということか。
今度浜松駅を通るときすれ違いを意識してみることにします。

Bパートが完全にドクターイエロー先生の初陣&7時20分の男復活祭だった件、お帰りなさいリュウジさん!
なんかね、2ヶ月休んでる間に声が大人っぽくなって背が伸びたというか逞しくなってたから
回復後はドクイエ先生の調整に参加しながら鍛錬してたに違いない。
つか「おまえたちは無理をするな」って言ったよ、手を出すなじゃなくて!無理するなって!
大宮→新富士は遠いし名古屋の方が近いから的な意味でも怪我は少年を大人にする的な意味でもおいしい。
ハヤトくんにレールを作ったかと思えば俺に任せろって言ったり、本当に状況がよく読める人で
こんなに顔がよくて頼りになる年上いたらみんな惚れてまうやろー!(爆)
青空と富士山をバックに疾走するドクターイエローがかっこよすぎる件(真顔)。
専用BGMつくことは予想ついたけどコーラス入りの豪華絢爛メロディ、尾張名古屋感すごかりし(笑)。
変形BGMもコーラスつきで神々しい…いやN700Aもドラゴンナックルはフルオケっぽかったけどさ…
これぜひサントラに入れて発売していただきたい、毎日でもリピートしたい。
チェンジのシークエンスで他のシンカリオンはロゴマークが輝きますが
ドクイエはライトとカメラが輝くのが検測車両っぽいですね。
捕縛フィールド内に降り立った姿が完全に空手の猛者で
ありゃツラヌキくんじゃなくてもうおおお~~!って叫んじゃうよ。かっこいいよドクイエ先生…!
いやほんと、富士山をバックに登場、編成音多くてゴージャスなBGM、5両編成のボリューム装甲、
重量を感じさせない身のこなし。ドクターイエローのすべてがやばい。。
リュウジさんマジ厚遇されててもはや第2の主人公だよ…ありがとうございますスタッフの皆様。(深々)

前回記事にうっかり書いたけどバトルがまじで細谷佳正VS逢坂良太だったし
次回はここに佐倉綾音が加わるしもしかしたら真堂圭も参戦してくるぜ、アツイぜ。
アキタくんの「まるで一流の格闘家と剣士の戦いだ」のセリフが忘れられなくて…!
味方のリュウジさんはともかく敵の力量を一瞬ではかり認めるあっきーもすごいよ。
リュウジの戦闘スタイルがN700Aに引き続き空手で挑んでから武器を出す流れでしたね、
レーザーソード手のひらから出すからびっくりした~!かっこいいわ。
エアロダブルスマッシュの進化系というか飛び道具じゃなく手持ち武器なのは相変わらずだし
たとえ強い武器を持ってもあくまで自分の拳で勝ちを取りに行く先輩なのもよかったな。
ドクイエはてっきり車体の特徴からして検査したり守ったりする機能に秀でてるのかと思ってたけど
そんな機体でも清洲リュウジにかかると物理で殴る以外の選択肢ないのがおもしろすぎるし
そもそもシンカリオンなのだから戦闘用にパラメーター振り分けてるはずですよね。
他のシンカリオンより頭一つでかい巨体でマッシブなフォルムですが
動きがあれだけ素早いのは最新型であるがゆえと運転士のスキルの高さでしょうか。
ビャッコも武器の使い方や威力をよく熟知した、無駄のない、達人の殺陣でかっこよかったです。
印象的だったのが2人とも戦闘中にほとんど動揺がなかったこと。
ビャッコは戦い慣れてそうなので驚かなかったけど、
リュウジも不意打ちくらってもブラックシンカリオンのときみたく慌てずに落ち着いて対処したよね。
ドクイエの損傷について出水さんが確認させていたけど、軽度ということは防御力高いってことかな、
あの鉄壁装甲がもう運転士が怪我しないようにっていうSUEIの配慮なら、うれしい。
去り際にビャッコさんがハヤトくんを名指ししたのはセイリュウを戦わせたいからだろうけど
手段を選ばない連中だからってカイレンたちを嫌っているのに
自分も手段を選ばなくなってるのは気づいてるのかな。
そういえばカイレンの名前の元ネタは灰簾石(ゾイサイト)でソウギョクは蒼玉(サファイア)で
トラメは虎目石(タイガーズアイ)でいいのかな。セーラームーン魂がたぎる。

久し振りだなってリュウジさんからみんなに声かけたよみんなに!(落ち着け)
つかあの戦闘の後に新富士から大宮まで来てくれたのかよ!!お疲れ様です。
元気そうだなって応えるのはツラヌキくんなのよね。あっきーはレベルアップを見て取っていたね。
ドクターイエローが優れているだけって微笑むリュウジさんはハヤトくんがお見舞い行ったときのリュウジさんで
(N700Aも半分も力を出せてないって言ってたのでそろそろ全部引き出せる機体に乗せてあげてほしい)
最初の頃のとげとげしさが消えてやさしいお兄さんになってて、もうどうしようもなく泣けてしまった。。
ついについに、みんなと仲間として何気ない会話ができる日がきた~うわああぁ。゚(゚´ω`゚)゚。
あの日差し出されて拒否した握手がグータッチになったしさ…しかもリュウジさんから拳出してるしさ…
とうとうここまで来たよこの2人。
前回記事に手巻パみたいな場はまだ苦手そうって書いたけど撤回します、今の彼なら大丈夫だ。
で、なじんだとはいえ特訓は厳しそうなリュウジさんですが
冒頭で出水さんに言ってた「ハヤトの実戦能力」っていうのは頼りにしてるって意味じゃなく
伸ばさなきゃならない課題っぽかったので、ハヤトくんの申し出は願ってもなかったのでは。

OPからカットされてないのでN700Aが出てこないってことはないと思いますが
あるいはタツミくんが乗るのではないかという予想もSNSでちらほら見かけますね。
ワンパンでデスグランクロスを弾き返すほどの機体を使わないのはもったいないので再登場させてほしい。
そういえば次回予告によるとタツミくんがハヤトくんの特訓相手になるみたいで
彼もいっこ上だからお兄さんですね。2人のお兄さんに鍛えられるのかハヤトくん^^;
予告の黒インナー道着のリュウジさんも甲羅持ちながら頑なに表情崩さないすまし顔リュウジさんも
半ズボン喪服でぽつんと座る小学生リュウジさんのエピも楽しみ。チクマさん…。
あとTETSUYAさんのエンディングも今回で見納めだそうです。
変わるの早くてさみしいなぁと思ったけど歌詞に「あの夏の風が」って入ってるしな…
さわやかっこいい夏にしてくれてありがとうございました。新幹線のボディカラーの流れ好きだったな~。
ライフル構えて立つE6とか空手の構えで走るN700Aとか、みんなが乗ってるなぁ感があってよきでした。
(でもきっと新しいエンディング聞いて映像見たとたんに「よき…」ってなるんでしょ自分、知ってる)
あと、この日は現実でもドクターイエローの運行日だったらしくてSNSに動画がちらほら挙がってました。
運行日にドクイエがデビューするアニメが放送されるとかもう運命じゃん。ばたり。(はかに埋まる)



……で。
そんなこんなで早朝から精神が乱れに乱れまくったまま、わたしは車をとばして映画館へ行ったのですよ。
なぜならこの日は映画夏目友人帳の公開初日で
新宿で行われる初日舞台挨拶を地元の映画館でもライヴュしてくれるというので
朝一のチケットをとっておいたわけです。
natsume-m1.jpg
映画が始まったとたんに夏目友人帳のやさしい世界に頭までどっぷり浸かって
最後までず~~っと集中して見まして、終わったらとてもあったかい気持ちになっていました。
朝から大混乱だった心を3匹のニャンコ先生に癒してもらった気分。
そんな初日に見に行ったのが少しは貢献できたのか、
映画夏目友人帳はこの土日で興収・動員数・満足度堂々の第1位だったそうですよ!すごい!めでたい!!
全国の1億とんで100万人の夏目友人帳ファンのみなさーーん!台風に気をつけて前売り券握りしめて
あったかい気持ちになりに(あと週替わり特典ゲットしに)行こうな!

natsume-m2.jpg
パンフレットと入場特典たち。
パンフには「ご鑑賞後にご覧ください」と書いてあったのでそうしたら確かにそうして正解でした、
ネタバレだらけでしたから。
初回入場特典は緑川先生描きおろしA4イラストカード、週替わり特典はポスカ5枚セット。
イラストカードの囲み部分が、劇中でキーポイントになってる切り絵みたいな雰囲気で素敵です。

以下、映画の感想です。ネタバレしておりますのでこれからご鑑賞の方はご注意ください。
大丈夫な方はクリックしていってみよ~。↓

優しく、哀しい、嘘をついた。 の続きを読む »

2018_06
15
(Fri)23:57

一番怖いのは理由もなく怖がること。

映画『ズートピア』を金曜ロードショーで観ました。
公開当初から評判がいいのは聞いていたけど劇場に観に行けなかったので
ノーカット放送はうれしい!
随所に過去の名作映画へのオマージュがあふれていて探すのも楽しかったです。
(デュークが売ってた海賊版DVDのところ、ベイマックスやラプンツェルやアナ雪だけじゃなく
当時まだ公開されてないモアナまでパロられていて細かいなあと思った)

あらすじは何となくしか知らなくて、ウサギが主人公のハートフルでソウルフルなストーリーかと思っていたら
差別やステレオタイプについてユーモアと風刺で突っ込みまくる割と社会派映画だった件。
動物の大きさに合わせて電車のドアが3つ設置されていたり、ネズミがチューブの通路で出勤したり
ネズミのスタッフが働くお店でキリンがジュースを買うとエアシューターで手元まで上げられるようになってたり
多様性に富む素敵な世界観で、
ジュディとニックが行方不明の肉食動物たちを見つけてめでたしめでたしって訳じゃなくて
その後どうなったかをやったのがよかったですね。
地球上の動物は90%以上が草食で、肉食は1割に満たないマイノリティなのは割と知られていると思いますが
それはズートピアの世界でもそうみたいで、
クライマックスに舞台となる自然史博物館の入口には槍をかまえたマンモス像が展示されているし
展示室の壁には肉食動物を大勢で追いつめる草食動物の絵があって
その絵の前でベルウェザー市長は「肉食を数で圧倒するのだ」と語る。
聖書とかでも割と弱者として表現されている羊を黒幕にもってきた制作者さんたちしゅごい。
見ながらふと、絵本『スイミー』で大きな魚に数で立ち向かうスイミーたちはかっこよかったけど
大きな魚を追い出した後彼らはどうなったんだろうとか考えてしまいました。
こんな風に草食と肉食について表現する方法があるんだな…制作者さんたちしゅごい(2回目)。

きょうだいが275羽いるらしいジュディは長女ってことでいいんだろうか、
ご両親がジュディをズートピアに送り出すときの雰囲気で何となくそんな感じがしました。
元気なときや何かに気づいたときには耳がぴっと立って、帽子被ったり落ち込んでいるときは下がっているのが
いちいちかわいいし、
警察学校の訓練で教官に「命はない!」とか言われながらも首席で卒業する能力とか
駐車違反200件取り締まったりとか、オオカミたちの警備を遠吠えでごまかすのとか
(ジュディにつられて遠吠えを始めちゃうオオカミさんたちがベタだけどかわいかった)
知力体力に加え機転もきくの本当にかっこいいよね。
「いいうさぎばかりじゃなく怖いウサギもいる」と両親に言っていたジュディが
ヒーローインタビューで生まれつきとかDNAとか言っちゃうのはものすごく怖いシーンだったし
きっとジュディもそんな自分にびっくりしたろうな。
ライオンハート市長も逮捕されたとき言ってたけどまだ原因がわかってない状況だったし、
きちんと原因を解明したうえで下準備してマイクの前に立った方がいいんじゃ…と思ってたら
やっぱりああいう結果になったのはジュディの甘さだったし
それをそのまま報道するメディアと受け止めてしまう大衆の愚かさだし、あるあるでもあるような。
ギデオン・グレイに謝られて、ズートピアに戻って即座にニックを探して謝るジュディがよかったし
ニックの「よしよし…あーもう本当に頑張るんだから」も素敵。
ベルウェザー市長の前で2人で渾身の芝居を見せて
にんじんペンで録音した音声を突きつけて「詐欺師って呼んでくれる?」って笑うの最高のタッグすぎた!
そんなニックはミスター・ビッグが小さくても敬意を払うけど女の子を「にんじん」と呼ぶ狐でギルバートかよって思ったし
狐が詐欺師っていう、ある意味世界共通のイメージともいえる生き方をしていて
(ニックが作ったアイスキャンディー食べるハムスターの群れがかわいかった)
でも後々そのイメージから離れるまではなくても賢く素敵な人という感じだったかな。
狐がずる賢いというイメージがいつからあるのか、具体的にはよく知らないのですが
少なくともイソップにはカラスや鶴をだます狐が出てくるので相当昔からあると思う…
中国や日本でもだいたい狐は美女に化けて国を傾けさせるイメージが強いよね。
ジュディが狐除けスプレーを携帯していたのを最初から知ったうえで
半ば強引にジュディに巻き込まれる形で連続行方不明事件に関わることになったけど、
リムジンならとミスター・ビッグのところへ連れて行ったり
データベースにアクセスできないジュディを免許センターへ連れて行ったりと、
情報を手に入れるにはどこへ行けばいいか、誰がその情報に詳しいかきちんと知っているあたり
リテラシーのしっかりした狐だなあと思いました。
かと思えばフルー・フルーの結婚式で小さなフォークを使って小さなケーキを食べていたり
副市長のフワフワな羊毛をモフっていた32歳をわたしは忘れない。
(あと「やっぱり眠いときは自分を数えるのかな」って言ったの、わたしも同じこと考えたよ)
ロープウェーでジュディに過去を語る姿が痛々しかったけど、
その昔に何にも傷つかないと決めて映画冒頭からずっとほとんど感情を出さなかったニックが
DNAと言ったジュディの言葉に傷ついて怒るところが印象的でした。
ハイパーイケボ森川さんの声で「俺のこと好きだろ?」って言ったニックにジュディが
「どうかな?うん、そう」って言ったのはきっと「質問に質問で返して答えろ」ってアドバイスからだと思うし
あれ字幕だと「You know you love me」「Do I know that?…Yes, yes I do」だと聞いてやっぱり萌えた。

ミスター・ビッグがイケメン☆
トガリネズミがホッキョクグマのSPを従えてスーツで安楽椅子に座ってるだけでもツボなのに
しゃべり方とか指の動きとか、胸にバラ差してるとことか細かくてゴッドファーザーみたいだなと思ってたら
本当にヴィト・コルレオーネがモデルだそうで、道理で…!
そこはかとなく漂うマーロン・ブランドみにポ~ッとなってしまいました。かっこいいよミスター・ビッグ。
氷漬けが趣味みたいだけど、ジュディが娘の命の恩人とわかるやしっかり借りを返してくれるし
ニックのこと怒ってた理由が「おばあちゃんのお葬式の絨毯の素材をスカンクの毛にされた」で
重度のファミリー好きなのがとっても素敵。
娘のフルー・フルーはふわふわしたお花畑キャラかと思いきや氷漬けしようとするパパに「待って~」って言うの見て
ああこれが彼女の日常なんだなってちょっと震えました。
ジュディは彼女の子どもにどんな名前をつけたのかなあ。
フィニックはしゃべる前はゾウさんコスプレでパオンパオンとか鳴くの最高にかわいくてもんどりうって
しゃべったら渋かっこいいオッサン声でもんどりうった、二度おいしいキャラですね。
アライさんが「やめるのだフェネック!」とかとても言えそうにない悪人ヅラなのもいい。
自分よりはるかにでっかいアイス担いでる姿と、サングラスの外し方が鬼かっこいいので好きです。
ニックより年上らしいですが年上の方が身長小さいっていいよね。ミスター・ビッグもだけどね。
フラッシュが免許更新センターでニックのジョーク聞いて笑い始めるまでの
気の遠くなるような動きがめちゃくちゃ好き!
職員がナマケモノなのはアメリカの同センターが手続きにものすごい時間がかかるのを皮肉ったそうですが
日本の免許センターも更新までに結構時間かかるからここで笑うのはアメリカの人だけではなさそう。
バッファローのボゴ署長の圧がすごい、
草食動物が弱いといわれる中で署長にまで昇りつめた彼のエピソードオブボゴをスピンオフでぜひ作ってくれ。
あとクロウハウザーとの友情物語も。同じ職場の中で同じアイドル推しって結構な確率の奇跡だと思うんだ。
2人でガゼルさんのライブ行けて踊ってて幸せそうでよかった^^
ガゼルさんは最後までみんなのアイドルだったし誠実な発信者でもあってかっこいい。
一緒に見てた母が「マドンナみたい」って言ってたけど本名はレディー・ガガゼルだそうですね。
彼女のバックダンサーの虎さんたちもいい筋肉でセクシーでかっこよかった。

(あ。この映画で唯一気に入らないのはクロウハウザーが受付をやめさせられたときに
「地下室で記録係をやる」ってがっかりした風に言うシーンなんだけど、あえて何度でも言う。
記録係は!ものすごく!!重要な仕事!!だぞ!!!
ハウザーの配置替えは本人が望んだことではないので確かに不当なんだけど
その理由に記録に関わる仕事を否定的に使うのは頼むからやめてくれ、子どもも見る映画ではありませんか)

ラストのフラッシュのスピード違反に全部持ってかれた。。
言われてみれば彼はフラッシュ(閃光)という名前でしたし、
車のハンドル持つと性格が豹変する人とかいるけどフラッシュはそういうナマケモノなのかもしれないし
車のアクセルはゆっくり踏むと急にスピードが出ることがあるので
動作の遅いナマケモノが運転するとそうなってしまうのかもしれない。
ただあのシーンもある意味この映画の芯だと思っていて
さんざん「固定観念で物を見る危うさ」「知らずに発言することの怖さ」を見せつけられてきたのに
車の窓が開いてフラッシュの顔が出てきて思わず笑ってしまった自分に気づいて反省したのでした。
見ながら色んなこと考えたけど、きっとこれからも色んなことを考え続けていくのが大切なのだ。
(どうでもいいけどフラッシュの吹き替えって村治さんだよね。ぴったりすぎてずっと笑ってました)

ニックのサングラスとジュディのにんじんペンあれグッズになってないのかなー!ほしい。
特ににんじんペンは録音もできるスグレモノで映画の随所でその機能を発揮させていて
なんて便利な道具なんだと思いました。
フィニックやベルウェザー市長のぬいぐるみとかあったら欲しい、市長のあたまをモフりたい。


ところで皆様、明日は何の日か知ってる?(by 鏡の国のアリス)
6月16日は和菓子の日です!
848年6月16日に仁明天皇が16個のお菓子やお餅を神前に供えて厄除けと健康招福を祈り
元号を嘉祥と改めた古例にちなみ日本和菓子協会が1979年に和菓子の日と定めています。
この日に和菓子を食べる習慣は室町時代や江戸時代の記録にも残っておりますよ~みんな和菓子たべよう!
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かんだ和彩にて雨上がりと水無月を。

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花扇の河原撫子と薔薇とかぼちゃの馬車。

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馬車の形が上の写真だとわかりにくいのでアップを。
緑色の車体(?)に白い車輪がよく映えていて綺麗な一品、ロマンだわあ。

とらやの嘉祥菓子、今年も食べられなかった…!来年こそは。。
2018_05
11
(Fri)22:50

ジブリ飯と毛虫のボロ。

2018ghibli1.jpg
ジブリ美術館に行ってきました。
前回の訪問から1年ちょっと、なかなかチケットが取れなくて時間が経ってしまったけど
ようやく「食べるを描く」展と映画『毛虫のボロ』が見られる~ヤッホー!
(開館したばかりの頃は平日チケットなら前日、下手すると当日券も取れたりしましたけど
最近はチケット発売日から数日で完売とかおそろしい倍率でスピード勝負みたいになってるよね)
あとカフェ麦わらぼうしの限定メニューが最強に楽しみだったのだ^^

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外壁にすでに蔦がからみつき始めている。1年ちょっとで変わるもんですなァ。

受付でいつものようにフィルムチケットをもらって(今回はアリエッティの虫たちでした)、館内へin。
企画展「食べるを描く。」を鑑賞します。
ジブリ映画に出てくる食べ物や食事シーンを紹介する展示で、
入口にはファミレスみたいに大きなケースがあって映画に登場するお料理の食品サンプルがどっさり並んでいたよ!
うおおおジブリ飯の食品サンプルうおおおおщ(゜ロ゜щ)☆
目玉焼き乗せパン(いわゆるラピュタパン)とリンゴ、キキのランチ、マダムのチョコケーキ、
フィオが飲んでたレモネード、サンの干し肉、千尋とリンさんが食べたあんまん、ハウルのベーコンエッグ、
ポニョのはちみつミルク、アリエッティの小さな紅茶まであらゆるジブリ飯が目の前に。
ススワタリに撒かれたコンペイトウのたらいにイモリの黒焼きが入っててうええってなったり
「ジコ坊の味噌雑炊」と書いてあるのを見てあれ雑炊だったんだ!と知ったり
ハクのおにぎりとマダムのチョコケーキが思ったより大きかったのが印象深いですね~。
ニシンとかぼちゃの包み焼きはサンプル制作者さんが「自信作です」とおっしゃったらしい出来栄えで
お言葉に違わず確かにすごくおいしそうだった…!
あとトシちゃんの激辛カレーまであってめっちゃ笑った(笑)見た目は普通のカレーなのになあ;;

ジブリ映画の食事シーンの原画も展示されていて、
パズーの家で勝手に宴会やってたドーラ一家とかマダムがキキにケーキをプレゼントするシーンなど
食べ物にまつわるシーンがどのような演出で制作されていたのかがわかります。
紅の豚で、ホテルアドリアーノでポルコがグラスにワインを注ぐ原画に描かれたワインの揺れとか
フィオが一気飲みするレモネードの色指定とかすっごいよ…!
「レモネードの色」「レモネードの影色」「瓶の向こう側に見える手の色」「瓶の厚みの色」「厚みの影色」
「レモネードの影色に瓶の厚みを加えた色」まで細かく指定されていて
ああだからあのレモネードはあんなにリアリティがあったんだなと思った。
本当にほんの数秒のカットにも手を抜かないよね…知ってるけど。
耳すまで西老人の作った鍋焼きうどんを食べる雫が
箸を運ぶたびに持ち上げるうどんの本数が2本→3本→4本と増えているのは知らなかったです!
食欲がわいてきたということなんでしょうね^^ 細かいところまでおもしろい。
千と千尋でカオナシがお大尽やってるときに出されるお料理も様々なのは知ってるけど
改めて見るといちいち細かくて感動します。
カエルたちが厨房で調理してるカットの後ろで運ばれるロールケーキに
「抹茶のスポンジ」「餡子」とか指示書きがあって楽しくなりました。
あれ抹茶ロールなんだ!実在する食材の名前を聞くと親近感がわくし
カオナシも抹茶好きなのかなあとか想像すると萌える。
となりの山田くんでお父さんがバナナを食べるカットの原画は341枚もあるそうです…積まれた枚数に戦慄。

「箸づかいを描くのは難しい」のパネルに興味津々。
ジブリ映画で和食のシーンは数多くありますが
その中でキャラクターたちがどのように箸を使っているかを比べて見ることができました。
勢いよく使ってるのはサツキちゃんや千尋パパや本条さん、無造作に使ってるのは釜爺やジコ坊、
きちんと使っているのは翔くんや二郎さんや海ちゃん、にぎり箸なのはポニョ(笑)。
キャラクターの性格や時代背景によっても色々ですな~。
個人的にはアシタカの箸の使い方が好きです…静かで礼儀正しい感じ。お育ちの良さが出てるよね。
こういうの見るとスプーンやフォークの使い方も比べてみたくなります。気になる~。

極めつけは草壁家とタイガーモス号の台所の立体再現!
実際にキッチンのセットに入って家具やお料理にさわれるんですよ☆
草壁家のちゃぶ台と台所を見て真っ先に思い出したのは3年前に訪れたサツキとメイの家ですが
今回の展示にはサツキちゃんが作った3人分の朝ごはんとお弁当が実際に置かれているんです!
中味は食品サンプルだけど焼きメザシも鮭のふりかけも映画そのまんまでテンション上がった\(^o^)/
係の人が「触っていいですよ」とおっしゃってくれたので持ち上げてみるとずっしり重くて感動みが強い、
メイちゃんのお弁当箱だけ赤いのいいね~いいね~~。
(お弁当箱の裏側には人の名前が書いてあって、係の人いわく「ご提供くださった人のです」とのこと)
台所も細部まで再現率高かったよ…。
食器や調理器具はもちろん、火おこしの団扇やサツキが刻んでいたホウレンソウまである!
流し台にあった4人分の歯ブラシに泣きそうになりました。お母さん早く帰ってくるといいね…。
外側にお庭もちょこっと再現されてて、メイちゃんが「焦げてる!」って言ったメザシが焼かれていたり
家の壁にはヤモリや蛾がいたり蜂の巣が作られかけていたりナメクジが這っております。細かい!
あとパンフレットに写真が載ってないけど台所の天井隅にススワタリが群がっているので
行った人たちぜひ見つけてみてくだされ~。

タイガーモス号の台所に入って最初に思ったのは「狭い!」でした。
映画だともう少し広かったような気がしますけどもこの空間に5人は無理だわ…
ドーラの息子たちにはお手伝いは遠慮して仕事に戻っていただくしかない^^;
草壁家同様、展示品のお触りOKで引き出しなども自由に開けていいとのことで
片っ端から開けまくりました(笑)。
扉には小麦粉やチーズや果物が入っていて壁には肉やトウガラシがぶら下がり、
引き出しには人数分のカップやお皿やカトラリーがぎっしり。
流し台の下を開けると生ゴミがあったりオーブンにはパンが焼かれて入ってたりして
今にも誰かが戻ってきて調理を再開しそうな感じがする。
そして大鍋には映画でシータが作っていたシチューがぐつぐつ煮えておりました…
これをあの人数でたいらげるんだから皆どんだけ食べるのっていう。
(そんなガス台の正面に小窓があってルイが覗いてるスチルが貼ってあるの笑った)


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3階のマンマユートから外に出てカフェへ降りていく途中でいつも見かける窓に猫SPがいるのを
訪れるたびに撮影しておりますが、今回は2匹になってた!

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カフェ麦わらぼうしにて「ちっちゃなマダムのチョコケーキを」注文☆
これがもう、もう、最っ高でした…!
うおおおおおあのケーキが現実に食べ物として再現されていただける世の中うおおおおお!!

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映画よりは小さいサイズでしたけど食べたら中のスポンジぎっしりでクルミ入りで濃厚で
ものすごい食べ応えがありました。
これでホワイトチョコの模様が映画と同じホウキに乗ったキキだったら完璧だった!
企画した人のお誕生日を知りたい。プレゼントを考えたい。ありがとうございました。生きてるといいことあるね。

このケーキの他にもハウルのベーコンエッグやパズーの肉団子入りスープ、
麦わらぼうしのシベリア、ハチミツ入りホットミルクなどがいただけますので
ジブリ飯をリアルに楽しみたい方ぜひ行ってみてくだされ。
今月末で終わるメニューもあるのでお早めにー!

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屋上に来ましたよ~ロボット兵を花越しに。腰や背中から草が生えていました。

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奥の庭園にも花が咲いて新緑がきれい。

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なんかこう、廃墟に咲く花みたいな感じがあるよね。
大好物ですこういう雰囲気…誰も知らない場所にそれでも植物は咲く…はああぁぁぁああ( ˘ω˘ )。


この後は館内に戻って土星座へ。映画『毛虫のボロ』を鑑賞します。
3月から上映が始まっていますがやっと見に来られました。
ボロが卵から孵るシーンから始まって、生まれてすぐにもぞもぞ動き出して
空気の粒ゼリーを食べたり日光を浴びたり無数の毛虫の先輩たちと大行進したり
カリウドバチに捕まりかけたり(先輩のうち2匹が連れ去られるのを堂々と描いてた)
アブやカマキリをかわしたり人間の女の子のスカートに引っかかってアパートの2階から落とされたり
落ちた先にあったタンポポを食べてヒャッハー!したり。
ナウシカの腐海とはまた全然違った虫の世界を、時にファンタジックに、時に気持ち悪くグロテスクに、
全体的にやっぱり緑を美しく描いていましたね。
ボロが食べる空気のゼリー(と宮崎さんは呼んでいる)がとても印象的でした。
透明な四角いゼリーのような、ナタデココのような、グミのような不思議な物体が空気中にふよふよ浮いていて
わずかに発光しているのかボロや植物に触れるとキラキラしたりします。
美術館の2階ギャラリーで見た宮崎さんのイメージボードによると
「飛んでいるというか漂っている。歪んでいたり色付きもある。
浮いている空気よりわずかに重い感じ。自重で壊れる。噛むと消えちゃう」みたいなものだそう。
虫には空気がこう見えているかもしれないという想像なのですって。
ボロに当たるとガラスのように崩れる作画もむちゃくちゃ美しかった…!
ゼリーの作画は「軸を回さない方がいい。浮遊感が大切。速度にバラつきを。3秒くらいかかる」など
イメージボードの段階から細かく指示されていたみたい。
夜明けの光にボロが包まれるシーンでも、光は光線というより棒や筒のように表現されていて
ボロがそれに包まれると柔らかく霧散していくのですが
この辺りはCGではなく手描きも使われているそうな。
(言い忘れましたが毛虫のボロはフルCGアニメーションです)
光合成したての葉っぱを食べるシーンがすごい!栄養素が透けて見えて葉脈もきらきらしているし
ボロがすごくおいしそうに食べるものだから思わず「葉っぱっておいしいのかな…」とか思ってしまった。
ボロの作画で毛の数は適当にとか、カリウドバチは「コミュニケーション不能の大人」とか
相変わらず宮崎さん、例えがアレだ。
最後にぐっとカメラが引いてボロがいた垣根から街の俯瞰の景色になっておおって思いました、
小さな虫の世界の大きな大冒険。
エンディングで「声と音 タモリ」と表示されたとき、土星座に笑い声が満ちました。
タモさん楽しそうだったなあ。

もともとボロの企画自体はずっと前からあって
紅の豚の後に宮崎さんはもののけ姫とボロどっちを作るかで真剣に悩んでいたんだよね。
結局そのときは鈴木さんが「アクション映画は年をとったらできない」と説得してもののけ姫にしたと
当時鈴木さんご本人が語るのをテレビ(もののけ姫公開記念番組だったと思う)で見たのを覚えていますが、
もしあのとき長編でボロを作っていたら今回みたいな作品になったかどうか、
前はまったく別の内容で考えていらっしゃったからなあ…。
(とある街路樹から別の街路樹へ旅をする1匹の毛虫を通して
彼らにも彼らの世界や冒険があることを描こうとした企画だったように記憶しています)
そっちも見てみたかったけど、そして今回は短編になったけど実現して本当によかったと思う、
わたしもずっと気になっていた企画でしたのでね。
土星座の映画はローテーションしますから、また機会が巡ってきたら見に行きたいです。

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帰りに出口を振り向いたら面白い写真が撮れた^^
企画展が変わったらまた来たいです。

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井の頭公園もちょこっとお散歩、新緑がきれいでした。
少し風のある日でしたがさわやかで気持ちよかったです。

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ミュージアムショップ「マンマユート」にて購入したケーキとラピュタパンのマグネット!
見つけた瞬間にこ、これは何がなんでもおうちにお持ち帰りせねばならぬ!と使命感にかられて
値札も見ないでレジに持って行きました(笑)。
映画に出てきた食べ物がグッズになる!テンション最高潮だったよ☆
わたしはどちらかというとキャラクターがプリントされたものよりも
映画でキャラクターが食べたり使ったりしたもののグッズが欲しい派なので…
こういうのに本当に弱いです。どこにくっつけようかなあ^^


来週はここで高畑さんのお別れ会か…仕事で行けませんが、改めてご冥福を。


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皆様いつもありがとうございます(^-^)/☆

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2018_04
13
(Fri)23:43

いまのすべては未来の希望。必ず憶えてる。なつかしい場所で。

保田さんや篠原さんや二木さんなどジブリ関係者の訃報を最近は何度か目にしますけど
先週には高畑勲さんが亡くなられてしまいました。
何年か前からご病気を抱えているらしいというのは耳にしておりましたが
あの日の朝に速報が流れたときはああとうとう…と思ったのと
鈴木さんや西村さんのコメントはすぐに出たけど、宮崎さんがまだ一言も何もおっしゃらないので
しょんぼりしてないかなあと思ったのが真っ先の感想でした。
(というか今はそっとしてあげてほしい)

今夜は追悼として映画「火垂るの墓」が放映されておりましたが
見ようかどうしようか迷って結局見なかったです…。
初めて見たときものすごいショックを受けて、その数年後にもう一度見てやっぱりしんどくて
それ以来見ていないような気がする。
あれを見るにはHPとMPがフル充電されているときじゃないと無理ゲーです…
あと、個人的には「追悼なら他の作品の方がいいのでは…」などと思っておりましたが
たぶんぽんぽこだと妖怪大作戦のコラ画像で、かぐや姫は御門のAGOネタでSNSが埋まりそうだから
火垂るでよかったのかもしれない^^;

高畑さんの作品はその世界観や緻密な取材に基づく作画がとても美しいなと思っておりまして。
おもひでぽろぽろの過去・現在を背景で表現するとか、ぽんぽこの多摩丘陵の風景とか
山田くんの最小限の作画によるリアリズムとか、かぐや姫のキャラクターを筆タッチにしたりとか
アニメーションでどこまでできるかを常に実験していたような。
(それについていくスタッフの皆さんは本当に大変だったと思うけど)
おもひでの紅花摘みのシーンなんて生々しいったらないですよ、
タエ子や農家の皆さんが花をてきぱきと摘んでいってますけど
あれ見てると自分の手に紅花の感触を覚えるんです。見るたびにいつもそうなる。あれはやばい。
(作監の近藤喜文氏が相当がんばったんだろうと思う)
ぽんぽこは年を重ねるたびにきつく感じる映画ですが
前半の妖怪大作戦が楽しすぎて放送されるたびに見てしまいます。後半は見るのがつらい。
宮崎さんは東映動画時代を思い出して見られないとどこかでおっしゃっていたなあ…おれたちの青春が描かれてるって。
山田くんの作画は原作に忠実に再現するというコンセプトだったみたいですが
当時流行していた緻密な描写をやめて初心に帰る目的でああなったという理由もあったらしいので
これって宮崎さんがハウルの次に「エンピツで映画を作る」とおっしゃりポニョを作ったのと似ているなあと思うと
やっぱり宮崎さんはずっと高畑さんを意識しておられたなあと改めて思ったりした。
かぐや姫については映画館で観た当時に長文感想を書きましたけども
今はあの頃よりは冷静に見られるようになっているかもしれない…
個人的にかぐや姫が高畑さんの最高傑作だと思っている認識は今も変わりません。
劇中の音楽を久石さんに依頼する前に初音ミクを使ってわらべ唄と天女の歌を制作して
久石さんに聴かせて伝えたというエピソードがすごく好き。
冨田勲氏が80歳のときイーハトーヴ交響曲で初音ミクと共演したように、
高畑さんも80歳を目前にボカロに触れていたと思うと胸アツでした。

ところでわたしは小学生の頃にパンダコパンダもおもひでもぽんぽこも全部楽しんでおりましたが
当時はその作品群を同じ方が手がけていたとは露ほどにも知らないまま
まったく別個の作品としてハマっておりました。。
山田くんあたりになってようやく「あぁあれらは同じ監督の作品だったんだ」と気づいて
ようやく一致してびっくりしたのですよ。高畑さんおそるべし。
あと過去記事にぽんぽこの妖怪大作戦に出てくる妖怪の元ネタについて書きましたけど
最近になってトトロやキキに混じっておもひでのタエ子も飛んでいたと知ってやっぱりびっくりしました。
あれです、広田くんに「あ、おんなじだ」って言われて
おはなはんのBGMに乗ってふわ~っと舞い上がっちゃったときのタエ子が飛んでいるそうです。
今度放送されたら探してみよう~。

過去記事でご本人をチラリとお見かけしたと書きましたけど
あれがナマでお見かけした最初で最後でした。
普段から講演会やデモなどに積極的にお出かけになられていると聞いて、
いつかお会いしたいと思っておりましたが結局かなわかなかったなァ…
会いたい人には会えるうちに会いに行きましょうという話。
平家物語国境の映画化の企画もしておられたといいます。ぜひ見てみたかった。

「ずっと遠く 何もわからなくなっても たとえ このいのちが終わる時が来ても
いまのすべては過去のすべて 必ずまた会える 懐かしい場所で」
(二階堂和美「いのちの記憶」より)

あと、高畑氏が演出を担当されたアニメ「赤毛のアン」でアン・シャーリーを演じた山田栄子さんが
「先日楠葉宏三さんが亡くなったばかりなのに」とツイートされていて驚いてしまいました。
特にニュースにもなっていないので全然知らなかった。
ポリアンナもピーターパンもトラップ一家もナンとジョー先生もロミ空も本当におもしろかったですよ…ご冥福を。



gomenne1.jpg
そんなことをこたつでもやもや考えているわたしの膝の上で
母にゃんこがごめん寝していたので激写。
前足をついてウトウトしていたのだと思いますが、たぶん眠気に耐えられなくなって
カック~ンといってしまったのかも。

gomenne2.jpg
完全に爆睡。

gomenne3.jpg
カメラの気配を感じて「ハッ…」と目が覚めた図。
顔を上げたはいいけど寝ぼけてるので目が開いてません(笑)あと部屋の照明がまぶしかったんだと思う。

そういえば高畑さんのアニメには動物が印象的な作品もありますな。
パンダコパンダの親子パンダとか、じゃりん子チエのコテツとか、
母をたずねてのアメディオやばあさまとか、山田くんのポチとか。
筆頭はハイジのヨーゼフです。これは譲れない。やつは強い。そしてイケメン。
ユキちゃんのために崖の草をとろうとして転落したハイジとペーターを
全身でふんばりガシッと受け止めるシーンが一番すき、
「いやああぁぁぁぁあヨーゼフ!かっこいいーー!!」ってDVD見ながら叫びましたもん。
やっぱあれですよ、真のイケメンというのは壁ドンとか顎クイとか油田持ってるとかじゃなくて
危機一髪のときに颯爽と助けてくれるあれですよおおおぉぉおお(拳握)
お客様の中にアルムの山でセントバーナードと暮らしている方はいらっしゃいませんか…おうちにお招きしたい。
エンゲル係数がすごいことになりそうだけどヨーゼフってカタツムリ以外何食べてましたっけ、
うちは夏になれば庭の紫陽花にカタツムリが大量発生するのでご提供できます。現場からは以上です。
2017_07
12
(Wed)23:07

夜間飛行。

ちょっと今までにないくらい留守にしましたがわたしは元気です。
某所の〆切にも無事に間に合い、今年も課題をひとつクリアしました…なんで毎年ギリギリになるんだ。ああもう。


ところで。。
meary.jpg
スタジオポノック第一回長編『メアリと魔女の花』を観てきました。
メアリー・スチュアート「小さな魔法のほうき(The Little Broomstick)」を原作として
麻呂さんこと米林宏昌さんが監督をつとめた映画です。
他にもジブリの制作部にいたスタッフさんが多数参加されているので
画面は全体的にジブリ色が強い感じになってましたけど、
ストーリーは原作(特に後半部分)を膨らませて米林テイストになってたように思います。
お説教のないジブリとでも言えばいいのかな…重量感がなくてふわっと、でも締めるとこきっちり、みたいな。

以下、原作と映画のネタバレを大量に含む映画感想です↓
未見の方はご注意ください~大丈夫でしたらクリックで開きますのでどうぞ☆

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2017_05
31
(Wed)23:24

In This Corner of the World...

映画館に行くかどうしようかずーっと迷っていたのですが
先日、公式の「もうすぐ観客200万人」みたいなツイートを見かけまして
わたしが行くことでカウントが1つ進むならと思って
ようやく、映画『この世界の片隅に』を観てきました。
過去に原作は読みましたけど細かい部分はほとんど忘れていて
なんとなく覚えていたのは主人公が絵を描く人だったとか、結婚した先の生活とか
戦争は日常にじわじわ現れてくるみたいな感じだったなあとか
断片的な記憶しかなく、ほぼ初めて物語に触れる気分で行きました。
あと事前情報で、ジープをスケッチする少年時代の大塚康生さんが登場してると聞いてそれも楽しみで
いざ見たら本当に1カットだけ登場してて一瞬だったけどしっかり確認できました。
監督補の浦谷さんがしのびこませたそうです(^ω^)遊び心ですね。

観てる間は夢中で、終わって劇場を出てからものすごいぐるぐる色んなこと考えたり妄想してたので
どうやって帰宅したのか記憶があやふやだったりしますが、以下に所感を。
相変わらずまとまりない上にネタバレしていますので未見の方はご注意ください。


色んな人が言ってますけど、まず生活描写が細かいです。
たらいの中のスイカのひんやり感とか、収穫したカボチャに顔描いたりとか
伯父さんの家にきょうだいで行くとき誰が何を言うか確認するのとか
すずさんが鉛筆の削りかすを床の穴に捨てたり(『太郎こおろぎ』を思い出した)とか
バイオリンを弾くように包丁とまな板を持ってお鍋に野菜を入れるのとか
道草を使った料理レシピ(『戦下のレシピ』を思い出した)を手順から何から細かく再現してたりとか。
一方でリンさんの香りが花だったりする作画が妙に色っぽくてドキドキしたし
風に吹かれるタンポポやその向こうに広がる山や青空もきれいだった。
(制作にあたり当時の天気と雲と気温を調べたという途方もない話を聞きまして…
春のシーンで蝶を飛ばそうと思ったら飛ばない気温だったとか
周作さんが海軍に行く日の呉市の天気を調べたら小雨だったので降らせたとか。
なにかの朝ドラで暦の大安を調べたみたいな話を見たけど、あれレベルだなって思った)
背景美術のディテールも細かくて、映画冒頭だけに限って挙げてもいいですが
船から三角州の雁木に降りるすずさんとか、周作さんと出会う相生橋とか
中島本町の賑やかさとか今はレストハウスになってる元大正屋呉服店とか
すずさんがばけもんに借りた単眼鏡で見る物産館とか広島城とか…
たぶんわたし半分も気づけてないと思うので次に見る機会があったらもうちょっと色々気づけたらいいなあ。
ってか今思ったけどロングショットばっかりだったね??作画班…(震)
人物のアップはそんなになくて全身図や景色がいっぱい見られる映画なんですね。

監督の片渕さんはジブリ時代からお名前は拝見してまして、
アリーテ姫を見たときにずいぶん淡々と物語を紡ぐ方だなあと思ったけど
(ゲド戦記の2巻がお好きとインタビューで語ってらして親近感を持ちました)、
このセカもその作風が貫かれていたなあと思う。
もともと原作がそんな風というのもあるけど、映画もどのエピソードに関しても割とあっさり描いてるというか
ドキュメンタリーほど硬派ではないけど演出の熱量が平行線で
どこかがクライマックス的な盛り上がりがないのが、なんだかすごく新鮮でした。
爆弾がふってくる畑にもモンシロチョウが当たり前のように飛んでいたりするし…。
そんな感じだから登場人物が感情をにじませたりするシーンはおお!ってなります。
おばあちゃんが「放っときゃ後で食べに来んさってよ」って縁側にスイカ置いとくのとか
すずさんの「しみじみニヤニヤしとるんじゃ~」につられて周作さんもニコ~ってなるのとか
やたらガハガハ笑う水原さんとか、水原さんに怒る癖がついてるすずさんとか
晴美さんがコロコロ笑いながらすずさんの手を引いてるあたりのシーンは
かわいいなあ微笑ましいなあとしみじみします。
逆に、広島に帰るって叫ぶすずさんと彼女を守ろうとする周作さんが怒鳴り合うシーンや
8月15日の放送を聴いて畑で大泣きするすずさんのシーンとかは感情爆発の最高潮で
のんさんも細谷さんもむっちゃくちゃ叫んでましたね。
径子さんがすずさんに晴美をかえせって言うとこも後で謝るのも胸がぎゅーってなってつらかった、
劇的じゃなくて、普段叫び慣れてない人が叫んだり感情押し殺しながらしゃべるときって
こういう声出るよなっていう生々しさがあった。うまく言えないけど。

キャストも関西の人が多かったみたいで、のんさんは兵庫だし
細谷さんや新谷さんや佐々木さんは広島、小野さんは高知、津田さんは山口、
渋谷さんは大阪のご出身だそうですね~。
新谷さんが広島言葉の指導役でテスト用に台本を全部収録されたとおっしゃってて→こちら
この映画はセリフ劇といってもいいくらい会話が多いので大変だったろうな…お疲れさまでした。
ほぼ別録りだったらしいけど役者さんの技量や演出の力で大変バランスのよい音響になってて
そういう意味でもすばらしいものを見せていただいたと思います。
一方で、のんさんのブログに監督とキャストの皆さんで
「この世界の片隅を見つめるポーズ」なる写真を撮った記事が載ってて
なんて愉快な人たちなんだ!って爆笑してしまった(笑)おもしろいこと考えるなあ。

原作者のこうの史代さん曰く「小動物みたい」なすずさんは人の機微に気づかない自分をぼんやりだと言っていたけど
あれだけ日常仕事してたら気づいてる暇なんてないと思う…。
朝起きてごはん作って洗濯して掃除してお昼ご飯作って縫い物して
夕方に買い物行って夕ご飯作ってお風呂沸かして次の日の準備して蒲団敷いて。。
家の人々としゃべる時間なんて寝る前くらいしかない日々の中で
周作さんと畑にいたり雨宿りしたりしたときとか、サンさんと洋服の片付けしてるときとか
時々ふと訪れる空き時間でやっと十円ハゲのこと気づいてもらえたり
町内の人間関係とか、径子さんの事情とか聞けたりするわけだし。
(というかリアルに考えても人間ってそんなに自分のこと話さないよね…タイミングが合えば話すかもしれないけど)
というか改めて当時の社会構造は壮絶だなと思いました…。
女性がある日唐突に家から遠く離れた場所へ嫁入りして、家事労働の一切合切をひとりでこなして
(姑は病弱で頼れないし舅と夫はやさしいけど仕事に行くだけで家の仕事をまったくやらない)、
戦争で物資が減らされてるから家事も工夫を余儀なくされて実験→失敗を繰り返して繰り返して
こんなことをしていたら身が持たないですよまじで…。
すずさんが家の住所を知らないことが家族の伝達ミスではなくすずさんのうっかりとして処理されたり、
水原さんが入湯上陸で泊まりに来たとき周作さんが納屋をあてがって
すずさんに行火を持って行かせて家の鍵しめちゃうとこは「はあぁあー!?」って思ったけど
その後すずさんも周作さんへの怒りを水原さんにぶちまけたり
汽車の中で怒ったり周作さんの靴下に細工して履けないようにしたりして
あっ彼女やられたらやり返すタイプだと思ってそこはちょっとホッとした。
駅の夫婦ゲンカも2人とも全然遠慮してなくて、少し言い合えるようになったなと思えて
そこもちょっとホッとしました。
周作さんの横顔を描いて「軍事機密じゃ」って言ったり、街や防空壕の中で落書きしたり
水原さんに鉛筆や羽ペンもらってよろこぶところは絵描きだなあと思います。
いろんな人に絵を描いてあげるのがそれぞれとてもよいシーンでした。
(水原さんに描いてあげた海の波を跳ねるうさぎの絵が好き)
対空砲火を見て「絵の具があれば」と思ってしまうところは色んな意見があると思いますが…
あの後すずさん家に帰って描いたのかな。

周作さんは言い出しっぺの割にすずさんにどう接していいかわからないまま一緒に暮らしてるというか、
すずさんのお化粧を見抜けなかったり紙くずボールを竹刀で空振りしまくったりと
真面目で仕事できる人だけどいまいち頼りないみたいな、アップアップな印象があります。
お見合いもデートもしないでいきなり同居始めてるのでまあお互い様なんだけど。
あと周作さんなんで結婚式のとき拳握って何も食べなかったんだろうとか
持ち物のノートの端っこなんで切れてるんだっけ?と思って原作ネタバレをぐぐったら
あーそうだったそうだったと思い出しました。
だから映画のリンさんはあんな印象的な割に出番少ないんだな…。
もし覚えてたまま観ていたら、すずさんが花柄の茶碗を見つめるのとか
機銃掃射で破壊される紅とか見て硬直していたと思います。
確かわたし、原作読んでたときすずさんとリンさんの関係すごく好きだった気がするんですが
映画はすずさんの暮らしに絞ったということですかね。
エピソードは削ったけど絵コンテまではできてるって片渕さんがインタビューでおっしゃってるので
そのうち完全版みたいなのとか作られたりするんだろうか。
そしたらリンさんと周作さんのあれこれとか太極旗を見たすずさんが何を思ったとかちゃんと描かれるかなあ。

戦争の描写は後半からどんどん顕著になっていく。
食べ物や生活用品がいつの間にか減って、電灯に黒い布をかけたりお米にお芋が混ざり始めたり
千人針さすとか、当たり前のように「闇で買っといで」ってセリフ出てきたり
空襲警報が鳴るようになって最初は緊張してたけど徐々に慣れて防空壕でお茶飲んでたりとか
でも慣れた頃にあっけなく訪れる別れとか…。
人間たちも、すずさんが憲兵にスケブとられて家族に笑われるあたりまではまだ余裕があったけど
晴美さんが亡くなったり(シネカリ演出めっちゃ怖かった)空襲と機銃掃射で笑顔がまったく見られなくなって
笑うのは戦後になってからだったような。
あと、映画冒頭から〇年〇月って月付がちょこちょこ出て時間の経過がわかるようになってるんですが
周作さんが「三ヶ月は戻れん」て言ったときや
「その9日後」ってテロップ出たとき待ってさっき何日って出たっけ??ってあわてて脳内計算して
呉市だってわかってても怖かったし、8月15日は唐突感がすごくありました。
三枝和子さんも『その日の夏』に書いてるけどあの正午の後だってみんなご飯食べて寝てるし
次の日以降もご飯作ったり洗濯したり学校や仕事行ってるわけでね…。
太極旗が上がるカットも戦後処理も淡々としていていっそビビった…機密文書燃やすシーンがほんとつらい…。
すみちゃんのお見舞いで両親のことやすみちゃんの体調を聞いて、すずさんはまだ何が起こるか知らないけれど
原爆症がどんなものか知っているわたしたちは何も言えなくなってしまうな…。
久々にお米を炊くのは楠公飯のシーン見た後だからおいしそう!って思ったし
電灯から黒い布外したり、すずさんと径子さんが占領軍の炊きだしを「うまー!」って食べるのとかも
それまでできなかったことができるようになっていく解放感みたいなのを強烈に感じた。
ばけもんも…無事だったんだね…!

すずさんと周作さんが広島市内で出会う女の子がお母さんの左手を握っていたから生きていた話…。
あの子が当時自分に起きた出来事をすずさんたちに語る言葉を持てる日がくるかはわからないけど
それを聞いた時のすずさんの気持ちとか考えてしまったし、
「晴美が小さかったときの服を」って真っ先に行動した径子さんが
一緒に暮らすうちにあの子に晴美さんを重ねるかもしれないし、晴美さんじゃないと思って接するだろうし
でも15日の時みたいに時々どこかでこっそり泣くかもしれないし
そんな径子さんを想像すると涙が出そうになったけど帰りの電車の中だったので我慢しました。
上映中は夢中すぎて泣くのも忘れてたのになあ…ほんとうに情報量の多い内容でした。
エンディングのその後エピと、3000人を超えるクラウドファウンディングのお名前一覧と
それに添うかたちで流れるリンさんの人生と、最後の最後に右手が手を振るのもじーんときた。
(こうのさんはすずさんが右手をなくした後は左手で背景のペン入れをしたとインタビューでおっしゃっていたね)

すずさんと周作さんが今も生きているとしたら2人とも90代なので
わたしの祖父母よりちょっと年上だなあとか考えてたら繋がってる感じしましたね…。
歳を重ねても変わらずケンカしたり笑ったりしてそうですが
今すぐじゃなくても数年後とか老後とか、のんさんと細谷さんが演じてくれたらいいなと思う。
そういえば先日、アニメ鬼平にのんさんがゲスト出演されていたけど
粂八がいない回だったので北條夫妻共演にはならなかったのね、ちょっと残念。
(そして細谷さんは今お休み中ですよね…元気に戻っていらっしゃいますように)



koui.jpg
とらやの更衣、今年は買えたぞー☆
映画でもすずさんが衣替えをしたり着物をリサイクルするシーンがあったな~とか考えつついただきました。
もう一つはなすび餅。
2017_04
15
(Sat)23:55

根拠のない楽観は禁物です。

shingodzi.jpg
去年、劇場に観に行った弟くんにあれこれ解説してもらいながら
先日やっと映画『シン・ゴジラ』を観ました。
予告編とずいぶん印象が違うなと思いましたが、
特撮と日本のいちばん長い日とエヴァンゲリオンと野村萬斎を知っている人と
現美の特撮博物館を鑑賞した人にはものすごく見ごたえのある映画だと思います。
キャストがメイン~ワンカットしか出ない人まで「どこかで見たことある」人ばかりだし
(パンフレットのクレジットで「この人どこに出てた?」って思って
もう一度見返して「あーいた!」って見つけた俳優さんも何人かいました)、
スタッフも庵野・樋口両監督を始め野口さん柘植さん神山さん摩砂雪さんほか
やっぱり「どこかで見たことある」人ばかり。
音楽に鷺巣さんを起用しながら本編のそこかしことEDTに
伊福部さんのオリジナル音源を使ってくれた庵野さんと握手して乾杯したい。
ギドラにメカゴジにラドンに怪獣大戦争!ぐぎゃあ~~(ゴロンゴロンゴロン)
ありがとうございますありがとうございます!!
伊福部さんはコントラバスの使い方が超かっこいいよね。

以下とりとめのない所感。
ネタバレどっさりですので未見の方はご注意ください。


タイトルロゴのデザインからしてドッキドキ~のわっくわく!
「東宝映画作品」→「シン・ゴジラ(初代の鳴き声つき)」→「映倫」→本編→「終」の流れ最高。
庵野氏はこの映画の日本を「円谷英二がいなくて怪獣映画が存在しない」としているらしく、
つまり1954年のゴジラをみんな知らない世界なわけですが
随所に54年ゴジラの引用やオマージュがみられて往年のファンはニヤリとするのでは。
(わたしはニヤニヤしっぱなしだった)
登場人物がみんな「想定外の生物を初めて見た人たち」だったり
ゴジラの名前が、大戸島の老人が伝説の怪物の名前としてあげている呉爾羅からとられていたり
「巨大生物をゴジラと呼称します」とか「生命の保証はできません」とか。
和光の時計を始め銀座4丁目が爆発四散したのに歌舞伎座は無事っぽいのが何だかもう。。
…なんて言ってたらわたしよりも遥かに特撮力高い人々の発見がまとめられてました。
『シン・ゴジラ』で見つけたオマージュや小ネタ
制作側も楽しんで仕込んでる感じするし、受け手に届いてるのもたまりませんね。
(そういえば東京タワーやスカイツリーを壊すシーンがなかったけど、
スカイツリーは壊すのに色々手続きが要るからかもしれないけど
東京タワーはあれかな、巨神兵の映画で満足しちゃったのかな…想像ですが)

蒲田くんの第一印象は「これがゴジラ!?」と一瞬引いてしまったけど
よく考えてみれば歴代ゴジラもはじめからあの姿だったわけじゃなくて
放射性物質を吸収したり食べたりした結果巨大化して二足歩行になったわけで、
蒲田くんはそうなる前から描かれたゴジラと考えればいいんだな。
まんまる白目で意志が感じられず「生きてる」だけというか、ひたすら前進する生き物で
泳いでてたまたま上陸したのが日本だったみたいな感じ。
進化前に一度倒れたときのバターン!ってSEが
ウルトラマンとか怪獣とかが倒れたときのあの音にそっくりだったよ!(細かすぎて伝わらない以下略)
品川で両手が生えて立ちあがったときの鳴き声が54年の声で
その後も鎌倉くんは84年→東京駅くんは95年と変化してるのがツボです。
第4形態の尻尾は歴代ゴジラのデザインの中で一番長そうですが、先端がああなってるのは
パンフレットに「すべての生物の要素が入っている解釈」とありますね…まじかよ。
そしてゴジラと言えば熱線☆ですが事前情報で非常に良い出来栄えと聞いていて
どれどれと思っていたんですけど該当シーンを見てびっくり、というか、なんか、
庵野さんえらいもん作ったなと呆然となってしまって一瞬、周りの音が聞こえなくなりました。
あれは見事だった…!!
下顎があんな風にパカっと開いちゃうのはあんまりゴジラっぽくないけど
人智を超えた生き物っぽさは伝わってきましたな。
色が青→赤になるのたぎったし新たに背びれからビーム出したりするみたいな挑戦には好感。
「生態系の頂点にいるので耳も瞼もなく手が小さいし咬み合わせもズレてる」というパンフの解説とか読むと
あ~だからエネルギー切れで止まっちゃっても他の生き物に襲われる心配がないから
安心して停止したまま空気エネルギーチャージできるんだなと思った。
そんなゴジラのスーツアクターが萬斎さんと聞いたのは公開日でしたが→こちら
実際に映像を見たら薩摩剣八郎さんみたいな、腰を落として摺り足で重心が超安定してました。
手が上向きなのは「神仏や龍が宝玉を持つイメージ」と自ら提案されたとおっしゃってたし
「狂言で狐など四足歩行の獣が神になると二足になる」というお話も聞いたときゾクッとした、
蒲田くんも這った後で二足になったから。
ゴジラのカメラワークというか見せ方も、地響き→足→手元→頭(+咆哮)とかじゃなく
いきなり蒲田くんの全身が画面にバーンと出てその異様さにぎょっとしたんですよね。
ああいう驚かせ方は庵野さんの手法だなと思う。

ロケ地はしっかりテロップが出て「あ~ゴジラ今あのへんか」とか何となくわかるのは
歴代ゴジラ映画もそうでしたけど、
登場人物の氏名・役職名はおろか建造物名、メカの名前、略称や愛称まで表示されるとは。。
(子どもの頃は怪獣以外どうでもよかったけど最近、舞台設定や人間模様とかが楽しみになってるのです)
ハセヒロ氏がやってた矢口さんは54年ゴジラでいう宝田明ポジションでしょうけど
平田昭彦や志村喬に当たる人物は出てこなかったね。
「最後までこの国を見捨てずにやろう」「10年先までこの国を残す」とか名言を連発しまくるし
ゴジラのデータを世界中に共有し解析させたの「オープンデータ!!」って感じで好き。(違)
カヨコ・パタースン氏は河内桃子さんとは正反対のタイプだし、
赤坂さんを始め政治家や官僚たちはかなり割り切ってる人物像な感じがしました。
立場や思惑の差はあれどみんな早口で頭が回るのは庵野さんのキャラクターたちだなあ、
基本的にはまじめで愚か者がいなくて
パニック映画とかでよくある「どうなってるんだ!」とか怒鳴り散らす演出がなくて気持ちいい。
わたし映画でも小説でも、プロ集団を描くときは
大声によるコミュニケーションを極力なくして欲しいなと常々思ってまして…。
どんなに大変な状況でも淡々と仕事するのがプロだよね。
あ。ちょっと首をかしげたのが、
生物学の有識者として呼ばれた3人のモデルが押井守・宮崎駿・高畑勲なんだろうけど
(演じたのは映画監督の犬童一心氏・原一男氏・緒方明氏)、
風刺にしてもパロディにしてもちょっと悪趣味かなと(笑)宮崎さんたちは観たのかなあ。

映画の前半は会議ばかりですが、発言ですごく印象に残ってるのは
「効率は悪いがそれが文書主義だ。民主主義の根幹だよ」と「議事録は残るんだ」。
こういう意識を政治家や総理大臣がちゃんと言葉にするのいいね!(職業病)
政府の会見にL字で字幕が流れるのも、手話通訳がいるのもリアルだったし
(ゴジラの名前がついたら手話も両手を曲げた表現になってた)、
初期対応のときオドオドしてた官僚たちが(無理もない)防災服着たらシャキッとしてたけど
そうそう官僚の防災服って強い色だよね…と思ったらそこもきちんと考証入ってるそうで。
パンフの解説で、とにかく現場を取材しまくって可能な限り現場に近いものを再現することに凝ったとかで
柘植さんが「数十年後にこの映画が時代劇になったときドキュメンタリーのような価値が出る」
みたいなことをおっしゃってて、確かにそうだなと思いました。
あ。あと会議室に片岡球子の「めでたき富士」が掛かっていて
霞ヶ関落ちの際に運び出されている演出にホッとした。
警察庁長官の部屋にあった額の「人皆知有用之用而莫知無用之用也」(荘子第四編)の字は
石飛博光氏が書いたのかな…そしてあれは無事だったのかな。

巨災対の会議でネルフの戦闘配置BGMが流れるの胸アツ。デーンデーンデーンデーンドンドン('◇')ゝ
鷺巣さんはティンパニーの使い方が超かっこいいんじゃ!
政府の会議と違ってこっちは打ち合わせっぽい雰囲気なのよね。
人事に影響はないから自由に発言してくださいってなって
通称"首を斜めに振らない"人たちから情報がどんどん出てくるのワクワク。
森さんがメンバーにいちいちニックネームつけながら仕切るのおもしろすぎるし
尾頭さんがピクリとも顔の筋肉動かさずに仕事するのかっこいいし
間さんがゴジラについて模造紙に書きなぐった先の「分かりそう!」が切実だし
安田さんの「あ゙ーっ!あ゙ーっ!!こんなんありかよ」かわいい。
志村さんが矢口さんの前では善良な官僚ですが裏取引を辞さないところ、
俗物感まる出しの泉さんが「まずは君が落ち着け」とか
矢口さんを送り出す時の「幹事長なら任せておけ」って言ったのがギャップ萌え。
愛すべきメンバーたちだなと思います。
緊急事態の連続ですから作業中はみんな表情がほとんどなくて
折り紙だ…のとことかカタルシスになりそうですがあくまで冷静に分析・判断していくのが生々しいよね。
(余談ですが最近"#巨災対の日常"なるハッシュタグを見つけてしまった…あれは力作ぞろいだ。沼だ)

矢口さんが立川に移動する途中でゴジラを初めて目視するシーンにぞわってした…。
映像でしか見たことなかった彼もきっと肌で実感したでしょう。
官房長官に「這ってでも行きます」って言ったら本当に歩いていくハメになったシーンとかも
なぜだろうな、彼が体を動かしているせいか妙に肌触り感がありました。
(官房長官で思い出したけど柄本さんはスペゴジ以来のゴジラ映画ですぬ~。
渡辺さんもキンゴジやモスゴジにいらしたっけ)
あとゴジラが停止したり去ったりした後も人々の意識はゴジラ一色ってわけではなく
電車は走るし人々は通勤通学するし電気も物流も止まらないし証券取引所も動くとか
そういうとこ強調するのもすごく庵野さんだなと思いました。
戦後や震災後がそうだったみたいに「各自できることをする」みたいな、世界の行動。

クライマックスが科学技術館の屋上で伊福部さんのオリジナル音源まで流れたのは感動した!
(福生の滑走路で髪をなびかせながら見守るカヨコさんのかっこいいこと)
タバ作戦にしてもヤシオリ作戦にしても庵野さんは総力戦がお好きだなあとつくづく思います。
N700系新幹線や山手線など無人車両の突撃がやりたくてクライマックスを東京駅に持ってきたのかな…
ゴジラと電車の縁は切っても切れませんからね~。
54年ゴジラに喰われた電車がゴジラに突っ込むとかどんなギャグだよ!無人在来線爆弾というパワーワード。
白眉だったのが自衛隊の攻撃が全部命中していたこと。
前に歴代ゴジラ映画で自衛隊の攻撃があまりに当たらないことに現場からお叱りがあって
平成ガメラシリーズの特にガメラ2は一発も外さない攻撃が描かれたことで有名ですな。
建物が壊れて土埃が舞ったりする方が画面的には派手に見えるとかの効果もあるだろうけど
あくまで建物を壊すのはゴジラだけで人間は(ヤシオリ時以外)壊さないというのが徹底されてましたね。
ガメラ2を撮った樋口さんが特技監督やってる影響もありそう。
(どうでもいいけど特技監督というクレジットに樋口さんの特撮愛を感じます…
そして2の「火力をレギオンの頭部に集中しガメラを援護せよ」のセリフめっちゃ好き、かっこよさが鉄板)

キャストクレジットが50音順!!
メインキャストは肩書長いから役名と俳優を並べて表示するのは難しかったんだろうな…。
名無しのキャストもたくさんいて「東京湾で何あれ?って言った女性」とか
「巨災対事務員の全員避難を確認して最後に事務室を出た自衛隊員」とか
「アクアラインから避難するとき動画撮ってた人」とか「おばあさんを負ぶって踏切渡ったおじさん」とか
そういうことになるからやっぱり難しいと思う。
音楽は伊福部メドレーですが、伊福部さんの名前と引用曲名の中に平成メカゴジを見つけて
えっいつ使われたっけ?ってびっくりしてるとラストで流れ始めたところで
うおおお!って鳥肌立つまでが本編です。庵野さん最後までありがとうありがとう。

牧悟郎…。
マキゴロウの発音は84年ゴジラでチラッと出てますが別人かしら。
「私は好きにした、君らも好きにしろ」のメッセージもあれだけど、とりあえず彼に言いたいのは
「芹沢博士以下ゴジラ映画に登場する科学者を見習え」かな…。
彼らはマッドサイエンティストで化学兵器や生物の理論を完成させはしても
最終的には実現を望まずに握りつぶす人たちなのでな。
(それらを何らかの手段で手に入れた第三者が実現させて大変なことになるという教訓になってるのも
シリーズを通して描かれ続けてきている)

そんなわけで大体においては非常に見ごたえあったのですが、どうにもモニョッとしてしまうのは
たぶんタンクローリーがゴジラにとどめを刺した前例がないからだと思う。
東京駅丸の内駅舎にへたれこむゴジラに凝固剤を流し込む大型車の群れは
従来の怪獣映画とはほど遠い絵ヅラで、
そんなわけでわたしにとってこの映画はゴジラ映画でも怪獣映画でもなく、災害対策映画になりました。
ゴジラが最後の力を振り絞るように立ち上がって屹立しながら固まったとこは
ゴジラの生き物としての意地のような気もしたし(結局見せ物みたいになっちゃうけど)、
何だかんだでやっぱり庵野さんゴジラの立つ姿が好きなんだろうな。
あと、作戦が終了した後も巨災対や官僚たちは「バンザーイ!」とかやらないで
「はあ~終わった…」みたいに脱力してて、それもリアリティあった。
あれもしハリウッドだったら壮大なBGMとともに全員が大喜びして部屋には書類や帽子が舞い飛び、
ランドーヤグチは国を救った英雄として2秒で復興した議事堂(よくある演出)とかで演説しちゃうだろうけど
庵野さんはそういう映画作りはしないのよね。
尾頭さんが「半減期が20日だから除染のめども立つ、よかった」って微笑んだけど
実際はいつまたゴジラが動き出すかわからない&国連の核攻撃も中断でスタンバイはとかれず
全然めでたしめでたしじゃないのよね…。
矢口さんも「事態の収束にはほど遠いからまだ(政治家は)辞めない」って言ってるし。


あと、これは余談になりますけども。
シンゴジを観た後でLWAの眠れる森のスーシィ回を見ると
「すぐ真似するスーシィ」が内閣総辞職ビームをパロってるのがよくわかります。
ちゃんとご丁寧に墜落するヘリまで描いてあるよ…大河内総理~。
(そういえば大河内ってメカゴジラやデストロイアを撮った大河原氏にちなんでいるのだろうか)

あと、男性におんぶされて踏切を渡っていたおばあさんは原知佐子さんだったと最近知って
弟と一緒に「えええー!」って声出ました。。
彼女の夫はウルトラシリーズでやたら変化球な演出ばっかりやってた実相寺昭雄氏ですよ!!
氏の演出したジャミラや怪獣墓場の回は涙なしには見られません…メトロン星人は笑ったけど^^
2017_02
26
(Sun)23:58

春はネコバスの窓から。

2017ghiblim1.jpg
ジブリ美術館に行ってきました。
前回の訪問から2年振りですが、やっと希望日のチケットが取れまして。
あと今月は、まだ見てなかった映画「たからさがし」が上映されていて
(ジブリ美術館の短編映画は毎月変わります)タイミングもばっちりだったので。

2017ghiblim2.jpg
去年の春~夏にかけて長期のリニューアルを行った美術館は
外観が2001年のオープン時みたいなカラフルさに戻っていました!
蔦がびっしりな状態も味があったけど、きれいになるとクレヨンみたいなかわいらしさが出て
どっちの外観も好き。
また10年かけてどう変わっていくか楽しみです。

2017ghiblim3.jpg
入口にあった鉢の中に油屋のジオラマ。
これ前は出口に置かれていたけど移動してきたのだね。

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

春はネコバスの窓から。 の続きを読む »

2016_07
31
(Sun)23:29

もしも会えたならすてきなしあわせがあなたに来るわ。

roghibli1.jpg
六本木ヒルズ展望台スカイギャラリーで開催中の
「ジブリの大博覧会~ナウシカから最新作「レッドタートル」まで」に行ってきました。
スタジオジブリ設立30年を記念した展覧会です。
愛知県を封切に全国を巡回中で、わたしも去年の愛知展には行ったのですが
今回の東京展にはコラボカフェと大人も乗れるネコバスがあると聞いてときめいてしまいまして…(笑)。
あと、愛知では思い出のマーニー展が同時開催でしたが
今回は空飛ぶ機械達展というのがあると聞いて、それも見てみたくなったので。
詳しくは展示のダイジェストムービーがありますのでどうぞ→こちら(音が鳴ります)

roghibli2.jpg
まずはギャラリー併設の期間限定のコラボカフェに入りまして
窓側の席に案内していただけて、そこから見えた風景がこちら!
ジブリの映画は青空が合うと思っているので、いい天気の日に来られてよかった。

roghibli3.jpg
目玉焼きトースト&肉団子のスープ☆
ラピュタでパズーとシータが洞窟で食べたトーストと、
映画冒頭でパズーが「おじさん、肉団子2つ入れて」って買ったスープがモデルですよ!
トーストはハムとチーズが挟まったクロックマダムで分厚くてすごいボリュームだった。。
スープはわたしの好きなトマト風味でした^^

roghibli4.jpg
大博覧会記念パフェ!フルーツいっぱいだしゼリーのグラデーションがめっちゃきれい。
花が乗ってるのも素敵(*´∀`*)。

roghibli5.jpg
海・陸・空・天空をイメージしたそうですが、最初にこのパフェを見たときのわたしの第一印象は
ナウシカの世界観でした。
ホワイトチョコのメーヴェが飛ぶのは風の谷(ピスタチオのアイス)の雲(クリーム)の上で
その下にあるのが腐海(チョコケーキとベリーとチョコクリーム)で
さらに下には虫たちが守っている清浄の世界(青いゼリーとフルーツ)があるのかなとか
色々想像できて楽しい。
やっぱり大ボリュームでお腹がやばいことになってしばらくケーキもクリームも食べたくなくなってますが
もう1回くらいは実物をナマで見てみたいくらいには素敵パフェだなと思いました。


展示は撮影可能ゾーンもありましたし、
愛知会場で見ていいなあと思ったのや見落としていたもの、忘れてたけどそうだこんなのあった!とか
色々あったので復習もできたし、結果的に行ってよかったです。
愛知展の記事に書いたことは省略するとして、他に気づいた点や所感を記録しておきます。

最新作「レッドタートル ある島の物語」は、ジブリとフランスのスタジオが共同制作した映画で
無人島に流れ着いたひとりの男の物語だそうです。
原画やイメージスケッチ、設定画、カラー画面のパネル、
映画のために谷川俊太郎さんが寄せた詩の展示などがありました。
レッドタートルは予告編しか見てないけど、じんわり静かな雰囲気のような感じがする…。
また谷川さんの詩から抜粋された「どこから来たのか どこへ行くのか いのちは?」というコピーを意識してか、
ゴーギャンの「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」の絵の複製があったり
白隠の百寿図・達磨図・一円相図、仙厓の百老画賛・○△□・烏鷺争局画賛や
エドワード・マイブリッジの馬の連続写真などもあって(すべて複製)、
アニメーションと哲学のコーナーのようで色んなこと考えながら鑑賞しました。
(あとで聞いたら監督のヴィット氏は南画や禅画に強く共鳴したことがあるらしい)
徳力富三郎の十牛図も色んな牛と童子の絵10点のシリーズでかわいかった。

愛知展にもあったトトロのカウンター展示は大きなドングリの置き物にびっくりし、
壁に千尋のセル画が掛かってるし、バロンと恋人の人形や籠入りジジのぬいぐるみがあるし
魔女宅映画でキキが使ってたジジカップが再現されてるし、
赤服のナウシカと王蟲の子やキキのラジオのフィギュア、飛行石のペンダントまでジブリアイテムどっさり。
鈴木さんと宮崎さんが飛行機乗ってる写真とか、夢と狂気の王国のポスターになってた写真とか
アーカイブになりそうな写真も飾られていました。
隣にマックロクロスケがいっぱいまとわりついてる階段が再現されててテンションやばかった。

映画ポスターやコピーの打ち合わせ原稿などがびっしり貼られたコーナーも壮観で
ハウルのポスター案にあったソフィーとカルシファーの1枚、ソフィーさんが凛々しく立ってるデザインで
ちょっとこのパターンのポスターも見てみたかったなと思った。
ジブリのスタジオ内に貼られていたという制作スケジュールや宮崎さんからの指示紙や
スタッフへの夜食やイベントのお知らせなどの紙も相変わらずおもしろくて
ラピュタをスタッフさんに宣伝するために作ったらしいチラシには
二木さんや金田さんや山本二三さんまで似顔絵が描いてあってホロリときました。
鈴木さんが手描きした書を額に入れたのがいくつかあって
風立ちぬや紅の豚、ハウル、耳すまなど映画のセリフを書いたのや(「バルス!」の筆の運びかっこよかった)、
方丈記や旧約聖書からの引用、おおとり様や達磨など絵も。
何気に鈴木さん、味のある絵描くんですよな…。
再現された鈴木さんのデスク、中日のカレンダーは相変わらずでしたが
床に無造作に置かれた下駄の鼻緒に花札の月と菊酒が刺繍してあって
月見酒になってるのオシャレだなあと思ったし、
机にあった芒の花札には鈴木さんの似顔絵が「ばあ」って感じに描いてあって笑ってしまったし
壁に「ここで働かせてください」の書が掛かってたりした。
コニャラの映像もグッズもかわいかったよ~。

もののけ姫のスケジュール管理や打ち合わせメモなどの展示のところで
「タタリ神を乗り切ればペースアップが見込める」的な発言もあったらしく、
ああ…ってちょっと遠い目になりました。
あれを毎日描いていた原画マン動画マンの皆さん本当にお疲れさまでした。時間かかったろうな…。
絵コンテを読んだ久石さんが送ってきたらしいFAXに「『そなたは美しい』なんかなあー宮崎さんロマンティストー!!
すみません、テーマ曲早く書きます。憑かれたように宮崎wouldに浸っています」とか自由なコメントついてて
ちょっとかわいかった^^
宮崎さん語録みたいなのをスタッフが書き留めた紙には
「サンがどういう行動をとるかその場になってみないとわからない」などの言葉の数々が。
「アシタカに説教させたくない。まじめな事言えば言うほどダメになる時代」的な言葉のところに
「(かなしいですね)」とコメントついてて、これはスタッフさんの言葉かもな…。
あと「(耳すまで)地球屋のおやじに戦争の話をさせたかったけどそれだと映画が破綻する、
(中略)受動的にしたけど今はそれでよかったと思ってる」的なことをおっしゃってたそうで
これはどこかで聞いたエピソードのような気もした。
あとカントリーロードの訳詞の紙が、たぶん鈴木麻実子さんの直筆だと思うんですけどあって
映画で雫の友達が言ってるセリフそのまんまの歌詞が書いてあってうおおこれは!ってなりました。

宣伝グッズのお部屋の中央に湯婆婆の部屋になったロココ調の壺がでーんとあったり
天井からポルコやジーナの飛行機、ポニョの妹たちなどが吊られていたりして
そうそう、愛知展もこんな感じだったって思い出して楽しくなったし、
アリエッティのドールハウスもまた見られてうれしかった。
千と千尋の金熊賞とオスカー像にも久々の再会☆

さてさて、ここから撮影可能ゾーンの写真を乗っけていきますよ。
roghibli7.jpg
これは…?(^皿^)

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

もしも会えたならすてきなしあわせがあなたに来るわ。 の続きを読む »

2015_12
08
(Tue)23:54

エンピツ戦士。

舘野仁美さんの『エンピツ戦記 誰も知らなかったスタジオジブリ』を読みました。
ジブリの動画チェックとして働いていらっしゃった舘野さんの27年間の回顧録です。
発売と同時に本屋さんへ走ってゲットして開いたら
熱風の連載に加筆されて読みごたえ度もアップしててすごかった。。
自らを「長年削りに削られてすっかりチビたエンピツ」と表現する舘野さんですが
だてに削られ続けてきたわけではないのが読んでいるとわかります。
楽しいけど楽しいだけじゃない職場としてのジブリというか
淡々とした語りの中のすさまじい理不尽と葛藤がひしひしと伝わってきて没頭しちゃって
気づいたら夜中の1時過ぎてました。
タイトルは『ゲド戦記』からかな?と連載を読んでた頃は思ってましたけど、どうもそうみたい。

舘野さんを初めて見たのは千と千尋の公開直前スペシャルだったような気がする。
公開半年前に原画をハイスピードで仕上げていたら動画が追いつかなくなって
どうするか宮崎さんに相談していた様子が放送されて
「韓国に出す?」「もう国内は無理だと思うので…」みたいな会話を交わしていたような覚えが。
眼鏡をかけて長髪の、きれいな人というのが第一印象で(眼光は鋭かった)、
その後もののけ姫のメイキングとか、ロマンアルバムのインタビュー等でもお話を拝読していて
他のスタッフさんは苦労した点や裏話を語ってらっしゃるんですけど、
舘野さんは裏話のほかに「若い人には基礎から教えてしっかり学んでもらってます」と語っておられて
何というか、底力というか胆力みたいなものを感じていました。
昨年、ジブリを退職されたと聞いたときはびっくりしましたが
27年もの間大変な現場で仕事をしてこられて、風立ちぬやマーニーの後のジブリはああでこうで
色々あっての再出発だったんだなと。
ササユリカフェにいつ行こういつ行こうと思いながら行けてなくてマジいつ行こう…
本持ってってサインお願いするんだ!
オープン祝いに宮崎さんがプレゼントしたというオリーブの木も早く見たい。

動画チェックについては、失礼ながら原画と動画の間のお仕事というイメージしかなかったのですが
(映画のエンディングでいつも原画と動画の間に舘野さんのクレジットをお見かけしているせいかも)
描きあがった動画すべてに目を通しチェックするという品質管理のようなお仕事だそう。
設定画と間違いがないか、アニメーションに不自然がないか、前後の動画と辻褄が合っているかなど
様々な視点から確認して
さらに動画マンごとに異なる線に統一感を持たせるというもので
これは大変なお仕事だと認識が変わりました。。
「まぶた線を入れたい監督と消したい作画担当との間で困惑する」
「動画マンが長時間かけて直したカットに手を入れるのは気が引けて、そのまま提出したら叱られた」
「よくないところを指摘すると逆ギレする新人がいる」
「仕上からは直してと言われ、監督からは直すなと言われる」
「作画からの要求だった演出助手の交代を、撤回してもらうようお願いしに行く」
「打ち合わせと作画段階で監督の要求がいつの間にか変わっていることに気づいて手を回す」
などなど、多かれ少なかれどの職場でもありそうなことからいやそれ範疇超えてるよね?なことまで
単に動画をチェックするだけに留まらないご活躍がすごい。
(ちなみにびっくりするエピソードにはだいたい宮崎さんか鈴木さんが関わっている)

もちろん、大変なことばかりではなくて
「宮崎さんにサインをお願いすると「しょうがないなあ」と書いてくれる」
「大仕事を終えて気が抜けて泣きだしてしまったら、宮崎さんがハンカチをくれた」
「ベテランアニメーターさんの仕事を目の当たりにできる」
「ポニョのスタッフクレジットに猫たちの名前を入れてもらうことや、
ハウルのかかし=王子様というアイディアや、
風立ちぬの菜穂子さんの衣装デザインを提案したら採用してもらえた」
などなど、素敵なエピソードもたくさん紹介されています。
理不尽もあるけど、髪をかきむしりながら絵コンテを描いている宮崎さんを舘野さんは見ているので
自分で察して動くことを心がけていらしたという心意気とか
「現場では動画を「直す」とは言わない。みんな一生懸命に描いてるから」とかの言葉が
かっこよくて惚れそう。
アニメーターに必要な技術や教養についてのくだりは、
物を書いたり描いたりしてる人間としては突き刺さるやら落石をくらうやらで読むのが大変でした。
宮崎さんの「資料を見て描くな」は折に触れて思い出す言葉です…。

ジブリの線についてのお話が興味深かったです。
昨今のアニメとジブリを見比べると、わかる方はわかると思うのですが
ジブリの線は柔らかめのタッチなので(宮崎さんの好みですね)、
他のスタジオの動画の仕事を請け負って納品すると「動画の線が甘い」と言われるそうです。
そういえばずいぶん前にドラえもんを見ていたとき、
エンディングの動画協力のところに「スタジオジブリ」とクレジットが表示されて驚いた覚えがあります。
てっきりジブリはジブリの作品だけ作ってると思ってたものですから…。
ジブリのタッチでドラえもんを描いたらあのシャープなラインが妙に生き物ちっくになってしまいそうですが
当時は特に違和感なく見ていたので、ジブリはシンエイ動画さんの要求に応えきったのだと思う。

本には舘野さんの後輩に当たる大橋実さんが挿絵を寄せていらっしゃって
かわいらしかったり優しそうだったり、目の下にクマがあったりしょんぼりしていたりする舘野さんが
本のあちこちにいておもしろい。
後ろ姿に般若の面を持ってる挿絵はうわーってなった^^;
あとすっごい面白かったのが、色んな人が指摘しててカバー折り返し部分にも書かれてますけど
猿沢池に舞い降りた鳥に宮崎さんが言った
「おまえ、飛び方間違ってるよ」のセリフ。
舘野さんは「えええーっ」と叫んだそうです。心で。
飛翔のプロである鳥に対して自分の理想的な飛び方を要求する宮崎さんについていくのは
本当に大変だったろうなあ、お疲れさまでした。

それにしても、『出発点』『折り返し点』で監督視点、『仕事道楽』でプロデューサー視点、
『作画汗まみれ』で作画視点、『感動をつくれますか?』で音楽担当視点、
『アニメーションの色職人』で色彩設計視点のアニメ制作現場の一部を垣間見てきたけど
新たに動画チェック視点の本を読める日が来るとは。
次は動画、美術、撮影、効果音、広報、CGエンジニア視点なども読んでみたいな、あるかな。
制作と声優視点は『SHIROBAKO』と『それが声優!』がそれぞれすばらしいよね。


nenga2016.jpg
年賀状マラソンようやくスタート。
今回は取りかかるの遅くなってしまったので急がねば~。
毎年テーマを決めて「この人どんな性格かなー」とか頭を使うようにして何人描くってしないと
気持ちがぼんやりして絵もぼんやりしてしまうので気をつけています。
相変わらず和服なんですけどね…(^^)。
非凡なのも描いてみたいけど、意外とふと描いたのがいい絵になったり個性的だったりするので
あざとくなりすぎないように、ちょっとずつ新しいことやってみようの精神でいくぜ。
2015_11
26
(Thu)23:51

風のとおり道。

totoro1.jpg
トトロのふるさと基金のイベント「25年の歩みとこれから」に行ってきました。
基金の活動に前から興味があったのと、
宮崎駿氏をはじめ関係者のお話を一度は聞いてみたかったので。
わたしはナショナルトラストに詳しくないので報告や対談を聴いても
へーって感心するばかりだったのが少し恥ずかしくもありましたが、それでも参加して良かったです。
写真は、会場入口の看板とのぼり。トトロから木が生えてます。うおー神様っぽい。

totoro2.jpg
会場にあった活動紹介パネルの展示。
トトロの森は1991年に第1号地を取得したそうで
その後土地を無償寄付されたり買い取ったりして保全してきた活動や
拠点のクロスケの家、現在進行中の運動の様子などがわかりやすく解説されていました。
ちなみにイベント数日前に32号地が取得されたそうです。めでたい!

totoro3.jpg
まっくろくろすけの募金箱に募金をすると、クロスケを1匹連れて帰れるというので
喜んで協力(笑)。
「写真撮っていいですか」と聞いたら「どうぞどうぞ、あ、盛りましょうね」って
スタッフさんが屋根にクロスケをいっぱい盛ってくださいました。
この量は草壁家より脅威ですぞ^^

totoro4.jpg
映画トトロの場面展示も。

イベントは映画トトロの上映、芸総高校の生徒さんたちによるトトロ音楽会、
基金の歩み報告、対談など盛りだくさん。
わたしはトトロが上映されていた当時は小さかったので映画館では見てなくて
今回初めてスクリーンでトトロを見たのですが、
何度も見てるし会場暗くて寝ちゃわないかなと思ったけど
始まったら寝るどころか見入ってしまってなんかボロボロ泣いてた。。
お父さんがメイちゃんの言うこと否定しないとことか
夜にトトロとサツキたちが木の実を巨木にざあって成長させるのとか
ネコバスがメイのもとへ疾走するのとか、今まで泣いたことないシーンで涙が出てきて
自分でもびっくりしました。
(わたしだけかと思ってたら上映後に後ろの席から「やばい」「号泣」とか聞こえてちょっとホッとした)
あと冒頭の引越しシーンでサツキとメイが家の前に走ってきたとき、
洋間のガラスに2人が映りこんでるの初めて気づきました。
ほんの一瞬、あっという間のカットなんだけど。

基金で理事をつとめる萩野氏の報告がアツイ…!
徳間書店から『あっ、トトロの森だ!』という、工藤直子さんが書かれた本が出ていてずいぶん前に読んで
基金ができてから数年間の歴史(これが悲喜交々で泣ける)は何となく記憶していたのですが
あらためて関係者の口から肉声で聞くと重みが違ってドキドキします。
第1号地取得までの道のりはもはやプロジェクトXであった…あのOPが聞こえてきそうでしたよ。
市民活動というのはよく聞きますけど、パワポで紹介される事例を見ていくと
調査や委員会や行政とのやり取りなど、事務的作業のあまりの多さに途方に暮れそうになる。
まあトトロの場合は地権と寄付金の作業が大部分ではあるけど…。
買い取った森は研究や農作業や地域の活動に活かされているそうです。

安藤聡彦氏と宮崎駿氏の対談も色々考えさせられました。
基金にトトロの名前を貸すことになった経緯について、
宮崎さんは「荻野さんが来たのは覚えてます」と切り出されて
トトロはお客さんが入らなかったけどテレビ放映やビデオで人気が出てキャラクター化の話もいっぱいきて
でも鈴木さんとそれに頼っちゃダメだよね、と懸念していたところへ
基金の話がきて「じゃあ、あげちゃおう」となったそうです。
「仕事ばかりしていたから何かいい活動をしたかった」という思いもあったとか。
(ちなみにトトロを作っているとき狭山丘陵のことは特に考えてなかったようです。
宮崎さんは所沢と東村山の境にお住まいで
引っ越してきたとき散歩していた場所がそのまま映画のロケハンになったそうだ)

活動については「こういう活動の怖いところはみんなが正しいことをしてると思っちゃうところ」
「すぐ有名人の名前を借りたがるけど(ニコルさんとか)安直なこと。ダメ絶対。地道にやること」
「みんなが『近所の森』だと思って大事にすれば100号地になっても大丈夫だと思う」
「ゴミ拾いを美談にしないでください」「自然を保護するとは私利私欲と闘うことです」
「イギリスのナショナルトラストはWW1の権利者戦死による管理者不足がきっかけで起きた。
日本の国土も大切なものという意識を持たなければ」
「寄付は個人の財政事情に応じて出せばいい。持っている人が出せばいいです。
貧者の一灯みたいな話もあるけど1万円は1万円だし1億は1億。ロマンチックにはしない」
「(現地を)見に行ったんです。とても美しい森でした。破壊することはないと思います」
など、など、終始現実的な話ぶりでした。
宮崎さんは基金の活動に参加されていた奥様を車で送迎しているうちに参加するようになったとか。
お住まいの近くにトトロの森17号地があるそうで
よくゴミ拾いや手入れをなさるそうですが、
「作業をすると愛着が湧くし、精神が癒されます。
木や土地と結びつくのはとてもいいことで、人は自然からもらうものが多いと思う」とも語られて
なんだかトトロのお父さんを思い出したりしました。
あと「活動を本にして残した方がいい」と『あっトトロの森だ!』の本を企画したのは鈴木さんと聞いて
あ~あのかたは根っからプロデューサーだなあと思った。

安藤さんが報告してくださったピクサーの顛末がすごくアツくて。。
堤大介さんを通して基金へ協力の申し入れがあったので素直に「寄付を」とお願いすると
世界中のアーティストに呼びかけて「わたしのトトロ」を200人に描いてもらって
サンフランシスコで展覧会をやってさらにチャリティオークションまで開催、
寄付金2000万円が集まり土地が買えたのだそうです。しゅごいよー!
そうだなあラセターさんたちはそれくらいのことはやると思う(^ω^)。
「欧米は寄付の文化があり土地を守ればいつか自分に返ってくる、という思想があるからではないか。
地権者、海外の人々、寄付してくれた人、ボランティア、みんなのおかげ」と安藤さんは力強く語られて
司会者の人(基金の理事)も「みんなの活動ですね」とおっしゃってました。

基金は現在、墓地開発計画への対応中とかでお墓の話も出たのですが
宮崎さんは「自分たち夫婦は話し合って散骨にしようと言ってます。
孫は1人しかいないので全部背負わせるのはいやだし、柳瀬川に散骨しようかと」
などと、何というかとても"らしい"なあと思うお話もありました。
あと、予定時間より早く終わりそうになって質疑応答もなくて司会者がどうしましょうって言ってたら
宮崎さんが突然、「市長どうですか?」って最前列に座っていた所沢市長に無茶ぶりして(笑)、
最後の最後に急遽、市長が対談に飛び入り参加することに。。
「行政と民間のパートナシップを」と宣言して宮崎さんに肩叩かれてました。まあ、まあ。

舞台に登壇なさったとき正直、あれ宮崎さん小っちゃくなった?って思ったんですが
声は今までテレビなどで聞いてきたあの声だし、言葉もぜんぜん変わってなくて
哲学の一貫した人だなあと改めて。
10年ほど前に横浜で偶然、宮崎さんをお見かけしたときはなんて大きな人だろうと感じたのですが。
宮崎さんがお年を召されたからなのか、わたしが年を重ねたからなのか。
でも舞台袖で高校生と並んでいるのがチラッと見えたときは普通の大人サイズに見えた。むむ。

そうそう、高校生の吹奏楽と合唱は元気があってとてもよかったです。
さんぽととなりのトトロのときは会場に手拍子が起きていました。
「今日は歌ってもらえて、トトロは本当に幸せな映画だと思う」と、宮崎さんもおっしゃってたね。→こちら

totoro5.jpg
25周年記念の缶バッジがかわいくて5個ゲット。
わたしはトトロのイメージカラーは緑だと勝手に思ってるのですが
大きな缶バッジが緑色なのが個人的に高ポイント。
今回は学ランを着たボランティアの生徒さんたちが会場のあちこちに立ってて
胸や詰襟に小さな缶バッジがついてました。
舞台で楽器や歌声を披露した生徒さんたちも、胸にトトロのバッジをつけていたっけな。
2015_06
02
(Tue)23:56

散れば咲き散れば咲きして百日紅。

sarusuberi.jpg
地元の映画館で配給してないうえに都内もそろそろ終了しそうな雰囲気だったので
大急ぎで先週末に映画『百日紅』を見てきました。
今まで一度も映像化されてないのに杉浦日向子さん没後10年の今年にまさか映画になるとは…!
お栄ちゃんや北斎爺ほか個性豊かな人々が自由に動いてましたよ~大画面で観てよかった。

こちらで冒頭6分だけ本編が見られますので興味のある方どうぞ。

sarulunch.jpg
この日のランチです。京都のおばんざい。
ほうじ茶ご飯って初めていただきましたけどおいしい(^∀^)。


あと、観た日が5月29日でゴフク(呉服)の日だったので
本当は着物で映画館に行きたかったのですが、当日は雨が降っていたので洋服で行きました。
でもせっかくだし、と帰宅してから着たのがこちら↓
sarukimono1.jpg
袷なので今の時期着ると暑いですけど、
白地に模様入りなのが映画のお栄っぽかったからこれにしました。
帯も映画にあわせて紫色☆

sarukimono2.jpg
写真だとわかりにくいですが、
実はおはしょりを作らず紐で裾をたくし上げて帯を適当に結んでます(笑)。
お蔭で襟と裾がぐちゃぐちゃ、江戸の人たちはこんな着付で生活していたのかな…。
外は歩けそうにないなあ、慣れてないし着崩れまくりそう(;´∀`)。


そんなわけで以下、まとまりのない所感書き。ネタバレを含みますので未見の方はご注意ください。
大丈夫な方はクリックでオープン☆↓

散れば咲き散れば咲きして百日紅。 の続きを読む »

2015_02
14
(Sat)23:51

天までとどけ、口にするだけでいいことあるよ。

doramovie1.jpg
神保町シアターにて開催中のドラえもん映画祭2015に行ってきました!
1980年公開「のび太の恐竜」に始まるドラえもん長編映画35周年を記念して
3月まで恐竜~新・大魔鏡までの35作品が、併映も合わせて順番に上映されています。
(…と言いながらブリキの迷宮と同時上映だったソラえもん号と
96年からのドラえもんズが全作カットされているのは滝涙を禁じ得ない、大人の事情かな)
全作品、当時の35ミリフィルムを使ってくださるというファンにはたまらないサービスっぷり。
さすがに上映すると劣化が激しい部分もあるものの、
昔見たままの雰囲気がバシバシ伝わってきて胸にぐっときました。

doramovie2.jpg
わたしが見てきたのはこちら、1990年制作の『ドラえもん のび太とアニマル惑星(プラネット)』。
当時同時上映の『チンプイ エリさま活動大写真』もついてました☆
上映時まだ小さかったのでビデオでしか見られなかった2作品を
大スクリーンで見られるんだーわーい!と張り切って前売券取りました。

doramovie3.jpg
この日のチケット完売!!祝日だったせいもあるかも。
アニマル惑星の他のラインナップが「日本誕生」「パラレル西遊記」「鉄人兵団」というのを見ると
80~90年代に子どもだった人たちが集まったのかなと思っていましたが、
シアターに入ってみるとふつうに老若男女いらっしゃいました。
あ、わたしの隣に座っていた子連れのお父さんはたぶん同世代だと思う。


まずは『チンプイ エリさま活動大写真』の上映。
上映前に会場アナウンスで「エンディングの最後が切れています」とあらかじめお知らせがありましたが
本編もフィルムが何か所か切れてたよ、
後半でエリちゃんがリリンちゃんの代役することになったとき
「殿下のためにそこまでしていただけるとは」って感激してたワンダユウさんに
チンプイが「違うと思うけどなあ」って突っ込むシーンとかね。
子どもの頃にビデオで50回以上観ているわたしに死角はないのだ( ̄▽ ̄)☆
ラストカットはね~チンプイが「おしまい」って看板持って手を振ってくれるんだよ!かわいいよ!
(まじで1コマ1セリフに至るまでしっかり覚えている自分がこわい、どんだけ見てたんだろ)
ビデオテープはすり切れてしまったので今は手元にありませんが、DVD出てるし買おうかな…。

チンプイが相変わらずかわいすぎて脳が揺れまくりましたよ、やっぱり大好きだー!
大きな耳と小さな目と、あの2頭身で画面をくるくる飛び回るたびに声出しそうになるのを
がんばって堪えたので誰か誉めて。
堀絢子さんの代表作はハットリくんとチンプイだと思います…両方好き。
エリちゃんとリリンちゃんの友情がすごくステキで、
2人が仲良くしてるのを観るのが子どもの頃から大好きであの頃の気持ちを思い出せました。もえ。
エリちゃんがおうちの垣根を飛び越えて帰ってくる描写が大好きですごく真似したかったんだよな…
この頃の林原めぐみさんは元気なキャラ(らんまとか)を演じることが多かったので
久し振りに溌剌とした声が聴けて懐かしかった。
リリンちゃんはTVアニメには出てきてませんが、描かれていないところで交流が続いてたらいいな。
声が岡本麻弥さんだったのですね~サクラ大戦の織姫の片鱗がこんなところに(違)。
内木くんのすごさ。子どもの頃のわたしは彼が何を言ってるのか半分もわかりませんでしたが
日本との時差を考慮して移動先がアフリカだと一発で当てたり
「インド洋あたりならモンスーン発生してる」とか「脚本を見ないで批判しても仕方ない」とか
ここぞという時に知恵を応用したり突っ込める彼は本当に頭がいいよね。
佐々木望さんの声は内木くんで初めて聞いたと思います、お名前を意識したのは幽助だけど。
あとビルーカス監督を演じてらしたのが先月亡くなられた大塚周夫さんで
他にも富山敬さんのコビウリや青野武さんのデブラムーなど
在りし日のベテランさんたちのお声をひさびさに聴いて泣きそうになりました。
過去の作品を見るとお元気だった頃の声優さんのお仕事に触れられるので、
そういう意味でも定期的に見るといいんだろうな。(゚ーÅ)ホロリ

あと、ストーリーがすごくよくできているうえに
こんなにも「作品づくりあるある」に満ちた映画だったというのにも気づきました。
主人公のモデル(今回はエリちゃん)さんと監督のケンカ、予算オーバーに慌てるプロデューサー、
監督の要求を叶えるため西に東に飛び回る現場スタッフなどなど。
何だかんだで振り回されていたのはワンダユウさんですね、いつものことですね(笑)。
エンディング映像で劇中のエリさま映画に携わったマール星人さんたちが順番に出てくるのですが
キャスト、助監督、カメラ、衣装、美術、制作、特殊効果班などなど
特に役職名がテロップされてるわけでもないけど持ち物とか劇中の役割とかでそれが感じ取れて
これもわたしが経験を積んだからわかるようになったのかなと。
リアルタイムで観てわからなかったことは自分が追いついてないだけで、
時間をおいて観ると少しは追いつけている自分に気づけるのだな…。
(そう思うと、作品に併走できるというのは本当に幸運なことなのかもしれない。まだ経験ないけど)


続いて『ドラえもん のび太とアニマル惑星』。
ビデオで何回か見ていて、チッポの「光の階段と星の船を発見するんだ」のセリフを強烈に覚えてて
他はほとんど忘れてしまってたんですけど、今回観てああ、こんな話だったのかと。
学校の裏山がゴルフ場にされかねないと町内会の人たちが反対署名を集める活動と、
ニムゲによるアニマル星への侵攻が対比する形で進んでいくストーリーが印象的でした。
脚本の骨格がしっかりしててキャラクターも世界観も重厚で伏線の張り方と回収もすばらしくて
色んな意味で本当に楽しめて勉強になる作品だと思う。

アニマル星の人たちが神話や宗教、年中行事を持ち社会秩序を維持している背景には
はるか昔にひとりの科学者が影響を与えていて、
他の小さな原因も重なってのび太くんとチッポが出会ったというところに繋がっていくのが
藤子先生のSFが大炸裂しててワクワク。
藤子作品のすごいところは、世界や道具や材料そのものには突拍子がなくても
歴史や仕組みにちゃんと根拠があって説得力があるところだな…。
月のツキがご都合春菊という植物から作られているとドラちゃんが説明する場面では
シアターのあちこちから笑いが起きていました(´ω`)。
盛大にツキまくりながらロミちゃんを助け出してくるのび太くんのくだりは
時間制限もあったので劇中のドラちゃんたちと一緒に「早く早く!」ってハラハラしっぱなしだった。
そんな中で、犬のお巡りさん(チッポのお父さん)が迷子の子猫ちゃんをお家に送り届けたり
白ヤギさんが黒ヤギさんからの手紙を食べてしまって「さっきの手紙のご用事なに」と返事を書いてたり
クスッと笑える遊び心も随所にありました。

ドラちゃんが狸と間違われて全力で否定するのは長編のテンプレートですけども
今回は動物の星が舞台なので当然、本物の狸さんもいて「たぬきのどこが腹立つ?」って聞かれて
「そ、そういう意味では…」と慌てふためいててかわいかったです(笑)。
ジャイアンが、長編映画の彼にしては珍しく弱気になってたところもあったのですが
そうだね、走って疲れて帰れないかもしれない不安にかられているときに
ピンクのもやのあれはトラウマよね…。
でもチッポがピンチと知るや風呂敷抱えて宇宙救命ボートに乗りこんだのかっこよかった☆
「友達が助けを求めてるのに、知らん顔していられるかよ!」
ぎゃージャイアンーー!!(バンバンバン!←床叩)
ゴリラのおじさんにしょっちゅう息子さんと間違われてたけど、
最後の最後にはそれが伏線になってて「うわあ、これで帰れるのか!」と感心しました。
どんな経験も無駄にならないのが藤子作品のいいところだなあ。

あと、この頃からドラえもん映画のオープニング映像にはCGが導入されていますけども
映像を見ていて、セル画アニメ全盛期の中で違和感なく3DCGを併用する技術は
まだまだ手探り状態だったんだなと感じられて、
そういう分野にかけてはあれから飛躍的な技術革新が生じているのだなあと
アニメ界の進化を思ってしみじみしました。
とはいえ、積み木のような造形の山や雲や車が愛くるしく動いている映像は
当時のハイテク死ぬほど積み込んでやるぞ!みたいなスタッフさんの心意気を感じる。

わたし人生で最初に見たドラえもん映画は日本誕生で、
後はねじ巻き都市冒険記までと太陽王伝説をそれぞれ何度も見ていまして。
なんというか、リアルタイム補正かかってるかもしれないけど
この年代の作品は藤子先生の思いが全面的に押し出されているように感じられるのですよね…。
アニマル惑星も1990年の映画なので折からの環境問題や世界情勢などへの強烈なメッセージが
ふんだんに盛り込まれているのも特徴かなと。
ニムゲの住む月が国も人心も荒廃してしまっているのに対して
アニマル星のクリーンエネルギーや汚染されない下水がユートピアの象徴のようで。
チッポが「のび太さんたちの星はどうです?」と問うて「この星と同じくらい美しいさ、今はね」って
のび太くんがすごく優しい声で答えるんですけど、
その後の「これからもずっと僕たちで美しい星にしていくさ」って言うのは力強さがあったな…。
小原乃梨子さんののび太くんはああいうところで迷わなくてすごく好き。
ラストで連邦警察につながれたニムゲ総長がマスクを取ってもらって思いっ切り深呼吸して
「すばらしい空気だ」って呟くのとかも、
てかマスク取った瞬間ガタッときてこのセリフ、もう彼の人生がぶわーっと想像できて本が1冊書けると思った。
若くて美形で(大事)ナウシカみたいにきっと生まれた時からマスクがないと暮らしていけない環境で
でもそれは彼のせいではなくて、ずっとずっと隣のアニマル星がうらやましかったはずで
でも話し合いで移住するのではなく侵略する方法しか知らないっていうね。
エンディングテロップで声がミッターマイヤーだったのも初めて知ったよ!

エンディングテーマを聞いていて、「花を見つめて微笑んだのは人間だから」の歌詞がふと
劇中でのび太くんとチッポを繋いだ一輪の花を思い出したけどたぶん考えすぎよな…。
ドラえもん映画の主題歌集のCD持ってますが、90年代の曲はリピートしまくって聴いてる。

あ。アニマル惑星の感想をぐぐっていたらこんなの見つけてしまいました。。→こちら
「最後の一言に壮大なスペクタクルを妄想した」わたしはこれでした。
いやードラえもん映画にこんな敵キャラがいたとは…ぜんぶ持ってかれましたわ。
原作マンガだと顔出ししないらしいんですけど映画は素顔出したうえイケメンとはこれ如何に、
ガリオン公爵や出木松博士もイケメンでしたが総長はちょっとダークホースすぎた。。
前作(日本誕生)のギガゾンビも仮面キャラでしたが差が激しすぎるよ!
藤子先生とスタッフさんに一体何があったのか、思わぬところでドキッとさせるこのテクとは…。
(あとマスクマンで素顔が気になってるのは雲の王国のグリオさんです。どんな顔してるのかな)

そういえばアニマル惑星のスタッフクレジット、原画に湯浅政明さんのお名前がありました。
どのカットかわかりませんが、踊るポンポコリンの要素が感じられたらそこだと思う(わからんて)。
他にも仕上に京アニの八田陽子さん、スタジオタージの土屋透治さんがいたりして
アニメ史の一部を垣間見たような気分に。
エリさま活動大写真の作画監督には高倉佳彦さん、制作進行に水島努さんがいたなあ。
そして、両方の録音監督が浦上靖夫さんでした。
本当に本当にすばらしいお仕事をありがとうございました。御冥福をお祈り申し上げます。


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ランチはカレー屋さん「ボンディ」でいただきました。
神保町に何度も通っているくせに神保町でカレーをいただく機会がなかなかなくて
せっかくなので行こうと思ったわけです。

壮大な映画の後で頭も心もパンパンのままボーっと歩いてお店に入ったのですが
カレーを一口いただいたら(中辛だったにも関わらず)ぴりっと効いたスパイスにびっくりして
一気にもぐもぐしてしまった。
店内も混雑していて相席でした。またゆっくり食べに行きたいな。
2014_12
01
(Mon)23:55

ジブリ美術館のクリスマスその2。

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先週末に三鷹の森ジブリ美術館へ行ってきました。
去年のレンズ展には結局行けなかったから2年ぶりです☆
ちょうどクリスマス装飾も始まっていました~ジブ美のクリスマスは気合いが入ってて大好きだ!

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チケットを片手に入場待ちしながら外観をパチリ。
開館した13年前は真っ白だった壁が今やすっかり蔦だらけですね。
訪れるたびに少しずつ増えていく緑を眺めるのもここの醍醐味です(^ω^)。
(宮崎さんは年月が経つごとに味わいが出るようにしたかったらしい)

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開閉しますのでどうぞ☆
(拍手お返事は次回記事にさせていただきます。もうちょっとお待ちください)

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