トキワ荘とオバQビルに敬意を込めて。

日曜日に小学館ビルの落書き大会に行ってきました!
何のこっちゃと首をかしげる方もいらっしゃると思いますので、経緯をざっと説明しますと。
建替えのため取壊しが決まった小学館本社ビル(神保町)に、
今月9日に漫画家さんたちが集まって1階ロビーの壁に落書きしまくった画像や動画が
Twitterに投稿されまして。
始めは漫画家さんたちが内輪でワイワイやっているだけで
わたしも「なんか面白いことやってるなあ」と軽い気持ちで楽しんでいたのですが、
数時間後にはTwitterでものすごい反響が起き、
ビルには落書きを一目見ようと連日ファンがつめかけたので
小学館さんがライトアップをしてくださることになり、
さらには24日と25日にファンが実際にロビーの中に入って落書きを見ることができる
無料の一般公開イベントまで開催してくださることになった、というわけです。
詳しい経緯はこちら、漫画家さんたちの落書きの様子はこちらにまとまってますのでどうぞ。
(一夜限りのお遊びということで落書き後は普通に消灯してシャッターも下ろされちゃってたのに
こんな大事になるなんてどなたも思ってなかったろうな、情報って生き物だなあ)
ちなみにこの落書き、かつて池袋にあったトキワ荘が取り壊されるときに
住んでいた漫画家さんたちが壁に落書きをしたエピソードから思いつかれたそうな。
小学館の編集者さんもすごいけど、トキワ荘のメンバーもよく思いついたね、すごい。
入場には当日配布される整理券が必要だというのは、事前にTwitter情報で知っていまして
どうかなあ入れるかな、入れても夕方か夜になっちゃうかな…とか色々考えつつ
日曜日に出かけてみたのですが。

わーいっぱいいるー。
多くのお客さんが雨にも風にも負けず、熱心に窓のイラストを見たり写真を撮ったりしていました。
テレビ局のカメラも来てた。わああ。

ケンジさんこっち向いてる~。グータララ~スーダララ~。
落書きは大通側のガラスにもいっぱい描いてあって、中に入らなくても見られました。
以下は当日のレポですが、ものすごく写真が多いのでたたんであります↓
クリックで開閉しますのでどうぞ~☆
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安心毛布。

にゃんこのお腹にカメラを置いてみたら撮れた風景(?)です。
ふわふわもこもこ!
夏毛のお腹はふわふわしっとりしています。嫌がられるけどつい触っちゃう。
(にゃんこ的には、お腹を触られるのは余程信頼している相手でない限りFuck You!!!と同義語らしい)

ちなみにこの子のお腹です♪
なんだか半月みたいな形してます。寝起きでまだボーっとしてる様子。

そこへ母にゃんこがバビュンとご登場。
わたしが姉にゃんこを構っているといつも、どこからか嗅ぎ付けてやって来ます…どんだけ勘いいのだ。
喉のゴロゴロが「娘ばっか撮ってないでわたしも撮りなさいよ」と翻訳されて聞こえたので。

抱っこして撮ってあげたら体勢が気に入らなかったらしくすっかり不機嫌な顔になってしまい。

「被写体に対する愛って大事よね!!」
ごめんなさいもうしませんいやん怒らないでっ。しかし怒ってもかわいい。

いつまでも怒っていないのが母にゃんこです。ぐっすり。
さっきまでドSな目線で人のこと見下しといてコノヤロー、超かわいい。
twitterの #有益なことをつぶやこう タグで
「人間はつらいときフワフワモコモコした柔らかいものを抱きしめると安心感を得られる」という
誰得わたし得なツイートを見かけて以来、
帰宅したら積極的ににゃんこたちを
ぎゅーってフィットしてるとにゃんこも安心するらしいからね!
(でも暑い日は嫌がられます^ ^;)

後ろ姿シリーズその5。4はこちら。
セーラー服が描きたくて、やっぱり煩悩のまま描きました。
ぴょんっ。
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秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる。
お盆を過ぎたのに夜になっても気温が30度とかで、暑い日が続いてますが
それでも夕方6時~7時には陽がすっかり落ちて暗くなるのを見ると
ああ夏の終わりが近づいているなあ、と思う今日この頃です。
夕焼けをきれいだと思うようになりました…あーきよこいっ。
(そして今年はセミが道路にごろごろ落ちているのをよく見かけます…暑さのせいかなあ)
我が家は迎え盆から送り盆を終えるまで
ずっと盆棚を設けた部屋の電気をつけっぱなしにしておくのですが(夜は消します)、
そうするとにゃんこたちが「なに?なぜいつも暗い部屋なのに今日はこんなに明るいの」とか
気になってしまうらしく、
盆棚や仏壇の周囲をグルグル探検したり飛び乗ったりします。
さすが猫で器用なせいか、お茶ひっくり返すとかはないんですけど
わたしが朝起きてお線香をあげるときは必ず側にやって来てニャーニャーうろついたりします。
見えないご先祖様を感じ取っているのだろうか…。
とはいえ、さすがに危ないので蝋燭のあかりは消しておくことにしている。
あかりといえば、こんな施設が長野県小布施町にあるそうです→こちら
小布施町は北斎館と岩松院と、すばらしい図書館があることでも有名なのでいつか訪れてみたい。
で、話はガラリと変わりますが、
映画『ローン・レンジャー』のCMでウィリアム・テル序曲が流れていますけど
あれピクサーの『トイ・ストーリー2』でアンディが口ずさんでいる曲でもありますね。
実はわたしローン・レンジャーがリメイクだと知ったのがつい最近だったので
トイ・ストーリー2を見ていた数年前は
ほほぅアンディはウィリアム・テルが好きなのかあ、としか思ってなかったのですが
最近ふと「もしかしたらアンディはDVDか何かで過去のローン・レンジャーを観ていて
映画の中で流れるウィリアム・テルを聴いて、それで口ずさんでいたのかな。
アメリカのちびっこたちにとってウィリアム・テル=ローン・レンジャーなんだろか」とか
思ったりしました。
…いや、それだけなんですけど。。
(あと「はいよー!シルバー」の初出もローン・レンジャーなんですね、びっくりしました。
ちなみにうちの親は昔この映画を観てウィリアム・テルを覚えたそうだ)
日本だとウィリアム・テルは学校の運動会で使われたりしますね。
わたしにとっては、上記のようにアンディを連想する曲ですけれども。
あとは、ワルキューレの騎行を聴くと映画『地獄の黙示録』を思い出すし、
第九はドラマ『相棒』を、
ツァラトゥストラはかく語りきは映画『2001年宇宙の旅』を、
G線上のアリアはエヴァ劇場版『Air』を、
ボレロは映画『交渉人真下正義』のクライマックスシーンを、
カルメンの闘牛士の歌は映画『ウォーターボーイズ』を、
ホフマンのバルカローレは映画『ライフ・イズ・ビューティフル』を、
ツィゴイネルワイゼンは映画『ホーホケキョ となりの山田くん』を、
ショパンのノクターンは映画『戦場のピアニスト』を、
ベートーベンの悲愴ソナタはアニメ『るろうに剣心』を、
くるみ割り人形の葦笛の踊りはソフトバンク白戸家のCMを、
ショパンの前奏曲28番は太田胃散のCMを、
モーツァルトの交響曲25番は映画『アマデウス』冒頭でサリエリが大騒ぎしているシーンを、
剣の舞はクイズ番組『マジカル頭脳パワー』でゴジラが文字の壁をぶっこわしていく映像を
それぞれ連想してしまいます。むむむ。
※クリックで大きくなります
後ろ姿その4。3はこちら。
そろそろ描いてもいいかなと思って(笑)着物+かごバッグです。帯は胡蝶結び。
着物の背中の模様が割とうまくいったかな、という気がしています。
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*
それでも夕方6時~7時には陽がすっかり落ちて暗くなるのを見ると
ああ夏の終わりが近づいているなあ、と思う今日この頃です。
夕焼けをきれいだと思うようになりました…あーきよこいっ。
(そして今年はセミが道路にごろごろ落ちているのをよく見かけます…暑さのせいかなあ)
我が家は迎え盆から送り盆を終えるまで
ずっと盆棚を設けた部屋の電気をつけっぱなしにしておくのですが(夜は消します)、
そうするとにゃんこたちが「なに?なぜいつも暗い部屋なのに今日はこんなに明るいの」とか
気になってしまうらしく、
盆棚や仏壇の周囲をグルグル探検したり飛び乗ったりします。
さすが猫で器用なせいか、お茶ひっくり返すとかはないんですけど
わたしが朝起きてお線香をあげるときは必ず側にやって来てニャーニャーうろついたりします。
見えないご先祖様を感じ取っているのだろうか…。
とはいえ、さすがに危ないので蝋燭のあかりは消しておくことにしている。
あかりといえば、こんな施設が長野県小布施町にあるそうです→こちら
小布施町は北斎館と岩松院と、すばらしい図書館があることでも有名なのでいつか訪れてみたい。
で、話はガラリと変わりますが、
映画『ローン・レンジャー』のCMでウィリアム・テル序曲が流れていますけど
あれピクサーの『トイ・ストーリー2』でアンディが口ずさんでいる曲でもありますね。
実はわたしローン・レンジャーがリメイクだと知ったのがつい最近だったので
トイ・ストーリー2を見ていた数年前は
ほほぅアンディはウィリアム・テルが好きなのかあ、としか思ってなかったのですが
最近ふと「もしかしたらアンディはDVDか何かで過去のローン・レンジャーを観ていて
映画の中で流れるウィリアム・テルを聴いて、それで口ずさんでいたのかな。
アメリカのちびっこたちにとってウィリアム・テル=ローン・レンジャーなんだろか」とか
思ったりしました。
…いや、それだけなんですけど。。
(あと「はいよー!シルバー」の初出もローン・レンジャーなんですね、びっくりしました。
ちなみにうちの親は昔この映画を観てウィリアム・テルを覚えたそうだ)
日本だとウィリアム・テルは学校の運動会で使われたりしますね。
わたしにとっては、上記のようにアンディを連想する曲ですけれども。
あとは、ワルキューレの騎行を聴くと映画『地獄の黙示録』を思い出すし、
第九はドラマ『相棒』を、
ツァラトゥストラはかく語りきは映画『2001年宇宙の旅』を、
G線上のアリアはエヴァ劇場版『Air』を、
ボレロは映画『交渉人真下正義』のクライマックスシーンを、
カルメンの闘牛士の歌は映画『ウォーターボーイズ』を、
ホフマンのバルカローレは映画『ライフ・イズ・ビューティフル』を、
ツィゴイネルワイゼンは映画『ホーホケキョ となりの山田くん』を、
ショパンのノクターンは映画『戦場のピアニスト』を、
ベートーベンの悲愴ソナタはアニメ『るろうに剣心』を、
くるみ割り人形の葦笛の踊りはソフトバンク白戸家のCMを、
ショパンの前奏曲28番は太田胃散のCMを、
モーツァルトの交響曲25番は映画『アマデウス』冒頭でサリエリが大騒ぎしているシーンを、
剣の舞はクイズ番組『マジカル頭脳パワー』でゴジラが文字の壁をぶっこわしていく映像を
それぞれ連想してしまいます。むむむ。

後ろ姿その4。3はこちら。
そろそろ描いてもいいかなと思って(笑)着物+かごバッグです。帯は胡蝶結び。
着物の背中の模様が割とうまくいったかな、という気がしています。
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妖怪たちの饗宴。
今年は妖怪展示が目白押しですね~。妖怪好きにはたまらない夏です。
関東だけでも、
・三井記念美術館の「大妖怪展-鬼と妖怪そしてゲゲゲ」
・横須賀美術館の「日本の『妖怪』を追え!-北斎、国芳、芋銭、水木しげるから現代アートまで」
・横浜そごう美術館の「幽霊・妖怪画大全集」
の3ヶ所。
もちろん全部見てきましたとも。
では一気に感想いきます☆
7月に三菱一号館美術館に行った日、実は三井記念美術館にも行ってきたのでした。
ご近所ですしおすし。
国芳のがしゃどくろや化物屋敷、芳年の百器夜行(石燕のパクリ・笑)、
歌麿の悪夢にうなされる子ども、広重の王子稲荷の狐火など、過去に何度も見た浮世絵の他に
長い長ーーい絵巻物、おもちゃ、能面、小道具など展示品は多岐にわたっていました。
鳥山石燕『画図百鬼夜行』の元興寺のページに「ばあ」って書き込みがあって笑った(^ ^)。
落書きされてる画図百鬼夜行が出てくるのって珍しいかもしれない。
日文研の百鬼図や化物尽絵巻など、大きな絵巻物が全部広げてあってたぎりました!
絵巻物って展覧会だと一部分しか見られないのがほとんどなので
思い切ったことをしてくれるのは嬉しいです。
逸翁美術館の「大江山絵詞」(鎌倉時代)があったよー酒呑童子が描かれた最古の絵巻物ですよー☆
酒呑童子が山伏の格好をした頼光一行を屋敷に招いて宴会をしている場面が開かれていました。
まだ鬼じゃなく童子姿の酒呑ちゃんがいとしい。
亀岡規礼「酒呑童子絵巻」。鬼たちと頼光たちのバトルが繰り広げられていました。
酒呑童子の首が飛ぶシーンはどの絵巻物を見てもすさまじい。
能面の般若と蛇(ヘビじゃないよジャだよ)にどきどき。能「道成寺」専用の面。清姫の般若と蛇。
近くに岩瀬文庫の「道成寺絵巻物」も並んでいました。
安珍清姫のお話とは別バージョンの、異本の道成寺物語の江戸時代の写本です。
姫が蛇になるのはおんなじだけど…。
よく考えたら能のシテってほとんど幽霊か怨霊だなあ。
一番見たかったのは!歴博の不動利益縁起フィギュア!!
国宝「不動利益縁起絵巻」の一場面を立体再現したフィギュアです☆
安倍晴明と疫病神のみなさん!きりっと美男の晴明と、ギョロ目をパチクリさせた疫病神のみなさん!
かわいい方々がお揃いで来てくださいましたよー。
晴明の前に疫病神たちがちょこんと座って、おとなしく晴明さんを見つめているわけですよ。
こういうキモかわいいフィギュア欲しいぃ。
ガチャガチャとかあったら全部揃えたいぃ。
不動利益縁起絵巻は写本がいくつかあって、狩野永納筆の青が美しくて画集で何度も見ています。
今回はその永納の絵巻も来てくれててやっとナマで見られました…最高すぎる…!
(東博にも鎌倉時代の不動利益縁起絵巻があって、たまに常設展に出てくれますね。
古くて色落ちしてて味があって、いつも食い入るように見てる!)
最後の展示室は水木しげる部屋になっていました!御大の絵がずらり。
鬼太郎の漫画はもう長いこと読んでないけど、絵を見ると読みたくなりますね。
しかし石燕や国芳ほか多くの絵師の妖怪絵を参考に描いてこられたんだな…やっとわかった。
子泣き爺のフィギュアかわいかった☆
個人的にぬらりひょんのキャプションにほおおってなりました。
「夕方にふらりとやって来て勝手にお茶を飲んだり煙草をふかしたりして、
どこへともなく去っていくが、よほど注意深い人でないと見えない」
どこの大店の大旦那のおしのびだ!
次は横須賀美術館。妖怪展2か所目です。
浮世絵から現代アートまで様々な妖怪の絵や立体作品が並んでいました。
内容も動物や植物タイプ、オバケ、幽霊などさまざま。
広重の狐火や北斎のお岩さんなども素敵ですが、やはり国芳と芳年が多かったですね。
国芳の、とうもろこしのオバケが石橋の所作事(髪洗いっぽいの)をやっている絵に笑った。
芳年の、幕末の頃のタッチと近代になってからのタッチの違いが印象的。
幕末ではこれでもかと細かく緻密に描きこんでいるんだけど、
年を経るとだんだんすっきりしてきています。
時代の好みか、芳年の好みか…。
芳年は筆のタッチがダイレクトに絵に出るというか、草書体みたいな絵を描く人だな…。
そんな線を殺すことなく見事に彫り上げた彫師の腕もすごい。
「新形三十六怪撰」の『老婆鬼腕を持ち去る図』があってヽ(*゚▽゚*)ノ←こんな感じになった。
芳年は羅生門の鬼をよく描くなあ。おいしくいただきますごちそうさまです。
落合芳幾が東京日々新聞に描いていた怪異の連載も面白い。
いつの時代も怪異は人々の関心を集めていたのだなあ。
あと「東京日々新聞」のロゴ文字と、両脇で文字を支える天使ちゃんたちが
毎号違うデザインでびっくりした。
幽霊画の掛軸のコーナーは心なしかひんやりと。
やっぱり肉筆は見ごたえがあります。
松井冬子さんの夜盲症はゾワーーっとする存在感。情念はなくひたすらヒンヤリ。怖い。
小川芋銭の雪女も面白いですが、畑のお化けが素敵~畑を闊歩する野菜たちかわいい~。
河鍋暁翠の幽霊図は父暁斎が2番目の妻を描いた絵をさらに写したものだそうです。
画面の真ん中に痩せた幽霊がひっそりと。静かな絵だな…。
現代の妖怪アート部屋のトップバッターは水木しげる御大。
雪女の目がめちゃめちゃ綺麗で震える、つか今更ですが点描が多くて戦慄しました。
スクリーントーンもほぼ使わずに…どういうことなの…。
雲外鏡の絵のすぐそばに石燕の『百器徒然袋』があって、雲外鏡のページが開いてた(笑)。
国芳の絵とほぼ同じ構図の化物屋敷の絵もありましたね。
池田龍雄の化物の系譜シリーズ、モノクロですが緻密に描きこまれた深みのある世界観です。
「ショーバイ」がカオナシっぽくて笑ってしまった。
加藤大介「浄化の秘宝」は立体展示、乾漆(仏像に使われる手法)でできているそうです。
見た目からカッパを連想しますが、ここまでカッパっぽいと
もっと違うものなんじゃないかと疑ってみたくなるな…面白い。
あと、フジイフランソワさん、初めて知ったのですが素敵な方ですねえ。
伊藤若冲や長沢蘆雪や鳥山石燕へのオマージュのような妖怪や子犬を描いていて、
「一筆かきえもん」と「びわ奉仕」「御茶どうぞう」「ここに居ぬ」など笑いました。
こういう言葉遊び好き。
ミュージアムショップにぬりかべのビーズクッションがあって「うおおお!」とたぎったのですが
ビーズクッションは時間が経つとしぼんでしまうのを思い出して断念。
ぬりかべは大好きなキャラなのでいつか気に入ったぬいぐるみ買うんだ…!
美術館からの帰りにバス停へ向かって観音崎海水浴場沿いを歩いていたら、
大きいオニイサンたちが浅瀬で夏ばっぱとあきちゃんごっこしてた。
(「あまちゃん」冒頭で夏ばっぱがあきちゃんを海へ落っことすシーンがありますよね。あれです)
そして。

一番行きたかったのがここ!そごう美術館の展示です。
写真はミュージアムショップで買ってきた展覧会オリジナルフィギュア。
伊藤若冲『付喪神図』の茶釜くんと、佐脇嵩之『百怪図巻』の野狐ちゃんです♪
ああああ茶釜さま野狐さまかわゆす様。
デザインはツボですがお値段はかわいくなくて、連れて帰るか迷ったんですけど
「よく考えろ。巡回はここで終わりだ。今後この子たちにどこで会えるというんだ」と神の声がしたので
「わかったお持ち帰r連れてく」と無事にレジへ行くことができました。
この子たちすごくかわいくてオススメです。絵の解説書がついてくるお得仕様。気になる方ぜひ。
ここでも国芳が強い。「相馬の古内裏」は三井・横須賀と見てきて、ここで3枚目(笑)。
もはや妖怪展に欠かせない絵ですね。
応挙の「波上白骨座禅図」、以前に見た絵と同様の作品ですがこっちの方が小さいな。
蘆雪の「九相図」はすごく細かい。
女性の顔は蘆雪のタッチですが、着物や植物はお師匠の応挙の影響が色濃くありました。
円山応震の「妖怪図」の妖怪が、何の妖怪かはわかりませんけど
仕事と人生に疲れた顔しちゃってお気の毒。よしよしって撫でたくなる。
重光の「豆腐小僧」かわいい~。
芳年の「雷震」が、封神演義の雷震子だとわかるまでしばらくかかった。
だってフジリューの風貌と全然違うから(当たり前)。
ここは幽霊画が多かったですね~。三井や横須賀よりもずっと。
2部屋くらいがまるまる幽霊画でした。
せっかくなので展示室の真ん中に立って幽霊にぐるりと囲まれる気分を味わってみましたらば。
…ひんやりしました(;´∀`)。
応挙の美人さん幽霊、暁斎のガイコツのような幽霊、河村長親のイケメン幽霊、
鈴木松年のぶっとび幽霊、吉田観方のユーモアあふれるきれいな幽霊などなど
四方からたくさんの幽霊に見つめられるという貴重な体験ができました(笑)。
こんなにいっぺんに幽霊画を見たの初めてです。色んな人が描いていたんだな…。
谷文晁の幽霊ひょうきんすぎ、どことなく十八代目勘三郎に似てる気がする…。
小林清親の四季幽霊図に感動しました。
春、夏、秋、冬を描いた4幅の掛軸に、それぞれ幽霊がいるというものです。
清親の肉筆ってわたし初めてかもしれない。透ける着物や蚊帳の表現が美しかった。
錦絵の幽霊はお岩さんとお菊さんがいっぱい。
この2人、東西幽霊の双璧ですがもはや殿堂入りレベルだね。
幽霊たちの間でも「あの2人は格が違うからすれ違うときは頭下げる」とかルールできてそう。
テンション上がったのは鬼のコーナーですけども
その中に月岡芳年の渡辺綱&茨木童子があってほわああああああ!!!ってなりました!
うおおおおこのペア描いてくれてたのかー知らなかったよ。
しかも、茨木童子の浮世絵って腕を取り返して夜空へ駆け上がっていく絵がほとんどなのに、
今回のは綱が箱のふたを開けて茨木に腕を見せているシーンだったんです!!
ここを絵にしてくれていたなんて!芳年グッジョブ!神様仏様芳年様!
図録を買うかどうか正直迷っていましたがこのとき「買う」と決めました…。
茨木がいるのになぜ買わないの、買うでしょ。
そして隣には芝鶴が描いた茨木童子のドアップ掛軸があった。
「おれの腕だ!」とはちきれんばかりの笑顔で箱の中を見つめていましたよ。
良かったね、良かったね茨木…と感動のあまり、周囲に人がいなかったら泣き崩れるところだった。
もうだめ。茨木童子大好き。いとしいよう。
あとここ、お子様向けのキャプションが笑えます。
広重の清盛図は「いや、マツケンではない。清盛本人じゃ」
神戸出身の橋本関雪の幽霊は「調子?あきませんわ」
伊藤若冲の付喪神図は「お茶道具の妖怪もいるから今夜はティーパーティーだ」
国芳の九尾狐は「忍者のナルト、あの子の体内に封印されてる九尾。あれのオリジナルが私」
吉川観方のお岩・お菊は「うらめしやーってやってないのがいいでしょう。幽霊になっても忙しいのよ」
円山応震の妖怪図は「なんだよ、そんなにじっと見るなよ。ほっといてくれよ。
仕事から帰ってきたばかりで疲れてるんだよ。(中略)今日だっておまえ何か変だぞって言われたし」
さらに。
展示の後半は動物の妖怪特集で、天狗や狐狸、猫、鼠、蛇、蜘蛛、蛙などの絵があるのですが
「妖怪動物園におけるご注意」なるものが掲示されている始末。。
個人的に最後の項目「なるべく多くの人に妖怪動物園は楽しい!と伝えてください。
守れない人は妖怪に食べられちゃうかも」に爆笑でした。
ちょ、担当学芸員さん、遊びすぎ(笑)。
「YKI48総選挙」は誰に入れるかさんざん迷ったすえ投票。
果たして誰がセンターになるのか、結果は後日そごう美術館のホームページに載るそうです。
楽しみ。
(ちなみにこれまで巡回してきた福岡市博物館では「彼女候補」が、
大阪歴史博物館では「話が通じない」がそれぞれセンターになったそうな)
※8/24追記
そごうのセンターは「話が通じない」になったそうです。大阪に次ぐ快挙、おめでとう~。
(ちなみにわたしが投票した子は12位でした。健闘!)
あと、この日は美術館の展示室の一角で、桂歌丸さんの怪談噺が行われたので聴いてきました。
妖怪画に囲まれながら怪談が聴ける機会とかめったにないよね…(^ ^)。
演目は三遊亭圓朝作『怪談 真景累ヶ淵』より「宗悦殺し」。
長い演目の冒頭です。
借金を返さない旗本に殺された宗悦が、やがて幽霊となって旗本のもとへ化けて出る話です。
実はわたし、落語をナマで聴いたのはこの日が初めてだったのですが
歌丸さんの言葉や所作のひとつひとつを間近で見せていただいて(最前列だったのです)、
すごく充実した落語デビューができたと思います。
落語ってこんなに面白いんだって思った。
次々に人物を演じ分けたり、扇子を手紙に、手ぬぐいを財布に見立てたりするなど
熟練の技が光っていました。
歌丸さんパネェわ…舞台に一人しかいないのに何人もいるように見えるお。
笑点のタレントっぷりはどこへやら、いやきっとこちらが真骨頂。
籠屋の2人に宗悦の遺体が担がれてうわ何をするやめryなくだりと宗悦の幽霊が出るシーンは
背筋がぞくーーってしてぎゃー怖ー!とか叫びそうだった。人間って業ありすぎ。
このイベントは8月12日に行われたのですが
前日の8月11日は圓朝師匠の命日だそうで、「師匠のお墓にお参りをして
その足で四谷のお岩さんと伊右衛門のお墓にもお参りしてきました」とのことでした。
歌丸さんは古典落語の演目に力を入れているそうで、怪談噺もいくつか復活させているらしくて
今回の「宗悦殺し」を含む『真景累ヶ淵』を通しで演じたCDも出しています。
1話が1時間くらいで、全部やると7~8時間は語りっぱなしだそうな。
噺家さんってすごいね。
前座の桂たけのこさんと春風亭昇也さんにはめいっぱい笑わせていただきました。
お相撲さんが初日から千秋楽までなぜ負けまくったのかを延々としゃべる話と、
昇也さんの結婚式のてんやわんやと
ライオンの毛皮をかぶってトラと対決する羽目になった男の話でした。楽しかった♪
中の人などいる、という話。
そういえばたけのこさんも昇也さんも、退席して次の人に替わるとき
座布団をひっくり返して整えていたけど、あれ落語のお作法だったりするのかな…。
あと、落語が始まる前に展覧会をご覧になっている歌丸さんを見ました。
青のポロシャツ姿がかわいらしかったです。ほんとにお小さくていらっしゃる(^ ^)。
本番は着物姿でしたけども。
噺の途中で羽織(夏用で透けてる)をスッと脱がれたときは何かが始まる予感がしてドキッとした。

そごう7階の鬼太郎ショップ(期間限定)の入口にあった、鬼太郎の家とねずみ男神社(笑)。
かなりのクオリティです。
ねずみ男神社にお賽銭を入れると、東日本大震災の被災地に寄付されるそうですよ~。

鬼太郎の家の反対側には!鳥山石燕デザインの!目目連が!!
睨んでるのか困惑してるのか。たまらん。かわいい。
(あまりにも好きな妖怪なので以前ここに描いてしまったっけ)

ねずみ男神社の後ろにあった水木さんデザインのフィギュア展示。
これどう見ても蕭白の鬼だよね。色違いなだけでね。
いやー妖怪充できたひとときでした。
3ヶ所まわってみて思ったのは、三井記念の展示は絵巻や能面が多くて格調高く、
横須賀はスタンダードな浮世絵とアヴァンギャルドな現代アート、
そごうは浮世絵と掛軸でまとめられていてポップで賑やか、
それぞれ幽霊、妖怪、オバケに神様と盛りだくさんで楽しいです。
個人的にはそごうが良かった!妖怪好きさんみんなそごう行って!
※クリックで大きくなります
後ろ姿その3。2はこちら。
過去に描いたこの子をまた描いてみました。相変わらずお出かけが好きなようです。
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*
関東だけでも、
・三井記念美術館の「大妖怪展-鬼と妖怪そしてゲゲゲ」
・横須賀美術館の「日本の『妖怪』を追え!-北斎、国芳、芋銭、水木しげるから現代アートまで」
・横浜そごう美術館の「幽霊・妖怪画大全集」
の3ヶ所。
もちろん全部見てきましたとも。
では一気に感想いきます☆
7月に三菱一号館美術館に行った日、実は三井記念美術館にも行ってきたのでした。
ご近所ですしおすし。
国芳のがしゃどくろや化物屋敷、芳年の百器夜行(石燕のパクリ・笑)、
歌麿の悪夢にうなされる子ども、広重の王子稲荷の狐火など、過去に何度も見た浮世絵の他に
長い長ーーい絵巻物、おもちゃ、能面、小道具など展示品は多岐にわたっていました。
鳥山石燕『画図百鬼夜行』の元興寺のページに「ばあ」って書き込みがあって笑った(^ ^)。
落書きされてる画図百鬼夜行が出てくるのって珍しいかもしれない。
日文研の百鬼図や化物尽絵巻など、大きな絵巻物が全部広げてあってたぎりました!
絵巻物って展覧会だと一部分しか見られないのがほとんどなので
思い切ったことをしてくれるのは嬉しいです。
逸翁美術館の「大江山絵詞」(鎌倉時代)があったよー酒呑童子が描かれた最古の絵巻物ですよー☆
酒呑童子が山伏の格好をした頼光一行を屋敷に招いて宴会をしている場面が開かれていました。
まだ鬼じゃなく童子姿の酒呑ちゃんがいとしい。
亀岡規礼「酒呑童子絵巻」。鬼たちと頼光たちのバトルが繰り広げられていました。
酒呑童子の首が飛ぶシーンはどの絵巻物を見てもすさまじい。
能面の般若と蛇(ヘビじゃないよジャだよ)にどきどき。能「道成寺」専用の面。清姫の般若と蛇。
近くに岩瀬文庫の「道成寺絵巻物」も並んでいました。
安珍清姫のお話とは別バージョンの、異本の道成寺物語の江戸時代の写本です。
姫が蛇になるのはおんなじだけど…。
よく考えたら能のシテってほとんど幽霊か怨霊だなあ。
一番見たかったのは!歴博の不動利益縁起フィギュア!!
国宝「不動利益縁起絵巻」の一場面を立体再現したフィギュアです☆
安倍晴明と疫病神のみなさん!きりっと美男の晴明と、ギョロ目をパチクリさせた疫病神のみなさん!
かわいい方々がお揃いで来てくださいましたよー。
晴明の前に疫病神たちがちょこんと座って、おとなしく晴明さんを見つめているわけですよ。
こういうキモかわいいフィギュア欲しいぃ。
ガチャガチャとかあったら全部揃えたいぃ。
不動利益縁起絵巻は写本がいくつかあって、狩野永納筆の青が美しくて画集で何度も見ています。
今回はその永納の絵巻も来てくれててやっとナマで見られました…最高すぎる…!
(東博にも鎌倉時代の不動利益縁起絵巻があって、たまに常設展に出てくれますね。
古くて色落ちしてて味があって、いつも食い入るように見てる!)
最後の展示室は水木しげる部屋になっていました!御大の絵がずらり。
鬼太郎の漫画はもう長いこと読んでないけど、絵を見ると読みたくなりますね。
しかし石燕や国芳ほか多くの絵師の妖怪絵を参考に描いてこられたんだな…やっとわかった。
子泣き爺のフィギュアかわいかった☆
個人的にぬらりひょんのキャプションにほおおってなりました。
「夕方にふらりとやって来て勝手にお茶を飲んだり煙草をふかしたりして、
どこへともなく去っていくが、よほど注意深い人でないと見えない」
どこの大店の大旦那のおしのびだ!
次は横須賀美術館。妖怪展2か所目です。
浮世絵から現代アートまで様々な妖怪の絵や立体作品が並んでいました。
内容も動物や植物タイプ、オバケ、幽霊などさまざま。
広重の狐火や北斎のお岩さんなども素敵ですが、やはり国芳と芳年が多かったですね。
国芳の、とうもろこしのオバケが石橋の所作事(髪洗いっぽいの)をやっている絵に笑った。
芳年の、幕末の頃のタッチと近代になってからのタッチの違いが印象的。
幕末ではこれでもかと細かく緻密に描きこんでいるんだけど、
年を経るとだんだんすっきりしてきています。
時代の好みか、芳年の好みか…。
芳年は筆のタッチがダイレクトに絵に出るというか、草書体みたいな絵を描く人だな…。
そんな線を殺すことなく見事に彫り上げた彫師の腕もすごい。
「新形三十六怪撰」の『老婆鬼腕を持ち去る図』があってヽ(*゚▽゚*)ノ←こんな感じになった。
芳年は羅生門の鬼をよく描くなあ。おいしくいただきますごちそうさまです。
落合芳幾が東京日々新聞に描いていた怪異の連載も面白い。
いつの時代も怪異は人々の関心を集めていたのだなあ。
あと「東京日々新聞」のロゴ文字と、両脇で文字を支える天使ちゃんたちが
毎号違うデザインでびっくりした。
幽霊画の掛軸のコーナーは心なしかひんやりと。
やっぱり肉筆は見ごたえがあります。
松井冬子さんの夜盲症はゾワーーっとする存在感。情念はなくひたすらヒンヤリ。怖い。
小川芋銭の雪女も面白いですが、畑のお化けが素敵~畑を闊歩する野菜たちかわいい~。
河鍋暁翠の幽霊図は父暁斎が2番目の妻を描いた絵をさらに写したものだそうです。
画面の真ん中に痩せた幽霊がひっそりと。静かな絵だな…。
現代の妖怪アート部屋のトップバッターは水木しげる御大。
雪女の目がめちゃめちゃ綺麗で震える、つか今更ですが点描が多くて戦慄しました。
スクリーントーンもほぼ使わずに…どういうことなの…。
雲外鏡の絵のすぐそばに石燕の『百器徒然袋』があって、雲外鏡のページが開いてた(笑)。
国芳の絵とほぼ同じ構図の化物屋敷の絵もありましたね。
池田龍雄の化物の系譜シリーズ、モノクロですが緻密に描きこまれた深みのある世界観です。
「ショーバイ」がカオナシっぽくて笑ってしまった。
加藤大介「浄化の秘宝」は立体展示、乾漆(仏像に使われる手法)でできているそうです。
見た目からカッパを連想しますが、ここまでカッパっぽいと
もっと違うものなんじゃないかと疑ってみたくなるな…面白い。
あと、フジイフランソワさん、初めて知ったのですが素敵な方ですねえ。
伊藤若冲や長沢蘆雪や鳥山石燕へのオマージュのような妖怪や子犬を描いていて、
「一筆かきえもん」と「びわ奉仕」「御茶どうぞう」「ここに居ぬ」など笑いました。
こういう言葉遊び好き。
ミュージアムショップにぬりかべのビーズクッションがあって「うおおお!」とたぎったのですが
ビーズクッションは時間が経つとしぼんでしまうのを思い出して断念。
ぬりかべは大好きなキャラなのでいつか気に入ったぬいぐるみ買うんだ…!
美術館からの帰りにバス停へ向かって観音崎海水浴場沿いを歩いていたら、
大きいオニイサンたちが浅瀬で夏ばっぱとあきちゃんごっこしてた。
(「あまちゃん」冒頭で夏ばっぱがあきちゃんを海へ落っことすシーンがありますよね。あれです)
そして。

一番行きたかったのがここ!そごう美術館の展示です。
写真はミュージアムショップで買ってきた展覧会オリジナルフィギュア。
伊藤若冲『付喪神図』の茶釜くんと、佐脇嵩之『百怪図巻』の野狐ちゃんです♪
ああああ茶釜さま野狐さまかわゆす様。
デザインはツボですがお値段はかわいくなくて、連れて帰るか迷ったんですけど
「よく考えろ。巡回はここで終わりだ。今後この子たちにどこで会えるというんだ」と神の声がしたので
「わかった
この子たちすごくかわいくてオススメです。絵の解説書がついてくるお得仕様。気になる方ぜひ。
ここでも国芳が強い。「相馬の古内裏」は三井・横須賀と見てきて、ここで3枚目(笑)。
もはや妖怪展に欠かせない絵ですね。
応挙の「波上白骨座禅図」、以前に見た絵と同様の作品ですがこっちの方が小さいな。
蘆雪の「九相図」はすごく細かい。
女性の顔は蘆雪のタッチですが、着物や植物はお師匠の応挙の影響が色濃くありました。
円山応震の「妖怪図」の妖怪が、何の妖怪かはわかりませんけど
仕事と人生に疲れた顔しちゃってお気の毒。よしよしって撫でたくなる。
重光の「豆腐小僧」かわいい~。
芳年の「雷震」が、封神演義の雷震子だとわかるまでしばらくかかった。
だってフジリューの風貌と全然違うから(当たり前)。
ここは幽霊画が多かったですね~。三井や横須賀よりもずっと。
2部屋くらいがまるまる幽霊画でした。
せっかくなので展示室の真ん中に立って幽霊にぐるりと囲まれる気分を味わってみましたらば。
…ひんやりしました(;´∀`)。
応挙の美人さん幽霊、暁斎のガイコツのような幽霊、河村長親のイケメン幽霊、
鈴木松年のぶっとび幽霊、吉田観方のユーモアあふれるきれいな幽霊などなど
四方からたくさんの幽霊に見つめられるという貴重な体験ができました(笑)。
こんなにいっぺんに幽霊画を見たの初めてです。色んな人が描いていたんだな…。
谷文晁の幽霊ひょうきんすぎ、どことなく十八代目勘三郎に似てる気がする…。
小林清親の四季幽霊図に感動しました。
春、夏、秋、冬を描いた4幅の掛軸に、それぞれ幽霊がいるというものです。
清親の肉筆ってわたし初めてかもしれない。透ける着物や蚊帳の表現が美しかった。
錦絵の幽霊はお岩さんとお菊さんがいっぱい。
この2人、東西幽霊の双璧ですがもはや殿堂入りレベルだね。
幽霊たちの間でも「あの2人は格が違うからすれ違うときは頭下げる」とかルールできてそう。
テンション上がったのは鬼のコーナーですけども
その中に月岡芳年の渡辺綱&茨木童子があってほわああああああ!!!ってなりました!
うおおおおこのペア描いてくれてたのかー知らなかったよ。
しかも、茨木童子の浮世絵って腕を取り返して夜空へ駆け上がっていく絵がほとんどなのに、
今回のは綱が箱のふたを開けて茨木に腕を見せているシーンだったんです!!
ここを絵にしてくれていたなんて!芳年グッジョブ!神様仏様芳年様!
図録を買うかどうか正直迷っていましたがこのとき「買う」と決めました…。
茨木がいるのになぜ買わないの、買うでしょ。
そして隣には芝鶴が描いた茨木童子のドアップ掛軸があった。
「おれの腕だ!」とはちきれんばかりの笑顔で箱の中を見つめていましたよ。
良かったね、良かったね茨木…と感動のあまり、周囲に人がいなかったら泣き崩れるところだった。
もうだめ。茨木童子大好き。いとしいよう。
あとここ、お子様向けのキャプションが笑えます。
広重の清盛図は「いや、マツケンではない。清盛本人じゃ」
神戸出身の橋本関雪の幽霊は「調子?あきませんわ」
伊藤若冲の付喪神図は「お茶道具の妖怪もいるから今夜はティーパーティーだ」
国芳の九尾狐は「忍者のナルト、あの子の体内に封印されてる九尾。あれのオリジナルが私」
吉川観方のお岩・お菊は「うらめしやーってやってないのがいいでしょう。幽霊になっても忙しいのよ」
円山応震の妖怪図は「なんだよ、そんなにじっと見るなよ。ほっといてくれよ。
仕事から帰ってきたばかりで疲れてるんだよ。(中略)今日だっておまえ何か変だぞって言われたし」
さらに。
展示の後半は動物の妖怪特集で、天狗や狐狸、猫、鼠、蛇、蜘蛛、蛙などの絵があるのですが
「妖怪動物園におけるご注意」なるものが掲示されている始末。。
個人的に最後の項目「なるべく多くの人に妖怪動物園は楽しい!と伝えてください。
守れない人は妖怪に食べられちゃうかも」に爆笑でした。
ちょ、担当学芸員さん、遊びすぎ(笑)。
「YKI48総選挙」は誰に入れるかさんざん迷ったすえ投票。
果たして誰がセンターになるのか、結果は後日そごう美術館のホームページに載るそうです。
楽しみ。
(ちなみにこれまで巡回してきた福岡市博物館では「彼女候補」が、
大阪歴史博物館では「話が通じない」がそれぞれセンターになったそうな)
※8/24追記
そごうのセンターは「話が通じない」になったそうです。大阪に次ぐ快挙、おめでとう~。
(ちなみにわたしが投票した子は12位でした。健闘!)
あと、この日は美術館の展示室の一角で、桂歌丸さんの怪談噺が行われたので聴いてきました。
妖怪画に囲まれながら怪談が聴ける機会とかめったにないよね…(^ ^)。
演目は三遊亭圓朝作『怪談 真景累ヶ淵』より「宗悦殺し」。
長い演目の冒頭です。
借金を返さない旗本に殺された宗悦が、やがて幽霊となって旗本のもとへ化けて出る話です。
実はわたし、落語をナマで聴いたのはこの日が初めてだったのですが
歌丸さんの言葉や所作のひとつひとつを間近で見せていただいて(最前列だったのです)、
すごく充実した落語デビューができたと思います。
落語ってこんなに面白いんだって思った。
次々に人物を演じ分けたり、扇子を手紙に、手ぬぐいを財布に見立てたりするなど
熟練の技が光っていました。
歌丸さんパネェわ…舞台に一人しかいないのに何人もいるように見えるお。
笑点のタレントっぷりはどこへやら、いやきっとこちらが真骨頂。
籠屋の2人に宗悦の遺体が担がれてうわ何をするやめryなくだりと宗悦の幽霊が出るシーンは
背筋がぞくーーってしてぎゃー怖ー!とか叫びそうだった。人間って業ありすぎ。
このイベントは8月12日に行われたのですが
前日の8月11日は圓朝師匠の命日だそうで、「師匠のお墓にお参りをして
その足で四谷のお岩さんと伊右衛門のお墓にもお参りしてきました」とのことでした。
歌丸さんは古典落語の演目に力を入れているそうで、怪談噺もいくつか復活させているらしくて
今回の「宗悦殺し」を含む『真景累ヶ淵』を通しで演じたCDも出しています。
1話が1時間くらいで、全部やると7~8時間は語りっぱなしだそうな。
噺家さんってすごいね。
前座の桂たけのこさんと春風亭昇也さんにはめいっぱい笑わせていただきました。
お相撲さんが初日から千秋楽までなぜ負けまくったのかを延々としゃべる話と、
昇也さんの結婚式のてんやわんやと
ライオンの毛皮をかぶってトラと対決する羽目になった男の話でした。楽しかった♪
中の人などいる、という話。
そういえばたけのこさんも昇也さんも、退席して次の人に替わるとき
座布団をひっくり返して整えていたけど、あれ落語のお作法だったりするのかな…。
あと、落語が始まる前に展覧会をご覧になっている歌丸さんを見ました。
青のポロシャツ姿がかわいらしかったです。ほんとにお小さくていらっしゃる(^ ^)。
本番は着物姿でしたけども。
噺の途中で羽織(夏用で透けてる)をスッと脱がれたときは何かが始まる予感がしてドキッとした。


そごう7階の鬼太郎ショップ(期間限定)の入口にあった、鬼太郎の家とねずみ男神社(笑)。
かなりのクオリティです。
ねずみ男神社にお賽銭を入れると、東日本大震災の被災地に寄付されるそうですよ~。

鬼太郎の家の反対側には!鳥山石燕デザインの!目目連が!!
睨んでるのか困惑してるのか。たまらん。かわいい。
(あまりにも好きな妖怪なので以前ここに描いてしまったっけ)

ねずみ男神社の後ろにあった水木さんデザインのフィギュア展示。
これどう見ても蕭白の鬼だよね。色違いなだけでね。
いやー妖怪充できたひとときでした。
3ヶ所まわってみて思ったのは、三井記念の展示は絵巻や能面が多くて格調高く、
横須賀はスタンダードな浮世絵とアヴァンギャルドな現代アート、
そごうは浮世絵と掛軸でまとめられていてポップで賑やか、
それぞれ幽霊、妖怪、オバケに神様と盛りだくさんで楽しいです。
個人的にはそごうが良かった!妖怪好きさんみんなそごう行って!

後ろ姿その3。2はこちら。
過去に描いたこの子をまた描いてみました。相変わらずお出かけが好きなようです。
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*
テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 ジャンル : 学問・文化・芸術
書の祭典。
また先週の話ですが、東京国立博物館で開催中の「和様の書」展へ行ってきました。
平安時代初期に遣唐使の停止等で唐との国交がほぼなくなり、文化の国風化が進み仮名がうまれ、
それまでお手本としていた中国風の書から国風(和様)の書ができて大成するまでの、
また当時の人々がどのような書体で文字を書いていたかを紹介する内容となっています。
出品数約150点のうち半分は国宝または重要文化財ですよ~。
歴史上の人物の筆跡にもえるも良し、古文書にもえるも良し、古典文学にもえるも良し、
フォント(書体)にもえるも良し、装飾された紙にもえるも良し。
あらゆるクラスタに大変やさしい展示でした。
わたしはもちろん筆跡☆
過去に生きていた人たちが書いたもの…つまりお手製品…うふふ~うふふ~(*´∀`*)。
まずは三跡。三跡ったら三跡。
平安初期の三筆(嵯峨天皇・橘逸勢・空海)が愛し大成させた唐風の書から一歩前進して
国風の書、つまり和様の書を大成させた3人の書が展示されていました。
三跡の先鋒といえば!小野道風!!
わたしの大好きな人です。
こちらでも書きましたが、三跡の中で一番、書道のお手本になる字を書く人だなぁと思います。
「玉泉帖」「秋萩帖」「智証大師諡号勅書」はもう何度見たかわかりませんけども
何度見ても飽きない。なぜなら道風だから!!
(玉泉帖と秋萩帖は展示のたびにいつも違うページが開かれてるしね~)
諡号勅書の力強さは空海を連想するけど、でも空海と比べちゃうとそこまで迫力ないけど
その代わり和様の雅さや繊細さがにじみ出ている気がする…。
絹地切はなよやかな筆遣いで(細筆でしょうか)、
白居易の詩の一節が落ち着いて書いてありました。
秋萩帖はでーんと開かれていて、東博さんやってくれるじゃねぇかって感じですが
これ道風が書いたのは第1紙のみで、残りは行成か他の書家によるものだとされています。
たぶんまだ確実な説は出ていなかったかと…。
しかし面相筆で書いたかのような細く、細い草仮名はバランスが良くぐらつきがありません。
まっすぐ書くのが道風流だよね。曲がらないよね。小野家の一族だからね( *´艸`)。
いやーほんとにかっこいい。他に言葉が出てこない。
楷書も草書もゆったりして余裕がある道風は本当にいい書家だ。
藤原佐理。
出品3品のうち3品とも、遅刻してごめんなさいとか、先日は挨拶せずスルーしてすいませんとかの
詫び状だというのが何とも…(;´∀`)。
内容はアレだけど字がきれいだから、ってことで保存されたそうな。
(出品のうち「離洛帖」と「国申文帖」は国宝で、「頭弁帖」は重要文化財)
離洛帖とは3度目の再会かな。
藤原道隆(道長の兄ちゃん)に挨拶し忘れて京都出発しちゃったごめんなさいっテヘッ☆な手紙。
ぜんぜん読めないけど、すごくゆるい草書。大慌てで書いたんだろうな。
しかしバランスは取れている不思議。
頭弁帖は、佐理が申請した用件が頭弁に握りつぶされて天皇に届けられなかった
無念の思いを訴えたもの。
明らかに道風の書体を意識しているけれど、書くうちにどんどん字が崩れてユルユルになって
佐理自身がむき出しになっている感じがします。
この書状を書いた後しばらくして、佐理は亡くなるのですが
ずっと自由奔放な字を書いてきた佐理が晩年に書いた字が道風風だったというのがじわじわくる。
藤原行成。
和様の書を完成させたといっても過言ではない人だと思う。
道風が大らか、佐理が自由な字の人だとしたら
行成はそれを全部吸い上げて格調高い字に仕上げた人ですね。
「白氏詩巻」はその典型例だと思いますが
一見、平凡な書体ですけど、そこがすごいというか、平凡であることの強さというか
他に文字としてのパーフェクトな形はないんじゃないかというか、
ポピュラーな文字はこれですと提示されたかのような…。
うまく言えません。
あと、詩巻の中に「無」の文字がいくつも出てくるのですが、すべてが異なる書体で書かれていて
それなのに何の違和感もなく、すっとひとつの書き物としてまとまっているのもすごい。
行成は実務的だったというし、文字を書くことにしても、調和を取るのがうまい人だったのかも。
デキル男は違いますなあ!
(余談ですが藤原佐理の書いた頭弁帖の「頭弁」は行成ではないかという説があるそうな)
天下人の書。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康直筆の書状がそれぞれ1通ずつ。
3通とも事務的な内容で、武将や政治家としての顔というより生活感があったなあ。
息吹が感じられるような。
筆跡が三者三様で笑ってしまった。特にノブ様、性格出すぎでしょう(笑)。
御堂関白記。
世界記憶遺産認定おめでとう道長さん~。
ものすごくテンションageておはようからおやすみまで事細かに書く日もあれば
時間がなかったとか物忌くらいしかネタがないみたいな、明らかにやっつけとわかるgdgd記述が
たまに混ざっていたりして1粒で2度楽しめる、そんな日記。
(藤原定家の明月記も読んでみると時々そういう記述に出くわしますね)
ちっちゃくてかわいい字を書く道長さん。部下(行成)はあんなにゆったり書くのに(笑)。
竹生島経。
今回、ミュージアムショップで唯一ポスカ買ってきた作品です。
書もさることながら、お経の書かれた紙がとてもきれいだったんだ!
瑞鳥やおめでたい草花が随所に散らし描きされて、わたしの趣味的にもドツボ。
お経ということも忘れて見入ってしまいます。必見ですよ。
平家納経。
以前にも見たけど相変わらずの美しさです。いかに大切に保存されてきているかがわかります。
金粉をまいて星空のようにきらめく紙、ひとつひとつ丁寧に記された文字、添えられた絵。
書と絵と装飾、三拍子そろった総合芸術のようなお経です。
今回は展示ケースに鏡が置いてあって、巻物の裏も見られるようになっていました。
とにかく紙が美しくて、よくこの紙に書く気になったなと…間違えたら紙から注文し直しだぜ…?
一族みんなで手分けして作ったお経、全33巻。今や国宝。よかったね~。
それと、鳥羽天皇や美福門院得子が待賢門院璋子のために作った「久能寺経」が
平家納経の手前にちょこんと。
こちらも負けない装飾ぶりでした!
寸松庵色紙。伝紀貫之著。
貫之の真筆ってあまりなくて、何を見てもだいたい「伝」がついていることが多いけど
それでも「伝」がつくのであれば、模写にせよ酷似にせよ本人の字に近いんだろうし
少しは貫之の筆跡に近いものが見られているかもしれないと思うとやっぱり幸せを感じます。
この仮名や書体を使って土佐日記を書いたのでしょうか…ちょっと曲がってるのが気になるけど(笑)。
仮名といえば、ありましたよ!2年前に藤原良相邸から出土した土器に書かれた最古のひらがな!!
読めないけど、「かつらきへ」「ひとにくし」とか、目を凝らすとかすかにわかります。
えええええ読める…読めるぞ…!(某メガネ大佐風に)
良相さんと同時代に生きていた人たちがこんな字を書いたのかもと思うとwktkです。
あとは手鑑(書家の筆跡を集めたアルバム)でしょうか。国宝古筆手鑑4種から2種が出品。
うち手鑑「翰墨城」がもうすごい。
かなり分厚い手鑑が数メートルにわたり拡げて展示されています。思い切ったことしたなあ。
色んな人の歌や詩が、色んな人の手で書かれているのですが
そのひとつに野相公の名前を見つけてテンションうなぎ上り↑↑
道風さぁ~~んおじいちゃんの歌だよ!おじいちゃんの歌書いてる人いるよ!!(誰かはわからなかった)
琳派の書。
俵屋宗達が下絵を描き、本阿弥光悦が文字を書いた「鹿下絵和歌巻断簡」。
宗達の鹿の絵も味があってよくて、光悦の文字が藤蔓のようで雅やかですな~。
宗達の工房作・光悦書の「四季草花下絵和巻」もきれいだった☆
つややかな草花の上に、光悦が自由に書いていて和みます。
尾形乾山が藤原定家の十二ヶ月花鳥図を角皿で表現した作品、植物が美しく雅な絵皿です。
定家の書も忠実に再現されています。
定家の筆跡ってすごく特徴的で遠くから見てもすぐ定家とわかるけど
微妙な癖がありますよね。極端ならまだしも微妙ですよね。
乾山これ、再現するのほんとに大変だったと思う。
藤原一族の能書家たちが作成した万葉集、古今集、和漢朗詠集、お経などもあって
美しい紙と書がたくさん。
古今和歌集写本に小野篁朝臣の名前と歌を見つけて本日2度目のテンションうなぎ上り↑↑
この辺りはたぶん、書道をやっている人が見るとものすごく楽しいと思います。
行成が完成させ、以後の藤原一族が丁寧に守り伝えてきた書のオンパレードですから。
あ、あと、藤原氏じゃないけど
桃山時代のお公家さんだった烏丸光広の「東行記」が良かったです!
東下りの際のスケッチと紀行文をまとめたものですが
なんだかなあ、見たとたんに背筋がぞわぞわーーってしびれるほど「うまい!」って思っちゃった。
雑然と描いてるんだけど絵も字も、うまいというか、文字と絵でひとつの作品になっているような。
何を言ってるのかわからないかもしれませんが、
書を絵のひとつとして、絵を書のひとつとして融合させてしまっているというのか…。
わたしが感動したのはこちら。すばらしくバランスの取れた画面構成だと思う。
絵と書じゃない、もはや絵画。感動した。こんな人が桃山時代にいたんだ。
こういう出会いがあるから、展覧会通いってやめられない(^ ^)。
展示室の出口にはさらに嬉しい情報が♪
来年3月から東博で「栄西と建仁寺展」が開催されるそうで、そのポスターが貼ってあったのですが
どうやら建仁寺所蔵の俵屋宗達筆「風神雷神図屏風」が出品されるらしい!やっほう!
風神雷神が東京にくるよ!宗達、宗達!見に行く!絶対行く!!
東博本館に行ったら慈光寺(埼玉県ときがわ町)の法華経一品経(国宝☆)がありましたよ。
歴史と民俗の博物館が保存しているはずですが、和様の書展に関連して出してくれたそうな。
初めて見た~きれい~☆
夏コミ参加者の皆様お疲れさまでした!暑さでコミケ雲出たらしいね!こわいねこわいね。
そしてお盆休みですね。全国の本家の皆様心を一つにしてお客さんをさばきましょう。
わたしは仕事だけどね!←(遠い目)
※クリックで大きくなります
後ろ姿その2。1はこちら。
アオザイが描きたくて…ひらひら裾が描きたくて…そんな、煩悩のまま。
アオザイ描くために画像検索したら綺麗な人たちがいっぱい出てきて眼福でした。
この格好で自転車とかバイク乗ってるお嬢さんたちがステキです。
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平安時代初期に遣唐使の停止等で唐との国交がほぼなくなり、文化の国風化が進み仮名がうまれ、
それまでお手本としていた中国風の書から国風(和様)の書ができて大成するまでの、
また当時の人々がどのような書体で文字を書いていたかを紹介する内容となっています。
出品数約150点のうち半分は国宝または重要文化財ですよ~。
歴史上の人物の筆跡にもえるも良し、古文書にもえるも良し、古典文学にもえるも良し、
フォント(書体)にもえるも良し、装飾された紙にもえるも良し。
あらゆるクラスタに大変やさしい展示でした。
わたしはもちろん筆跡☆
過去に生きていた人たちが書いたもの…つまりお手製品…うふふ~うふふ~(*´∀`*)。
まずは三跡。三跡ったら三跡。
平安初期の三筆(嵯峨天皇・橘逸勢・空海)が愛し大成させた唐風の書から一歩前進して
国風の書、つまり和様の書を大成させた3人の書が展示されていました。
三跡の先鋒といえば!小野道風!!
わたしの大好きな人です。
こちらでも書きましたが、三跡の中で一番、書道のお手本になる字を書く人だなぁと思います。
「玉泉帖」「秋萩帖」「智証大師諡号勅書」はもう何度見たかわかりませんけども
何度見ても飽きない。なぜなら道風だから!!
(玉泉帖と秋萩帖は展示のたびにいつも違うページが開かれてるしね~)
諡号勅書の力強さは空海を連想するけど、でも空海と比べちゃうとそこまで迫力ないけど
その代わり和様の雅さや繊細さがにじみ出ている気がする…。
絹地切はなよやかな筆遣いで(細筆でしょうか)、
白居易の詩の一節が落ち着いて書いてありました。
秋萩帖はでーんと開かれていて、東博さんやってくれるじゃねぇかって感じですが
これ道風が書いたのは第1紙のみで、残りは行成か他の書家によるものだとされています。
たぶんまだ確実な説は出ていなかったかと…。
しかし面相筆で書いたかのような細く、細い草仮名はバランスが良くぐらつきがありません。
まっすぐ書くのが道風流だよね。曲がらないよね。小野家の一族だからね( *´艸`)。
いやーほんとにかっこいい。他に言葉が出てこない。
楷書も草書もゆったりして余裕がある道風は本当にいい書家だ。
藤原佐理。
出品3品のうち3品とも、遅刻してごめんなさいとか、先日は挨拶せずスルーしてすいませんとかの
詫び状だというのが何とも…(;´∀`)。
内容はアレだけど字がきれいだから、ってことで保存されたそうな。
(出品のうち「離洛帖」と「国申文帖」は国宝で、「頭弁帖」は重要文化財)
離洛帖とは3度目の再会かな。
藤原道隆(道長の兄ちゃん)に挨拶し忘れて京都出発しちゃったごめんなさいっテヘッ☆な手紙。
ぜんぜん読めないけど、すごくゆるい草書。大慌てで書いたんだろうな。
しかしバランスは取れている不思議。
頭弁帖は、佐理が申請した用件が頭弁に握りつぶされて天皇に届けられなかった
無念の思いを訴えたもの。
明らかに道風の書体を意識しているけれど、書くうちにどんどん字が崩れてユルユルになって
佐理自身がむき出しになっている感じがします。
この書状を書いた後しばらくして、佐理は亡くなるのですが
ずっと自由奔放な字を書いてきた佐理が晩年に書いた字が道風風だったというのがじわじわくる。
藤原行成。
和様の書を完成させたといっても過言ではない人だと思う。
道風が大らか、佐理が自由な字の人だとしたら
行成はそれを全部吸い上げて格調高い字に仕上げた人ですね。
「白氏詩巻」はその典型例だと思いますが
一見、平凡な書体ですけど、そこがすごいというか、平凡であることの強さというか
他に文字としてのパーフェクトな形はないんじゃないかというか、
ポピュラーな文字はこれですと提示されたかのような…。
うまく言えません。
あと、詩巻の中に「無」の文字がいくつも出てくるのですが、すべてが異なる書体で書かれていて
それなのに何の違和感もなく、すっとひとつの書き物としてまとまっているのもすごい。
行成は実務的だったというし、文字を書くことにしても、調和を取るのがうまい人だったのかも。
デキル男は違いますなあ!
(余談ですが藤原佐理の書いた頭弁帖の「頭弁」は行成ではないかという説があるそうな)
天下人の書。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康直筆の書状がそれぞれ1通ずつ。
3通とも事務的な内容で、武将や政治家としての顔というより生活感があったなあ。
息吹が感じられるような。
筆跡が三者三様で笑ってしまった。特にノブ様、性格出すぎでしょう(笑)。
御堂関白記。
世界記憶遺産認定おめでとう道長さん~。
ものすごくテンションageておはようからおやすみまで事細かに書く日もあれば
時間がなかったとか物忌くらいしかネタがないみたいな、明らかにやっつけとわかるgdgd記述が
たまに混ざっていたりして1粒で2度楽しめる、そんな日記。
(藤原定家の明月記も読んでみると時々そういう記述に出くわしますね)
ちっちゃくてかわいい字を書く道長さん。部下(行成)はあんなにゆったり書くのに(笑)。
竹生島経。
今回、ミュージアムショップで唯一ポスカ買ってきた作品です。
書もさることながら、お経の書かれた紙がとてもきれいだったんだ!
瑞鳥やおめでたい草花が随所に散らし描きされて、わたしの趣味的にもドツボ。
お経ということも忘れて見入ってしまいます。必見ですよ。
平家納経。
以前にも見たけど相変わらずの美しさです。いかに大切に保存されてきているかがわかります。
金粉をまいて星空のようにきらめく紙、ひとつひとつ丁寧に記された文字、添えられた絵。
書と絵と装飾、三拍子そろった総合芸術のようなお経です。
今回は展示ケースに鏡が置いてあって、巻物の裏も見られるようになっていました。
とにかく紙が美しくて、よくこの紙に書く気になったなと…間違えたら紙から注文し直しだぜ…?
一族みんなで手分けして作ったお経、全33巻。今や国宝。よかったね~。
それと、鳥羽天皇や美福門院得子が待賢門院璋子のために作った「久能寺経」が
平家納経の手前にちょこんと。
こちらも負けない装飾ぶりでした!
寸松庵色紙。伝紀貫之著。
貫之の真筆ってあまりなくて、何を見てもだいたい「伝」がついていることが多いけど
それでも「伝」がつくのであれば、模写にせよ酷似にせよ本人の字に近いんだろうし
少しは貫之の筆跡に近いものが見られているかもしれないと思うとやっぱり幸せを感じます。
この仮名や書体を使って土佐日記を書いたのでしょうか…ちょっと曲がってるのが気になるけど(笑)。
仮名といえば、ありましたよ!2年前に藤原良相邸から出土した土器に書かれた最古のひらがな!!
読めないけど、「かつらきへ」「ひとにくし」とか、目を凝らすとかすかにわかります。
えええええ読める…読めるぞ…!(某メガネ大佐風に)
良相さんと同時代に生きていた人たちがこんな字を書いたのかもと思うとwktkです。
あとは手鑑(書家の筆跡を集めたアルバム)でしょうか。国宝古筆手鑑4種から2種が出品。
うち手鑑「翰墨城」がもうすごい。
かなり分厚い手鑑が数メートルにわたり拡げて展示されています。思い切ったことしたなあ。
色んな人の歌や詩が、色んな人の手で書かれているのですが
そのひとつに野相公の名前を見つけてテンションうなぎ上り↑↑
道風さぁ~~んおじいちゃんの歌だよ!おじいちゃんの歌書いてる人いるよ!!(誰かはわからなかった)
琳派の書。
俵屋宗達が下絵を描き、本阿弥光悦が文字を書いた「鹿下絵和歌巻断簡」。
宗達の鹿の絵も味があってよくて、光悦の文字が藤蔓のようで雅やかですな~。
宗達の工房作・光悦書の「四季草花下絵和巻」もきれいだった☆
つややかな草花の上に、光悦が自由に書いていて和みます。
尾形乾山が藤原定家の十二ヶ月花鳥図を角皿で表現した作品、植物が美しく雅な絵皿です。
定家の書も忠実に再現されています。
定家の筆跡ってすごく特徴的で遠くから見てもすぐ定家とわかるけど
微妙な癖がありますよね。極端ならまだしも微妙ですよね。
乾山これ、再現するのほんとに大変だったと思う。
藤原一族の能書家たちが作成した万葉集、古今集、和漢朗詠集、お経などもあって
美しい紙と書がたくさん。
古今和歌集写本に小野篁朝臣の名前と歌を見つけて本日2度目のテンションうなぎ上り↑↑
この辺りはたぶん、書道をやっている人が見るとものすごく楽しいと思います。
行成が完成させ、以後の藤原一族が丁寧に守り伝えてきた書のオンパレードですから。
あ、あと、藤原氏じゃないけど
桃山時代のお公家さんだった烏丸光広の「東行記」が良かったです!
東下りの際のスケッチと紀行文をまとめたものですが
なんだかなあ、見たとたんに背筋がぞわぞわーーってしびれるほど「うまい!」って思っちゃった。
雑然と描いてるんだけど絵も字も、うまいというか、文字と絵でひとつの作品になっているような。
何を言ってるのかわからないかもしれませんが、
書を絵のひとつとして、絵を書のひとつとして融合させてしまっているというのか…。
わたしが感動したのはこちら。すばらしくバランスの取れた画面構成だと思う。
絵と書じゃない、もはや絵画。感動した。こんな人が桃山時代にいたんだ。
こういう出会いがあるから、展覧会通いってやめられない(^ ^)。
展示室の出口にはさらに嬉しい情報が♪
来年3月から東博で「栄西と建仁寺展」が開催されるそうで、そのポスターが貼ってあったのですが
どうやら建仁寺所蔵の俵屋宗達筆「風神雷神図屏風」が出品されるらしい!やっほう!
風神雷神が東京にくるよ!宗達、宗達!見に行く!絶対行く!!
東博本館に行ったら慈光寺(埼玉県ときがわ町)の法華経一品経(国宝☆)がありましたよ。
歴史と民俗の博物館が保存しているはずですが、和様の書展に関連して出してくれたそうな。
初めて見た~きれい~☆
夏コミ参加者の皆様お疲れさまでした!暑さでコミケ雲出たらしいね!こわいねこわいね。
そしてお盆休みですね。全国の本家の皆様心を一つにしてお客さんをさばきましょう。
わたしは仕事だけどね!←(遠い目)

後ろ姿その2。1はこちら。
アオザイが描きたくて…ひらひら裾が描きたくて…そんな、煩悩のまま。
アオザイ描くために画像検索したら綺麗な人たちがいっぱい出てきて眼福でした。
この格好で自転車とかバイク乗ってるお嬢さんたちがステキです。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 ジャンル : 学問・文化・芸術
ぼくが目になろう。
先週のことになりますが、Bunkamuraザミュージアムで開催されていた
「レオ・レオニ絵本のしごと Book! Art! Book!」展に行ってきました。
小学校の教科書で知った『スイミー』でレオニの描く世界が大好きになって以来、
彼の絵本はたくさん読んできたので
今回その仕事がまとまって見られるなんて!と喜んで行きました。
展示内容ですが、絵本原画はもちろん、油彩、スケッチ、リトグラフ、エッチングほか
レオニが使っていた道具なども展示されていましたよ。
展示室の真ん中にはレオニの絵本が読めるコーナーがあって皆さん熱心に読んでいまして、
わたしも久々にいっぱい読んできてしまった。
『スイミー』における、スイミーが仲間たちと共に大きな魚に立ち向かうときに言う
「ぼくが目になろう」のセリフがかっこよすぎて膝から崩れ落ちるかと思った。
スイミー、あなたこんなにイケメンだったのね!
レオニの絵本の翻訳はほとんど谷川俊太郎氏によるものですが、名訳が多いなあ…。
レオニの原文がいいのだろうけど、谷川さんの言葉選びもいい。
ト書きもセリフも至極なんでもない訳なんだけど
どんぴしゃりな、他に考えられない言葉を持ってきているなと改めて読んで思いました。
お子さんたちがキャッキャしながら読んだり、親御さんにねえこれ見てって話しかけていたのが
とても微笑ましかったです。
絵本原画。
フレデリック、マシューのゆめ、コーネリアス、アレクサンダとぜんまいねずみなど
見覚えのある原画がたくさん。
今まで忘れていても、絵を見るとストーリーを思い出すから不思議ですね。
フレデリックが仲間たちに世界の色を語る場面と、マシューが美術館の絵に衝撃を受ける場面が
何度見ても好きだー。
レオニの原画はコラージュが基本で、紙が重ねて貼られているので
印刷ではわからなかった立体感がありましたね。
おんがくねずみジェラルディンには上から別の紙を貼りつけて修正した痕跡も。
じーっと見ると下の絵がうっすら透けていたのでわかったのですが、
修正前は葉っぱが青々と茂っていたのを、ジェラルディンのフルートの音色に変えたみたいです。
赤やオレンジの色鉛筆で表現された音色いいなあ。
作家の思考の跡が見られるのが原画のいいところですね(´▽`)。
レオニが絵本を作り始めたのは50歳前後だそうですが(やなせたかしさんと同じだ)、
本職がグラフィックデザイナーなので画面構成などのデザインもすごいんですけど
あおくんときいろちゃんが合わさると緑になるとか、透ける紙で葉っぱに遠近感を出すとか
色で遊ぶのが本当にうまいと思います。
みどりのしっぽのねずみの、ねずみたちが仮面を燃やしてしまう場面の炎の色がすごい…。
炎をこんな色に描く人、世界中探してもレオニくらいだと思う。
それまでモノトーンに近かった絵がパーッと明るくなるのですよね。
落ち着いた色の中に突如として現れるカラフルがレオニの真骨頂だと勝手に思っているのですが
今回の展示でそれを再確認できたような気がします。本当にきれい。
じぶんだけのいろとかペツェッティーノもすごい、
全然統一感のない色の組み合わせがこんなにしっくりくるって一体どんな配色センスだよ…。
アレクサンダも、絵本で見ても十分きれいなんだけど、原画で見ると色がくっきりして一層きれい。
レオニはいつもコラージュ用の紙をかごに入れて持っていたそうで、
今回はその持ち物の展示もありました。
小さなかごの中に、ねずみの胴体や耳やしっぽの形をした紙がいくつか入っていましたよ。
アイディアを思いついたときすぐ形にできるようにしていたのでしょうか。
レオニ愛用のおもちゃや画材もいくつか展示がありました。
これらからあの世界が生み出されていたんだなあ…。
そしてレオニ、カラフルな原画もきれいですが鉛筆画もすごい。
『平行植物』の原画の精密さに呆然としました。彼のいつもの絵本からは想像もつかなかったから。
不思議な植物たちを丁寧に緻密に描いています。
やっぱり絵の単純化がうまい人は基礎的なことが一通りできるんだよね。
『はまべにはいしがいっぱい』のエッチングや鉛筆画に混ざって
石ころを描きつめた「空海に捧ぐ」っていう鉛筆画があって戦慄した。ど、どういうことだ…。
スイミーの原画展示はなかったのですが、
会場の一番奥に壁一面をスクリーンにした展示室があって
スイミーの海が投映されて魚たちがたくさん泳いでいるインタラクティブコンテンツがありました。
スクリーン前に人が来ると、展示室に設置されたカメラがそれを感知して
魚たちが逃げていくしかけです☆
お子さんたちが面白がって追いかけていて微笑ましかった。
わたしも展示室をグルグル回ってスイミーたちを追いかけました。楽しかった~!

ミュージアムショップで買ってきた折り紙。レオニの絵本の絵がプリントされています。
四折りにすると絵本っぽくなるのがいいな~。
本日のお絵かき↓
※クリックで大きくなります
オリジナル。
年に1度の後ろ姿描きたい症候群に罹患しています。何も考えず描き描き。
しばらく後ろ姿描きます。
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*
「レオ・レオニ絵本のしごと Book! Art! Book!」展に行ってきました。
小学校の教科書で知った『スイミー』でレオニの描く世界が大好きになって以来、
彼の絵本はたくさん読んできたので
今回その仕事がまとまって見られるなんて!と喜んで行きました。
展示内容ですが、絵本原画はもちろん、油彩、スケッチ、リトグラフ、エッチングほか
レオニが使っていた道具なども展示されていましたよ。
展示室の真ん中にはレオニの絵本が読めるコーナーがあって皆さん熱心に読んでいまして、
わたしも久々にいっぱい読んできてしまった。
『スイミー』における、スイミーが仲間たちと共に大きな魚に立ち向かうときに言う
「ぼくが目になろう」のセリフがかっこよすぎて膝から崩れ落ちるかと思った。
スイミー、あなたこんなにイケメンだったのね!
レオニの絵本の翻訳はほとんど谷川俊太郎氏によるものですが、名訳が多いなあ…。
レオニの原文がいいのだろうけど、谷川さんの言葉選びもいい。
ト書きもセリフも至極なんでもない訳なんだけど
どんぴしゃりな、他に考えられない言葉を持ってきているなと改めて読んで思いました。
お子さんたちがキャッキャしながら読んだり、親御さんにねえこれ見てって話しかけていたのが
とても微笑ましかったです。
絵本原画。
フレデリック、マシューのゆめ、コーネリアス、アレクサンダとぜんまいねずみなど
見覚えのある原画がたくさん。
今まで忘れていても、絵を見るとストーリーを思い出すから不思議ですね。
フレデリックが仲間たちに世界の色を語る場面と、マシューが美術館の絵に衝撃を受ける場面が
何度見ても好きだー。
レオニの原画はコラージュが基本で、紙が重ねて貼られているので
印刷ではわからなかった立体感がありましたね。
おんがくねずみジェラルディンには上から別の紙を貼りつけて修正した痕跡も。
じーっと見ると下の絵がうっすら透けていたのでわかったのですが、
修正前は葉っぱが青々と茂っていたのを、ジェラルディンのフルートの音色に変えたみたいです。
赤やオレンジの色鉛筆で表現された音色いいなあ。
作家の思考の跡が見られるのが原画のいいところですね(´▽`)。
レオニが絵本を作り始めたのは50歳前後だそうですが(やなせたかしさんと同じだ)、
本職がグラフィックデザイナーなので画面構成などのデザインもすごいんですけど
あおくんときいろちゃんが合わさると緑になるとか、透ける紙で葉っぱに遠近感を出すとか
色で遊ぶのが本当にうまいと思います。
みどりのしっぽのねずみの、ねずみたちが仮面を燃やしてしまう場面の炎の色がすごい…。
炎をこんな色に描く人、世界中探してもレオニくらいだと思う。
それまでモノトーンに近かった絵がパーッと明るくなるのですよね。
落ち着いた色の中に突如として現れるカラフルがレオニの真骨頂だと勝手に思っているのですが
今回の展示でそれを再確認できたような気がします。本当にきれい。
じぶんだけのいろとかペツェッティーノもすごい、
全然統一感のない色の組み合わせがこんなにしっくりくるって一体どんな配色センスだよ…。
アレクサンダも、絵本で見ても十分きれいなんだけど、原画で見ると色がくっきりして一層きれい。
レオニはいつもコラージュ用の紙をかごに入れて持っていたそうで、
今回はその持ち物の展示もありました。
小さなかごの中に、ねずみの胴体や耳やしっぽの形をした紙がいくつか入っていましたよ。
アイディアを思いついたときすぐ形にできるようにしていたのでしょうか。
レオニ愛用のおもちゃや画材もいくつか展示がありました。
これらからあの世界が生み出されていたんだなあ…。
そしてレオニ、カラフルな原画もきれいですが鉛筆画もすごい。
『平行植物』の原画の精密さに呆然としました。彼のいつもの絵本からは想像もつかなかったから。
不思議な植物たちを丁寧に緻密に描いています。
やっぱり絵の単純化がうまい人は基礎的なことが一通りできるんだよね。
『はまべにはいしがいっぱい』のエッチングや鉛筆画に混ざって
石ころを描きつめた「空海に捧ぐ」っていう鉛筆画があって戦慄した。ど、どういうことだ…。
スイミーの原画展示はなかったのですが、
会場の一番奥に壁一面をスクリーンにした展示室があって
スイミーの海が投映されて魚たちがたくさん泳いでいるインタラクティブコンテンツがありました。
スクリーン前に人が来ると、展示室に設置されたカメラがそれを感知して
魚たちが逃げていくしかけです☆
お子さんたちが面白がって追いかけていて微笑ましかった。
わたしも展示室をグルグル回ってスイミーたちを追いかけました。楽しかった~!

ミュージアムショップで買ってきた折り紙。レオニの絵本の絵がプリントされています。
四折りにすると絵本っぽくなるのがいいな~。
本日のお絵かき↓

オリジナル。
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Le vent se leve, il faut tenter de vivre。。。
アルス画房のイラストコンペが無事終了しました~。
見てくださった方々、応援してくださった方々、ありがとうございました☆
ところで、そろそろ観に行った方もいらっしゃる頃かと思いますので、
映画『風立ちぬ』の感想を書いてみることにします。
わたしは公開初日に観て、先週2回目を観て、3回目行こうかな~と考えているところです。
『魔女の宅急便』『紅の豚』『千と千尋の神隠し』の3作がジブリ映画の中で特に大好きなんだけど
この3作に迫るくらいの出来栄えだったと思う。
今日のお絵かき↓
※クリックで大きくなります
二郎さんと本庄さん。
この2人の掛け合い好きだー。良きライバル、良き仕事仲間、良き戦友。
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*
以下、異様に長い感想&盛大にネタバレしていますので、未見の方はご注意ください。
大丈夫な方はクリックでどうぞ~↓
見てくださった方々、応援してくださった方々、ありがとうございました☆
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映画『風立ちぬ』の感想を書いてみることにします。
わたしは公開初日に観て、先週2回目を観て、3回目行こうかな~と考えているところです。
『魔女の宅急便』『紅の豚』『千と千尋の神隠し』の3作がジブリ映画の中で特に大好きなんだけど
この3作に迫るくらいの出来栄えだったと思う。
今日のお絵かき↓

二郎さんと本庄さん。
この2人の掛け合い好きだー。良きライバル、良き仕事仲間、良き戦友。
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