書の祭典。
また先週の話ですが、東京国立博物館で開催中の「和様の書」展へ行ってきました。
平安時代初期に遣唐使の停止等で唐との国交がほぼなくなり、文化の国風化が進み仮名がうまれ、
それまでお手本としていた中国風の書から国風(和様)の書ができて大成するまでの、
また当時の人々がどのような書体で文字を書いていたかを紹介する内容となっています。
出品数約150点のうち半分は国宝または重要文化財ですよ~。
歴史上の人物の筆跡にもえるも良し、古文書にもえるも良し、古典文学にもえるも良し、
フォント(書体)にもえるも良し、装飾された紙にもえるも良し。
あらゆるクラスタに大変やさしい展示でした。
わたしはもちろん筆跡☆
過去に生きていた人たちが書いたもの…つまりお手製品…うふふ~うふふ~(*´∀`*)。
まずは三跡。三跡ったら三跡。
平安初期の三筆(嵯峨天皇・橘逸勢・空海)が愛し大成させた唐風の書から一歩前進して
国風の書、つまり和様の書を大成させた3人の書が展示されていました。
三跡の先鋒といえば!小野道風!!
わたしの大好きな人です。
こちらでも書きましたが、三跡の中で一番、書道のお手本になる字を書く人だなぁと思います。
「玉泉帖」「秋萩帖」「智証大師諡号勅書」はもう何度見たかわかりませんけども
何度見ても飽きない。なぜなら道風だから!!
(玉泉帖と秋萩帖は展示のたびにいつも違うページが開かれてるしね~)
諡号勅書の力強さは空海を連想するけど、でも空海と比べちゃうとそこまで迫力ないけど
その代わり和様の雅さや繊細さがにじみ出ている気がする…。
絹地切はなよやかな筆遣いで(細筆でしょうか)、
白居易の詩の一節が落ち着いて書いてありました。
秋萩帖はでーんと開かれていて、東博さんやってくれるじゃねぇかって感じですが
これ道風が書いたのは第1紙のみで、残りは行成か他の書家によるものだとされています。
たぶんまだ確実な説は出ていなかったかと…。
しかし面相筆で書いたかのような細く、細い草仮名はバランスが良くぐらつきがありません。
まっすぐ書くのが道風流だよね。曲がらないよね。小野家の一族だからね( *´艸`)。
いやーほんとにかっこいい。他に言葉が出てこない。
楷書も草書もゆったりして余裕がある道風は本当にいい書家だ。
藤原佐理。
出品3品のうち3品とも、遅刻してごめんなさいとか、先日は挨拶せずスルーしてすいませんとかの
詫び状だというのが何とも…(;´∀`)。
内容はアレだけど字がきれいだから、ってことで保存されたそうな。
(出品のうち「離洛帖」と「国申文帖」は国宝で、「頭弁帖」は重要文化財)
離洛帖とは3度目の再会かな。
藤原道隆(道長の兄ちゃん)に挨拶し忘れて京都出発しちゃったごめんなさいっテヘッ☆な手紙。
ぜんぜん読めないけど、すごくゆるい草書。大慌てで書いたんだろうな。
しかしバランスは取れている不思議。
頭弁帖は、佐理が申請した用件が頭弁に握りつぶされて天皇に届けられなかった
無念の思いを訴えたもの。
明らかに道風の書体を意識しているけれど、書くうちにどんどん字が崩れてユルユルになって
佐理自身がむき出しになっている感じがします。
この書状を書いた後しばらくして、佐理は亡くなるのですが
ずっと自由奔放な字を書いてきた佐理が晩年に書いた字が道風風だったというのがじわじわくる。
藤原行成。
和様の書を完成させたといっても過言ではない人だと思う。
道風が大らか、佐理が自由な字の人だとしたら
行成はそれを全部吸い上げて格調高い字に仕上げた人ですね。
「白氏詩巻」はその典型例だと思いますが
一見、平凡な書体ですけど、そこがすごいというか、平凡であることの強さというか
他に文字としてのパーフェクトな形はないんじゃないかというか、
ポピュラーな文字はこれですと提示されたかのような…。
うまく言えません。
あと、詩巻の中に「無」の文字がいくつも出てくるのですが、すべてが異なる書体で書かれていて
それなのに何の違和感もなく、すっとひとつの書き物としてまとまっているのもすごい。
行成は実務的だったというし、文字を書くことにしても、調和を取るのがうまい人だったのかも。
デキル男は違いますなあ!
(余談ですが藤原佐理の書いた頭弁帖の「頭弁」は行成ではないかという説があるそうな)
天下人の書。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康直筆の書状がそれぞれ1通ずつ。
3通とも事務的な内容で、武将や政治家としての顔というより生活感があったなあ。
息吹が感じられるような。
筆跡が三者三様で笑ってしまった。特にノブ様、性格出すぎでしょう(笑)。
御堂関白記。
世界記憶遺産認定おめでとう道長さん~。
ものすごくテンションageておはようからおやすみまで事細かに書く日もあれば
時間がなかったとか物忌くらいしかネタがないみたいな、明らかにやっつけとわかるgdgd記述が
たまに混ざっていたりして1粒で2度楽しめる、そんな日記。
(藤原定家の明月記も読んでみると時々そういう記述に出くわしますね)
ちっちゃくてかわいい字を書く道長さん。部下(行成)はあんなにゆったり書くのに(笑)。
竹生島経。
今回、ミュージアムショップで唯一ポスカ買ってきた作品です。
書もさることながら、お経の書かれた紙がとてもきれいだったんだ!
瑞鳥やおめでたい草花が随所に散らし描きされて、わたしの趣味的にもドツボ。
お経ということも忘れて見入ってしまいます。必見ですよ。
平家納経。
以前にも見たけど相変わらずの美しさです。いかに大切に保存されてきているかがわかります。
金粉をまいて星空のようにきらめく紙、ひとつひとつ丁寧に記された文字、添えられた絵。
書と絵と装飾、三拍子そろった総合芸術のようなお経です。
今回は展示ケースに鏡が置いてあって、巻物の裏も見られるようになっていました。
とにかく紙が美しくて、よくこの紙に書く気になったなと…間違えたら紙から注文し直しだぜ…?
一族みんなで手分けして作ったお経、全33巻。今や国宝。よかったね~。
それと、鳥羽天皇や美福門院得子が待賢門院璋子のために作った「久能寺経」が
平家納経の手前にちょこんと。
こちらも負けない装飾ぶりでした!
寸松庵色紙。伝紀貫之著。
貫之の真筆ってあまりなくて、何を見てもだいたい「伝」がついていることが多いけど
それでも「伝」がつくのであれば、模写にせよ酷似にせよ本人の字に近いんだろうし
少しは貫之の筆跡に近いものが見られているかもしれないと思うとやっぱり幸せを感じます。
この仮名や書体を使って土佐日記を書いたのでしょうか…ちょっと曲がってるのが気になるけど(笑)。
仮名といえば、ありましたよ!2年前に藤原良相邸から出土した土器に書かれた最古のひらがな!!
読めないけど、「かつらきへ」「ひとにくし」とか、目を凝らすとかすかにわかります。
えええええ読める…読めるぞ…!(某メガネ大佐風に)
良相さんと同時代に生きていた人たちがこんな字を書いたのかもと思うとwktkです。
あとは手鑑(書家の筆跡を集めたアルバム)でしょうか。国宝古筆手鑑4種から2種が出品。
うち手鑑「翰墨城」がもうすごい。
かなり分厚い手鑑が数メートルにわたり拡げて展示されています。思い切ったことしたなあ。
色んな人の歌や詩が、色んな人の手で書かれているのですが
そのひとつに野相公の名前を見つけてテンションうなぎ上り↑↑
道風さぁ~~んおじいちゃんの歌だよ!おじいちゃんの歌書いてる人いるよ!!(誰かはわからなかった)
琳派の書。
俵屋宗達が下絵を描き、本阿弥光悦が文字を書いた「鹿下絵和歌巻断簡」。
宗達の鹿の絵も味があってよくて、光悦の文字が藤蔓のようで雅やかですな~。
宗達の工房作・光悦書の「四季草花下絵和巻」もきれいだった☆
つややかな草花の上に、光悦が自由に書いていて和みます。
尾形乾山が藤原定家の十二ヶ月花鳥図を角皿で表現した作品、植物が美しく雅な絵皿です。
定家の書も忠実に再現されています。
定家の筆跡ってすごく特徴的で遠くから見てもすぐ定家とわかるけど
微妙な癖がありますよね。極端ならまだしも微妙ですよね。
乾山これ、再現するのほんとに大変だったと思う。
藤原一族の能書家たちが作成した万葉集、古今集、和漢朗詠集、お経などもあって
美しい紙と書がたくさん。
古今和歌集写本に小野篁朝臣の名前と歌を見つけて本日2度目のテンションうなぎ上り↑↑
この辺りはたぶん、書道をやっている人が見るとものすごく楽しいと思います。
行成が完成させ、以後の藤原一族が丁寧に守り伝えてきた書のオンパレードですから。
あ、あと、藤原氏じゃないけど
桃山時代のお公家さんだった烏丸光広の「東行記」が良かったです!
東下りの際のスケッチと紀行文をまとめたものですが
なんだかなあ、見たとたんに背筋がぞわぞわーーってしびれるほど「うまい!」って思っちゃった。
雑然と描いてるんだけど絵も字も、うまいというか、文字と絵でひとつの作品になっているような。
何を言ってるのかわからないかもしれませんが、
書を絵のひとつとして、絵を書のひとつとして融合させてしまっているというのか…。
わたしが感動したのはこちら。すばらしくバランスの取れた画面構成だと思う。
絵と書じゃない、もはや絵画。感動した。こんな人が桃山時代にいたんだ。
こういう出会いがあるから、展覧会通いってやめられない(^ ^)。
展示室の出口にはさらに嬉しい情報が♪
来年3月から東博で「栄西と建仁寺展」が開催されるそうで、そのポスターが貼ってあったのですが
どうやら建仁寺所蔵の俵屋宗達筆「風神雷神図屏風」が出品されるらしい!やっほう!
風神雷神が東京にくるよ!宗達、宗達!見に行く!絶対行く!!
東博本館に行ったら慈光寺(埼玉県ときがわ町)の法華経一品経(国宝☆)がありましたよ。
歴史と民俗の博物館が保存しているはずですが、和様の書展に関連して出してくれたそうな。
初めて見た~きれい~☆
夏コミ参加者の皆様お疲れさまでした!暑さでコミケ雲出たらしいね!こわいねこわいね。
そしてお盆休みですね。全国の本家の皆様心を一つにしてお客さんをさばきましょう。
わたしは仕事だけどね!←(遠い目)
※クリックで大きくなります
後ろ姿その2。1はこちら。
アオザイが描きたくて…ひらひら裾が描きたくて…そんな、煩悩のまま。
アオザイ描くために画像検索したら綺麗な人たちがいっぱい出てきて眼福でした。
この格好で自転車とかバイク乗ってるお嬢さんたちがステキです。
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*
平安時代初期に遣唐使の停止等で唐との国交がほぼなくなり、文化の国風化が進み仮名がうまれ、
それまでお手本としていた中国風の書から国風(和様)の書ができて大成するまでの、
また当時の人々がどのような書体で文字を書いていたかを紹介する内容となっています。
出品数約150点のうち半分は国宝または重要文化財ですよ~。
歴史上の人物の筆跡にもえるも良し、古文書にもえるも良し、古典文学にもえるも良し、
フォント(書体)にもえるも良し、装飾された紙にもえるも良し。
あらゆるクラスタに大変やさしい展示でした。
わたしはもちろん筆跡☆
過去に生きていた人たちが書いたもの…つまりお手製品…うふふ~うふふ~(*´∀`*)。
まずは三跡。三跡ったら三跡。
平安初期の三筆(嵯峨天皇・橘逸勢・空海)が愛し大成させた唐風の書から一歩前進して
国風の書、つまり和様の書を大成させた3人の書が展示されていました。
三跡の先鋒といえば!小野道風!!
わたしの大好きな人です。
こちらでも書きましたが、三跡の中で一番、書道のお手本になる字を書く人だなぁと思います。
「玉泉帖」「秋萩帖」「智証大師諡号勅書」はもう何度見たかわかりませんけども
何度見ても飽きない。なぜなら道風だから!!
(玉泉帖と秋萩帖は展示のたびにいつも違うページが開かれてるしね~)
諡号勅書の力強さは空海を連想するけど、でも空海と比べちゃうとそこまで迫力ないけど
その代わり和様の雅さや繊細さがにじみ出ている気がする…。
絹地切はなよやかな筆遣いで(細筆でしょうか)、
白居易の詩の一節が落ち着いて書いてありました。
秋萩帖はでーんと開かれていて、東博さんやってくれるじゃねぇかって感じですが
これ道風が書いたのは第1紙のみで、残りは行成か他の書家によるものだとされています。
たぶんまだ確実な説は出ていなかったかと…。
しかし面相筆で書いたかのような細く、細い草仮名はバランスが良くぐらつきがありません。
まっすぐ書くのが道風流だよね。曲がらないよね。小野家の一族だからね( *´艸`)。
いやーほんとにかっこいい。他に言葉が出てこない。
楷書も草書もゆったりして余裕がある道風は本当にいい書家だ。
藤原佐理。
出品3品のうち3品とも、遅刻してごめんなさいとか、先日は挨拶せずスルーしてすいませんとかの
詫び状だというのが何とも…(;´∀`)。
内容はアレだけど字がきれいだから、ってことで保存されたそうな。
(出品のうち「離洛帖」と「国申文帖」は国宝で、「頭弁帖」は重要文化財)
離洛帖とは3度目の再会かな。
藤原道隆(道長の兄ちゃん)に挨拶し忘れて京都出発しちゃったごめんなさいっテヘッ☆な手紙。
ぜんぜん読めないけど、すごくゆるい草書。大慌てで書いたんだろうな。
しかしバランスは取れている不思議。
頭弁帖は、佐理が申請した用件が頭弁に握りつぶされて天皇に届けられなかった
無念の思いを訴えたもの。
明らかに道風の書体を意識しているけれど、書くうちにどんどん字が崩れてユルユルになって
佐理自身がむき出しになっている感じがします。
この書状を書いた後しばらくして、佐理は亡くなるのですが
ずっと自由奔放な字を書いてきた佐理が晩年に書いた字が道風風だったというのがじわじわくる。
藤原行成。
和様の書を完成させたといっても過言ではない人だと思う。
道風が大らか、佐理が自由な字の人だとしたら
行成はそれを全部吸い上げて格調高い字に仕上げた人ですね。
「白氏詩巻」はその典型例だと思いますが
一見、平凡な書体ですけど、そこがすごいというか、平凡であることの強さというか
他に文字としてのパーフェクトな形はないんじゃないかというか、
ポピュラーな文字はこれですと提示されたかのような…。
うまく言えません。
あと、詩巻の中に「無」の文字がいくつも出てくるのですが、すべてが異なる書体で書かれていて
それなのに何の違和感もなく、すっとひとつの書き物としてまとまっているのもすごい。
行成は実務的だったというし、文字を書くことにしても、調和を取るのがうまい人だったのかも。
デキル男は違いますなあ!
(余談ですが藤原佐理の書いた頭弁帖の「頭弁」は行成ではないかという説があるそうな)
天下人の書。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康直筆の書状がそれぞれ1通ずつ。
3通とも事務的な内容で、武将や政治家としての顔というより生活感があったなあ。
息吹が感じられるような。
筆跡が三者三様で笑ってしまった。特にノブ様、性格出すぎでしょう(笑)。
御堂関白記。
世界記憶遺産認定おめでとう道長さん~。
ものすごくテンションageておはようからおやすみまで事細かに書く日もあれば
時間がなかったとか物忌くらいしかネタがないみたいな、明らかにやっつけとわかるgdgd記述が
たまに混ざっていたりして1粒で2度楽しめる、そんな日記。
(藤原定家の明月記も読んでみると時々そういう記述に出くわしますね)
ちっちゃくてかわいい字を書く道長さん。部下(行成)はあんなにゆったり書くのに(笑)。
竹生島経。
今回、ミュージアムショップで唯一ポスカ買ってきた作品です。
書もさることながら、お経の書かれた紙がとてもきれいだったんだ!
瑞鳥やおめでたい草花が随所に散らし描きされて、わたしの趣味的にもドツボ。
お経ということも忘れて見入ってしまいます。必見ですよ。
平家納経。
以前にも見たけど相変わらずの美しさです。いかに大切に保存されてきているかがわかります。
金粉をまいて星空のようにきらめく紙、ひとつひとつ丁寧に記された文字、添えられた絵。
書と絵と装飾、三拍子そろった総合芸術のようなお経です。
今回は展示ケースに鏡が置いてあって、巻物の裏も見られるようになっていました。
とにかく紙が美しくて、よくこの紙に書く気になったなと…間違えたら紙から注文し直しだぜ…?
一族みんなで手分けして作ったお経、全33巻。今や国宝。よかったね~。
それと、鳥羽天皇や美福門院得子が待賢門院璋子のために作った「久能寺経」が
平家納経の手前にちょこんと。
こちらも負けない装飾ぶりでした!
寸松庵色紙。伝紀貫之著。
貫之の真筆ってあまりなくて、何を見てもだいたい「伝」がついていることが多いけど
それでも「伝」がつくのであれば、模写にせよ酷似にせよ本人の字に近いんだろうし
少しは貫之の筆跡に近いものが見られているかもしれないと思うとやっぱり幸せを感じます。
この仮名や書体を使って土佐日記を書いたのでしょうか…ちょっと曲がってるのが気になるけど(笑)。
仮名といえば、ありましたよ!2年前に藤原良相邸から出土した土器に書かれた最古のひらがな!!
読めないけど、「かつらきへ」「ひとにくし」とか、目を凝らすとかすかにわかります。
えええええ読める…読めるぞ…!(某メガネ大佐風に)
良相さんと同時代に生きていた人たちがこんな字を書いたのかもと思うとwktkです。
あとは手鑑(書家の筆跡を集めたアルバム)でしょうか。国宝古筆手鑑4種から2種が出品。
うち手鑑「翰墨城」がもうすごい。
かなり分厚い手鑑が数メートルにわたり拡げて展示されています。思い切ったことしたなあ。
色んな人の歌や詩が、色んな人の手で書かれているのですが
そのひとつに野相公の名前を見つけてテンションうなぎ上り↑↑
道風さぁ~~んおじいちゃんの歌だよ!おじいちゃんの歌書いてる人いるよ!!(誰かはわからなかった)
琳派の書。
俵屋宗達が下絵を描き、本阿弥光悦が文字を書いた「鹿下絵和歌巻断簡」。
宗達の鹿の絵も味があってよくて、光悦の文字が藤蔓のようで雅やかですな~。
宗達の工房作・光悦書の「四季草花下絵和巻」もきれいだった☆
つややかな草花の上に、光悦が自由に書いていて和みます。
尾形乾山が藤原定家の十二ヶ月花鳥図を角皿で表現した作品、植物が美しく雅な絵皿です。
定家の書も忠実に再現されています。
定家の筆跡ってすごく特徴的で遠くから見てもすぐ定家とわかるけど
微妙な癖がありますよね。極端ならまだしも微妙ですよね。
乾山これ、再現するのほんとに大変だったと思う。
藤原一族の能書家たちが作成した万葉集、古今集、和漢朗詠集、お経などもあって
美しい紙と書がたくさん。
古今和歌集写本に小野篁朝臣の名前と歌を見つけて本日2度目のテンションうなぎ上り↑↑
この辺りはたぶん、書道をやっている人が見るとものすごく楽しいと思います。
行成が完成させ、以後の藤原一族が丁寧に守り伝えてきた書のオンパレードですから。
あ、あと、藤原氏じゃないけど
桃山時代のお公家さんだった烏丸光広の「東行記」が良かったです!
東下りの際のスケッチと紀行文をまとめたものですが
なんだかなあ、見たとたんに背筋がぞわぞわーーってしびれるほど「うまい!」って思っちゃった。
雑然と描いてるんだけど絵も字も、うまいというか、文字と絵でひとつの作品になっているような。
何を言ってるのかわからないかもしれませんが、
書を絵のひとつとして、絵を書のひとつとして融合させてしまっているというのか…。
わたしが感動したのはこちら。すばらしくバランスの取れた画面構成だと思う。
絵と書じゃない、もはや絵画。感動した。こんな人が桃山時代にいたんだ。
こういう出会いがあるから、展覧会通いってやめられない(^ ^)。
展示室の出口にはさらに嬉しい情報が♪
来年3月から東博で「栄西と建仁寺展」が開催されるそうで、そのポスターが貼ってあったのですが
どうやら建仁寺所蔵の俵屋宗達筆「風神雷神図屏風」が出品されるらしい!やっほう!
風神雷神が東京にくるよ!宗達、宗達!見に行く!絶対行く!!
東博本館に行ったら慈光寺(埼玉県ときがわ町)の法華経一品経(国宝☆)がありましたよ。
歴史と民俗の博物館が保存しているはずですが、和様の書展に関連して出してくれたそうな。
初めて見た~きれい~☆
夏コミ参加者の皆様お疲れさまでした!暑さでコミケ雲出たらしいね!こわいねこわいね。
そしてお盆休みですね。全国の本家の皆様心を一つにしてお客さんをさばきましょう。
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アオザイが描きたくて…ひらひら裾が描きたくて…そんな、煩悩のまま。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 ジャンル : 学問・文化・芸術
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