このごろ三都に流行るもの。
府中市美術館の「三都画家くらべ-京・大坂をみて江戸を知る」展に行ってきました。
この美術館は一定の周期で江戸時代の絵画展をやってくれるので
毎回展示スケジュールの発表が楽しみで仕方ありません~。
お客さんが少ないのでゆっくり見られましたが、
かなり内容のいい展覧会なのでもっと混んでもいいような気がする…。
きたれ江戸絵画の波。
展示のトップバッターが西川祐信の「竜田川畔美人図」でした☆
もう遠目からでも祐信の絵ってわかって吸い寄せられてしまう身が悲しいですな。
後期展示にしか出ない彼の絵が見たくて後期を見に来たと言っても過言ではないので
絵の前でしばらく立ち止まってしまいましたとも…。
祐信の絵は2枚ありまして、どちらもカラーの肉筆画でした。
ああ相変わらずなんて高貴な雰囲気なんだ…☆
ひとりの女性が赤い着物を着て、川辺にゆるりと立つ姿が描かれているのですが
筆遣いが細くしなやかなので、立ち姿や仕草が優雅!
なんかドキドキしてしまいますよ。
「紅葉狩之図」は、女性たちが紅葉狩りをしているところに侍が通りかかり、
少女が声をかけているというものでした。
たまたま通りかかった侍を少女が誘ったのか、それとも女性たちと知り合いだったのか
色々想像がかきたてられてこちらもしばらくボーっと見つめてしまいました。
祐信は日本画や浮世絵の他に古典を研究した人でもありましたから、
描く絵はだいたい雅な絵になるのですよね~。
題材も古典とか年中行事とか、いわゆる伝統から得たものが多いような気がします。
しかし先達に学んでいるとはいえ、絵には当時の京都の風俗をうまく混ぜているから
やっぱり日本画というよりは浮世絵ジャンルなのだよなーこの人。
日本画の安定に浮世絵の新しさが組み込まれた祐信クオリティ、さすがです。
もしドラえもんの絵本入りこみ靴がリアル化されて、どこかの絵に入れるとしたら
祐信の絵がいいなと思ってる。
そして祐信の影響ときたらその後の絵師たちにばっちり出ているわけでね…。
応挙が祐信に会いに行った記録はなさそうですが、
応挙の青年期は祐信の晩年だし、同じ京都に住んでいたし、もしかしたら会ってたかもしれない。
雪鼎は確実に祐信の絵を見てるから大坂から会いに行ってたかもしれないし。
そうなると雪鼎と応挙も会ってるかニアミスしてるかもしれないし。
蕭白とか、大雅とか、若冲とか、蘆雪とか、
みんな祐信と微妙に時期かぶってて京都人だからなー会っていたら面白いなあ。
(そういえば蕭白は雪鼎の弟弟子だから、
雪鼎から祐信の話をさんざん聞かされまくってうんざりしていたかもしれない。モダモダ)
年表を見て微妙に寿命や活動時期が重なっていたりするのを発見して
絵師たちの交流やニアミスを妄想するのが以前から好きです。
うおぉ夢が広がるー!
他に今回見ていて気になったのは…
探幽の富士山図の淡い色遣いを見て、あーこの人相変わらずだなって思った。
必要最低限の色で描く人なんだよな…なんでこんな絵描けるんだろうな…。
英一蝶が描いた滝に打たれる不動明王の体が青い色をしていて、ちょっと新鮮でした。
そして国芳の金魚づくし!いつ見てもかわいい~(*´∀`*)
佐藤魚大の閻魔図が、顔かたちはいかめしいのに目がギョロ目というフリーダムさ。
こんな閻魔様なら裁かれてみたい。
応挙の小犬がとにかくかわいくて抱きしめたくなりました。
どう見てもコロコロフワフワでめんこい。あれはもこもこしているに違いない!
雪鼎の「見立牡丹花肖柏図」の遊女が見るからに祐信美人で笑ってしまったのだけれど、
牛を引く童の顔がリアルに描かれていてちょっと面白かった。
若冲の「垣豆群虫図」は動植綵絵に加えてもいいようなクオリティでした。
だいぶ生々しいけど群魚図あたりと一緒に並べれば違和感ないよきっと…。
水墨画のニワトリにも感動したのですが、
ニワトリの頭上に描かれた梅の木にもっと感動した。一筆描き…!枝に見える…!!
蘆雪の龍虎図が、無量寺にある龍虎襖の雰囲気そのまんまだった(笑)。
以前にMIHO美の蘆雪展でその襖を見たのを思い出して何だか懐かしくなりました。
蘆雪・応挙・応震の「楚蓮香図」くらべはすごく良かったなー。
そして蕭白の虎図ひどすぎ(笑)。仙人も美人も動物もみんなこんな感じですねー彼は。
美術は、特に絵は本物を見ると筆跡がわかるので嬉しい&楽しいです。
実際に見比べてみて、江戸の絵師は粋で、京都の絵師は優雅で、大坂の絵師は明るく元気な感じがしました。
この時代の人たちの絵は筆遣いが本当にいいですね。元気で。(蕭白は違う意味でですが…)
そういえば明日はサン・ジョルディの日だ。
※クリックで大きくなります
歌人シリーズ11。10はこちら。
宿直が終わって帰路につく3人。陽はだいぶ昇り、すっかり明るくなりました。
気持ちのいい朝です。
躬恒「あー晴れた晴れた。いい天気だ」
貫之「やっと春らしくなってきたな」
躬恒「昨日まで寒かったもんね。…山高み雲居に見ゆる桜花心のゆきてをらぬ日ぞなき」
貫之「いいな」
躬恒「えへへー」
忠岑「眠ぃー超眠い。倒れそう」
貫之「仮眠とらずに付き合うからだろ。どうでもいいが、帰ったら寝る前に北の方と仲直りしろよ」
忠岑「うー」
忠岑が持っている包みは、宿直中に食べていた唐菓子の余りです。奥さんへのお土産。
この美術館は一定の周期で江戸時代の絵画展をやってくれるので
毎回展示スケジュールの発表が楽しみで仕方ありません~。
お客さんが少ないのでゆっくり見られましたが、
かなり内容のいい展覧会なのでもっと混んでもいいような気がする…。
きたれ江戸絵画の波。
展示のトップバッターが西川祐信の「竜田川畔美人図」でした☆
もう遠目からでも祐信の絵ってわかって吸い寄せられてしまう身が悲しいですな。
後期展示にしか出ない彼の絵が見たくて後期を見に来たと言っても過言ではないので
絵の前でしばらく立ち止まってしまいましたとも…。
祐信の絵は2枚ありまして、どちらもカラーの肉筆画でした。
ああ相変わらずなんて高貴な雰囲気なんだ…☆
ひとりの女性が赤い着物を着て、川辺にゆるりと立つ姿が描かれているのですが
筆遣いが細くしなやかなので、立ち姿や仕草が優雅!
なんかドキドキしてしまいますよ。
「紅葉狩之図」は、女性たちが紅葉狩りをしているところに侍が通りかかり、
少女が声をかけているというものでした。
たまたま通りかかった侍を少女が誘ったのか、それとも女性たちと知り合いだったのか
色々想像がかきたてられてこちらもしばらくボーっと見つめてしまいました。
祐信は日本画や浮世絵の他に古典を研究した人でもありましたから、
描く絵はだいたい雅な絵になるのですよね~。
題材も古典とか年中行事とか、いわゆる伝統から得たものが多いような気がします。
しかし先達に学んでいるとはいえ、絵には当時の京都の風俗をうまく混ぜているから
やっぱり日本画というよりは浮世絵ジャンルなのだよなーこの人。
日本画の安定に浮世絵の新しさが組み込まれた祐信クオリティ、さすがです。
もしドラえもんの絵本入りこみ靴がリアル化されて、どこかの絵に入れるとしたら
祐信の絵がいいなと思ってる。
そして祐信の影響ときたらその後の絵師たちにばっちり出ているわけでね…。
応挙が祐信に会いに行った記録はなさそうですが、
応挙の青年期は祐信の晩年だし、同じ京都に住んでいたし、もしかしたら会ってたかもしれない。
雪鼎は確実に祐信の絵を見てるから大坂から会いに行ってたかもしれないし。
そうなると雪鼎と応挙も会ってるかニアミスしてるかもしれないし。
蕭白とか、大雅とか、若冲とか、蘆雪とか、
みんな祐信と微妙に時期かぶってて京都人だからなー会っていたら面白いなあ。
(そういえば蕭白は雪鼎の弟弟子だから、
雪鼎から祐信の話をさんざん聞かされまくってうんざりしていたかもしれない。モダモダ)
年表を見て微妙に寿命や活動時期が重なっていたりするのを発見して
絵師たちの交流やニアミスを妄想するのが以前から好きです。
うおぉ夢が広がるー!
他に今回見ていて気になったのは…
探幽の富士山図の淡い色遣いを見て、あーこの人相変わらずだなって思った。
必要最低限の色で描く人なんだよな…なんでこんな絵描けるんだろうな…。
英一蝶が描いた滝に打たれる不動明王の体が青い色をしていて、ちょっと新鮮でした。
そして国芳の金魚づくし!いつ見てもかわいい~(*´∀`*)
佐藤魚大の閻魔図が、顔かたちはいかめしいのに目がギョロ目というフリーダムさ。
こんな閻魔様なら裁かれてみたい。
応挙の小犬がとにかくかわいくて抱きしめたくなりました。
どう見てもコロコロフワフワでめんこい。あれはもこもこしているに違いない!
雪鼎の「見立牡丹花肖柏図」の遊女が見るからに祐信美人で笑ってしまったのだけれど、
牛を引く童の顔がリアルに描かれていてちょっと面白かった。
若冲の「垣豆群虫図」は動植綵絵に加えてもいいようなクオリティでした。
だいぶ生々しいけど群魚図あたりと一緒に並べれば違和感ないよきっと…。
水墨画のニワトリにも感動したのですが、
ニワトリの頭上に描かれた梅の木にもっと感動した。一筆描き…!枝に見える…!!
蘆雪の龍虎図が、無量寺にある龍虎襖の雰囲気そのまんまだった(笑)。
以前にMIHO美の蘆雪展でその襖を見たのを思い出して何だか懐かしくなりました。
蘆雪・応挙・応震の「楚蓮香図」くらべはすごく良かったなー。
そして蕭白の虎図ひどすぎ(笑)。仙人も美人も動物もみんなこんな感じですねー彼は。
美術は、特に絵は本物を見ると筆跡がわかるので嬉しい&楽しいです。
実際に見比べてみて、江戸の絵師は粋で、京都の絵師は優雅で、大坂の絵師は明るく元気な感じがしました。
この時代の人たちの絵は筆遣いが本当にいいですね。元気で。(蕭白は違う意味でですが…)
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