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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


さてはそなたは狐じゃの。

  1. 2013/07/23(火) 23:54:18_
  2. 舞台鑑賞
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高崎で「松竹大歌舞伎 市川亀治郎改め四代目市川猿之助襲名披露」を観てきました☆
市川猿之助の四代目襲名披露の全国巡業公演のひとつで、澤瀉屋の皆さんが勢ぞろいですよ!
猿ちゃんはドラマや舞台や映画ではさんざん見ていますけども
本業の歌舞伎を見るのは今回が初めてだったのでwktkでした。
綺麗でケレン味あふれるすばらしい舞台だった。

まずは「義経千本桜 河連法眼館(四ノ切)」。
川連法眼の館に匿われている源義経のもとへやって来た静御前が鼓を打つと、
どこからか家臣の佐藤忠信が現れるのですが、
実はこの忠信、狐の子どもが化けた姿だったりします。
静が持つ鼓の皮に使われたのが子狐の両親だったとのことで、
子が親を慕って忠信に化けて、静御前に付き添っていたことを知った義経は
静を守った褒美として狐に鼓を与え、狐は喜んで帰っていく…というストーリー。

猿ちゃんの狐忠信→子狐への早変わりと2度の海老反りと、子狐ダンスがいいですね~。
欄干をつかんでくるりと上がったり、膝立ちでグルグル回ったり、爪先で欄干の上を歩いたり、
狐手だったり語尾を伸ばして尋常のなさを表現したりと「狐っぽさ」も面白いし。
中村梅玉さんの義経はものすごい存在感。
3代目猿之助さんと一緒の舞台に立ったこともあるそうで、ベテラン中のベテラン役者さん!
かっこいいです。
市川門之助さんの静御前、ちょっと声が低めでした。ハスキーボイスの静ちゃん☆
場面が昼から夜に変わるときは、舞台に腰元さんが6人出てきて灯りを持っているのですが
これが全員めちゃくちゃ綺麗!
背がすらりと高くて顔つるっつるで、鳥居清長の美人画みたいだった。すてき。

狐忠信の登場シーンで面白い演出がありました。
花道の黒子さんから「出があるよ!」と、役者の出があることを伝える声がかかって
当然、観客は花道に注目するのですが、そこには誰もいません。
同時に舞台からガタリと音がしてふり向くと、舞台中央の階段上に狐姿の猿ちゃんが出現していた!
えええええあああああ出てくるとこ見逃したあああああ!(; ゚Д゚)
なんてもったいない。
いや、これがこの演目の醍醐味なんだろうけど。
江戸時代には「今度こそ騙されないぞ」とか意気込んでリピートしちゃう人とかいたかもな。
現代にもいるだろうな。ああ面白い。
(ちなみにこの「出があるよ!」の声は昔の舞台にはいっぱいあったけど
今はこの演目にしか見られない演出らしい、とイヤホンガイドの解説で聞きました)

静御前に「さては狐じゃな」と問い詰められた狐忠信がコーン!と一声鳴いて
ヒュッと奈落に落ちたかと思うと、一瞬でふさふさ毛皮の白狐姿に早変わりして舞台下から再登場!
拍手が起こりましたねえ。
ふさふわ着物は毛縫というそうです。さわってみたい。
静から鼓がもらえないとわかると、悲しみのあまり号泣しながら退場した狐の猿ちゃんが
ものの1~2分で佐藤忠信に早変わりして襖から顔だけ見せていて
やっぱり拍手が起こりましたねえ。
狐の泣くもラブリーな表情、かーらーの、忠信の憂いを帯びた表情。もう最高。

義経が鼓を授けようと呼ぶと、なんと、欄間からくるりと降りて再登場する狐ちゃん☆
けしからんかわいさ!
義経から鼓を受け取った狐ちゃん、「焦がれ慕いし親鼓、ご辞退申さず頂戴せん」と
嬉しくてぴょんぴょん飛び跳ねます。すごい喜びよう(笑)。
ここで鼓がひとりでにポンポンポンと鳴って、義経に追手がきたと知らせてくれたとわかると
子狐は鼓をくれたお礼にと追手を退治すると言い出します。
ここからは狐の楽しい時間~♪
6人の荒法師たちが義経を捕まえようとやってくるのですが
全員が子狐の神通力に操られてしまい、
とんぼ返りしたり、でんぐり返ったり、踊ったり、組体操したり、エグザイルしたり。
猿之助演出パネェ(笑)。
猿ちゃんが本当に楽しそうで、荒法師さんたちもひょっとしたら楽しかったんじゃないかと思うくらい
明るく滑稽なダンスでした。
お囃子も軽妙な音色で笑いを誘っていました♪

やがて、さんざん荒法師を翻弄した子狐の「アヤ、おさらば!」で気持ちのいい幕切れ。
新橋演舞場でやっていた宙乗りによる猿ちゃんの退場は今回はなし。
引っ込む手前でニコニコ笑っていてかわいかったです。
うおおぉ子狐えぇうちの子になってくれぇええ。

そういえば子狐無双のシーン、着物のふさふさを外して上半身だけ着物姿になるのですが
(記事トップ↑の写真中央がそれです)
猿ちゃん、客席に背を向けて黒子さんとちゃちゃっと支度していたんですけど
たぶんできたよって合図なのかな、黒子さんが猿ちゃんの肩をポンとたたいてから退席されたのを
わたしは見逃さなかった(笑)。
素敵だなと思いました。

縁の下の力持ち。※クリックで大きくなります
観劇中のらくがき。(舞台に集中しなさい)
わたしの席から見えた人たちです。
ツケさんって普段は幕に隠れて見えないんですけど、今回は舞台袖に出て演奏されてました。
ババン!バン!とか、拍子木を床に打ちつけて役者さんの見栄に華を添えていました。
キャーカッコイイー。


次は襲名披露口上。
猿ちゃんからは今後の抱負について、梅玉さんから猿之助の名跡の歴史についてのお話が、
笑三郎さんからはなんでも鑑定団inこんぴら歌舞伎のお話がありましたね~。

休憩時間には舞台のセッティングがあり、
幕内から「オーライオーライ、ストップ!」とかスタッフさんの声が聞こえてました。
お疲れさまです!


続いて歌舞伎十八番の内「毛抜」。
主人公の粂寺弾正が、小野春道の娘である錦の前の病気の謎を解くストーリー。
錦の前は髪の毛が逆立つ病気にかかったというので、
考え事をしつつ毛抜で髭を抜いていた弾正が、毛抜が突然ふわりと宙に浮いたのを見て
天井裏に隠れていた忍者と巨大な磁石に気づき、姫の鉄製のかんざしが磁石に反応したと判明して
病気は治ってめでたしめでたし。
合間に小野家の宝物である短冊が行方不明になったり、姫を病気にした犯人を探し出したりと
推理ものっぽい要素もあって面白かったです。

お姫様の髪の毛や弾正の毛抜がふわふわ飛ぶのは
黒子さんが長い棒につけてふわふわさせていたので笑っちゃった。
ワイヤー使うとかじゃなくて、人が堂々と舞台上でそういうことをやってのけてしまうのは
文楽などにも見られますね。
「え、ちょ、なに、ありえないんだけど?」な顔になった弾正とセットで楽しめます。
面白いー。
ラストでは犯人が判明して首がとぶシーンもあって客席がざわっ!ってなりました。
こういうところが歌舞伎の、いや江戸時代のすさまじさですね。

弾正は頭はいいんですが、いかんせん性根がなあ。
春道を待つ間、弾正のもとへ伽に来た前髪の若衆(春猿さん)に
デレデレ言い寄ってタッチしたりしてたし。
うにゃあああああああああ何するんだわたしの春猿ねえさんに!!(お前のではない)
だって春猿さん超かわいい青年だったんだ…!
普段女形やってる人が立役やると色っぽくていけませんね。
ってか、弾正ったら、前髪の若衆だけじゃなく腰元(笑三郎)も好きっぽい。
うにゃあああああああああ何さらすんじゃわたしの笑三郎さんに!!(お前のではry)
腰元さんにセクハラしてバシッとひっぱたかれても
(春猿さんに叩かれたときよりキツイ叩かれ方だったにも関わらず)、
「面目次第もございませぬ~」とか悪びれてないし。
だめだこいつ早く何とかしないと。。
「毛抜は踊る、小柄が踊る、煙管は踊らぬ、合点がゆかぬ」と首をかしげる仕草はかわいかったけど。
市川右近さんはよく声の通るすてきな役者さんでした。

あと、個人的に楽しみにしていた市川笑也さんの小野春風☆
美青年でした。青年ではありません。美青年でした。(2回言った)
ああああ美しいよ笑也さん~!
父親役の猿弥さんがものすごくオヤジの貫録あるんですけど、その隣に息子役の笑也さんが立つと
より清楚な青年っぽさが際立ちますね。
うおわあぁ春風えぇうちに来てくれえぇぇ。


ましゃ兄より。
福山雅治氏からの祝幕。
初代~4代目(当代)猿之助4人の隈取を合体させたデザインで、赤青黄色でDNAの色だって
猿ちゃんが口上で言ってました。
『龍馬伝』での斬られる人(龍馬)から斬った人(今井信郎)へのプレゼントとかたぎる。


よし、あとでお正月に録画した義経千本桜(大阪公演)のDVDをつけて
今日見逃した「出があるよ!」を観よう~。
ついでに副音声つけてイヤホンガイド代わりにするんだ!
あと荒法師たちのダンスがおかしすぎてもー笑いがとまらない!
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テーマ : 歌舞伎    ジャンル : 学問・文化・芸術

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