鏡の向こうの家は。
「11月4日は、アリスが自宅マントルピースの鏡から鏡の国に行った日」というのは
『鏡の国のアリス』冒頭でアリスが言った「ねぇキティ、あしたは何の日か知ってる?」という
セリフからわかるようになっています。
「わたし、男の子たちが焚き火の枝を集めるのを窓から見ていたの。枝はたくさん要るのよ。
とても寒くなって、雪が降ってきちゃったから、みんなひっこんじゃったけど。
あしたは焚き火を見に行けるわ」
(『鏡の国のアリス』第一章)
イギリス人ならこれを読んだだけでニヤリとするんだろうな(^ ^)。
焚き火というのは、11月5日のガイ・フォークス・デーの焚き火のことですね。
ガイ・フォークスはその昔、国会の爆破を企てて議事堂の地下に穴を掘っていたのですが、
事前に密告されて逮捕されてしまったおっちゃんです。
(ちなみに英語の「guy」は彼の名からきているらしい)
それ以来、イギリスでは毎年11月5日になると、
子どもたちがフォークスを象った人形を町中で引き回して焼き捨てる風習ができたとか。
それを踏まえて、アリスの「あしたは何の日か~」というセリフを見ると
この日は11月4日とわかるわけですな。。。
物語の冒頭に子どもたちの好きなガイ・フォークスのお祭を持ってくるあたり、
キャロル自身もあのお祭をすごく楽しんでいたのかもしれません。
そういえば、キャロルが講師をしていたオックスフォード大学のクライスト・チャーチ寮では
今でも毎年ガイ・フォークスの日がくると派手に焚き火をしたり花火を上げたりするそうな。
物語のラストには、アリスがお祭に出かける様子は特に書かれてはいないのですけど、
↑のセリフを見る限りは、かなり楽しみにしているっぽいから
きっと鏡の国から帰ってきた後、コートを羽織って出かけて行ったんじゃないかと思う。
ところで『鏡の国のアリス』は冬の暖炉の前からお話が始まりますが、
前作『不思議の国のアリス』は夏の昼下がりから始まっています。
ちなみにルイス・キャロルがリデル家のお嬢さんたちに『不思議の国~』を
語って聞かせたのは真夏のテームズ川の舟の上で、
その後何年もかけて『鏡の国のアリス』を書いて出版したのが
年の暮れ、つまり冬だったそうで、こういうところも面白いなぁと思います。
また、『不思議の国~』が、地続きのない、夢を見るようなストーリーであるのに対して
『鏡の国~』にはチェスのルールが適用されて、ある程度は理路整然としているのも
(キャロルが数学教師だったことも影響しているのかな)
なかなか印象的なものです。
おそらく、テームズ川で『不思議の国~』を語ったときには幼かったガールフレンドたちが
『鏡の国~』を出版する頃には大人になっていたからだろう、という内容の解説が
わたしの手持ちの本に載っていました。
しかし両作品に出てくる女王様はなぜああもおっかないのだ…。
メアリー・スチュアートがモデルになっているとはいえ。
『鏡の国~』の中盤でアリスがハンプティ・ダンプティに
「あなたはなぜ、塀の上にひとりで座っているの」と尋ねたとき、
ハンプティが「なぜって、他に誰もいないからさ。
そんな簡単ななぞなぞに答えられない俺様とでも思ったかい」と言い返すのが、
何度読んでも「なるほど」と納得してしまいます。
さすが、ナーサリーライムのなぞなぞ歌に歌われているだけのことはあるなと(笑)。
あと、アリスに出てくる人たちってだいたい俺様キャラだけど、
彼ほど俺様という一人称が似合う人もいないような気がする。
本日のお絵かき↓
※クリックで大きくなります
『鏡の国のアリス』より、アリスとキティ。お揃いでピンクのリボンをつけてみました。
物語の冒頭で、毛糸玉にじゃれつくキティがものすごくかわいいと思ってます(*´∀`*)。
黒猫いとしいよ黒猫。
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*
『鏡の国のアリス』冒頭でアリスが言った「ねぇキティ、あしたは何の日か知ってる?」という
セリフからわかるようになっています。
「わたし、男の子たちが焚き火の枝を集めるのを窓から見ていたの。枝はたくさん要るのよ。
とても寒くなって、雪が降ってきちゃったから、みんなひっこんじゃったけど。
あしたは焚き火を見に行けるわ」
(『鏡の国のアリス』第一章)
イギリス人ならこれを読んだだけでニヤリとするんだろうな(^ ^)。
焚き火というのは、11月5日のガイ・フォークス・デーの焚き火のことですね。
ガイ・フォークスはその昔、国会の爆破を企てて議事堂の地下に穴を掘っていたのですが、
事前に密告されて逮捕されてしまったおっちゃんです。
(ちなみに英語の「guy」は彼の名からきているらしい)
それ以来、イギリスでは毎年11月5日になると、
子どもたちがフォークスを象った人形を町中で引き回して焼き捨てる風習ができたとか。
それを踏まえて、アリスの「あしたは何の日か~」というセリフを見ると
この日は11月4日とわかるわけですな。。。
物語の冒頭に子どもたちの好きなガイ・フォークスのお祭を持ってくるあたり、
キャロル自身もあのお祭をすごく楽しんでいたのかもしれません。
そういえば、キャロルが講師をしていたオックスフォード大学のクライスト・チャーチ寮では
今でも毎年ガイ・フォークスの日がくると派手に焚き火をしたり花火を上げたりするそうな。
物語のラストには、アリスがお祭に出かける様子は特に書かれてはいないのですけど、
↑のセリフを見る限りは、かなり楽しみにしているっぽいから
きっと鏡の国から帰ってきた後、コートを羽織って出かけて行ったんじゃないかと思う。
ところで『鏡の国のアリス』は冬の暖炉の前からお話が始まりますが、
前作『不思議の国のアリス』は夏の昼下がりから始まっています。
ちなみにルイス・キャロルがリデル家のお嬢さんたちに『不思議の国~』を
語って聞かせたのは真夏のテームズ川の舟の上で、
その後何年もかけて『鏡の国のアリス』を書いて出版したのが
年の暮れ、つまり冬だったそうで、こういうところも面白いなぁと思います。
また、『不思議の国~』が、地続きのない、夢を見るようなストーリーであるのに対して
『鏡の国~』にはチェスのルールが適用されて、ある程度は理路整然としているのも
(キャロルが数学教師だったことも影響しているのかな)
なかなか印象的なものです。
おそらく、テームズ川で『不思議の国~』を語ったときには幼かったガールフレンドたちが
『鏡の国~』を出版する頃には大人になっていたからだろう、という内容の解説が
わたしの手持ちの本に載っていました。
しかし両作品に出てくる女王様はなぜああもおっかないのだ…。
メアリー・スチュアートがモデルになっているとはいえ。
『鏡の国~』の中盤でアリスがハンプティ・ダンプティに
「あなたはなぜ、塀の上にひとりで座っているの」と尋ねたとき、
ハンプティが「なぜって、他に誰もいないからさ。
そんな簡単ななぞなぞに答えられない俺様とでも思ったかい」と言い返すのが、
何度読んでも「なるほど」と納得してしまいます。
さすが、ナーサリーライムのなぞなぞ歌に歌われているだけのことはあるなと(笑)。
あと、アリスに出てくる人たちってだいたい俺様キャラだけど、
彼ほど俺様という一人称が似合う人もいないような気がする。
本日のお絵かき↓

『鏡の国のアリス』より、アリスとキティ。お揃いでピンクのリボンをつけてみました。
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