先日の3連休は、ブロとものあやのさんと一緒に
東京都美術館の「メトロポリタン美術館古代エジプト展 女王と女神」展に行ってきました。
古代エジプトに君臨した女性のファラオや、信仰された女神たち、
男性ファラオの妻である王妃やその娘たちに焦点を当てた展覧会です。
テーマに興味があっただけで事前に何も調べずに行ったので
特に「これが見たい」というのはなかったのですけども、
蓋を開けたらハトシェプスト王の像や身の回りの品々、王妃たちの肖像画や衣装やアクセサリー、
女神たちをかたどった像や建築装飾など女性に関する展示品てんこ盛り!
しかもほとんどが日本初公開なんだそうな~すばらしい~行って良かった^^
展覧会のメインになっているのはハトシェプスト王に関する展示。
ハトシェプスト王はなんでも貿易による利益で国を繁栄させた方だそうで、
この方の後を継いだトトメス3世の頃にエジプトの領土が史上最大になったらしい。すごい。
「ひざまずく女王像」があごに付け髭をして頭巾をかぶった男性の姿として作られていたり
王の顔をしたスフィンクスもやはり頭巾と髭をつけているのは
(ハトシェプスト王本人が望んだのかどうかは不明ですけど)、
当時の権力のあり方を色濃く表していますな…いやはや。
「女王像の頭部」には髭はありませんが、頭巾をかぶりおだやかで凛としたそのお顔は
宝塚歌劇団のトップスターのようにかっこよかったです!あれは見とれる。
王の即位名であるマアトカーラーのヒエログリフが刻まれたスカラベがすごくかわいい、
スカラベが心臓のお守りだというのは
2年前のエジプト展で学びましたけども
今回もスカラベがたくさん展示されていて、
大きかったり小さかったり手が込んでいたり単純化されてたり、色も形も素材もデザインも様々で
こんなに生産されるほど身近なものだったんだなあと。
でもやっぱり王様のためのスカラベは凍石やラピスラズリなどの宝石で作られていて
極上の一品だなと思いました。
つづいて、女性の神様たち。
愛と美の象徴であるハトホル神がモデルといわれる「牛の女神像の頭部」が
つるりとした牛のお顔がとっても穏やかで目がやさしい~。
ハトホルさんは2本の角の間に太陽に見立てた円盤を乗せていることから
太陽神ラーとも関係があるそうな。
「セクメト神の像」はライオンの顔をした神様が腰かけたポーズで
腕がちょっと欠けてしまっているのですが、神聖性はちっとも失われてないように見えました。
病気や暴力の象徴である一方、穏やかで癒しをもたらす神様でもあるそうで
そういう二面性も面白いと思います。
「バステト神の小像」は猫の顔をしています!そうです猫です!猫なんです!(落ち着け)
このお顔がしゃべると思うとテンションあがらずにいられなくて
大はしゃぎしました~だってアニメ映画「銀河鉄道の夜」のようではありませんか☆
猫がエジプトで大切にされてきたのは知ってますけども
こうして実物を見るとより感動が増します。
女神たちに限らず、エジプトの神様はハヤブサ(ラー)とかジャッカル(アヌビス)とかトキ(トト)とか
動物の顔をして体は人間と同じ、というデザインが多いのですが
これは動物の姿で神様の性質をあらわし、人の体で親しみを感じさせる狙いがあったらしい。
古代エジプトで暮らした人々の生活道具の展示も。
大工道具や食器、化粧品や楽器、お守り、ゲーム盤などを見ていると
現在も使われている道具と形がほとんど変わってないものもあって(ピンセットとかそのまんまだった)、
暮らしの基本て大昔から変化してないんだな~たぶんそれが合理的なんだろうなあと思いました。
ハトホル神の顔がついた鏡は、今みたいにはっきり映る鏡ではなく石の表面を磨いてぴかぴかにしてて
日本の三角縁神獣鏡と似たようなものかもしれません。
シストラムという楽器の正面に立ったら、天井のスピーカーからかすかに金属音のメロディが流れてて
「再現された音です」とキャプションにありました。4000年前の音楽…胸熱…!!
(シストラムの音色はハトホルが沼に出現するときのパピルスの繁みが揺れるときの音なのだとか)
呪術のための壺、カバ・ワニ・牛・人間の女性が組み合わさったデザインで
(あやのさんが「いいとこ取りの人」って言ってて大笑いした)、
なんか歯をむき出しにしてニヒヒと笑ってるような顔で、しかも結構かわいい!
だが使われるのは呪術である。だがかわいい。うむ。
ミュージアムショップにこの人の携帯ストラップが売っててうっかり買いそうになりました。
(というか今回のショップ、この人とハトシェプストとカバグッズで埋め尽くされていた気がする…笑)
カバの小像、カバがこの時代からいるというだけでもびっくりなのに
「カバは浮き沈みすることから再生の象徴とされた」とキャプションにあって再度びっくり。
動物のすること何でもめでたくしちゃうエジプト人すばらしすぎー!
そしてエジプトといえば豪華なアクセサリーですよ!
王様の冠や腰帯、首飾りや指輪やブレスレットがたくさん展示されてて
どれも金色に光り輝いていました。
共通するのは、必ず動物や植物のモチーフが使われているということ。
帯には魚(エネルギーの象徴)、冠にガゼル(王国の特徴)、ブレスレットに山猫(ラーと戦った猫)など
どれもリアルで精巧な作りで、当時の職人さんの仕事ぶりに感動しました。
きっと動物や植物を観察しまくって制作したんだろうなあ、ご苦労がしのばれる。
イヤリングも金で作られててずっしり感満載。いや、重いだろ、耳…(;´∀`)。
で、最後にやっぱりありましたね、来世への信仰コーナー。
ミイラ造りに欠かせないカノポス容器(内蔵を入れる)や呪術器具(口開けの儀式で使う)、
お守りのスカラベやイシスの絵など死後の世界へ生まれ変わるためのグッズがいくつか。
「アメン・ラーの歌い手ヘネトタウィの人型内棺とミイラ板」は2メートル近くある大きな棺で
まあミイラ以外にカノポスとかパピルスとか色々入れるとしても、
棺に入るヘネトタウィの身長を想像して遠い目になりました。古代人すごい、モデル並み…。
棺の側面には絵がびっしり描かれて(死者の書でしょうか)、
これそのものがすでにミイラを守る呪術的な役割を果たすものになっているっていう。
側に展示されていたマンハタの心臓護符も、ハゲワシの胸飾りも、ハヤブサの飾りがついた襟飾りも
すべてミイラを守るためのお守りだそうです。
びっくりしたのが金製の指サック!
棺に一緒におさめることで、死者が来世への旅路で暗い道を行くことがあっても
この指サックをはめて道を照らせば問題なく歩けるらしい(笑)。
光る指なにそれ!エジプト人始まってるなあ。
そんな感じで見るものすべてがおもしろくて、気づいたら2時間近くいました。。
洋の東西を問わず古代は男性たちの資料でさえ残ってるもの少ないし
まして女性たちとなるとさらに少ないと思うから調査してる研究者さんも大変だと思うんだけど、
こういう機会が増えたらうれしいので定期的にやってほしいなあと思います。
古代ロマン夢いっぱい無限大!\(^o^)/

あと、この日のお昼ごはんは日比谷公園の松本楼でした☆
お店の存在は知っていたのですが入ったのは初めて~。
外観も店内もモダンで懐かしいデザインでした。ああいう雰囲気とっても好きだ。

サラダと季節のかぼちゃスープ。ポテトサラダがアイスクリームみたいでかわいい~。

デザートにいただいたピスタチオクリームのエクレア。
見た目よりクリームが多くてフォークで切るたびにもわっと溢れました。おいしかった☆
※クリックで大きくなります「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その10。9は
こちら。
養源院の杉戸絵・襖絵制作が始まりました。
宗達が全体デザイン・下絵・色指定、弟子たちは色つけ・仕上げを担当。
中央の間のメインとなる松の木を描いている宗達に弟子たちが話しかけてきます。
弟子「師匠ォ、ずいぶん枝描いてますけどまだ伸ばすんすか」
宗達「もっともっと。はみ出すつもりで」
弟子「いいんすか」
宗達「いいの。でかくしてめでてぇ部屋にしようぜ」
弟子「はいー」
宗雪「師匠、杉戸の下絵が途中ですよ。はやくお願いします」
宗達「んー………宗雪、おまえやれ」
宗雪「いいんですか?」
宗達「間に合わん、頼む」
宗雪「……」
宗達「返事」
宗雪「はい」
宗達「画題は唐獅子、波に犀。阿吽。あとは好きにやりな」
宗雪「はい!」
現在、養源院に残る杉戸絵8面には唐獅子(魔除け)・白象(釈迦の乗り物)・水犀(火除け)が描かれ、
うち唐獅子と白象は宗達、もう一方の唐獅子と犀は工房の弟子たちによるものとされています。
宗達の杉戸絵も松の襖絵も、秀吉の学問所だったという牡丹の間の狩野山楽の襖絵も
伏見城から養源院に移築された血天井の供養のためといわれます。
宗雪は宗達の工房でもっともすぐれた絵師であり、のちに俵屋を継ぐことになります。
宗達の弟とも、子とも、弟子ともいわれ、生没年はわかっていません。