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2014_05
28
(Wed)23:55

独りごとより対話を求めて。

土曜日に世田谷と吉祥寺をぶらぶらしてきました☆
世田谷文学館の「茨木のり子」展が目的のお出かけだったのですが、
ついでにどこか寄りたいな~寄れないかなと適当にぐぐっていたら
白髭のシュークリーム工房と旅する約100人のブックカバー展がヒットしまして
おおおこれは!とまとめて行ってくることにしたわけです。
最近はお出かけの目的地のほかにぽつぽつ寄るところを意識的に作ってます。たのしい^^

totoshu1.jpg
まず電車で、世田谷代田の白髭のシュークリーム工房に来ました。
ここ、トトロの形をしたシュークリームを作っているお店なんです☆
ひとつひとつ手作りのため大量生産ができず、早いと午前中には売り切れてしまいます!
ので、何が何でも午前中に来たかったのでした。

お店は木々に囲まれた静かな場所にあって、店内もナチュラルな雰囲気が素敵で
トトロのフィギュアやイラストや、宮崎駿さんのサイン色紙がいくつも飾ってあったりします。
シュークリームのほかにクッキーやケーキも買えますよ!

totoshu2.jpg
念願のトトロシュークリーム!!うおおお!!
ちゃんとトトロの形のシュー皮で自立します!目と鼻がチョコでついてます!感動するしかない!
何もかもがパーフェクトな造形に体中を電流が駆け抜けていきました。
持ち帰りだと鞄の中で潰れてしまうかもしれない、どうしようと迷っていたら
すぐ食べられるようにと店員さんが紙皿に入れてくださって大感謝。
もったいなーい眺めていたいーーってさんざん悶えたけど結局おいしくいただきました。イチゴ味最高。
トトロは、食欲に、負けた!(笑)

実はトトロのシュークリームがあると知ったのがちょうど1年前でして、1度来たこともあったのですが
着いたのが夕方だったので完売していて買えなかった苦い思い出がありまして…。
つまり今回はリベンジでした。買えてよかったーーー!
他にもカスタードとか抹茶とかチョコ味とかあるのでまた近くに用があればリピートしたいと思います。

日傘をさしてトトロを食べながら(誤解を招きそうな表現)下北沢駅まで歩いて
井の頭線と京王線経由で芦花公園駅へ。
ibaragi.jpg
世田谷文学館にやって来ました。
わたしの大好きな詩人である茨木のり子さんの回顧展が開催中なのです。

展示内容は茨木さんの手書き原稿やご自宅の写真、谷川俊太郎さん川崎洋さんらと交わしたお手紙、
生前出版された詩集や絵本、詩人仲間たちと作った同人誌、新聞記事のスクラップブック、
愛用の眼鏡やアクセサリーや韓国語の辞書、日記帳やレシピ本などたくさんありました。
お家の写真は『茨木のり子の家』でも見たので久し振りな感じでした。
今も東伏見に建っていて、甥御さんが管理なさっているそうです。

茨木さんが川崎洋さんと一緒に創刊した雑誌「櫂」が1~33号までずらりと。
真っ白な表紙に「櫂」と大きな楷書のタイトルが書かれたシンプルな装丁でした。
川崎さんが櫂を創刊するときに茨木さんを誘った直筆手紙もあって
「最初創刊号を茨木さんと2人だけで作り、少数精鋭主義で月刊を守っていきたいと思うのです」と
決意を示す一文があっておおおここから始まったのかーとしみじみ。
しかし川崎さんは字がかわいい(笑)。
で、10日ほど考えた茨木さんが「表現する内容は異つても、日本語に対するいろいろの実験、
そんなものを旗じるし(?)といへば言へる同人雑誌にしたらおもしろいのではないでせうか」と返事を書いて
めでたく発刊が決まったそうな。
その時、歴史が、動いた!!(笑)
そして茨木さんも字がかわいい!
櫂にはその後、谷川俊太郎、大岡信、寺山修司、岸田衿子など錚々たるメンバーが参加しています。

俳優・山本安英さんとの交流も。
茨木さんの「汲む」という詩がありまして、わたしも大好きなのですが
これ実は山本さんに宛てて書かれた詩なのです。
「大人になるというのはすれっからしになることだと思い込んでいた」茨木さんに
「初々しさが大切なの」と語りかけた山本さんを見て
「頼りない生牡蠣のような感受性を鍛える必要は少しもなかったのだ」とつづられる詩の
ハッとしたやさしさというか暖かさというか、とてもすてき。
おふたりが並んだ写真やラジオ劇の台本などから、交流の深さが伝わってきました。

で、隣のガラスケースを見たら
分厚い原稿の束の表紙に「大雅と玉瀾」と書かれた文字がヒョイと飛び込んできて叫びそうになった。
池大雅&玉瀾夫妻の戯曲だそうです!なんてこった茨木さんが!マジすか!知らなかった!!
草稿のメモもあって、それによると
春の京都の八坂神社の境内に扇を並べて、隣で大雅が墨を摺る場面が書き出し。
台本は完成し山本さんに贈られたそうですが色々あって上演されなかったんですって、
ぬああぁぁにいぃぃぃいい読みたいよーってか上演してほしい!
どなたかやってくださらないかな、たとえ場所が遠かろうとチケットとって観に行きますよ。

茨木さんが訳した現代の韓国詩人たちの詩集『韓国現代詩選』の資料展示も。
茨木さんは少女だった頃から韓国へのあこがれがあり、50歳から勉強を始められて
翻訳詩集も出版しています。
展示された原稿や付箋だらけの本、韓国語の先生である金裕鴻氏とのお手紙から
「訳す過程で、ハングルにはハングルの、日本語には日本語の良さがあると痛感させられ」ながら
ひとつひとつ心をこめて翻訳されたんだなあとつくづく。
わたしまだ翻訳詩集読めてないんでした、読まねば。

(余談になりますけど、もう何年も前ですがわたし茨木さんの随筆集で尹東柱を知って
京都の同志社大学今出川キャンパス内にある詩碑を見に行ったことがあります。
(彼は同大に通うクリスチャン詩人でした)
訪れたのは平日の昼間でしたが、きれいな花束がたくさん供えられていまして
こういう人がいたのだと胸にずしんときたのを覚えています。
興味のある方行ってみてください~。同志社礼拝堂のすぐ隣にちょこんとあります)

音声のコーナーもありまして、茨木さんの肉声や茨木さん作のラジオドラマなどが聴けました。
「わたしが一番きれいだったとき」のご本人朗読CDが聴けてよかったです!
わたしが茨木さんの詩に初めて触れたのが中学校の国語の教科書に載っていたこの詩でして、
それから気になってたまに詩集を読むようになって、一番読んでいたのは大学時代だったかな…。
電車の中、図書館にいるとき、卒論を書いていたときなどよく開いては
心の支えにしていました。
茨木さんを知るきっかけになった詩をご本人の肉声で聴けるのはとてもうれしかったです。
高くもなく低くもなく、言葉を丁寧にはっきりと発音されていて
わたしがイメージしていた茨木さんのお声そのままでじーんときました。
(この詩は32歳の茨木さんが20歳の自分を振り返って書いたそうですが、
わたし今20歳の自分を振り返ってあんな詩書けるかなあ…)
あと、山本安英の会主催の「ことばの勉強会」の録音テープも聴きました。
出演が谷川俊太郎、金子光晴、茨木さんの3人という何とも豪華なメンバー。
谷川さんが金子さんに詩について質問して、金子さんが長々としゃべりまくって
途中で茨木さんが軌道修正したりしてて面白かった(笑)。

この世からのお別れの言葉原稿。
茨木さんが亡くなられた1か月後に、親しい人たちに送られたお手紙です。
見る前はちょっと気が引けていたのですが、実物を目にしたら「ああ、見てよかった」と思いました。
8年前に新聞で見た「このたび私○年○月○日、○○にて
この世におさらばすることになりました」と、なんともあっけらかんと始まる文面が
かわいい字でしたためられていました。
じゃあまた今度、みたいな、旅先から何気なく出したような印象で
締めが「深い感謝を捧げつつ、お別れの言葉に代えさせて頂きます。ありがとうございました」とか
かっこよすぎでしょう…。

茨木さんの訃報は新聞で知ったのですけど、当時は一瞬何のことだかわからなくて
「え、ちょ、はあ、ええ!?」て変な声が出たっけ。
年齢が年齢でしたけど、あと10年くらいは詩を書いてくださるだろうと勝手に思い込んでいたので
正直、今もいなくなられた感じがしていないです。
で、ときどき書店で茨木さんの詩集を見つけては「もう続きが出ることはないんだな」としんみりしてます。

そして、薄い白みがかったカーテンの向こうに「Yの箱」の展示が。
詩集『歳月』は刊行当時に読んでいるので、この箱の存在は知っていましたけど
まさか現物が展示されているなんて。
正直、「見ていいのかなあ…」と少々遠慮しながらも鑑賞させていただきました。
いくつかのクリップで留められた原稿用紙に綴られた詩から、夫・安信さんへの深い愛が伝わってきました。
展示室にあった日記帳にも「Yが」「Yは」などと綴られていたっけ。

ひさびさに茨木さんの凛とした言葉に触れられた充実した時間でした。
図録も買っちゃったよー♪
あと、会場に置いてあった展覧会のチラシが4種類もあって笑ってしまった。
谷川俊太郎さんが撮影した茨木さんのポートレートが表裏全部で8枚使われていて
そういえばその写真やカメラの展示もありましたな。
きりっと前を向く茨木さん、笑顔の茨木さん、ちょっと斜に構えた茨木さん、すてき☆

(そういえば茨木さんのペンネームが茨木童子と同じ名前~って勝手に喜んでた時期があって
数年後に茨木さんのエッセイでほんとに長唄の茨木からとられていたと知って大喜びした数年前。
全然別方面から好きになった人たちに接点見つけるとうれしいよね)


展覧会を堪能したので、今度は京王線と井の頭線経由で
茨木さんもよく訪れていたという吉祥寺にやって来ました。
cyanoyu.jpg
カフェ「茶の愉」でひと休み。
店内はとっても明るくて、ガラス窓の向こうには青い紅葉が風に揺れていました。
遅いランチもいただきました。かぼちゃのキッシュおいしかったです☆

bookcover.jpg
お腹がいっぱいになったので、歩いて吉祥寺ロフトの約100人のブックカバー展に来ました。
イラストレーターやデザイナー、ショップから学生まで約100人の人たちが作ったブックカバーを
たくさん見ることができる&買うこともできる展示会が現在、各地を巡回中なのです。
少し前に渋谷ヒカリエで開催されてたんですけど、行きそびれてしまったのですごくうれしかった☆

bookcover2.jpg
ゲットしたカバーです。
白クマと小鳥と猫と読書する人たち。なんの本くるもうかなあ!٩( ᐛ )و
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2014_05
24
(Sat)23:50

創造力。

ブロとものTOM-Fさんからバトンをいただいてきました~。
「創作裏話バトン」です。

クリックどうぞ☆
※クリックで少し大きくなります

よく行くお絵かきサイトさんで、バトンを絵にしてらっしゃる絵師さんが何人かいらして
わーやってみたい!と思ってたのでチャレンジ。
時間がなくて鉛筆描きのままですがアップします。
字が細かくて凸凹だったりお見苦しい点もありますが(だがユーキャンの講座受ける時間はない)、
よろしければ見てやってくださいまし。
「ここ読めないんだけど!」な部分はご指摘ください~。

バトンで語りましたそれぞれの作品につきまして、詳しくはこちら↓をご覧ください。
・「行きて帰りし遣唐使」のイラスト記事一覧はこちら
・「鈴木春信の周辺事情」のイラスト記事一覧はこちら
・「貫之1111首」のイラスト記事一覧はこちら


欲張っていろいろ書いてしまってごちゃごちゃしてますが(もっと大きな紙に描けという話)、
以下、ちょっと補足しておきます。

4.設定
春信と石燕について、2人が交流していたという記録はなく
「江戸時代の絵師でわたしが好きなのがこの2人」という理由だけで友人同士として描きました(笑)。
春信が生きたのは1725-1770年、石燕は1712-1788年なので活動時期は被ってるので
よし大丈夫!って( ̄▽ ̄)。
ちなみに春信と源内は同じ長屋に住んでいたので交流があったようですね。

5.背景
歴史もの描くときに考えてるのはその人物がかつて生きていた人であること、
現代の評価とか先入観をできるだけ捨てて本人たちの視点に降りていくことです。
まだ何の評価もされてないまっさらな時間を描いてる、てか描きたい。ような。
唐でお勉強しながらたまにお酒で息抜きとか、
なんか面白い絵つくろうとあれこれ工夫したらできちゃったとか、
歌集の作り方わからん~どうするのこうするの?みたいなのが行間から感じられたらいいなと。
その方がわたしにとってはリアリティがありますね。

6.人称
未だに自分がどんな視点でお話を書いてるか自覚できてないんですけど
なんだろうな、ドキュメンタリーっぽいかな…。
主人公にカメラが寄り添いながら主人公の目に映るものを描いていますが、
主人公の主観では描いてないですね。
登場人物の人称はキャラデザの第一印象でパッと決まる場合が多くてだいたい「わたし」になってますが
玄ちゃんや源内、貫之など「おれ」と名乗る人については表記をどうするか悩むこともあります。
だいたい「俺」か「オレ」で落ち着いてるけど。

7.ボツったキャラ
「春信~」で妖怪ちゃんたちをもっといっぱい出したかったんですけど
石燕が主人公ってわけじゃないのでやめました。
「貫之~」で、忠岑の主人である藤原定国をモブでしか出せなかったのもちょっと引っかかってます。
なかなか予定通りにいかないのがお話づくりです。


バトンを描くうえで過去連載をさらっと見返したのですが、
4年前と今とで絵が結構変わってますね。変わるもんですね…。
20年近く描いてますけどわたし「ああ、絵柄変わったな」と描いた瞬間に自覚したことは
1度もないです(´ー`)。
劇的ではなく緩やかなのかもですが全然変わった気してない。
で、ときどき数年前の絵を見て「うわあ!」とのけぞります。
友達や他の絵師さんに聞くとだいたい似たような返事がくるのでそんなもんかと思ってますが。
ええと、何が言いたいかっていうと
わたしだってもっとかわいい女の子を描けるようになりたいんだぞーということです。

歴史ものを描き始めた20代の頃は「このエピソードいいな」とか「こんな人出したい」的な
出来事や史実優先でお話作ってたのですが、
30歳になってある程度応用できるようになり体の無理もきかなくなってからは
「こう描いたら楽しい」とか「こうすれば違和感がない」的な考えで描くようになりました。
それでいいか悪いかはともかく、
今のところその描き方が体調に合ってる気がするのでしばらくそんな感じでいきます。
好きなことしててもコンディションがダメになったら本末転倒だし。
気持ちが動かないと描けないのはわたしの悪い癖ですが、無理して変な絵になっても嫌なので。

そんなわけで日々の生活にときめきを探しています。
どっかに歴史上の人物とか絵巻物とか遺跡とか落ちてませんか。ください。
(最近、旅先で見かけた石碑や看板がどんなに小さくても近づいて調べずにはいられなくなったわたしは
かなり進歩したと思います。オタ道はいつも順風満帆)

新連載お絵かきもぼちぼち始めたいと思ってますが、
お話が途中まで思い浮かんでるのが2つあって迷ってる…。
まとまったら描きますので見てやってください~。
2014_05
20
(Tue)23:54

腹八分目。

ihajin1.jpg
国立科学博物館で開催中の「医は仁術」展に行ってきました。
江戸時代から現代までの医学研究や治療法などの展示を通して
漢方医学→腑分け→解体新書→西洋医学→予防医学→医学教育→現代医療の流れがよくわかって
歴史上の医師たちの息吹がものすごく伝わってきてもうなんか、大河ドラマみたいでした。
医学史まじアツイ!
しかも去年の深海展と同じく、一部を除いて写真撮影可能(フラッシュ撮影は×)という太っ腹ぷりです。
神さま仏さま科博さま。

入口でタイムスリップシアターに入ると、江戸の医学や医師たちについて簡単な映像が流れます。
ナビゲーターが大沢たかお氏なのはドラマ「JIN」で南方仁先生を演じた縁からでしょうか(笑)。
シアター入口にはJIN原作者である村上もとか先生の寄稿もありました。

ihajin2.jpg
シアターを出て最初に迎えてくれるのは、江戸人の病に対する考え方についてのコーナー。
薬や治療法が充分でなかった江戸時代には病気の絵が魔除けとして多く描かれました。
上の歌川芳虎「薬の病退治の図」は、漢方の神様である神農と武士の格好をした薬たちが
鬼の姿をした病気を退治している図。
下の歌川国芳「難病療治」は、歯痛は歯を全部抜けば一生痛まない、などと藪医者に向けた風刺を描いたもの。

ihajin3.jpg
「うさぎのはしか退治」の錦絵かわいい、うさぎ強い(´∀`)。
こうした絵は病気にかかると買ってきて家の壁などに貼られ、治ると川に流す習慣があったため
あまり残っていないそうです。貴重な1枚。

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2014_05
16
(Fri)23:56

関門海峡と太宰府天満宮の旅その3。

九州旅行の3日目のレポをお届けします。2日目はこちら
今回は下関市内をぶらぶらします~。

shimonoseki1.jpg
博多駅から快速に乗って下関駅に到着。さようなら九州こんにちは本州。

shimonoseki2.jpg
地図を手に入れようと観光案内所に来てみたらこんなポスターが貼られていて
「ふーんお祭かあ」と何気なく眺めて←まだ何も気づいてない人
よく見ると駅構内にもちらほらポスターがあって
案内所のスタッフさんにも「どうぞ~」とチラシを渡されて
そういえば小倉からの電車がいやに混んでたし駅もやたら混んでるな…と思い返してやっと
「お祭!!」ってチラシ二度見しました。。どんだけにぶいんだ。

というわけで去年の平泉に引き続き何も知らないままお祭に遭遇しました~☆
なんかこんなんばっかりだ。うれしい。

しものせき海峡まつりは関門海峡にまつわる史実を基にしたお祭で
平家一門を偲ぶ先帝祭や源平船合戦、市民による八丁浜総踊り、武蔵&小次郎の決闘再現などが
毎年5月2日~4日まで盛大に行われ町中が賑わうそうです。
わたしが下関を訪れたのは3日。ちょうど「源平武者行列」が行われる日でした!
うおお、ラッキー♪

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2014_05
12
(Mon)23:53

関門海峡と太宰府天満宮の旅その2。

九州旅行の2日目のレポをお届けします。1日目はこちら
今回は福岡市内と太宰府天満宮およびその周辺をぶらぶらします。


hakata1.jpg
朝の博多駅前。
前日の夜にも見かけましたが、ドラえもんがいっぱい並んでました(^∀^)かわいい!
福岡アジア美術館で開催されている藤子・F・不二雄展のPRのようです。
1体ごとに表情もポーズも、持ってるひみつ道具も全部ちがうんですよ~すごすぎる。
あと、たった1体だけ黄色いドラちゃんがいてうれしかった。

展覧会の会期はまだ残ってるそうですが、ドラちゃんたちは今はもう駅にはいないそうです。
たまたま出会えたんだ~ラッキー☆


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2014_05
08
(Thu)23:54

関門海峡と太宰府天満宮の旅その1。

5月1~3日に北九州・太宰府・下関へ一人旅してきました☆
今回から3回にわけてレポートしていきます!

まずは1日目。北九州市をうろうろした様子をお届けします。

kitakyushu1.jpg
北九州市立いのちのたび博物館にあった祇園山笠の山車。
小倉の祇園祭は黒崎・戸畑とあわせて北九州三大夏祭として
福岡県の無形民俗文化財にも指定されているそうです。
でかーい!
奥の壁にくっついてるのは孫次凧といいます。
80年ほど前に竹内孫次さんという職人が制作し始めた民芸品だそうです。すごくよく飛ぶらしい。

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2014_05
04
(Sun)23:07

一心同体。

西日本から帰ってきました。いやー充実した旅になりました!楽しかったです。
レポは次回記事から書かせていただきます~。

ゴールデンウイークも後半に入りましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
わたしは今日、人形劇団ひとみ座の乙女文楽・若手公演を見てきました。
hitomiza1.jpg
こちらがスタジオ。

ひとみ座の乙女文楽は約80年の歴史があり、人形遣いも義太夫も全員女性です。
文楽というと、ふつう1体の人形を3人の人形遣いが繰りますが
乙女文楽はひとりの人形遣いが1体の人形を繰ります。
演目一覧はこちら
今回はその中から「増補大江山酒呑童子 戻り橋の段」「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」を
演じてくれました。

まずは「増補大江山酒呑童子」。
源頼光の部下である渡辺綱が、妖怪退治のために夜の京都は一条戻り橋にやって来たところ
そこで若葉という女性と出会って、でも川に映った若葉は鬼の姿をしていて…というストーリー。
割と有名な話なのでご存知の方も多いと思います。
ちなみにこの若葉、謡曲や御伽草子集では茨木童子ということになってますね☆
(というわけで、いつものことですがゆさは勝手に若葉=茨木童子と置き換えて鑑賞しました。
茨木が綱を誘惑すると考えただけでときめきの導火線が体中を走ってく)

定式幕がするすると開いて「とざい、とーざーい」の東西声で演目と人形遣いの紹介があり、
義太夫と三味線の音とともに舞台袖から人形遣いさんと綱がぬっと現れて
危うく「ふわあああああ」とか叫ぶところでした…。
ちょっと想像以上のデカさでした、綱人形。。
ふつうの文楽みたくてっきり小型かと思ったら遣い手さんとほぼ身長差ない、
つまり等身大なんですけど驚くしかないよね…。
しかも、さっきも言いましたけどこれを1人で、おひとりで繰ってらっしゃるのですよ。裃姿で!
等身大を!(落ち着け)

綱人形のかっこよさ、矢でも鉄砲でも来いみたいな自信たっぷり感が伝わってきます。
肩で風切って歩ってるし(笑)。
後ろで黒子さんもかいがいしくお手伝いされてるんですが、
人形遣いさんの繰りがほんとにすばらしくて!
綱がキッと若葉を見つめたり、シャッと刀抜いたり、くるりと回して納刀したり
懐から扇子を出してわずかに開いたりパチンと閉じたりするんですが
なんかもう、全然違和感なくてどんな技なのって思う。
「正体現せ!」って扇子ポーンと投げて若葉との立ち回りが始まるのが突然すぎて風を感じました。
鬼と化した若葉が金棒振り回してくるんですが、綱は当たり前のように刀で応戦してて
金棒と鍔迫り合いして折れない刀って…髭切丸すごいや。

若葉が登場してくるシーンはふわりと美しいです。
黄緑色の被衣を優雅にかぶって、ゆるゆると舞台を歩く姿は柳が風に揺れるようで
人形の手の指の関節が3つもあるから動きが余計にしなやか!
(ちなみに綱の指関節はひとつだけです)
登場したときと川に顔が映るシーンは一瞬だけくわっと顔が鬼に変わるガブという技を見せてくれます。
ほんの一瞬、えっえっ今変わった??と思う間もなく鬼から女顔に早変わりしちゃって
わー待ってーもう1回!アンコール!ってなった(爆)。
どうやってるんだろう。
綱に正体を言い当てられてもはやこれまで、と女性から鬼に変身(お人形さんを取り替えます)したら
指が3本になってて、これよくある鬼の造形ですね~。
(人間の5本指はそれぞれ知性・貪欲・嫉妬・愚痴・慈悲をあらわしており
鬼はそのうち知性と慈悲の2本の指が欠けているといわれます)
金棒をぶるんぶるん振り回しながら綱の首ねっこをつかまえて雲の上へ連れて行こうとするのは
江戸時代の出版物にもよく見られるモチーフ。
そして、思ったとおり腕を切り落とす演出もあって涙ぐんでしまったので
とりあえず万感の思いで顔を覆って拍手しておきました。
鬼が長い黒髪を歌舞伎の獅子がやるみたいにグルングルン回す「巴」も見られて大満足。
やっぱりこの演目は迫力あります!大好きだ~。

幕間には人形の解説がありました。
司会の方が「渡辺綱さん出てきてください~」と呼びかけると
綱がのしのしと武士らしく歩いて舞台上にご登場。しぬほどかっこいい。
しかし重さは10kgだそうです。大型犬か!
繰り方の説明もあって、手は、人形の着物の袂から遣い手が両手を入れて
足は、人形遣いのひざと人形のかかとにフックをつけて
カシャンとはめ込んでおきます。
こうすると、遣い手が手を動かせば人形も手を動かし、遣い手が足を動かせば人形の足も動きます。
頭(かしら)は、人形の両耳の後ろに紐(三味線の一の紐だそうです)をつけて
遣い手の頭の後ろをぐるっと通して元結いに結び付けておきます。
遣い手が右を向けば右を、左を向けば左を、それぞれ人形も向きます。
これは…一心同体ってやつじゃありませんか…!
あと、人形の背中にも大きなフックがついていて
それを遣い手の胴についているフックにはめ込むとしっかり固定されて演技も安定するとか
もう目からウロコの有意義な時間でした。
外見はかっこいい武士や可憐なお嬢さんの姿をしているのに
中身はとても機能的というのがよい。もえ。
女性→鬼に変化したガブの説明はなかったので脳内で妄想しようと思います。
しかしあんな技が実在するんだから芸能ってすごいですね。むー。

続いて「傾城阿波の鳴門」。
仕えていた家の宝刀が紛失したため、3歳の娘お鶴を親元へ預けて大阪へ出て
盗人となって刀を探している十郎兵衛とお弓の夫婦のもとへ、
成長して8歳になった娘が巡礼者となって訪ねてくるというストーリー。
娘に迷惑をかけたくなくて親と名乗れないお弓と
親とは知らずお弓に向かって親に会いたい気持ちを切々と訴えるお鶴が泣けます。

ここでも人形遣いさんのきらめく技の数々。
お弓さんは手紙を読んだり、かんざしを取ってピッと紙を破いたり
神棚に祈りを捧げたり(柏手を打つシーンでは黒子さんがパンパンと手の音を鳴らしていた)、
懐紙を出したり紐を縛ったりと
さっきの渡辺綱よりも細かい技術が必要な動き。
最初はお鶴ちゃんを娘とは気づかないんですけど
話を聞くうちにもしや、もしやとなって、ああ娘だ!って理解した瞬間の身もだえとか
突き放すように家から追い出しても
見送りながらもう一度振り返ってほしいと玄関の柱にしがみついてるのとか
ほんとに生きて息をしてるようで…。
お鶴ちゃんの造形なにあの目の保養レベルの造形、すんごくかわいいではないか!!
おかっぱの髪に赤いリボンつけて、白い巡礼服着てまじハンパない…。
あと、演じてる人形遣いさんの髪にリボンがついてて萌えた。裃にリボンって新しいな…!

義太夫と三味線も生演奏でドキドキでした。
高く低くそして深~~く、頭の中の琴線をダイレクトに震わせてくれるような義太夫節に
力強く情感のこもった三味線のコンボとかまじスペクタクル。
やっぱりナマはいいなあ。

カーテンコールもあって人形遣いさんや黒子さんがずらりと並んで挨拶。
大向こうもかかって盛り上がってました~。

hitomiza3.jpg
終演後、人形遣いさんたちがお人形さんと一緒に見送りに来てくださいました~。
おお…こんな間近で…おおお…!
ご贔屓さんたちと握手したりしてて、いいな~お人形さんと握手いいなあ。
お母さん人形の唇に針がついていたので「あの、これって…」と人形遣いさんにお尋ねしたら
「こうするんですよ~」と着物の袖をくっと口針に引っかけて泣く演技をしてくださいました!
わーびっくりした!!
まさか目の前で見せてくださるなんてうわあああ(*゚▽゚*)。
よかった…今日来てほんとよかった…。
(袖のほかに手ぬぐいを引っかけて演技する場合もあるそうです)

文楽公演、人形解説、カテコ、お見送りまでついてチケット3,000円(前売券2,500円)は安い!
しかも小さな劇場なので人形と観客の距離がものすごく近いんですよ。
また来れたら今度はがんばって一番前に座って堪能したい!

hitomiza2.jpg
そしてひとみ座といえば「ひょっこりひょうたん島」ですね!
大好きな人形劇。
スタジオ1階にガラスケースがあってひょうたん島のキャラクターたちの人形が展示されていまして
テレビで見て想像していたよりも大きく感じました。
ダンディさんかっこいい~ムマさんとライオンくんかわいい~。
サンデー先生の目も、ヤッホー氏の胸毛と刺青も思ったよりデザインチックであった。
そしてトラさんとガバチョ大統領の存在感は偉大。

子どもの頃、リメイク版をビデオに録って擦り切れるまで見たのがつい昨日のことのようです。
すすめ~ひょっこりひょうたんじーまっ♪

スタジオにはかつて大阪乙女文楽座の座長をつとめ乙女文楽の中心的存在だった
故・桐竹智恵子師のお写真も飾られていました。
白髪に人形を構えて凛とした佇まい、人形の振袖に包まれた格好で美しいと思いました。


nagokoro.jpg
ひとみ座に行く前、元住吉駅近くの菜ごころさんでランチ。
野菜バーニャカウダのプレートに雪割りにんじんスープにトマトパスタ。しあわせ~☆
ここもまた行きたいです。