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おじさん史観にツッコミを。

乙女の日本史』を読んでいます。これすっごく面白いですよ!!
現代オトメ的視点で、「おじさん観」的女性史を一刀両断(笑)。
政治、生活、恋愛、性欲、セクシュアリティ等々、
様々な事例がカオス的散文と睫毛バッサバサのオトメ漫画(笑)で面白おかしく書かれています☆
道長さんの暴力事件を、週刊誌のゴシップ記事っぽく書いちゃうところとか痛快だ。
イケメンやらツンデレやら、あっちこっちに現代語がちりばめられていて笑えます。。。
そういう言葉は学術書では敬遠されがちですが、この本では全然違和感がないのがスゴイです。
花山天皇が「荒れる成人」だとか、江戸町人は「フリーターでワンルーム長屋暮らし」だとか
現代人が読んだら大笑いできる紹介文が満載ですよ~。

しかしそれだけではなくて、いわゆる「謙信女性説」を史実を並べてバッサリ斬ったり
日野富子が「どういう観点から」悪女と言われるのか検証するなど
きちんと考証もされていて、人物を良くも悪くも評価していない点がすばらしいvvv
読み手の判断に任せて媚びないところに好感が持てますね。

ポイントをうまく押さえているなぁと思ったところは、それぞれの時代の価値観の記述。
その時代の人たちが何故そう在ったのかは
時代ごとの価値観に沿っていたからですな。これ日本史学ぶ上で基本中の基本。。。
女性も土地か財産を持っていた頃は離婚しても生きていけたとか、
女性が浮気をすると殺されかねなかった江戸時代に
モッテモテだった芸者さんは経済的に余裕があれば特に結婚しなかったとか、
いわゆる「現代チック」な生き方をした人も歴史上にはたくさんいました。
(無名の人が成り上がると「金か色でのしあがった」と決めてしまう人は
残念ですが今も多い気がします…そういうやり方もあったけど、そればかりではないのですよ)

「男性は戦に女性は家に」という考え方を男女それぞれに押しつけるやり方は
兵隊を量産する軍国主義に走るようになってから出てきたわけです。
それまでは、一定の価値観やルールの中で
男性も女性もそれなりに精一杯生きていたという記録が
昔の人の日記や記録を見ると、結構出てきたりします。
家事に専念した男性も女性もいたし、バリバリに働いた男性も女性もいました。
この本の著者によると、江戸時代の夫婦観は「少しでもいい暮らしをするためのユニット」だとか。
男も女も手分けして、働いて、家事をして、子育てをして、親孝行をするという風に。

多角的・逆説的な視点から歴史を見たい人に、おすすめしたい本です。


「週刊マンガ日本史」、買ってます買ってます。
今週は明智光っちゃんです。やっとだ~!そして熙子がかわいい~~~vvv
ちゃんと結婚のエピと熙子の髪のエピを描いてくれていましたよ。やった!!
光っちゃんと熙子のラブラブっぷりは、後に松尾芭蕉もビックリして一句ひねっているほどです。
(その後を考えると切ないんですけどね…(- -;;))
時間ができたら、いつか光っちゃんゆかりの地を順繰りに回りたい。
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テーマ: 歴史全般 | ジャンル: 本・雑誌