おーい、応為。

キャサリン・ゴヴィエ著『北斎と応為』を読みました。
ご存知葛飾北斎と子のお栄(画号:応為)が並んだタイトルで、北斎が先にきていますが
北斎の史実にお栄の人生を想像で加えて、お栄の一人称で話が進みますので
主人公は応為の方ですね~。
お栄ちゃんがその場その場で何を思ったかを共有しながら読んでいく感じかな。
彼女が主人公の小説ってほとんどないから貴重だと思う。
(というかわたし他に知らないのでどなたかオススメあったら教えてくだしあ)

書店をぶらぶらしていて偶然見かけたのですが、タイトルと表紙(応為画「三曲合奏図」)と
あと作者がカナダ人であることが気になってパラ読みしたら
書き出しが北斎のセリフで「オーイ、おまえさんよ、そこの大アゴだよ、え、お栄っ」だったのが運のつき。
マジやばかった最高ですって叫ぶとこだった!!
北斎はいつも「オーイ」とか「アゴ」(お栄ちゃんのあごは大きかったらしい)とか叫んで
お栄を呼んでいたそうなのですが
そんな北斎とお栄の関係ものすごく端的に表してるセリフが書き出しだなんて!
この作者さんわかってらっしゃる、と浮き立ちながら続きを読んだらあれよあれよと読めてしまって
お栄ちゃんの人生が記録されている『葛飾北斎伝』(飯島虚心著)の版本を
四苦八苦しながら読んだ日々はなんだったのか、
北斎の後半生と応為のゆりかごから墓場までがわかりやすく生き生きと書かれていて
ああもっと早く出会いたかった…と思いました。
北斎たちだけでなく当時の江戸文化や絵師、戯作者、遊女など緻密な資料調査を行って
人物も世界観も大きく複雑に仕上げているのが文脈から伝わってくるので
巻物トラブルの相手がヘンミーだったりとか、北斎が大達磨を描いたお寺が護国寺になってたりとか
七代目團十郎に大向こうじゃなく野次が飛ぶとか
(でも團十郎が「最高潮の場面なのに客はうつむいて筋書読んでる」と笑うシーンはごめんなさいって思った)、
老中のはずの松平定信が町絵師にふらふら会いに来たりとか
ときどき時代考証に首かしげるけど(笑)、面白さの方が勝ってるからあまり気にならないです。

酒好きで口悪くて絵にうるさくてもしかしたらお父さん以上に性格ねじ曲がってるお栄ちゃんが
すごく生き生きしてていとおしくて抱きしめたくなった…!
全速前進で生きてる感じ。
人と話すときは目を見て話し、筆1本で食べていく自信を持ち、
北斎の自己中な振る舞いを愛し、北斎や家族をこてんぱんにけなし(でも本人たちの前では言えない)、
心に燃えるような思いを抱えているお栄像にめちゃくちゃ感動しました。
北斎との関係が複雑すぎて一言で表現できない。
ずっと父のそばで絵を描くのを見て育ってだんだん手伝うようになって
しまいには手が震える父の代わりに絵を描いて「北斎」と署名して売るようになっていく設定は
「北斎の晩年の絵は応為が手伝ったorほぼ応為の手によるもの」という仮説を
もとにしているのでしょう。
絵に北斎の署名を入れてしれっと版元に売りに行く飄々っぷりと
父に認めてもらいたい思いと、「北斎」を社会的に支えている自分への誇りと。
(でもそれらはコンプレックスと依存というのが読み手にちゃんと伝わってくるのがこの本のいいところ。
作者さんが相当厳しいまなざしを向けているからだと思う)
北斎をふだんは「父」、憎まれ口のときは「爺さん」、仕事中や客観的なときは「北斎」と呼び分けてて
「北斎」はドライなんだけど「父」「爺さん」と言うときものすごい愛憎が入り混じってて生々しいです。
志乃さんや遊女たち、夫の南沢等明、三馬や英泉やシーボルトなどと交流していても
常に心のどこかに北斎がいつも引っかかってるというか、
離れたい気持ちと離れられない気持ちとの間で反復横跳びしてる感じが個人的にはしました。
(だから父親に構ってほしかった弟の崎十郎とは話が噛み合わなかったりする)
物語の後半で北斎の幻を見るお栄ちゃんが、生前の北斎にさんざん振り回されていたくせに
「助けがいるならそっち行くよ」と叫んじゃって、
でも「そのうちな、でも今はだめだ」と北斎に消えられてしまうというのが
その最たるシーンだなあと思った。

身なりにもお金にも名声にも興味ないけど絵への執念は異常なまでに深い天才肌というのが
わたしの中の北斎像ですけども、このお話の北斎もそんな感じですな。
元気なときは家で、町で、寺で、吉原で、体調を崩してからは布団の中で、いつもどこでも絵を描いて
常に「本物の絵師になりたい」と途方もない夢を見ている。
何か面白い現場に遭遇しては「父だったら絵にしただろう」とつぶやくお栄ちゃんが、
もう、もうほんと北斎のことわかってるお栄ちゃんが涙ぐましくて、な……話がズレた…。
引越しや名前を何度も変えたエピをはじめ、口ずさんだ呪文や点から絵を描くとか米粒絵のエピまで
ちゃんと書かれてて笑った。
ほかの当時の絵師や作家たちも少し出てきて狂歌や講談、歌舞伎、舞踊などが要所要所にあって
江戸文化クラスタとしてはうれしい限りです☆
絵や着物だけでなく戯作、黄表紙、春画、読売、蘭学、お菓子、團十郎の押隈まであるから最高です!
志乃さんを始めとする吉原の女性たちも
何も知らない少女のお栄ちゃんの目を通して描写されるから全然いやらしくないし、
吉原の意味を知ってからもお栄ちゃんがまったく変な目で見てなくて、そこも好き。
志乃さんは外国文学によくいる、主人公を導く賢者のような存在というか
お栄ちゃんが困っているときに必ず側にいてくれる人のような印象でした。
美しい人だなあと思った。

シーボルトが北斎から絵を買ったのは史実ですけども
(お蔭でシーボルト事件で北斎は危うく摘発されかかったりする)、
やりとりの場には体調を崩した北斎が不在で
ほぼお栄とシーボルトで行われたように描かれていましたね~。
お栄ちゃんがシェイクスピアとその娘のことをシーボルトに尋ねるくだりは
お栄ちゃんの業みたいなものを感じて心が痛い。
シェイクスピアはあんなにたくさん話を書いた、なら誰かが側で支えていたはず、
そして支えたのは娘であるはず…と根拠もなく思ってしまったりとか
シーボルトにシェイクスピアの娘について確実なことはわかっていないと言われると
「娘なしで一体どうやって。私の父は三人も娘がいたのにそれでも足りなかったんですよ」と叫ぶとか。
娘の時代の到来とは。
あと、シーボルトが日本の女性たちの抑圧について不可解極まりないと思考するくだりは
作者のゴヴィエさんの思考でもあるのかもしれないな…とふと思いました。
それは全編にわたり徹底された理知的なまなざしだなあ、とも。
それにしてもお栄にシェイクスピアを語らせるあたり
いかに彼が英語圏の人々にとって偉大な存在であるかが伝わってきますね~。

「碑文になりそうな名文句だけど、私の墓を改めてもらわないとそれはわからない、
肝心の墓は見つかってないからどうしようもない…」という内容の一文が
冒頭とラストの両方に呼応するように置かれていて、
その名文句も冒頭とラストで全然違うものが書いてあって、
最後まで本を読んだあとに冒頭を読むとまた感慨深いです。
あれらはお栄ちゃんの人生が客観性と内面からずばりと表現されている文句ですな。

原書『The Printmaker's Daughter』の試し読みも見つけましたが、表紙のインパクトがすごい。。
(どうでもいいけどお栄って髪結ってもすぐあちこち緩んで
ほつれ毛落ちまくりのイメージあるんですがなんでだろう)
本文も、カナダの本ですしまあ当たり前なんだけど
北斎が「Hey you! You with the big chin, oei!!(おーい、そこの大アゴ、お栄!)」とかって
英語しゃべっててこそばゆい(笑)。
北斗七星(北斎のこと)は"The seven stars"だったり
狂歌連は"The mad poets"だったり、字のまんまですね(笑)。
狂歌は必ずしもマッドな内容ってわけじゃないんだけど、他に翻訳できる言葉がなかったのかな。
あと"Yuko" という遊女に「夕湖」と漢字が当てられていたのは訳者のセンスを感じました。


utahoku.jpg※クリックで大きくなります
手鎖の刑を受けて牢屋に閉じ込められた歌麿を、北斎と応為が訪ねるシーンが
笑い事じゃないとわかっててもツボすぎてマンガにしてしまいました。
(火種に石油ぶっかけて妄想の炎を燃えあがらすのは歴史クラスタの使命ですからね!笑)
歌麿せんせいものすごい俺様歌様だった…惚れる…(* ̄д ̄)
原書も"Utamaro was on top"とか"Great man"とかものすごいリスペクト表現が見られますので
作者さんは歌麿が相当お好きな方とみた。
"I am the best."と居丈高につぶやく歌麿さんとか、もうなんか色々面白すぎる!
アイアムザベストって歌麿が言うんですよ!あほかあぁぁ萌えるっしょ。

hokuou.jpg※クリックで大きくなります
北斎が将軍家斉の前で鶏を放って竜田川の絵を描いたシーン(史実です)の後に2人が交わした会話が
クリティカルヒットしたので描き描き。


そういえばお栄ちゃんが志乃さんと南禅寺を訪れるシーンで
お寺の庭に百日紅が植えてあってニヤリとしました( ̄ー ̄)。
わたしの大好きな杉浦日向子さんのマンガ『百日紅』も北斎と応為が主人公ですね。
(こちらの2人はゴヴィエ氏の小説と違いゆったりさっぱりした人物像ですが、変人度は負けずに高い)
読みなおそう~来年アニメーション映画にもなりますしね。→こちら
(百日紅にも応為が北斎の代作してたっぽい感じの描写がなかったっけ…)


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テーマ : 歴史・時代小説
ジャンル : 本・雑誌

お祝い絵いただきましたー!!

だだだ大尊敬する絵師びたみん様が当ブログ5周年をイラストでお祝いしてくださいました!!
けけけ掲載許可いただきましたのでくくくクリックで大きくしてご覧くださいほら!ほらほら!!
(感激しすぎて口と手足が生まれたての子鹿)

夏らしくて涼し気!※クリックで大きくなります
~~~~~~~~~~!!!!!!!(声にならない)
心優しきびたみん様!!そんなあなた様を待ってました!!
先日名前をつけたばかりの夕氷(ゆうひ)を描いてくださいましたワッショイ!!!
去年と今年のイラストボード展告知で描いただけなのに、
たまたま猛暑が続く日に描いたから背景も性格もアイスで
でもきまり悪くなると顔が赤くなるってとても適当に考えてしまった性格の子なのに、
まさかまさか描いていただけるなんて!しかもそれがびたみんさんだなんて!
目元涼やかで凛々しい!うるわしい!手が!口元が!色っぽい!!
うちの子こんなに美しくかっこよくなっちゃってどうしようどうしよう、
お茶汲んでくるからくり人形のようにウロウロするしかないじゃない。
(いただき物ひさびさすぎて混乱中)
背景も涼し気です~水玉大好き、見てるだけで涼しくなってきます、マイナスイオン☆
このすばらしい1枚で猛暑も乗り切れます、ありがとうございますありがとうございます!
。゚(゚´ω`゚)゚。

記事書こうとログインしてメッセージに気づいて
開けたときのわたしのテンパリっぷりを想像してくださいよ…。
あんまりびっくりして「ファッ」て声出て頭の中にしあわせがすごい勢いで駆け巡って泣きそうになって
「こんなすばらしい絵師様がいらっしゃる世の中っ…!」ってPCの机に顔つっぷしてしばらく動けなくて
どれくらいそうしていたか全然覚えてない…。
この心を何にたとえよう~(手嶌葵ヴォイス)。
お返事を書くも手は震えるわ頭まわらないわで文章しっちゃかめっちゃかなまま送ってしまって
激しく後悔したりしました。
こんなんでほんとすみません、感動しすぎました、イラストにもお気持ちにも…!

ししししかも、びたみんさんのブログにお祝い記事まで書いていただきました→こちら
わああああやばい!!飛べる!わたし今なら飛べるーー!!(バタバタバタ)
ありがたいお言葉のひとつひとつに恐縮するばかり、
もうほんと10年分くらい元気もらいました。ありがとうございます。
ブログ書き続けてきて良かったよ~良かったよ~(号泣)。
生きてるといいことあるよね…(賢者タイム)

びたみんさん本当にありがとうございました大切に大切にします~~~!!!
これからもどうぞどうぞ末永くよろしくお願いします☆
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

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テーマ : イラスト
ジャンル : 学問・文化・芸術

徒然なるままに日ぐらし。

tsurezure.jpg
サントリー美術館の「徒然草 美術で楽しむ古典文学」に行ってきました。
卜部兼好の随筆『徒然草』が歴史の中でどのように享受されてきたかを記録から探る内容と
徒然草の各章を絵画化した徒然絵が楽しめる内容でした。
徒然草の文章や兼好の姿絵などはよく見かけますが、研究や章ごとの絵はほとんど見たことがなく
色んな場所で徒然草が研究されたり絵にされていることがわかって面白かったです☆

入ってすぐのところには兼好の姿を描いた掛軸がいくつか並んでいました。
尾形乾山の「兼好法師図」が!かわいい!
ものすごくまじめに写実的に描いてる松花堂昭乗や海北友雪の兼好肖像が隣に並んでるから
余計にコミカルさが際立つといいますか、
字がくねくねしてて兼好の目鼻はちょんちょんとか、乾山らしさ噴火しててマジかわいい。
乾山はかつて兼好が晩年を過ごした双ヶ岡に住んだことがあるので
兼好に思いを馳せることもあったろうな…。
「ここ兼好法師が歩いたかも!同じ景色ぼくも見てるのかも!」とかな…( ̄∀ ̄)ニヤリ
「和歌四天王図」は頓阿・慶運・浄弁・兼好と、南北朝時代を代表する歌人が描かれていますが
4人ともまんまる造形なのかわいい。
どうでもいいけど兼好は肖像画に描かれると必ず帽子被ってますね。

兼好の自筆といわれる『兼好家集稿本』には赤が入ってて推敲のあとがみられるそうで
重要文化財に指定されています☆
本当に自筆だとするとかなり字うまいですぞ、兼好。
徒然草が再び脚光を浴びるきっかけになった歌論書『正徹物語』は
「隨分の哥仙にて、頓阿・慶運・静弁・兼好とて其比四天にて」云々とあるページが開かれていて
兼好が歌人としても一目置かれていたことがわかります。
室町時代の日記魔こと三条西実隆の書いた『実隆公記』もありまして
深草院に兼好の旧跡があると記しています!
おおぉ双ヶ岡だけじゃなく深草院にも兼好さん住んでいたのね。
実隆さんは色んな人と交流してるうえに気になったことすぐ日記やメモに残してくれて
室町時代の藤原定家とわたしは呼んでいますが、
それらをしっかり保存しておいてくれる子孫の人たちもね!マジ尊いすね!
現代までの室町後期史の研究、彼らのおかげでわかってることたくさんあるんじゃないかと思う。
面白かったのが『太平記絵巻』。
初めて知ったんですけど、高師直がラブレターの代筆を誰かに依頼しようとする場面で
「兼好といふ遁世者の歌よみ」が登場するのだそうです(笑)。
和歌を届けている兼好が描いてあって、なんだかお調子者っぽかった。。
(そして師直はこてんぱんにふられる^^;)

小堀宗甫・本阿弥光悦・松花堂昭乗・近衛信伊合作と伝わる嵯峨本『徒然草』と
烏丸光廣が書写して光悦が作った『徒然草』がきれいだった。
3年前に東洋文庫所蔵の光悦作『徒然草』を見ましたけど、
今回の展示品も光悦が無駄に本気出して美しく装丁してますよ!
まるで星をちりばめたような雲母刷り料紙であった…光悦はほんと金箔をうまく使いますね^^
戦国~江戸初期の文献研究として有名な林羅山の『野槌』や
松永貞徳の絵入注釈書『なぐさみ草』など、徒然草研究の資料もありまして
ああこうしてだんだん"現文"から"古典"になっていくんだな…と思いました。
特になぐさみ草の挿絵はこの後出てくる徒然絵の構図をほぼ規定したといっていいらしい。

それにしても南北朝から戦国時代って200年くらい間が空いてるけど
もう注釈がないと読めなくなるのか、と思ったんですけど
そういえば藤原俊成・定家親子も「このままじゃ源氏物語を誰も読めなくなる」って危惧して
注釈作ったりしてるし(源氏物語と俊成・定家の間は約200年)、
古代エジプトでもその時代に書かれたパピルスが
200年後には筆記者が解読できずに間違って書写されたりする事例があるんだよね…。
200年というのは言葉が断絶して読めなくなる期間なのかもしれない。
わたしも江戸後期~幕末の本読めるかっていったらスラスラとはいかないし。

そんな研究と、印刷技術の発展とともに徒然草は一般にも広く知られるようになって
源氏物語の"源氏絵"や伊勢物語の"伊勢絵"のような、
徒然草の章段をそれぞれ絵画化した徒然絵なるものが江戸初期から制作されるようになります。
白黒印刷やカラーの絵画がいっぱい展示されてました!
狩野派(探雪や常信など)が描いた絵巻はやっぱりきれいですね、丁寧で落ち着いた仕上がり。
土佐光起は徒然草137段だけをひとつの絵巻に描いてて
『絵本徒然草』はカラーで金泥もつかってあって贅沢な1冊。
奈良絵本の『徒然草貼交屏風』は本文と隣り合う絵をどうも適当に貼り合わせたらしくて
文と絵が一致してない適当さに笑ってしまった。。

徒然草は章段に区切られているので人気のある場面が絵画化されるケースが多いのですけど
ことに41段の登場率はどの時代でも高いなあと思う。
木に登って上賀茂神社の競べ馬を見物する法師が眠そうにしている図が絵にしやすいのでしょう。
鍬形慧斎の徒然草屏風にある41段は法師が木の上で猫みたいに丸くなって寝ててかわいかった。

展示の後半は海北友雪の『徒然草絵巻』全20巻がズラーッと公開されてます!
全部ではないけどほぼ全段に絵をつけたというから圧巻です!
「つれづれなるままに~」の書き出しに添えられた兼好のポーズは
展示室の入口に飾られていた兼好図と同じでしたね~。
すごーいきれい繊細、渋い、かわいいって楽しんで眺めてたのですけど
半分くらいでふと「これってひとりで描いたんよね?」というのを改めて感じて戦慄した。
描いたのかよ、これを…海北友雪、なんという猛者。
もしわたしだったら5巻で「先は長いぜ…」とため息をつき、10巻で山場を越えたと少し安心し、
15巻以降あたりでは息も絶え絶えにデスレース、
20巻の最後の一筆を入れるなり机か床につっぷする地獄を見る気がする。
なぜ20巻も企画したのか、いや描いてるうちに20巻になってしまったのかもしれませんが
これだけの絵巻を描ける人ってすごい、惚れる。
友雪はそんなに描きこむ人ではないので、割とあっさりした筆と色遣いでしたけども
それでもシンプルなわびさびっぽさがあって味わい深くて
兼好の世界観を大切にしつつ描いているなあと最後まで見て思いました。
20巻のラストに友雪の署名を見つけた時は泣くかと思った、しかもフォントおもしろすぎ!
見られてほんと幸せでした…友雪すごいわ…。
そしてこの20巻を収める小さな箪笥は黒光りしてて要塞みたいで、猛烈にかっこよかった。

友雪の画業を紹介する展示もありました。
総持寺縁起絵巻に出てくる一夜で十一面観音を彫り上げるチート童子がすっごくかわいらしいのですが
正体は長谷観音様だったりして伏し拝むしかないし、
誓願寺縁起絵は和泉式部や清少納言、上東門院などこれまで同寺を訪れた有名人をたくさん描いてて
ああこんなに色んな人が通り過ぎて行ったお寺なのかとしみじみするしかない。
一の谷合戦図屏風がおもしろくて、右に熊谷直実、左に平敦盛が描かれているのは定石ですけど
屏風いっぱいに大きな扇を描いて、その中に馬上の武者を配置してて
うわーこんな絵描きたい!って思いました。
そして60代に描いたという五行之図が美しいシンプル絵すぎて震えた。


sendaitana.jpg
徒然草展を観終えて美術館を後にしてガレリア館内をぶらぶらしていたら
2Fに仙台七夕まつりの吹き流しを見つけました。
「東北三大祭り in 東京ミッドタウン」ということで東北3県のお祭モチーフが展示されているとか。
8月末まで見られるそうです。

neputa.jpg
1Fにあった青森ねぶた祭の「ねぶた」。

akitasao.jpg
地下にあった秋田竿燈まつりの「竿燈」。おっきい。

torakin1.jpg
とらやの今月のお菓子も無事ゲット。「若葉蔭」だそうです。
金魚が水の中で涼し気☆

そんな感じで、美術館楽しかったしお菓子も買ったしさあ帰ろう~とお店を出て
ふと何の気なしにとらやの右奥にあるガラスの向こうにミッドタウンの芝生広場を見ましたら、
2014godzilla1.jpg
!?!?!?
え、え、ちょっと待ってゴジラいるゴジラいる、なんで!?ってなって大慌てで広場に飛び出しました。
「MIDTOWN meets GODZILLA」というイベントで、
ハリウッド版ゴジラの公開を記念して8月末までここに植わってるそうです!(なんか違う)
うおおお知らなかった知らなかったマジびっくりしたうおーっ!

2014godzilla2.jpg
近くまで来るとすごい雰囲気、実物の1/7スケールとはいえかなり見上げる大きさです。
つかビジュアルに一瞬!?ってなったけど今週公開の映画のゴジラかそうか、
口が耳元まで割れてるもんね。
チェーン張ってあって触れないけどきっとカッチカチに硬い皮膚よね!

2014godzilla3.jpg
後ろから。
夜はライトアップされるらしいですが背中のせびれはピカピカ光ったりするんだろうか。

2014godzilla4.jpg
足跡。芝生の色で見事に再現。
ゴジラの尻尾の両脇に交互にいくつかあって、
まるでさっきまで歩いてたゴジラがここでズボッと埋まったみたいな感じになってました。

2014godzilla5.jpg
吠えるお姿さえあまりに気高すぎて剣を捧げたくなる。
どうでもいいけどこのご尊顔を拝し奉るとドシラ、ドシラ、ドシラソラシドシラ…と
伊福部昭氏の例のメロディが自動的に脳内再生されるよね。

ゴジラ好きの弟に写メ送ったら「おお、今年のゴジラじゃん」ってさっさと見抜いたよ!
わたしは近づいてみるまでわかりませんでした。修行が足りぬ。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

ブログ5周年。

ブログを始めて5年が経ちました!ひええ。
5年か…いやー5年か…。
正直こんなに長く続くと思ってなかったので本人が一番びっくりしています。
人間でいえば保育園の年長さんではないですか。なんてこった、来年は小学校に上がってしまう!

思えば色んなことがありましたな~。
長いようなあっという間なような、わたし自身、変わったり変わらなかったりする部分もあって
最近ブログの書き方も割とライトになってきてる気もしますが、
変わらずお付き合いくださる皆様には感謝感謝であります。
いつもご来訪いただいたり拍手やコメントをいただくたびに幸せいっぱいになります。
本当にありがとうございます!
これからもマイペースに続けていきますので、
どうぞどうぞ、よろしくお願いいたしますっ\(^o^)/


絵屋俵屋。※クリックで大きくなります
5周年記念絵。俵屋宗達です☆
背景は、宗達筆「平家納経願文見返し『鹿図』」から拝借しました。
宗達は1602年に平家納経の修復に関わっていて、鹿のほかにも槇図や島図を描いています。

4周年の記念絵はお花ちゃんズで、毎年その当時連載していた人たちを描いていたのですが
今年は初めて、これから連載を始める人を描きました(笑)。

実は近いうちに宗達を主人公にした、少し短めのお話を描こうと思ってます。
人々が相変わらず好きにのんびり生きていてちょっと不思議も混じった、
いつものゆさ的文法なお話になる予定です。
だいぶ準備できてきましたが、もうちょっとお待ちください~。

記念絵は1週間ほどフリー配布いたします。
もらってくださる方いらっしゃいましたらどうぞお持ち帰りください☆

※イラストの配布期間は終了しています。

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テーマ : イラスト
ジャンル : 学問・文化・芸術

イラストボード展示2014。

※期間限定トップ記事。最新記事はこの下です↓

冷え冷え。
(↑は展示イラストではなく告知用です。去年のこの子にまた出てきてもらいました^^)

夏ですよ!イラストコンペの季節ですよ!
というわけで毎年恒例、アルス画房(熊谷市)の「第24回コミックイラストコンペ」にて
イラストボードを展示させていただきます☆
コンペの内容は「手描き」「ティーンズ」「CG」「豆うちわ」の4部門です。
今年も力作が集まっているようです。楽しみです。世界中のクリエイター魂ばくはつしろ(何)。

展示作品一覧ページ→こちら
わたしは手描き部門参加で1点描きました。→こちら

展示期間中は、部門ごとに好きな作品に投票することもできます。
(店頭の投票用紙にご記入いただいて、お店の投票箱に入れていただきます)
わたしも先日参加してきました☆


【アルス画房】 HP→<http://www.arsgabou.com/
埼玉県熊谷市鎌倉町152
10:00~19:00 毎週水曜日定休
コンペイラスト展示期間:2014/7/17(木)~8/5(火)

お店へのアクセス:こちら
JR熊谷駅から徒歩7分
駅北口のロータリーを左方向へ、線路に平行して歩いてください。一方通行出口右角。

この夏も熊谷が熱くなりますぜ!
お近くの方や興味のある方、お時間がございましたらぜひお越しください♪
ヽ(*^∀^*)ノ

テーマ : イラスト
ジャンル : 学問・文化・芸術

神の見ているもの。

前回記事で古今和歌集の七夕歌を紹介しましたが、
実はあの後、ものすごく久し振りに『土佐日記』を読み返しました。
土佐守の任期を終えた紀貫之が、土佐から都へ帰還するまでの約50日間を
仮名文字でつづった日記です。
大学時代にがむしゃらに読んでそれっきりだったのですが、ひさびさに読んだら
あれ、こんなに短かったっけと呆気にとられました。
手持ちの本で40ページしかなくて、方丈記より少し長いくらいでしょうか。

貫之1111首』で描いたのは古今和歌集の編纂だったので
この日記は参考文献には用いなかったのですが
(貫之が土佐に赴任したのは編纂から20年以上も後の晩年期です)、
連載を終えてから読むとなかなか感慨深いものがありますな。
あんなにみずみずしい歌を詠んでいた若者がすっかり落ち着いて引継ぎや儀式をやってて、
でも歌を詠むとき理屈っぽく技巧を凝らすのは変わってなくて
なんだかずーっとご無沙汰していた親戚の男の子に再会したみたいでこそばゆい。
貫之が古今和歌集に仮名序を書いたのは30代でしたけど、
もしこの老年期に書いていたらきっともっと理屈っぽくすっきりして、それでいて情緒にあふれた
仮名序になっていたんじゃないかと思います。
六歌仙評とかあんな露骨じゃなくもっとオブラートに包んで皮肉ったりしてそう(笑)。

ところでこの日記、過去にわたしにちょっとしたきっかけをくれた日記だったりします。
1月23日の記述に「日照りて曇りぬ。「このわたり、海賊のおそりあり」といへば、神仏を祈る」とか
「二十五日、楫取らの「北風悪し」といへば、船出ださず。「海賊追ひ来」といふこと、絶えず聞こゆ」とか
書いてあるのですが、
実は貫之が土佐から海路で都へ帰った935年前後、瀬戸内海には海賊がしばしば出ていまして
4年後の939年には藤原純友が海賊たちを率いて各地を襲撃しはじめたために
小野好古を追捕凶賊使長官とする朝廷軍が鎮圧する大乱が起きたりしています。
しかし、当時のゆさはそれを同時代の出来事としてはまったく捉えていなくて
(歴史の教科書とかでは藤原純友は政治史、紀貫之は文化史で出てくるので
全然別方面から勉強していたせいもあるかもしれません)、
土佐日記の海賊の記述で「?」となって年表を確認してみたら
それまで何の接点もなかった紀貫之と藤原純友が突然ひとつの横線でつながって
「わー!貫之と純友は同じ時代に生きてたんか!そりゃそうか!」と
ものすごく納得してしまったのでした。
あぁあれはアハ体験だった…いかに歴史を縦ラインでしか見ていなかったかを自覚できた瞬間でした。
ほんとこれ読んでて良かった。
(ちなみに貫之たちはその後も海賊や大嵐のために何度か足止めをくらいながらも旅をつづけ、
和泉国に入ってやっと「海賊ものならず」とホッとしたという記述があります)
以降、何かひとつの出来事を知ったらなるべく同時代に何があったかを
調べるようにしよう~と思えたわけです。
結果、歴史の深さにどっぷりハマってもはや廃人を通り越して灰になってるのですけども
楽しいから後悔はしてない。
-=三└(┐卍^o^)卍ドゥルルルルルル

sumiyoshi.jpg※クリックで大きくなります
確かおととしくらいに描いた藤原純友と小野好古。
北方謙三氏の『絶海にあらず』の純友は超かっこいいですよ!おすすめします!
*ブログ内のイラスト記事一覧はこちらです*


歴史を知れば知るほど、縦ラインだけじゃなく横ラインで調べるのが楽しくなってきて
あらこんなところにあの人が、あらこの人とあの人が同じ時代に、じゃ会ってるかもしれないじゃん!と
ロマンが広がるのを止められなくなります。
誰かと誰かが出会ってお互いに高め合ってとかヤバい、たまらない。
どうもわたしは誰かひとり英雄的な人がばーんと英雄的な大活躍をするよりも
特に何か突出してるわけでもない人たちが何人も出てきてキャッキャする方が好きみたいです。
たぶん貫之と純友のせいで「横つながり」のときめきの導火線が着火してしまったんだと思う(*´з`)。

Twitterでよく「大河ドラマの主人公で見たい人誰です」的なタグが流行するたびに
いっぱいいすぎて絞れなくて適当な人物挙げてるんですが、
もういっそ『葵徳川三代』みたいな世代ものや『翔ぶが如く』みたいな複数主人公や
『赤穂浪士』『元禄繚乱』『新選組!』みたいなパーティものなど
個人史じゃなくいくつもの人生まとめてやってくれたらいいのにって思います。
吉備真備&阿倍仲麻呂とか、最澄&空海とか、菅原清公・是善・道真とか、
戦国女性アンソロジーとか、平賀源内&杉田玄白とか、とか、etc..
それとも視点がバラけると作りにくいのかな…。
(いやでも、『炎立つ』とか『太平記』とか良かったけどな…神の視点っぽくて)

個人的な希望としてはいつかやってほしいのは文化史なのですけどね~(笑)。
万葉集・古今集・新古今集、藤原氏周辺の文化サロン、運慶・快慶、枕草子・方丈記・徒然草、
猿楽、狩野派、宗達・光琳・抱一、円山応挙と仲間たち、菱川師宣からの浮世絵史、
出雲阿国~近現代までの芝居史とか、とか。
合間に政治史も入れたらいかがでしょう、
というか文化は政治の影響をモロに受けますので入れざるをえないと思いますが。
過去の例を見ても古今和歌集は藤原時平、源氏物語は藤原道長のバックアップがありますし
世阿弥のそばには義満、利休のそばには秀吉がいました。
浮世絵の表現形式は改革の影響をその都度受けて千差万別に七変化していってるし。
文学も芝居も同じですね。
誰もひとりで作ってなくて、たくさんの人の関わりなどあらゆる影響の結果その表現があるみたいな
ドラマが見たいなあといつも思います。
来たれ群像劇(੭ु `・ω・´)੭ु

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

第1859回「短冊にどんな願い事書いていた?」

こんにちは!FC2ブログトラックバックテーマ担当伊田です 今日のテーマは「短冊にどんな願い事書いていた?」です。今日は7月7日七夕です あいにく全国的に天気はよろしくないみたいですね 七夕といえば、子供のときに願い事を書いた短冊をいくつも笹に飾った思い出が...
FC2トラックバックテーマ 第1859回「短冊にどんな願い事書いていた?」


子どもの頃はお花屋さんになりたいとかトトロに会いたいとか、単純に天の川とか織姫彦星の名前を、
ボーっと過ごしていた思春期は健康や勉強について、
古典お宅の道を進み始めて背伸びしたがっていた大学時代は古文や和歌を書いておりました。
すっかり色々こじらせてしまった今は何を書いたらいいか迷うので絵を描いています。
たいしたものじゃなくて、猫とか星とか職場のゆるキャラとかをマジックで一発描きしてる。

tana2014.jpg
いつも行くスーパーにあった七夕飾り。
そんなに大きくはないのですが、笹に色とりどりの短冊が揺れている様子はやっぱり大好きです。
色のある風景っていいよね。
割と「○○が欲しい」と書いてる方多かったけど、
七夕の短冊はもともと織姫に技芸の上達を願って笹につるすものですから
「○○がうまくなりますように」「○○をもっと極めたい」と書く方がいいのではないかな~。


せっかく七夕なのに埼玉のお空は曇りで、天の川が見えなかったので
古今和歌集の秋上巻を読んでいたのですが、
改めておもしろい歌がたくさんあることに気づきました。
以下、いくつか紹介したいと思います。

「天の河浅瀬しら浪たどりつつ 渡りはてねば明けぞしにける」紀友則
(一七七番)
天の川の浅瀬がわからなくて川をたどっていたら、渡り切れないうちに夜が明けてしまったという意の
歌だけを見ると何ともアチャー感にあふれた作品です。
実はこの歌には詞書がついていまして、
七夕の夜に宇多天皇がふいに「誰か歌詠んでー」と唐突に殿上人に命じたところ
みんなとっさに詠めなかったのでわたし(友則)が代作をしました、ということだそうです。
たぶん「誰も詠めずにいるうちに夜が明けてしまった」のでしょう(笑)。
そんな中さらりと歌を披露し、殿上人が呆気にとられる中
のほほんとウーパールーパーみたいな顔で立ち去る友則の顔が見えるようだ( ̄ー ̄)。
(どうでもいいけどわたしの中で友則は動物に例えるとウーパールーパー、もしくはハシビロコウです。
普段はじっとしてるけど動くとすごい、みたいな。
ちなみに貫之はハチドリで、忠岑はリスザル、躬恒はカバもしくはカピバラのイメージ)


「天の川紅葉を橋にわたせばや 七夕つめの秋をしも待つ」読人不知
(一七五番)
天の川に紅葉の橋がかかるから、恋人たちは秋を待つ…という意。
新暦で過ごしているとつい忘れがちなのですが、昔は旧暦ですので
七夕は立秋の後にやってくる行事でした。
紅葉を浮かべて橋にするという、何ともうつくしい発想で好きな歌のひとつですね。


「ひさかたの天の河原の渡し守 君わたりなば楫かくしてよ」読人不知
(一七四番)
船頭さん、 彼が川を渡ってきたら舟の舵を隠してしまってくださいの意。
平安時代には、貴族の結婚式の夜に妻の親が夫の沓を抱いて隠しながら寝てしまうことで
夫を朝まで帰さない風習があったそうですが、その七夕ヴァージョンでしょうか。

「恋ひ恋ひて逢ふ夜はこよひ天の川 霧立ちわたり明けずもあらなむ」読人不知
(一七六番)
天の川に霧がいっぱい立ち込めることで夜が明けないようにしてほしいの意。
余談ですが「恋ひ恋ひ」と聞くとどうしても「こいこい」が出てきてしまうゲーム脳(;´∀`)。

2首とも詠んだ人わからないのですがどなたかな~ダイレクトな愛の歌ですな。


あと、再会があればまた別れもあるわけで
源宗于と壬生忠岑が織姫彦星の別れた後の歌をうたっていておお!ってなりました。

「今はとて別るるときは天の川 渡らぬさきに袖ぞひちぬる」源宗于
(一八二番)
別れる前から(彦星の)着物の袖は悲しみの涙で濡れていますの意。
そういえば七夕に降る雨は催涙雨といって
織姫と彦星が会えたときに流す感激の涙とも、会えなかったときの悲しみの涙とも
別れを惜しんで流す涙ともいわれるとか。
余談ですが、七夕の前日に降る雨は洗車雨といって
彦星が織姫に会いに行くために牛車を洗っている水だという説があるそうです。
先週の雨がやたら激しかったのは彦星が張り切って水ばしゃばしゃ使いまくってたのかもしれない。

「今日よりはいま来む年の昨日をぞ いつしかとのみ待ちわたるべき」壬生忠岑
(一八三番)
夜が明けて8日になったので、また1年後の7月7日が来るのを待たなければならない、の意です。
後朝の歌でもあるのでちょっと色っぽいですが、
「この果てしなく遠い7月7日への坂をよ…俺たちはようやく登り始めたばかりだ…
俺たちの旅はまだ始まったばかりなんだ…!」みたいに書くと途端に少年漫画になるふしぎ。
(全然ふしぎじゃない)

ちなみに8日の歌があるということは、6日の歌もあるわけでして。

「いつしかとまたく心を脛にあげて 天の河原を今日や渡らむ」藤原兼輔
(一〇一四番)
会いたすぎて待ちきれないから7月6日の夜に天の川を渡ってしまおう☆の意。
着物を思いきりたくしあげてウェ~イってノリノリで
川をざぶざぶ渡る貴族、というか兼輔の姿が見えるような(笑)。
こんなフライング歌まで勅撰集にのっけてしまう和歌編纂メンバー、最高!
٩(^ω^)و

しかし読めば読むほど細部まで手を尽くして構成された歌集であることよ…。
重箱の隅をつつくような貫之の性格が最初から最後まで大暴走してる。
躬恒も忠岑もきっとニコニコ見守りながら好きにさせてあげたんだろうなって思うと
編纂メンバーほんとたまりませんよね。
古今集は貫之これくしょんだったんだ、略して貫これ。平安時代はじまってる。

テーマ : 雑記
ジャンル : 日記

ミッションインポッシブル。

DSCN1392.jpg
観ようかどうしようか迷っているうちに前売り券を買いそびれてしまっていたのですが、
友達やフォロワーさんたちの間で「おもしろい!」「最高!」と評判になっていたので俄然興味が出て
先日、仕事の帰りに映画『超高速!参勤交代』を観てきました。

スーパー歌舞伎IIでもらったチラシ(写真左)を見るたびずっとクスクス笑っていたのですが
本編はそれ以上に笑った笑った、劇場で席について立つまで笑いっぱなしでした!(^▽^)
ミッションインポッシブルとゴレンジャーと少しの史実と王道時代劇をミキサーにかけて
ミックスジュース絞り出したらこんなになりましたって感じ。
タイトルからおふざけ感があふれ出ていますが、本編も真面目にふざけながら時代劇やってました。
侍、忍者、チャンバラ、芸者、将軍と時代劇ファンなら振り向かずにいられないキーワードてんこ盛りで
ギャグも人情もあってパーフェクトですな。
主人公のお殿様は実在の人物ですけど、歴史劇じゃなくあくまで時代劇であるところがミソ。
あとギャグがね、なんか人の失敗を笑うとかじゃなく必死な人が思わぬところでズレてしまう的な
滑稽な感じなのもよかったです。
ああわかるわかる、っていとしくなりました。

てか蔵さんの殿様、普段あんなお人好しなのに刀抜いたらしぬほどかっこよかった…!
あと知念くんと上地さんが後半全部もっていきました。

以下↓いつものように長い&遠慮なくネタバレしていますので未見の方はご注意ください。
大丈夫な方はクリックして開いてみようー!

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テーマ : 時代劇映画
ジャンル : 映画

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ゆさ

Author:ゆさ
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