祈れば帰れる単純なもの。
柏葉幸子さんの『帰命寺横丁の夏』を読みました。
小学五年生のカズが、夏休み前のある夜、自宅の縁側からふらりと現れた着物姿の女の子を
目撃するところからお話が始まります。
彼女は信夫あかりという名で、カズの学校のクラスにもするりと溶け込んでいて、
クラスメイトたちも前から彼女を知っているようで、カズだけが彼女を知らないのでした。
たてわり学級での昔の町名調べがきっかけで、
自分の家のあたりが「帰命寺横丁」と呼ばれていたことを知ったカズは調査を始めます。
横丁の由来を聞くために訪ねたお年寄りたちは、何故か一癖も二癖もあり
逆にカズから何かを聞きたがっている様子。
その後、カズの祖父から帰命寺のことを託されていた、伯父の順一さんに話を聞いて
カズは自分の家がかつて帰命寺だったことを知ります…。
柏葉さんの書くストーリーは、話が進むごとにどんどんすごい展開になっていくことが
多いのですけど、この本もそんな感じでした。
どうやって終わるのか予想もつかない、でも続きは気になる、麻薬みたいな本だと思う。
途中まで夢中で読んでいて、ハッと我に返ってページ残数を見たらあと数ページしかなくて
「えっこれ本当に終わるの?」って思った。無事に終わったけど(^_^;)。
(あと、今が「あの日」の後だからか、ああいう終わり方で良かったとも思ってます)
カズはわりと引っ込み思案で、みんなといる時も口数が多いほうではないのですけど
気になることは興味を持ってきちんと調べる子なのだなぁと思いました。
(調査も決して要領が良いわけじゃなく、おっかなびっくりなところがまた微笑ましい)
帰命寺のことを調べながら、心のどこかであかりのことを考えていて
あかりが「帰ってきた人」なんじゃないかと思い始めたあたりから
俄然生き生きしてきたと思う。
あかりも、普段はあまりしゃべらない子なのですが
カズと逆の意味で戸惑っていたことが判明してからは、何となく雰囲気が変わってきた感じかな…。
あと、カズの友達の裕介がいいヤツで、たまに奇妙なことを言うカズにも
(いや、カズにとってはかなり真剣なことなんだけど)
何も言わずに付き合ってくれたりします。友情だなぁ~。
水上のおばあちゃんは、口調がきつくて、頭がよくて、性格悪くて、背筋がピッと伸びていて
その辺りがものすごく「柏葉さんの書くおばあちゃん」だなぁという気がしました。
彼女が言った「時間をあとでもらえるなんて不公平だわ」という言葉が
ものすごい伏線になっていたことに気づいたのは2度目を読み返してからですが、
その頃にはもう、このおばあちゃんのことが大好きになっていて
こういうところも、やっぱり柏葉さんの本だなぁと思ってしまう。
後半は劇中小説の『月は左にある』にドキドキしました。
展開としては王道ファンタジーで、魔女と少女が対決するストーリーでした。
一生懸命なアディがいとしくて、石の鳥はものすごく怖かった。
(グロいとか気持ち悪いとかじゃなく、顔は笑っているのに目が笑っていないとか
文章から表情を想像しようとしてもできないとか、そういう怖さかも)
あと、オオカミの牙のたくましさと力強さにグッときました。ステキな人~☆
『月は左にある』を原稿で読んでいたカズが、最後のページを裕介に手渡そうとしたとき、
裕介が手だけで待てと言って、カズが無言で待つ、という描写が
何だかとても絵になると思ってしまった。
だからどうということでもない、本当にさらっとしたシーンなんだけども。
本日のお絵かき↓
※クリックで大きくなります
ハロウィン仕様の由利ちゃんと阿倍内親王。
去年のハロウィン絵が男の子たちだったので、今年は女の子たちです。
ハロウィンといえばジャック・オー・ランタン、ジャックといえばオレンジ!!
ということで、オレンジと黒でまとめてみました。
わたしの描く人たちは、その時代設定から黒髪が多いため、黒服を着せると真っ黒になってしまうので
普段はあまりこうした服は描かないのですが、
たまにこうして、黒で服を塗るのはとても楽しいです。
『魔女の宅急便』でオソノさんが「黒は女を美しく見せる」とおっしゃっていたのを思い出します。
(しかしわたしの描く話って女子率低いな… f^_^;)
*遣唐使のイラスト記事一覧はこちらです*
小学五年生のカズが、夏休み前のある夜、自宅の縁側からふらりと現れた着物姿の女の子を
目撃するところからお話が始まります。
彼女は信夫あかりという名で、カズの学校のクラスにもするりと溶け込んでいて、
クラスメイトたちも前から彼女を知っているようで、カズだけが彼女を知らないのでした。
たてわり学級での昔の町名調べがきっかけで、
自分の家のあたりが「帰命寺横丁」と呼ばれていたことを知ったカズは調査を始めます。
横丁の由来を聞くために訪ねたお年寄りたちは、何故か一癖も二癖もあり
逆にカズから何かを聞きたがっている様子。
その後、カズの祖父から帰命寺のことを託されていた、伯父の順一さんに話を聞いて
カズは自分の家がかつて帰命寺だったことを知ります…。
柏葉さんの書くストーリーは、話が進むごとにどんどんすごい展開になっていくことが
多いのですけど、この本もそんな感じでした。
どうやって終わるのか予想もつかない、でも続きは気になる、麻薬みたいな本だと思う。
途中まで夢中で読んでいて、ハッと我に返ってページ残数を見たらあと数ページしかなくて
「えっこれ本当に終わるの?」って思った。無事に終わったけど(^_^;)。
(あと、今が「あの日」の後だからか、ああいう終わり方で良かったとも思ってます)
カズはわりと引っ込み思案で、みんなといる時も口数が多いほうではないのですけど
気になることは興味を持ってきちんと調べる子なのだなぁと思いました。
(調査も決して要領が良いわけじゃなく、おっかなびっくりなところがまた微笑ましい)
帰命寺のことを調べながら、心のどこかであかりのことを考えていて
あかりが「帰ってきた人」なんじゃないかと思い始めたあたりから
俄然生き生きしてきたと思う。
あかりも、普段はあまりしゃべらない子なのですが
カズと逆の意味で戸惑っていたことが判明してからは、何となく雰囲気が変わってきた感じかな…。
あと、カズの友達の裕介がいいヤツで、たまに奇妙なことを言うカズにも
(いや、カズにとってはかなり真剣なことなんだけど)
何も言わずに付き合ってくれたりします。友情だなぁ~。
水上のおばあちゃんは、口調がきつくて、頭がよくて、性格悪くて、背筋がピッと伸びていて
その辺りがものすごく「柏葉さんの書くおばあちゃん」だなぁという気がしました。
彼女が言った「時間をあとでもらえるなんて不公平だわ」という言葉が
ものすごい伏線になっていたことに気づいたのは2度目を読み返してからですが、
その頃にはもう、このおばあちゃんのことが大好きになっていて
こういうところも、やっぱり柏葉さんの本だなぁと思ってしまう。
後半は劇中小説の『月は左にある』にドキドキしました。
展開としては王道ファンタジーで、魔女と少女が対決するストーリーでした。
一生懸命なアディがいとしくて、石の鳥はものすごく怖かった。
(グロいとか気持ち悪いとかじゃなく、顔は笑っているのに目が笑っていないとか
文章から表情を想像しようとしてもできないとか、そういう怖さかも)
あと、オオカミの牙のたくましさと力強さにグッときました。ステキな人~☆
『月は左にある』を原稿で読んでいたカズが、最後のページを裕介に手渡そうとしたとき、
裕介が手だけで待てと言って、カズが無言で待つ、という描写が
何だかとても絵になると思ってしまった。
だからどうということでもない、本当にさらっとしたシーンなんだけども。
本日のお絵かき↓

ハロウィン仕様の由利ちゃんと阿倍内親王。
去年のハロウィン絵が男の子たちだったので、今年は女の子たちです。
ハロウィンといえばジャック・オー・ランタン、ジャックといえばオレンジ!!
ということで、オレンジと黒でまとめてみました。
わたしの描く人たちは、その時代設定から黒髪が多いため、黒服を着せると真っ黒になってしまうので
普段はあまりこうした服は描かないのですが、
たまにこうして、黒で服を塗るのはとても楽しいです。
『魔女の宅急便』でオソノさんが「黒は女を美しく見せる」とおっしゃっていたのを思い出します。
(しかしわたしの描く話って女子率低いな… f^_^;)
*遣唐使のイラスト記事一覧はこちらです*
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