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浮わりと生きませう。

2013.07.12 23:55|文化・美術
浮わ浮わ。
先週、四谷怪談を見る前に三菱一号館美術館に行って
「浮世絵 Floating World-珠玉の斎藤コレクション」を観てきました。
会期は1期~3期に分かれ、それぞれ浮世絵誕生、北斎・広重、江戸から東京への3つがテーマ。
2期3期も気になりますが、わたしがどうしても見たかったのは1期。
だってよくある浮世絵の展覧会って北斎や広重や国芳が多くて
江戸初期の浮世絵が見られる機会ってあまりないんだもの~。
そんなわけで1期のレポをお届けします(´∀`)。

展覧会のキャッチコピー「浮わりと生きませう」がキュンときたので記事タイトルに採用。
なんて浮世絵にぴったりなコピーなのか。

第1期は浮世絵の誕生から全盛期までの軌跡をたどります。
菱川師宣から西村重長、鳥居清倍、奥村政信、鈴木春信、磯田湖龍斎、
鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、鳥文斎栄之、歌川豊春、勝川春章などが紹介されています。

まずは浮世絵が白黒や紅絵だった江戸初期から。
多いのはやっぱり菱川師宣ですね~。
師宣は「見返り美人図」が有名で、絵本の挿絵や屏風絵もたくさん描いていますが
今回の展示はほとんど墨絵。
版画の線も太くて力強いのがこの時代の浮世絵の特徴ですな。
奥村政信や鳥居清倍の頃になると、役者絵の顔に紅をさしたり衣装に黄色や綠が入りますが
まだフルカラーにはほど遠い感じ。
それでも、絵の中の人々は生き生きしています。
鳥居派の役者絵はよいね~。ギョロ目ひんむいて見得を切ってる。もはやグリ目。

次の展示室は錦絵誕生、もとい、鈴木春信部屋(´▽`)☆
部屋の真ん中に立って360度ぐるりと春信の絵に囲まれるこの幸福感よ。
きゃー春信がいっぱい、春信がいっぱい、どうしよう~~~春信がいっぱい!
黒や紅一色だった浮世絵がフルカラーの錦絵になった時代ですよ~。
江戸中がびっくりの時代ですよ~。
春信の「風流やつし七小町」がフルセットで見られるのも今展示の目玉ですね。
画集でしか見たことがなかった七小町が、目の前に、ナマ絵が目の前に!
わあああんかわいいよ~。
落書きの手紙もってる男の子かわいい、清水詣する女の子カップルかわいい、関寺の母子かわいい、
耳打ちで内緒話するおねえさんと妹かわいい、どうしようみんなかわいいっ!
春信の魅力に取りつかれて久しいですが、
やっぱり現物はいいですね。版画のぬくもりがダイレクトにわかって。
特に春信は柔らかく細いタッチなので
ふわふわ美しく、夢のような世界がそこにあっていつまででも浸っていたいです。
ぴゃー春信大好きだー。

やがて技術が発展してくると、錦絵の色遣いに深みが出てきます。
歌麿の時代にはすでに、色をいくつも重ね摺る絵が制作されていますね。
青楼十二時の遊女たちはほっそり美しく、きれいな着物を着て色艶ばつぐん。
立ちのぼる色気とはかくあれかし…なんかドキドキしちゃうねえ。
「女職蚕手業草」は、女性たちが蚕から糸を作って布にするまでを描いていて
当時の仕事の様子が細かくわかります。
浮世絵は風俗資料でもあるのよね。
鳥文斎栄之や勝川春章はきりっとした美人画ですね~。
栄之の美人新造とか、背筋ぴっと伸ばして、きれいを通り越してかっこいいよ!
春章は「中村富十郎の娘道成寺」が超美人さんだった、惚れる。

肉筆画部屋もありました。
まずは何といっても西川祐信ですーー誰が何と言おうと祐信ーー!(誰も何も言ってない)
キセルを悠然と持つ遊女が外を眺めているのですがね、
くねりとした身体に外へついと向けた顔が愛らしいであります。
歌麿ほどじゃないけど色香が匂いたってるよね…ほのかな色香ってロマンですね…(*´∀`*)。
そして隣に!山崎龍女が!!
ええええええええええええええええええ龍女の肉筆画はじめて見た!しあわせ!!
龍女は大坂の稲垣つる女と並んで東西女性浮世絵師の双璧と言われる人で
作品はあまり残ってないのですが、まさかお会いできるとは。ひゃーい。
遊女と禿が颯爽と歩く様子を太いタッチで描いています。
禿が口に手をあてて、笑い声が聞こえてきそうでした。
宮川長春の遊女や、川又常正のやつし女三宮もきれいでしたな。
肉筆画は版画と違って絵師の細かいタッチまでわかるので、見るときは緊張しつつもwktkする。
絵師の息遣いに触れているような気がするので。

あと、面白いなあと思ったのが錦絵の間にちょこちょこ外国人作家の絵が飾ってあったことですね。
春信の母子とピエール・ボナールの家族が並んでいたり、
歌麿の遊女とロートレックの娼婦の絵が並んでいたりします。
これ、新しいな。

グラスきれいー。
美術館のカフェ1894でいただいた展覧会特別メニュー、浮き浮きちらしセット☆

ひんやり。
ゼリーおいしかった☆



……ところで、話は全然変わるのですけども。
さっきまでテレビでジブリのぽんぽこを放送していまして、これ子どもの頃から好きなのですが
今見るとわかることがたくさんありますね!
図書館で権太が見ていた錦絵が国芳の「其面影程能写絵 猟人にたぬき」だとか、
正吉とおキヨがやる双子の星作戦の元ネタは宮沢賢治の「双子の星」&「星めぐりの歌」だとか、
禿狸の踊り念仏は一遍だとか、
六代目金長と玉三郎がワンダーランドの社長を連れこんだ招き猫の中で
鯛やタコやフグが飛んでいたけど、元ネタは国芳の「魚の心」だとか。
魚の心は、水野忠邦の改革のために役者絵を描けなくなった国芳が
魚の顔を團十郎や菊五郎など役者の顔に描いたという、あの絵ですな。→こちら
そして招き猫が飛んでいくときには
「どっどど どどうど どどうど どどう」を延々繰り返しているし(笑)。
宮崎さんの賢治好きは有名な話ですが、高畑さんも賢治がお好きなのだろうか。

圧巻が物語中盤の妖怪大作戦パレードですねえ。
日本美術や文学に描かれてきた画像妖怪たちが大集合!
再現率200%の現代妖怪絵巻だと思います。ほんとに楽しい、すばらしい。
ぽんぽこってこんなにすごい映画だったんだ…。
ちなみに妖怪大作戦の一連のシーンは水木しげる御大の全面監修だそうですよ。なんという。
本編にもご本人っぽいコメンテーターが出ていたよね。

子どもの頃に観ていてわかったのは花咲爺、狐の嫁入り、阿波踊り、宗達の風神雷神、福助、七福神、
どさくさに紛れてキキ、ポルコ、トトロなどでしたが
今回わかったネタ。

・マンションに石燕のぶるぶるの影がうつる
・北斎の提灯お岩さんが燃えてた
・国芳の「流行達磨遊び」の達磨たちが天狗と歩いてた
・百鬼夜行絵巻の付喪神も飛んでた
・その下でベカ太郎や傘おばけがアカンベーしながら通ってた
・石燕の『画図百鬼夜行』シリーズから諸々出てた
・歩道橋に現れたのが国芳の「相馬の古内裏」のガイコツ(ポーズまで完璧にトレース)
・おじさんたちが飲んでる後ろで鳥獣人物戯画のウサギとカエルがビルの上飛んでたり国芳の両面相が回ってる
・月夜のでんしんばしらの大行進
・賢治の銀河鉄道

他にもあるかもしれませんが、今回気づいたのはこれだけ。
またしばらく経って見直したら、何か発見があるかもしれません。楽しみです。

それにしても、ぽん吉とおろくばあちゃんの
「葉っぱを頭に乗せないんですか?」「それは初心者のやることじゃ」のやりとりには
いつも笑ってしまう(^ ^)。
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テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル:学問・文化・芸術

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Author:ゆさ
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歴史やアートも溺愛中
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