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2010_11
09
(Tue)22:22

櫓時計が知らせる暮六つ。

宇江佐真理さんの『今日を刻む時計-髪結い伊三次捕物余話』を読みました。
この連作短編シリーズもこれで9冊目なんですね~。
過去にやっていたテレビドラマでこのシリーズを知って
(伊三次役の中村橋之助さんとお文役の涼風真世さんがとても素敵でしたが、
わたしは不破友之進役の村上弘明さんにぞっこんでした)
シリーズ1冊目の『幻の声』を慌てて図書館に借りに走って以来、
大ファンになって今でも新作が出るたびに読んでいます。

今回は、前作からいきなり10年が経過していました。。。
その間に伊三次夫婦は40代になるわ、息子の伊与太が絵師を目指して家を出ているわ、
妹のお吉が産まれているわでちょっとびっくりしましたけど
彼らは「10年も経ちゃ慣れちまわァ」と言わんばかりにマイペースな日々を過ごしているので
わたしもあっという間に慣れました。宇江佐さんの筆って牽引力があるなぁ。

そして今回ほど、カップルが爆誕した本もなかったのでは(^ ^;)。
(ちょい役で出てきたおゆうちゃんの予言がバッチリ当たったのはすごいと思った)
シリーズの最初の数冊は、伊三次さんとお文さんのお話が中心でしたけど
最近は2人の子どもたちや不破家の子どもたちなど、次世代組の方が元気がいいですね。
友之進さんの息子の龍之進くんが、ヘタレと男前を行ったり来たりしていて
とてもかわいくて応援せずにはいられません。
(「我らが胸の鼓動」で、ちょっと前から気になっていた女性がピンチと知るや、
場所を聞き出してすっ飛んで行くあたりはお父さんとそっくりだなぁと思う)
妹の茜ちゃんもすっかり大きくなり、庭で竹刀を振り回しているのですが
近頃は男の子の同輩に勝てなくなって、自分でも理由がわかるのでモヤモヤしているという。
伊与太…早くお嬢の気持ちに気づいてあげて~。

そんな日常に、いつものように捕物がからんでいます。下手人も動機も十人十色。
「過去という名のみぞれ雪」で伊三次さんが元気づけてあげていた青年の結末が悲しい。
かと思うと、「春に候」で伊与太が何気なく描いた絵が思わぬ下手人を指していたりする。
日常って色んなことが起きているんだよなぁと、このシリーズを読むたびに思います。

ところで、冒頭所収の「今日を刻む時計」のラストで伊与太が読んでいた画集が
『当世職人尽』だったのでニヤリとしてしまいました(笑)。
彩の国民としては、職人尽と聞くと真っ先に川越喜多院の職人尽絵を思い出します。
(狩野吉信が京都の職人たちをどっさり描き並べて屏風にしたやつ)
別に伊与太が喜多院の屏風を見たというわけではないのですが、ちょっと嬉しかった☆

…なんて考えていたら、本日のなんでも鑑定団の出張鑑定が毛呂山町だったので
家族で見ながら笑ってました(^∀^)/♪
中島誠之助さんの江戸弁っていつ聞いても優雅だなぁ…。


妖怪の絵。※クリックで大きくなります
鈴木春信の周辺事情その13。12はこちら
石燕先生を探し歩いていた春さん、とある絵草紙屋の前を通りかかって、ふと目を留めました。
みごとな妖怪が描かれた一枚絵の隅に、"鳥山石燕豊房"の署名が…。
春信「手代さん、この人、どこに住んでるか知ってます?」
手代「あー、鳥山さんね。根津じゃなかったかなぁ」
春信「ありがとう、助かりました!」
この後、春さんは猛然と走り出したのでした。

石燕先生の姓は佐野で、諱は豊房といいます。号は零陵洞人・月窓・梧柳庵など。
「鳥山石燕豊房」の署名は、出版物の奥付でよく使用していました。
ちなみに春さんは姓名ともに本名で、号は思古人です。


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