御容貌に思ひよそへつつ。

というわけで行ってきました~☆目黒雅叙園の「百段階段×源氏物語」展。
あー何もかもが華やかで艶やかで眼福だった!
会期ギリギリだったのですが、夕方に行ったら結構すいていてゆっくり見られました。
雅叙園に入ってすぐのロビーに、
『源氏物語』の「紅葉賀」で源氏と頭中将が青海波を舞う場面を再現したジオラマがありました。
京都の風俗博物館から出張してきていたようです。人形さんたち超かわいかった(*´∀`*)♪

会場入口にはこんな人たちがいました。特に誰とは書いてありませんでしたが、誰なのかな。
たたずまいがエレガントです☆
(ところでどうでもいい余談ですけど、ここに来るまでに乗ってきたエレベーターの扉や内装が
ロココ調でものすごく派手で、
対して会場入口の↑は、全然派手に見えないのに贅を尽くしていて華やかさがある、というのが
何とも対照的で、それでいて違和感なく収まっているのが面白いなぁと思いました)
現在公開中の映画で衣装デザインを担当された宮本まさ江氏プロデュースの衣装が
階段に隣接する7つの部屋に所狭しと展示されています。
季節感とか有職故実とかも反映されてはいるけど、
最終的には「その人っぽさ」で作られている衣装が多かったように思いました。
どれも、見ながら「うんこの人こういうの着てそう」ってうなずいてばかりだった。
物語の人物と実在の人物では、衣装の雰囲気が明らかに違っていたのも面白かったです。
光源氏の衣装がどことなくふわふわした印象があるのに対して、
藤原道長や紫式部の衣装はくっきりと輪郭線が見えるような印象でした。
布地や刺繍にはっきり差があるというか…。
あれだ。映画『おもひでぽろぽろ』で、思い出編が淡い色で描かれているのに対して
現代編が人物も背景もはっきりした色で表現されているとか、そんな感じ。
印象に残ったのは藤原さんちの道長さん。存在感がハンパないです(笑)。
十畝と星光の間の2箇所にいたけど、どちらも彼がいちばん自己主張してましたよ。
特に十畝の間にいた彼が座ってた敷物ったら、「オレはここにいるぜ」オーラがばんばん出てた。
黒地に金糸って目立つよな…。
その隣に紫式部がいたのですが、彼女は藤が刺繍された白い着物を着ていました。
白地の下から紫の着物の色が透けて見えて美しかったですね。
彰子は桜色に大きな花の刺繍がされたかわいらしい感じの着物を着ていました。
あと、安倍清明が白い衣装なのはあれですか、野村萬斎氏の影響ですか(^ ^;)。
(公開中の映画の後半だと、一応、彼がキーポイントなのですよね確か)
物語の人たちの衣装も負けずに華やかです。
葵の上の衣装が特に美しかったー☆
おとなしい柄なのに、よく見るとかなり贅沢な布を使っているのがわかってヒョエーと思いました。
一見しただけではわからないのが、この手の衣装の奥深さなんだよなぁ。
重ねている着物の数も、紫式部や御息所や夕顔に比べてぐんと多いです。
思わず何枚着てるか数えるという、酔っぱらった藤原実資のようなことをしてしまった。。
六条御息所の衣装の背中のクモの巣がめっちゃリアルでどきりとします。
こんな人がリアルで出てきたら源氏じゃなくても圧倒されちゃうよ…。
夕顔は想像していたのとだいたい同じでしたね~。近侍していた童もかわいかったです。
藤壺宮は、落ち着いた紫色の衣装でした。
源氏の衣装が最も多かったのは、さすがに主人公というところかもしれません。4人もいたし(笑)。
個人的に気に入ったのは、漁樵の間の源氏が着ていた黒の指貫。
なんというか、一番源氏らしい気がしました。
百段階段の各部屋そのものも、意匠が凝らされていて見応えがあります。
漁樵の間の、床の間の柱の浮き彫りには溜め息しか出なかった…。
こんな柱みたことない。
四方八方が鏑木清方の絵で埋め尽くされている清方の間も良かったですよー。
壁だけではなく欄間にも描いているそうな…どんだけ手間暇かけてるの…。
天井には花鳥風月や扇絵がいっぱい描かれていて、こちらもとても華やかでした。
あと、階段に足を踏み入れたとたんに空気がヒヤリとしたのが忘れられない。
それから、階段下にあったショップで猛烈にテンション上がりました!!
オリジナルデザインの狩衣とか帯とか売ってて、見てるだけで楽しかった~。
ススキにとんぼが舞う柄の帯と、藤の刺繍がある帯と
御息所のクモ柄スカーフはちょっと欲しかったです。
とどめは源氏香の帯止めだよ…!買いたかった…!しかし予算が足りなかった…!!
雅楽ストラップはうっかり買ってきましたけども。
あと、雅叙園に来たのが実は初めてだったので、本館も散策してきました。
すでに夕方5時を回っていてすっかり陽が落ちて、館内のあっちこっちに灯りがともっていました。
↓は宴会場入口の水場にあった扇と花車。


反対側にあった扇です。ひらひらきらきら。
「いづれも、劣りまさるけぢめも見えぬものどもなめるを、着たまはむ人の御容貌に思ひよそへつつたてまつれたまへかし。
着たる物のさまに似ぬは、ひがひがしくもありかし」
(『源氏物語』「玉鬘」より紫の上の言葉)
帰りの電車の中で、センター試験を終えた学生さんたちが興奮気味に答え合わせをしていて
あーがんばってきたんだなぁ…としみじみ思いました。
皆さん本当におつかれさまです。良い結果でありますように。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 ジャンル : 学問・文化・芸術
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