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2011_09
14
(Wed)23:05

Moonlight Place。

おとといから月を見上げてはニヨニヨしているゆさです。こんばんわ。
いいお天気が続くので空を見上げるのが楽しいです☆
月の兎もよく見えます。あの兎を見ているとお餅つきたくなりますね。ぺったんぺったん。

ところで…。
先日の遠野旅行の記事で、「遠野市と釜石市の境には笛吹峠と呼ばれる場所がありますが
実は笛吹峠と呼ばれる場所は彩の国にもあります」ということを書きました。
本日はそのお話をしようかなと思います。

かつての陣営。
↑彩の国の笛吹峠。かなり前に撮影した写真です。
道沿いに植えられているのはすべて桜の木。
今でも車が結構通る道で、散歩している人やハイキングしている人などもいるのですが
時折こうしてふっと往来が途切れてシーンと静まりかえることがあります。
こうしてみると町とも山とも森とも似つかない場所なので、どこかとどこかの境目のような、
何とも霊的な印象を与える場所だなぁと思う。

この峠に通っている道は旧鎌倉街道といって、昔は武士団が多く行き来した道であり、
お寺からお寺へと続く巡礼街道でもあります。
南北朝時代にこの付近で足利尊氏と新田義宗の戦があり、新田軍は越後に落ちていくのですが
このとき新田方にいた宗良親王が、夜半に空の月を見上げて笛を吹いたことから
笛吹峠と呼ばれるようになった、と言われています。
月に笛、というとつられて桜をイメージしたくなりますけども
この戦があったのは旧暦の春のことなので、新田軍はここの桜をギリギリ見られたかどうか…。
(梶井基次郎の「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる!」ではないですけども
古戦の激しさを証明するかのように、この土地からはたびたび人骨が出るのだそうな。
…というか、その頃からここに桜の木があったかどうかはわからないんだけど)

また、この辺りは山が多いため、古墳~奈良時代には窯の職人がたくさん住んでいたらしい。
今でも窯の跡がいくつか残っていて、昔の名残が見てとれます。
かつて武蔵国のあっちこっちに建てられまくった国分寺の屋根瓦は
だいたいこの土地の職人が焼いた、という話もあるようです。


で、窯跡というと連想されるのは炎なわけですけども。
先日の旅行でわたしが訪れた、遠野市にある笛吹峠は
炎に焼かれた土地として『遠野物語』の中で語られています。
この話に出てくる火は放火ですけど、
どうも山や峠という場所は、人が木を切って生活するようになった頃から
火と結び付けられて語られてきている傾向がある気がします。
(かつて炭焼き場やタタラ場があったのも山や森の中だしね)


あと、「笛吹」という地名にちなんでもうひとつ余談を。
笛吹童子の伝説で有名な山梨県の笛吹川には、坐忘温泉と呼ばれる温泉郷があります。
あそこには「その昔、笛吹川沿いに住む人々に大切にされてきた8人の仏たちが
土地の人々に何かお礼をしようと沸き出させたのが坐忘温泉なのだ」という
言い伝えがあるそうです。
温泉もある意味、山や火と無縁ではないので
やっぱり山と人と火って切り離して語ることはないんだなぁ、とも思う。


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