2014-02-26 (Wed)
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森アーツセンターギャラリーで開催中の「ラファエル前派 英国ヴィクトリア朝絵画の夢」展に行ってきました。
テート・ギャラリーに所蔵される70点余りのラファエル前派兄弟団の絵画が来日し、
しかもその中にジョン・ミレーの「オフィーリア」が入っているとのこと!
うひょーっオフィーリアが六本木に来るー!というわけで早々に前売券をゲット。
実はわたし本物を見るの初めてだったのです。
数年前に渋谷でミレー展が開催されたときにもオフィーリアは来てくれてましたが行きそびれてしまっていて
次に来てくれたら這ってでも会いに行くと決めていまして、ようやくその機会に巡り合えたのでした。
生きてて良かった。

午前中に行ったためかそんなに混雑はしていなかったのですが
入口で「触らないで・指ささないで・走らないで」との注意を受けてから(こんなの初めて)会場へin。
オフィーリアがどこにあるかはすぐにわかりました。人だかりで(笑)。
割と皆さん近づいたり遠くから見たりなさっていて、わたしもそうしてきたのですが
でもやっぱり張りつくように近づいてじーっと見てきてしまった。
宙を見つめるオフィーリアの顔、力の抜けた手、水に広がる髪、浮いた草花、背景の木々、
何から何まで細かく緻密な確かな描写力。
絵なのにオフィーリアがゆっくりと動いて流されていくような錯覚を覚えてめまいがして
慌ててまばたきして我に返ったりしました。
ものすごく綺麗だった。
ラファエル前派団結成後まもなくロイヤル・アカデミーに出品された作品で高評価だったらしいです。
それにしても「美人と狂気と悲恋と花と川」ってすさまじいドラマ要素だな…。
多くの画家が彼女を描いてきたのもうなずけますね。

ミレーはこの絵を一気に描いたわけではなく、まず夏から秋にかけて背景の植物を写生し、
冬に人物(オフィーリア)を描いたそうです。
モデルさんにバスタブに入ってもらって朝から晩まで1日中描き続け、それが何日も続いたために
モデルさんは凍死しかけたとか。
ラファエル前派のモットーは「自然に忠実であること」だそうですが、
それにしてもその妥協のなさって。
当時23歳の若者がそこまでやっちゃうって…いや若者だからこそでしょうか…。
ちなみにモデルになったのはミレーと同じラファエル前派のロセッティの妻エリザベス・シダルだそう。

夏目漱石が『草枕』の中でミレーのオフィーリアについて何度も書いていますけど
オフィーリアが水を流れていく姿がとても印象に残ったそうです。
ただあの表情がどうしても気に入らなかったらしく、
「ミレーは成功したのかもしれないけどミレーと自分が同じ思いかはわからないから
ひとつ自分も彼にならって風流な土左衛門を書いてみよう」的なことを書いてるあたり
漱石の"漱石枕流"ぶりがすごく感じられて2828してしまう。
また、宮崎駿氏がハウルの動く城の制作を終えてイギリス旅行でこの絵を見たとき
「緻密な絵はすでに先人たちが描いている。精度を上げた爛熟から素朴さへ舵を切ろう」と感じて
結果的に崖の上のポニョの制作につながっていったという話もありますね。
(ちなみに漱石と宮崎氏の誕生日は同じ1月5日)

ミレーの絵、ほかにもありましたよ。
キリスト一家をあまりにも世俗的に描いたためにチャールズ・ディケンズが「醜悪な聖家族」と酷評した
「両親の家のキリスト」とか(ヴィクトリア女王は気に入ったっぽいけど)、
子を膝に乗せる母を描いた「ジェームズ・ワイアット・ジュニア夫人と娘のセーラ」とか
(女性の背景にダ・ヴィンチの「最後の晩餐」やラファエロの「聖母子」の絵がかかっていた)、
刺繍を終えて腰を伸ばす女性の真っ青なベルベット服が鮮やかな「マリアナ」
(シェイクスピアの『尺には尺を』を引用したテニスンの詩から)など。
どの絵も人物の描きこみがきめ細かく繊細でした。
ラファエル前派にとって聖書は人間ドラマであって、神様の教えというよりも文学的詩的な世界だったと
キャプションに書いてあってなんか納得。
(わたしも聖書や古事記は教科書というより物語としてとらえているので…)

フォード・ブラウンの「リア王とコーデリア」、疲れ切ったリアにコーデリアが寄り添っていて
父にかけようとしているスカーフが真っ赤で目を引きました。
リアの手に枯れた草花が握られていてね…切ない場面ですね。
「ペテロの足を洗うキリスト」は有名な洗足のシーン、ペテロの申し訳なさそうな表情が切ないです。
背景に12人の弟子たちがいるので最後の晩餐の直前のシーンを描いたものでしょう。
(「足を洗う」という慣用句がありますが、
あれは修行僧が1日の修行を終えて足を洗い清める→道を正す、という語源なのだそうな)
アーサー・ヒューズの「4月の恋」、女性の肩にかかる真っ白ショールが透けるような美しさ!
「聖アグネス前夜祭」は絵も細かいのですが額縁にも感動しました。
金地に凸凹の蔦の葉がからみつくデザイン、斬新ですね。
フィリップ・コールデロンの「破られた誓い」は扉の向こうで逢引する恋人たちに
扉のこちら側で目を閉じて聴き耳を立てる女性の絵ですが
立体感がすばらしくて見とれた。
あんなスカート、一体全体どうやって描くのだ。

ジョージ・ボイスの「木立の中でブナの側に立つ少女」が綺麗な色遣いでしたー。
少女が赤毛で、道が赤茶色に塗られていたので『赤毛のアン』を連想しちゃったよね。かわいかった。
ウィリアム・ダイスの「ペグウェル・ベイ、ケント州」は海辺を旅行中の画家の家族たちが描いてあって
それだけですととても微笑ましい絵だなと思うのですけども
後ろ姿の画家が空を見上げていて、その視線を追っていくと
空にかかるドナーティ彗星(この日から数日にわたり地球に最接近していた)が描いてありまして
これは彗星の記録という意味でも貴重な絵になるんじゃないかと思います。
藤原定家が日記に残した超新星爆発の記録みたいだ。

ロバート・マーティノウの「我が家で過ごす最後の日」、
父と息子はグラスを片手に陽気にはしゃいでいるのに、母と娘は沈んだ顔。
実は破産を宣告され家具には差押さえのシールがベタベタ貼られているという裏設定がひそんでいます。
タイトルにそのまま書くのではなく、絵から読み取るようになっているのもいとをかし。
エドワード・ジョーンズの「愛に導かれる巡礼」は中世の『薔薇物語』からの引用で
薔薇に恋をした詩人が愛の天使に導かれながら茨の道を行くという何とも厨二世界に満ち満ちた絵。
ジョーンズはこの絵を20年かけて晩年に完成させたそうです。大きな絵でした。見応えあった。
「クララ・フォン・ボルク」と「シドニア・フォン・ボルク」は
2枚の絵が向かい合っていて対であることがわかりました。
クララは黒服に沈んだ表情、シドニアは狡猾な視線をクララに投げていてなかなか意味深。
当時刊行されたゴシック小説の一部を絵画にしたそうです。
シメオン・ソロモンの「ミティリニ庭園のサッフォーとエリンナ」は睦み合う女性たちを描いて官能的。
ソロモンは同性愛を描いたことで逮捕されたこともあり、私生活では同性と一緒に住んだりもしていたそうです。
今も昔も生きづらさを抱える人は無数にいる。

最後はロセッティ祭だった!
「ベアトリーチェ」は神曲のヒロインを描いた絵で、芥子の花を持っていて
そういえばミレーのオフィーリアが抱えている花の中にも芥子があったなと思い出してちょっとドキリ。
しかもモデルはオフィーリアと同じエリザベス・シダルで、
このとき重度の薬物中毒に冒されていたとキャプションにあってまたドキリ。
もともと病弱だったところにロセッティの浮気や子どもを死産したことなどが重なったらしいです…
ファム・ファタールとは。
「最愛の人」は結婚式でベールを脱いだ女性の絵で、
一瞬にして辺りがパーッと輝くような明るく華やかな絵でした。
「プロセルピナ」はローマ神話の春の女神で、ギリシャ神話におけるペルセポネのことですが
よくイメージされるペルセポネとは違って
真っ黒な髪に意志の強そうな瞳で石榴の実をつかんでいてゾッとするような美しさ。
全体的に暗めの色遣いなのに真っ赤な唇と石榴の赤がすごく映えていて見とれてしまいます。

ラファエル前派の画家たちは町の女性たちをモデルに絵を描くことが多くて
ついでに恋愛もしちゃうだめんずだったとキャプションのあちこちに書いてあったのですが、
部屋ひとつ分使ってメンバーそれぞれが誰と仲良しで誰とカップリング関係にあったかとかの相関図が
でかでかと掛けてあって見ごたえありました。
奇妙な三角関係、援助関係、モデル兼愛人関係とか何という泥沼。
芸術家の思考わけわからん~~なにこれ頭おかしい、でもそんな中に疑いもなく生きていた人たち。
みんなハードロックな人生送ったんですね…くらくら。

会場にあった年表でラファエル前派団の活動期間がヴィクトリア女王の在位期間とほぼ一致していて
それもなかなかすごいなと思いました。
ちなみに「オフィーリア」はヴィクトリア朝の絵画史上最高傑作ともいわれているそうです。
そしてヴィクトリア朝といえばアーツ&クラフツ運動にギャスケルにブロンテ姉妹、不思議の国のアリス、
フランケンシュタインにシャーロック・ホームズと盛りだくさんな時代ですよ。


あ、そういえばミレーで思い出したのですけども。
ビアトリクス・ポターもミレーの絵が好きだったらしく、父のルパート・ポターに連れられて
よく美術館に絵を見に行ったそうです。
ルパートとミレーが友達だったこともあり、ミレーの自宅に遊びに行ったり訪問を受けることもあったとか。
「隣人であるミレーの『オフィーリア』は世界でもっとも素晴らしい作品のひとつ」と
ビアトリクスが日記に書き残していると、わたしの手持ちの本に載っていました。
(ちなみにビアトリクスは同日の日記に「ラファエル前派の画家たちの特徴は影を描かないこと。
とことん対象を絞って描くことが彼らの本質」みたいなことを書いていたりして
画家が画家を見る目はやっぱりおもしろいなあと思います)


ソチオリンピックが終わりましたね~。
小野塚彩那さんに竹内智香さん、おめでとうおめでとう!
やっぱりアルペン競技は面白い~ジャンプとかターンとか種類がまったく分からない素人ですが、
選手のみなさんの技術が本当にすごくて見とれる。
竹内さんのスノボはたまたまLIVEで見ていてメダルが決まったとき拍手してしまった。すごいよー!
(しかしあんまり転ぶシーンばかり放送しないであげてほしい)
フィギュアスケートはどうしようかと思ったのですがLIVEで見てしまいました…。
村上さんと浅田さんで涙して、鈴木さんとリプニツカヤちゃんに感動して
メダリストの3選手にほわあああってスタンディングオベーション。
真央ちゃんはSPの結果もあってドキドキでしたが、
フリーで最初リンクに出てきたときあっ昨日よりキレがある大丈夫かもって思いながらもドキドキして
ジャンプ全部成功させてフィニッシュ!したときわーって拍手しちゃいました。
ついでにもらい泣きもしてしまった。自己ベスト更新おめでとう。本当にお疲れ様でした。
あと、エキシビションも見ちゃいました♪
選手がプレッシャーから解放されて伸び伸び踊ってていいですね。
町田くんの眼鏡マフラーに大笑いし、高橋さんの情熱的な舞踊にハートキャッチされ、
ゴールドさんのまるでブロードウェイミュージカルのような踊りに惚れ、
フェルナンデスさんの自由すぎるスーパーマン(?)にほのぼのしました。
選手たちがすごく仲良いのにもほのぼのしていたんですが、
アイスダンスのナタリー・ペシャラさんのインスタグラムに選手たちの変顔写真があって笑っちゃった→こちら
いいなあ☆
そしてこういう時も町田くんは町田ワールドだな…(笑)。
閉会式もちょこっと見まして、図書館や本が出てきてロシアの文豪オンパレードだったことに大感動でした。
選手のみなさん、関係者のみなさん、本当に本当にお疲れ様でした!!
来月から始まるパラリンピックも応援したいと思います☆
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2014-02-22 (Sat)
今年もきましたよ!2月22日!にゃんにゃんにゃんの日!猫の日!!
毎年楽しみにしています。
こんなイベントしてるのたぶん日本だけだと思いますがもうそんなの無視無視!
街にはにゃんこファッションやにゃんこグッズやにゃんこメニューが並び、
各ホームページやブログやTwitterには猫写真やイラストが溢れかえり、
22時22分には「にゃー」のツイートが滝のように流れてうおおおおってたぎりまくる1日でした。
あっちを向いてもこっちを向いても猫だらけの日。癒される~。

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テーブルの椅子は玉座。もとい母にゃんこ。
ああ、今日も相変わらず世界を見下ろしているかのようなお目々ですね。
「こちとら毎日が猫の日よ」と言わんばかりの目力に跪いて手を、いや肉球を取るしかない。

糸井重里さんのほぼ日刊イトイ新聞が毎年この日に猫特集をやっていて楽しみにしているのですが
「あなたのネコ写真を大募集」という、誰でも自由に飼い猫の写真を投稿できるコーナーがありまして
今回、思い切ってメールしてみたら掲載していただきました!→こちら
たくさんのかわいい猫ちゃんに混じってうちの母にゃんこが~!
ほぼ日さんありがとうございました*^^*

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一方の娘にゃんこはゆさの膝の上でこたつに入っております。
ふいに起きて大あくびして顔をごしごし洗ったりします。
起きたらとりあえず顔洗うのがにゃんこです。


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新宿に用があったので近くだし行くかーと伊勢丹に寄ってみたら
入口で猫の日フェアなる看板を発見し、
大喜びで2階への階段を1段とばしに駆け上がって(エスカレーターが見つけられなかった←爆)、
まず目に飛び込んできたのが↑のディスプレイ☆
向かい合う猫2匹とにゃんこマトリョーシカ!ちょっとこの真ん中の子持って帰りたい…!
(ネコリョーシカという商品名だそうです)
なんていうかネコリョーシカの立ち位置的に「私のために戦わないで」な構図に見えなくもない(笑)。

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猫の日記念限定ショップ「Cat's ISSUE」。
色んな作家さんの猫雑貨や洋服、ファッションアイテムが並んでおりました。
バッグ、ポーチ、Tシャツ、帽子、靴まで猫まみれでしたよ、欲しい物ありすぎる!
ネコリョーシカクッションは早々に売り切れてしまったそうです~残念。。

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看板の下には肉球の足跡が!細かいなあ。
奥を覗くと猫缶が置いてありますよ。細かいなあ。

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5階のギャラリーに移動して猫・ネコ・NEKOアート展へ。
こちらは色んな作家さんたちの絵、置き物、アクセサリー、ぬいぐるみなどが展示されています。
もちろん買うこともできます☆
作家さんが在廊していて、お話できたり制作風景を実際に見ることができるイベントもあって
小さな会場の割に混雑していました。
どれもかわいくて欲しい絵もあったのですが、お手頃な絵は全部売却済になってたな~。

いやー夢のような空間だった…。
こんなににゃんこグッズが作られているなんていい世の中になったもんだ…。


そんなこんなで伊勢丹をうろついてお昼ごはんを食べた後、近くにあるアニメイトに移動して
田辺イエロウ先生のサイン会に参加してきました☆
現在、週刊サンデーで連載中の『BIRDMEN』2巻発売記念のイベントです。
『結界師』の頃からずーーーっとファンだったのにサイン会は何度か逃してしまっていて
(結界師最終巻のサイン会に行けなかったことを思い出すと未だに青空へ叫び出したくなったりする)、
ようやく整理券ゲットできたので、朝からテンションおかしかった。

会場入りしてからも列に並んだだけでドキドキし、
順番が近づくにつれ先生とファンの方の会話が聞こえてきて頭がぐるぐるし、
胸の前でバッグ抱えてたけど心臓の音絶対漏れてるわこれって何かもう、色々おかしかった。
とうとう順番がきて実際に先生を前にしたらとても笑顔が素敵でかわいらしい方で
わーー!って叫びそうになった…。
サインと一緒に好きなキャラを描いていただけるとのことで、つばめちゃんをリクエストさせていただいたら
「女性でつばめちゃんって初めてかも(笑)」とおっしゃられた。
みんなつばめちゃんもっと愛そう?(^ー^)
緊張しすぎて事前にあれもこれも話そう、と意気込んでいたのに
いざ本番となったら頭が真っ白になって「応援しています」としか言えなかった件。いつものことです。
それにしても先生は素敵だった!
いつでしたか、『結界師』アニメのスペシャルか何かでお声は拝聴していたのですが
ナマでお顔を拝見できてハスキーヴォイスも聞けて幸せすぎて爆発しそうでした。
うおおお先生ありがとうございました、マンガの続きも楽しみに待ってますー!
(ちなみに田辺先生も猫好きだそうです☆
「奴らの勝手気ままなところがたまりません」とか、
結界師コミックスの作者のページみたいなとこに書いてらしたと思う)

猫といえばフィギュアスケートのロシア代表リプニツカヤちゃんが猫に見える日々です。
つんとすまして気品があり、誰も寄せつけないシャム猫みたいな感じがします。


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庭の雪はだいぶ溶けてきました。福寿草も咲きはじめてホッ。
毎日少しずつ、雪に埋まった庭の低木を助け出しているのですが
折れてしまった枝もありますけど、
掘り起こすと「ぷはーっ生き返った!」と言わんばかりにぴょんと跳ね上がる枝もあります。
遅くなってごめんよ。

雪がカチンコチンだったので園芸用スコップじゃ事足りなくて雪かきシャベルでガシガシ削ってたら
手に豆が3つもできました(^o^)。
素直に手袋つけて作業しなさいという話。
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2014-02-18 (Tue)
今日は本当は他の記事を書くつもりだったんですけど、今も色々報道されてますけど
ちょっと記録的な大雪が我が家にも積もりましたので記録しとこうと思います。

↓は2月14日の庭です。
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帰宅して、まだ吹雪いてる状況をパチリ。
バレンタインデーなのにホワイトデー。

この日もいつも通り出勤でしたが、お昼過ぎに上司の上司から
「大雪のため特別休暇を出します。道が安全なうちに皆さん帰りましょう」的なお達しがありまして
やれ有難やと帰ることができました。
車通勤なので運転がおっかなかったですが、まだそんなに道は白くなっていなくて
運よくスリップすることもなく。ほっ。

帰宅してお茶飲んでひと休みしてから、スキーウエアを着て雪かき開始。
しかし先週の雪(パウダースノー)と違って水分を含んで重たい雪で、しかも粒が大きくて
かいてもかいてもずんずん積もる(泣笑)。
車が出られなくなるのを防ぎたくて車庫の前を重点的にがしがしやっていても
振り返ると5cm積もってて心が折れかけました。
夕方に両親が、夜に弟が帰ってきて一緒にやってもだいたい同じでした。
でも少しでもやらないと次の日がしんどいしな…。

あと、我が家のまわりは山と田んぼしかないのですが、
家族が帰ってくるまで私道を1人で雪かきしててふと顔を上げたら
山も田んぼも畑も真っ白でごうごうと吹きつける雪に目まいがしてふわっと気が遠くなりかけて
首ぶんぶん振って我に返りました。
あんなに吸い込まれそうな白って初めて見たかも…。
旅先で吹雪に遭った龍の子太郎みたいに方向感覚なくすとこでした、びっくりした、こわかった。
雪かきは2人以上で声かけ合ってやった方がいいですね。


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翌日、雨戸を開けたらそこは雪国で「うわあっ」て声出た。
軒下まで乗り上げてきてるー。

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庭ガー!
思わず長靴で外へ飛び出しましたとも…。
中途半端どころじゃなくここまで積もると笑うしかなくて、意味もなくテンション高かったです。

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傘をつきさしてみたら埋まりました(笑)60cmは超えたな…。
地元生まれ地元育ちの父に聞いたら「おれも経験したことないレベル」とか言い出してみんなで涅槃顔。

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象の像ガー!!
先週の雪の日はかろうじて顔が出ていたのに今回は頭まで埋まってしまってました。
象さんの周りには背の低い木がたくさん植えてあるのですが全部埋まってます…かわいそうに…。

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屋根の雪。
この日は軒下に近づくのを極力避けて行動していました。
落雪したら人ひとり軽く埋まるレベル。

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前日にせっせと雪かきした私道が真っ白です(爆)どこが道でどこが畑だかまったくわかりませんでした。
この後雪かきして「ここ道だったんだ」と判明する感じ。

幸い、雪はやんでいてお昼過ぎには太陽も出てきたので
この日の雪かきは割とスムーズにいきました。
夜明けの冷え込みで凍ってしまった雪をざくさく切り出して
橇や一輪車に乗せて田んぼまで捨てにいったり、
庭の木をゆすって雪を落としたり、柱をゆすって屋根の雪を落としたりする作業を1日中やって
夕方にはすっかりくたくたでお風呂沸かして30分以上つかって、
さあ夕ごはんだとお茶碗を持とうとしたら手が震えて持ちあがらなかったのにはびっくりした(笑)。
握力を使い果たしていたみたいです。。
「見て!わたし今箸より重いもの持てない!」って家族にアホなセレブごっこを披露していました。
興味のある方ぜひやってみてください←

あと、雪かきの前にひとり暮らしの妹に電話で様子を聞いたら
「水出ない…テレビつかない…ネット繋がらない…」とのおっそろしい返答が!ええー!
助けに行きたくてもこっちも家から出られないのでどうにもならなかったのですが、
幸い、夜になったら回復したそうです。ほっ。


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翌々日。庭の雪はほとんど溶けてませんでした。
でもちょっと嵩が減ったかな…象さんの頭が見え始めていました。

にゃんこたちも当分外出は禁止。
基本的には外へ行く癖があるため、この日の朝も「ドア開けてー」とミャーミャー鳴くので
窓辺に連れていって開けてあげたのですが
喜び勇んで窓から顔を出したとたん、あまりの光景と冷気に圧倒されたのかピタリと足を止めて
そのまま1歩、2歩と後ずさりしてこたつに入っていきました。
うん、ちょっと寒すぎたね。

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昨日の雪かきで雪をぽんぽん捨てた田んぼの水路が何事もなかったかのように流れていました。
地下から汲み上げている井戸水を使っているのですけど、
地下水ってあったかいんだなあ。

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この日のお昼、がんばりの甲斐あってようやく公道への道が開通しました!
やったーこれでお買い物に行けるー生きられるーヽ(;▽;)ノ
(実はお米の備蓄がほとんどなかったのです)

ニュースを見たら大雪のためあっちこっちが孤立していて、なんと言えばいいのか…言葉が出ません。
ここまで積もるともう災害ですね。
普段からあたりまえに流通が行われている地域で鉄道も道路も寸断されると
完全に陸の孤島だと改めて思いました。
復旧にむけて毎日除雪や物資運搬などに働く人々に本当に頭が下がります。お疲れ様です。
1日もはやく状況がよくなりますように。
そしてTwitterの「秩父がんばれ」に全わたしが泣いた。
新潟県が各地に除雪車や支援物資を送ってくれてて、
秩父にも来てくれるそうでアリスの涙の海並に大泣きですよもう、ありがとうございます。

ってか、除雪車のかっこよさに目覚めました…。
ポンキッキの「はたらくくるま」って歌が好きで、あれ3番まで歌詞ついてますけど
ぜひ4番作って除雪車を歌ってくれませんかね。
「♪ゆーきをかきかき進むぞ除雪車」「♪じょせつしゃー!(コーラス)」みたいな。
あと『はたらきもののじょせつしゃけいてぃー』っていう絵本がありまして
大好きで何度も読んだんですけど、
今読むとけいてぃーの大活躍ぶりに涙がとまりません。。
「よろしい、わたしについていらっしゃい」と雪をかきわけて進むけいてぃー、かっこよすぎる。
(作者のバートンさんはマサチューセッツ州の生まれで、大雪を何度も経験していらっしゃるので
この絵本が生まれたのもさもありなんと思う)


ソチオリンピックも見てますよー☆
開会式はキリル文字でロシアの歴史や文化の紹介があってたぎりましたし、
聖火のともるシーンも美しくて感動しました。
アルペンとスケート競技が好きなのですがよく観戦しながらエキサイトしてしまって寝不足です(笑)。
みんなすごいなあ…!
上村さんの安定の滑りに背筋がぞわぞわ~ってするほど感動した。きれいだった。うん。
平野くんと平岡くんの人物像がおもしろくて、
表彰式のときにスイスのポドラドチコフくんは大喜びしてて表彰台で3人ではしゃぎたかったっぽいけど
平野くんたちが淡々としてるの見てアレー?ってなっててなんか笑えました。
温度差(笑)。
それにしてもポドラドチコフくんふさふさ茶髪でまつげも茶色なんですね!
アップで映ったときちょっとびっくりしました。
カナダのレイノルズくんも細身にふわっふわな金髪でもう何がなんだか、
おとぎ話から抜け出てきたんかと…ピーターパンかと…。
羽生くんが金メダルとって高橋さんも6位に入賞してめでたい!よかったです!
テレビのインタビューでソチと中継が繋がっていたときにコメンテーターで織田くんが来てて
羽生くんや町田くんのときは「元気?」とか笑顔でしゃべっていたのに
高橋さんが映ったとたん「大輔えぇ~!」って顔ぐっしゃぐしゃに号泣しててもらい泣きした。
バンクーバーとか一緒にがんばってきたんだもんね(´▽`A)ホロリ
プルシェンコさんは残念でしたね…あの日のためにがんばってきたでしょうに、
でもすごく勇気のいる決断をしたと思うし観客もみんな拍手しててあったかかったですね。
団体戦の演技をたまたまリアルタイムで見ていたのですがさすが皇帝、ノーミスだった…。
お疲れさまでした。
女子のフィギュアも楽しみですよ。浅田さんにリプニツカヤさん、わくわく。

選手の皆さん、メダルとってもとれなくても
けがのないように、悔いのないように、精一杯たのしんできてくださいー☆
| 日記 | COM(0) | TB(0) |
2014-02-14 (Fri)
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中川李枝子さんの「ぐりとぐら生誕50周年記念及びてんじつきさわるえほん刊行記念トークセッション」を
池袋のジュンク堂書店で聴いてきました。
絵本『ぐりとぐら』が雑誌「母の友」に掲載されてから50年を迎えた記念と
(雑誌掲載時は「たまご」というタイトルだったそうな)、
記念企画のひとつとして出版された『てんじつきさわるえほん ぐりとぐら』の刊行記念のイベントです。
ぐりとぐらはもちろん、「そらいろのたね」「いやいやえん」「けんた・うさぎ」「三つ子のこぶた」
トトロの主題歌「さんぽ」の作詞、小学校の教科書に載っていた「くじらぐも」など
中川さんの作品の大ファンであるゆさには垂涎のイベントでして!
実際に中川さんにお会いできることにも楽しみに出かけました。

トークセッションはジュンク堂のカフェで行われるのですが、このカフェそんなに広くないので
講師の方のかなり近くでお話聴けてすごく好き。
おかげで人気の作家さんのトークなどはすぐ定員になってしまうので電話予約のときもドキドキでしたけど
何とか席を取ることができました。
イベント当日は満員御礼で満席でしたよ…やっぱりね。

中川さんはえんじのジャケット姿でご登場。
ぐりとぐらが50周年を迎えても、ご本人は特に変わりはなく普段どおりの生活だそうですけど
「お祝いしてくれるのは嬉しいです」とのこと。
「イベントや講演で色んなとこへ行くでしょ、読者さんに会うとみんないい人なの。
自分の絵本を読んでくれた人がみんな立派な人になった。それが自慢であり誇り」とおっしゃって
「子どもの頃に読みましたと読者さんから聞くと、その人が子どもだった頃の姿が見えるのよ」って
ニコニコ笑っていらっしゃいました。
さすが元・保育士さんだなって思う(´ω`)。

もともと日本一の保育士になりたかった中川さんの理想の保育園は
『ドリトル先生の楽しい家』みたいな賑やかな保育園だったそう。
子どもたちが元気に走り回る保育園を作りたかったので最初は園長になりたかったとのことですが
あるとき学校で「主任保母求む」の求人を見つけて迷わず応募、めでたく採用されたそうです。
「わたしの幸運の始まり☆」と嬉しそうにおっしゃいました。
(ちなみにここは、いやいやえんの舞台ちゅーりっぷほいくえんのモデルになった保育園だそうだ)
・子どもが毎日くる保育を
・親の期待を裏切らない
この2点をモットーに17年間勤務し、合間に子どもたちと一緒にお話を作って書いていたそうな。
「子どもの興味を引くのって大変なのよ、わたしだってメンツがあるからがんばったけど!」と
とても貫録たっぷりにおっしゃった(笑)。

作家で岩波少年文庫の編集者でもあったいぬいとみこさんにファンレターを出したところ
声をかけてもらって同人誌などに参加、
石井桃子さんの編集で『いやいやえん』を出版することになったそうです。
わーおービッグネーム!
その後、雑誌「母の友」などに作品を発表していた頃に
保育園で子どもたちにちびくろサンボの絵本を読み聞かせたところ大人気になり、
園長先生がホットケーキを焼いて振る舞ったこともあって
子どもたちにおいしいカステラを食べさせたいなあ~と思って書いたのが
後にぐりとぐらの元になる「たまご」だったそうです。
「子どもたちへのプレゼントした本が今まで読み継がれることになってびっくりしてます」とのこと。
(ちなみにホットケーキを焼いた園長先生は、『いやいやえん』のはるのはるこ先生のモデルだそうだ)

児童福祉を学んでいた頃に障害者施設にも実習に行かれたそうで、
実際に子どもたちに会うと教科書などの先入観は吹っ飛び、たくさんの発見があったそうです。
児童福祉法ができたばかりの頃で先生たちもみんな熱いスピリットの持ち主で
子どもたちも元気いっぱい、早く学校に行きたいよ~とかよく聞いたそう。
「『おれたちは児童憲章で守られてるんだ!』『そうだそうだ!』とか、子どもたちが言うのよ」と
懐かしそうに語っていらっしゃいました。
で、ここから『てんじつきさわるえほん ぐりとぐら』の話題に。
「目の見えない親御さんが目の見えるお子さんに本を読み聞かせられるように」が
コンセプトになってできた絵本だそうです。

さわる絵本が完成したとき、中川さんはある女の子からもらったファンレターを思い出したそうです。
それには「わたしは毎日学校から帰ると、目の見えない弟に本を読んであげます」と書いてあったとか。
「もうずいぶん前だから、きっと成績優秀な人になっていると思います」と
しみじみ語る中川さんにキュンときました。
他にもローラ・ワイルダーの姉メアリーが失明しながらも学校の先生になったことや
ヘレン・ケラーとアン・サリバンの関係についてお話くださり、
話は山形にお住まいという目の見えないお友達のことへ。
その方は美術館にゴッホの絵を感じに行ったり点字図書館なども利用されるそうですが、
中川さんとは長いお付き合いでぐりとぐらのカレンダーなども贈っていらっしゃるそうな。
で、その方に『てんじつきさわるえほん ぐりとぐら』を送ったところ、
絵を手で見たこと、絵本の香りをかいだこと、
とても幸せな時間だったことなどをお手紙に書いてくださったとか。
いいなあ。

質問コーナーで『くじらとり』の話が出て(「この間宮崎(駿)さんとも話したけど」っておっしゃった!)、
たまたま子どもたちが機嫌の悪い日があって、
「じゃあお話作ろうか」って言ったらあっという間にできたそうです(笑)。
子どものお話づくりは現実と想像を行ったり来たりする、
想像力を豊かにする本を作りたい、
今の子どもをめぐる状況にはいつも怒っている…などと堰を切るようにダダッと語られて
隣に座ってた参加者の方にさりげなく「あなたも書けるのよ」っておっしゃって胸熱!


続いて、福音館書店の川崎康男氏から
『てんじつきさわるえほん ぐりとぐら』の制作裏話もお話いただきました。
"てんじつきさわるえほん"という本そのものは何十年も前から出版されており、
技術もそれなりに確立されつつあるそうですが
去年、さわる絵本『さわるめいろ』『ノンタンじどうしゃ』『こぐまちゃんとどうぶつえん』が
3冊同時出版されることになったのがきっかけで
ぐりとぐらの50周年記念にさわる絵本を作ろうと企画したそうです。

しかしそこには想像以上の困難が。。
たとえば、ぐりとぐらをお読みになった方はおわかりかと思いますが
あの絵本はわりと絵が細かかったり、文章が長かったりするわけです。
触ることで絵を感じる(触図というそうです)にはどうしても活かすもの省略するものの取捨選択が必要で、
主人公のぐりとぐら、キーポイントのたまご、もうひとつの主役ともいえるカステラの4つは
何が何でも触図にする!と決めて絵本作りが始まったとか。

他にも、表紙でぐりとぐらが籠を持っていますが、目で見れば一目瞭然ではあるのですが
絵のまま触図として再現してしまうと、ぐり+籠+ぐらが繋がってしまうため
触るとかえってわかりにくいのだそうで
ぐり、ぐら、籠と独立させて配置する必要があったとか。
ぐりとぐらを触図化する際にも、ぐりが青・ぐらが赤なのは目で見ればわかるけど
色は触ってもわからないので
ぐりのズボンにはストライプ、ぐらにはドット模様をつけて区別できるようになっているそう。
また、絵の上部にたまに木が描いてあるのですけど
そのまま同じ個所に触図をつけると、見えない人は「空に何かあるの?」と思ってしまうそうで、
それらは省略したとか。
また、文章はなるべく全部入れたいとか、のどに絵がかからないようにとか、印刷に苦労したとか
聞けば聞くほど試行錯誤や工夫が伝わってきて本当に脱帽の思いです。
編集ってすごい!
そして絵に手を入れたり省略するときに「絵を翻訳するのね」っておっしゃった山脇百合子さんにも拍手。


トークセッションの後は中川さんのサイン会が行われました!
数年前に出版されたのにずっと買いそびれていた『ぐりとぐらとすみれちゃん』に
サインをいただいてしまって超うれしい。
大変きれいな字で筆ペンで「なかがわ りえこ」と書いてくださいました。
絵本の署名と同じくひらがなでですよ、ひらがな!もえる。


あ。トークセッションの前にジュンク堂の近くにある「古城の国のアリス」で夕ごはん食べてきました。
alice20146.jpg
こんな人がいた(笑)。
ハートの女王様のお店なので兵隊さんもハート。

以下、お料理の写真がありますのでたたんであります↓クリックで開閉しますのでどうぞ☆ >> ReadMore
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2014-02-10 (Mon)
国立能楽堂の企画公演「女性能楽師による」を観てきました。
女性の能楽師が国立の舞台に立つ数少ない機会だと聞いて(定例公演は年1回)、
ウヒョーーッ行ーくー!とチケット予約しましたよね。
加えていつでしたか、ひみつの嵐ちゃんに出演していた鵜澤光さんも地謡で出演されるとのことで
余計に行くしかないってなった。
(とてもかわいらしく品のいい方だったんです。ナマで見られるとかwktk)

席は前から6列目でした。
いつもより前の席が取れて能楽師さんたちを近くで見られて嬉しかった✧*。٩(ˊωˋ*)و✧*。
近くだと衣擦れとか息遣いとか聞こえるんだよね。

演目は仕舞「花筐」と「清経」、そして能「巻絹」の3つでした。
まずは仕舞が演じられます。
シテはもちろん女性で、山階弥次さん。重要無形文化財総合指定保持者☆です。
仕舞「花筐」は、別れた天皇を慕って花籠を持ち追いかけた照日前が
官人に花籠を打ち落とされ、なんということを!と自らの思いを訴える場面を舞います。
(上村松園さんの同タイトルの絵をご覧になった方いらっしゃるでしょうか、あれです)
能だったらシテが手に花籠を持っているのでしょうけど、今回は仕舞のため扇子のみ。
派手ではなく静かに舞うシテの姿にかえって凄みを感じました。
なんだろう、どこからともなく物腰柔らかに現れた人にああやさしそうな人ってホッとするけど
ひたと据えられた双眸の強さに気づいてそのまま動けなくなるような。
照日前の思いの強さがじわじわ伝わってくる舞でした。
(ちなみに作者の世阿弥はシテに「打ち落し給ふ人々こそ、我よりもなほ物狂よ」と言わせている)

続いて仕舞「清経」、シテは影山三池子さん。
源平合戦で入水した平清経(清盛の孫)の霊が、都にいる妻のもとに現れる場面を舞います。
なぜ死んでしまったのかと尋ねる妻に、都落ちをした平家と入水の理由を語る清経が
力強い舞で表現されていてすごかった。
合戦は重々しく、入水はきりりとしつつも優雅さがあった。
そういえば入水のとき清経は21歳だったよね…。
(月岡芳年がこのときの清経の様子を錦絵に描いていてすごく好き)


そしていよいよ、能「巻絹」。シテは鵜澤久さん。
あらすじはこちらにもありますが、熊野三社に千疋の巻絹を奉納する役目をおおせつかった勅使が
巻絹を持ってきた都からのお使いが日にちを遅刻してきたことを咎め縛り上げてしまうのですが
そこへ神が宿った巫女(シテ)が現れて
その人はうちの神社に和歌を奉納していて遅くなったのだから許してあげてね☆と諭して
和歌の徳を語りながら舞う…というもの。
ひとつ詠めば煩悩も苦難も消してしまう和歌の力や
婆羅門と行基のやりとりやスサノヲの八重垣の歌など事例も挙げられ、
熊野の神様への祝詞も捧げられて荘厳な内容でした。
クライマックスとかどんどんすごい雰囲気になって、言葉には力があるんだなあと感じられましたね~。
ちなみにこの演目、シテ・笛・小鼓・地謡が女性で、ツレ・ワキ・大鼓・太鼓・後見が男性でした。
地謡衆の中には鵜澤光さんもいらっしゃいました☆わーい。

寄り道しちゃうお使いさん、巻いた白い水衣(巻絹)を棒にはさんで担いだ姿がナイスであります。
神社の梅の花の香りに惹かれてフラフラ吸い寄せられてしまうのですが
「や、冬梅の匂ひの聞こえ候」ってセリフがおもしろいです。
香道などで香りは嗅ぐものではなく(自分に)聞くといいますけど
謡曲でも聞くと書くんだなあ。
梅をみてふと浮かんできた歌を心の中で捧げるというのもいいなあと思いました。
心の中でつぶやいても神様にだけは聞こえるわけで
神通力って言っちゃえばそれまでなんですけど、すごいなんかこう、官能的。
巫女(正確には巫女に降りた神)から勅使がお使いが遅れた理由を聞いたときに
「こいつが歌詠めるの?」って疑ったので
お使いさんに上の句「音無にかつ咲き初むる梅の花」を言ってもらい、
神様が下の句「匂はざりせば誰か知るべき」と継ぐことで証明して
神様自らお使いさんの縄を解いててマジ感動した。神様ああああ。゚(゚´ω`゚)゚。
やだ惚れっちまう。
しかも和歌の力について歴史上のエピソードを交えながら舞つきで説明してくださる太っ腹さ。
よっぽど梅の歌が気に入ったんでしょうね(*´∀`*)。
ハッピーエンドすてき!
梅の花の歌が題材になっていて春も連想されますし☆

シテは真っ白な装束に梅の花がついた幣を持ち、厳しさの中にやさしさのある巫女さんでした。
登場シーンから太鼓がドン、ドン!と大きく打ち鳴らされて、只者じゃない感が出ていた。
でも舞う姿は、鵜澤さんもインタビューでおっしゃっていたけど美しくてせくすぃ。
舞う音楽は神楽でしたよ。神様に喜んでもらうための音楽ですね~。
巫女に憑依した神様は誰か、はっきりとは示されないのですけども
舞の様子からしてたぶん1柱や2柱じゃない気がするな、次々に現れて去っていってそう。
熊野の神様は和歌が好き。いいですねぇ。
そして巫女を通した神様の口から、仏とか阿弥陀如来とかの単語が飛び出してシュールな感じもしますが
よく考えれば熊野ってそういう場所だったなあと思いました。
シテがクライマックスで「満山護法」と唱えるのは満山=熊野全山のことで
熊野には護法が、つまり神仏が満ちているという意味だそうです。

鵜澤久さんは2004年に重要無形文化財総合指定保持者に指定された女性能楽師22人の中で
当時最年少であり、
この勢いを後輩につなげていきたいと語っていらっしゃいます→こちら
舞台の他にも能の教室を開いたり、北米やバンクーバーで能を演じるなどして活躍されているそうです。
しゅごいよー!

…そんなわけで能は大変満足だったのですけども。
実はこの日の関東は、というか日本列島は低気圧の影響で大雪でして
朝から警報がじゃんじゃん出て交通機関がほぼマヒしていまして。。
それでも観に来てしまったのは単にチケットをむだにしたくなかったからです。
(当日買うとかだったら絶対あきらめてた)
幸いにも地下鉄が動いていたので電車の移動は特に問題なく、
駅から能楽堂へ、能楽堂から駅へ歩いて戻るのが大変でした(;´∀`)。

しんしん。
雪の国立能楽堂。きれいでした。吹雪いてたけどきれいでした。

しんしん。
中庭も真っ白。

雪の中の帰路って何年ぶりだろう…。
地下鉄は本数少なめでしたが遅れながらも動いてくれて良かったです。関係者の皆様のありがたみ。
俺たちの東上線は各駅停車のみの運行、途中何度も緊急停車したり踏切の前で必ず安全確認をするなど
のろのろ運転でやっと最寄り駅に到着して駐車場までやってきたら。

オワタ。
マイカーwwwwwww(写メ撮ってる場合じゃない)
フロントガラスの雪を落とすのにものすごく時間かかりました。
手袋忘れてしまっていたので手でかいたら、1分で両手終了のお知らせが流れたので後は傘でやりました。
車の周りと下とで雪の差がすごかった。ブーツ履いてて良かった。
屋根の雪は放っとけば落ちるだろうと信じて放置。

一応、まだ降ってるしスタッドレスタイヤだし雪踏んで走ってくれるだろうとふんで
勇気を出して国道に繰り出し、たくさんの車が踏みならしたツルツルの轍にタイヤをとられながらも
のろのろ運転で帰宅しました。ら。

どっさり。
庭ガー!!
家に入るのに雪かきが必要でした。

ちなみにわたしが帰宅したとき、父と弟がすでにせっせと雪かきをしていて
わたしも着替えて加わって庭と車庫と国道までの細道を何とか確保したのですが、
作業中もずっと吹雪いていたので
一通り済んでああ疲れたって振り返ると雪かきした道にうっすら雪が積もっていて
3人のHPとMPがゼロになる音がしました。シューン。
ちょ、こんな雪、ひさびさすぎ…!
てか4時間の重労働で全身が悲鳴をあげて腰が折れかけていたので
もうどうにでもなれ、物すべて白に包まれるがよいとスコップ放り出して夕ご飯食べてそのまま寝ました。
オフトゥンのありがたみ。

以下、次の日に撮影した写真を載せてあります↓クリックで開閉しますのでどうぞ。 >> ReadMore
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2014-02-06 (Thu)
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もう終了してしまっていますが、先月、国立公文書館の「妖怪退治伝」展を観てきました。
昔々から物語や説話には様々な怪物や妖怪がいて、それらは必ずといっていいほど退治されてきたわけですが
そんな妖怪退治の様子を描いたものを、主に江戸期の版本を中心に紹介する展覧会です。
古代から中世まで、ヤマタノオロチや土蜘蛛、鵺など誰でも一度は耳にしたことのある妖怪や
その超人的な力から妖怪のような扱われ方をしてきた人までたくさんおりましたよー。
しかも観覧料無料で写真撮影がOKだったりします!おおお(*'▽')

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トップバッターは古事記にあるスサノヲのヤマタノオロチ退治。
場面としては、アシナヅチ・テナヅチ夫妻からスサノヲがヤマタノオロチについての話を聞く場面ですね。
そうかこれ日本で最初の妖怪退治なのか…。
絵師は歌川国芳です。人物が美しく背景の迫力たっぷり、とても丁寧。
しかし国芳ってば神話を描くととたんにタッチの艶が倍増しますね、おいちゃんの色気。

ついでにどうでもいい話をしますと先日、伊福部昭生誕100周年記念コンサートを聴いてきた弟が
「アンコールがギドラの曲だったんだよおおおお」と大興奮しながら
「ゴジラvsキングギドラ」(91年)のDVDを借りてきたので一緒に見てて思ったんですが
もしかするとキングギドラのルーツってヤマタノオロチなんじゃないかな。
首は3本だし翼生えてるし、どっちかっていうとドラゴンみたいではあるにしても…。
(そしてキングギドラといえばエヴァ破でミサトさんの携帯の着メロがキングギドラの鳴き声だ)

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続いては平将門伝説。
牛車から降りる平将門を迎える藤原秀郷(俵藤太)の図。
将門さんすごい、畳の上まで車乗り入れさせてる(笑)。
さすが首だけになっても動く人だけあって大柄に描かれててかっこいい☆
秀郷がのちに大ムカデを退治し、やがて将門追討の命を受けると思うと切ないですなあ、この絵…。
絵師は葛飾北斎です。細かい!ほれぼれ!

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茨木童子と渡辺綱。
茨木が綱に斬られた腕を取り戻しにくるエピソードは有名ですが
この挿絵では綱をつかんで雲の上まで飛んでしまっています。ダイナミックだー!
茨木童子については過去記事でさんざん語っていますので省略。

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源為朝。
その無双ぶりたるや鬼よりも強いと言われた人で、源頼朝や義経の叔父さんにあたります。
若い頃は鎮西(九州)で大暴れしたために鎮西八郎と呼ばれ、保元の乱で崇徳上皇側について敗れたのち
伊豆大島に流されてそこで切腹したとも、
逃げのびてまた九州で大暴れしたとも伝えられます。(よっつねや西郷さんみたいだね)
弓手が馬手より長かったらしく、弓を射させれば剛速球のごとく矢が飛んでいったらしい。
絵師は菊池容斎です。頭が重たそうですけどかっこいい~トレードマークの弓も大っきい!

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平家物語から、源頼政の鵺退治。頼政が内裏に出没した鵺を弓で射落とした図です。
ちょっと小さくてわかりにくいかもですが、右上で鵺が樹から落ちていますね。
平家物語によると、頼政は南無八幡大菩薩と唱えて矢を放ったらしい。那須与一みたい。
(ちなみに那須与一は「よっぴいてひょうど放つ」ですが、頼政の射方は「よっぴいてひょうど射る」です)
頼政はのちに以仁王とともに打倒平家をめざし挙兵したものの、敗れて自害しています。

ところで鵺といえば伊豆の国市にぬえ左衛門なるゆるキャラがいると先日知りました。
ちゃんと頭が猿、体が虎、尾が蛇で、あたまの後ろに頼政の放った矢がささってて再現度パない。
実物見てみたい('v')。

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太平記より、大森彦七の鬼退治。
伊予の金蓮寺へ行く途中で彦七はひとりの女性に出会うのですが、
実はこの人、湊川の戦で敗死した楠木正成の怨霊だったりします。
「川が深くて渡れません」と女性が言うので彦七がおんぶして川を渡ると、急に女性が重たくなって
振り向くと鬼に変貌していた…というおっかないシーン。
ちなみに大森彦七は楠木正成を敗走させた張本人といわれる人です。

この他にも源頼光の土蜘蛛退治、大江山の酒呑童子退治、
鬼のような強さといわれた武蔵坊弁慶などを描いた展示がありました。
霊になった源為朝とか初めて見ましたけど(^ ^;)面白かったです!

昔から妖怪や怪異のたぐいというのは
だいたいその時代の権力者が「これこれこういう怪物が出たので退治します」とか何とかおふれを出して
祈祷をしたり武士を派遣して首か何かを持ち帰らせて
「はいもう大丈夫ですよ~」って社会に怪異の収拾を発信して収めていたわけですが。
妖怪を退治したり怪異を鎮めたりすることは権力者が治安を掌握することであり、
妖怪たちは時の朝廷に逆らうものとして作られていた面もあったりします。
その妖怪を退治できる人たち(源頼光とか弁慶とか)もまた、尋常ではない力を持つということで
鬼と呼ばれて畏怖されるなどしてきました。
毒をもって毒を制すではないけど、鬼を倒せるのは鬼しかいないと考えられたのかもしれません。

鬼といえばよくいわれるのが「鬼門」でしょうか。
夢枕獏氏の『陰陽師』シリーズがじわじわ人気を博すようになってから知られるようになってきてますね。
陰陽道が普及し始めた平安時代半ばには
北東、つまり丑寅の方角は鬼門と呼ばれ鬼がいるといわれるようになりますので
(だから鬼は牛の角に虎のパンツを履いたデザイン)、
人々は鬼門の方角にあたる場所をきれいに掃除したり寺社を置いたりして
よくないものが出入りしないようにと願掛けもするようになっていったそうです。
で、そのよくないものってどんなものかというと
↑に挙げてきたヤマタノオロチだったり鬼だったり鵺だったりするわけで。
"よくないもの"に形を与えて退治すれば
ああ良かったこれで解決できましたねってみんな安心したのかもしれない。
(誰もが目に見えて「退治された」とわからなければやっても意味がない気もしますし)

それから、鬼退治の代名詞のような話に「桃太郎」がありますけども
桃太郎についていくのは鬼門の対極にある「裏鬼門」にあたる申・酉・戌だったりして
ここにも鬼門の考え方が反映されているように思います。
桃太郎の名前の「桃」だって、古代中国では邪気を祓う果物とされていたしねー。

…というようなことを過去記事でマンガにして語った覚えがあります。
絵が古くて恐縮ですがよろしければどうぞ(・ω・)ノ


yokaidaiji8.jpg
こちらは妖怪退治とは別のブースにありました。和綴じの種類の展示!
こんなにあるんですね。
ハードカバーやソフトカバーの装丁も大好きですが、和綴じの奥ゆかしさもまた良し。

yokaidaiji9.jpg
こちらも別ブース。安政の大地震の記録です。
紙にうっすらとですが草花が描かれていておしゃれ。

公文書館、実は初めて来たのですが
他にも戦国武将や江戸時代の将軍、近代の大臣や議員などの文書などが展示されてて面白いです。
無料だし!
また何かの機会に寄ってみたいな。



本日のお絵かき↓
oui_201402062349592c5.jpg※クリックで大きくなります
葛飾応為。
前回記事の応為展の興奮が冷めなくてその勢いのまま、ある日家を出る姿を描いてみました。
どこに行ったのかな…。

正面顔はこちらにあります。
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*
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2014-02-02 (Sun)
コミティア107行ってきました!
お昼過ぎに到着したらなんかやたら混んでて会場の熱気すごかった。
去年の2月もそうだったけど、この時期のコミティアは妙に混雑しますな。

入口近くで遠田志帆さんにお会いしてきました☆
『竜宮ホテル』『羽州ものがたり』『はなとゆめ』などの挿絵や表紙画を担当なさっている
イラストレーターさんです。(埼玉に住んでいらっしゃるというのも親近感♪)
twitterで参加されると知ってドキドキしながら会いに行って、思い切ってお声かけさせていただいたら
「来てくださってありがとうございます~」とやさしく微笑んでくださいました…!
わああああああああ(夕陽の東京湾アクアラインをダッシュ)
緊張しながらも何とかポスカ買わせていただいて、色々どもってしまったけど大ファンですって
とにかくそれだけはお伝えできたと思う…。
あと『はなとゆめ』まだ読めてなくてすいませんんんん後で必ず!

そしてブロともの若野さんに会いにスペース行きました♪
若野さんはいつものことですがジャケットが似合うスマートな佇まいでございました。
お綺麗すぎの罪で逮捕したい←
差入れしたら有難くもご本とかお菓子とかいただいてしまって、着物や足袋のお話とかしたのですが
なんとリンともの桐月さんたちも来場していると聞いて、
しかもわたしが若野さんにご挨拶するほんの少し前にスペースに寄られたと聞いて僕はわたしは!
わーニアミスー会いたかったなあ。。
まだいらっしゃるかな、もう一度帰りにここ寄ってみますってお伝えして
会場をしばらく物色していたところ、後ろから
「ゆささんですか?」と話しかけてくださったかわいらしいお2方が…。
ふえ?とアホな声を出したわたしに「桐月です~」と名乗るかわいらしいお2方…。

わあああああああああああ(夕陽の有明埠頭をダッシュ)

お2人はまぎれもなく桐月さん方でした!
しかも若野さんからわたしの特徴を聞いて会場内を探してくださっておられたとのこと!!
うおおあんな広い会場内をマジですか、なんという天使!うん知ってる!(自己完結)
まさか会えると思ってなくて、あと初対面で嬉しすぎて膝が震えてテンパリまくりました。。
桐月さん方はほんとかわいかったです…おふたりともお話上手でふわふわやさしくて笑顔が素敵で
会場の熱気で疲れた心が癒されまくり。
猫のお話とかブログのこととか、短い時間ですが濃いおしゃべりをさせていただいて
テンションも日本語もおかしくなってました。。
だって嬉しすぎたんだ…。
お土産もたくさんいただきまして、うおお会えると知ってたらわたしもお土産持ってきたのに
こんなときに限って手ぶらのこの!手!!ヾ(:3ノシヾ)ノシ
何かないかとバッグを開けましたが案の定何もなくorz
ドラえもんの取り寄せバッグ誰か早く発明してくだしあ、マジで。

その後、若野さんのスペースに無事会えましたと3人でご報告して、若野さんも喜んでくださって感動が倍増。
4人並んだときのあの感激といったら!
ずっと交流してきたから会えて本当に良かった。泣きそうでした。

comi2014.jpg
戦利品&いただき物。本とかお菓子とか足袋とか。ひいぃ。
鬼とお豆、今年は2月3日が平日のため節分祭どこも行けないや~とショボンヌだったので
すごく嬉しかったです。明日食べます。
あと桐月さんが教えてくださった長田神社の節分祭を帰宅後にぐぐってみましたらば
想像以上にかっこよかった件。→こちら
長田神社の古式追儺式には7匹の鬼が神々のお使いとして登場し、
松明の炎で種々の災いを焼き尽くし、太刀の刃で寄り来る不吉を切り捨て、
天地を祓い国土を清めて、一年の家内安全、無病息災を願って、
一陽来復の春が再び巡り来ることを喜び祝います
」(リンク先から引用)
orz←地面に頭つっこむ
お使い、お使いってなんだ、いやあれか、お使いってことはあれか、神の代わりに鬼が来るんですよね。
神の代わりに鬼が災いを祓い清めるんですね。
鬼 の 舞 で
設定がツボすぎて頭のキャパシティ破裂してパソコンの前で悶絶しましたとも…。
けしからん!なんて祭だ!わたしは今猛烈に感動している!!!
あの鬼もこの鬼も各地から祓われてしまう行事にお嘆きの鬼クラスタのみなさん、
長田神社へ行くのです!恵方巻かじってないで!!ほら!!!
「おれを祀って社建てなよ☆」って神功皇后にウインクした(←してない)事代主神様、
本当にありがとうございますごちそう様です。
(何だかテンションがおかしいですが、鬼については大学時代から致命傷なので心配いりません、ご安心ください。
素直で芸術的センスあるのにアホで脳筋でよく誤解されてあとだまされやすいってとこで完全に落ちてます。
鬼や妖怪を知れば知るほど心を整えられない。
ついでに言うとわたしPC内に鬼フォルダ作ってます)

若野さん桐月さん方本当に本当にありがとうございました!今日行って良かったです。
またみんなでおしゃべりしましょうねえ✧*。٩(ˊωˋ*)و✧*。



コミティアの後は、太田記念美術館で「葛飾応為 吉原格子先之図-光と影の美」を見てきました。
oui.jpg
大浮世絵展の記事でもちょっと書きましたが、応為は葛飾北斎の三女です。
本名は栄といって、お栄、阿栄などと表記されます。
パパのもとで絵の腕をみがき、パパの晩年の画業を助け、看取ったのも彼女と伝わります。
生没年もはっきりせず、北斎が亡くなった後は親類を頼り各地を転々とし、
ある日弟の家を出たきり戻って来なかったそうです。
(栄の弟崎十郎の子である多知が家を出る伯母の後ろ姿を目撃したのが最後らしい)
性格は大ざっぱで任侠好き、部屋が散らかるとパパと一緒に引っ越したりしていました。
飯島虚心の『葛飾北斎伝』には「余の美人画は阿栄に及ばざるなり、彼は妙に画きてよく画法にかなへり」と
北斎が語ったと書いてあり、
また渓斎英泉は随筆で「栄女画を善す、父に従い今専ら絵師をなす、名手なり」と書いているとか。

現在、お栄ちゃん筆と確認されている作品はわずか十数点で、吉原格子先之図はそのひとつ。
小さな掛軸で、その小さな中に深い世界があります。
↑の写真を見ていただくとおわかりかと思うのですが、光と影の差がくっきりはっきり。
見世の明るさ外の暗さ、明るく照らされる遊女たち、シルエットのお客、地面に落ちた格子の影、提灯のあかり。
なんという明るさ、なんという暗さ。惚れ惚れしますね。
こんな影描いてみたい、ぐぬぬ。
あと、お栄ちゃんはこの絵にはっきりとは署名を残してはいなくてそれも面白いです。
どこにあるかというと、こんな感じに隠してあります→こちらこちら

また彼女は江戸後期に出版された『女重宝記』の挿絵も描いていまして
版本の展示がありました。
武家や町人、お百姓、遊女など様々な女性たちから、裁縫、お琴、手習いなど当時の風俗まで
細かく丁寧に描かれていました。
北斎から絵を習ったので影響はもちろん見られますが、
お栄ちゃんの線はもうちょっと生っぽい感じが個人的にはします。
例えるならパパはカクカクシカジカの四角い感じ、娘はネコスト君の丸み+ブラックの味わい。
画中には「かつしか応為酔女筆」の署名があって、
これはお栄ちゃんが煙草やお酒をたしなんだことからきているそうな。
(ちなみに北斎は煙草嫌いで下戸で甘いもの好き)

他にもたくさんの光と影を表現した作品展示がありました。
北斎の「江都両国橋夕涼花火之図」は春朗時代のもの。
夜空の花火と両国橋の賑わいが描かれてます。橋の上の人混みとか米粒並の細かさ(笑)。
北斎の弟子だった昇亭北寿の「東都浅草川山谷堀入口向牛島之景」「武州千住大橋景」などには
遠近法で遠景ほど淡い色で描き、人物に影がついていたりします。
伝歌川豊春の「紅毛フランカイノ湊万里鐘響図」、実は豊春のオリジナルではないようです。
イタリアの画家アントニオ・カナレットが油絵で「カナル・グランデの景」を描く

同じくイタリアのアントニオ・ヴィセンティーニが銅版画にする

豊春が何らかの手段で銅版画を手に入れて浮絵にする
こんな経緯があるそうです☆
お江戸の絵ルーツおもしろいな~。

浮世絵の影といえば歌川広重の名所江戸百景「猿わか町よるの景」ですが、ばっちりありましたよ~。
影があるってだけですごくお月様感しますよね。
あと「真乳山山谷堀夜景」って初めて見ましたが夜空が雲母摺の星空、隅田川に無数に映る星の光!
他にも「隅田の寮月の宴」は障子に人物や植物の影が映っていたり
「雪月花の内 月の宴」は人物の影のみで満月の夜であることを表現したり
「隅田川闇夜図」で人物を明るく、奥の桜の木を真っ黒に描いたりと
結構月夜の絵描いてるんですね~。
そしてだいたいが満月で、だいたい雁の群れがY字を描きながら月の前を横切っていたりする。
広重は雁が好き。
(今回の展示にはないけど「月に雁」なんて肉筆も描いてますね)

宮川長亀の肉筆「吉原格子先之図」もありましたが、こちらの画面は別に暗くなくて
提灯をぶら下げている人もいないからまだ明るい時間を描いたのかな…賑やかな1幅。
司馬江漢の「西洋風景図」は、手前の青い岩がごつごつしてて東洋っぽいけど
遠くにうっすら見える建物が西洋風なので西洋とわかります。
江ちゃんの西洋好きは本当に清々しい。
鳥文斎栄之が絵を描き、山東京伝が賛を入れた「吉原十二時絵巻」。
遊女や禿などの女性たちが肌が白く塗られ着物もカラフルに彩られているのに対し、
若衆とか職人など男性は全員淡い墨で白黒のまま。
最初は未完成品かと思ったのですが、それらが絵巻全体に徹底されているので意図的なのでしょう。
障子の向こうにお酒を飲む男性のシルエットがあったり、影の表現も粋です。
絵巻の真ん中あたり、根岸のまつやの図のところでカラスが着物着てるみたいな人がいたけどあれ何なんだろう…。

歌川国貞の「江戸の夜」、手前の女性たちがカラーで後ろの男性たちが真っ黒。
歌川芳幾「真寫月花乃姿絵 四代目市村家橘の口上」は右上にコマ絵があって
障子に映る五代目尾上菊五郎と、障子越しにシルエットを写し取る絵師(たぶん本人)があるのが面白いです。
豊原国周の「楽屋二階影評判 松王嵐璃寛」は障子が少しだけ開いて役者の顔が見えていて、
どうも松王のカツラを手渡ししているらしいのが障子の影からわかるようになっていました。
歌川国芳の「高祖御一代略図」シリーズ、太陽や月からピカーって強烈な光が差していた!
霊験、アラタカ、ナリ。
歌川豊国の「両国花火図」、両国橋に打ちあがる花火とそれを見物する江戸庶民たちの大迫力絵ですが
橋の下を行く船の提灯に「歌川」「歌川」「歌川」「歌川」「歌川」「歌川」って
びっしり書いてあって笑った。。

ラストの小林清親やっべええぇぇぇ!
江戸博で「日本橋夜」を見て以来大好きな画家ですが、
「両国花火之図」「池之端花火」「今戸橋茶亭図」ことごとく光と影が美しすぎるラインナップ!!
特に池之端の、燃えつきた花火がヒュ~って落ちていく音まで聞こえるような、
見物客のざわざわ感が伝わってくるような雰囲気のこの絵は一体なんなんだ…。
清親は影の使い方が本当にうまいです。眼福。

余談ですが吉原格子先之図の前で2424していたら
「すてきなお召し物ですね」って声かけてくださった女性の方がいて嬉しかったです(≧◇≦)
その方のお帽子やコートもめっちゃハイセンスだった…!
あと、わたしのほぼ目の前で日比野克彦氏が鑑賞していらっしゃった。

comikimo.jpg
今日はこれでお出かけしました。猫着物に猫帯(Φ ω Φ)


本日のお絵かき↓
the day before the calendrical beginning of spring.※クリックで大きくなります
酒呑童子と椿。
京都府立植物園に酒呑童子という品種の椿があると聞いて描いてみました。
明日の各地の節分祭に行けないので、せめて…ね。
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