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2010_06
09
(Wed)18:31

アトムとニャロメと妖怪と。

ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘』を読みました。
水木悦子さん、赤塚りえ子さん、手塚るみ子さんの鼎談集なのですが、もう爆笑もの(笑)。
父親や家族の思い出話、父親の作品、お三方の生き方についてかなり赤裸々に語られた本です。
それぞれの作品についてとか、お父さんにこれ買ってもらったとか、
お菓子くれる編集者さんがいたとか、しっちゃかめっちゃかの家族旅行とか
「大変だなぁ。でも笑っちゃうなぁ」と思えるお話がいっぱいでした(^^)。
何よりお父さんたちの人柄を語るときの皆さんがいい。明るくて愛情たっぷりなのです。
しかしひとたび辛口になると、熱烈なファンは読めなくなるくらい生々しい話になったり。
お父さんたちの女性観の項は、なかなか言い得て妙ですヨ。

…で、あるかなーと思っていたら、ありました。
子どもの頃は「○○の娘」と言われることに葛藤を感じていた云々…という話。
手塚さんは「父は父、私は私だから関係ない」と突っ張って、
赤塚さんは常に気を張ってお父さんに迷惑かけないように小さくなっていて、
水木さんはクラスの子から「お父さんどんな人?お父さんは…」と騒がれて怖かったと。
まして周囲の人たちは興味本位で悪気がないから、余計にたちが悪いという。
マリーナ・ピカソの自伝も壮絶だったけど、親が親だと子どもは苦しい思いをしてしまいますよね。
今は皆さん、父親の作品を知ってもらおうとあれこれ頑張っていらっしゃいますが
吹っ切れるまで相当な時間を要したんじゃなかろうか。

何というか、読んでいて人生を感じる本でした。
みんなお父さんと家族が大好きで、お父さんの職業が時に重荷で
でも自分もお父さんも大切にしたくて懸命に向き合ってがんばって、今があるんだなと。
「有名な作品だけではなく、無名の作品も読んで欲しい。
両方知ってこそその作家がわかる」という手塚さんの言葉が
ラストで光っていました。わたしもそうだと思いますね。
作品は、ヒットすると作家から離れていってしまいますけど
異色作やマイナー作品ほど、作家は大切にしているものです。

手塚漫画はほぼ読んだけど、赤塚漫画や水木漫画は有名どころしか読んでないなぁ。
できるだけ読んでいきたいなぁ。。。


sekien.jpg※クリックで大きくなります
↑水木しげる氏が尊敬されているという鳥山石燕と、先生を囲む妖怪たちを描いてみました。
石燕先生は江戸時代半ばの人で、妖怪画を好んで描いた絵師です。
妖怪は左下から座敷童子、真ん中は安達ヶ原の紅葉、紅葉の頭にいるのは海座頭。
先生の右腕に乗っているのは、ぬらりひょんとぬっぺふほふ。
肩にいるのは鴉天狗。火は、釣瓶火です。

しかし実際に、妖怪にモデルになってもらうのは大変だろうなぁ。

rokuro2.jpg※クリックで大きくなります
↑たぶん、こうなるのでは。。。
「こら轆轤首、モデルなんだから動くんじゃねぇ!」みたいな。

そんな妄想もする日々です。
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