2014-04-30 (Wed)
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ある夜の光景。こたつにて。
娘にゃんこがわたしの膝を占領していて、母にゃんこがその隣でうとうとしていたところ。

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ふと目を覚ました母にゃんこ。

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おもむろに娘の頭をなめなめし始めました。
(これは別に毛づくろいをしてあげているのではなく、
「わたしより高い場所で寝るなんて図が高いわね、さっさとどいて譲りなさいよ」アピールです)
しかし起きない娘。

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さらになめる。しかし起きない娘。

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とうとう目が覚めてしまった娘の渾身の右ストレート!
母は、前が見えず手が空振りしている!

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KO勝ちした選手「もういいわよ別の場所で寝るから」と悠然と去っていくのでありました。

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この、撮れとばかりのドヤ顔を向けられたらシャッター切らずにはいられません(笑)。
「負けたこと誰にも言うんじゃないわよ」
撮ったらおとなしくなってやがて寝てしまわれました。

先日、やっと石油ヒーターをしまいました…春とはいえ夜は冷えますし、雨の日の洗濯物も乾くし。
だがこたつはまだ出ている。


あと昨日、映画館で「名探偵コナン 異次元の狙撃手」を見てきました。
コナン連載20周年のロゴが最初にどーんとアップで出まして
わーもうそんなになりますかって感慨深く。
阿笠博士のクイズの出題者は次回から哀ちゃんになってしまうのかしら…(笑)。
コナン君まじチート、スケボーを駆使したもう何度目かの人間やめましたアクションに
最初から最後までひたすら感心しまくりながら鑑賞しましたよ。
前回の映画で蘭ちゃんが完全に人間やめたので今回はコナン君がってことかな?(笑)
蘭ちゃんと世良ちゃんはイケメンでした。
特に世良ちゃんがバイクぶっ飛ばしてコナンを助けに行く危機一髪シーンは神がかり的なすごさ、
たぶん平ちゃんより世良ちゃんの方がスキル高いわ。ボクッ娘最高!

今回のイケメン枠は昴さんと世良ちゃんで、あとはおっさんと筋肉でしたな。福士くん英語うまい。
ってか、昴さん!超かっこよかった!
ラストのセリフで「わーーやっぱりそうだったそうだったっうわーっきゃーっ」とか叫ぶところだった…。
客席もざわざわっ!てなりましたよ。
あれは漫画っていうか、紙では無理ですね、映像と音声だからこそできる演出ですね。
たしか原作でも昴さんが首を気にするシーンがあったと思うのだけど、そういうわけでしたか。
あースッキリ。
…で、今日の夕方にサンデー読みに書店に行ったら昴さんの正体出てましたけど(笑)。
原作とアニメより映画が一歩早い感じですね。アニメではいつやるんだろう。
(ところで昴さんの中の人はおじゃる警部役でもありますね~リスかわいいリス)

ジブリの「思い出のマーニー」予告編もありました!
プリシラ・アーンさんのゆったりした主題歌にのせて静かに流れるアンナとマーニーの日常が
すごくステキで、しっとり美しい作品になりそうな予感があった。
ボート乗るシーンがよかったなあ。
夏には江戸博でマーニー展もあるし、この夏も…熱くなりそうですね…!


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映画館に行く前にお気に入りのベーグル屋さんに寄ったら
2階にナチュラルモダンなカフェができてました。
ハーブベーグルとかぼちゃ&ブロッコリー入りのキッシュとサラダ、スープ、プリン。
おいしかったです!


GWは九州に旅行に行ってきます~例によってTwitterには出没していますのでよろしくどうぞ。
帰って来たらレポート書きます☆
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2014-04-27 (Sun)
今日は1日、東京国立博物館で美術三昧してきました☆
開催中の「栄西と建仁寺」展と、本館の「キトラ古墳壁画」に上村松園の「焔」に高村光雲の「老猿」、
表慶館のキトラに触れるコーナーが目当てです。
よく考えたら朝から夕方まで東博だけで過ごしたの初めてかもしれません。楽しかった!
✧*。٩(ˊωˋ*)و✧*。

キトラ古墳展がモナリザ来日時並みに大盛況なのはTwitterで知っていまして
早めに行って待ち時間がそんなになければ先に見るかと軽い気持ちで出かけた今朝でしたが、
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着いた時点でこんな大行列。
入場90分待ち、平成館の前のあたりまで続いていたので諦めて先に建仁寺展へ。


栄西と建仁寺展は、今年800年遠忌を迎える開祖・栄西さんと建仁寺の歴史・美術に関する展示です。
わたし京都には何度も訪れていますが、実は建仁寺に行ったことがありません。
今回が初・建仁寺(笑)。
展示室に入ると「明庵栄西坐像」、つまり栄西さんご本人が迎えてくださいます!
ちょっと頭の形がおもしろくて、脳みそひとつ分ぽこんと高くて四角い感じ。
とても頭のいい人だったと伝わっているそうで、
なるほど確かにすごいスペックありそうな脳サイズだなーと思いました。
そんな栄西さん、頭もいいなら行動範囲も広くて
かなりの広範囲にわたりご活躍されていたことが展示内容からわかります。
勅額「扶桑最初禅窟」は博多の聖福寺を建てたときにお寺に掲げた額。
額の文字は後鳥羽天皇が書いたもので、日本の最初の禅寺だよという意味だそう。(扶桑は日本のこと)
他にも鎌倉に下向して北条政子の援助で寿福寺を建立したり
(今回展示のトップバッターである明庵栄西坐像は寿福寺が所蔵しています)、
「造東大寺大勧進栄西書状」などで東大寺の勧進を助けてくださいって偉い人に手紙書いたり
「東寺天台大血脈図」の下の方に栄西さんのお名前があったりして
関西を中心にあっちこっちでお仕事されたみたい。バイタリティあふれるお坊さん!
ちなみに栄西の名前はエイサイではなくヨウサイと読むそうです。
その根拠となっている「興禅護国論和解」の展示もあって、
栄西の文字に"イヤウサイ"とふりがなが振ってありました。

次の広々としたスペースには建仁寺の方丈がどーんと再現され、
天目茶碗、茶入、香炉、燭台、生け花、栄西像と龍虎の計3幅の掛軸などがしつらえられています。
これらは建仁寺の喫茶儀礼である「四頭茶会」の一式だそう。
四頭茶会とは栄西さんの誕生日である4月20日に行なわれる茶会です。
栄西さんは抹茶を使った茶道を始めた最初の人だと言われ「茶祖」と呼ばれているそうで、
四頭茶会は当時の茶会を伝える文化として京都の無形民俗文化財に登録されています。
茶道具だけでなく海北友松筆の襖絵も建仁寺の方丈からそのまま外して持ってきているそうで
つまり今、お寺はお道具も襖もスッカラカンでたいへん見通しの良い感じに…あわわ。
(このため今年は建仁寺での四頭茶会は中止らしい)
天井からは茶会を撮影した映像が上映されていました。
建仁寺ではなく鎌倉の建長寺さんの四頭茶会の動画をご参考までに貼っておきますので
雰囲気だけでもどうぞ→こちら
(建長寺は、栄西が建てた寿福寺で禅師を勤めた蘭渓が開山したので建仁寺縁のお寺でもあります)
栄西さんの著書の写本「喫茶養生記」もあって、お茶の効能について書いてあったりしました。

「明恵上人消息」ぜんぜん読めないけど署名の高弁(明恵の本名)はわかりました。
解説によると上光坊という尼僧さんの好意をお断りしている内容とのことですが
なぜ明恵が建仁寺に手紙を?と思ったら
隣に展示されていた「漢柿蔕茶入」がすべて教えてくれまして。
宋からお茶の種を持ち帰った栄西さんが、その種を入れて高山寺の明恵上人に贈った小壺だそうで
えーっこの2人交流あったんだ!とびっくりしてしまいました。
栄西と明恵…32歳差の交流…(ちなみに栄西が年上)。
どういう風に渡されたかぜんぜん知らないのに、栄西から明恵に手渡された様子を妄想して萌えてしまって
壺の前で2828してごめんなさい。
お茶交流については『明恵上人伝記』にその記述があるとキャプションで見てなにーー!ってなって
帰宅してさっそく講談社学術文庫の同書を引っぱりだしたら
「建仁寺の長老より茶を進ぜられけるを~」と始まる文章が下巻にほんとに書いてあって戦慄した。
読んだの何年も前だし意識もしてなかったから気づかなかった…。
お茶はとっても体にいいからと栄西が栽培してほかの僧侶にも分けてあげて
明恵にも種をくれたので高山寺に植えました、みたいな内容です。
ちなみにこの種が現在でも有名な栂尾茶の始まりとも言われているそうです。
お茶友達…茶トモ…茶友ってロマンのある言葉ですね…(何か言い出した)。

栄西さんが亡くなってから建仁寺の住職を勤められた御坊さんたちの像も。
5人いらっしゃったのですが皆さん椅子に座られた状態で足をだらんと下におろしていて
衣装も何枚も重ね着していらっしゃった。
微妙に時代もズレがあるので袈裟の変遷とかわかって面白い。
「蘭渓道隆坐像」は先日、体内から木彫りの顔が出てきたことが報道されましたね。→こちら
像内部の写真もパネルで展示されていました。
「中巌円月坐像」も、近年調査したところ「毘沙門天立像」が体内から発見されたそうな。
この毘沙門天さんも展示されていて、
小さいながらも槍と水晶を手にしたお姿は凛々しいです。
こういう、像を保存するために一回り大きな像を作って中に入れておくっていうのは
作った人たちの手間暇も愛情も感じられてじわじわくる。
あと、時代は下りますが織田有楽斎の僧形坐像があってこちらは胡座をかいた姿。
有楽斎は織田信長の弟で、建仁寺の子院正伝院を再建した人です。
像の後ろには狩野山楽の「蓮鷺図襖」がありました。金地に蓮の花と深緑の葉っぱ、飛ぶ燕、美しい。

どんどんいきますよー海北友松「雲龍図」。建仁寺の襖絵です。
4面に1匹、もう4面に1匹、阿吽の龍が描かれた計8面の大作。
黒雲の向こうからぬっと現れ出た龍の迫力は、凄みもあるのですがおおらかさを感じました。
水晶玉のように大きなギョロ目、ゆったりと開いたor閉じた口、木の幹のような腕と爪、くねる体。
近づいたりちょっと離れたり、端から端まで行ったり来たりしながらじーっと見てきたのですが
龍の視線がずっとついてきてドキドキワクワク。
過去に見た曽我蕭白や円山応挙や長沢蘆雪の龍図のどれとも違う、
壮大でかっこよくてニヒルで笑いに満ちていて、あたたかみと迫力がありました。
なんだ、なんなんだーーこの龍!
(展示室では横一列だったので、もし建仁寺のお部屋で両脇からこの龍に見据えられたら
また違った印象を受けるかもしれません)
あと、カラフルに見えました…いい水墨画はカラフルに見えるよね。

友松は浅井家に仕えていた海北家に生まれた絵師で、戦国時代の人です。豊臣秀吉にも仕えています。
建仁寺とのかかわりは、友松が東福寺にいたとき安国寺恵瓊と出会ったことから始まったようです。
(恵瓊は関ケ原の合戦前あたりから建仁寺の再興に尽力している)
ほかにも「竹林七賢図」「人物花鳥押絵貼屏風」など友松の作品がたくさん。
「山水図」、すっと1本だけ引いた太い横線だけで舟を表現していておおってなった。

建仁寺にゆかりのあるお寺からの出品も。
狩野孝信「唐人物・花鳥図座屏」、ついたてが2つ。
片方には中国の仙人である呂洞賓が同じく仙人の鍾離権から教えを受ける図と
隠者の黄石公が張良に兵書を与えるシーンがそれぞれカラーで、
もう片方には鶯に梅・竹に雀がそれぞれモノトーンで描かれています。すごくきれい。
長谷川等伯 「竹林七賢図屏風」は友松の「竹林七賢図」に影響を受けたそうな。
長沢蘆雪「牧童吹笛図」は落款に"蘆雪指画"と本人が記入しているように指で描いた絵で
蘆雪が宴席に招かれたときに即興で絵にしたものとか。
伏せた牛の背中に乗った童子が軽快に吹く笛の音が聞こえてくるような楽しい絵。さすが蘆雪!
(落款の魚の印は欠けていました…ほほう、晩年の絵ですな)
伊藤若冲「拾得および鶏図」水墨の拾得さんと鶏が2羽の計3幅。
禅の境地はわたしにはわかりませんが、若冲さんの水墨画を見ているとこういうものなのかなと思う。
あと「雪梅雄鶏図」。雪景色に梅の花に鶏という、これぞジャクチュー!という絵。
鶏の尾もトサカも細かすぎて頭おかしくなりそう…なにこれ神か。
春徳寺所蔵の「涅槃図」が、このテーマにしては珍しく
お釈迦さまの涅槃に道教の不老長寿の思想がミックスされた絵だそうです。
空には龍や鳥たちが飛んでるし、達磨や布袋や韋駄天がいるし、鳳凰や十二支が描かれてるし、
釈迦の入滅と同時に散ったはずの沙羅双樹の花は満開だしとにかく色とりどりで吉祥要素てんこ盛り。
こんな絵があるんだ。面白いなー!

京都の六道珍皇寺からの展示品もちらほら。
珍皇寺はもともと東寺に属していましたが、室町時代に建仁寺派になったそうです。
「熊野観心十界曼荼羅」、熊野比丘尼と呼ばれる尼僧が絵解きを行ううえで使った絵図が大迫力。
上半分に人生の老いの坂、下半分に極楽や地獄が描かれ
あなたの人生は心次第で良くも悪くもなりますよー的な教訓が表現されていて、
何年か前に珍皇寺を拝観したときお寺の方に見せていただいた覚えがあります。
極楽描写は大変かわいらしいのですけども、地獄描写はおっとろしい。
そして!!(☆▽☆)
念願の!法橋院達「小野篁・冥官・獄卒立像」!
六道珍皇寺所蔵の小野篁・善童子・獄卒鬼の立像でギョざいます!!(さかなクン風に)
小野篁についてはこのブログでもさんざん語っていますが、
平安時代初期に実在した官僚で詩人であり歌人であり遣唐副使にも任じられ(唐には行かなかったけど)
夜な夜な六道珍皇寺の井戸から地獄へ降りて閻魔様の補佐をしていた伝説も持ってる人です。
そんな方が京都から善童子と獄卒鬼と一緒にお出ましくださったわけです、が。

…しびれた。

東博のブログの下の方に写真が出ていますが人物比を見てくださいよ、なんたる巨漢。
襟の高い縫腋の袍を着て垂纓の冠をかぶり、笏を持ち、裾はひらひらして飾太刀をつるして
身長六尺二寸(約188㎝)、四捨五入すると2メートルの篁さん等身大像、かっこよすぎ。
なにせ大きいので、当然こちらが上から見下ろされてる状態ですし
しかも両目がすっと細くてきらきら光ってて(水晶でしょうか)、
篁さんの足元を見たら小さなライトがピンポイントで篁さんの目に当ててあって
それがものすごい効果になってるというか、なんていうんだろう、動き出しそうだった!
何もかも見透かされているような目と言えばいいのか、めちゃくちゃ怖くて
でもとても神々しくて、でもやっぱり背筋がぞくりとする。
ちょっとこの展示方法すばらしい、たまらない。
脇侍の善童子・獄卒鬼もよかったです。
口をかたく結んだ善童子の視線が常についてくるのが怖いけど面白くも見えてくる。
筋肉ムッキムキの獄卒さんも怖くて面白くて、でもやっぱり睨まれてるからぞくりとする。
ふしぎなトリオ。
「3分ごとに照明が変化します」とキャプションに書いてあったので
あらじゃあ6分は見なきゃじゃないのもーしょーがないなあー(笑)としばらくいることにしまして
でも気づいたら何分いたかわかりませんでした…。
ライトが白→赤→白→赤と変化してわーきれい(白)、ギャー怖い(赤)などと楽しんで
たぶんこの後の風神雷神図より長居したと思う。
(てか途中から篁さんに見とれてライティングどうでもよくなってた…)
だってお金出して新幹線に乗って京都来たわけでもないのにこんな間近で!
珍皇寺のお堂の中にいらっしゃる時みたいな格子も展示室のガラスもなしで!
ちょっと覗き込めば官服の後ろまでチラ見できる機会なんてこれきりかもしれないじゃない!
5月には京都に帰ってしまわれるし!そしたら格子の向こうだし!!
…自分で言って思い出したけど、この方たち普段は京都で閻魔王像と一緒に並んでるんですけど
つまり今、閻魔様はぼっちでお留守番…?
ギャー早く帰ってあげてほしい、けどもう少し東京にいてほしい、
いや、閻魔様がさみしがるといけないから、でも、ええと、いやその(どっち)

篁像は院達という彫刻家によって1689年2月から8月にかけて制作され、
当時の住職さん(名前忘れた)が37歳のときに寄進されたと
篁さんの像内に納められていたというお経や札の展示からわかるようになっています。
札に「法橋院達」との署名が確かにある!
ちょっと院達について知りたくなったので後で調べてみようと思います。待ってて院達。

わたしいつか地獄に落ちて篁さんに会うんだ…楽しみだな…。
(こんなこと言ってますがまだ会うつもりはありませんのでご安心ください。
篁さんのこと考えるだけで心が与謝野晶子のみだれ髪のように乱れまくって整えられない。
ついでに言いますとわたしのPC内に篁フォルダあります)

江戸時代を代表する陶芸家・仁阿弥道八の作品もたくさんありました。
京都に住んで茶器をたくさん作り、「尾形乾山の再来」とうたわれた人で
わたしも過去にいくつか作品を見たことがあります。
「色絵花卉図手焙」は画家の谷文晁との合作で、植物が描かれたかわいらしい陶器。
「白釉山羊形手焙」ヤギのとぼけたような表情が何とも愛くるしい。

大トリ。俵屋宗達「風神雷神図屏風」国宝です☆
5年前に上野へ来たときは見そびれてしまったのでやっと会えて感激でした。
同じ琳派の尾形光琳や酒井抱一の風神雷神図の本物は目にタコができるほど見ていますけども
本家(?)である宗達の風神雷神をナマで見るのは今日が初めて。
これまでも美術の教科書や画集で何度も見ているだけに
雑誌やインターネットで活躍を追いかけていた人とオフ会で会えたみたいな、
「あ、どうも」とか、フラットな対面でした。わたしにとっては。
思っていたよりも小さいサイズで、でも近づいたらすごく大きかった。
線が太いなとか、ゴツゴツした神様ズだなとか、原色をのびのび使ってるなとか
たらし込みの雲黒いなとか、普遍的な大和絵風の描き方なのに斬新に見えるなとか画集でも思ってたけど
現物を見てもその気持ちは変わりませんでした。
あと、やっぱり楽しそうだなあと。空を飛びながらハードロック音楽ヒャッハーって奏でてるみたいな。
風と雷だしすごい轟音になりそう♪

ところでこれ屏風なので、本来の使い方としては人がこの前に座るわけですが
屏風と相対しているときはこちらが神様にこんにちはしている印象ですが
くるりと屏風に背を向けて真ん中に座したとたん、
その人は風と雷に守られているように見えてくるんじゃないか…とか、そんな気がふと。
おもしろさと万能感の同居といいますか、宗達の筆力を間近で感じることができたと思います。
とてもひとことでは言い表せないな…。

あ、風神雷神図といえばこの番組をご存知の方いらっしゃるでしょうか。→こちら
大好きな番組なのですが、来月からシリーズ化されるそうです。
あの名曲(と、ゆさが勝手に思っている)「風神雷神図屏風デート」も再放送されるかもよ!

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ミュージアムショップでの戦利品。
栄西が「ようさいくん」なるキャラクターになっていて面白かった。
…しかし…しかし小野篁像のポストカード売ってないのなぜですか東博さんー!?!?
あったら全部買い占めて知り合いに配りましたのに。


そんなこんなで平成館を出たら、キトラ古墳の大行列がまだまだ続いていたので
先に表慶館のキトラに触れる展示へ行きました。
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表慶館の2階にぶら下がっていた垂れ幕。
こちらではキトラ古墳と高松塚古墳内の画像を大型画面で見られるタッチパネルがあって
細かい部分まで拡大して見られたり、
猿石のプロジェクションマッピングがあったり明日香村のグッズが売られていたりします。
飛鳥時代の衣装再現や、里中満智子先生の『天井の虹』第1巻の原画が展示されていてびっくり!
わー中大兄皇子だっ懐かしいかっこいい!


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とても天気がよく初夏の陽気でしたので、博物館敷地内をお散歩。
法隆寺宝物館に来てみたらツツジが満開でした。

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宝物館前の池には八重桜が散り敷いて花筏をつくっていて綺麗でした。
桜のなごり。


お昼ごはんを食べて本館に戻って来たら、キトラ古墳の行列がまだまだ元気なので
本館内のリニューアル展示を見てくることにしました。
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高村光雲の老猿。大きいですよ~。
(東博本館は一部を除いて展示品の撮影ができます)

このお猿さんの近くに上村松園さんの「焔」があったのですが
撮影する気になれなくてじーっくり見てきました。
源氏物語の六条御息所を描いた割と大きめな掛軸です。ナマで見るの初めて!
すらりとした体にまとう白い着物に藤と蜘蛛の巣模様、長い髪やくっと噛んだ唇までリアル。
東博がとてもきれいに保存してくれているのですね。

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本日の「出会いは突然に」。「頼光大江山入図大花瓶」です!
こんな花瓶があったんだ!
1873年のウィーン万博に出品されたもので、まるでお相撲の優勝カップみたいな巨大さに仰天。
タイトルどおり源頼光が大江山の酒呑童子を退治しに行く様子が表現されています。
絵や彫刻でしか見たことがなかった大江山征伐をまさか花瓶で見られるとは…。
今日来てよかった。本当に良かった。

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足元で鬼ちゃんたちが支えてた!

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鈴木春信「見立黄石公張良」。
さっきの建仁寺展にも狩野孝信の黄石公&張良の絵がありましたがそれを意識しての展示かな。
老人を少女に置き換えて描いているかわいらしい絵です。
春信は古典好きだった人なのでよく見立て絵を描いているよね~。


ほくほくしながら本館を出ると、キトラ古墳の行列が30分待ちになっていたので
よし見たいものは全部見たからそろそろ並ぼう!とようやく決めて行列の最後尾にin。
並んで待ってようやく本館内の展示室へ入ることができました。
まず迎えてくれるのは文化庁が忠実に再現した複製壁画で
本物よりもかなり拡大して再現してくれています。
(実は最初、これが本物かと思ってまじまじ見てしまいました…作った人すごい)
で、ふむふむこんな感じなのか~と予習して
キトラ古墳壁画の取り外し作業を撮影した写真や、作業に使われた道具類の展示を見て
ようやく本物の壁画が見られる~と思いきや、ここでもまた大行列が!!
壁際のガラスケースまでうねうねと行列ができておりました。ええー。
ここでも並ぶこと約20分、ようやくガラスケースに近づいて
壁画を堪能することができました…。

小さかった。
どれもとても丁寧で細い線だなと思いました。これが7~8世紀の線なんだ…。
ひとつひとつ確かな筆遣いで描かれ着色されていました。
石室の上から泥が流れ込んだために絵の一部分が消えてしまっていて
(青龍は傷みがひどく前足と顔以外はほとんど消えてしまっているそうで
今回は展示されておらず玄武・白虎・朱雀のみの展示でした)、
それでも線も色もこんなに残っているということに感動です。
朱雀の赤とか玄武の緑とか、よく残ってたと思う。
白虎の首がうにょーんと長くて龍みたいな造形だったので笑ってしまった。
一番気に入ったのは朱雀ですね。優雅な横向き姿に赤い羽根が見事。
朱雀は石室を閉める扉に描かれており、
陽光の差す場所でゆったり描かれたのではないかとキャプションにありました。
そうだったらいいな…。

スタッフさんたちに「立ち止まらないでください~」「歩いてご鑑賞ください~」と
急き立てられながらの鑑賞で1枚の壁画の前には10秒もいられなかったのですが
本物をガラス越しとはいえ間近で見られたのはとても良かったです。
東京展が終わったら奈良にお帰りになるそうで、それまでたくさんの人に見てもらえるといいな。


あ、そうだ。東博入口のチケットカウンターがリニューアルしてました。ガラス壁でスケルトン!
上野には定期的に来てますけど、東博は半年ぶりだったので全然知りませんでした。
ミュージアムショップも併設されてて、ここはチケットなくても入れるので気軽に立ち寄れますよ~。
あとでゆっくりチェックしたい。
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2014-04-23 (Wed)
朝ドラ「花子とアン」を毎朝見ています。
村岡花子さん~わーい✧*。٩(ˊωˋ*)و✧*。
昨年の公式発表からずーーっと楽しみにしていてやっと始まってくれましたよ。
村岡さんのお仕事については『赤毛のアン』はもちろん、
『エミリー』シリーズやポリアンナやスウ姉さんなども読んでいますので昔から親しんでいたのですが
まさか実写ドラマでご活躍を見られる日が来るとは!
生きてるといいことありますね(*´∀`*)。

村岡さん訳『赤毛のアン』も、お孫さんの恵理さんの著書『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』も読み返して
さあ来い!と迎えた第1話から
すでにトップギアでどうしようかと思いました。
「花じゃねえ、おらのことは花子と呼んでくりょ!」のセリフにすこーんとやられまして
大変だ、このドラマは本気だ!と感動したので視聴決定。
これアンがマリラに「コーデリアと呼んでくれないのなら、せめてeをつけてくださらない?」と
言ったシーンのオマージュですかね。AnnじゃなくAnneと呼んでってやつ。
他にも、お隣のおばさんの名前がリンさんだったり
教会の名前が阿母里(あぼり)教会だったり、喜びの白い道みたいな道があったり
花子が朝市の頭を石版でばこーんと叩いたり(完全に誤解でしたが・汗)、
石橋蓮司氏のおじいやんのセリフがぜんぶ「そうさなあ」で始まったり
花子が奉公に行こうとしたら女の子じゃなく男の子がいいって言われちゃったり
東京の女学校のクラスメイトの名前が醍醐亜矢子ちゃんだったり(しかもリボンくれるし!)、
校長先生に手紙を書く課題でラブレターを写して出しちゃったり(これは『アンの青春』のエピ)、
日曜学校で行った教会にいた女の子の名前がミニー・メイだったり
そこかしこに『赤毛のアン』テイストが散りばめられていてファンにはたまりません。
見つけたのはこれくらいですが他にもあるかな。これからもちょこちょこ出してほしい~。

花ちゃん、花子さん、かわいいですね。
子役の山田望叶ちゃんが明るく笑ったりくるくる走ったり一生懸命で
びっくりしたときや咄嗟のとき「て!」って言うのもかわいくて、
あまちゃんの「じぇ」みたいなブームきますかね。
教会や学校の図書室で本棚いっぱいの本に感激して目をキラキラさせてるのもかわいい。
(あのセットに隅々まで並ぶ本には1冊1冊すべてにラベルが貼ってあるそうだ)
ちなみに村岡花子さんが7歳で大病をして辞世の歌を詠んだのは史実ですが
これひょっとして後々片山廣子や佐々木信綱が登場する布石になってたりしませんかね…?
できれば与謝野晶子や広岡浅子、市川房枝とかも出てきませんかね…。
わくわく。
吉高由里子さんにバトンタッチしてからも生き生きしてて好きだ~。
庭や廊下を歩きながら本を読んでいたり、
一刻も早く辞書をひきたくて廊下を走って曲がり角でズザーってなるのかわいい。
給費生のため必要以上にがんばらないといけない、との気負いもあるかとは思いますが
(給費生はキリスト教の洗礼を受けていること、常に一定以上の成績を修めること、
休日には麻布にある孤児院の日曜学校で奉仕活動をすることが義務付けられている)、
それ以上にきっと勉強が好きなんだなあと思う。
わからないことがわかったときの高揚感ってたまらないよね~わかるよ~。
パルピテーション☆これぞときめきというものです☆(笑)
もっかのところの楽しみはいつ『赤毛のアン』の原書と出会うかですが
(村岡さんが15歳になった1908年に『Anne of Green Gables』がアメリカで出版されています)、
史実ですと宣教師のミス・ショーがカナダに帰るときに手渡されたのが出会いだそうですけど
ドラマだとどういう風になるんだろう。
本を花子さんにくれる人はもう決まっているそうですね。早くおくれ~←

蓮子さまが!葉山蓮子さまが美しすぎて生きるのがつらい!
シャララーンという効果音とともに桜吹雪が舞う中、車を降りてきた初登場シーンからして
すごい人がやって来た感が満載。
荷物持たずにさっさと歩きだしたりとか、さらりと与謝野晶子を詠じてみせたりとか
食事を運んできた花子さんに目もくれずに「もう下がっていいわ」とか、
ああ、そういう御育ちなのだなと随所から伝わってきます。
(しかし仲間由紀恵さんはお歳を召すごとに美しくなっていきますね…)
蓮子さんのお着物はぜんぶ1点もののアンティークだそうで、
担当スタッフさんが当時の着物を遠くのお店まで出かけていって探してくるのだとか。
初登場シーンにお召しになっていた紫地に大輪の花が染め抜かれているお着物が
本当に色鮮やかでお似合いでしたな…袴もはいてないし、帯も西陣織とかね。ひいぃ。
花子さんに「ぶどうのお薬よ」とワインをすすめるシーンは
アンがイチゴ水と勘違いしてダイアナにワインを飲ませてしまう有名なエピソードを彷彿とさせて
あちゃーと思いながらもワクワクあわあわしながら見ていました。
(吉高さんの酔っぱらいっぷりもかわいかった_(:3」∠)_)

蓮子さんのモデルは柳原白蓮ですね、わたしの大好きな歌人です。
ネタバレ(?)になるので詳しくは書けませんが
とにかく波乱万丈な人生を送った人ですので気になる方はぐぐってみてください。
画像検索するとものすごい美人が出てきますよ(´▽`)。
村岡花子さんより8歳年上で、おふたりはアンとダイアナのように仲が良かったそうです。

伊原さんのおとうが(笑)埃まみれっぷり最高です。
いつも「Good Afternoon!」って花子さんに会いにくるのかわいい。
史実でもかなり先鋭的な人だったために家族にとっては付き合いにくい人だったそうで
(お蔭で花子さんのお母さんは夫と夫の両親の間でものすごく苦労なさったそうな)、
それでもこのお父さんが花子さんを学校に入れなければ
わたしたちは今『赤毛のアン』を読めなかったかもしれなくて。
(花子さんは後年、家庭内の人間関係について幼心なりに感じ取ってはいた、というようなことを
短いエッセイにして書いています)
おっかあの室井滋さんの厳しくもあたたかい目が好きです。
花子さんやかよちゃんに手紙を書くために朝市に字を習うのいいなあ。
史実でも割と長生きをなさる方なのですが、ドラマでもそうなるといいな。
おじいやんはもう、アンにおけるマシューにしか見えないのですが(名前も「周造」だし)、
あまりセリフはなくてもそこにポッといるだけで存在感がある。
花子さんの手をとって「この手は米を作るより、わしらが作れないものを作る手だ」って言うのが
まさにマシューみたいなやさしさで泣きそうでした。
兄やんは花子さんへの気持ちとか自分はこのままでいいのかとか色々揺れているのが切なくて
すごく複雑な役で難しそうですね。
「さっさと東京に帰れ!」のシーン、花子さんの気持ちもわかるのですが
兄やんの気持ちもすごくわかる…。
朝市が先生になるって宣言したのを目の前で聞かされてぎょっとした顔になったのも切なかった。
兄やんには幸せになってほしいです。
妹のかよちゃんも、東京へ帰る花子さんを見送るシーンと
製糸工場に働きに出かけるシーンが胸にぎゅーんときました。
(女工と聞くと「あゝ野麦峠」しか出てこないゆさです…大竹しのぶさんの演技がすごかった)

朝市がいい子すぎて涙が止まらない。
もともと勉強が好きで、花に追いつきたくて一生懸命がんばって
花がいなくても教会の図書室にこっそり通って勉強する姿が泣けます。
牧師様(たぶんアラン牧師のポジション)が応援してくれているのもいいよね~。
先日の放送で、図書室通いがお母さんにバレて叱られるんだけど
「おれは教師になる!」ってきっぱり宣言していて
思わず「がんばれがんばれ」って朝ごはん食べながら叫んでしまった(笑)。
窪田正孝くんは本当によい役者さんだ~。
大河の『平清盛』で重盛だったときも平家の天使でしたけど、花アンでも甲府の天使みたいになってる。

ともさかりえさんの富山先生がきれいでおっかなくてドキドキ。
眉間のシワを大事にして演じているそうな(;´∀`)。
普段から厳しい態度なのは何か理由があってそうしているのか、
それとも元からああいう人なのか。理由があればそのうち明かされるかな…。
そういえばともさかさんと吉高さんは英語指導の先生を取り合っているらしくて
ドラマでも撮影現場でも激しくぶつかっているんですね(笑)。
茂木先生は厳しく暖かく生徒たちを見守っていてほかほかしますし、
醍醐さんは「はなさん」って花子さんを呼ぶ時の声やしぐさがとってもかわいくて
花子さんが帰省するときもお洋服一式貸してくれてやさしい人~。
白鳥かをる子さんは、申し訳ないけど出てくるたびに笑ってしまう。。
ブラックバーン校長がいかにも校長!って感じの雰囲気ですごい威圧感。
髪をまとめて眼鏡をかけてきりりと厳格な目つきで
ハリポタのマクゴナガル先生を連想しました。
Go to bedのおしおきはモデルになったブラックモア校長の口癖だったらしいですね。
(俳優さんがTwitterでも「Go to Bed!!!」とか呟いてて笑ってしまった)
ちなみに史実では、朝礼で鼻をすすった生徒に延々鼻をすするよう命じたり
廊下を走った生徒に何十回も廊下を往復させたり、英語の授業がめちゃくちゃ厳しかったり
結構、ドラマ以上におっかない人だったらしい。
それでも生徒たちを「My Girls」と呼んだり、給費生にバイト先紹介したり
花子さんたちの卒業式にはとても素敵な言葉を贈ってくださったりします。
そのあたりがドラマでどう描かれるのかも楽しみです。

そしてナレーションの美輪明宏氏ですよ…さすがですね…!
朝から美輪さまのコスモヴォイス聴けるとか何という贅沢。
おしゃれなおばあさん魔女さまが読み聞かせてくれてるような感じがして素敵~。
ドラマの終わりに毎回「ごきげんよう、さようなら」とおっしゃるのは
その昔、村岡花子さんがラジオをやっていた際に
いつも「ごきげんよう」という挨拶で番組を締めくくっていたのを意識しているそうな。
「ごきげんよう」ブームも来るかな。

9月まで楽しい朝が過ごせそうです!
今年は『赤毛のアン』著者のルーシー・モード・モンゴメリの生誕140周年でもありますし、
色んな場所でアンと花子さんが見られるといいなあと思います。
BSでアニメ「赤毛のアン」も放送中ですしね!


にじいろ。※クリックで大きくなります
オープニング映像を描き描き。花子さんが着ている着物は秩父銘仙だそうですよ。
アンの麦わら帽子が海を越えて花子さんに飛んでくのいいなあ~早く出会いたまえ君たち!
絢香さんの歌「にじいろ」も気づくと口ずさんでいます。
♪ひとつひとつがあなたになる 虹はつづくよ~(´▽`)。
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*
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2014-04-19 (Sat)
nekoneko.jpg
渋谷区立松濤美術館で「ねこ・猫・ネコ展」を観てきました(=^エ^=)ニャー
タイトルのとおり猫に関する美術品を集めた展覧会です。
絹絵、版画、油絵、ブロンズ像など展示室のあらゆる方向から猫攻めされ終始ニヤニヤしてきました。
ああ、幸せな時間♪

最初に迎えてくれるのはエジプトの猫ちゃんのブロンズ像「聖猫」。シュッとおすわりした姿です。
古代エジプトには猫の神様がいて、エジプトの人々は猫をとても大切にしたので
こうした像がたくさんあるそうです。
隣には「聖猫頭部」といって猫のミイラに被せて埋葬したという頭像があった!
エジプトでは猫もミイラにしたんだ…。
仁阿弥道八の「黒楽銀彩手焙」は背中に蓋がついててそこから炭火を入れると
猫の両耳から煙が出るものだそうで面白いと思いました。
展示室の中央には朝倉文夫氏の猫ブロンズ像がいくつか展示されていて、
ネズミを捕った猫、折り重なって眠る猫たち、うとうとする猫、5匹の子猫がじっとこちらを見る姿など。
東洋のロダンと呼ばれた朝倉氏の作品ですからリアルさもさることながら
猫像の顔つきといい手足の表現といい、これは猫を飼っている人の視点だなあと思って
帰宅してぐぐってみたらやっぱり猫好きな方だったとわかりました。
常に十数匹の猫と暮らしていたとか、国芳の生まれ変わりですか!(笑)
しかも氏のアトリエを改装した朝倉彫塑館には氏の猫の彫刻を集めた「猫の間」があるとな(゚□゚)。
なにそれこの世の天国!行きたい超行きたい!にゃー!!

猫絵もたくさんありましたよ~。
春日権現験記絵の模本。大きなお屋敷の中にこちらに背を向けてちょこんと座る虎猫ちゃん、
キュートなお尻のしっぽが今にもぱたんぱたん動き出しそうでした☆
与謝蕪村の「繍毬花下睡猫図」。てまりの花の下で丸まって眠る猫ちゃんが気持ちよさそうで
鼻とか耳とかさわってピクピク動くのを楽しみたい。
河鍋暁女の「絵手本習作」は猫のページが開いていて、正面を向いた大小3匹の猫がこっちを見てて
背中がずんぐりむっくりで何かおにぎりみたいでかわいかった(笑)。
竹内栖鳳の「酔興」。猫とネズミが杯を交わしいい気分で宴会してる図が
ぶっとい筆でコミカルに描かれてます。栖鳳ってこんな絵も描くんだなー。
小林清親の「猫と提灯」。木版ですが一瞬肉筆かと思いました!筆跡の再現率がすごい。
真っ黒な背景に、提灯にじゃれる白黒猫ちゃん。首に鈴がついててかわいいな~。
提灯には清親の家紋がついていました。
柴田是真の「猫鼠を覗う図」。ざくろを食べる鼠を物陰からのぞいている猫ちゃんの図。
(ちなみにざくろも豊穣をあらわすということで、これもおめでたい絵だったりします)
松尾敏男の「花かげ」。大きな牡丹と猫。ペルシャ猫かな?
青みがかった灰色のふわふわした毛並みの美しい猫ちゃんでした。もふりたい。
沈南蘋の「燕掠飛花図」。
満開に咲き誇る花の木からはらりと落ちる花を燕が狙い、それを下から見上げる猫。
動く鳥とじっとする猫。静と動の対比。添えられるピンクの花はみごとな写実でさすが南蘋と言う他なくて
じっと見入ってしまいました。

司馬江漢の「猫と蝶図」。優雅に飛ぶ黒アゲハを見上げるミケ猫ちゃん。
耄と耋を描いた耄耋図というやつですな。吉祥画。
中国語で「猫」と「耄(70歳の意)」の発音が同じMaoだというのは縁起もの展で学んだのですが
「蝶」と「耋(80歳の意)」がやはり同じDieという発音であることは初めて知りました。
且つそれに牡丹が加えられると長寿と富をあらわす文様となり最強におめでたいのだとか!
すごいね中国…。
(そいや杉田玄白が晩年に書いた随筆に『耄耋独語』というのがありますが
その中で玄白は「六十には六十の、七十には七十の変あり」としるしている)
自賛には写実的に描くこととシンプルな中に奥深さを見ることの両方に惹かれる、というようなことが
書いてあった。ほほう~わたし江漢とは気が合うかもです( ̄▽ ̄)。

百川子興の「美人に猫図」。振袖美人が揺らすポンポンつきの紐に猫ちゃんがじゃれつくかわいい図。
女性の振袖が黒地に秋草、重ね着した着物の模様もチラチラ見えていて最高です!
百川は別名を栄松斎長喜といって鳥山石燕の弟子で、とても丁寧な絵を描く人です。
この絵もかなり綺麗な保存状態でどこの持ち物かなとキャプションを見たら東博だった。安定。
勝川春英「湯上り美人と猫図」も、やはり女性の浴衣の裾に猫がじゃれついています。
立ち姿の女性と着物にまとわりつく猫の図は見立女三宮図と呼ばれて
江戸時代によく描かれたそうです。
(源氏物語若菜巻における、猫が御簾をめくり部屋にいた三宮の姿を柏木が目撃するシーンが元ネタ)
長谷川昇「夫人と猫」。着物の少女が猫を抱いていました。
少女の左手の薬指に大きな赤い宝石がついた指輪があった。キラキラ。
中村貞似の「猫」。白いブラウスの女性のひざに黒猫がちょこんと乗っていました。
猫の毛並みのふわふわ感に触ってみたい~と悶え、女性のブラウスの透明感にほれぼれ。

佐久間将監の肖像。徳川家康~家光に仕えた佐久間実勝を描いたものです。
元絵は狩野探幽だそうですが、この肖像画の佐久間さん、なんと猫を抱っこした姿で描かれています!
ひいぃっ戦国時代に猫好き武将が!!と刮目せざるを得ませんでした(笑)。
しかも隣には狩野安信が描いた佐久間将監を狩野常信が模写した「佐久間将監像」が!
日常着で机にもたれる将監の頭に、肩に、足元に、傍らに、机の上に、合計8匹もの猫がいるという
猫好きには何とも幸せいっぱいな図です。
びあああぁぁ猫好き戦国人すばらしい~今日ここ来て良かった。
(帰宅後にぐぐったら佐久間さんは古田織部の弟子の茶人だったと知っておおってなったんですが、
彼が建てた寸松庵の名前にどうも聞き覚えがあると思ったら
和様の展に出品されていた寸松庵色紙を所蔵していた庵と知り落雷のような衝撃を受けました。
なななんだってー!!!
伝紀貫之の寸松庵色紙わたし見たよ確かに見たよ!五島美術館のあきはきの!→これね
そうか佐久間さんはあの色紙の持ち主だったのかーそうですか…(感慨にふける)。
これだから展覧会通いはやめられない止まらない)
そして猫といえばこの方!岡本一平が描いた「漱石先生」の絵がありました。
夏目漱石と猫が仲良く並んで描いてあります。漱石ひげ太くて笑える。
そして猫が(笑)ちょ、これ猫っていうか手足長すぎて猿のようだよ。

とどめは中島千波「猫ひと時」。
窓に座り込んだ猫が亀とおしゃべりしています。亀にバサバサまつげついててかわいかった。
下部にはメキシコ製の猫おもちゃや置物が描いてあり、周りには白い花が降っています。
制作年を見たら2014年だった!なんということ新作じゃないか。すごいや~。

はあぁ心ゆくまでニャン充しました!猫の展覧会、最高。


あと、この日は雑司ヶ谷の旅猫雑貨店さんにも行きました。
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和雑貨と古本があるとってもかわいらしいお店なのですが、
今月はこちらで猫ノフルホン市というお店に負けずかわいらしいイベントが開催中だったのです~。
「猫」がつく屋号の店舗や作家さんが出展なさった古本市で
猫雑貨や猫本がお店に溢れていました。
それぞれの棚を見るのも、雑貨店さんの棚も楽しくて訳もなく店内をぐるぐる回ってあれこれ手に取り
やっと猫のひとこと便箋を買ってきました。明日から職場で使うんだ^^
お店の雰囲気もこなれた雑多な感じで気に入りました。また行きたい。

で、雑貨店から目白駅に向かう途中で洋書の児童書のお店を発見→こちら
バスに乗れなくて歩いて行ったのですが、歩いてよかったです。
これからも時間があるときは歩くことにしよう…何か発見できるかもしれない。発見したい。


あと、松濤美術館にいく前は渋谷の舞踏の国のアリスでお昼ごはんにしました☆
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チェシャ猫さんのニヤニヤ。
池袋のアリスはディナーのみですが、ここはランチがあるのですよ~。

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店内はこんな感じ。舞踏会のホールのような真っ白内装!
天井にはミラーボールが輝き、壁には針が逆に回る時計がかかり、
アリスや時計ウサギやトランプのイラストがファンタジックにちりばめられていました。

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カレーとチキンとチーズのナンピザ。カレー味のピザってあまり食べたことないけどおいしかったです。
お皿にチェシャ猫の足跡がついてる~かわいい~(*´∀`*)。

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デザートはハートの女王様のワッフル。
ハート型のワッフルにバニラアイスがついて、ベリーソースもかかっております。
お皿のトンガリにもハートのソース。おいしかった&楽しかったです!
次はディナーをいただきに来たい。
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2014-04-15 (Tue)
リンともの八少女夕さんからバトンをいただいてきました~。

【読書バトン】 

1.いつ頃から本が好きになりましたか?
気づいたら読んでいたのでわかりません。
赤ちゃんの頃は『いないいないばあ』とか『ねないこだれだ』とか両親が読んでくれて
キャッキャしていたそうです。
就学前には本が好きなことを自覚していて、
家にあった本や小学校の国語の教科書とか適当に読んでました。

2.家族に本好きな人はいますか?
父と弟。父は伝記や将棋やスポーツもの、弟は三国志と戦国時代本、わたしはファンタジーや研究書や古典。
ばらばらだ…。
妹はダヤンの絵本が好きで、母は特に読みません。
あ、マンガはみんな読みます。

3.幼い頃に読んだ絵本は?
『からすのパンやさん』『かばくん』『ぐりとぐら』『だるまちゃんとてんぐちゃん』『わたしのワンピース』
『スイミー』『どろんこハリー』『てぶくろ』『はらぺこあおむし』『ピーターラビット』『ふたりはともだち』
書ききれない…。
過去記事にまとめてありますのでご覧ください(絵本以外も混ざってますが)。

4.学生時代、読書感想文を書くのは好きでしたか?
苦手でした。高校が読書活動に力を入れる方針で夏休みの宿題にありましたがうまく書けませんでした。
よくある感想文の雛形がどうもしっくりこなくて、ほかの書き方も知らなかったしね。
今思えば好きに書いてみれば良かったのかも。

5.毎号チェックする雑誌はありますか?
マンガならサンデー、LaLa、ITAN、Gファンタジー、熱風。
ほかは芸術新潮、ダ・ヴィンチ、MOE、日本児童文学、デアゴスティーニの週刊○○。
図書、本、波、書斎の窓、學鐙など書評誌も読みますね~。

6.ベストセラーは読む方ですか?
ベストセラーを読む、ということはないです。
読んだ本がたまたまベストセラーであることはあります。

7.本は書店で買いますか、それとも図書館で借りますか。
両方です。
手元に置いておきたいと思ったら買います。

8.あなたは「たくさん本を買うけど積んどく派」? 「買った本はみんな目を通す派」?
たくさん買って積んでおくし、買った本はみんな読みます。
はやく積ん読消化しなきゃ…。

9.本を捨てることに抵抗がありますか?
あります。

10.本をよんでる人は”眼力”があると耳にしたことがありますがそう思いますか?
どんな力だろう。
本の表紙から内容が読める?見えないお友達が見える?それとも目からビーム?(☆w☆)ピカッ
わたしにはどの力もないです。

11.本屋さん、何時間いられますか?
何時間でも。
そのお店で気になる本を読みつくしたら飽きると思う。

12.お気に入りの本屋さんがあったらおしえて♪
東京堂書店、ボヘミアンズ・ギルド、BOOK246。雰囲気が大好き。
大型書店ならリブロ、ジュンク堂、紀伊国屋、ブックファースト、三省堂、ヴィレッジヴァンガード、
八重洲ブックセンター、神保町の古書店街。研究書が充実してる。
あと、本屋さんじゃないけど東博のミュージアムショップの書籍コーナーと
せんだいメディアテークのKANEIRI Museum Shop 6が好き。美術書が充実してる。

13.本屋さんへの要望・リクエストがあったらどうぞ。
もっと本を!(ゲーテ風に)
あと検索機の地図をもう少しわかりやすくしてほしい…わたしの探し方が下手なのでしょうけど、
一発で見つかったためしがない。

14.気になる箇所にはラインを引く派? 隅っこを折る派?
引かないし、折りません。
栞は挟みます。

15.速読派と熟読派、あなたはどちらですか?
わからないです。友達には速いって言われます。
たまに本に引っぱられることがあってそのときは速読になるのが自分でもわかるし、
自分とテンポの違う書き手さんの文章は頭に入りにくいのでゆっくり読みます。

16.本を読む場所で、お気に入りなのは?
オフトゥンとこたつ。

17.無人島に1冊だけ本を持っていけるとしたら。
これよく聞かれるんですが未だに思いつかない…。
室内や電車読書ばかりしているせいか、空と海に囲まれながら読んで楽しめる本てわからなくて。
吉川英治氏の言葉に「僕は持っていかない。僕の書いた主人公と脳内で対話する」みたいなのがあって
ああそれいいな、とも思っています。
そのときは広辞苑もしくは古語辞典を持っていきたい。

18.生涯の1冊、そんな存在の本はありますか?
好きな本はいくつもありますがどれでもなくて、これと思うのはまだ出会えてないです。
すでに出会っててそう思ってないだけかもしれないけど。

19.あなたのおきにいりの作家は?
一般書:芥川龍之介、澁澤龍彦、梨木香歩、H・ボルヘス、宮沢賢治、ル・グウィン
児童書:アンデルセン、D・W・ジョーンズ、バーネット、バーバラ・クーニー、L・ボストン
    伊藤遊、上橋菜穂子、荻原規子、柏葉幸子、菅野雪虫、高楼方子、富安陽子、
    濱野京子、廣嶋玲子、松谷みよ子、みおちづる、村山早紀
推理小説:アガサ・クリスティ
絵本作家:イアン・ファルコナー、エドワード・ゴーリー、いせひでこ、いわさきちひろ、
     ターシャ・テューダー、中川李枝子、ビアトリクス・ポター、松本春野、葉祥明、レオ・レオニ
詩人:茨木のり子、谷川俊太郎、川崎洋、パウル・ツェラン、エミリー・ディキンソン
歌人:今野寿美、俵万智

20.本を選ぶときのポイントやこだわりはありますか?
勘。

21.本はどこから読みますか?
始めから。
推理小説を読んでいて、たまに後半ページをめくって後悔したりします。
伝記や研究書はまえがきやあとがきに要旨が書いてあるので先に読んだりします。
古典は本文をチラ見していけそうなら読むし、現代語訳から読む場合もあります。

22.昔、読んでた漫画
昔=学生時代、で書きます。
少女漫画はなかよしを読んでました。ミラクルガールズ、きん注、セラムン、セイントテール、
闇は集う、プライベートアイズ、レイアース、さくら、ねんねこ姫。
りぼんとちゃおも少々。チャチャ、姫ちゃん、こどちゃ、ミンぼく、ジャンヌ。よつクロ、ぶーりん。
少年漫画はドラゴンボール、幽白、るろ剣、封神、ヒカ碁、ホイッスル、らんま、犬夜叉など。
名探偵コナンは今も読んでます。
他はあさりちゃん、ふしぎ遊戯、フルバ、ぼく地球、銀のトゲ、鋼の錬金術師、
手塚治虫マンガ、ベルばら、はいからさん、あさきゆめみし、パタリロ、日出処の天子、
マンガ版風の谷のナウシカなども大学生までに読みました。ガラスの仮面は今も読んでます。

23.学生時代ハマった本
文豪の小説、ラノベ、少年探偵団、ホームズ、ポアロ、赤毛のアン、ポリアンナ、戦争と平和、ゲド戦記、
陰陽師、創竜伝、銀英伝、十二国記。
高校の頃から文庫や新書を読み始めました。岩波や講談社、角川、新潮、中公、ちくまなど。
児童書は岩波少年文庫とか講談社青い鳥文庫とかフォア文庫など。
あと源氏物語と枕草子と平家物語と方丈記との出会いが中学生のときでした。落雷。

24.つまるところ、あなたにとって本とは。
友達。

25.バトンを回す人
本好きさんぜひ!


頼りないわたしの記憶とか過去の読書メモとかブクログとか、あれこれ見ながら書いてみたのですが
昔から好きな作家やジャンルは変わらず好きですな。
20年近く読んでる絵本や小説もあるけどちっとも飽きない。
そんな中新たなジャンル開拓したりしてて、でも増やしてる自覚ぜんぜんなくて
だから今回書いてみてびっくりしたのでした。
風呂敷広げすぎだ…。
それと昔からの癖で未だに抜けないのですが、わたしは本読んでて笑えるシーンはクスクス言うし
胸にくるシーンはガチで涙ぐみます。外で本読むと誤解されるタイプ。
あと音楽聴いたら鼻歌歌うし、ゲームすれば腕ごとコントローラー動かします。周りに物が置けません。

ぺったんこ。
最近買ったブックマーカー。
栞の先っぽにレプラコーンの足がくっついていて、本に挟むとちょっと面白いことになります(笑)。
オズの魔法使いからヒントを得てデザインされたんですって。かわいい~☆

栞やブックカバーを集めるのもすきです。

「小説を読むということは、その体験を深く吸い込むことです。さあ深く吸って。それを忘れないで」
(アーザル・ナフィーシー『テヘランでロリータを読む』p.156)
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2014-04-11 (Fri)
先週末、歌舞伎座にて新開場一周年記念「鳳凰祭四月大歌舞伎」昼の部を観てきました☆
去年の4月オープンから1周年経つお祝いと、休養から復帰した坂東三津五郎さんが見たくて
チケットも奮発しちゃいました。
三津五郎さんは今月の公演後はまたお休みに入られて8月まで歌舞伎座には出演されないそうなので
見逃せなかったわけです。
というか復帰なさると聞いた時点で観に来ると決めていたよね、今回は。

kabuki2014041.jpg
席はひさびさに花道の脇!
松本幸四郎がのしのし歩き、坂東三津五郎が軽やかに踊りながら行き、
籠に乗せられた坂田藤十郎がドナドナのように運ばれていきましたよ!
役者さんの息遣いや衣擦れが間近で感じられてドキドキしますよ~。

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前回記事に千鳥ヶ淵の桜を見に行ったことを書きましたが、その後に歌舞伎座へ来ましたので
桜ミクさんも一緒ですよ。
上演中ずっと膝に乗せていました。ミクさんと芝居見物~うふふ~( ̄▽ ̄)。


昼の部は4演目ありまして、トップバッターは「壽春鳳凰祭」。
新しい歌舞伎座開場一周年を記念してつくられた新作舞踊だそうです。
背景に大きな松の木がそびえ、平安時代のイメージでしょうか、
狩衣や十二単に身を包んだ大臣たち女御たちが華やかな舞を舞ってくれましたよ☆
特に時蔵・扇雀・梅枝の女御たち3人の舞がよかった~平安美女!十二単!たまらん☆
中でも中心的な舞を見せてくれた時蔵さん、鳳凰を戴いた冠をつけて
くるりと背を向けて両手を広げたときに着物の背中から袖にかけて大きな翼を広げる鳳凰が描かれてた!
美しいわあ。
大臣たち3人の舞は橋之助さんだけ足をトン、トンと舞台を叩いて音を立てていました。
あの音を聴くと優雅な舞がぱりっと引き締まる感じがします。
中盤には黄櫨染の衣装をまとった帝が従者に手を引かれて貫録のご登場。
(玄宗皇帝が梨の園で舞踊を教えた故事にちなんでいるそう)
ここで背景が満開の桜の樹に変わり、今度は全員が立ち上がってダンス。
狩衣と十二単と金の扇がヒラヒラ回る舞台ほわああああ(´▽`)。
ラストはみんなズラッと並んでポーズ、時蔵さんは桜の枝を捧げ持ってお辞儀。優雅な舞踊でした!


続いて「鎌倉三代記」より絹川村閑居の場。
源氏と北条の合戦が繰り広げられる中、源氏方の三浦之助が病床のお母さんを見舞いに行くため
傷ついた鎧姿のまま花道をフラフラと歩いてきます。梅玉さんの傷を庇う演技すごい。
迎えたのは三浦之助の婚約者である時姫で、こちらは魁春さん。
吹輪の髪型、銀のかんざし、赤い振袖と典型的なお姫様スタイル。かわいい~。
敵方の娘である自分を三浦之助が信用してくれないので
どうか信じてほしいと訴える時姫ちゃん。
そこへ藤三郎(実は佐々木高綱)がのっそりとご登場。
「北条時政から姫と結婚していいよって許可もらったぜイエァ」とか言いながら
時姫に迫ります。
ワルっぽく見せるためか口調がべらんめぇで、幸四郎さん酔っぱらってるみたいだった(笑)。
そんな藤三郎にぷっつんした時姫(そりゃそうだ)、刀を抜いて振り回し始めちゃった!
藤三郎が慌てて逃げ出し、家の側にあった空井戸に飛び込んでしまって
時姫は刀を振り上げたまましばらく井戸を見つめて迫力。
…これなかなか難しい役ですな時姫…。
しかも重傷の三浦之助は俺はこの傷だから俺が死んだら敵を討ってくれるか、時政を殺せるかと
勝手なことを言いだす始末。
泣く泣く時姫がうなずくと、北条方の富田六郎がやって来て姫を連れ戻そうとするのですが
そこへ空井戸から槍がにゅっと出て六郎をグサッ、中から藤三郎がのっそり出てまたグサグサやって
槍でゴロンゴロンと転がして六郎が舞台からout。エグイ。
藤三郎は偉そうにふんぞり返って座って、赤い舌をべろっと出すポーズをして
糸を一瞬で抜き衣装を変え、ふははは実はオレ佐々木高綱だったのだー!と
正体をあらわして見得を切ります。
本当に一瞬のぶっかえりでした。かっこいいー!
すべては時姫に父親の時政を殺させる決心をさせる高綱の計画だったと判明したところで幕引き~。

時姫は「本朝廿四孝」の八重垣姫、「金閣寺」の雪姫とあわせて歌舞伎三姫と呼ばれるほど難役ですが
なるほど敵方の娘ということで葛藤を見せなきゃいけないのですな…難しいな。
ところでこの演目、内容は鎌倉時代ですけど、実際にモデルにされたのは大坂夏の陣だそう。
江戸時代は豊臣家ゆかりの人物をお芝居にするのを禁じられていたので
それとわからないようにぼかしてあるんですね。
たぶん見る人が見れば佐々木高綱=真田幸村で北条時政=徳川家康ってあっさり気づくと思うけど…。
(高綱のぶっかえりで衣裳の文様が六文銭に似ているので、真田幸村がモデルであることがわかるし)
道理で高綱と三浦助の「どんな手を使っても」という感じが戦国武将っぽいなあと思いました。
その割には梅玉さんの兜からよい香り(伽羅だっけ?)がしている設定で雅な部分もあった。


temarizushi.jpg
お昼休憩。てまり寿司をいただきました。コロコロまんまる。おいしい。

kabuki2014043.jpg
休憩中の花道の様子。いやー花道が近いっていいなあ(´▽`)。
2人がかりで板を運んできて、ゆっくり、ピタリとくっつけて置かれてゆきます。
隙間なく継がれているか足裏でこすって確認もされてました。役者さんが躓いたら大変ですものね。
こういう人たちによってお芝居は支えられている。


さあ~~お待ちかね!「壽靱猿」より鳴滝八幡宮の場はじまるよっ☆
三津五郎さん三津五郎さん待ちきれない、ふわ~待ちきれない!と心臓まじバックバクする中、
定式幕がスーッといつものように開きました。
中央に浅葱幕が張られ、天井から紅白の梅がぶら下がり、
舞台左側に常磐津流の太夫さんたちがズラリと並んでご登場。
くねくねしているたこ足っぽい赤の楽譜台がおもしろかったです。常磐津流の特徴なんですって。
浅葱幕が切って落とされると鳴滝八幡宮の鳥居があらわれ、上手に女大名、下手に奴橘平が立っています。
又五郎さんは赤い振袖におかめさんの面をつけて、下のお化粧は頬の赤いメイクでかわいらしく、
巳之助くんは青い着物で屹立してどこまでも凛々しい。

靱猿は狂言がもとになっている常磐津舞踊のため、踊りと笑いが多くて楽しいです。
鳴滝八幡宮にお参りに来た大名が靱を新調したくて猿の皮が欲しいと嘆いているところへ
花道から迷子の子猿ちゃんがぴょんぴょん飛んできます。
メチャかわいい~(´∀`)。
この猿ほしい!と言う大名に橘平が「ダメです。こういう猿には必ず主がいます」とピシャリ。
「じゃあ主に頼めばいい、主はどこ」と無茶を言う大名に呆れた橘平が
「あー、主に早く会いてぇなあ…」とつぶやくと
花道の揚幕がチャリンと開いて、猿曳寿太夫の三津五郎さんが満を持してご登場!
わあああ三津五郎さんーー待ってましたーーー復帰おめでとうございます!。゚(゚´ω`゚)゚。
会場もイヤホンガイドや常盤津の音が聞こえないほど「大和屋!」「大和屋!」と大向こうがかかり
万雷の拍手でお出迎え。
いやーあんなすごい拍手は初めてでした。わたしも手が痛くなるまで送ってしまった。
そんな中、目を細めて花道を踊るように歩いていく三津五郎さんの舞が休養前と全然変わらず丁寧で
本当に本当に嬉しくてガチで涙ぐんでしまい、せっかくスッポンのあたりで舞ってくれたのに
画面がうるんでよく見えなかったという。
いざ舞台でセリフをしゃべり始めたとき声がかすれてるのがわかりましたが、
見られた安心感がすごくてもうどうでもよくなった。
半年間ずっと待っていましたよ…歌舞伎座に帰ってきてくれて良かったしホッとした。

三津五郎さんの猿曳ほんとに素敵ですよ。
「その猿の皮、靱にしたいからちょうだい」と大名に言われて
「ええぇやですよ商売パートナーですよぅ」と訴えるのですけど、
大名に弓矢を構えられて観念して、「じゃあ自分が皮を傷つけないようにやります」と
子猿を殺そうとしますが、大事に育てた猿なのでできるはずもなく泣きだしてしまって。
子猿ちゃんも、男の子と女の子の子役さんが交代で演じていていい演技。
猿曳が猿を抱き上げると猿が床に両手をついてくるりと降り立ち、また抱き上げて降ろすと股くぐりをし、
その場をグルグル回ると猿曳の後をちょこちょこついてきます。
芸が終わるとちょこんと体育座りします。ぎゃんかわ。
子猿ちゃんが動くたびに笑いがおきていました。
そんな子猿ちゃんをかいがいしくお世話する三津五郎さんと黒子さんステキ(´▽`)。
猿曳が怖い顔をするので、叱られたと思った子猿ちゃんは
芸を見せれば怒られないのではと考えたのか、回ったり跳んだりと一生懸命、芸をします。
それを見た大名が感動しちゃって、わたしが悪かった、猿はいりませんと言って
お詫びに子猿と舞おうとします。
最初はおれらの敵!とばかりに大名を「やっ、やっ」と脅していた子猿ちゃんですが
やがて一緒になってかわいらしくダンスします。
そんな大名と踊る子猿を三津五郎さんがやさしい目で見守っててわたしが泣きそうになった。

又五郎さんの大名ほんとにお茶目でちょっと残念でかわいい、
赤い振袖に襷かけたときはきりっとした少女のようだった!
後半、せっかく告白したのに三津五郎さん巳之助さん2人からフラれちゃってかわいそうでした。
つか、奴橘平の巳之助くんが!イケメンすぎてやべぇやべぇ。
最近かなり歌舞伎への出演率高いからどんどんうまくなってるだろうなとは思ってたけど
今回の粋っぷりは格別すぎてやばい。
ちょっと斜に構えた立ち姿に顔も手足も真っ白おしろい、きりりとした隈取、たくましい声、
三津五郎さん仕込みの踊りの確かさ、そして舞うたびに着物から見える白い手首足首のチラリズム。
つか足細っ!あふれる色気!爽やか!
彼はいい役者さんになるだろうなあ…これからが楽しみです。長生きしよう←

それから、三津五郎さんは1年前の歌舞伎座4月公演「お祭り」にて鳶頭を勤められて
勘三郎さんを偲んでおられましたけども、
三津五郎さんの公式サイトを拝見したら今回の靱猿もやっぱりそうだったらしいのが伺えて
すごく切なくなりました。
ちょっと長いですが以下引用します↓
東京の本興行でやりたいと思っていた「靭猿」を歌舞伎座でやれるのは嬉しいことです。
4年前の旧歌舞伎座での最後の舞踊会で初めて猿曳きを勤めたとき、女大名を勤めてくれた故勘三郎が
「ねえひさし、これいい踊りだからまた絶対やろうよ」と言ってくれていましたし、
平成7年、6歳の巳之助が子猿を勤めた初舞台に、父の猿曳き、私の女大名と
孫子3代が揃った舞台も忘れられません。
その子猿が成長して今度は奴を勤めます。
当家にゆかりの作品での復帰の舞台、ぜひ皆様にご覧いただきたいと思います

わああああ勘三郎さんーーーーー三津五郎さんーーーーー!!!(膝から崩れ落ちて顔を覆い号泣)
くれぐれも体調に気をつけていただいて無事に千穐楽を迎えられますように。
巳之助くんは子猿ちゃんからの奴だったのですね~よかったよ~かっこよかったよ~。


medetaiyaki.jpg
歌舞伎座名物・めでたい焼き。
大人気ですぐ売り切れてしまうのですが、休憩と同時に3階に駆け上ってお店に並んだら
奇跡的に買えました!
割ったら紅白餅が出てきました~おいしいよ~。


さて、締めは「曽根崎心中」。
先月に杉本文楽で観て、今回は歌舞伎にアレンジされた曽根崎心中。わくわく。
戦後に復活上演されて以来、お初役を1300回以上勤める坂田藤十郎さんが一世一代と銘打って
今回もお初を演じられます。
お初役は今月で引退なさるそうですが、藤十郎さんはいつも今日が最後と思って演じてきたそうな。

徳兵衛が九平次にボコボコに蹴られる場面、文楽で観たときもいやな感じでしたが
歌舞伎だと文楽以上に周りに野次馬がいっぱいいてハブられ感が生々しい。
しかも九平次が橋之助さんだからね…かっこいいワルいいよね…。
背高いし声大きいし、何より彼が舞台にどーんと立ったときのこざっぱり感ほんといいよね!
しかしハッシー、お正月の相棒でもワル、先日のドラマ「リーダーズ」でもワル、今回もワル。
ワル役が続くなあ。
借金の証文は全部徳兵衛が書いて九平次はハンコを押しただけ、九平次が書いたという証拠がないことが
文楽以上に強調されているのも特徴的だなあと思いました。
歌舞伎ってやっぱりわかりやすく、がモットーなんですな。
そしてボロボロになって足を引きずりながらゆっくり花道を帰っていく翫雀さんの演技が
本当に大怪我してるみたいで迫真。

お初が仕事してる天満屋の場面。
日が暮れても帰ってこない徳兵衛を心配して、伯父の久右衛門がお初を訪ねてくるのですが
このとき遣手さんがまくしたてるセリフ、当時の吉原の客引きの様子がよくわかります。
寿治郎さんの当たり役だそうでチャキチャキした感じがとても面白かった。
久右衛門は徳兵衛をたぶらかしたとお初に怒っていたけど、
実際に会ったらお初の素直さに心打たれて早とちりした自分を恥じ、めでたく誤解が解けて
徳兵衛が来るまで待たせてもらうとお店の奥に入ります。
左團次さんが武士でも高官でもない、普通のおじさんをやってるのわたし初めて見たかも。いい雰囲気。
やがて徳兵衛がやって来て、お初が振袖に隠して店の縁の下へ身を隠すと
九平次がやってきてお酒飲みながら徳兵衛の悪口を言い散らして
徳兵衛がキーーッってお初の足にしがみついてぐぬぬと悔しがる例の名場面、
人形と違って人間がやると生々しさ5割増ですごい…。
店主も徳兵衛の人柄を知っているからか九平次の言い分は気にも留めてなくて泣けた。

お初と徳兵衛が逃げるシーン、お店の玄関扉がギリギリと音が鳴るのは足抜け防止かな?
ムニャムニャと起きてしまった遣手さんが火打石をカチカチとやる音に合わせて
少しずつガラガラと開けて2人が逃走した後、
九平次がなくしたはずのハンコが見つかって、まあよくあるパターンで語るに落ちまして
それを後ろで聞いていた久右衛門さんがイケメンすぎる。
「余の顔を見忘れたか」的なセリフ(違)を言いながらずんずん出てきちゃって
おおおおこのシーン文楽になかったよ、伯父さんマジかっこいいよ!
逃げようとする九平次を捕まえて易々と取り押さえて叫ぶセリフがまたイケメン。
「徳兵衛は小柄なのに、おまえのそのデカい足で、しかも大勢の前で見せしめのように蹴ったのか!
あの子は頭のてっぺんからつま先まで斬られるような思いだったろう!」
ぎゃーーー左團次さんーーー!!(じたばたじたばた)
徳兵衛の潔白が証明されて、遣手さんが2階にお初ちゃんを呼びに行くのですがすでに2人はいなくて
泡をくった遣手さんや店主が探し始めるというフランダースの犬最終話みたいな展開になる中、
店の玄関前に落ちていたお初ちゃんの打掛を見つけて拾い上げた久右衛門さんが絶叫。
「徳兵衛死ぬなよ!死んでくれるなよ!」
うおおおおおお左團次さんーーー結婚してーーー!!!(爆)
やばいよ何だよこのエピソード反則だ、久右衛門さんがかっこよすぎる。
たぶんクライマックス前の見せ場だからでしょう、
会場は「高島屋!」の大向こうがあふれ盛大な拍手で左團次さんにやんやの喝采。
悪者は必ず裁かれるという、何とも歌舞伎らしい演出だと思いました。やばし。

そんな風にみんなが探しているとも知らず、お初と徳兵衛は曽根崎の森へ。
(文楽だとここで人魂が出てくるんですが特にそういう演出はありませんでした)
ここは藤十郎さんオンステージです…。
翫雀さんもすごいんですけど、さすがにやっぱり藤十郎さんをたてていらっしゃるというか
見せ場ぜんぶお初ちゃんが持っていった感じでしたよ。
これも厄年のせいかと悲しみ、両親に先立つことを詫び、生まれ変わっても徳兵衛と同じ蓮の上にと
時に身を震わせ、時に切なげな眼をこちらに向け、時に狂おしいまでの情感を見せるお初ちゃん。
杉本文楽のときも思ったけど何でこんな結末になっちゃうかなあってまったく理解できないんだけど
なんか、もういいよ2人ともよく耐えたしよくがんばった!がんばったよね!って
抱きしめたくなっちゃうよね!
徳兵衛が刀を抜いてお初がこちらを向いたポーズで幕引き。
心中する場面じゃなく見得で終わるとかマジ歌舞伎。まいりました。すごかった!

ちなみにイヤホンガイドさんによると…。
曽根崎心中は江戸時代の初演後、幕府から禁止されて長らく上演されなかったのですが
250年後の1953年に歌舞伎として復活上演され(曲も残っていなかったので新しく作曲したそう)、
徳兵衛は中村鴈治郎でお初ちゃんは中村扇雀(現・坂田藤十郎)という親子コンビだったそうです。
2人が店から逃げるシーンで、本来は徳兵衛がお初の手を引いて逃げるはずだったのが
観客の熱気に押された扇雀(藤十郎さん)が思わず徳兵衛の手を取って走ってしまったらしい。
それ以来、このシーンはお初が先に走る演出となり、
2年後に人形浄瑠璃として復活上演された時もやっぱりお初が先に走ったとか。
このことについて鴈治郎さんは「お客様とわたしたちの合作です」とおっしゃったそうです。
わーいいなあいいなあ!
あああ本家本元・文楽の曽根崎心中が見たい聴きたい歌いたすぎる!見比べたい!!
(あと徳兵衛見てて思ったんですが詐欺師扱いされて死んじゃった、と聞くとパズーのお父さんのようだ)


休憩中に出歩いたらいくつものテレビカメラが並んでいたのを見ました。
放送はいつかな。いつかな。

モン!
地下の木挽町広場にくまモンがいました♪
石川五右衛門の衣装ですね~。
先月の熊本の八千代座公演歌舞伎座の俳優祭では舞台にも立ったそうで、
役者さんたちとも仲良しになったみたい。よきかな!
今月いっぱいはくまモングッズ売ってるそうですよ~気になる方行ってみてくださいな。

くまモン見てて思ったけどふなっしーは歌舞伎やらないのかな…。
声でかいしジャンプ力あるし、歌舞伎向いてると思う。個人的に。
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2014-04-07 (Mon)
2014sakura1.jpg
毎年恒例、我が家の桜が今年も満開になりました☆
先週の半ばまで暖かい日が続いたせいか、週末に一気に開花。
まさかつぼみができて2日で咲くとは思いませんでした。生きる力すごい。

2014sakura2.jpg
どこ撮っても花びら全部ついてる。ほんとに満開。うれしいー。

2014sakura3.jpg
あんまり嬉しくて桜ミクさんを連れ出しました。
びっくりするくらい絵になります。炸裂するクリプトンさんのデザインセンス。はあぁ。

2014suisen.jpg
庭の水仙も咲いています。
他にも沈丁花、木蓮、タンポポ、オオイヌノフグリ、春の花目白押し。いい季節だなあ。


週末は友達に誘われたり、たまたま近くに用があったりしてお花見をする機会にめぐまれまして
いつになくあちこち見てくることができました♪
まずは千鳥ヶ淵の桜。
chidoriga1.jpg
地下鉄九段下の駅から外へ出たらもうこんな感じ。
水と桜と緑と青空のコンボ。いい天気で良かったよー。

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開閉しますのでどうぞ☆ >> ReadMore
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2014-04-03 (Thu)
tanyu2.jpg
前々回記事で予告しましたが、板橋区立美術館で「探幽3兄弟」展を見てきました。
狩野探幽・尚信・安信兄弟の展覧会ですよ~☆
永徳の孫3人の作品を見比べられる数少ない機会!ということで
とても興味があったので行けて良かったです。
(↑の写真は美術館入口。真ん中に写っている着物の足がゆさです)

展示室には個々の作品と、3人の合作と、色紙やスケッチ帳などの展示がありました。
まずは探幽から。
もういつ見ても思うんですけど、うまい!
何を言ってるんだって感じですが本当にうまいんですよ、美しさの桁が違う。
探幽は2歳で絵筆を持たせると泣きやんでニコニコしたという逸話がありますけど
対象を美しく描くことにこの上なく心血を注いだ人だと思う。
展示室の奥にあった「群虎図襖」(重要文化財)、もりもりした虎の体躯と竹林の均一性の対比がすごくて
ポカーンとするしかありませんでした。
柔と硬、静と動のバランスがとにかくすごくて
虎や竹や水流や岩の配置もパーフェクトすぎて…どうしたらいいの顔を覆って泣けというの…。
南禅寺の襖絵だそうですがこんなん禅寺にあっても見とれちゃって禅に集中できない気がします。
あと竹林図には珍しくタケノコが描いてあってかわいい。

「百人一首手鑑」は持統天皇のページが開かれていて、王朝の香りただよう雅な絵。
持統天皇は飛鳥時代の人なのに思いっきり十二単着せられてましたけど、
たぶんこの絵の評価はそういう部分じゃないんだろう。
墨だけで描かれた「富士山図屏風」も展示スペースいっぱいに大きな作品。
陰影だけで表現された真っ白な富士山に三保の松原が映えてます。
おもしろかったのが、この屏風は美しい富士山というか、かなり理想的な富士山を描いているのに
同じく展示されていた「探幽縮図」ではリアルなゴツゴツ富士山を描いていたことです。
うおおー描き分けてるんだー!
そんな探幽縮図や「天橋立丹後図冊」などはスケッチをペタペタ貼りつけた画帳で
無駄に力作揃いだったりする。
富士山もだけど花や鳥も写真みたいなリアルさで、見て描いたんだなとすぐにわかります。
物をよく見たうえでデフォルメしたり写実的に、あるいは理想的に描くことができた人なんだな…。

探幽はおじいちゃんの永徳やパパの孝信が色々がんばってくれたお蔭で
10歳で家康に引き合わされ16歳で御用絵師になり、
やがて奥絵師(将軍に直接対面できる身分)となり法印にまで上り詰めたせいか
人格は妙に自信家さんだなあという印象がひしひしと感じられますけども。
どの絵からも「俺様の美技に酔いな!」とか聞こえてくる気がする。
あるいはそうじゃなきゃやってけなかったのかな…。
江戸時代初期はまだまだ社会が発展途上だから注文も膨大だったろうし、弟子もたくさんいたし
(25歳のときに弟たちや一門を率いて二条城二の丸御殿の障壁画約1000面を制作している)、
当主としてのプレッシャーも相当だったと思う。
あと、探幽は空間に白をつくりだすのがうまいなーとずっと思っているんですけど
今回改めてまとめて作品を見てますますそう思うようになりました。
探幽の白。タンユー・ホワイト。はあぁきれい。


次に尚信。探幽の5歳下の弟です。
探幽に絵を学んだので、基礎はものすごくしっかりしているのが絵からもわかるんですけど
どこかふわふわしてフリーダムな印象のある人だなー。
「雲龍・竹下虎図屏風」の虎とか見ても、たぶん探幽ならもう少しくっきり描くと思うんですが
尚信は線を太くしたりぼかしたりして自由に描いている感じがします。
虎の目が白隠の描く虎みたいな、いい具合にバランス崩れたギョロ目で愛くるしくて
何だかピンク・パンサーみたい(笑)。
体のラインもはっきりしなくて縞模様もぼかしてるし、なんだこりゃ。オバケみたいなかわいさ。
でも「雉に牡丹図」はお兄ちゃんがするみたいにきちんと描いています。
茶色の雌雉と明るいピンクの牡丹と緑に塗られた岩のコントラスト、
岩がもう完全に狩野派の岩だなって、パウンドケーキをごっそりかじった跡みたいなボコボコ感がある。
水の流れのタッチなんか模範的だなあと思いました。リアルじゃなく様式美ってやつ。

尚信はお兄ちゃんの探幽がさっさと家を出てしまったので家督を継いだわけですが
特に重荷と思うこともなく、ある日ふらりと旅に出たりして自由に生きていたようです。
絵を見比べても、3兄弟の中でもっともゆったりした雰囲気が伝わってきます。
地上3メートル付近をふわふわ浮いているような人。おもしろいなあ。
でもしっかり描くときはしっかり描いていて、
「孔子図」などは衣紋の線が微妙に震えててよほど丁寧に描いたんだろうなと思います。
孔子の顔は細くてきれいな線だけどそれはそれなりの速さで筆を動かしているからですね…。
でも尚信の場合は自信家というより心の余裕のように感じる。
探幽と違ってあまり切迫感がないのが尚信の特徴かもしれません。


続いて、安信。尚信より6歳年下で兄弟の末っ子です。
尚信と同じく探幽に絵を学んでますが、こっちは狩野宗家(中橋狩野家)を継いだからか
絵から受けるイメージは割としっかり者のような印象。
「源氏物語明石・絵合図屏風」の丁寧さと美しさは何て言えばいいのか、
派手すぎず削ぎ落とされすぎず、線も色も何もかもがちょうどよく溶け合ってる感じの絵なのです。
これが探幽だと線にかっちり感があってすぐわかるのですけど安信はあくまで柔らかで、
しかし尚信みたいにぼかすことはなく確かなタッチで描いているような。
「若衆舞踊図」の少年のかわいらしさとか、
「富士図屏風」の幽玄な感じとか、
「風景人物花鳥図巻」のスケッチや描写力など
お兄ちゃんたちのような強烈な自我は感じられないけど安定した安心感があって
この3兄弟の中でもっともホッとできる絵師だなあと思いました。
「倣古名画巻」では夏珪や馬遠など南宋の画家たちの絵があって
ああやっぱり狩野派はそういう知識や作品を実際に目にすることのできた人たちなんだな…と。
ここにも狩野家の意識の高さが伺える気がします。

安信は探幽からさんざん鍛えられているのですが
(探幽が安信にめちゃくちゃ厳しく接していた逸話がいくつもある)、
とても研究熱心で御用絵師としてどんな要求にも応えられるようにと様々な描法に挑戦して
それらを狩野派の技として大成させた人なんですよね…。
探幽と尚信、この2人が上にいてもくじけず描き続けて
それどころかおそらく探幽の様式美と尚信の奔放さを吸収して自分の技に昇華してしまってる。
安信…おそろしい子…!
探幽と衝突していたのも、単に絵描きとしての価値観が違っていただけだったんだろう。


狩野派というとネームバリューもあってだいたい襖や屏風を思い浮かべますけど
改めて大きな作品の多さに圧倒されます。
そしてこういう大きな絵を見ちゃうと根本的なことに気づかざるを得ない。
大きな絵には必ずそれを注文した人と描いた人がいるということ、
紙を用意し絵を貼り襖や屏風として仕上げた人がいること、
それを保存すると決めて大切に守ってきた人がいること、
たいへんな手間暇を経てこれらは今まで残ってきているんだなあと思いました。泣きたい。
襖ひとつで泣ける狩野派すごい。

兄弟の位牌もありましたよ~。
尚信は夫婦仲良く名前を並べたデザイン性のある位牌で、安信は家族5人セットで金ピカ&箱つき、
探幽のは延べ棒みたいに巨大だった。。
普段は狩野家の菩提寺である池上本門寺にいらっしゃるそうです。
並んで供養されているのだろうか…。
兄弟全員がアーティストである以上意見がぶつかるのは仕方ないとしても
お空の上ではケンカしないで仲良くしなよ!仲良くしなよね!なむなむ。

tanyu.jpg
手前はチケットです。だんご3兄弟をイメージしたんですって。
丸が3つ並んでかわいい。
♪いちばん上は探幽、探幽 いちばん下は安信、安信 間にはさまれ尚信、尚信
探幽3兄弟 ズン チャッ♪



あと、そろそろ書いとかないと忘れそうなのでまとめて書いちゃいますが
日曜日によみうり大手町ホールで宮中雅楽を聴いてきました。
人生初・生雅楽です。ナマ雅楽!
今までは学生時代に音楽の授業でDVDで見たことしかない!
(楽器については趣味で調べていたので多少の知識はあるものの生音ってなかなか聴く機会ないよね)
gagaku1.jpg
曲目。
演奏は宮内庁式部職楽部で、楽師さんたちは全員、重要無形文化財保持者(人間国宝)だ!

ホールの席についたら舞台が真正面にあって左右ちょうどよいバランスで見られました。
たぶん客席のど真ん中だったと思う~♪
舞台上にはすでに幕が張られ、赤い手すりの囲いが立てられ、
畳の上に楽太鼓や小太鼓、筝、琵琶などが置かれていました。
もうこれだけでテンション↑↑
やがて時間になると、きらびやかな衣装をまとった楽師さんたちがご登場。
皆さんしずしずと出ていらっしゃってそれぞれの楽器が置いてあるところに座られて
配置はこんな感じに→こちら
篳篥や龍笛の人は笛を構え、笙の人たちは火鉢の上で楽器をクルクル回していらっしゃった。
うおー笙の生クルクル!見たかったの!うおー!!(大興奮)

その笙がファーーン………とひと鳴りしたときのわたしの気持ち想像してくださいよ。
続いて篳篥、龍笛、太鼓、琵琶、筝がピィー、ドドン、ビヨヨーン、ポロンポロンと
立て続けに鳴ったときのわたしの気持ちを想像しt(ry
これはいわゆるチューニングだったわけですが、曲になってないぶん
これから何か始まりますよという予感に満ち満ちていた感じ。
特に最初の笙の音がしたときは時空歪んだんじゃないかと思いました。本当にきれいな音だった。
結界を張るような音って言えばいいんですかね、
笙の楽師さんの膝元から世界の彩りがパーッと広がってホールを包み込んだみたいな。
笙は昔からとても好きな楽器ですが、包まれるような音に感じたのは初めてです。生音だからかな。
ああ、わたしやっぱり笙が好きだ。ものすごく好きだ。
天から差してくる光のような音!!

ここからは怒涛の雅楽ラッシュ。
王道の「越殿楽」に始まり、朗詠「嘉辰」「陪臚」で頭くらくら、
舞楽「振鉾」「賀殿」「延喜楽」のコンボで昇天させられそうになった。
静かな舞と雅な音がまさに平安時代なうって感じがしてふわふわしていい気持ちでした。
ホールの音響もすごくよかったし。
越殿楽はテレビなどで何度も聴く曲でおなじみですが
生で聴くと篳篥の音が強烈ですね!
龍笛が高く鳴り筝が華を添えて、そんな楽器ズをしっかり支える太鼓と笙の音色よ…。
「嘉辰」の朗詠は和漢朗詠集にも収録されており、よき日、よろこび、楽しみは尽きないという
大変めでたい言葉を詠いあげます。
大手町ホールの杮落としということでお祝いの音楽なのかもしれない。

休憩をはさんで舞楽。楽師さんたちは囲いの外に椅子を置いてスタンバイ。
舞楽も生で見るのは初めてでした。
「振鉾」は周の武王が殷の紂王を討ち天下太平をもたらしたときの様子を舞にしたもので
タイトルのとおり舞人が鉾を持って舞います。
さっきと同じように舞人が舞台にしずしずと現れたのですが
右肩の装束の袖を脱いで下の着物の柄を見せていました!かっこいいなー。
動きそのものはゆっくりですけど、鉾をスッ、スッと振り軽やかに、しかし重厚感のある舞で
ボーっと見とれちゃった。
伴奏では5本の龍笛が高い音で思いっきり響いてました。
龍笛は龍の声を模した笛だそうですが、
もし龍が5匹現れたらこんな声で言祝いでくれるのかな…すてきだ。
「賀殿」は建物を新築したときによく演奏されるそうで、日本に伝わって来た時期もわかっている曲で
平安時代初期に遣唐使により伝えられたそうな。
初期?てことは小野篁や菅原道真や紀貫之がこれを見た可能性が?あるよね??(バッチリ目が覚めた)
もう完全に歴オタ目線で見ちゃいましたとも…だって1200年前の曲ですよ…はにゃーん。
「延喜楽」の舞人さんが被っていた甲が鳥甲でかわいかったです。
4羽の鳥がふわふわ舞っているような。そしてこの舞も装束の片肌脱ぎ。

なんというか、雅楽って音の組み合わせが絶妙ですな…。
騎馬戦の騎馬みたいな、組体操のピラミッドみたいな、
ひとつひとつの楽器に絶対的な役割があって
それらのパーツがかっちり組み合わさってはじめて「雅楽」になるんだなって。
音楽としてはそれなりに歴史もあるからそう簡単には崩れそうにない安定感がある一方で、
音そのものは非常に危ういバランスの上に成り立ってもいて
たぶん演奏中に誰かが音を間違えたり楽器をひとつでもなくしたら
たちまち曲が成り立たなくなるんだと思う。
昔々はいつもと違うことが起こると不吉だとか天変地異だとか大騒ぎしたわけですけども
雅楽を聴いてしまうとさもありなん、とも思う。
こんなレベルの演奏の最中に弦が切れたとか音が違っちゃったとかなったら
不吉とまではいかなくてもドキッとするよね。
大陸から伝えられたときから手を加え曲を加え、規則正しく礼儀正しく
長い時間をかけてここまで形成されてきた音色なのだなあと思いました。
雅楽、深いです…。

機会があればまた聴きたい!

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ホール3階の小さな展示室にあったチリンチリン箱。赤文字で「よみう里志んぶん」と書いてあります。
新聞ができた頃は鈴のついた木箱に新聞を入れて売り歩いていたそうで、
その鈴の音からこの箱はチリンチリン箱と呼ばれたとか。
他にも新聞の創刊号とか各時代の事件を取り上げた新聞、輪転機や巻き取り紙や写植の木型など
新聞に関する展示があって面白かったです。
興味のある方ぜひ観に行ってみてください~。
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