夏色プレゼント。

そろそろ書いておかないと9月になって最終回ラッシュが始まってしまいますので、
今期に追いかけているアニメの感想を書いてみることにします。

「ハナヤマタ」よさこいアニメ!ひらひらキラキラ青春アニメ!かわいい!
鎌倉の中学校に通う女子生徒たちがよさこい部をつくって歌って踊るハートフルストーリーです。
1話を見てみて、紫の和服姿で美しく舞うハルちゃんに一目ぼれして視聴決定。
でもその後の行動は教室や階段で飛んだり跳ねたり、どこにでも出没したりと
舞姫より忍者っぽい感じ(笑)。(リアルな忍者じゃなく時代劇の忍者ね)
なるちゃんがハナちゃんと関わることで、少しずつ少しずつ元気になっていく姿は
解放されていく感じがしてよいですね。
(何度か言ってますけど、ゆさは抑圧されていた誰かが解放される物語にものすごく弱い)
ヤヤちゃんの悩みというか経験はとてもショックなことだけど、
何となくだけどヤヤちゃん本人もバンドに本気だったのは自分だけで
他のメンバーはあくまで部活として楽しんでいたのを心のどこかでわかっていた感じもする。
それがオーディションの落選で露呈してしまって、でも素直に泣けないからつらくて。
ヤヤちゃんが自信を取り戻すくだりはなるちゃんとの友情に泣きました。
マーニーもそうだったけど、女の子同士の「大好きだよー!」ってすごいエネルギーになりますよね…。
たみお姉さま、和服に髪アップがお似合いのたみお姉さまマジ天使。
お父さんとうまくいくといいなあ。
あとよさこいショップ「勝」の店長さんには最終回までにサングラスを外したお姿を
お披露目いただきたいものだ。

というか、地元の夏祭りで毎年のように老若男女(最近は国籍もさまざま)が
はちまき締めて法被着て歌って踊るよさこいを見ながら育ってきた身としては
なぜ今アニメになるほどよさこいブーム?と少々驚いてもいるわけで。
ネットで検索するとものすごい数のよさこい動画がヒットしておもしろいな~。
音楽も踊りもそれぞれ違うのですが、みなさんファッションが凝ってますよね^^
わたしの地元のよさこいはよくあるお祭用の法被姿ですけど、
大会や審査(!?)があるよさこいは法被も派手だし
つか途中で片方脱いだりとか、羽織をマントみたいに羽織ったり陣羽織だったりロング特攻服だったり
蛇の目傘や扇子や太鼓かついでクルクル舞ったり、持ち物も多種多様で華やかで楽しい!
ちびっ子よさこいとかもあるらしくてな…かわいすぎか。
みんなで好きに服作って好きに歌って踊れる世の中っていいなー( ̄ー ̄)。


「ヤマノススメ」2期おめでとう!1期の5分から15分に拡大!3倍ドン!!古い!!
埼玉県飯能市を舞台に、女子高校生たちが登山に挑戦するハートフルストーリーです。(2回目)
ひなたちゃんから強引に誘われておっかなびっくり登山に出かけていくあおいちゃんに同情したり
齢16にしてすでに山のプロでいらっしゃる楓お姉さまに惚れたり
癒しの天使ココエル(勝手に命名)ことここなちゃんに癒されたりと
朝ドラと同じ15分間ながら猛烈に濃密なアニメ。
お出かけ先も飯能の天覧山から始まって、秩父や三つ峠を制覇してついに富士登山まで来ましたね。
行き方も西武池袋線から山手線、新宿から高速バスとか
関東民にとっては耳なじみの路線名がちらほら。感動。
あと、7話で吾妻峡に行ってくれたのはうれしかった!
夏に水遊びもいいけど、秋には紅葉がとってもきれいな国指定名勝地だよ~。

ときどき紹介されるアウトドアグッズがおもしろいです。
ザック、登山靴、雨具もかわいいのいっぱいあって
飯盒、テント、お米、ナイフにフライパン、お皿にカトラリーとか考えだすと止まらない…。
昔は飯盒炊爨するのに一から火を焚いてましたが今は携帯コンロとかあるのですね、
山行く予定ないけどわくわくする、ほしい。
テントの張り方とか、子どもの頃に林間学校でやったの全然覚えてないくせに
アニメで見るとやってみたくなる不思議。


「ばらかもん」は原作の1、2巻くらい読んだきりですが、めでたくアニメ化されたのでレッツ視聴。
東京で挫折した書家が長崎の五島にやって来て、住人たちに振り回されつつも
ゆったりとした日々を過ごすハートフルストーリーです。(3回目)
作者さんが「郷土愛を全力でぶん投げます」とコミックス折返し部分に前書きして始めた
五島の言葉や暮らしがポンポン出て来て楽しい島ライフマンガですが、
アニメも絵がきれいで(特に1話の夕焼けシーンよかった!)原作に忠実で
声優さんたちもゆったり演じているらしいのが伝わってくるのがいいな。
教頭先生の中の人は五島出身というのを初めて知りました。そうなのかー。
あと方言指導担当の方はまだ20代の声優さんらしい。

半田先生が猫アレルギーっていうのすっかり忘れてましたけど、
にゃんこそのものは大好きなようでうれしい。
劇中で先生が書く字は原雲涯さんという書家さんが担当してらっしゃるそうで
激しくもどこかかわいらしくて味わい深い字を毎回見るのが楽しみです。
(他のアニメのお仕事だと「ブシロード」「ストレンヂア」のタイトルロゴとか担当なさってる方らしい)
なるちゃんの中の人、たぶん子役さんだと思うのだけど、
結構、早口で島の言葉ペラペラしゃべってるのすごいなー。
元気でイタズラ好きななるちゃんの声にぴったりだと思いました。
ヒロシの中の人(埼玉出身らしい)の五島言葉は、わたしが聴いててもうまいと思ってたら
長崎の人にもナチュラルに聞こえているらしいからすごい。
川藤さんの声を諏訪部さん、神崎さんを梶さんとは…声優無駄遣いアワーめ!ご馳走様です←
あと、たまちゃん、先生と周囲の人たちで妄想しすぎ(笑)。
(彼女の中で先生が受けか攻めか今ひとつ判断しかねるので掛け算にはしないでおく)
妄想は一度広がり出すと止まらないね!気持ちすごいわかるよー。


「セーラームーンCrystal」が!最高です!イヤッホウ!!
旧アニメもリアルタイムで喜んで見ていたのですけど、新作は原作を忠実に再現してくれてて
うおおあのセリフが、この場面がアニメに!って感動もひとしおで
2週間に1度の配信がものすごく楽しみ。
ももクロの歌も新作アニメ主題歌って感じでキラキラ輝いて聞こえるので毎回早送りしてないです。
彼女たちがムーンライト伝説歌ったらどうなりますかね…ちょっと聴きたい気もする。

うさぎちゃんの声を旧アニメに引き続き三石琴乃さんが担当なさって
他のセーラー戦士たちの声優さんも三石さんがオーディションに立ち合って決めたらしくてな~。
小清水さんのまこちゃんが楽しみすぎる。
個人的に一番うれしかったのはレイちゃんが敬語だったことです!そうです原作Ver.なんです!
旧アニメの色っぽいレイちゃんも好きですが、Crystalのレイちゃんはクールで知的で
ますます好きになりました☆
うさぎちゃんを「うさぎさん」って呼んでくれた瞬間がクリティカルヒットでしたよ…破壊力…。
タキシード仮面様も原作通り高校生で旧アニメよりちょっと幼くなりましたね~。
だが銀水晶を求める気持ちは5割増しくらいになってる。
なるちゃんのかわいさと海野のうさんくささもそれぞれ5割増しくらいになってますね。
そして早く出てくれ美奈子ちゃん&アルテミス~~!


ハイキュー、くつだるは前期に引き続き見てますよ。
音駒メンバーと伊達メンバーかわいすぎていきつら。男バレもいいけど女バレの番外編が見たい。
ジョジョ3部はアブドゥル氏に早く戻って来ていただきたいです。
エンディングテーマと映像がすごく好きなのですけど、歌は未だに歌詞がわからなくて
つい雰囲気のままに「♪エーオーエーオーオー」と歌ってしまう。
それから、テレ玉セイント・テールの再放送がそろそろ佳境に入ってます…仙道樺子さん真珠はよ。


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「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その6。5はこちら
1615年の夏、2人は光悦の家で合作をしました。
宗達が下絵を描き、光悦が三十六歌仙の歌を36首書いていく計画です。

光悦「おれ、じきに引っ越すから」
宗達「は?」
光悦「鷹峯に土地を拝領した。茶屋や尾形にも声をかけてある。一緒にくるか」
宗達「んー、おれは小川にいるよ。軌道に乗って来たし」
光悦「そうか」
宗達「…」
光悦「なに、歩いてすぐさ。遊びに来るよ」
宗達「ぜひ。おれも時折会いに行くよ」
光悦「ぜひ」
宗達「…」
光悦「…」
宗達「光悦、たけのこ食う?」
光悦「たけのこ?この季節に?」
宗達「快庵にもらった」
光悦「ふーん。食う」
宗達「明日持ってくる」
光悦「いや、おれが行くよ。ちびたちに挨拶もしたいし」
宗達「うい、待ってる」

快庵とは醍醐寺の僧侶です。
宗達は何らかの交流があったらしく、現在も醍醐寺には宗達の屏風がいくつか所蔵されています。

奥の位牌は、利休七哲で光悦の茶の師でもあった古田織部のもの。
この年の5月、大坂夏の陣が起こり豊臣家が滅亡していますが
織部は徳川家の軍議を豊臣方へ知らせたとの嫌疑をかけられ切腹を命じられています。

また、当時の鷹峯は人家もなく追剥ぎが出没することもありましたが
光悦ほか芸術家たちが移り住んでからはそれもなくなったようです。
住んだのは茶屋四郎次郎清次、蓮池常有、紙屋宗二、左甚五郎、尾形宗伯など。
宮本武蔵も吉岡一門との決闘前に訪れています。
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テーマ : アニメ・感想
ジャンル : アニメ・コミック

Think different。

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世田谷美術館の「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展」に行ってきました☆
タイトル通り、19~20世紀にかけて西洋で流行したジャポニスムの紹介ということで
ボストン美術館所蔵の西洋の画家たちの作品(主に印象派)と、日本の浮世絵や工芸作品が
仲良く並んでたくさん展示されていましたよ。
写真は会場の特設ショップで衝動買いしたリラックマちゃんです♪
見てくださいよラ・ジャポネーズの衣装を着て扇子を持って意味ありげにこちらを向いて
ラ・ジャポネーズのポーズしてるのですよ!買うしかなかった。

江戸時代にも長崎を通じて日本の工芸品や美術品は海外にぽつぽつ輸出されていたわけですが
江戸時代が終わって近代日本から美術品やカルチャーがドバっと輸出されるようになると
それを手にした西洋の芸術家たちがこぞって自分たちの作品に取り入れる
ジャポネズリーというのが流行ったそうで、
まずはどの芸術の始まりもそうであるように模倣の作品が多かったようです。
葛飾北斎「冨嶽三十六景 武州千住」や七代目平田就亮の「虫図七宝鍔」(蝶々と玉虫!)の後に
ブシュロン社のインクスタンドを見るとフワー!って感動します。
東洋の植物をあしらった台の上に箱根細工を思わせる模様のインク壺が重ねられて
真ん中に立つペン立てには遊女が、インク壺の側面には武州千住の男たちが描かれ
インク壺の一番上の蓋には昆虫、吸い取り紙入れの蓋には狛犬のフィギュア(違)がくっついてて
ペーパーを入れる引き出しを開けると釣りをする江戸人が彫られていて
しかも台座の四隅を4匹の亀が支えている!
インドのアクパーラとか、中国の鼇のイメージを想起させるようなデザインではないか~。
東洋の美術これでもかとてんこ盛りにしてドヤ顔のポール・ルグラン。最強。
他にもウエッジウッド社のクイーンズウェアプレート2枚のまん真ん中には
歌川国貞の役者絵がプリントされてるし、
ティファニー工房のレターラックやペンや写真立てのフレームには
京都の着物工房の型紙模様が金属であしらわれていたりして
当時の西洋の人たちよっぽど気に入っちゃったんだろうな~。
わたしも浮世絵や型紙初めて見たとき「かかかっこいいー!うおー!」ってなって模写してたから
気持ちすごいわかります(´∀`)。

で、模倣の後はそれぞれの画風やデザインとして昇華していくわけで
ここからジャポニスムが始まっていくわけですね。
メアリー・カサット「湯あみ」と喜多川歌麿「母子図たらい遊」が並んでて
どちらも子どもを抱いた母親がたらいの前でしゃがんでいるというモチーフだったり
ヘレン・ハイド「赤子を背負う母と男児」と磯田湖龍斎「雪中美人」が並んでて
どちらも子どもを背負う母親を描いた柱絵だったり
(ヘレン・ハイドは狩野友信に師事して日本画を学んだ人でもある)、
似てる!って思える絵同士を見比べることができておもしろいです(´∀`)。
大衆の日常風景を描いた作品はフェルメールの頃からありますけども
フランスではやっぱり革命以後、印象派の時代にぐっとフラットに描く人たちが増えたように思う。
ベルト・モリゾの「揺りかご」とか、母子を描くにも聖母子じゃなく市井の母子を描くっていうね。
(それにしても歌麿の「瀧川」の紫色がくっきり残っていて感動しました。
ボストン美術館の保存技術すばらしすぎてほんとありがとうだな…)

歌麿の「潮干のつと」とアンソールの「貝殻のある静物」は
歌麿が雲母摺で貝をキラキラさせているのに対して
アンソールは絵の具でしっかり輝きを表現していました。さりげなく置かれた扇子がニクイ。
広重の「神田明神曙之景」とムンク「夏の夜の夢」に関しては
広重が画面の真ん中に木を持ってきてるのをムンクが…というキャプションの説明がありまして、
先日、岩合さんのネコ歩きで猫のいるノルウェーの森を見ましたが
普通にムンクの描く森っぽい感じだったのを思い出して
二倍おもしろく思えました!(ムンクはノルウェー出身)
広重の「愛宕下藪小路」とピサロの「雪に映える朝日」は雪景色で
どちらも人物を小さく、風景を大きく描いている点がそっくりでしたね。
(ピサロは「広重はすばらしい印象主義者」という言葉を残したことでも有名です)
広重の「百猫画譜」とマネの「猫の逢引」、国貞の「虎」とランソンの「密林の虎」が
ニャンニャンと並んでるのは誰得かと!わたし得かと!!ああぁもえしぬ。
国貞とランソンの虎は左右対称みたいにそっくりでした。くねくねポーズ☆
歌川国貞と広重の合作「当盛十花撰 夏菊」とゴッホ「ルーラン夫人」は
こうして並べると完全にゴッホが影響受けてるのわかりますね…。
ゴッホの浮世絵好きは「タンギー爺さん」みたいに背景にズラーーッと浮世絵を描いちゃうことでも
有名ですけど(自分の持ち物の浮世絵を描きまくったらしい)、
ほんと彼は好きになったらとことん一途なんだなあと思った。ゴッホさんいとしい。

モネが妻のカミーユをモデルに描き、このほど1年をかけて修復された「ラ・ジャポネーズ」は
想像以上に大きな絵で、額装すると3メートルにもなるそうです。
散らばる団扇、目尻に紅をさしたカミーユ、見返り美人図のようなポーズ、トリコロールカラーの扇、
綿入れのような着物、赤地に紅葉の刺繍と武者のアップリケ。
どこまでも細かく細かく描きこまれて立体感がパない、かっこいい。極上。
着物のモチーフは能の「紅葉狩」からきているとする説があるそうな。
月岡芳年が絵を描いた『新形三十六怪撰』に「平惟茂戸隠山に悪鬼を退治す図」というのがありますが
題材といい武者が刀を抜こうとしているポーズといい、そっくりということらしい。
(余談ですが芳年の浮世絵を紹介したパネルの前でお子さんを連れた親御さんが
「この女の人は鬼が変身したんだよ、プリキュアの変身とおんなじだよ」って説明してて
同じく近くにいたカップルが「すごい」って呟くのを聞いてしまってわたしの脳が100%覚醒した)
この絵より10年前の1866年に描かれた「緑衣の女性」と対にしたとモネ本人が書き残していますが
当時の画家の例に漏れず影を黒々と塗りたくった「緑衣の女性」からの「ラ・ジャポネーズ」の
この、この、明るさ!!
どこが対やねんとツッコミを入れたくなるほどの差がたまらんですね。
第1回印象派展が1874年でラ・ジャポネーズの発表は第2回印象派展の1876年だから
緑衣~からジャポネーズに至る10年間でモネは明るい画風へと舵を思いきり切ったわけで
こりゃ色んな意味で当時のフランス人にとって衝撃だったんだなと…。
印象派と呼ばれる人たちの画風がいかに明るいかは
緑衣~とジャポネーズを見比べると一目瞭然ですね。

モネは晩年に積みわらや睡蓮のような絵を描いているので、
ラ・ジャポネーズみたいに細かく描きこむような絵は珍しいのですが
いわさきちひろがそうだったように、ああいう絵を描ける人は基礎がしっかりしているというか
対象を立体的に描ける画力を持っているんだな…。
十八代目勘三郎さんの「なにごとも基本が大事。型があるから型破りなの。なかったら形無し」という
お言葉を思い出した。

他にもモネの絵が来ていて、広重の「四日市三重川」とモネ「トルーヴィルの海岸」が、
同じく広重「鞠子 名物茶屋」とモネ「積みわら」が並んでいました。
三重川の木とトルーヴィルの木、茶屋の画面配置と積みわらの画面配置がそっくりで
広重からモチーフや構図のヒントだけいただいて後は自分の絵として取り入れて描いた感じ。
(構図をいただくのは浮世絵の絵師たちもやってますね。ついでに人物もまるっと写したりね・笑)
そして、睡蓮の絵が2点。
「睡蓮の池」はモネの庭の池に太鼓橋がかかっているのはわかるのですが
周りの植物から池の照り返しから、すべて色が反射してきているというか
なんだろう、物に色がついてるのではなく物の色が光っていてそれを目にしているというのか…
しかも黒がひとつもないというところに感動すら覚える。
「睡蓮」は点々と睡蓮の花が浮かんだ池に穏やかさや静謐さが感じられて美しいです。
マンガならしいん、とオノマトペを入れる絵だなあと思う。
(余談ですがマンガに初めて「しーん」というオノマトペを描いたのは手塚治虫氏だそうだ)

あと、四台元素を北斎の波っぽいデザインで表現したディートリッヒ社のポストカードとか
北斎の波みたいにグルンとしたフェルデールの「波」とか
広重の「水道橋駿河台」を意識したっぽいデュムーランの「京都の鯉のぼり」とか
応挙の「浜飛雁図」とそっくりのベンソン「早朝」とか
和紙に現像されたヘルツォークの写真「アンジェラ」とか
(和紙に作品を印刷するのはレンブラントの頃から西洋でも行われているよね)、
あちらこちらにジャポニスムを感じる作品があって
あー北斎や国芳や江漢が西洋の絵画や版画に影響を受けたのと同じで
西洋の画家たちも北斎や広重にめちゃくちゃ影響受けたんだなって、
美しいものや面白いものを見て自分で表現してみたいと思うのは
どの時代のどこに住む人たちも同じなんだなって、とてもしあわせな気持ちになりました。
面白さに国境なし。

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セタビカフェでいただいたランチプレート。
実は山田章博展で景麒のケーキを食べた後ここへ来まして
あまりお腹がすいてなかったので少なめに。
ふかふかのパンとワインゼリーがおいしかった~ご馳走様でした(´▽`)。


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「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その5。4はこちら
五条河原にかぶき踊りを見に来た宗達と光悦+生きものたち。
軽やかなお囃子が楽しくなってしまったのか、風雷がふわふわと2人の頭上を舞います。
光悦「おや」
宗達「おお」

出雲大社の巫女といわれるお国の一座が河原でかぶき踊りを踊ったのは
1603年8月のことでした。
演目は茶屋へ遊びに出向いた男が女と戯れるというもので
主役の傾き者をお国が、お供の奴を猿若が、
傾き者が遊びに行く茶屋の女は女装した狂言師が演じました。
また、北野天満宮でも興行を行い(当時の天満宮の周辺は歓楽街でした)、
徳川家康が将軍宣下を受けた際は伏見城に招かれて芸を披露しています。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

あの世界の果ての虹にとどくまでは。

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青山Gofaで開催中の「十二国記画集刊行記念 山田章博展Exhibition & Cafe」に行ってきました☆
山田章博画伯による十二国記画集『久遠の庭』刊行記念の原画展です。
(画集タイトルの命名は原作者である小野不由美主上だそうだ)

会期は8月いっぱいで前期・後期の2期ありまして、
前期:『魔性の子』~『東の海神西の滄海』まで
後期:『風の万里黎明の空』~『丕緒の鳥』まで
の、ホワイトハート版&新潮社版のカバーイラストや挿絵原画がそれぞれ展示されていました。
十二国記愛読歴10年以上のキャリアを持つ身としては両方行くよね?ということで
前期は早々に行きまして、今日から後期展示が始まったのでやっぱり早々に行ってまいりましたので
ようやくレポを書くことにしたわけです。
2期ともわたしが行ったときはそんなに混んでませんでしたが、会場がそんなに広くなくて
土日など人が増える日には整理券をつけて入場制限をするそうなので
これから行かれる方はお気をつけください~。

初めて近くで見る山田画伯のナマ原画はとても良かったです!
カラーはやっぱり本物の色が見られるのがいいですね。
図南の翼表紙の珠晶の髪飾りの赤とか、印刷と全然色が違うし。
黄昏の岸~のホワイトハート版麒麟大集合絵とか
華胥の幽夢表紙の采麟がホワイトハートも新潮社もすごく美しくて!
山田画伯はコピックユーザーでもいらっしゃるので、カラーを拝見するとすごく勉強になるというか
わたしには全然思いつかない色遣いをされてて
これ何番と何番で塗ってるの?どうやってぼかしてるの??と気になる点がたくさんあって
もしその場に画伯がいらしたら解説していただきたい(あつかましい)くらい興奮しました。
他にもカレンダー、関連商品パッケージ、読者プレゼントなどに描かれたカラー生原画が並んでて
人物の髪の毛や服装、画面を彩る装飾の塗り方にほれぼれ…。

モノクロの挿絵も、筆ペンで一気にザクザク描いたようなホワイトハート版も
ペンでザクザク描いた新潮社版もこんなに近くで見られるなんて!
下書きや修正液などの跡が見られるのも生原画の醍醐味で
こうして作家さんが制作していたというのが感じ取れるの最高ですありがとうございます。
(ホワイトハートより新潮社の方が原画が大きいのですね)
ホワイトハート版は主線がそんなに多くなくて、影で立体感をつけているのさすがだなと思います。
妖魔と闘う陽子とか、蝕に翻弄される汕子と流される泰果とか
妖魔の口に赤子を入れる更夜とか、斡由に剣をつきつける尚隆とか
慶で追われて桓魋に手をさしのべられる祥瓊とか、景麒に騎乗して乱を止めようとする陽子とか
影がグレーじゃなく黒なんですよね、くっきりした黒。うまいつけ方ですよね…。
新潮社版もそんなに描きこんでないけど絵としてよくまとまってて、
紙をひっかいたようなタッチがかえって立体感を出してるのがいつ見てもすごいと思う。
『丕緒の鳥』収録の標仲が雪道を行く挿絵に、白黒の世界にものすごい奥行き感があって
あまりの完成度の高さに見とれちゃいました。
「青条の蘭」はどこの国の話なのかわからないまま読んでいくと
クライマックスで出てくる王宮の名前でああもう大丈夫だ!ってカタルシスが圧巻でしたな…。

あああ何もかもみな懐かしい&新鮮!
ひとつひとつ見ていくと物語を次々に思い出しちゃうし、画伯の絵の変遷も感じ取れて
十二国記と山田章博の歴史を同時に見られるっていうのが感慨深かったです。
(画伯が十二国記の絵を20年以上描き続けていると気づいて呆然としたのは内緒)
画集はもちろんゲットしましたよ。
前期鑑賞時にギャラリーでサイン入りが注文できるというのでお願いして、
本日ようやく受け取ってまいりました。ほくほく☆
山田画伯のサインはなんというか、描かれる絵そのままですね。絵のようなサイン。大事にします!

あ。
会場入口でチケットを買うと、この原画展のために山田画伯が描き下ろした
A4サイズのウェルカムペーパーがもらえます!
イラストは夏服を着たさわやか陽子さんです~うおー主上~~☆
会場内に原画も展示されてまして、
「本編にないシーンですけどこういう想像をお許しいただけるでしょうか」的な画伯のコメントがついてました。
許す!!(笑)
画伯はどんどん想像の翼を広げて十二国の住人を描くべき。ぜひ描くべき。(落ち着け)


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建物の1Fにはコラボカフェがありまして、十二国記からイメージしたドリンクやスイーツがいただけます。
カプチーノのラテアートが3種類あって、陽子・景麒・楽俊でした~。

わたしが行ったときは普通に座れましたけど、こちらもそんなに広くないので
土日には行列ができるそうですし、
すごいときは閉店前にメニューが売り切れてしまうこともあるとか!
山田画伯と十二国記の人気もはや空高く渦巻きすぎて蝕起こすレベル。

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前期鑑賞後に注文した陽子カプチーノと、麒麟のための冷製粥と、楽俊の桃グラッセ☆
メニューひとつごとにコースターがもらえまして、わたしは3つ頼んだのでコンプリートできました!

楽俊の桃はあれですね、『月の影影の海』下巻で行き倒れになっていた陽子を助けた楽俊が
「酒につけた桃を砂糖で煮たのだ」って持ってきてくれる桃ですね^^
ほたほた歩く楽俊の姿を思い浮かべながらパクッと食べたらゼリー?ムース?が猛烈に甘くて
「甘っ!」って突っ込みそうになった。
どれくらいかというと、恭から御物を持ち出して柳で捕まりかけた祥瓊くらい甘かった。(意味不明)
桃はほどよい甘さでするするいただけて、
楽俊と陽子のコースター(写真左下)を添えたら月の影影の海ごっこができました。

お粥は、「麒麟のための」とついていますがなぜか鶏肉が入ってます。あれー?
食したファンの間では「蓬莱で肉食を強いられた泰台輔のお苦しみを追体験する」という
コンセプトになっているようです(泣笑)。
生姜が効いてておいしかった!

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陽子さんかっこよすうおおおお!!
個人的に十二国記でイケメンを挙げろと言われたら利広さまと陽子さんって答えます。
ちなみにわたしの中では十二国記におけるヒーロー:陽子と珠晶、オヤジ:尚隆、兄貴:六太、
姉御:琅燦、執事:冗祐というカテゴリになっています。ひどい。
景麒はヒロインかな…。楽俊は天使。(キリッ

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本日、後期展示を鑑賞した後で注文した景麒のケーキ(笑)。
マンゴー(麒麟の金髪をイメージしているらしい)が乗ってるレイヤーケーキでした~。
あまり甘くなくて食べやすかった(*´∀`*)。

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コラボカフェのテラスのテーブルにはこんな旗がひらひら☆
新潮社版の裏表紙に使われている絵です。写真は左が魔性の子で、右が丕緒の鳥。
他の文庫の裏表紙もあるよ!


山田画伯の十二国記画集は第二弾も計画中だそうです、待ち遠しい。
あと、時期は未発表ですが小野主上による原作の新作長編も新潮社から刊行予定とのことだし
まだまだあの世界が小説でも絵でも楽しめるんだなー生きねば!オラわくわくすっぞ!
(原作に関してはあまりに待ちすぎていつから待ってるかもわからなくなってますので
今後ものんびり待つつもりです。
はやく泰麒と戴の人々を何とかしてあげてください主上~)


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「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その4。3はこちら
2日後、宗達は出張のためお休みしていたお店(絵屋)を再開しました。
じっとしていないへんな生き物たちをつかまえた宗達と光悦の図。

宗達「こら、乾いてねえのに触んな」
光悦「すっかりなつかれてるな」
宗達「まいったなあ、納期遅れちまう。日暮れまで面倒みててくれねえか」
光悦「いいよ。そいや、こいつらなんて呼ぶ」
宗達「なんか風と雷っぽいから、フウとライ」
光悦「そのまんまだな」
宗達「うん」

というわけで、宗達と風雷と、ときどき光悦、の奇妙な共同生活が始まりました。

テーマ : イベント・サイン会
ジャンル : 小説・文学

ご先祖様わず。

お盆でした。
ゆさ家は本家なのですが、今年はなかなか切れ目なくお客さんがいらして
お茶とお菓子出したり果物切ったりしていたらいつの間にか1日が終わっていた感じでした。
それでも、ほとんどこの時期しか会わない親戚とかいるから話が弾む弾む、
1年って結構、話のネタたまるもんだなーと改めて思いました。
長いようで短い。短いようで長い。うむ。

合間にネサフをしていたら、お盆に夏野菜で作る送迎バスこと精霊馬のまとめを見つけまして
機動性に優れてたり空飛びそうだったりデザインが華やかだったりかわいかったりと
最近の精霊馬の進化っぷりマジパない。
落合博満氏のご子息福嗣氏がTwitterに投稿したお父様の力作写真がガチで笑えました。
(ちなみに福嗣氏は甲子園の中継を実況より博満氏の解説で見る方が面白いそうだ)

と、そんな感じであの馬作るお家って割と多いのかもしれないけど
うちの地域は作りません~。
なぜかというと、こちらが出向いて送り迎えをするから。
我が家のご先祖様お迎え・お送り方法は13日にお墓(徒歩3分)へ行ってお線香をつけ、
「はい皆さんこちらで~す」と提灯を灯してご先祖様を連れて帰り
盆棚にお線香をあげて「ごゆっくりお過ごしください」と部屋の電気を点けっぱなしにし(夜は消します)、
朝はごはん、お昼はうどん、夜はごはんとお茶をお供えしておもてなしして
16日に提灯をつけてご先祖様をお墓まで送って、お花とお米とお線香をあげて
提灯の火を消して帰宅する…という流れ。
わたしが生まれる前から変わらずこんな感じだそうです。
変えた点といえば、前は藁とか麻幹に火をつけて煙とともにご先祖様を送り迎えしたけど
今は提灯に変えたところかな。

というわけで、精霊馬は暇なら作るけど作らなくても別に大丈夫という感じです。
なので子どもの頃は見たことがなかったから
友達の家で初めて見たとき「えっなにこれ面白い!」って思った覚えがあります。
あれが置いてあるお家はちょっとした憧れでした。


今日は雨が降ったり止んだりのはっきりしないお天気で、午後はほとんど大雨でした。
お昼過ぎに雨が降り出していっとき止んだ隙を見計らって盆送りに行ったのですが
ご先祖様をお墓まで送り届けた帰りにふと地元の山を見上げたら
山の間から霧というか靄というか湯気というか雲というか(どれやねん)水蒸気がモクモク出ていて
空もねずみ色でちょっと水墨画っぽい雰囲気でした。
父に「絵にしてみたら」と言われましたがまだ再現できる自信がないので、そのうちに。

彼岸の向こうの皆様、また来年まで、うちの先祖をどうぞよろしくお願いいたします。


そんな本日のにゃんこたちをパチパチ。
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雨が降ったり止んだりするのでお外に出られないから新聞でも読むしかない。
(実際はインクの匂いをかいでるだけです)

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でもやっぱりお外に行きたい。

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行きたい。出たい。でも肉球の力じゃこの窓は開かない。

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「ねえ、ここ開けて」のツーショット。

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♪外へ~行くの~外へ行くのよ~
外へ~行くの~外に行きたいの~
な~に~も~怖く~な~い~ 雨よ降れ~ 少しも寒くないわ
(アナ雪、DVD出たしいつ観ようかなァ)

夕方には雨があがりましたので、めでたくお外に出て庭を走り回ったにゃんこたちでした。
当然、足をドロドロにして帰って来たのでお風呂直行でしたけど。


すやすや。※クリックで大きくなります
「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その3。2はこちら
光悦が帰って、夜の俵屋。
寝るかなあ…と着物を用意すると、いそいそとくるまってぐっすりの生きものたち。

宗達「(寝るんだ…)」

一応、食べて寝る生き物ではあるようです。
宗達は、まだ仕事が残っているので夜なべ。

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テーマ : 猫のいる生活
ジャンル : ペット

夏の季語。

青々。
歌舞伎座で納涼歌舞伎夜の部「勢獅子」「怪談乳房榎」を見てきました☆

4月に歌舞伎座に復帰された坂東三津五郎さんが今月も出演されるので拝見したかったのと、
去年の7月に四谷怪談を見ましてすっかり歌舞伎の怪談にハマってしまったのとで
「三津五郎さん~怪談~Fuuu!!」ってチケット取りました。
贔屓の役者さんが出るならたとえ銀座の夜の街だろうと演目が苦手な怖い話ものだろうと
なりふり構わず乗り込むのがファンの使命というものですからね!gkbr←
東銀座駅から直結の木挽町広場も青いのぼりとアサガオの夏仕様でどことなくひんやりした感じ。

真ん中!
今回取った席がいざ座ったらほぼ舞台の正面だった件!おかげで舞台がよく見渡せた件!
花道は遠くなりにけり。

夜の部は2演目ありまして、まずは「勢獅子」。
日枝神社の山王祭で賑わう江戸の町で、
鳶職や芸者たちが飲めや歌えとドンチャカ騒ぎを織り成す賑やかな舞踊劇です。
(そういえば歌舞伎における「どんちゃん」は宴会ではなく合戦の音楽であると
イヤホンガイドさんに教えていただきました。いつも勉強になります!)
定式幕がさーっと開いて浅黄幕が切って落とされると、
桜も満開のお祭仕様のお茶屋さんをバックに鳶職と手古舞たちがズラリ!の華やかな幕開け☆
この浅黄幕が落ちる演出って誰が考え出したんだろう、すっごい好きだ~~(^▽^)

鳶頭の三津五郎さんと橋之助さんの舞がすてきでした☆
三津五郎さんは4月以来の歌舞伎座出演で今月から本格復帰ということですが、
4月よりぐっと踊りもセリフも力がこもって指先ひとつひとつまで神経が行き届いてるのがわかるし
力を入れる部分は入れるけど抜くところはいい具合に抜けていて、
扇子を使うときも手で扇子を動かすのではなく
扇子の重力をうまく利用してすすいっと舞っておられるのが伝わってきて惚れ惚れ!
うああ三津五郎さんが、三津五郎さんが本格的に帰って来たーーうわあああ!って
周りに誰もいなかったら叫んでた。きっと。
橋之助さんは、いつも思うのですが両手を広げるとすごく大柄な印象で
背も高くていらっしゃるからおとなしい踊りでも派手に見えるふしぎ。
着物も大きいから袖がバサバサして距離が近かったら風が吹いてくるんじゃないかと思いました。
おふたりで赤煉瓦模様の着物に着替えて手をダウジングのように突き出して
体をくねくねさせる「ボウフラ踊り」がおもしろかったです(笑)。

手古舞と鳶者たちの踊りはきらきらしくて美しいです☆
鳶者は若手役者さんが多くて、鉢巻きを締めてきびきび飛んだり跳ねたりして
後半で獅子と一緒に踊ってクルッと獅子に転がされたりする。かわいい。
手古舞は女物のメイクにたっつけ袴姿という、男性が女性に化けてさらに男装したというもので
踊りも魅力と色気があってよいわあ。
芸者の踊りは扇雀さんと七之助!
特にピンで踊る七之助の芸者うおおお!かわいすぎて叫びながら倒れそうになった。

後半には獅子舞が出てきまして、頭が巳之助で後ろが勘九郎という若手花形コンビ。
獅子の動きが実に愛くるしくて、
巳之助の操る頭が勘九郎の足をなめなめしたり、体ひねって毛づくろいのポーズしたり
大あくびして体をたたんで眠ってしまったり、でも耳はピコピコ動かしたりとめっちゃかわいい。
お獅子だもんねライオンだもんねネコ科だもんね!!hshs
鶴松くんの手古舞が扇子を片手に2つ持って蝶々のようにひらひらさせてみせると
ゆるゆる目を覚まして猫みたいにぐ~~~って伸びして起き上がって
手古舞たちの扇子の蝶々と一緒にシャンシャンと踊りだすのがかわいくてかわいくて
しかも頭を操る巳之助も重たくて大変だしずっと腰曲げてる勘九郎も大変だなーって相乗効果で
客席から駆けて行ってぎゅーってしたかった!
やがて獅子の頭を脱いだ巳之助がおかめ、勘九郎がひょっとこのお面をつけてかっこよく見得を切ったら
後ろに座ってた彌十郎さんと扇雀さんがパチパチって軽く拍手されてた!
いつもなさってるのかわからないんですけどあれは感動。ベテランさんたち大好きです(^^)。

最後に鳶頭・鳶者・芸者・手古舞の全員で扇子を広げて決めポーズ。拍手喝采vvv
優雅で粋でユーモアのある華やかな舞踊劇でした。


おいしい。
今回のお弁当。久し振りに幕の内弁当をいただきました。
紫蘇のふりかけがかけてあるごはんおいしかったです☆


続いては、「怪談乳房榎」。
落語家の初代三遊亭圓朝が創作した怪談噺を歌舞伎にアレンジしたものです。
今回主演の勘九郎が、一昨年亡くなった勘三郎さんから教わって勘九郎襲名公演で披露し、
先月のニューヨークの中村座公演でも大盛況だった演目で、演じる役者もほぼNY公演のままとか。
辛口で知られるニューヨークタイムズの劇評が「顎が外れるほど素晴らしい」と絶賛したらしくて
ああもう中村屋ったら何をどんだけやったんだ!と興味津々だったのと
そんなにすごいならぜひ舞台を見てびっくりしたいと思ったので
あえて事前にストーリーや仕掛け等の情報はいっさいチェックせずに行きました。
結果的にそうして本当によかった。たくさんびっくりできたので(´∀`)。

ストーリーは長いうえに色々と複雑ですので例によってリンクを貼っておきます→こちら
絵師菱川重信の妻お関に一目ぼれしてしまった浪人の磯貝浪江が、重信に弟子入りして
下男の正助とうわばみ三次の手を借りて重信を殺害してしまいますが
重信は未完成の絵を完成させるために幽霊に化けて出てくる…までが前半のストーリー。
チンピラにからまれている重信の妻お関たんを磯貝浪江が助けるシーンから始まるのですが
七之助マジ楚々とした美人でしてな!
重信が元武士という設定のためかお関も凛とした人物造形なのでしょう、
落ち着いた色と柄の着物に背筋をすっと伸ばして、でも物腰はやわらかくて色気と気品がありました。
こりゃ浪江じゃなくても惚れっちまう。
浪江を演じる獅童はかっこいいながらも胡散臭さがあって悪役っぽさ満々、
隈取がいつもより濃くてそこも胡散臭いなあと思いました。たぶん役としては大成功ではないかと。

重信に弟子入りした浪江、重信がお寺の天井画を描く仕事で出張してる間に
下男の正助にお金を渡して盃を交わし、義兄弟の契りを結んで重信殺しを手伝わせようとするのですが
勘九郎兄さんの正助たんぐうかわ、
お人好しで人を疑うことを知らず着物がやぼったくて完全に不意打ちくらいました。萌えキャラ決定。
言葉足らずながらも一生懸命しゃべって重信先生のことすごく尊敬してるのが伝わってくるし
こんな純朴な下男にひどいことさせる獅童テメーはだめだ!ってなる←まんまとハマっている
浪江にすすめられるままにお酒ごくごく飲んじゃって「too much 酒」ってゲップしてて大爆笑でした。
(ニューヨーク公演の名残だと思うのですが、ちょくちょく英語のセリフがあって吹き出しちゃいます)
でもその後に重信殺害を命じられて蒼白になっちゃう演技が
いつだったかテレビでやってた髪結新三のクライマックスの勘三郎さんにそっくりでした…。
お兄さんそうやってすぐお父様みたいになるのやめてください。涙腺がもげる。

それにしても菱川重信・下男の正助・うわばみ三次の3役をつとめている勘九郎の早変わりは
芸術的すぎます。
去年の四谷怪談でも、菊之助さんが3役を早変わりしていましたけど
今回お兄さんはそれを上回るスピードと回数で変身しまくって大奮闘でした。
たとえば、

・奈落への階段を降りていく三次→奈落から上がってくる正助。わずか数秒
・舞台から逃げる正助→舞台へ走ってくる三次。くるりと交差し一瞬で
・幽霊の重信が絵の龍に目を入れて完成させて消える→1分後に正助が登場
・三次が正助を殺そうとする小屋と滝壺のシーン。三次と正助を何度も入れ替わりながら立ち回り
・滝壺で重信の幽霊が登場するシーン。正助→重信、重信→正助へ一瞬で

お兄さん変わりすぎー!
幽霊の重信が奈落に消えるとすぐ「ぎぃゃあああああ」って正助が悲鳴あげるし
三次と正助のバトルで正助が「ひゃあああ」って叫んだと思うと三次が「オラアアアア」って追いかけるし
もう舞台の上が勘九郎だらけで、途中からどれが勘九郎かわからなくなって
頭が大混乱でしたよ。
というか、なにしろ3役なので芝居がほぼ勘九郎で構築されている件。
役者名だけであらすじを書くと、獅童が七之助に惚れて勘九郎を手なずけて勘九郎の手を借りて
勘九郎を殺して、それを勘九郎が語るという何ともややこしい設定なわけで(笑)。
(やばい勘九郎言いすぎてゲシュタルト崩壊してきた)

階段ですれ違う早変わりの前に、座敷で浪江と飲んでいた三次が
奥からの「浪江さん~正助さんが来ましたよ」との女中さんの声を聞いて
目を白黒させていたのがおかしかった(笑)。
まるで「正助?おれ?おれが来たの?」て勘九郎の素が見えたみたいな表情だったんです。
ああいう、芝居なのか現実なのか一瞬わからなくなる演出だいすき、たまらない☆
その後、奈落への階段を降りながら三次が「あ、おれが先に降りるのか、わかったよ」って
ニヒルに下に声かけて(たぶん下から登ってくる正助を迎える演技なんだと思う)、
三次が奈落に消えてものの数秒で正助に早変わりした勘九郎が階段を登ってくると
「いやーこんにちはァ!」ってとても明るくはっちゃけた声で
まったく別のキャラクターになってて「おーっ!」って客席が歓声をあげてた。
というかこれ演じ分け大変だよなあ…。
ご本人も「早変わりショーになるなと言われた」とインタビューでおっしゃってるけど
そうだよね、「勘九郎」じゃなくて重信であり正助であり三次でなくてはならないわけで
重信は気品があり武士っぽく、正助は素直でちょっと頼りなく、
三次は欲望むきだしの悪党っぽくなくちゃいけなくて
それを頭こんがらからずに演じられる役者さんはやっぱりすごいと思います!
わたしなら「あれ、今わたしどっちの役だっけ」ってなる自信ある。(なくていい)

一番すごいと思った早変わりは重信が殺害され正助が悲鳴を上げて逃げるシーンで
灰色の着物にゴザを被った勘九郎がヒャーヒャーわめきながら(これがお父様そっくりの声…)、
舞台から花道へ走っていくと
花道からも白い着物に傘をかぶった人が登場して舞台に向けて走ってくる。
2人が花道の真ん中で出会いがしらにくるくるっと交差して
ひゅっと灰色の着物が揚幕へ引っ込んでいき、白い着物に傘の人が舞台へ走って行って
くるりと傘(なかむらやって書いてある)を回して客席に顔をさらすと勘九郎になってて
客席がワーッと歓声あげて大拍手!
え、え、あの一瞬で着物もカツラもどうやって変えたの、すげー!って巻き戻ししたくなった。
わたしの説明だとわかりにくいと思いますので百聞は一見に如かず、動画をご覧ください。→こちら
1分12秒くらいから花道の早変わりが始まります。ほんとに一瞬です。お見逃しなく。

幕間には、これまた珍しく4人の役者さんたちによる演目説明がありまして、
ニューヨーク公演の演出として追加されたものなのでセリフがほとんど英語だった!
で、途中で気が付いたように「ここ、Japan!日本!」って日本語になったりするんだけど(笑)。
一番最後に出てきた役者さんなんてスマホいじってましたよ、ブログ書いてる海老蔵みたい(笑)。
大詰め前には「次の場面では本物の水を使いますよ~。
役者が水かけっこしますので前の方の席に結構景気よくばしゃばしゃきますよ~」とか
やけにノリノリであおりながらアナウンスをしてくれて、
お蔭でビニールシートが配布された最前列~3列目くらいまでのお客さんたちは
水の場面がきたとき慌てず騒がずビニールを構えて防御していたのが
後ろから見ていておもしろかったです^^
わたしは全然水が来ない席に座っていたのですが、
前列でも水が盛大にかかるエリアとそうでもないエリアがあるらしく
観終えた人によっては濡れていたりそうでなかったりしました。
ニューヨークで上演されたときは、水をかぶるのも醍醐味のうちといいますか
わざわざ豪快に水を被る席に座ったお客さんもいるらしいですけども。

大詰め。
舞台上手に大きな滝壺がセッティングされ、上から本物の水がザーザー流れ落ちています。
もうこの時点で何が起こるかだいたい想像つくよね(笑)。
重信の子を滝壺に落としてこいと浪江から命じられた正助が
花道から追いかけてきた三次に殺されそうになって逃げ惑います。
このバトル、さっきもちらっと言いましたけど勘九郎vs勘九郎です(笑)。
勘九郎が正助になってる間は別の役者さんが三次を(顔が見えないように腕とかで隠しながら)演じ、
勘九郎が三次になると別の役者さんが正助になるという、猛スピードでの入れ替わり演技で
早変わりする勘九郎もすごいけどそれに付き合える相手の役者さんも相当すごいと思うし
ものすごい練習量も感じられてしびれました。
というかこの死闘すごすぎてびっくりしてひたすら笑いまくり&感心しまくりでした!
やってるお兄さんと相手役者さんが舞台セットを隅から隅まで走り回って
水に入っても早変わりしながら水かけっこして早変わりして笑い取って早変わりして刀振り上げて叫んで
早変わりして笑い取って叫んでの繰り返しなのですよ。
すごいよ本当2人ともなんでこんなことできるの!!
クライマックスで滝壺に追い詰められて叩きつけられるような水を浴びながら
見得を切る三次がグワーッて目をむいてマジかっこいい!→こちら
こんなびしょ濡れになった後で髪サラッサラの重信の幽霊になったりするんだぜ…。
(でも顔とか微妙に濡れてて「あっ」て思いました)
正助がどうしてもできなくて泣きだしそうになりながらも思い切って赤ちゃんを滝壺に放り込むと、
滝の水がザーッてモーセの十戒みたいに割れて赤ちゃんを抱いた重信の幽霊が登場するのですが
しつこいようですが両方とも勘九郎です(;´∀`)。
重信が正面向いてしゃべってるときは別の役者さんが正助になって観客に背を向けてます。
うっすら紫色に輝く照明がとにかくかっこよかった。
奇跡的に生きていた赤ちゃんを託された正助が「よしこの子を立派に育てるぞ!」と決意して
花道から退場して幕切れ~。

ラストに勘九郎扮する圓朝がずずいっと登場、重信の子と正助のその後を落語形式で語ってくれます。
(3時間演技と早変わりで汗びっしょりなのでしょう、額を手ぬぐいで拭いてるのおもしろかった)
赤ちゃんを抱いた正助は松月院というお寺に逃げ込み、
その境内にあった乳房の形をしたコブのある榎からしたたる甘い雫を乳代わりにして子どもを育てあげ、
やがて5歳になった子と2人で浪江を討って重信の仇を取ったとのことです。
ここでようやくタイトルが活きてくるんですねえ。
圓朝の背景にでかでかと星条旗がぶら下がってて
ビルと自由の女神と「三遊亭円朝さん江」「紐育支局より」とかわざわざ書いてあるの笑っちゃいました。
どこまでも笑いを取りにくる中村屋の精神に脱帽。

あー面白かった!
幽霊が出てくるから確かに怪談なのですけど全然怖くなくて
むしろ笑ったり歓声上げたり濡れたりして怪談エンタテイメントって感じでした。
勘九郎兄さんのエネルギーと勘三郎さんの芝居精神が随所に感じられましたね。
よく映画のラストシーンとかで、亡くなった登場人物に主人公が「ずっと見ていてくれ」とか言って
カメラがそのまま青空にPANすると空をバックに半透明の人物が笑顔で浮かび上がる演出ありますけど
今回も勘三郎さんがそんな風にニッコリ笑って見守ってくれている…感じは全然しなくて
むしろ「おれにも演らせろ!!」ってお空の上でのたうち回るお姿が手に見て取れる気がした。

あと、怪談でも笑いのシーンがあるのが歌舞伎のいいところ~。
今回も、茶屋の女将お菊に扮した小山三さんにお七の扮するお関が
「まあーお菊さん、いつもお若くて結構ですねえ」と声をかけてて客席大爆笑だった^^
四谷怪談のときも思ったけど小山三さんはいけしゃあしゃあとした女性を演じさせたら天下一品ですな。
(追記:小山三さんの94回目のバースデーだった8/20は、
七之助が「おまえさん今日はお誕生日だってねえ」とアドリブを出して
小山三さんも「まあ、サプライズですよう」と返して客席から大拍手が湧いたそうです。
どうぞいつまでもお元気でね^^)

そういえば三遊亭圓朝という人は幽霊画のコレクターでもあったらしく、
彼のお墓のある谷中の全生庵では毎年8月、虫干しも兼ねてコレクションを公開しているそうで
(圓朝の命日は8月11日)、今年も開催されています。→こちら
(圓朝の怪談噺を演じつづけている桂歌丸さんは今年も師匠のお墓参りをなさったのだろうか…)
この時期は各地の美術館や博物館でも妖怪ものや怪談ものの展示が行われていて
ほんとこの手の話題に事欠かないなー。
モノノ怪のDVDが見たい。

 「耳しいて聞きさだめけり露の音」 (三遊亭圓朝辞世)


sotatsu2.jpg※クリックで大きくなります
「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その2。1はこちら
首をかしげる宗達と光悦をよそに、キャッキャと宗達の家に入ってきてしまったへんな生きものたち。
お腹が減ってるかなあと宗達がお粥を用意するとニコニコしながらもりもり食べます。

宗達・光悦「(食うんだ…)」

ひさびさに2人でお酒でも飲むはずだったのがそれどころではなくなってしまいました。。
さて、次は何をしましょう(長くつ下のピッピ風に)。続きます。

テーマ : 歌舞伎
ジャンル : 学問・文化・芸術

イラストコンペ入賞♪

※期間限定トップ記事。最新記事はこの下です↓

nyusho1.jpg
先日まで熊谷市のアルス画房で開催されていた「第24回コミックイラストコンペ」が終了しまして
現在、お店で入賞作品展が開かれていますので行ってきました~。

入賞作品一覧ページ→こちら。さすがに受賞しただけあって力作が揃っています。

で、本題。
このたびゆさの絵が2年ぶりに賞をいただきましたヤッホイ!
nyusho2.jpg
じゃん!
アルス賞(アルスの店員さんが全部門を対象に選ぶ賞)をいただきました٩(ˊᗜˋ*)و
ありがとうございますありがとうございます!!
うほほほアルス賞ってキャプションついてるうほほほ(賞をもらい慣れてないので珍獣化)

実は2年前にも同じ賞をいただきまして光栄ですうれしいです感激です( ;∀;)。
アルスの店員さんはお店行くといつも「こんにちはー」って挨拶してくださるし
ナチュラルにゆささんて呼んでいただいてなんというかもう、ひたすら恐縮しまくりです。
コンペも色々試行錯誤しながら毎年企画していらっしゃるのでわたしもできる限り参加していきたい。
冬のポスカ展も出したいーなー。

というわけで引き続きアルス画房に出展中です☆
1ヶ月ほど展示していただきます~どうぞよろしくお願いいたします。

【アルス画房】 HP→<http://arsgabou.com/
埼玉県熊谷市鎌倉町152
10:00~19:00 毎週水曜日定休
入賞イラスト展示期間:2014/8/10(日)~9/7(日)

お店へのアクセス:こちら
JR熊谷駅から徒歩7分
駅北口のロータリーを左方向へ、線路に平行して歩いてください。一方通行出口右角。

まだまだ熊谷は熱いですよ!
お近くの方や興味のある方、お時間がございましたらぜひお越しください♪
ヽ(*^∀^*)ノ

テーマ : イラスト
ジャンル : 学問・文化・芸術

琳派のおはなし。

アルス画房さんのイラストコンペが終了いたしました~。
見てくださった方、応援してくださった方、どうもありがとうございました☆


そして、本日から俵屋宗達ほか琳派の人々を中心とした
「風神雷神図屏風Rinne(りんね)」の連載を始めます☆
予告してからかなり時間が経ってしまいました、お恥ずかしい。

そんなわけでまず登場人物紹介です。
rinpa.jpg※クリックで大きくなります
琳派と呼ばれる人々。
江戸時代初期の京都で俵屋宗達&本阿弥光悦が、中期に尾形光琳&乾山きょうだいが、
後期の江戸で酒井抱一&鈴木其一がそれぞれ活動しており
彼らの系譜は光琳の「琳(光り輝く玉の意)」を取って琳派と呼ばれています。

おもしろいのは彼らが師弟ではなく私淑(直接教えを受けなくても手本として学び師と仰ぐこと)で
繋がっていることですかね~。
宗達が描いた絵を約70~80年後に光琳が学んで大成させ、
さらに約80~90年後に光琳の絵に惚れ込んだ抱一が江戸でその絵を広めたことが
彼らをひとつの系譜として語るものになっているようです。
宗達と光琳に面識はありませんし、光琳と抱一にもありません。
ただ絵を通して過去の人と対話し、過去の人の絵を学び自分なりに発展させて独自の表現をつくる。
でも先達をリスペクトしまくってるから作品を並べてみると何となく似通っている部分もあったりする。
そこがとても面白いなあと思っています( ̄ー ̄)。


まずは、今から約400年前の安土桃山~江戸時代初期に活躍した絵師・俵屋宗達の周辺を
ゆさの想像(という名の妄想)で、短期ですが描いていきたいと思います。
その後は光琳&乾山、抱一&其一をそれぞれ描きます。
例によって事件らしい事件はなく、人の形をした人でないものも出るフリーダムストーリーですが
どうぞゆるゆるとお付き合いください☆
(どうしてもダメな方いらっしゃると思います。ごめんなさい)

※このお話に出てくるのは、日本史上に実在した人々です。
 史実に沿って描いていきますが、大部分はゆさの創作であることをあらかじめお断りしておきます。


sotatsu1.jpg※クリックで大きくなります
「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その1。
1602年5月、関ケ原の合戦から2年後の京都は上京小川通。
福島正則が中心となってすすめた平家納経の修復作業を終えて京都に帰って来た宗達、
買い物に来ていた光悦とばったり出くわしました。

光悦「あ、おかえりー!どうだった」
宗達「どうって?」
光悦「平家納経。見たんだろ、本物」
宗達「見たよ。絵がおもしろくて紙がきれいだった」
光悦「それだけ?」
宗達「うん」
光悦「ふーん………」
宗達「…」
光悦「…」
宗達「どした」
光悦「いや、頭の」
宗達「?」
光悦「頭のそれ、なに」
宗達「…………え…………?」

どこかでいつの間にか変な生きものたちを頭にくっつけてきたらしいことに
まったく気がつかなかった宗達(笑)。
好き勝手に飛び回っていますがさて何者なのでしょう…。続きます。

テーマ : 絵画・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

In this world there is a circle of magic that cannot be seen.

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江戸東京博物館の「思い出のマーニー×種田陽平展」に行ってきました!
4年前のアリエッティ展と同じく、種田陽平氏がマーニーの映画の世界を
巨大な実写セットさながらに作り上げた立体展示と
映画に使われたスケッチや設定画、背景画などが展示されて
マーニーの世界を見て体験できる2度おいしい展覧会です。
映画の世界に入れる展示って登場人物がどこにいたかを実感できるから大好き☆
ロケ地とか撮影に使われた建物とかをお出かけの途中で余裕があったら見学するくらいには
ミーハーなのです(笑)。

湿っ地屋敷のジオラマがとってもよかったです!
広い湖と、水の向こうに建つ大きなお屋敷と、背後の大きな木々。雰囲気ありまくりでした。
湖にはボートをこぐ杏奈の人形、お屋敷の窓の中には湖を見つめるマーニーの人形がいて
照明が朝日→お昼→夕方→夜と数分ごとに変化していくのもすてきでした。
そのまま使えそうなお屋敷の設計図(しかも100年前っぽいフォントで書いてある)もあったし、
向かいに展示されている杏奈が描いたスケッチや背景画を見ながらジオラマの後ろに回ると
ちゃんとお屋敷の正面まで見られるよ!穴からのぞきながらだけど!いやはや感動。
杏奈とマーニーが3つずつ質問しあう漁師小屋のジオラマがボロの掘っ建て小屋感満載で
草木もリアルで「触らないでね」って書いてあるけど触りたくなる完成度。
岸辺に寄せられているボートの上にはピクニックの支度までしてあるよ…!
背伸びしながら小屋の窓をがんばって覗くとろうそくに照らされたマーニーが見えます。
杏奈とマーニーがきのこ狩りに出かけた森のジオラマは緑がいっぱいで
風に葉っぱがこすれる音とか鳥の声もして、丸太橋を渡るマーニーが投映されてました。

中に入れる展示もありましたよ~サイロとマーニーの部屋!
サイロは暗いし足元じめじめしてるしゴオ~ガシャーン!って風と雷の音がして怖いですけど、
マーニーの部屋に入れたのはすごくうれしかった☆
マーニーがばあやに髪をとかされてる映像が映ってる青い窓を見てから
ぐるっと回ってお部屋に入るのですが、
家具も小物も揃ってるし本棚には赤毛のアンやクリスマス・キャロルやシャーロックホームズがあるし
マーニーの日記の6月7日のページが開かれてるし!
いつマーニーがここへ来ても住めるよってレベルの完成度だった。
(そしてきっとわたしはベッドのシーツを頭から被せられてドアに鍵をかけて閉じ込められてしまうに違いない)
あと久子さんのキャンバスも展示されてて、キャプションに原画:吉田昇ってあった!
ポニョの美術監督を務められたとき炸裂させてた不思議な色合いの湿っ地屋敷の鮮やかさ、
吉田氏ハスハス。


それから、わたしが行った日は映画の主題歌を歌ったプリシラ・アーンさんと
映画の音楽を担当した村松崇継さんのミニコンサートも開催されましたので聴いてきました♪
白いワンピース姿にギターとハーモニカ装備のプリシラさんと、スーツをびしっときめた村松さんが
すてきでしたよ!
司会はジブリの宣伝といえばこの方、依田さん。軽快で愉快な進行でした。
プログラムは以下です。

1.This Old House(展覧会のメインテーマ)
2.Dream(プリシラさんのソロ)
3.Deep Inside My Heart(プリシラさんのソロ。米林さんのメモを見て作った曲だそう)
4.ひこうき雲(プリシラさんのソロ。日本語で歌ってた!)
5.杏奈(村松さんのピアノソロ。映画のメインテーマ)
6.マーニー(村松さんのピアノソロ。杏奈とマーニーが月夜の湿地でボートに乗る時の音楽)
7.I Am Not Alone
8.Fine On The Outside(映画主題歌)
アンコールは「やさしさに包まれたなら」を日本語で歌ってくださいました。

プリシラさんのウィスパーヴォイスは生で聴くといっそうきれいでうっとり聴き惚れました。
曲が終わるとかならず「ありがとうございました」って日本語で言ってくださったり
映画の宣伝ツアーで日本のあっちこっちを回っていてすごく楽しい、
楽しいから終わってほしくない、広島で食べたつけ麺がとてもおいしかった、
マーニーの映画は映像も何もかもが美しい、自分の歌が最後に流れた時はうれしかった!と
たくさんトークもしてくれました。
村松さんも「プリシラとは音楽の波長がとても合います」とニコニコおっしゃられて
おふたりとも共演を楽しんでおられるのがよかったですね。
ちなみに村松さんはジブリの映画で久石譲さんの音楽を聴いて作曲家になりたいと決心して
久石さんと同じ大学の同じ学科を卒業したらしいです!
(前に依田さんが久石さんにそれを伝えたところ「あ、そう…」とびっくりされたご様子だったとか)

運よく最前列の席で聴けたのですが、コンサートが終わる前に
わたしの後ろに座っていた麻呂さんこと米林監督がスッと立ち上がってステージに上がって
プリシラさんと村松さんに大きな花束を贈呈されて盛り上がりました☆
米林さん、依田さんに話ふられてもスラスラ応えられるまでに取材慣れされてた…おおお…!
種田陽平氏と西村プロデューサーもいらしてて思いっきり目で追ってしまいました、
だって背高くてかっこよかったから…ごめんなさい(;´∀`)。

生演奏っていいな~♪


anamarnie.jpg※クリックで大きくなります
展覧会でもらったスケッチブックに、杏奈とマーニーを杏奈のスケッチ風に描いてみました。
浴衣着てる杏奈すごくかわいかったなあ。


というわけで前置きが長くなりましたけども、映画も見てまいりましたので感想書きます。
以下、いつものように長い&ネタバレしまくりですのでお時間のない方・未見の方ご注意ください。
大丈夫な方はクリックしていってみよー↓

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テーマ : スタジオジブリ作品
ジャンル : 映画

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ゆさ

Author:ゆさ
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歴史やアートも溺愛中
*twitterにも出没なう。→こちら

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