江戸の臨場(リアル)。
板橋区立美術館の「実況中継EDO」展に行ってきました☆
博物図譜とスケッチとラフ画と事件絵ばかりが並ぶ、ちょっと不思議な展覧会です(・∀・)ニヨニヨ。
あれだ。重い扉のついた書斎とか、地下書庫の奥の奥に入っていくときみたいな
ある意味暗くじめっとした場所に入ったような、そんな雰囲気の会場でした。
人がまばらにしかいなかったせいもあるかもしれない。
池大雅の『三岳紀行』が、ページを1枚1枚屏風に貼り付けて仰々しくしてあるにも関わらず
内容はほのぼのスケッチでとても和みました~(*´∀`*)。
雑然とした筆遣いで、でも対象をちゃんととらえていて、でも字は決してうまくなくて(笑)。
あと、最初の数枚は細かく描き込んだりして結構がんばった感があるけど
後半は旅も佳境であまり時間がなかったのか、旅にハマってスケッチどころではなくなったのか
わからないんですが、
だいぶさらさら描きになっていたのが何だかおかしかったです(*^ ^*)。
大雅の呑気な気質が見える気がしました。
司馬江漢の『広尾親父茶屋図』を見ていて思ったのですけど、
「この人アニメ塗りじゃないか…? うん、アニメ塗りの人なんだ!」と
なんか勝手に一人で納得していました。。。
少ない色数で人物の影をくっきりべったりつけているところなんか、特にそう見える。
(ピーテル・ブリューゲルが描く人物みたいな感じ)
小田野直武の『鷺図』。この人の絵のラインって明らかに日本画のタッチなのに
色塗り技法が完全に油絵そのもので、でもそのチグハグさが逆に魅力なのだよなぁと思います。
宋紫石に私淑していた人だったせいか、構図が何となく紫石っぽい。
あ、紫石の絵もありました!
北斎の富士とまではいかないけど、結構とんがった富士山を描いた『富士山図』が☆
河鍋暁斎がジョサイア・コンデルと日光を旅行したときの『日光地取絵巻』の、
旅館でくつろぐ自分自身を暁斎が描いた絵が笑えます。
部屋中に荷物を散らかして、すっかり自分の家みたいにしているのがかわいいー☆
かと思うと、旅先の山々や巨大な滝の絵はきっちりごつごつ描き込んでいたりする。
このあたりは師匠の国芳の影響があるんじゃないかな…筆致も似てるし。
それから、蓑虫山人という人をこの展覧会で初めて知ったのですけど
すごく明るい画面の絵を描く人だなーと思いました。
何というか…画面に光が描かれているわけではないんだけど、
光が差しているのがわかるというか、山や地面や雪に光があたって反射している、というのが
画面から伝わってくるとか、そんな明るさ。
空や湖に塗られた青が鮮やかなスカイブルーだったのも印象的でした。
他の絵師の絵が緑や茶色や白黒で描かれていたぶん、余計に明るく見えたのかもしれない…。
(他の絵が暗い、という意味ではないです。念のため)
歌川広重の『武相名所手鑑』が、広重らしいすっきりした画面構成で
純粋にきれいな絵だなぁと思いました。
空気が澄んでいてマイナスイオンとか出てそう。
はぁ~やっぱりこの人の風景画はいいですな~(^ω^)☆
名所江戸百景などの錦絵も細やかな筆遣いとベレインブラアウが美しくて素敵だけど、
肉筆画は最初から最後まで広重の手によるものなので、彼が世界をどう見ていたかが垣間見えて
わくわくしてきます。
…と思っていたら、絵の中の人物が錦絵のそれと同じでつい笑ってしまいましたけど。。
あぁ広さんの絵だ、って感じがした。
そしれ歌川国貞アニキの『両国川開図』は、肉筆画だけど錦絵とほとんど変わらない筆致だったので
やっぱり笑ってしまった。
あぁアニキの絵だ、って感じがします。
永代橋崩壊図…。
約200年前、深川の富岡八幡宮の祭礼時に起きた大事故を描いた墨絵です。(絵師は不明)
橋の上の人々が「丸描いてちょん」のようだったり、バキッと折れた橋が線一本で描かれていたりと
結構、無機質な筆致で容赦なく描かれていました。
(そういえば、当時の永代橋は通行料をとらなければ維持できないほど
もろい造りだったというのをどこかで見たっけな…。
「永代橋は一見頑丈そうに見えるが仮橋である」みたいなことが
杉本苑子さんの『永代橋崩落』にも書いてあった気がする)
そして狩野探幽の『獺図』や、円山応挙の『群獣図屏風』などの動植物絵の数々。
ん~応挙の動物はめんこいです~(*≧ω≦*)♪
ワンコのもふもふといい、虎のもふもふといい、猿のもふもふといい、象のもふもふ(?)といい、
すべてが柔らかそうで触ってみたくなります☆
絵そのものより動物のもふもふにときめいてしまう絵ですあれは。
お江戸の博物学界、もとい本草学界って楽しいです。
趣味で研究している人から首まで浸かっている人まで、研究に対する姿勢は十人十色ですが
展覧会や図画交換会なんかではみんなキャッキャしていたそうな。何だかほのぼのvvv
それでも写生やスケッチになるとどの人も真剣だったようで、
魚譜とか植物図とか見ると、えっこれ魚拓と押し花じゃないのっていうくらい
リアルで細やか!!
目八譜に雲母が使われているのがキラキラしていて素敵だった。
そして、この展覧会の目玉である中島仰山『うみがめの図』は!!おっきかった!!
仰山にはこれだけの大きさに見えたのかなぁそれとも大きく描きたかったのかなぁ。
片隅の書き込みによると、どうも小笠原から運ばれてきた雄のウミガメを写生したっぽい。
あ、それと伊能忠敬の『日本沿海輿地図』を、画像とはいえ見られて良かったです。
江戸とか大坂とか博多とか、いわゆる都市部への書き込み量がものすごかった。
とか、そんなこんなでめっちゃ楽しんでまいりました☆
下絵から色つけまで描き込まれた渾身の日本画もいいけど、
写生とかスケッチは絵師の人柄がにじみ出ている感じがしてよいですな~。
まだあと何日かやっているはずですので、図譜とかスケッチとか大ざっぱな水墨画に興味がある人は
見に行ってみるといいと思いますヽ(´▽`)ノすごく楽しいですよ♪
博物図譜とスケッチとラフ画と事件絵ばかりが並ぶ、ちょっと不思議な展覧会です(・∀・)ニヨニヨ。
あれだ。重い扉のついた書斎とか、地下書庫の奥の奥に入っていくときみたいな
ある意味暗くじめっとした場所に入ったような、そんな雰囲気の会場でした。
人がまばらにしかいなかったせいもあるかもしれない。
池大雅の『三岳紀行』が、ページを1枚1枚屏風に貼り付けて仰々しくしてあるにも関わらず
内容はほのぼのスケッチでとても和みました~(*´∀`*)。
雑然とした筆遣いで、でも対象をちゃんととらえていて、でも字は決してうまくなくて(笑)。
あと、最初の数枚は細かく描き込んだりして結構がんばった感があるけど
後半は旅も佳境であまり時間がなかったのか、旅にハマってスケッチどころではなくなったのか
わからないんですが、
だいぶさらさら描きになっていたのが何だかおかしかったです(*^ ^*)。
大雅の呑気な気質が見える気がしました。
司馬江漢の『広尾親父茶屋図』を見ていて思ったのですけど、
「この人アニメ塗りじゃないか…? うん、アニメ塗りの人なんだ!」と
なんか勝手に一人で納得していました。。。
少ない色数で人物の影をくっきりべったりつけているところなんか、特にそう見える。
(ピーテル・ブリューゲルが描く人物みたいな感じ)
小田野直武の『鷺図』。この人の絵のラインって明らかに日本画のタッチなのに
色塗り技法が完全に油絵そのもので、でもそのチグハグさが逆に魅力なのだよなぁと思います。
宋紫石に私淑していた人だったせいか、構図が何となく紫石っぽい。
あ、紫石の絵もありました!
北斎の富士とまではいかないけど、結構とんがった富士山を描いた『富士山図』が☆
河鍋暁斎がジョサイア・コンデルと日光を旅行したときの『日光地取絵巻』の、
旅館でくつろぐ自分自身を暁斎が描いた絵が笑えます。
部屋中に荷物を散らかして、すっかり自分の家みたいにしているのがかわいいー☆
かと思うと、旅先の山々や巨大な滝の絵はきっちりごつごつ描き込んでいたりする。
このあたりは師匠の国芳の影響があるんじゃないかな…筆致も似てるし。
それから、蓑虫山人という人をこの展覧会で初めて知ったのですけど
すごく明るい画面の絵を描く人だなーと思いました。
何というか…画面に光が描かれているわけではないんだけど、
光が差しているのがわかるというか、山や地面や雪に光があたって反射している、というのが
画面から伝わってくるとか、そんな明るさ。
空や湖に塗られた青が鮮やかなスカイブルーだったのも印象的でした。
他の絵師の絵が緑や茶色や白黒で描かれていたぶん、余計に明るく見えたのかもしれない…。
(他の絵が暗い、という意味ではないです。念のため)
歌川広重の『武相名所手鑑』が、広重らしいすっきりした画面構成で
純粋にきれいな絵だなぁと思いました。
空気が澄んでいてマイナスイオンとか出てそう。
はぁ~やっぱりこの人の風景画はいいですな~(^ω^)☆
名所江戸百景などの錦絵も細やかな筆遣いとベレインブラアウが美しくて素敵だけど、
肉筆画は最初から最後まで広重の手によるものなので、彼が世界をどう見ていたかが垣間見えて
わくわくしてきます。
…と思っていたら、絵の中の人物が錦絵のそれと同じでつい笑ってしまいましたけど。。
あぁ広さんの絵だ、って感じがした。
そしれ歌川国貞アニキの『両国川開図』は、肉筆画だけど錦絵とほとんど変わらない筆致だったので
やっぱり笑ってしまった。
あぁアニキの絵だ、って感じがします。
永代橋崩壊図…。
約200年前、深川の富岡八幡宮の祭礼時に起きた大事故を描いた墨絵です。(絵師は不明)
橋の上の人々が「丸描いてちょん」のようだったり、バキッと折れた橋が線一本で描かれていたりと
結構、無機質な筆致で容赦なく描かれていました。
(そういえば、当時の永代橋は通行料をとらなければ維持できないほど
もろい造りだったというのをどこかで見たっけな…。
「永代橋は一見頑丈そうに見えるが仮橋である」みたいなことが
杉本苑子さんの『永代橋崩落』にも書いてあった気がする)
そして狩野探幽の『獺図』や、円山応挙の『群獣図屏風』などの動植物絵の数々。
ん~応挙の動物はめんこいです~(*≧ω≦*)♪
ワンコのもふもふといい、虎のもふもふといい、猿のもふもふといい、象のもふもふ(?)といい、
すべてが柔らかそうで触ってみたくなります☆
絵そのものより動物のもふもふにときめいてしまう絵ですあれは。
お江戸の博物学界、もとい本草学界って楽しいです。
趣味で研究している人から首まで浸かっている人まで、研究に対する姿勢は十人十色ですが
展覧会や図画交換会なんかではみんなキャッキャしていたそうな。何だかほのぼのvvv
それでも写生やスケッチになるとどの人も真剣だったようで、
魚譜とか植物図とか見ると、えっこれ魚拓と押し花じゃないのっていうくらい
リアルで細やか!!
目八譜に雲母が使われているのがキラキラしていて素敵だった。
そして、この展覧会の目玉である中島仰山『うみがめの図』は!!おっきかった!!
仰山にはこれだけの大きさに見えたのかなぁそれとも大きく描きたかったのかなぁ。
片隅の書き込みによると、どうも小笠原から運ばれてきた雄のウミガメを写生したっぽい。
あ、それと伊能忠敬の『日本沿海輿地図』を、画像とはいえ見られて良かったです。
江戸とか大坂とか博多とか、いわゆる都市部への書き込み量がものすごかった。
とか、そんなこんなでめっちゃ楽しんでまいりました☆
下絵から色つけまで描き込まれた渾身の日本画もいいけど、
写生とかスケッチは絵師の人柄がにじみ出ている感じがしてよいですな~。
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