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あおによし奈良の盛りは。

山之口洋さんの『天平冥所図会』を読みました。
先日、何となくネサフをしていたとき、たまたま書名を見つけて興味を持ったのですが
予想以上に面白くて、少しずつ読み進めるつもりが結局最後まで一気に読んでしまいました。
登場人物も、葛木連戸主&和気広虫夫婦を主人公に、広虫の弟の和気清麻呂、
吉備真備&由利親子、聖武天皇&光明皇后夫婦、孝謙天皇、藤原仲麻呂、道鏡と
奈良時代好きにはたまらんラインナップですvvvなんつー私得。。。

大仏造立、正倉院献物帳の作成、藤原仲麻呂の乱、宇佐八幡宮神託事件の4つの出来事を中心に
戸主&広虫夫婦とその周辺の人々の奮闘が、散文のようなサラリとした文章で語られます。
作中の出来事や事件そのものは史実がベースになっていますけど、
オリジナルで犯人が設定されていたりして、ちょっとミステリっぽい要素も。
あと、昔々の時代小説らしく、科学では説明できないようなこともちょこっと起こりますが
牧歌的な場面ありファンシーな場面ありで思わず笑ってしまった。
(一言主様や宇佐八幡様の言い分とか、道鏡が野心を持った理由とか、
なかなかアリなんじゃないかな…って、思ったり*^ ^*)
ひとつひとつのお話が、先がどうしても気になってノンストップで読んでしまいました。
なんか最初から最後まで文章に引っ張られていた感じ。久し振りだなァこういうの…(・v・)。

主人公の戸主さんも朴訥なまじめさがあって好きなのですが、
今回、一番素敵だなぁと思ったのは広虫&由利のコンビです☆
オンオフ関係なく行動力のある2人で、合間のガールズトークもとても楽しそうなのですけど
広虫がちょっと大変なときに、由利が「広虫がいい加減なこと言ったことなんてないわ」と
無条件で信頼していたりするところもかっこよくて好き~。
仕事が終わったあと、女官部屋で一緒に寝ながらおしゃべりしてはしゃぐのも微笑ましいです。
この2人、現代に生きていたら絶対枕投げやコイバナに興じる仲だなー(´∀`)。
仲麻呂さんは例のごとくワルなのですけども、
(この時代を書いた小説における彼はだいたいワルに描かれていることが多いですナ)
ドラマ『大仏開眼』で高橋克典氏が演じられた仲麻呂よりも業が深かったです。(^ ^;)
何というか、すごくがんばってきた人なんだろうなぁと思いました。。。
がんばって勤勉に生きて、結果ああなってしまうというところはレプカやムスカを連想しましたけど
そういえばこの仲麻呂もレプカたちも、1人の少女がキーになっているんだっけな…。
そして真備さんはデキるおじさんで嬉しいです(*^∀^*)☆


本日のお絵かき↓
バナナじゃありません…。※クリックで大きくなります
何となく茨木童子。
かわいい顔に描きたいなぁ~と思ってやってみたら
なんか、誰かに(たぶん酒呑童子から)怒られて拗ねてるみたいになってしまった(^ ^;)。
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テーマ: 歴史・時代小説 | ジャンル: 本・雑誌