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2011_05
18
(Wed)22:46

わかってる。そのかわり、ひとつ頼みがある。

浜野京子さんの本を一気読みしています♪

最初に読んだのが『碧空の果てに』で、(カドカワ銀のさじシリーズって本当にいい本ばかりだ)
架空の国ユイの王女メイリンが主人公なのですが、
冒頭でいきなり王国を飛び出して旅をして、シーハンという共和国に辿り着いて
ふとしたことからシーハンの首長ターリに仕えることになり、侵略国アインスと対決するというお話。
メイリンは、自分が怪力の持ち主で、動きやすい服装を好んで乗馬服を着ているのを
父王に心配されることに困って出奔するのですけれど、
愛馬で国々を疾走したり、シーハンに辿り着いてずんずん町に入っていく場面は
文章から風が感じられて爽やかでいいなぁと思いました。
(メイリンがヘコんで出発するような人だったら、もっと暗い話になっていたと思う)

その後もどんどん持ち前の怪力と行動力を発揮して、ターリと一緒に行動していくのですけど
2人の手助けをするフェイエという議員がまたかっこよい人でvvv
丘の上の木にヒョイと登って「さあ、上がってらっしゃい」と
メイリンに手を差し出す場面で「お~かっこいい!」と思いました(*^ ^*)。
(その後で「妻には内緒です」と言い足しているところをみると、きっと
フェイエは昔からこの木に登るのが大好きで、大人になってからもその癖が抜けずに登っていて
サザやロロあたりから「危ないでしょ!」とか怒られてるんだろうなぁと思う。
メイリンが女性であるということも関係しているのだろうけど)
あと、ユイ国からメイリンと一緒に旅をして来たティムや
ターリに仕えているカイもいい味を出していて良かったです。
浜野さんの書く従者の男の子は、「この人に仕える」と決めたらどこまでも、という気概に
溢れていてかっこいいですな。


『碧空~』の続編である『白い月の丘で』にも、シーハンの国が少し出てきますが
舞台になっているのはシーハンの隣のトール国で、
主人公はトールの元王子ハジュンと町娘のマーリィです。
強国アインスに攻められ属国となった祖国トールに、十年ぶりに帰ってきたハジュンが
幼なじみのマーリィの家に滞在するところから物語が始まります。
アインスの王子であるカリオルも関わってきて、世界が広がっている感じがしました。
前作に出てきたティムやカイも成長して出てきます。
おぉ…2人とも立派になってえぇ…!!(親の心境)

ハジュンとマーリィは似た者同士というか、考え方のパターンに共通するところがあって
思っていることをすぐ口にするのではなく、相手の立場を考えながら会話していて
年のわりに大人びて見えるなぁと思います。
(逆にカリオルはお育ちがよいせいか、あまりそういうことを気にせずしゃべっている感じ)
普段はとても仲良しな2人が、お互いに一番大切な存在だと思い合っているにも関わらず
間にカリオルを挟むと見事にすれ違ってしまっている様子にやきもきしました。
そんな中で、ハジュンたちはトール政府の生き残りの人たちと出会って
アインスからの独立を目指す動きに参加していくことになるのですが、
ここで出てくるソンボとリーファがまたすごく素敵な人たちだったりします☆
リーファが前線で見事な弓矢の腕前を見せたとき、ポカンとするハジュンとマーリィを
ソンボがにやにやと見ている場面で思わず笑ってしまった。。。


あとは『アギーの祈り』も読みました。
大きな戦争が終わった後、戦争孤児が集められた小さな島の学校で
教師のアギーが生徒たちと交流しながら、やがて各国が血眼で探しているという
ある舞姫をめぐる事件に関わっていく…というストーリー。
今回は踊りがキーになっていて、誰かが踊ると何かが起こる…というのが魅力的でした。
大人も子どももみんな傷ついているけれど、その傷が全面的に押し出されているのではなく
登場人物がふと漏らす言葉で一瞬だけ見え隠れするのも、見事だなぁと思います。

あと、舞台が学校なせいか、「子どもの嘘」がリアルに描かれているなぁと思いました。
誰かが嘘をついた結果大惨事が起きるというのではなく、
普段何でもない瞬間につく嘘というか、かなしい、やさしい嘘があるのです。
戦争で一人ぼっちになったリリンガが「実は私にはおばさんがいるの。
でもおばさんは私が生きているって知らないの」と言ったり、
軍人にお小遣いをもらったナックが、友達の前では「拾ったんだ」って言ったり。
で、ナックがそのお金で学校のみんなに買ってきたお菓子は、
いつも言い争ってしまうケンカ相手のカザンも気にせず食べられるようにと
ナックの出身国でもカザンの出身国でもない、別の国のお菓子だったりする。
そういう場面がいやらしくなく描かれているところに好感が持てました。

あ、それともうひとつ。
この本の装画は平澤朋子さんという方が担当されているのですが
「どうも、どこかで見たような雰囲気の表紙絵だな…」と思っていたら
わたしの好きな『緑の模様画』と『赤い髪のミウ』の装画も担当されていたと
巻末の著者紹介欄で知って仰天してしまいました。。。
この方の描くイラストは、シンプルなタッチの中に
どことなくペルシア絨毯のようなエキゾチックな印象があって、とても好きですvvv


浜野さんは他にも何冊か本を出版されているので、もっと読んでみたいなぁ。


本日のお絵かき↓
靴を売るのに、なんで字が必要なんだよ。※クリックで大きくなります
『アギーの祈り』より、市場で働く少年セリン。
小柄で身軽、売り買いの酸いも甘いも知り尽くし、時に大人をも出し抜く男の子。
領事館でトーヤからお駄賃を受け取る場面で思わず拍手してしまいました。上手すぎます(^ ^;)。
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