
七福神シリーズラストです~。弁才天。
弁財天とも書きますがここは古い表記で。
琵琶は、わたしの好きな東大寺正倉院所蔵の「螺鈿紫檀五絃琵琶」を参考にしました。
彼女はもともとインドの川の神様がモデルになっているとかで、
日本でも水に近い場所に祭られていることが多いそうです。
水といえば蛇、ということで白蛇さんとのツーショットで描いてみました。
蛇は、最初は神様のお使いらしく、ちょっとコワモテっぽく描こうと思っていたのですが
途中で気が変わってほんわか顔にしました(笑)。
白蛇が、この国の寺社やアジアの国々では瑞兆のしるしとされているのを思い出したので。。
蛇に限らず、白い動物もしくは白をまとう動物は昔から縁起が良いとされることが多いですね。
例えば先日描いた大黒天は、白いネズミを従えた姿で描かれることがしばしばあります。
あと、釈迦が乗っている象も白象だし、仏像の台座になっている蓮の花も白だ。
(「泥中の蓮」ということわざもあるくらいだし)
中国では、四神に白虎がいるほか、白蛇が帝の出現を予知する生き物とされています。
聖書に出てくる蛇は悪者ですが、天使は白い翼に白い衣装を着ています。
ギリシャや北欧神話の神様たちも白い衣装だし…。
(あと、瑞兆とはちょっと違うかもだけどモービィ・ディックなんていうのもいますな)
いわゆる高貴な人々や神様たちの周囲に白が存在するというのは、
白が不可侵性というか、濁りのなさを連想させる色だからなのかもしれません。
逆に彼らが危機的状況にあるときは、周囲に影響が出ることもありますね。
「ルシファーが天界から落とされたとき、ルシファーを嫌って陸地が北へ逃げてしまったので
南半球はほとんど海になってしまった」という話が西洋にあったかと思います。
「動物のことばがわかる頭巾を手に入れた若者が
『長者の娘が病気で寝込んでいるのは、屋根裏に1匹の白蛇が挟まって動けなくなっているから』と
カラスや木が話しているのを聞いて、白蛇を助けて娘の病気を治した」というのは
『聴耳頭巾』のひとこまだったっけ。
そして、そういう生き物というのはたいてい、
どんなに傷ついても血を流してもなお輝きを失わないようなイメージが個人的にあります。
別に血塗られた何とかとか、おどろおどろしいのではなくて
麒麟やワルキューレや黙示録の殺戮の天使に代表されるような、
血が彼らを汚すことは決してないというか、何をもってしても侵しがたい存在とか、そんな感じ…。
うまく言えないんだけど。
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