絢爛たる双璧。
「『あなかしこ、このわたりに若紫やさぶらふ』と、うかがひたまふ」
(紫式部日記・1008年11月1日)
これを書いたときの紫の気持ちを考えて、夜も眠れなくなることがあります。
(嘘です気がついたらいつの間にか寝オチしています)
紫式部日記は、彼女が物語の書き手というせいもあるのでしょうけど
妙に文学ちっくな日記だなぁと思う。
自分が考えたことを書いたというよりも、小説のト書きを読んでいるような気分になってきます。
(書き出しから前半部分はとみにそんな感じがする。
彰子の出産を細かく記録しておきたい気持ちもあったのかもしれない)
あと、『枕草子』に比べて何となく内向的な日記だと感じるのは、花鳥風月よりも
人間観察や人物評に筆を割いているからじゃないかと思う。
(花鳥風月が書かれていないという意味ではありません。念のため)
特に日記後半はその傾向が顕著で、自分の好き嫌いがだんだん出てきて
前半のト書きのような文章はどこ行ったの~という感じになってくるのが、また面白いです。
感情を隠しているようで、実は全然隠し切れていない、の典型例だと思います(笑)。
ひとつのことを考え出すと、思考が尽きるまで考えて
あふれる思いをどうにかこうにか押さえて書きつける人だったんじゃないかな…。
で、結果的に感情の見え隠れする文章につながっていくというか。
逆に清少納言は、感情をセーブできる人なのだと思う。
人間観察(ものすごく手厳しく鋭い)もするけれど
花鳥風月や食べ物や着物や季節についての言葉もたくさん残しているから、
紫よりはのびのびとした人柄を感じさせるというか、
余裕のある人っぽいと昔から思っています。
(たぶん、お父さんの清原元輔のはっちゃけたような性格の影響もあると思う)
慇懃無礼じゃないですが、職場でニコニコ笑ってるけど腹の底では何を考えているかわからなくて
でも人当たりが良くて、気の利いた言葉が口からするっと出てくる感じ。
で、少納言が仕えていた藤原定子も、どうものんびりさんだったらしく、
『枕草子』に少納言が定子に苦言を呈する描写がひとつもないところをみると
2人はとても気の合う同士だったようです。
良いことだけ書いたのは定子が主人だから、という理由もあるのかもしれないけど
少納言は相手が誰であっても、好ましく思わなかった事・人のことを
草子の中で名前を出さずに、やんわりとユーモアたっぷりに皮肉る人ですから
定子のことはかなり気に入っていたんだろう。
紫も主人の藤原彰子とは、がっちり先生と生徒というよりは
お姉さんと妹みたいな雰囲気でおつき合いしていたらしい。
源氏物語の続きも、彰子に「書いて書いて!」とせがまれて書いたこともあるらしいのが
何とも微笑ましいです(*´w`*)。
後に藤原実資が彰子のことを「賢后」と評価していますけれど、
たぶん紫の教育が功を奏した部分もあるのではと思います。
仮にもし紫と少納言が同じ職場で働いていたら、デリケートな紫は
少納言の気の強さについていけないだろうな…。
赤染衛門か誰かが間にいないと悲惨なことになると思う(^ ^;)。
というか、2人を取り持つのは衛門じゃなきゃダメだよなぁ。
伊勢大輔じゃ荷が重そうだし、和泉式部だとかえってこじれそう。
友達にいたらいいなと思うのが清少納言で、同僚にいたらいいなと思うのが紫式部だとか、
そんなことを思う秋の夜長。
本日のお絵かき↓
※クリックで大きくなります
万聖節なので誰か聖人を描こう、ということで洗礼者ヨハネ。
「He was the lamp that burns and shines, and you were willing to rejoice for a while in his light.」
Johannes, act5 : 35
(彼は燃えて輝くともしび。あなた方はしばらくその光を喜び楽しもうとした)
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*
(紫式部日記・1008年11月1日)
これを書いたときの紫の気持ちを考えて、夜も眠れなくなることがあります。
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紫式部日記は、彼女が物語の書き手というせいもあるのでしょうけど
妙に文学ちっくな日記だなぁと思う。
自分が考えたことを書いたというよりも、小説のト書きを読んでいるような気分になってきます。
(書き出しから前半部分はとみにそんな感じがする。
彰子の出産を細かく記録しておきたい気持ちもあったのかもしれない)
あと、『枕草子』に比べて何となく内向的な日記だと感じるのは、花鳥風月よりも
人間観察や人物評に筆を割いているからじゃないかと思う。
(花鳥風月が書かれていないという意味ではありません。念のため)
特に日記後半はその傾向が顕著で、自分の好き嫌いがだんだん出てきて
前半のト書きのような文章はどこ行ったの~という感じになってくるのが、また面白いです。
感情を隠しているようで、実は全然隠し切れていない、の典型例だと思います(笑)。
ひとつのことを考え出すと、思考が尽きるまで考えて
あふれる思いをどうにかこうにか押さえて書きつける人だったんじゃないかな…。
で、結果的に感情の見え隠れする文章につながっていくというか。
逆に清少納言は、感情をセーブできる人なのだと思う。
人間観察(ものすごく手厳しく鋭い)もするけれど
花鳥風月や食べ物や着物や季節についての言葉もたくさん残しているから、
紫よりはのびのびとした人柄を感じさせるというか、
余裕のある人っぽいと昔から思っています。
(たぶん、お父さんの清原元輔のはっちゃけたような性格の影響もあると思う)
慇懃無礼じゃないですが、職場でニコニコ笑ってるけど腹の底では何を考えているかわからなくて
でも人当たりが良くて、気の利いた言葉が口からするっと出てくる感じ。
で、少納言が仕えていた藤原定子も、どうものんびりさんだったらしく、
『枕草子』に少納言が定子に苦言を呈する描写がひとつもないところをみると
2人はとても気の合う同士だったようです。
良いことだけ書いたのは定子が主人だから、という理由もあるのかもしれないけど
少納言は相手が誰であっても、好ましく思わなかった事・人のことを
草子の中で名前を出さずに、やんわりとユーモアたっぷりに皮肉る人ですから
定子のことはかなり気に入っていたんだろう。
紫も主人の藤原彰子とは、がっちり先生と生徒というよりは
お姉さんと妹みたいな雰囲気でおつき合いしていたらしい。
源氏物語の続きも、彰子に「書いて書いて!」とせがまれて書いたこともあるらしいのが
何とも微笑ましいです(*´w`*)。
後に藤原実資が彰子のことを「賢后」と評価していますけれど、
たぶん紫の教育が功を奏した部分もあるのではと思います。
仮にもし紫と少納言が同じ職場で働いていたら、デリケートな紫は
少納言の気の強さについていけないだろうな…。
赤染衛門か誰かが間にいないと悲惨なことになると思う(^ ^;)。
というか、2人を取り持つのは衛門じゃなきゃダメだよなぁ。
伊勢大輔じゃ荷が重そうだし、和泉式部だとかえってこじれそう。
友達にいたらいいなと思うのが清少納言で、同僚にいたらいいなと思うのが紫式部だとか、
そんなことを思う秋の夜長。
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