ドール・ドール・ドール。
前回記事の続き。原宿の太田記念美術館へ行ったあとは
目黒雅叙園の「人形師辻村寿三郎×平清盛」展へ行ってきました。
有形文化財である百段階段に連なる7つの部屋に、
辻村氏制作の平家の人たちの人形が雰囲気たっぷりに展示されています。
人形が1体いるだけでそこに世界がひとつできたみたいな感じがしました。
どれもすごい存在感だった。
辻村氏の作る人形は顔から何からすべて布製であるせいか、柔らかい雰囲気であたたかくて
さわるとすべすべしてそうな印象があります。(さわるの禁止だったけど)
ので、どの人々にも体温や吐息が感じられて見入ってしまいました。
一番多かったのは清盛ですね。お母さんと一緒の子ども時代、なまいきそうな顔をした少年時代、
佐藤義清(西行)と一緒に小さな崇徳天皇をあやす北面の武士時代など
色んな姿の清盛がいました。
(たぶんもう少し年を重ねた姿は後期展示に出てくるのだと思う)
忠盛はしっかりおじさんでしたが、若い頃もありましたよ~。
63歳白河天皇&15歳の忠盛とか…!うおおたぎる。
祗園女御は想像とだいたい同じでしたね~。
水売り女時代の女御が大原の早乙女みたいな格好をしていてかわいかったです☆
「讃岐に流されて怨霊になってしまった崇徳天皇を
懸命に鎮めようとする西行」の人形が何ともドラマチックで見とれた。
そこだけ世界のスケールが周りと全然違いました。人形のエネルギーが爆発してた。
崇徳と西行は仲が良かったと言われているので、こういう場面は切ないですな。。
黒い羽に覆われた姿の崇徳天皇の奥の方に、小さく、人間の格好をした天皇もいました。
良心というやつだろうか。
そう思って西行の顔を何気なく見たら、頬にニス(だよね?きっと)が塗られていて
そこだけ部屋のあかりが当たって光っていることに気がつきました。
たぶん涙じゃないかと思う。
平家の人々の他にも、空海や仏様や遊女や歌舞伎役者などの人形がいました。
お遍路中の空海のかわいさったらハンパないです。目がくりくりしていて金長狸みたいだった(*^ ^*)。
愛染明王の迫力がすごくて、小犬くらいの大きさなのに圧迫感を感じてしまった。。
これはお寺に奉納されても問題ないクオリティだと思う。
桓武天皇とその子どもたちもいました。
特にかわいかったのが神野親王(嵯峨天皇)。
下げ角髪から垂らしたぴんとはねていて、リンゴ色の頬で
すてきな笑顔をしていましたね~惚れてまうやろ。
遊女たちは太夫から禿までいて、文字通り花魁道中のような華やかさでした。
太夫の着物が一番地味に見えましたが、よく見ると一番豪華な布が使われていたような気がします。
一見、派手じゃないけど実は華やかっていうのが太夫ですよな~素敵だ☆
「暫」の団十郎は、ここに来る直前に太田記念美術館で清長の「暫図」を見てきたので
すぐにそれだとわかったのですが
二次元でもすごいインパクトだったのに、三次元になったらさらにインパクトあった。。
もはや起き上がり小坊師どころじゃないよ…これは達磨だよ…!!
ちょっとレトロな時代の着物女性たちと、現代の振袖を着た少女たちの展示もあって楽しかったです。
落ち着いてしっとりした着物と、華やかでゴージャスな着物、どっちもよいですな~。
丸盆に雪うさぎを乗せて持っている振袖の子がかわいかったので
ショップでポストカード買ってしまった☆
あと、すごく勉強になりました。
辻村氏は古着をほどいて人形用に仕立て直して人形たちに着せるそうですが、
模様の位置などにきちんと配慮していて、振袖や小紋や訪問着などの区別がつくように作られているのが
おおおお見習わなければあぁと思いました。。
レトロな女性たちが着ている着物とか、そのままサイズアップすれば着られそうだもの。すてき。
小さい頃から人形やぬいぐるみ遊びが好きだった身としては、
テンションがあがらずにはいられない展覧会でした。
和の人形いいよ!好きっ☆
※クリックで大きくなります
歌人シリーズ9。8はこちら。
夜勤中にひたすら食べて飲む人たち。
(忠岑が帰らないのは、貫之と一緒に物憂い顔の練習をしている間に月が沈んでしまったためです)
躬恒「でもあれだね、岑ちゃんの例もあるし、これからは、とっさのときに詠める力って必要かもしんないねえ」
忠岑「だなー。あーもっと何か読まなきゃなあ」
貫之「万葉集読めよ」
忠岑「でもあれ100年も前のじゃん。今のだよ今の。今様がどんなか知っとかなきゃ」
貫之「だったら、半年前に菅家がまとめたのがあるだろ」
忠岑「ああ、新撰か。あれお上が出し惜しみしてるんだもん、まだ写せてねぇよ」
貫之「友則に頼んでやろうか」
忠岑「ほんと!?ってか、友則さん、持ってんの!なんで!?」
貫之「あいつが大夫のお気に入りだからだよ」
忠岑「すっげー!」
躬恒「今わたしが借りて写してるから、終わったら貸すね。友則さんにはゆっきーから言ってもらお」
忠岑「よっしゃあああ、お礼に書き足して返そ!」
貫之「や・め・ろ」
貫之たちが青年期を過ごした9世紀後半は、文化の主流はほぼ漢詩でしたが
人々が集まって歌を詠み合う「歌合」もしばしば行われるようになった時代でした。
貫之も大学を出たときに歌合デビューを果たしています。
ちなみに…
菅家とは菅原道真のことで、その道真が編纂した歌集が『新撰万葉集』と言われています。
目黒雅叙園の「人形師辻村寿三郎×平清盛」展へ行ってきました。
有形文化財である百段階段に連なる7つの部屋に、
辻村氏制作の平家の人たちの人形が雰囲気たっぷりに展示されています。
人形が1体いるだけでそこに世界がひとつできたみたいな感じがしました。
どれもすごい存在感だった。
辻村氏の作る人形は顔から何からすべて布製であるせいか、柔らかい雰囲気であたたかくて
さわるとすべすべしてそうな印象があります。(さわるの禁止だったけど)
ので、どの人々にも体温や吐息が感じられて見入ってしまいました。
一番多かったのは清盛ですね。お母さんと一緒の子ども時代、なまいきそうな顔をした少年時代、
佐藤義清(西行)と一緒に小さな崇徳天皇をあやす北面の武士時代など
色んな姿の清盛がいました。
(たぶんもう少し年を重ねた姿は後期展示に出てくるのだと思う)
忠盛はしっかりおじさんでしたが、若い頃もありましたよ~。
63歳白河天皇&15歳の忠盛とか…!うおおたぎる。
祗園女御は想像とだいたい同じでしたね~。
水売り女時代の女御が大原の早乙女みたいな格好をしていてかわいかったです☆
「讃岐に流されて怨霊になってしまった崇徳天皇を
懸命に鎮めようとする西行」の人形が何ともドラマチックで見とれた。
そこだけ世界のスケールが周りと全然違いました。人形のエネルギーが爆発してた。
崇徳と西行は仲が良かったと言われているので、こういう場面は切ないですな。。
黒い羽に覆われた姿の崇徳天皇の奥の方に、小さく、人間の格好をした天皇もいました。
良心というやつだろうか。
そう思って西行の顔を何気なく見たら、頬にニス(だよね?きっと)が塗られていて
そこだけ部屋のあかりが当たって光っていることに気がつきました。
たぶん涙じゃないかと思う。
平家の人々の他にも、空海や仏様や遊女や歌舞伎役者などの人形がいました。
お遍路中の空海のかわいさったらハンパないです。目がくりくりしていて金長狸みたいだった(*^ ^*)。
愛染明王の迫力がすごくて、小犬くらいの大きさなのに圧迫感を感じてしまった。。
これはお寺に奉納されても問題ないクオリティだと思う。
桓武天皇とその子どもたちもいました。
特にかわいかったのが神野親王(嵯峨天皇)。
下げ角髪から垂らしたぴんとはねていて、リンゴ色の頬で
すてきな笑顔をしていましたね~惚れてまうやろ。
遊女たちは太夫から禿までいて、文字通り花魁道中のような華やかさでした。
太夫の着物が一番地味に見えましたが、よく見ると一番豪華な布が使われていたような気がします。
一見、派手じゃないけど実は華やかっていうのが太夫ですよな~素敵だ☆
「暫」の団十郎は、ここに来る直前に太田記念美術館で清長の「暫図」を見てきたので
すぐにそれだとわかったのですが
二次元でもすごいインパクトだったのに、三次元になったらさらにインパクトあった。。
もはや起き上がり小坊師どころじゃないよ…これは達磨だよ…!!
ちょっとレトロな時代の着物女性たちと、現代の振袖を着た少女たちの展示もあって楽しかったです。
落ち着いてしっとりした着物と、華やかでゴージャスな着物、どっちもよいですな~。
丸盆に雪うさぎを乗せて持っている振袖の子がかわいかったので
ショップでポストカード買ってしまった☆
あと、すごく勉強になりました。
辻村氏は古着をほどいて人形用に仕立て直して人形たちに着せるそうですが、
模様の位置などにきちんと配慮していて、振袖や小紋や訪問着などの区別がつくように作られているのが
おおおお見習わなければあぁと思いました。。
レトロな女性たちが着ている着物とか、そのままサイズアップすれば着られそうだもの。すてき。
小さい頃から人形やぬいぐるみ遊びが好きだった身としては、
テンションがあがらずにはいられない展覧会でした。
和の人形いいよ!好きっ☆

歌人シリーズ9。8はこちら。
夜勤中にひたすら食べて飲む人たち。
(忠岑が帰らないのは、貫之と一緒に物憂い顔の練習をしている間に月が沈んでしまったためです)
躬恒「でもあれだね、岑ちゃんの例もあるし、これからは、とっさのときに詠める力って必要かもしんないねえ」
忠岑「だなー。あーもっと何か読まなきゃなあ」
貫之「万葉集読めよ」
忠岑「でもあれ100年も前のじゃん。今のだよ今の。今様がどんなか知っとかなきゃ」
貫之「だったら、半年前に菅家がまとめたのがあるだろ」
忠岑「ああ、新撰か。あれお上が出し惜しみしてるんだもん、まだ写せてねぇよ」
貫之「友則に頼んでやろうか」
忠岑「ほんと!?ってか、友則さん、持ってんの!なんで!?」
貫之「あいつが大夫のお気に入りだからだよ」
忠岑「すっげー!」
躬恒「今わたしが借りて写してるから、終わったら貸すね。友則さんにはゆっきーから言ってもらお」
忠岑「よっしゃあああ、お礼に書き足して返そ!」
貫之「や・め・ろ」
貫之たちが青年期を過ごした9世紀後半は、文化の主流はほぼ漢詩でしたが
人々が集まって歌を詠み合う「歌合」もしばしば行われるようになった時代でした。
貫之も大学を出たときに歌合デビューを果たしています。
ちなみに…
菅家とは菅原道真のことで、その道真が編纂した歌集が『新撰万葉集』と言われています。
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