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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


天の鼓が鳴る。

  1. 2010/04/27(火) 19:20:44_
  2. 一般書
  3. _ tb:0
  4. _ comment:4
夢枕獏さんの『陰陽師 天鼓ノ巻』を読了~。今回もステキ話の数々…(´艸`*)。
図書館で返却されるのを待って待ってようやく借りました。待った甲斐もありました。

表紙は村上豊画伯のかわいらしい男の子です。作中にも出てきます。
彼の正体は、わたしの想像していた彼とは少し違ったのだけれど、それはそれで多種多様。

ストーリーの形は相変わらずで、都に起きる変な出来事を晴明と博雅が追っかけます。
一作目からずっとこのパターンなのに全然飽きないのは不思議だなぁ~。
「ゆこう」
「ゆこう」
この台詞が大好きvvv

今回も蛇とか十二支とか神様とかが色々出てまいりました。
「モノに振り回される人たち」という図式も毎度のことですね。
モノたちの力が強すぎるためか、人の思いが強すぎるためか、
晴明と博雅が出来ることはいつもほんの少しで(彼らの知恵が解決することもありますが)
毎回のゲストがあるべき姿に戻っていく過程が、すごく見事に書かれています(=゚ω゚=)。
こういう短編が書けるようになりたいなぁ…。
そして笑っちゃったのは『陰陽師 滝夜叉姫』のときのお返しがあったこと!
晴明さん、博雅さんは告白され慣れてないのですよ~(笑)。

夢枕さんの書く世界には能や狂言のリズムがあると思います。本当にそうです。
漆黒の闇の中であかあかと薪を燃やして、
その灯りの影にシテがぼんやりと浮かび上がっているような。
(野村萬斎さんを映画『陰陽師』の主演に指名したのもうなずける)
あと、闇の色がポスターカラーですね。芥川龍之介の小説みたく、かっと塗ったくった感じ。
でも怖さはちっともないのです。晴明と博雅が平気でいるからかなぁ。
ひとりでいたら、とても耐えられないですね。闇には灯りがないと…f(^_^;)。

本書のあとがきで夢枕さんが「発作的に俳句や詩ができるときは、
あちらからやって来るもの。無理して作ろうと書くことはない」
という意味のことをおっしゃっているのを読んだとき、
アラン・アレグサンダー・ミルンが『クマのプーさん』の中で
同じようなことを書いていたのを思い出してちょっと嬉しくなりました。
わたしもよくそう思うので。
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テーマ : こんな本を読んだ    ジャンル : 本・雑誌

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Author:ゆさ
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歴史やアートも溺愛中
最近は新幹線とシンカリオンも熱い
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