フェルメールの地図。
渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでやっている
「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」に行ってきました☆
会期ぎりぎりだったので、会場スタッフの人が
「立ち止まらずに歩いてください」と呼ばわっているほど混んでいたけど、
黄金期のフランドル絵画を間近でたくさん見られて良かったです。
展覧会のタイトルにもなっているフェルメールの「地理学者」は
実際に見たら想像していたよりも小さな作品で、ちょっと意外に思いました。
(ポスターや垂れ幕で大きく引き延ばして宣伝されていたので
何となく巨大な作品というイメージを持ってしまっていた。。。^_^;)
フェルメールは室内に差し込む光を描き続けたことで有名ですが、
この絵も光と影の対比というか表現が、細部まで手を抜かずに描き込まれていて
とてもあの人らしい絵だなぁと思いました。
学者の着ている上着の青が美しかったです☆
(『真珠の耳飾りの少女』といい『牛乳を注ぐ女』といい、彼の青ってまるで光っているようだ)
絵の隣には、当時の天球儀と地球儀(平戸藩松浦家所蔵)や、地図も展示されていて
フェルメールの作業環境が連想できる展示になっていたと思います。
あと、ヘリット・ダウの「夕食の食卓を片づける女性」と
コルネリス・ド・ヘームの「庭の欄干の前の野菜と果物のある静物」も印象に残りました。
前者は室内絵で、カンテラと蝋燭の灯りの表現がふんわりとしていて綺麗でした。
後者はいわゆる静物画で、とても大きな絵ですが
どんなに近づいても筆のタッチが全然見て取れなくて、写真みたいでした!
果物と中国の白磁器が屋外に置かれているだけの絵なのに
静物の美しさと、屋外の殺風景のギャップに惹かれて、しばらくボケーッと眺めてしまった。
他には、レンブラントの「サウル王の前で竪琴を弾くダヴィデ」とか
ヤン・ブリューゲル親子の風景画なども、存在感があって良かったなぁと思います。
静物画は果物絵のほかに、動物の静物画もありましたが
中でも鶏の静物画は、伊藤若冲が見たら泡を吹いて倒れそうなリアルさだった。
(ああいう絵は狩りを好む貴族たちに人気だったらしいです)
あと、バーレント・ファブリティウスの自画像を、山田五郎さんが『ぶらぶら美術館』の中で
「これマイケル・ジャクソンに似てる」とおっしゃっていたので気になっていたのですが
実物を見たら本当にマイケルにそっくりで思わず笑ってしまった。。。
あるんだなぁ~こういうの。
(ちなみに、あの絵の前で「これマイケルに似てるね」と言っていた人は結構いました。
みんな番組見てたのかな…)
展示全体を見て思ったのですけど、
この時代の画家たちは、現実を写し取ろうとする情熱が本当に凄まじいです。
カメラや写真がなかった時代に、当時の人物や風俗を描き残す力を持つ者として
画家はかなり敬われていたんでないかな…。
あと、フランドル絵画を見ていつも思うのは
人物にしろ風景にしろ、影をつけるときは必ず黒を使うということ。
レンブラントもルーベンスもブリューゲルも、人物や静物の背景が真っ黒でした。
(ちょっと時代は下るけどジャン・ミレーの『種をまく人』なども真っ黒ですね)
影が黒ではなく別の色で塗られるようになるのは、
モネやルノワールなどの印象派画家が登場してくる頃からなんだろう。
あと、わたしはふだん展覧会であまり音声ガイドを借りないのですけど
今回は会場入口に「ナビゲーター:佐々木蔵之介」とあるのを見て即借りました(笑)。
で、聴きながら鑑賞していたのですけど、彼の声がどうにも色っぽすぎて
ガイドつきの絵の前でははっきり言って鑑賞どころじゃなかった(^ ^;)。
でも借りたことは後悔してないっ!!
ガイドに流れていたソノダバンドさんの音楽も、滑らかなバイオリンの音色がすばらしかったし♪

↑戦利品。ポスカ、輸入雑貨のオランダ木靴、ユーハイムのバームクーヘンです。
バームクーヘンの箱は「地理学者」のパッケージになっていて、
フォーク(やっぱり持ち手に「地理学者」がプリントされている)もついてきました。
かわいい(^ ^)☆
それから、上野の東京国立博物館の「写楽」展と、
国立西洋美術館の「レンブラント-光の探求/闇の誘惑」展もはしごしてきたのですが
長くなりますのでレビューは後日書こうと思います。→こちらです
※クリックで大きくなります
「行きて帰りし遣唐使・後日」その3。2はこちら。
夜更け、筑紫館の遣唐使宿舎にて。窓の外には月が出ていました。
玄「まだ起きてんのか」
真備「…ねぇ玄」
玄「ん?」
真備「他の船、どうしたろうね…」
玄「………」
つぶやくマッキー。玄ちゃんも無言です。
734年10月、第10次遣唐使節団は4隻の船で蘇州を出発しましたが、
途中の嵐で離ればなれになりました。
遣唐大使多治比広成や、真備や玄の乗った第1船は、無事に日本に到着しています。
第2船は福建に流され、副使の中臣名代以下100名は翌735年3月、長安に戻りました。
のちに船を修理して再び進発、8月に帰国しています。
第3船は崑崙国(現在のベトナム)まで流され、乗組員の多くは現地で流行病にかかり亡くなりました。
生き残った判官の平群広成と水手3人は、商人の手を借りて長安に戻り、
阿倍仲麻呂を通じて玄宗に謁見し、739年7月に渤海使とともにやっと帰国することができました。
第4船は嵐で流されたまま行方不明になり、その後の記録は残されていません。
遣唐使の船旅は行きも帰りも、文字通り命がけだったのでした。
続きはこちら。
*遣唐使のイラスト記事一覧はこちらです*
クリックで拍手お返事です。遅くなってすみませんでした。↓
皆様いつもありがとうございます(^-^)/☆
「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」に行ってきました☆
会期ぎりぎりだったので、会場スタッフの人が
「立ち止まらずに歩いてください」と呼ばわっているほど混んでいたけど、
黄金期のフランドル絵画を間近でたくさん見られて良かったです。
展覧会のタイトルにもなっているフェルメールの「地理学者」は
実際に見たら想像していたよりも小さな作品で、ちょっと意外に思いました。
(ポスターや垂れ幕で大きく引き延ばして宣伝されていたので
何となく巨大な作品というイメージを持ってしまっていた。。。^_^;)
フェルメールは室内に差し込む光を描き続けたことで有名ですが、
この絵も光と影の対比というか表現が、細部まで手を抜かずに描き込まれていて
とてもあの人らしい絵だなぁと思いました。
学者の着ている上着の青が美しかったです☆
(『真珠の耳飾りの少女』といい『牛乳を注ぐ女』といい、彼の青ってまるで光っているようだ)
絵の隣には、当時の天球儀と地球儀(平戸藩松浦家所蔵)や、地図も展示されていて
フェルメールの作業環境が連想できる展示になっていたと思います。
あと、ヘリット・ダウの「夕食の食卓を片づける女性」と
コルネリス・ド・ヘームの「庭の欄干の前の野菜と果物のある静物」も印象に残りました。
前者は室内絵で、カンテラと蝋燭の灯りの表現がふんわりとしていて綺麗でした。
後者はいわゆる静物画で、とても大きな絵ですが
どんなに近づいても筆のタッチが全然見て取れなくて、写真みたいでした!
果物と中国の白磁器が屋外に置かれているだけの絵なのに
静物の美しさと、屋外の殺風景のギャップに惹かれて、しばらくボケーッと眺めてしまった。
他には、レンブラントの「サウル王の前で竪琴を弾くダヴィデ」とか
ヤン・ブリューゲル親子の風景画なども、存在感があって良かったなぁと思います。
静物画は果物絵のほかに、動物の静物画もありましたが
中でも鶏の静物画は、伊藤若冲が見たら泡を吹いて倒れそうなリアルさだった。
(ああいう絵は狩りを好む貴族たちに人気だったらしいです)
あと、バーレント・ファブリティウスの自画像を、山田五郎さんが『ぶらぶら美術館』の中で
「これマイケル・ジャクソンに似てる」とおっしゃっていたので気になっていたのですが
実物を見たら本当にマイケルにそっくりで思わず笑ってしまった。。。
あるんだなぁ~こういうの。
(ちなみに、あの絵の前で「これマイケルに似てるね」と言っていた人は結構いました。
みんな番組見てたのかな…)
展示全体を見て思ったのですけど、
この時代の画家たちは、現実を写し取ろうとする情熱が本当に凄まじいです。
カメラや写真がなかった時代に、当時の人物や風俗を描き残す力を持つ者として
画家はかなり敬われていたんでないかな…。
あと、フランドル絵画を見ていつも思うのは
人物にしろ風景にしろ、影をつけるときは必ず黒を使うということ。
レンブラントもルーベンスもブリューゲルも、人物や静物の背景が真っ黒でした。
(ちょっと時代は下るけどジャン・ミレーの『種をまく人』なども真っ黒ですね)
影が黒ではなく別の色で塗られるようになるのは、
モネやルノワールなどの印象派画家が登場してくる頃からなんだろう。
あと、わたしはふだん展覧会であまり音声ガイドを借りないのですけど
今回は会場入口に「ナビゲーター:佐々木蔵之介」とあるのを見て即借りました(笑)。
で、聴きながら鑑賞していたのですけど、彼の声がどうにも色っぽすぎて
ガイドつきの絵の前でははっきり言って鑑賞どころじゃなかった(^ ^;)。
でも借りたことは後悔してないっ!!
ガイドに流れていたソノダバンドさんの音楽も、滑らかなバイオリンの音色がすばらしかったし♪

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バームクーヘンの箱は「地理学者」のパッケージになっていて、
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玄「まだ起きてんのか」
真備「…ねぇ玄」
玄「ん?」
真備「他の船、どうしたろうね…」
玄「………」
つぶやくマッキー。玄ちゃんも無言です。
734年10月、第10次遣唐使節団は4隻の船で蘇州を出発しましたが、
途中の嵐で離ればなれになりました。
遣唐大使多治比広成や、真備や玄の乗った第1船は、無事に日本に到着しています。
第2船は福建に流され、副使の中臣名代以下100名は翌735年3月、長安に戻りました。
のちに船を修理して再び進発、8月に帰国しています。
第3船は崑崙国(現在のベトナム)まで流され、乗組員の多くは現地で流行病にかかり亡くなりました。
生き残った判官の平群広成と水手3人は、商人の手を借りて長安に戻り、
阿倍仲麻呂を通じて玄宗に謁見し、739年7月に渤海使とともにやっと帰国することができました。
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遣唐使の船旅は行きも帰りも、文字通り命がけだったのでした。
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