光と影のロマン。
コミティア107行ってきました!
お昼過ぎに到着したらなんかやたら混んでて会場の熱気すごかった。
去年の2月もそうだったけど、この時期のコミティアは妙に混雑しますな。
入口近くで遠田志帆さんにお会いしてきました☆
『竜宮ホテル』『羽州ものがたり』『はなとゆめ』などの挿絵や表紙画を担当なさっている
イラストレーターさんです。(埼玉に住んでいらっしゃるというのも親近感♪)
twitterで参加されると知ってドキドキしながら会いに行って、思い切ってお声かけさせていただいたら
「来てくださってありがとうございます~」とやさしく微笑んでくださいました…!
わああああああああ(夕陽の東京湾アクアラインをダッシュ)
緊張しながらも何とかポスカ買わせていただいて、色々どもってしまったけど大ファンですって
とにかくそれだけはお伝えできたと思う…。
あと『はなとゆめ』まだ読めてなくてすいませんんんん後で必ず!
そしてブロともの若野さんに会いにスペース行きました♪
若野さんはいつものことですがジャケットが似合うスマートな佇まいでございました。
お綺麗すぎの罪で逮捕したい←
差入れしたら有難くもご本とかお菓子とかいただいてしまって、着物や足袋のお話とかしたのですが
なんとリンともの桐月さんたちも来場していると聞いて、
しかもわたしが若野さんにご挨拶するほんの少し前にスペースに寄られたと聞いて僕はわたしは!
わーニアミスー会いたかったなあ。。
まだいらっしゃるかな、もう一度帰りにここ寄ってみますってお伝えして
会場をしばらく物色していたところ、後ろから
「ゆささんですか?」と話しかけてくださったかわいらしいお2方が…。
ふえ?とアホな声を出したわたしに「桐月です~」と名乗るかわいらしいお2方…。
わあああああああああああ(夕陽の有明埠頭をダッシュ)
お2人はまぎれもなく桐月さん方でした!
しかも若野さんからわたしの特徴を聞いて会場内を探してくださっておられたとのこと!!
うおおあんな広い会場内をマジですか、なんという天使!うん知ってる!(自己完結)
まさか会えると思ってなくて、あと初対面で嬉しすぎて膝が震えてテンパリまくりました。。
桐月さん方はほんとかわいかったです…おふたりともお話上手でふわふわやさしくて笑顔が素敵で
会場の熱気で疲れた心が癒されまくり。
猫のお話とかブログのこととか、短い時間ですが濃いおしゃべりをさせていただいて
テンションも日本語もおかしくなってました。。
だって嬉しすぎたんだ…。
お土産もたくさんいただきまして、うおお会えると知ってたらわたしもお土産持ってきたのに
こんなときに限って手ぶらのこの!手!!ヾ(:3ノシヾ)ノシ
何かないかとバッグを開けましたが案の定何もなくorz
ドラえもんの取り寄せバッグ誰か早く発明してくだしあ、マジで。
その後、若野さんのスペースに無事会えましたと3人でご報告して、若野さんも喜んでくださって感動が倍増。
4人並んだときのあの感激といったら!
ずっと交流してきたから会えて本当に良かった。泣きそうでした。

戦利品&いただき物。本とかお菓子とか足袋とか。ひいぃ。
鬼とお豆、今年は2月3日が平日のため節分祭どこも行けないや~とショボンヌだったので
すごく嬉しかったです。明日食べます。
あと桐月さんが教えてくださった長田神社の節分祭を帰宅後にぐぐってみましたらば
想像以上にかっこよかった件。→こちら
「長田神社の古式追儺式には7匹の鬼が神々のお使いとして登場し、
松明の炎で種々の災いを焼き尽くし、太刀の刃で寄り来る不吉を切り捨て、
天地を祓い国土を清めて、一年の家内安全、無病息災を願って、
一陽来復の春が再び巡り来ることを喜び祝います」(リンク先から引用)
orz←地面に頭つっこむ
お使い、お使いってなんだ、いやあれか、お使いってことはあれか、神の代わりに鬼が来るんですよね。
神の代わりに鬼が災いを祓い清めるんですね。
鬼 の 舞 で
設定がツボすぎて頭のキャパシティ破裂してパソコンの前で悶絶しましたとも…。
けしからん!なんて祭だ!わたしは今猛烈に感動している!!!
あの鬼もこの鬼も各地から祓われてしまう行事にお嘆きの鬼クラスタのみなさん、
長田神社へ行くのです!恵方巻かじってないで!!ほら!!!
「おれを祀って社建てなよ☆」って神功皇后にウインクした(←してない)事代主神様、
本当にありがとうございますごちそう様です。
(何だかテンションがおかしいですが、鬼については大学時代から致命傷なので心配いりません、ご安心ください。
素直で芸術的センスあるのにアホで脳筋でよく誤解されてあとだまされやすいってとこで完全に落ちてます。
鬼や妖怪を知れば知るほど心を整えられない。
ついでに言うとわたしPC内に鬼フォルダ作ってます)
若野さん桐月さん方本当に本当にありがとうございました!今日行って良かったです。
またみんなでおしゃべりしましょうねえ✧*。٩(ˊωˋ*)و✧*。
コミティアの後は、太田記念美術館で「葛飾応為 吉原格子先之図-光と影の美」を見てきました。

大浮世絵展の記事でもちょっと書きましたが、応為は葛飾北斎の三女です。
本名は栄といって、お栄、阿栄などと表記されます。
パパのもとで絵の腕をみがき、パパの晩年の画業を助け、看取ったのも彼女と伝わります。
生没年もはっきりせず、北斎が亡くなった後は親類を頼り各地を転々とし、
ある日弟の家を出たきり戻って来なかったそうです。
(栄の弟崎十郎の子である多知が家を出る伯母の後ろ姿を目撃したのが最後らしい)
性格は大ざっぱで任侠好き、部屋が散らかるとパパと一緒に引っ越したりしていました。
飯島虚心の『葛飾北斎伝』には「余の美人画は阿栄に及ばざるなり、彼は妙に画きてよく画法にかなへり」と
北斎が語ったと書いてあり、
また渓斎英泉は随筆で「栄女画を善す、父に従い今専ら絵師をなす、名手なり」と書いているとか。
現在、お栄ちゃん筆と確認されている作品はわずか十数点で、吉原格子先之図はそのひとつ。
小さな掛軸で、その小さな中に深い世界があります。
↑の写真を見ていただくとおわかりかと思うのですが、光と影の差がくっきりはっきり。
見世の明るさ外の暗さ、明るく照らされる遊女たち、シルエットのお客、地面に落ちた格子の影、提灯のあかり。
なんという明るさ、なんという暗さ。惚れ惚れしますね。
こんな影描いてみたい、ぐぬぬ。
あと、お栄ちゃんはこの絵にはっきりとは署名を残してはいなくてそれも面白いです。
どこにあるかというと、こんな感じに隠してあります→こちらとこちら
また彼女は江戸後期に出版された『女重宝記』の挿絵も描いていまして
版本の展示がありました。
武家や町人、お百姓、遊女など様々な女性たちから、裁縫、お琴、手習いなど当時の風俗まで
細かく丁寧に描かれていました。
北斎から絵を習ったので影響はもちろん見られますが、
お栄ちゃんの線はもうちょっと生っぽい感じが個人的にはします。
例えるならパパはカクカクシカジカの四角い感じ、娘はネコスト君の丸み+ブラックの味わい。
画中には「かつしか応為酔女筆」の署名があって、
これはお栄ちゃんが煙草やお酒をたしなんだことからきているそうな。
(ちなみに北斎は煙草嫌いで下戸で甘いもの好き)
他にもたくさんの光と影を表現した作品展示がありました。
北斎の「江都両国橋夕涼花火之図」は春朗時代のもの。
夜空の花火と両国橋の賑わいが描かれてます。橋の上の人混みとか米粒並の細かさ(笑)。
北斎の弟子だった昇亭北寿の「東都浅草川山谷堀入口向牛島之景」「武州千住大橋景」などには
遠近法で遠景ほど淡い色で描き、人物に影がついていたりします。
伝歌川豊春の「紅毛フランカイノ湊万里鐘響図」、実は豊春のオリジナルではないようです。
イタリアの画家アントニオ・カナレットが油絵で「カナル・グランデの景」を描く
↓
同じくイタリアのアントニオ・ヴィセンティーニが銅版画にする
↓
豊春が何らかの手段で銅版画を手に入れて浮絵にする
こんな経緯があるそうです☆
お江戸の絵ルーツおもしろいな~。
浮世絵の影といえば歌川広重の名所江戸百景「猿わか町よるの景」ですが、ばっちりありましたよ~。
影があるってだけですごくお月様感しますよね。
あと「真乳山山谷堀夜景」って初めて見ましたが夜空が雲母摺の星空、隅田川に無数に映る星の光!
他にも「隅田の寮月の宴」は障子に人物や植物の影が映っていたり
「雪月花の内 月の宴」は人物の影のみで満月の夜であることを表現したり
「隅田川闇夜図」で人物を明るく、奥の桜の木を真っ黒に描いたりと
結構月夜の絵描いてるんですね~。
そしてだいたいが満月で、だいたい雁の群れがY字を描きながら月の前を横切っていたりする。
広重は雁が好き。
(今回の展示にはないけど「月に雁」なんて肉筆も描いてますね)
宮川長亀の肉筆「吉原格子先之図」もありましたが、こちらの画面は別に暗くなくて
提灯をぶら下げている人もいないからまだ明るい時間を描いたのかな…賑やかな1幅。
司馬江漢の「西洋風景図」は、手前の青い岩がごつごつしてて東洋っぽいけど
遠くにうっすら見える建物が西洋風なので西洋とわかります。
江ちゃんの西洋好きは本当に清々しい。
鳥文斎栄之が絵を描き、山東京伝が賛を入れた「吉原十二時絵巻」。
遊女や禿などの女性たちが肌が白く塗られ着物もカラフルに彩られているのに対し、
若衆とか職人など男性は全員淡い墨で白黒のまま。
最初は未完成品かと思ったのですが、それらが絵巻全体に徹底されているので意図的なのでしょう。
障子の向こうにお酒を飲む男性のシルエットがあったり、影の表現も粋です。
絵巻の真ん中あたり、根岸のまつやの図のところでカラスが着物着てるみたいな人がいたけどあれ何なんだろう…。
歌川国貞の「江戸の夜」、手前の女性たちがカラーで後ろの男性たちが真っ黒。
歌川芳幾「真寫月花乃姿絵 四代目市村家橘の口上」は右上にコマ絵があって
障子に映る五代目尾上菊五郎と、障子越しにシルエットを写し取る絵師(たぶん本人)があるのが面白いです。
豊原国周の「楽屋二階影評判 松王嵐璃寛」は障子が少しだけ開いて役者の顔が見えていて、
どうも松王のカツラを手渡ししているらしいのが障子の影からわかるようになっていました。
歌川国芳の「高祖御一代略図」シリーズ、太陽や月からピカーって強烈な光が差していた!
霊験、アラタカ、ナリ。
歌川豊国の「両国花火図」、両国橋に打ちあがる花火とそれを見物する江戸庶民たちの大迫力絵ですが
橋の下を行く船の提灯に「歌川」「歌川」「歌川」「歌川」「歌川」「歌川」って
びっしり書いてあって笑った。。
ラストの小林清親やっべええぇぇぇ!
江戸博で「日本橋夜」を見て以来大好きな画家ですが、
「両国花火之図」「池之端花火」「今戸橋茶亭図」ことごとく光と影が美しすぎるラインナップ!!
特に池之端の、燃えつきた花火がヒュ~って落ちていく音まで聞こえるような、
見物客のざわざわ感が伝わってくるような雰囲気のこの絵は一体なんなんだ…。
清親は影の使い方が本当にうまいです。眼福。
余談ですが吉原格子先之図の前で2424していたら
「すてきなお召し物ですね」って声かけてくださった女性の方がいて嬉しかったです(≧◇≦)
その方のお帽子やコートもめっちゃハイセンスだった…!
あと、わたしのほぼ目の前で日比野克彦氏が鑑賞していらっしゃった。

今日はこれでお出かけしました。猫着物に猫帯(Φ ω Φ)
本日のお絵かき↓
※クリックで大きくなります
酒呑童子と椿。
京都府立植物園に酒呑童子という品種の椿があると聞いて描いてみました。
明日の各地の節分祭に行けないので、せめて…ね。
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*
お昼過ぎに到着したらなんかやたら混んでて会場の熱気すごかった。
去年の2月もそうだったけど、この時期のコミティアは妙に混雑しますな。
入口近くで遠田志帆さんにお会いしてきました☆
『竜宮ホテル』『羽州ものがたり』『はなとゆめ』などの挿絵や表紙画を担当なさっている
イラストレーターさんです。(埼玉に住んでいらっしゃるというのも親近感♪)
twitterで参加されると知ってドキドキしながら会いに行って、思い切ってお声かけさせていただいたら
「来てくださってありがとうございます~」とやさしく微笑んでくださいました…!
わああああああああ(夕陽の東京湾アクアラインをダッシュ)
緊張しながらも何とかポスカ買わせていただいて、色々どもってしまったけど大ファンですって
とにかくそれだけはお伝えできたと思う…。
あと『はなとゆめ』まだ読めてなくてすいませんんんん後で必ず!
そしてブロともの若野さんに会いにスペース行きました♪
若野さんはいつものことですがジャケットが似合うスマートな佇まいでございました。
お綺麗すぎの罪で逮捕したい←
差入れしたら有難くもご本とかお菓子とかいただいてしまって、着物や足袋のお話とかしたのですが
なんとリンともの桐月さんたちも来場していると聞いて、
しかもわたしが若野さんにご挨拶するほんの少し前にスペースに寄られたと聞いて僕はわたしは!
わーニアミスー会いたかったなあ。。
まだいらっしゃるかな、もう一度帰りにここ寄ってみますってお伝えして
会場をしばらく物色していたところ、後ろから
「ゆささんですか?」と話しかけてくださったかわいらしいお2方が…。
ふえ?とアホな声を出したわたしに「桐月です~」と名乗るかわいらしいお2方…。
わあああああああああああ(夕陽の有明埠頭をダッシュ)
お2人はまぎれもなく桐月さん方でした!
しかも若野さんからわたしの特徴を聞いて会場内を探してくださっておられたとのこと!!
うおおあんな広い会場内をマジですか、なんという天使!うん知ってる!(自己完結)
まさか会えると思ってなくて、あと初対面で嬉しすぎて膝が震えてテンパリまくりました。。
桐月さん方はほんとかわいかったです…おふたりともお話上手でふわふわやさしくて笑顔が素敵で
会場の熱気で疲れた心が癒されまくり。
猫のお話とかブログのこととか、短い時間ですが濃いおしゃべりをさせていただいて
テンションも日本語もおかしくなってました。。
だって嬉しすぎたんだ…。
お土産もたくさんいただきまして、うおお会えると知ってたらわたしもお土産持ってきたのに
こんなときに限って手ぶらのこの!手!!ヾ(:3ノシヾ)ノシ
何かないかとバッグを開けましたが案の定何もなくorz
ドラえもんの取り寄せバッグ誰か早く発明してくだしあ、マジで。
その後、若野さんのスペースに無事会えましたと3人でご報告して、若野さんも喜んでくださって感動が倍増。
4人並んだときのあの感激といったら!
ずっと交流してきたから会えて本当に良かった。泣きそうでした。

戦利品&いただき物。本とかお菓子とか足袋とか。ひいぃ。
鬼とお豆、今年は2月3日が平日のため節分祭どこも行けないや~とショボンヌだったので
すごく嬉しかったです。明日食べます。
あと桐月さんが教えてくださった長田神社の節分祭を帰宅後にぐぐってみましたらば
想像以上にかっこよかった件。→こちら
「長田神社の古式追儺式には7匹の鬼が神々のお使いとして登場し、
松明の炎で種々の災いを焼き尽くし、太刀の刃で寄り来る不吉を切り捨て、
天地を祓い国土を清めて、一年の家内安全、無病息災を願って、
一陽来復の春が再び巡り来ることを喜び祝います」(リンク先から引用)
orz←地面に頭つっこむ
お使い、お使いってなんだ、いやあれか、お使いってことはあれか、神の代わりに鬼が来るんですよね。
神の代わりに鬼が災いを祓い清めるんですね。
鬼 の 舞 で
設定がツボすぎて頭のキャパシティ破裂してパソコンの前で悶絶しましたとも…。
けしからん!なんて祭だ!わたしは今猛烈に感動している!!!
あの鬼もこの鬼も各地から祓われてしまう行事にお嘆きの鬼クラスタのみなさん、
長田神社へ行くのです!恵方巻かじってないで!!ほら!!!
「おれを祀って社建てなよ☆」って神功皇后にウインクした(←してない)事代主神様、
本当にありがとうございますごちそう様です。
(何だかテンションがおかしいですが、鬼については大学時代から致命傷なので心配いりません、ご安心ください。
素直で芸術的センスあるのにアホで脳筋でよく誤解されてあとだまされやすいってとこで完全に落ちてます。
鬼や妖怪を知れば知るほど心を整えられない。
ついでに言うとわたしPC内に鬼フォルダ作ってます)
若野さん桐月さん方本当に本当にありがとうございました!今日行って良かったです。
またみんなでおしゃべりしましょうねえ✧*。٩(ˊωˋ*)و✧*。
コミティアの後は、太田記念美術館で「葛飾応為 吉原格子先之図-光と影の美」を見てきました。

大浮世絵展の記事でもちょっと書きましたが、応為は葛飾北斎の三女です。
本名は栄といって、お栄、阿栄などと表記されます。
パパのもとで絵の腕をみがき、パパの晩年の画業を助け、看取ったのも彼女と伝わります。
生没年もはっきりせず、北斎が亡くなった後は親類を頼り各地を転々とし、
ある日弟の家を出たきり戻って来なかったそうです。
(栄の弟崎十郎の子である多知が家を出る伯母の後ろ姿を目撃したのが最後らしい)
性格は大ざっぱで任侠好き、部屋が散らかるとパパと一緒に引っ越したりしていました。
飯島虚心の『葛飾北斎伝』には「余の美人画は阿栄に及ばざるなり、彼は妙に画きてよく画法にかなへり」と
北斎が語ったと書いてあり、
また渓斎英泉は随筆で「栄女画を善す、父に従い今専ら絵師をなす、名手なり」と書いているとか。
現在、お栄ちゃん筆と確認されている作品はわずか十数点で、吉原格子先之図はそのひとつ。
小さな掛軸で、その小さな中に深い世界があります。
↑の写真を見ていただくとおわかりかと思うのですが、光と影の差がくっきりはっきり。
見世の明るさ外の暗さ、明るく照らされる遊女たち、シルエットのお客、地面に落ちた格子の影、提灯のあかり。
なんという明るさ、なんという暗さ。惚れ惚れしますね。
こんな影描いてみたい、ぐぬぬ。
あと、お栄ちゃんはこの絵にはっきりとは署名を残してはいなくてそれも面白いです。
どこにあるかというと、こんな感じに隠してあります→こちらとこちら
また彼女は江戸後期に出版された『女重宝記』の挿絵も描いていまして
版本の展示がありました。
武家や町人、お百姓、遊女など様々な女性たちから、裁縫、お琴、手習いなど当時の風俗まで
細かく丁寧に描かれていました。
北斎から絵を習ったので影響はもちろん見られますが、
お栄ちゃんの線はもうちょっと生っぽい感じが個人的にはします。
例えるならパパはカクカクシカジカの四角い感じ、娘はネコスト君の丸み+ブラックの味わい。
画中には「かつしか応為酔女筆」の署名があって、
これはお栄ちゃんが煙草やお酒をたしなんだことからきているそうな。
(ちなみに北斎は煙草嫌いで下戸で甘いもの好き)
他にもたくさんの光と影を表現した作品展示がありました。
北斎の「江都両国橋夕涼花火之図」は春朗時代のもの。
夜空の花火と両国橋の賑わいが描かれてます。橋の上の人混みとか米粒並の細かさ(笑)。
北斎の弟子だった昇亭北寿の「東都浅草川山谷堀入口向牛島之景」「武州千住大橋景」などには
遠近法で遠景ほど淡い色で描き、人物に影がついていたりします。
伝歌川豊春の「紅毛フランカイノ湊万里鐘響図」、実は豊春のオリジナルではないようです。
イタリアの画家アントニオ・カナレットが油絵で「カナル・グランデの景」を描く
↓
同じくイタリアのアントニオ・ヴィセンティーニが銅版画にする
↓
豊春が何らかの手段で銅版画を手に入れて浮絵にする
こんな経緯があるそうです☆
お江戸の絵ルーツおもしろいな~。
浮世絵の影といえば歌川広重の名所江戸百景「猿わか町よるの景」ですが、ばっちりありましたよ~。
影があるってだけですごくお月様感しますよね。
あと「真乳山山谷堀夜景」って初めて見ましたが夜空が雲母摺の星空、隅田川に無数に映る星の光!
他にも「隅田の寮月の宴」は障子に人物や植物の影が映っていたり
「雪月花の内 月の宴」は人物の影のみで満月の夜であることを表現したり
「隅田川闇夜図」で人物を明るく、奥の桜の木を真っ黒に描いたりと
結構月夜の絵描いてるんですね~。
そしてだいたいが満月で、だいたい雁の群れがY字を描きながら月の前を横切っていたりする。
広重は雁が好き。
(今回の展示にはないけど「月に雁」なんて肉筆も描いてますね)
宮川長亀の肉筆「吉原格子先之図」もありましたが、こちらの画面は別に暗くなくて
提灯をぶら下げている人もいないからまだ明るい時間を描いたのかな…賑やかな1幅。
司馬江漢の「西洋風景図」は、手前の青い岩がごつごつしてて東洋っぽいけど
遠くにうっすら見える建物が西洋風なので西洋とわかります。
江ちゃんの西洋好きは本当に清々しい。
鳥文斎栄之が絵を描き、山東京伝が賛を入れた「吉原十二時絵巻」。
遊女や禿などの女性たちが肌が白く塗られ着物もカラフルに彩られているのに対し、
若衆とか職人など男性は全員淡い墨で白黒のまま。
最初は未完成品かと思ったのですが、それらが絵巻全体に徹底されているので意図的なのでしょう。
障子の向こうにお酒を飲む男性のシルエットがあったり、影の表現も粋です。
絵巻の真ん中あたり、根岸のまつやの図のところでカラスが着物着てるみたいな人がいたけどあれ何なんだろう…。
歌川国貞の「江戸の夜」、手前の女性たちがカラーで後ろの男性たちが真っ黒。
歌川芳幾「真寫月花乃姿絵 四代目市村家橘の口上」は右上にコマ絵があって
障子に映る五代目尾上菊五郎と、障子越しにシルエットを写し取る絵師(たぶん本人)があるのが面白いです。
豊原国周の「楽屋二階影評判 松王嵐璃寛」は障子が少しだけ開いて役者の顔が見えていて、
どうも松王のカツラを手渡ししているらしいのが障子の影からわかるようになっていました。
歌川国芳の「高祖御一代略図」シリーズ、太陽や月からピカーって強烈な光が差していた!
霊験、アラタカ、ナリ。
歌川豊国の「両国花火図」、両国橋に打ちあがる花火とそれを見物する江戸庶民たちの大迫力絵ですが
橋の下を行く船の提灯に「歌川」「歌川」「歌川」「歌川」「歌川」「歌川」って
びっしり書いてあって笑った。。
ラストの小林清親やっべええぇぇぇ!
江戸博で「日本橋夜」を見て以来大好きな画家ですが、
「両国花火之図」「池之端花火」「今戸橋茶亭図」ことごとく光と影が美しすぎるラインナップ!!
特に池之端の、燃えつきた花火がヒュ~って落ちていく音まで聞こえるような、
見物客のざわざわ感が伝わってくるような雰囲気のこの絵は一体なんなんだ…。
清親は影の使い方が本当にうまいです。眼福。
余談ですが吉原格子先之図の前で2424していたら
「すてきなお召し物ですね」って声かけてくださった女性の方がいて嬉しかったです(≧◇≦)
その方のお帽子やコートもめっちゃハイセンスだった…!
あと、わたしのほぼ目の前で日比野克彦氏が鑑賞していらっしゃった。

今日はこれでお出かけしました。猫着物に猫帯(Φ ω Φ)
本日のお絵かき↓

酒呑童子と椿。
京都府立植物園に酒呑童子という品種の椿があると聞いて描いてみました。
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