パンプキン・ホットスポット。
ハロウィンですねー!
今月、いや先月から色んな場所でかぼちゃやコウモリや魔女を見られて楽しい!!
というわけで今月、各地で撮影したハロウィンスポットの写真をアップしてみます。
気合いの入ったものからさりげなく置かれたものまで、ハロウィンディスプレイは奥が深い。

京都駅は毎年大がかりなディスプレイをやってくれるので楽しみだったりします^^
写真は駅構内の観光案内所前にあったもの。真ん中に入って写真撮影ができるようです。
左右にこんもり積んであるジャックの山に埋まって幸せになりたい。

近鉄奈良駅近くのもちいどの夢CUBEにぶら下がっていたジャック提灯。
撮影したのはお昼ですけど、夜はあかりが灯ったんだろうか…(゜ω゜*)。
ジャック・オー・ランタンは天国にも地獄にも行けずにこの世を彷徨っている酔っぱらい霊ですが
気まぐれに迷い人の道案内をするらしいという説を聞いたことがあります。
夜道もジャックが一緒なら安心かも、なんという心強いボディーガード。

六本木の東京ミッドタウン付近のお花屋さんにあったディスプレイ。
木の鳥ちゃんがつけてる仮面の紫がイタリアのカーニヴァルみたいで強烈でした。
こういうごちゃっとした雰囲気も大好きです。

川越駅近くのお店に掛かっていました。
しわがれ声で「いらっしゃいませぇ~」とかおしゃべりしそうなお顔だなあ。
目の形が左右ちょっと違うのが不気味かわいい。

ローソンのハロウィンカップケーキ☆
こんな風に、いかにも「ハロウィンのお菓子です!」と主張されたら買わないわけにはいかなかった。
トッピングかぼちゃクリームにケーキの中にもかぼちゃが入っててふわっふわでおいしかったです!

和菓子ハロウィンも見参☆
くらづくりさんのジャックは練切餡のかぼちゃの顔に中味もかぼちゃ餡だ!
隣はキントンソボロで栗拾いを表現したお菓子です。実りの秋!
和菓子のお買い物ってぬいぐるみと出会うのに似ていると思う。
和菓子はひとつひとつが手作りですので形もひとつひとつ微妙に違って
お店で選ぶときいつも迷います。
今回もたくさん並んでいたジャックの中から「あっこれ」と目が合った子を連れて帰ってきました。
来年も作ってくださるといいな。

おまけ。
現在、山種美術館で開催中の「輝ける金と銀-琳派から加山又造まで」展のオリジナル和菓子です。
奥が「鶴と波」(俵屋宗達&本阿弥光悦「四季草花下絵和歌短冊帖・千羽鶴」がモデル)、
手前が「みやび」(松岡映丘「春光春衣」がモデル)。
山種さんのTwitterで発売を知ったのですが、ツイートに添えられた画像を見たとき
思わず「宗達と光悦のおカシ…!?!?」って変な声出て語尾ちっちゃくなりました。アホだ…。
みやびは十二単のお菓子なので買ってきました。
※クリックで大きくなります
今年のハロウィン絵です^^
先日まで連載していた「風神雷神図屏風Rinne」から風雷を描きました。
ハロウィンですので2人が身につけているものをオレンジに統一したら
保護色つかってるみたいな面白い絵になりました。
下の方になにか飛んでるように見えますが、未確認飛行物体と考える方が楽しいと思いますので
クリックで大きくした後拡大せずそのままご覧になることをおすすめいたします(笑)。
Trick or Treat??
今月、いや先月から色んな場所でかぼちゃやコウモリや魔女を見られて楽しい!!
というわけで今月、各地で撮影したハロウィンスポットの写真をアップしてみます。
気合いの入ったものからさりげなく置かれたものまで、ハロウィンディスプレイは奥が深い。

京都駅は毎年大がかりなディスプレイをやってくれるので楽しみだったりします^^
写真は駅構内の観光案内所前にあったもの。真ん中に入って写真撮影ができるようです。
左右にこんもり積んであるジャックの山に埋まって幸せになりたい。

近鉄奈良駅近くのもちいどの夢CUBEにぶら下がっていたジャック提灯。
撮影したのはお昼ですけど、夜はあかりが灯ったんだろうか…(゜ω゜*)。
ジャック・オー・ランタンは天国にも地獄にも行けずにこの世を彷徨っている酔っぱらい霊ですが
気まぐれに迷い人の道案内をするらしいという説を聞いたことがあります。
夜道もジャックが一緒なら安心かも、なんという心強いボディーガード。

六本木の東京ミッドタウン付近のお花屋さんにあったディスプレイ。
木の鳥ちゃんがつけてる仮面の紫がイタリアのカーニヴァルみたいで強烈でした。
こういうごちゃっとした雰囲気も大好きです。

川越駅近くのお店に掛かっていました。
しわがれ声で「いらっしゃいませぇ~」とかおしゃべりしそうなお顔だなあ。
目の形が左右ちょっと違うのが不気味かわいい。

ローソンのハロウィンカップケーキ☆
こんな風に、いかにも「ハロウィンのお菓子です!」と主張されたら買わないわけにはいかなかった。
トッピングかぼちゃクリームにケーキの中にもかぼちゃが入っててふわっふわでおいしかったです!

和菓子ハロウィンも見参☆
くらづくりさんのジャックは練切餡のかぼちゃの顔に中味もかぼちゃ餡だ!
隣はキントンソボロで栗拾いを表現したお菓子です。実りの秋!
和菓子のお買い物ってぬいぐるみと出会うのに似ていると思う。
和菓子はひとつひとつが手作りですので形もひとつひとつ微妙に違って
お店で選ぶときいつも迷います。
今回もたくさん並んでいたジャックの中から「あっこれ」と目が合った子を連れて帰ってきました。
来年も作ってくださるといいな。

おまけ。
現在、山種美術館で開催中の「輝ける金と銀-琳派から加山又造まで」展のオリジナル和菓子です。
奥が「鶴と波」(俵屋宗達&本阿弥光悦「四季草花下絵和歌短冊帖・千羽鶴」がモデル)、
手前が「みやび」(松岡映丘「春光春衣」がモデル)。
山種さんのTwitterで発売を知ったのですが、ツイートに添えられた画像を見たとき
思わず「宗達と光悦のおカシ…!?!?」って変な声出て語尾ちっちゃくなりました。アホだ…。
みやびは十二単のお菓子なので買ってきました。

今年のハロウィン絵です^^
先日まで連載していた「風神雷神図屏風Rinne」から風雷を描きました。
ハロウィンですので2人が身につけているものをオレンジに統一したら
保護色つかってるみたいな面白い絵になりました。
下の方になにか飛んでるように見えますが、未確認飛行物体と考える方が楽しいと思いますので
クリックで大きくした後拡大せずそのままご覧になることをおすすめいたします(笑)。
Trick or Treat??
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鳥獣戯画と大和アートの旅その1。
(77777hitが近い…)ゴニョゴニョ(-。-*)
おとといと昨日で京都・奈良に一人旅してきました~☆
京都国立博物館の「国宝鳥獣戯画と高山寺」展と奈良国立博物館の「第66回正倉院展」
ほか奈良の観光とアート鑑賞が目的です。
いやあ本当にすばらしい展示の連続でありました。芸術の秋!ハスハス!

例によって夜行バスに揺られてとろとろ眠りながら朝6時に京都駅に着弾。
地下鉄で四条駅に移動して、京野菜「賀茂」さんで朝ごはんをいただきました。
朝7時から京野菜のバイキングをやっているお店ですよ~ありがたや。
ごはんにパン、野菜の煮物にサラダ、スープにドリンク飲み放題で490円は!安い!
お粥もお味噌汁もおいしかったですがやっぱりお野菜が絶品で
茄子とカブなんて生なのに味付けいらないくらい甘くてびっくりしました。
(札を見たらサラダ用と書いてありました。サラダ用って!)
ちょっと通いたくなるレベル。

ごはんを食べたら京博に移動。鳥獣戯画展を鑑賞します。
鳥獣人物戯画はずいぶん前にサントリー美術館で全巻見て図録も持っているので
別にいいかなって思ってたんですが、
数年がかりの修復を終えてピカピカになった絵巻が初公開されると聞いてヨロッ…ときて
さらに音声ガイドが佐々木蔵之介氏と聞いて「なんじゃそりゃー!」ってバタンキューしました。
というわけで行くことにしたのはいいんですが、
展覧会公式アカウント@izanai_chojuや行った人のツイートを検索してみたら
朝イチで大行列で諦めたとか、夕方になっても待ち時間があるとか信じられない内容で
これは新幹線じゃなく夜行で行って並ぶしかないなと思ったわけで。
で、わたしが京博前に着いたの8時過ぎだったんですがすでに10人くらい並んでいて
その後もどんどん人が増えて9時半に開館したときはずっと先の交差点の向こうまで大行列になっていた。
ひいぃ。

招待券を持っていたので一番乗りできました~音声ガイドを借りてさあ行くぞ!
(写真は撮影可能ゾーン)
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開閉しますのでどうぞ☆
おとといと昨日で京都・奈良に一人旅してきました~☆
京都国立博物館の「国宝鳥獣戯画と高山寺」展と奈良国立博物館の「第66回正倉院展」
ほか奈良の観光とアート鑑賞が目的です。
いやあ本当にすばらしい展示の連続でありました。芸術の秋!ハスハス!

例によって夜行バスに揺られてとろとろ眠りながら朝6時に京都駅に着弾。
地下鉄で四条駅に移動して、京野菜「賀茂」さんで朝ごはんをいただきました。
朝7時から京野菜のバイキングをやっているお店ですよ~ありがたや。
ごはんにパン、野菜の煮物にサラダ、スープにドリンク飲み放題で490円は!安い!
お粥もお味噌汁もおいしかったですがやっぱりお野菜が絶品で
茄子とカブなんて生なのに味付けいらないくらい甘くてびっくりしました。
(札を見たらサラダ用と書いてありました。サラダ用って!)
ちょっと通いたくなるレベル。

ごはんを食べたら京博に移動。鳥獣戯画展を鑑賞します。
鳥獣人物戯画はずいぶん前にサントリー美術館で全巻見て図録も持っているので
別にいいかなって思ってたんですが、
数年がかりの修復を終えてピカピカになった絵巻が初公開されると聞いてヨロッ…ときて
さらに音声ガイドが佐々木蔵之介氏と聞いて「なんじゃそりゃー!」ってバタンキューしました。
というわけで行くことにしたのはいいんですが、
展覧会公式アカウント@izanai_chojuや行った人のツイートを検索してみたら
朝イチで大行列で諦めたとか、夕方になっても待ち時間があるとか信じられない内容で
これは新幹線じゃなく夜行で行って並ぶしかないなと思ったわけで。
で、わたしが京博前に着いたの8時過ぎだったんですがすでに10人くらい並んでいて
その後もどんどん人が増えて9時半に開館したときはずっと先の交差点の向こうまで大行列になっていた。
ひいぃ。

招待券を持っていたので一番乗りできました~音声ガイドを借りてさあ行くぞ!
(写真は撮影可能ゾーン)
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開閉しますのでどうぞ☆
祈りのかたち。
東京国立博物館で開催中の「日本国宝展」を観てきました。
現在、国宝に指定されている絵画や彫刻、工芸、書、建築などから
人々の祈りや信仰に関する約120件を選りすぐって展示してくれています!
また、今回は奈良の正倉院宝物が久し振りに東京へ出張してきてくれるとのことで
しかも展示期間が前期だけと聞いて大慌てで行ってきたわけです。
(他にも前期のみや後期のみ、2週間のみなど限定公開のものがたくさんあるので
見たい展示品がある方は東博のサイトをよくチェックした方がいいと思う)
普段の展覧会ですと、展示品のキャプションを見て「あ、これ国宝なんだ」とか
「おお、重要文化財ですか」とか知ってホホウとなるのですけども
今回は展示品すべてが国宝なので特にキャプションにもそういう記述はなかったですね~。
代わりに国宝に指定された年月日が記されていまして、
去年国宝指定されたばかりのピカピカの一年生から指定され幾星霜の殿堂入りレベルまで
幅広く集めて展示されているのがわかって
なんだかいつもの展覧会とは違った趣向で、そういうところもワクワクしました。
何しろわたし、見るものすべてが国宝という展覧会自体が初めてでしたので
(ちなみに東博での国宝展開催は過去に何度もあるそうだ)、
こんなに見られるなんてヒャッハー!この機会に大感謝!と大はしゃぎでしたよ。
次回はいつかな、何が出るかな。(鬼が大爆笑)
入口には薬師寺の仏足石がでーんと鎮座ましましてお出迎え。
相変わらず大きいなあと感心して進むと、
目の前に法隆寺の玉虫厨子がやっぱりでーんと鎮座ましましていて
うわあ、相変わらず大きいなあ!ってびっくりしました。
両方とも奈良で拝見したことがあるので久々の再会。うれしかったです。
厨子の付近には正倉院宝物がいくつか並んでいて
楓蘇芳染螺鈿槽琵琶がやっぱり一番ガン見しちゃったな…。
鳥毛立女屏風は第1扇・第3扇が出品されていて
ほとんど色落ちしてしまっていますけど女性のふっくら顔やゆったりした衣装は温かみが感じられて
素敵なタッチだなあと思った。
(薬師寺の吉祥天女像とお顔がそっくりだなあと思ったら、制作時期はあちらと同年代だそうだ)
屏風はあと2扇あるのですが、それらは今月末から開催される奈良の正倉院展に出品されるそうで
それを見に行けばコンプリートできるのですね。
…実は今週末にコンプリートしに行ってきます(*^ω^*)楽しみだ~。
地獄草紙と餓鬼草紙は画集などで知っていましたが、本物は想像以上に繊細な筆致でした…。
餓鬼草紙はやせ細りお腹がぽっこり膨れた餓鬼が死者の体や生者の精神エネルギーとか食べてて
地獄草紙は罪人が血を流したり炎に焼かれたりする場面が開かれていました。
だいぶ色褪せてしまってましたが
これらきっと彩色したばかりの頃はもっと鮮やかでくっきりしていたのだろうな…。
地獄草紙の雲火霧地獄の炎とかどんな色をしていたのだろうと想像するだけでぞくぞくっとして
見たいような見たくないような、
でもきっと当時見られる環境にいたら見ただろうと思います。怖い物見たさ。
仏画もありまして、東博の孔雀王図や普賢菩薩像に思わず手を合わせたり
中尊寺の金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図(宝塔が金字で描かれてるやつ)に再会して
奥州藤原氏のパンチぶりに改めて驚くなど。
帝釈天・閻魔天はセットで京博から来てくださったそうですが
この2人が並んでいる図はめったに見ないのでおもしろかった。
お寺の文書関係だと、やっぱり東寺百合文書がよかったですね。
わたしが行ったときは「東寺伝法供家牒」「北畠親房仏舎利奉請状」「後醍醐天皇綸旨」の3点が
展示されていました。
こちらは時期により展示が変わるそうです。
神様の形についての展示や神社に奉納された品もありました。
縄文のビーナスの異名を持つ長野県茅野市の土偶は予想より小さくてかわいくて
キューンとしました☆
青森県の合掌土偶は手足が長く、体育座りのような格好で両手を合わせて上を向いてて
何を祈っているのかな。
出雲の青銅器銅鐸とか、福岡の三角縁神獣鏡の巨大さにもびっくり、
古代は何でも巨大ですな~それだけ資源があったってことかな。
東照宮の正宗や熱田神宮の短刀、丹生都比売神社の太刀など刀剣も何振か来ていて
どれも装飾や刀身が美しかった。
京博の日本書紀は平安時代の写本で、推古天皇が厩戸豊聡耳皇子を皇太子・摂政にしたとか
皇子が10人の訴えを一度に聞いたとか、憲法や冠位十二階を定めたとか
小野妹子を筆頭とした遣隋使を隋に送ったことなどが書いてありました。
藤原定家筆の後撰和歌集は、ええと、わたし定家の字は結構見慣れているのですが
ここまで乱雑な筆致は初めてかも(^ ^;)相変わらず四角い字ではありましたけど。
支倉常長の肖像画は仙台旅行で仙台市博物館を訪れたときに見たので1年半ぶりの再会です☆
源氏物語絵巻は柏木巻で、病気の柏木を夕霧が見舞うシーンが開かれていて
よりによってここかいって突っ込むところだった。。
一遍上人伝絵巻と法然上人伝絵巻がお隣同士で並んでいたのは
ぜひ比較してみてね☆という東博さんからのメッセージでしょうか、
一遍さんは地に足着いて地道に踊念仏を広めている様子が描かれているのに対して
法然さんは極楽からお迎えが来る場面で、なんというかこう、理想と現実みたいな印象でした。
長谷川等伯の「松に秋草図」も大迫力の大きさと筆致。
先日、BSプレミアムの等伯の番組でこの図をを見たばかりだったので
本物が見られてうれしかったです。
とどめは建築と彫刻ですよ…。
平等院の雲中供養菩薩像も久々の再会、琴を弾く北13号様と鼓を打つ南14号様。
なよやかで暖かなぬくもりが感じられて大好きな彫刻です。
(平等院も修理が終わったらしいのでそのうちまた拝観に行きたい)
元興寺極楽坊五重小塔、これよく持ってきたな!!すごい!!ってまずそこに感心しました。
過去に元興寺を訪れた際に見てきたのですが、5メートルはある建築物ですよ~。
(東京で展示されるのも初めてだそうな)
屋根から壁から精巧な作りがかっこよくて、グルグル回って見て来てしまった。
法隆寺の広目天立像と浄瑠璃寺の広目天立像、どちらも同じ広目天の彫刻ですが
法隆寺は身長が高く目と口をくわっとむいて餓鬼を踏みつけるコワモテのマッチョマンで
浄瑠璃寺のは小ぢんまりした体格で餓鬼の上にちょこんと乗っかってて
なるほど飛鳥時代と平安時代でこんなに違うものか…と。
三千院の観音菩薩坐像・勢至菩薩坐像がこれでもかとキンキラキンでまぶしい、
正座してるけどお体を少し前かがみになさって訪問者の声をよく聞こうとしているかのようで
拝まずにはいられなかった。
(わたしの他にも何人か手を合わせている方がいらっしゃいました)
極めつけは快慶の善財童子立像・仏陀波利立像、一体全体こりゃなんなのだ…。
目にした瞬間、さっきまで見てきた像とまったく違ったものであることがわかって
背中をぞわぞわって何かが通り抜けていきましたよ。
広目天像や観音菩薩像が理想化された仏の姿で、土偶がデフォルメされた人の姿とすると
快慶はひたすらリアルな人の姿を彫ったんだなと。
童子の体つきや仏陀波利の皺だらけの顔や手、着古しているのまでわかる衣服から
彼らの生きてきた年月が感じられてビリビリしびれちゃった。
童子像は一歩踏み出した瞬間をとらえていて今にも歩き出してどこかへ行ってしまいそうだったし
仏陀波利は勇ましい立ち姿で握りしめた錫杖を今にもシャン!と振って説法とか始めそうだった。
あああああ快慶~~~!!!(顔を覆い泣き出す)
この2体、普段は奈良の安倍文殊院というお寺にいて
いつもは象に乗った文殊菩薩の側に眷属として安置されているとキャプションにあって
それらももちろん快慶とその工房の作品だそうです。
うわ何それ文殊院で全員集合している様子をぜひ見たい、
でも見たらわたしきっと仏さんたちと快慶のパワーに当てられて失神するかもしれない!!
最後の最後にいいもん見ました…東博さん彼らを招待してくれてありがとうございました。
あと、関連展示として1階で「国宝再現-田中親美と模写の世界」も開催されていました。
近代に源氏物語絵巻や平家納経など国宝絵巻を復元模写する活動を行った
田中親美の模本の一部を展示したものです。
平家納経の星空のような料紙を再現するの大変だったと思うけど
楽しくもあったろうな~俵屋宗達の鹿もかわいく描かれていました。
遠藤貫周が模写した宮女図、男装した女官を描いたものでとてもかっこいいです、
原本は銭選という元の画家によるものだとか。
横山大観の孔雀明王像、菱田春草の普賢延命像もありました。
東京美術学校の校長だった岡倉天心が東博の美術部長だったことが縁で
生徒たちに実際に実物を見せながら模写させたそうですが、
これ本人たちもうれしかったろうなあ、本物を見ながら模写できたわけですから…。
興奮と緊張に顔を赤くして何度も実物を見ながら筆を走らせる大観や春草を想像してもえた。
それから、東博本館の展示もみてきました~。
国宝展示室には「寛平御時后宮歌合」十巻本の一部(書き出しが紀友則の歌だった!)が、
平安時代の展示室には紫式部日記絵巻、伝紀貫之筆や伝藤原行成筆の掛軸が
(それぞれ重要文化財)並んでいてテンションアップアップ↑↑
紫式部日記絵巻は国宝展に源氏物語絵巻が出品されているから出してくれたんだろうな~。
東博は特別展に関連した本館陳列をよくやりますので、
最近は特別展の後に本館を見に行くのも忘れないようにしています。
(特別展のチケットでそのまま入れるのですよ)

俵屋宗雪「秋草図屏風」もありました。重要文化財ですよ☆
あと琳派関連では本阿弥光悦の和歌巻が展示されていて喜々として見ていたら
キャプションに「川井玉堂氏寄贈」とあってびっくり!
ミュージアムに収められるまで作品がどこにいてどんな人が見たかってすごくワクワクするので
作品履歴がわかっているものは今後もどんどん表示してほしいです(´ω`)。

帰りには、東上線で途中下車して川越まつりを見に行きました。
実は初めて行ったのですが、もうとにかく人がすごくて
前に進むのが、というより転ばないようにするのが大変でした(;´∀`)。
写真は本川越駅前にいた山車2鉾です。
左が今成の鈿女(アメノウズメ)の山車で、右が菅原町の菅原道真の山車。

3鉾目。仙波町の仙波二郎(源氏に仕えた坂東武者の仙波二郎安家)の山車。
おキツネさんの舞が軽やかでした☆
川越まつりの山車一覧は公式サイトで見られますので興味のある方はどうぞ(´▽`)。
※クリックで大きくなります
「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その15。14はこちら。
半年後。
宗達は養源院での仕事が認められて法橋の位を授与されることになりました。
光悦がお祝いがてら小川通の家を訪ねると、宗達、私的に屏風を制作中のようです。
光悦「お、あいつらか」
宗達「わかる?」
光悦「もちろん。誰からだ」
宗達「ううん、うちに置いとく。また会えたら見せたい」
光悦「ふーん。いい絵だ」
宗達「だろ」
光悦「風と雷、笑い声、音楽が聞こえる」
宗達「うれしいね」
光悦「金箔の効果が…って言ったら、おまえの筆に失礼かな」
宗達「いやいや、絵屋冥利につきますよ」
光悦「そうか」
宗達「法橋もさ」
光悦「?」
宗達「あいつらが、くれたのかなー、なんて」
光悦「いいな、それ」
宗達「いいだろ」
光悦「うん、いい」
宗達「(笑)」
法橋は朝廷から僧に授与される位階のひとつで、近世には仏師や絵師にも与えられるようになりました。
1630年以降とされる宗達の作品には「法橋宗達」の落款がみられます。
来年、つまり2015年は本阿弥光悦が徳川家康から鷹峯の土地を拝領し移住してから
400年目の記念の年です。
琳派Yearということで美術界では色々と企画が動いているようです。楽しみだー。
琳派400年記念祭サイト→こちら
宗達・光悦編は今回でおしまいです。続きは、年明けから開始予定の尾形光琳・乾山編にて。
(年内は怒涛の年賀状マラソンが行われますので連載はお休みです)
よろしければ見てやってください~。
現在、国宝に指定されている絵画や彫刻、工芸、書、建築などから
人々の祈りや信仰に関する約120件を選りすぐって展示してくれています!
また、今回は奈良の正倉院宝物が久し振りに東京へ出張してきてくれるとのことで
しかも展示期間が前期だけと聞いて大慌てで行ってきたわけです。
(他にも前期のみや後期のみ、2週間のみなど限定公開のものがたくさんあるので
見たい展示品がある方は東博のサイトをよくチェックした方がいいと思う)
普段の展覧会ですと、展示品のキャプションを見て「あ、これ国宝なんだ」とか
「おお、重要文化財ですか」とか知ってホホウとなるのですけども
今回は展示品すべてが国宝なので特にキャプションにもそういう記述はなかったですね~。
代わりに国宝に指定された年月日が記されていまして、
去年国宝指定されたばかりのピカピカの一年生から指定され幾星霜の殿堂入りレベルまで
幅広く集めて展示されているのがわかって
なんだかいつもの展覧会とは違った趣向で、そういうところもワクワクしました。
何しろわたし、見るものすべてが国宝という展覧会自体が初めてでしたので
(ちなみに東博での国宝展開催は過去に何度もあるそうだ)、
こんなに見られるなんてヒャッハー!この機会に大感謝!と大はしゃぎでしたよ。
次回はいつかな、何が出るかな。(鬼が大爆笑)
入口には薬師寺の仏足石がでーんと鎮座ましましてお出迎え。
相変わらず大きいなあと感心して進むと、
目の前に法隆寺の玉虫厨子がやっぱりでーんと鎮座ましましていて
うわあ、相変わらず大きいなあ!ってびっくりしました。
両方とも奈良で拝見したことがあるので久々の再会。うれしかったです。
厨子の付近には正倉院宝物がいくつか並んでいて
楓蘇芳染螺鈿槽琵琶がやっぱり一番ガン見しちゃったな…。
鳥毛立女屏風は第1扇・第3扇が出品されていて
ほとんど色落ちしてしまっていますけど女性のふっくら顔やゆったりした衣装は温かみが感じられて
素敵なタッチだなあと思った。
(薬師寺の吉祥天女像とお顔がそっくりだなあと思ったら、制作時期はあちらと同年代だそうだ)
屏風はあと2扇あるのですが、それらは今月末から開催される奈良の正倉院展に出品されるそうで
それを見に行けばコンプリートできるのですね。
…実は今週末にコンプリートしに行ってきます(*^ω^*)楽しみだ~。
地獄草紙と餓鬼草紙は画集などで知っていましたが、本物は想像以上に繊細な筆致でした…。
餓鬼草紙はやせ細りお腹がぽっこり膨れた餓鬼が死者の体や生者の精神エネルギーとか食べてて
地獄草紙は罪人が血を流したり炎に焼かれたりする場面が開かれていました。
だいぶ色褪せてしまってましたが
これらきっと彩色したばかりの頃はもっと鮮やかでくっきりしていたのだろうな…。
地獄草紙の雲火霧地獄の炎とかどんな色をしていたのだろうと想像するだけでぞくぞくっとして
見たいような見たくないような、
でもきっと当時見られる環境にいたら見ただろうと思います。怖い物見たさ。
仏画もありまして、東博の孔雀王図や普賢菩薩像に思わず手を合わせたり
中尊寺の金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図(宝塔が金字で描かれてるやつ)に再会して
奥州藤原氏のパンチぶりに改めて驚くなど。
帝釈天・閻魔天はセットで京博から来てくださったそうですが
この2人が並んでいる図はめったに見ないのでおもしろかった。
お寺の文書関係だと、やっぱり東寺百合文書がよかったですね。
わたしが行ったときは「東寺伝法供家牒」「北畠親房仏舎利奉請状」「後醍醐天皇綸旨」の3点が
展示されていました。
こちらは時期により展示が変わるそうです。
神様の形についての展示や神社に奉納された品もありました。
縄文のビーナスの異名を持つ長野県茅野市の土偶は予想より小さくてかわいくて
キューンとしました☆
青森県の合掌土偶は手足が長く、体育座りのような格好で両手を合わせて上を向いてて
何を祈っているのかな。
出雲の青銅器銅鐸とか、福岡の三角縁神獣鏡の巨大さにもびっくり、
古代は何でも巨大ですな~それだけ資源があったってことかな。
東照宮の正宗や熱田神宮の短刀、丹生都比売神社の太刀など刀剣も何振か来ていて
どれも装飾や刀身が美しかった。
京博の日本書紀は平安時代の写本で、推古天皇が厩戸豊聡耳皇子を皇太子・摂政にしたとか
皇子が10人の訴えを一度に聞いたとか、憲法や冠位十二階を定めたとか
小野妹子を筆頭とした遣隋使を隋に送ったことなどが書いてありました。
藤原定家筆の後撰和歌集は、ええと、わたし定家の字は結構見慣れているのですが
ここまで乱雑な筆致は初めてかも(^ ^;)相変わらず四角い字ではありましたけど。
支倉常長の肖像画は仙台旅行で仙台市博物館を訪れたときに見たので1年半ぶりの再会です☆
源氏物語絵巻は柏木巻で、病気の柏木を夕霧が見舞うシーンが開かれていて
よりによってここかいって突っ込むところだった。。
一遍上人伝絵巻と法然上人伝絵巻がお隣同士で並んでいたのは
ぜひ比較してみてね☆という東博さんからのメッセージでしょうか、
一遍さんは地に足着いて地道に踊念仏を広めている様子が描かれているのに対して
法然さんは極楽からお迎えが来る場面で、なんというかこう、理想と現実みたいな印象でした。
長谷川等伯の「松に秋草図」も大迫力の大きさと筆致。
先日、BSプレミアムの等伯の番組でこの図をを見たばかりだったので
本物が見られてうれしかったです。
とどめは建築と彫刻ですよ…。
平等院の雲中供養菩薩像も久々の再会、琴を弾く北13号様と鼓を打つ南14号様。
なよやかで暖かなぬくもりが感じられて大好きな彫刻です。
(平等院も修理が終わったらしいのでそのうちまた拝観に行きたい)
元興寺極楽坊五重小塔、これよく持ってきたな!!すごい!!ってまずそこに感心しました。
過去に元興寺を訪れた際に見てきたのですが、5メートルはある建築物ですよ~。
(東京で展示されるのも初めてだそうな)
屋根から壁から精巧な作りがかっこよくて、グルグル回って見て来てしまった。
法隆寺の広目天立像と浄瑠璃寺の広目天立像、どちらも同じ広目天の彫刻ですが
法隆寺は身長が高く目と口をくわっとむいて餓鬼を踏みつけるコワモテのマッチョマンで
浄瑠璃寺のは小ぢんまりした体格で餓鬼の上にちょこんと乗っかってて
なるほど飛鳥時代と平安時代でこんなに違うものか…と。
三千院の観音菩薩坐像・勢至菩薩坐像がこれでもかとキンキラキンでまぶしい、
正座してるけどお体を少し前かがみになさって訪問者の声をよく聞こうとしているかのようで
拝まずにはいられなかった。
(わたしの他にも何人か手を合わせている方がいらっしゃいました)
極めつけは快慶の善財童子立像・仏陀波利立像、一体全体こりゃなんなのだ…。
目にした瞬間、さっきまで見てきた像とまったく違ったものであることがわかって
背中をぞわぞわって何かが通り抜けていきましたよ。
広目天像や観音菩薩像が理想化された仏の姿で、土偶がデフォルメされた人の姿とすると
快慶はひたすらリアルな人の姿を彫ったんだなと。
童子の体つきや仏陀波利の皺だらけの顔や手、着古しているのまでわかる衣服から
彼らの生きてきた年月が感じられてビリビリしびれちゃった。
童子像は一歩踏み出した瞬間をとらえていて今にも歩き出してどこかへ行ってしまいそうだったし
仏陀波利は勇ましい立ち姿で握りしめた錫杖を今にもシャン!と振って説法とか始めそうだった。
あああああ快慶~~~!!!(顔を覆い泣き出す)
この2体、普段は奈良の安倍文殊院というお寺にいて
いつもは象に乗った文殊菩薩の側に眷属として安置されているとキャプションにあって
それらももちろん快慶とその工房の作品だそうです。
うわ何それ文殊院で全員集合している様子をぜひ見たい、
でも見たらわたしきっと仏さんたちと快慶のパワーに当てられて失神するかもしれない!!
最後の最後にいいもん見ました…東博さん彼らを招待してくれてありがとうございました。
あと、関連展示として1階で「国宝再現-田中親美と模写の世界」も開催されていました。
近代に源氏物語絵巻や平家納経など国宝絵巻を復元模写する活動を行った
田中親美の模本の一部を展示したものです。
平家納経の星空のような料紙を再現するの大変だったと思うけど
楽しくもあったろうな~俵屋宗達の鹿もかわいく描かれていました。
遠藤貫周が模写した宮女図、男装した女官を描いたものでとてもかっこいいです、
原本は銭選という元の画家によるものだとか。
横山大観の孔雀明王像、菱田春草の普賢延命像もありました。
東京美術学校の校長だった岡倉天心が東博の美術部長だったことが縁で
生徒たちに実際に実物を見せながら模写させたそうですが、
これ本人たちもうれしかったろうなあ、本物を見ながら模写できたわけですから…。
興奮と緊張に顔を赤くして何度も実物を見ながら筆を走らせる大観や春草を想像してもえた。
それから、東博本館の展示もみてきました~。
国宝展示室には「寛平御時后宮歌合」十巻本の一部(書き出しが紀友則の歌だった!)が、
平安時代の展示室には紫式部日記絵巻、伝紀貫之筆や伝藤原行成筆の掛軸が
(それぞれ重要文化財)並んでいてテンションアップアップ↑↑
紫式部日記絵巻は国宝展に源氏物語絵巻が出品されているから出してくれたんだろうな~。
東博は特別展に関連した本館陳列をよくやりますので、
最近は特別展の後に本館を見に行くのも忘れないようにしています。
(特別展のチケットでそのまま入れるのですよ)

俵屋宗雪「秋草図屏風」もありました。重要文化財ですよ☆
あと琳派関連では本阿弥光悦の和歌巻が展示されていて喜々として見ていたら
キャプションに「川井玉堂氏寄贈」とあってびっくり!
ミュージアムに収められるまで作品がどこにいてどんな人が見たかってすごくワクワクするので
作品履歴がわかっているものは今後もどんどん表示してほしいです(´ω`)。

帰りには、東上線で途中下車して川越まつりを見に行きました。
実は初めて行ったのですが、もうとにかく人がすごくて
前に進むのが、というより転ばないようにするのが大変でした(;´∀`)。
写真は本川越駅前にいた山車2鉾です。
左が今成の鈿女(アメノウズメ)の山車で、右が菅原町の菅原道真の山車。

3鉾目。仙波町の仙波二郎(源氏に仕えた坂東武者の仙波二郎安家)の山車。
おキツネさんの舞が軽やかでした☆
川越まつりの山車一覧は公式サイトで見られますので興味のある方はどうぞ(´▽`)。

「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その15。14はこちら。
半年後。
宗達は養源院での仕事が認められて法橋の位を授与されることになりました。
光悦がお祝いがてら小川通の家を訪ねると、宗達、私的に屏風を制作中のようです。
光悦「お、あいつらか」
宗達「わかる?」
光悦「もちろん。誰からだ」
宗達「ううん、うちに置いとく。また会えたら見せたい」
光悦「ふーん。いい絵だ」
宗達「だろ」
光悦「風と雷、笑い声、音楽が聞こえる」
宗達「うれしいね」
光悦「金箔の効果が…って言ったら、おまえの筆に失礼かな」
宗達「いやいや、絵屋冥利につきますよ」
光悦「そうか」
宗達「法橋もさ」
光悦「?」
宗達「あいつらが、くれたのかなー、なんて」
光悦「いいな、それ」
宗達「いいだろ」
光悦「うん、いい」
宗達「(笑)」
法橋は朝廷から僧に授与される位階のひとつで、近世には仏師や絵師にも与えられるようになりました。
1630年以降とされる宗達の作品には「法橋宗達」の落款がみられます。
来年、つまり2015年は本阿弥光悦が徳川家康から鷹峯の土地を拝領し移住してから
400年目の記念の年です。
琳派Yearということで美術界では色々と企画が動いているようです。楽しみだー。
琳派400年記念祭サイト→こちら
宗達・光悦編は今回でおしまいです。続きは、年明けから開始予定の尾形光琳・乾山編にて。
(年内は怒涛の年賀状マラソンが行われますので連載はお休みです)
よろしければ見てやってください~。
テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 ジャンル : 学問・文化・芸術
たったひとりの五十三驛。
新橋演舞場で「市川猿之助奮闘連続公演 十月花形歌舞伎」を観てきました☆
四代目市川猿之助が昼の部・夜の部のほぼ全編にわたって大活躍する演目を
今月だけでなく来月まで続けるという過酷な公演です(^ ^;)。
猿ちゃん体力ある人ですけどマジ大丈夫なのか…無事に千穐楽を迎えられますようにgkbrgkbr
わたしが観たのは夜の部「獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)」といって
弥次郎兵衛と喜多八が旅をする十返舎一九の『東海道中膝栗毛』を
鶴屋南北がおもしろおかしく歌舞伎にしたものです。
江戸時代の歌舞伎は長い1演目を2~3日かけてやることがあって
大当たりして大ヒットすると続きを書いていたみたいですが、
書いているうちに南北さん、収拾がつかなくなったのかお客が入らなくなったのか
上演が3幕で中断されてしまい(この時点で箱根までしか帰って来てなかった)それきりだったのを
先代の猿之助(現猿翁)が4幕目を追加して復活させたそうですね。
で、結局4幕53場、幕間も入れて上演時間は約5時間!
しかも6役くらいだったのを12役付け足して計18役にしてしまったという…もうなんなの…(;´∀`)。

いつものようにチケットで席を確認して「あーここだここだ」って座ろうとしたら
椅子の背にビニールがくっついていた件。
舞台から水が飛んでお客さんがビニールで防御する様子は何度か見たことありますが
実際に浴びる側になったのは初めてでした(笑)。
今回の席は花道に近かったのでこれは花道でも水飛ばすのかな…とちょっと覚悟を決めた。

ちなみに立ちあがるとスッポンがこの位置にあります。なんということなの。
1人18役早変わり+宙乗りってチラシに書いてありましたから
ほほう、幕ごとに早変わりして合計18役なのかなって軽く考えていたら
3幕までは6役くらいを何度か演じていて(たまに早変わりがある)、
大詰め「写書東驛路」で12役連続早変わり踊り分けという超頭おかしい企画だった……('Д')。
それだけじゃなくスッポン、人力クレーン、本水使った大立ち回りなど使えるもの全部使い倒して
「面白いものとりあえず全部板の上に乗せてみました!」な和洋中大盛りフルコースって感じで
次々に場面も話も変わるので観る方も体力を消耗するという(笑)。
芝居の名場面パロディ(ほとんどおいしいとこ取り)もあるからお芝居好きな方はニヤリとするし
(大詰めでは「お染の七役」と「白波五人男」を知っていると楽しいよ)、
こういう、おもしろいけど支離滅裂の演目を「ないまぜ狂言」または「闇鍋」というそうです。
鶴屋南北がこの演目を書いたのが70歳のときで
さらに2年後には四谷怪談を書いているとイヤホンガイドさんに聞いてもう何が何だか、
南北は真面目と不真面目の差が極端だな…。
南北も、復活どころかパワーアップさせちゃった猿翁さんも頭おかしい。でも楽しい。
幕開けは春猿さんの茶屋女房おきちと錦之助さんの鶴屋南北がおしゃべりしているシーンから。
そして万雷の拍手とともに猿之助が馬を連れて花道からご登場~☆
スッポン付近で立ち止まって「みなさまようこそいらっしゃいました、市川猿之助でございます」とか
挨拶してくれました!
うおーめっちゃ近い息遣いとか聞こえるじゃないの…スッポン席やばい(勝手に名付けた)。
猿之助が舞台に移動すると南北さんとの掛け合いが始まります。
猿之助が「あなたがこんな芝居書いちゃったから舞台裏は火事場の如き大わらわです」と苦情を言うと
南北が「役者がそんなこと言っちゃダメよ~ダメダメ♪」っておっしゃるから客席大爆笑!
猿之助も「芝居で生きられるのは本望です」と思い直したようでここから口上。
南北の作品を猿翁が復活させたこと、18役早変わり、本水を使うなど説明してくださり
「スーパー歌舞伎IIの原田さんの新しい照明とともに、懐かしくて新しい、“なつかあたらしい芝居”を
上演する次第にございます」と朗々とご挨拶いただきました。
序幕。
十返舎一九の小説は江戸日本橋から始まりますが、五十三驛は京都三条大橋から始まります。
ストーリーは丹波国・由留木家で起こった跡目争いで相続に必要な宝物の奪い合いをしながら
東海道を京都から江戸へ下っていくという感じ。
宝物は2つあってうち1つ「九重の印」は日本駄右衛門に盗まれてしまい、
もうひとつ宝物である刀「雷丸」は丹波与惣兵衛が持って逃げようと三条大橋にさしかかると
男女蔵さんと猿四郎さん扮する赤堀官太夫・源吾親子に殺され奪われてしまいます。
で、与惣兵衛の長男・与八郎(猿之助)は門之助さん扮する石井半次郎から父親の死を聞かされて
石山寺から恋人の重の井姫を連れ出して敵討ちの旅に出ます。
猿之助の与八郎かっこよかってん…笑也さんの重の井姫は美しすぎてしねる…!
ここで重の井姫をくどいてくる由留木家長男・馬之助も猿之助が演じているのですが
もう絵に描いたような、ネジが2~3本飛んでそうなバカ殿でした。でもかわいい。
あと与八郎→馬之助→与八郎と、1分足らずの早変わりも始まっておりまして
早変わりは8月納涼歌舞伎で勘九郎にびっくりさせられまくったので
楽しすぎてドキドキが止まらないよ。
で、旅に出たはいいものの当然、追手がかかるわけで
姫を葛籠に入れて逃げていた与八郎、さっそく追手に姫を葛籠ごと奪われてしまいます。
このとき姫がうっかり落とした着物を拾って持って行っちゃうのがなんと
旅で路銀が尽きて困り果てていた弥次郎兵衛と喜多八!
この人たち幕間とかにちょこちょこ出てくるのですが、最初から最後までおもしろすぎました(^ω^)。
弥次「よっ、澤瀉屋」喜多「ありがとう☆」ってセルフ大向こうしたり
客席から大向こうがかかると「ありがとう☆」ってすっごいいい笑顔で返事したりね。
後半に猿之助がスッポンから登場して花道に去っていくお役があるのですけど
「おい今、猿之助に似たやつが通ってったよな」って言いながら自分たちも引っ込んでいって笑った。
(ここでイヤホンガイドさんが「これはその通りですね」って絶妙に突っ込んでもいて2度笑った)
どうにか雷丸を手に入れた与八郎、桑名の渡し場で九重の印をめぐって官太夫とバトルするのですが
突然ですがこの印、龍が欲しがるような代物だったようで(!)、
いきなり花道から龍が現れてひとしきりどんしゃん踊りまくると
川の水がザッパーンと溢れて2人は波に呑みこまれてしまいます。えええ~~~~~!
ここで1つ目の名場面、水中立ち回りキター!!
海底に沈んだ印を追って与八郎と官太夫がすいすい泳いでるのですけど
こちらの2枚目の写真をご覧ください。上からクレーンで吊られています(笑)。
ぶくぶく息しながら戦っているうちに海老やヒトデやタコ(全部着ぐるみ)とか出てきて
クジラ(先ほどのページの1枚目の写真をご覧ください)に乗って見得まで切っちゃって
国芳のクジラかよ!!って全力で突っ込むところだった。
与八郎が雷丸を抜くとビカビカビカーーッ☆と雷が鳴って稲光の照明が舞台をかけめぐって
ものすごい迫力だった!
猿翁演出パない。頭おかしいでしょう。最高かよ。
海老のクオリティが異様に高くて無性に食べたくなりました…あと印はタコが吸盤にくっつけていた。
第二幕は猿三郎さんのおもしろセリフで開けました。
熊鷹半長という盗賊役なのですが、与八郎の部下の奴逸平(亀鶴さん)を追いかけて来て
「わしが熊鷹半長だ。ハンチョウと言っても、佐々木蔵之介じゃねぇぞ」って凄んで
逸平に「わけのわからぬシャレを言う奴よ」って突っ込まれてた。ありがとうございます!(笑)
花道を走って逃げる逸平を追いかけていく部下たちには
「あいつ捕まえたらよ、ノーベル賞やるわ」って言って引っ込んでいって大爆笑!
錦之助さんのエレキテル連合もそうですが、ああいうちょっとした時事アドリブは
役者さんに任されているそうですね。
弥次喜多が女衒の次郎作(寿猿さん)に重の井姫の着物を売る場面を経て
池鯉鮒(愛知県)までやってまいりました。
与八郎には姉と妹がいて、妹のお袖(米吉くん)は藤助という男と恋仲なのですが
最近彼が会いに来ないのと、しかも吉原の傾城と恋仲になったらしいと聞いて
傾城に呪いをかけようと夜な夜な肖像画に釘を打っています。。やばい怖い。
姉のお松(猿之助)がやめるよう諭していると(このとき猫を抱いています)、
花道から中村隼人くんが登場☆
お松の恋人で民部之助と名乗るのですが、その顔を見たお袖はびっくり仰天、
実は民部之助は藤助だったと判明したのです。
ショックを受けたお袖ちゃんが楚々と恨みつらみを言う(当たり前ですね)のですが
米吉くんマジやばいんですけど、こんな魔性の人だったの…!!
目が小さく小顔で仕草がなよやかで狂気もあって大輪の百合の花が揺れているようでしたよ。
1月の浅草歌舞伎で壱太郎くんを見たときのような衝撃を受けました。彼らは逸材。
それに引き換え民部之助まじクズ、隼人くんがイケメンだからギリだけど。
あと、人形だけど猫が着物にイタズラしててかわいかった。
お松とお袖の母親は罪を犯して牢屋に入れられているため、
父親が「奉公してこい」と女衒の次郎作にお松を売りとばしてしまいます。
父親は欣弥さんなんですが、どうも余計なことをするタイプのようで
お袖が釘を打っていた傾城の絵を壁に飾るつもりで何気なくコーンと釘を打ってしまい、
満願となったためお松が顔にひどい傷を負ってしまうのです。。
しかし籠に乗せられ、まるで「仮名手本忠臣蔵」6段目のお軽のようにドナドナされていくお松。。
お松を追って民部之助とお袖は岡崎の無量寺に到着。
宿を求めますが、中から出てきたお三(猿之助)が白髪ざんばら、着物もぐちゃっと着てて
子年の女性に反応したり、行灯に入れるため買ってきた魚油に舌なめずりしたりと
もう見るからに怪しい(苦笑)。
夜になってみんなが寝静まった頃、こっそり起きて行灯に頭をつっこんで魚油をなめ始めると
シルエットが猫の横顔になった!
それを、民部之助とお袖を案内してくれた女性おくら(段一郎さん)に目撃されて
彼女の喉を噛み切ってしまい、妖術でユーラユーラと遺体を揺らして遊んだりして怖い怖い。
ひたすらここは猿之助の独壇場でした。。猫耳も生えてるしね。
音に驚いた民部之助とお袖が起きてくると、お三はたちまち2人に襲い掛かって
ついに、ざんばら髪に猫耳、口は耳まで裂け爪を光らせ、十二単を身にまとった化け猫が登場☆
あたしの大事なお松の顔をよくも傷つけたね、末代まで祟ってやる!という言い分で
民部之助と立ち回りを繰り広げます。
刀でとどめを刺されそうになってスッポンへ逃げて、ここできましたーー宙乗り☆
おお…十二単に緋袴姿の化け猫が…サーチライトを浴びながらニャンニャンポーズで飛んで行く…!!
客席からは大拍手。「澤瀉屋ー!」の大向こうも飛びまくって大盛り上がりでした。
(猫+十二単というアイディアは南北が台本を書いているときに
飼い猫が十二単の絵を持ってきたことから思いついたという逸話があるそうだ)
あの猫はまたどこかで生き続けるんだろうか、100万回生きたねこみたいに。
あとここら辺から「ええと、目的なんだったっけ?」って完全に筋がどうでもよくなっていた(笑)。
ストーリーらしいストーリーはないと聞いてはいたけど本当に途中からどっか行っちゃってたなー。
おもしろいからもう何でもいいけど。

本日のお弁当。ちらし寿司をいただきました。
演舞場のお弁当はお手頃価格が多くてうれしい。
休憩時間中に大道具さんたちがせっせと花道に所作台を並べてから
第3幕が始まりました。
別れ別れになっていた重の井姫と与八郎が、盗賊のごたごたに巻き込まれて再会しますが
与八郎は江戸兵衛(猿之助)の鉄砲で足を撃たれて立てなくなってしまいます。
何とか箱根の温泉に辿り着いて療養をして、逸平・半次郎とも無事合流。
重の井姫は与八郎の傷が治るよう滝壺にお百度参りをしている…とイヤホンガイドさんが解説すると
舞台セットがゴウンゴウンと動いてザアアア…という音とともに流れ落ちる水と滝壺のセットに変化。
おお、ビニールの用意をしなくてはととりあえず広げて握りしめて鑑賞継続。
滝壺の姫のもとに江戸兵衛がやって来て姫をくどくのですが
拒絶されたので腹いせに斬ってしまいます!ギャー。
与八郎たちが滝壺へ辿り着くと、息も絶え絶えの姫は「どうか足が治りますように!」と叫んで
滝壺へ落下!ええええええ!!!
するとぱああっという照明とともに与八郎が光につつまれ
姫の願いが通じたのでしょうか、足が治って立てるようになりました!!ええええええ。
そこへ追手の官太夫・源吾親子も駆けつけて来て滝壺の中で右へ左への大騒ぎになっちゃって
とうとう大勢で立ち回りが始まりましたよ、
10人くらいで本水の中で打ちかかってかわして転んでもがいて反撃して、とものすごい迫力、
でも皆さん濡れようが何だろうが超楽しそう、足滑らせないでね!とかハラハラしながら観ました。
きったはったを繰り返しとうとう官太夫・源吾親子を倒した与八郎たちは喜びの表現でしょうか、
舞台から観客に向かってばっしゃばっしゃと水をかけ始めました。。゚(^▽^)゚。。わはははは
みなさん慌ててビニール被ってたけど間に合ってなかったと思う(笑)。
次に3人で花道に駆けてきてスッポン付近で見得をきり、びしょびしょの着物の袖を振り回して
ぱぱーっと水を飛ばしてさらに口からも噴いて本当にびっくり!
案の定、わたしはとっさにビニール上げられなくて結構しずく被りました(笑)でもおもしろかった٩( ᐛ )و
最後に3人が舞台に戻ると、本水の滝がドバーっと割れて
中から死装束の重の井姫が板に乗って登場☆
滝壺に男3人、割れた滝に姫というなんとも絵になる構図でびしっと見得を切ってくれました!
笑也さんの美しさが最高潮に光っていましたよ…ほんとこの方は舞台上ではお姫様ですよね。
そして「とざい、とうざーい」の掛け声とともに大詰の「写書東驛路」開始。
常磐津の伴奏が光り輝く第4幕です。
箱根からやっとたどり着いた小田原から品川までの間に怒涛の12役20回の早替わりですよ!
弥次喜多が登場して「滝壺で終わると思ってたでしょ?終わりませんから~」って叫んでくれて
みんなで盛り上がりました。
あとはひたすら猿之助の八面六臂早変わりを楽しむだけの簡単なお仕事。
丁稚にお店の跡取娘、芸者、弁天小僧菊之助、渡し守、町人女房、鳶頭、雷様(!)、船頭など
まるで手品みたいに次々に早変わりしていくんですよ!
1つのお役をわずか2~3分程度しか扮していなくて衣装もかつらも人格もクルクル変わって
8月に勘九郎がやったみたいにバトルしながら交互に入れ替わったり
傘と蓑を使って一瞬で変わったり、舞台裏に引っ込んだかと思うとスッポンから現れたりと
まさに縦横無尽でした。
いつも思うんだけど猿之助はサービス精神が旺盛で女形も二枚目もチョイ悪もうまくて
何より踊りの時の手の動きが完璧すぎる。
ただ、さすがに最後の方はバテてたみたいでちょっと声がかすれてました。
でもあんな早変わりを涼しい顔で毎日やってるとかすごい…。
最後の最後でようやく日本橋へ辿り着いた与八郎たち、
やはりここでも追手の水右衛門と戦いまして決着がつきそうなところでスッと芝居が止まり、
猿之助をはじめ全員がその場に手をついて観客に向かって「まず今日はこれぎり!」
おしまい!!
もう頭もお腹もパンパンで何も考えられなかったよね…。
「何じゃこりゃ全然分かんない!でも笑える!ほんとに2ヶ月やるのこれを!」って戦慄するレベル。
超スピーディーな展開で、お家騒動に始まり水中チャンバラ化け猫バトル本水チャンバラと
ストーリーは二の次で猿之助充をたっぷりできた5時間でした。
宝物はどうなったの?お家騒動は??って聞きたいこと言いたいことは山ほどあったんですけど
もうくたくたでどうでもよくなってた。。
猿之助の着物にカエルがいたり、右近さんの着物がトランプ(?)柄だったり
ファッションも相変わらず眼福。
役者の衣装だけじゃなく場面も次々変わるので背景画もすごい枚数。大道具さんっ…!
あとそろそろ歌舞伎のステージではプロジェクションマッピングが使われ始めるに違いない。
今日の照明でも海とか滝壺とか、そんな感じのが使われていたし。

本日の着物。化けニャンコの出る演目なのでお気に入りの猫着物に猫帯しめていきました☆
ペンダントは通販で購入した百鬼夜行です。
そして。

つ、ついに買ってしまいましたっ…。
美容液つき2枚入り、『暫』と『船弁慶』の隈取がプリントされたフェイスパックが入っていました。
これをペタンと顔にパックすると歌舞伎役者になれます(´ー`)。
パッケージの裏にも【歌舞伎役者になりきりましょう】ってイラスト入りで書いてあるし(´ー`)。
わたし化粧品によってはアレルギー出ちゃうこともあるんですけど、これは大丈夫でした!
きっと敏感肌にやさしいエキスを選んでくださったんだ。染ちゃんありがとう~☆
(歌舞伎フェイスパックは市川染五郎監修製品です)
※クリックで大きくなります
「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その14。13はこちら。
光悦に養源院の障壁画をお披露目した宗達。三十三間堂の前を通りながら帰ります。
光悦「がんばったじゃん」
宗達「でしょう」
光悦「宗雪くん、ずいぶん達者に描いたじゃないの」
宗達「でしょう」
光悦「…」
宗達「…」
光悦「風と雷は?」
宗達「何日か前から、見あたらない」
光悦「そっか」
宗達「…」
光悦「…」
宗達「どこかの神さんだったのかな」
光悦「うおっと」
宗達「まさかな」
光悦「…そいや、ここ(三十三間堂)にも雷神と風神がいたな」
宗達「やべ」
光悦「?」
宗達「おれ遊んでばっかいたもん。すげー罰当たり」
光悦「神さんてのは遊び好きだろ。祭だって遊びの延長だし」
宗達「そうかな」
光悦「きっと楽しかったと思うよ」
宗達「だと、いいなあ」
蓮華王院(三十三間堂)の千体観音像の前に安置されている風神・雷神像は鎌倉時代の作だそうです。
宗達の風神雷神図は、この2像の影響を強く受けているといわれます。
次回で宗達・光悦編はひと区切りです。
四代目市川猿之助が昼の部・夜の部のほぼ全編にわたって大活躍する演目を
今月だけでなく来月まで続けるという過酷な公演です(^ ^;)。
猿ちゃん体力ある人ですけどマジ大丈夫なのか…無事に千穐楽を迎えられますようにgkbrgkbr
わたしが観たのは夜の部「獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)」といって
弥次郎兵衛と喜多八が旅をする十返舎一九の『東海道中膝栗毛』を
鶴屋南北がおもしろおかしく歌舞伎にしたものです。
江戸時代の歌舞伎は長い1演目を2~3日かけてやることがあって
大当たりして大ヒットすると続きを書いていたみたいですが、
書いているうちに南北さん、収拾がつかなくなったのかお客が入らなくなったのか
上演が3幕で中断されてしまい(この時点で箱根までしか帰って来てなかった)それきりだったのを
先代の猿之助(現猿翁)が4幕目を追加して復活させたそうですね。
で、結局4幕53場、幕間も入れて上演時間は約5時間!
しかも6役くらいだったのを12役付け足して計18役にしてしまったという…もうなんなの…(;´∀`)。

いつものようにチケットで席を確認して「あーここだここだ」って座ろうとしたら
椅子の背にビニールがくっついていた件。
舞台から水が飛んでお客さんがビニールで防御する様子は何度か見たことありますが
実際に浴びる側になったのは初めてでした(笑)。
今回の席は花道に近かったのでこれは花道でも水飛ばすのかな…とちょっと覚悟を決めた。

ちなみに立ちあがるとスッポンがこの位置にあります。なんということなの。
1人18役早変わり+宙乗りってチラシに書いてありましたから
ほほう、幕ごとに早変わりして合計18役なのかなって軽く考えていたら
3幕までは6役くらいを何度か演じていて(たまに早変わりがある)、
大詰め「写書東驛路」で12役連続早変わり踊り分けという超頭おかしい企画だった……('Д')。
それだけじゃなくスッポン、人力クレーン、本水使った大立ち回りなど使えるもの全部使い倒して
「面白いものとりあえず全部板の上に乗せてみました!」な和洋中大盛りフルコースって感じで
次々に場面も話も変わるので観る方も体力を消耗するという(笑)。
芝居の名場面パロディ(ほとんどおいしいとこ取り)もあるからお芝居好きな方はニヤリとするし
(大詰めでは「お染の七役」と「白波五人男」を知っていると楽しいよ)、
こういう、おもしろいけど支離滅裂の演目を「ないまぜ狂言」または「闇鍋」というそうです。
鶴屋南北がこの演目を書いたのが70歳のときで
さらに2年後には四谷怪談を書いているとイヤホンガイドさんに聞いてもう何が何だか、
南北は真面目と不真面目の差が極端だな…。
南北も、復活どころかパワーアップさせちゃった猿翁さんも頭おかしい。でも楽しい。
幕開けは春猿さんの茶屋女房おきちと錦之助さんの鶴屋南北がおしゃべりしているシーンから。
そして万雷の拍手とともに猿之助が馬を連れて花道からご登場~☆
スッポン付近で立ち止まって「みなさまようこそいらっしゃいました、市川猿之助でございます」とか
挨拶してくれました!
うおーめっちゃ近い息遣いとか聞こえるじゃないの…スッポン席やばい(勝手に名付けた)。
猿之助が舞台に移動すると南北さんとの掛け合いが始まります。
猿之助が「あなたがこんな芝居書いちゃったから舞台裏は火事場の如き大わらわです」と苦情を言うと
南北が「役者がそんなこと言っちゃダメよ~ダメダメ♪」っておっしゃるから客席大爆笑!
猿之助も「芝居で生きられるのは本望です」と思い直したようでここから口上。
南北の作品を猿翁が復活させたこと、18役早変わり、本水を使うなど説明してくださり
「スーパー歌舞伎IIの原田さんの新しい照明とともに、懐かしくて新しい、“なつかあたらしい芝居”を
上演する次第にございます」と朗々とご挨拶いただきました。
序幕。
十返舎一九の小説は江戸日本橋から始まりますが、五十三驛は京都三条大橋から始まります。
ストーリーは丹波国・由留木家で起こった跡目争いで相続に必要な宝物の奪い合いをしながら
東海道を京都から江戸へ下っていくという感じ。
宝物は2つあってうち1つ「九重の印」は日本駄右衛門に盗まれてしまい、
もうひとつ宝物である刀「雷丸」は丹波与惣兵衛が持って逃げようと三条大橋にさしかかると
男女蔵さんと猿四郎さん扮する赤堀官太夫・源吾親子に殺され奪われてしまいます。
で、与惣兵衛の長男・与八郎(猿之助)は門之助さん扮する石井半次郎から父親の死を聞かされて
石山寺から恋人の重の井姫を連れ出して敵討ちの旅に出ます。
猿之助の与八郎かっこよかってん…笑也さんの重の井姫は美しすぎてしねる…!
ここで重の井姫をくどいてくる由留木家長男・馬之助も猿之助が演じているのですが
もう絵に描いたような、ネジが2~3本飛んでそうなバカ殿でした。でもかわいい。
あと与八郎→馬之助→与八郎と、1分足らずの早変わりも始まっておりまして
早変わりは8月納涼歌舞伎で勘九郎にびっくりさせられまくったので
楽しすぎてドキドキが止まらないよ。
で、旅に出たはいいものの当然、追手がかかるわけで
姫を葛籠に入れて逃げていた与八郎、さっそく追手に姫を葛籠ごと奪われてしまいます。
このとき姫がうっかり落とした着物を拾って持って行っちゃうのがなんと
旅で路銀が尽きて困り果てていた弥次郎兵衛と喜多八!
この人たち幕間とかにちょこちょこ出てくるのですが、最初から最後までおもしろすぎました(^ω^)。
弥次「よっ、澤瀉屋」喜多「ありがとう☆」ってセルフ大向こうしたり
客席から大向こうがかかると「ありがとう☆」ってすっごいいい笑顔で返事したりね。
後半に猿之助がスッポンから登場して花道に去っていくお役があるのですけど
「おい今、猿之助に似たやつが通ってったよな」って言いながら自分たちも引っ込んでいって笑った。
(ここでイヤホンガイドさんが「これはその通りですね」って絶妙に突っ込んでもいて2度笑った)
どうにか雷丸を手に入れた与八郎、桑名の渡し場で九重の印をめぐって官太夫とバトルするのですが
突然ですがこの印、龍が欲しがるような代物だったようで(!)、
いきなり花道から龍が現れてひとしきりどんしゃん踊りまくると
川の水がザッパーンと溢れて2人は波に呑みこまれてしまいます。えええ~~~~~!
ここで1つ目の名場面、水中立ち回りキター!!
海底に沈んだ印を追って与八郎と官太夫がすいすい泳いでるのですけど
こちらの2枚目の写真をご覧ください。上からクレーンで吊られています(笑)。
ぶくぶく息しながら戦っているうちに海老やヒトデやタコ(全部着ぐるみ)とか出てきて
クジラ(先ほどのページの1枚目の写真をご覧ください)に乗って見得まで切っちゃって
国芳のクジラかよ!!って全力で突っ込むところだった。
与八郎が雷丸を抜くとビカビカビカーーッ☆と雷が鳴って稲光の照明が舞台をかけめぐって
ものすごい迫力だった!
猿翁演出パない。頭おかしいでしょう。最高かよ。
海老のクオリティが異様に高くて無性に食べたくなりました…あと印はタコが吸盤にくっつけていた。
第二幕は猿三郎さんのおもしろセリフで開けました。
熊鷹半長という盗賊役なのですが、与八郎の部下の奴逸平(亀鶴さん)を追いかけて来て
「わしが熊鷹半長だ。ハンチョウと言っても、佐々木蔵之介じゃねぇぞ」って凄んで
逸平に「わけのわからぬシャレを言う奴よ」って突っ込まれてた。ありがとうございます!(笑)
花道を走って逃げる逸平を追いかけていく部下たちには
「あいつ捕まえたらよ、ノーベル賞やるわ」って言って引っ込んでいって大爆笑!
錦之助さんのエレキテル連合もそうですが、ああいうちょっとした時事アドリブは
役者さんに任されているそうですね。
弥次喜多が女衒の次郎作(寿猿さん)に重の井姫の着物を売る場面を経て
池鯉鮒(愛知県)までやってまいりました。
与八郎には姉と妹がいて、妹のお袖(米吉くん)は藤助という男と恋仲なのですが
最近彼が会いに来ないのと、しかも吉原の傾城と恋仲になったらしいと聞いて
傾城に呪いをかけようと夜な夜な肖像画に釘を打っています。。やばい怖い。
姉のお松(猿之助)がやめるよう諭していると(このとき猫を抱いています)、
花道から中村隼人くんが登場☆
お松の恋人で民部之助と名乗るのですが、その顔を見たお袖はびっくり仰天、
実は民部之助は藤助だったと判明したのです。
ショックを受けたお袖ちゃんが楚々と恨みつらみを言う(当たり前ですね)のですが
米吉くんマジやばいんですけど、こんな魔性の人だったの…!!
目が小さく小顔で仕草がなよやかで狂気もあって大輪の百合の花が揺れているようでしたよ。
1月の浅草歌舞伎で壱太郎くんを見たときのような衝撃を受けました。彼らは逸材。
それに引き換え民部之助まじクズ、隼人くんがイケメンだからギリだけど。
あと、人形だけど猫が着物にイタズラしててかわいかった。
お松とお袖の母親は罪を犯して牢屋に入れられているため、
父親が「奉公してこい」と女衒の次郎作にお松を売りとばしてしまいます。
父親は欣弥さんなんですが、どうも余計なことをするタイプのようで
お袖が釘を打っていた傾城の絵を壁に飾るつもりで何気なくコーンと釘を打ってしまい、
満願となったためお松が顔にひどい傷を負ってしまうのです。。
しかし籠に乗せられ、まるで「仮名手本忠臣蔵」6段目のお軽のようにドナドナされていくお松。。
お松を追って民部之助とお袖は岡崎の無量寺に到着。
宿を求めますが、中から出てきたお三(猿之助)が白髪ざんばら、着物もぐちゃっと着てて
子年の女性に反応したり、行灯に入れるため買ってきた魚油に舌なめずりしたりと
もう見るからに怪しい(苦笑)。
夜になってみんなが寝静まった頃、こっそり起きて行灯に頭をつっこんで魚油をなめ始めると
シルエットが猫の横顔になった!
それを、民部之助とお袖を案内してくれた女性おくら(段一郎さん)に目撃されて
彼女の喉を噛み切ってしまい、妖術でユーラユーラと遺体を揺らして遊んだりして怖い怖い。
ひたすらここは猿之助の独壇場でした。。猫耳も生えてるしね。
音に驚いた民部之助とお袖が起きてくると、お三はたちまち2人に襲い掛かって
ついに、ざんばら髪に猫耳、口は耳まで裂け爪を光らせ、十二単を身にまとった化け猫が登場☆
あたしの大事なお松の顔をよくも傷つけたね、末代まで祟ってやる!という言い分で
民部之助と立ち回りを繰り広げます。
刀でとどめを刺されそうになってスッポンへ逃げて、ここできましたーー宙乗り☆
おお…十二単に緋袴姿の化け猫が…サーチライトを浴びながらニャンニャンポーズで飛んで行く…!!
客席からは大拍手。「澤瀉屋ー!」の大向こうも飛びまくって大盛り上がりでした。
(猫+十二単というアイディアは南北が台本を書いているときに
飼い猫が十二単の絵を持ってきたことから思いついたという逸話があるそうだ)
あの猫はまたどこかで生き続けるんだろうか、100万回生きたねこみたいに。
あとここら辺から「ええと、目的なんだったっけ?」って完全に筋がどうでもよくなっていた(笑)。
ストーリーらしいストーリーはないと聞いてはいたけど本当に途中からどっか行っちゃってたなー。
おもしろいからもう何でもいいけど。

本日のお弁当。ちらし寿司をいただきました。
演舞場のお弁当はお手頃価格が多くてうれしい。
休憩時間中に大道具さんたちがせっせと花道に所作台を並べてから
第3幕が始まりました。
別れ別れになっていた重の井姫と与八郎が、盗賊のごたごたに巻き込まれて再会しますが
与八郎は江戸兵衛(猿之助)の鉄砲で足を撃たれて立てなくなってしまいます。
何とか箱根の温泉に辿り着いて療養をして、逸平・半次郎とも無事合流。
重の井姫は与八郎の傷が治るよう滝壺にお百度参りをしている…とイヤホンガイドさんが解説すると
舞台セットがゴウンゴウンと動いてザアアア…という音とともに流れ落ちる水と滝壺のセットに変化。
おお、ビニールの用意をしなくてはととりあえず広げて握りしめて鑑賞継続。
滝壺の姫のもとに江戸兵衛がやって来て姫をくどくのですが
拒絶されたので腹いせに斬ってしまいます!ギャー。
与八郎たちが滝壺へ辿り着くと、息も絶え絶えの姫は「どうか足が治りますように!」と叫んで
滝壺へ落下!ええええええ!!!
するとぱああっという照明とともに与八郎が光につつまれ
姫の願いが通じたのでしょうか、足が治って立てるようになりました!!ええええええ。
そこへ追手の官太夫・源吾親子も駆けつけて来て滝壺の中で右へ左への大騒ぎになっちゃって
とうとう大勢で立ち回りが始まりましたよ、
10人くらいで本水の中で打ちかかってかわして転んでもがいて反撃して、とものすごい迫力、
でも皆さん濡れようが何だろうが超楽しそう、足滑らせないでね!とかハラハラしながら観ました。
きったはったを繰り返しとうとう官太夫・源吾親子を倒した与八郎たちは喜びの表現でしょうか、
舞台から観客に向かってばっしゃばっしゃと水をかけ始めました。。゚(^▽^)゚。。わはははは
みなさん慌ててビニール被ってたけど間に合ってなかったと思う(笑)。
次に3人で花道に駆けてきてスッポン付近で見得をきり、びしょびしょの着物の袖を振り回して
ぱぱーっと水を飛ばしてさらに口からも噴いて本当にびっくり!
案の定、わたしはとっさにビニール上げられなくて結構しずく被りました(笑)でもおもしろかった٩( ᐛ )و
最後に3人が舞台に戻ると、本水の滝がドバーっと割れて
中から死装束の重の井姫が板に乗って登場☆
滝壺に男3人、割れた滝に姫というなんとも絵になる構図でびしっと見得を切ってくれました!
笑也さんの美しさが最高潮に光っていましたよ…ほんとこの方は舞台上ではお姫様ですよね。
そして「とざい、とうざーい」の掛け声とともに大詰の「写書東驛路」開始。
常磐津の伴奏が光り輝く第4幕です。
箱根からやっとたどり着いた小田原から品川までの間に怒涛の12役20回の早替わりですよ!
弥次喜多が登場して「滝壺で終わると思ってたでしょ?終わりませんから~」って叫んでくれて
みんなで盛り上がりました。
あとはひたすら猿之助の八面六臂早変わりを楽しむだけの簡単なお仕事。
丁稚にお店の跡取娘、芸者、弁天小僧菊之助、渡し守、町人女房、鳶頭、雷様(!)、船頭など
まるで手品みたいに次々に早変わりしていくんですよ!
1つのお役をわずか2~3分程度しか扮していなくて衣装もかつらも人格もクルクル変わって
8月に勘九郎がやったみたいにバトルしながら交互に入れ替わったり
傘と蓑を使って一瞬で変わったり、舞台裏に引っ込んだかと思うとスッポンから現れたりと
まさに縦横無尽でした。
いつも思うんだけど猿之助はサービス精神が旺盛で女形も二枚目もチョイ悪もうまくて
何より踊りの時の手の動きが完璧すぎる。
ただ、さすがに最後の方はバテてたみたいでちょっと声がかすれてました。
でもあんな早変わりを涼しい顔で毎日やってるとかすごい…。
最後の最後でようやく日本橋へ辿り着いた与八郎たち、
やはりここでも追手の水右衛門と戦いまして決着がつきそうなところでスッと芝居が止まり、
猿之助をはじめ全員がその場に手をついて観客に向かって「まず今日はこれぎり!」
おしまい!!
もう頭もお腹もパンパンで何も考えられなかったよね…。
「何じゃこりゃ全然分かんない!でも笑える!ほんとに2ヶ月やるのこれを!」って戦慄するレベル。
超スピーディーな展開で、お家騒動に始まり水中チャンバラ化け猫バトル本水チャンバラと
ストーリーは二の次で猿之助充をたっぷりできた5時間でした。
宝物はどうなったの?お家騒動は??って聞きたいこと言いたいことは山ほどあったんですけど
もうくたくたでどうでもよくなってた。。
猿之助の着物にカエルがいたり、右近さんの着物がトランプ(?)柄だったり
ファッションも相変わらず眼福。
役者の衣装だけじゃなく場面も次々変わるので背景画もすごい枚数。大道具さんっ…!
あとそろそろ歌舞伎のステージではプロジェクションマッピングが使われ始めるに違いない。
今日の照明でも海とか滝壺とか、そんな感じのが使われていたし。

本日の着物。化けニャンコの出る演目なのでお気に入りの猫着物に猫帯しめていきました☆
ペンダントは通販で購入した百鬼夜行です。
そして。

つ、ついに買ってしまいましたっ…。
美容液つき2枚入り、『暫』と『船弁慶』の隈取がプリントされたフェイスパックが入っていました。
これをペタンと顔にパックすると歌舞伎役者になれます(´ー`)。
パッケージの裏にも【歌舞伎役者になりきりましょう】ってイラスト入りで書いてあるし(´ー`)。
わたし化粧品によってはアレルギー出ちゃうこともあるんですけど、これは大丈夫でした!
きっと敏感肌にやさしいエキスを選んでくださったんだ。染ちゃんありがとう~☆
(歌舞伎フェイスパックは市川染五郎監修製品です)

「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その14。13はこちら。
光悦に養源院の障壁画をお披露目した宗達。三十三間堂の前を通りながら帰ります。
光悦「がんばったじゃん」
宗達「でしょう」
光悦「宗雪くん、ずいぶん達者に描いたじゃないの」
宗達「でしょう」
光悦「…」
宗達「…」
光悦「風と雷は?」
宗達「何日か前から、見あたらない」
光悦「そっか」
宗達「…」
光悦「…」
宗達「どこかの神さんだったのかな」
光悦「うおっと」
宗達「まさかな」
光悦「…そいや、ここ(三十三間堂)にも雷神と風神がいたな」
宗達「やべ」
光悦「?」
宗達「おれ遊んでばっかいたもん。すげー罰当たり」
光悦「神さんてのは遊び好きだろ。祭だって遊びの延長だし」
宗達「そうかな」
光悦「きっと楽しかったと思うよ」
宗達「だと、いいなあ」
蓮華王院(三十三間堂)の千体観音像の前に安置されている風神・雷神像は鎌倉時代の作だそうです。
宗達の風神雷神図は、この2像の影響を強く受けているといわれます。
次回で宗達・光悦編はひと区切りです。
不屈の精神。
国立新美術館にて開催中の「オルセー美術館展 印象派の誕生-描くことの自由-」を観てきました。
印象派の殿堂と呼ばれるオルセー美術館の印象派絵画がドバっとご来日ということで
年明けから楽しみにしていました☆
ネームバリューと会期末が近いのとでものすごく混んでましたが(;´∀`)。
正直なところ、目的はミレーの晩鐘とモネのかささぎだけだったのですが
いざ会場へ入ったら過去に教科書やテレビで一度は見たことある作品が次から次へと迎えてくれて
出口に辿り着いたころにはお腹どころか頭もパンパンになりました。。
こんなに出張させちゃって今頃オルセーはさびしいことになってないかなと心配になったり。
印象派の絵画だけではなく印象派を取り巻いていた当時の画壇の作品もあって
両方を比較できるようにもなっていましたね~。
このキュレーションは新しいと思う。
トップバッターはバジールの「バジールのアトリエ」でした。
絵画がたくさん飾られたアトリエの室内に画家たちが談笑していて楽しそうな雰囲気。
真ん中にキャンバスが置かれてマネとモネ(シスレーとも)、階段下にルノワールがいて
印象派クラスタにはわくわくする絵です。
キャンバスの傍らにバジールがいるのですが実はもともと描かれてはいなかったらしく
この絵を描いた数年後に普仏戦争で戦死したバジールを偲んでマネが後から描き足したそうです。
なにそのアニキっぷり…!!。゚(゚´ω`゚)゚。
そんなマネがサロンに出品して酷評された「笛を吹く少年」の絵は想像よりずっと大きかった!
第1回印象派展の8年前に描かれ、あまり立体感はないし色数も少なくて
(少年に使われているのは黒・赤・黄色・白の4色のみ)、
でも別段、めずらしくはないしこんな風にシンプルに描けるのいいなって思いますけど
やっぱりアカデミズムが台頭していた当時は驚かれたのでしょうね~。
会場の別の位置には少年の持つ笛が再現され展示されていました。とても高い音が出るらしい。
反対にミレーの「晩鐘」は想像よりずっと小さかった。
大人気ですからものすごい人だかりでなかなか正面に辿り着けず、やっと順番がきて目にしたら
それまでのイライラとか全部吹っ飛んでボーっと見てしまいました。
農作業の手をとめて祈りを捧げる夫婦にぼんやりと当たる夕陽がとてもきれいで
教会の鐘の音まで聞こえてくるような。
画集やテレビで見慣れているはずなのに感動が全然違ったな…。
ブルトンの「落穂拾いの女たちの召集」は、落穂拾いはミレーも描いてますけど
ブルトンのは女たちが和気あいあいとして賑やかな雰囲気で、
でもグラデーションもタッチもミレーとそっくりだなあと思ったら晩鐘と描かれた年がほぼ一緒で
なるほどと思いました。
カイユボットの「床に鉋をかける人々」はきっちりリアルな描写でタッチも力強くて
でも当時の宗教画や肖像画のようにリアルかというとそうでもないというか、
近づいて見ると絵の具が荒々しくて、離れてみるとリアルに見える。
彼は特にどこの派とかカテゴリ分けされてないみたいですが、マネやモネと同時代に生きているし
印象派のパトロンでもあったから影響は受けているのかな。
印象派より前、あるいは同時代に官展(サロン)に入選した画家たちの作品は
神話や聖書、王侯貴族に題材を取ったりしてて写真のようにリアルで、
確かにこんな絵ばかりの中にバルビゾン派や印象派のようなテーマが乗り込んできたら
そりゃ驚かれるよなあと思いました。
ドローネー「ローマのペスト」は、天使が悪魔に人間の家のドアを何度か叩かせると
叩いた数だけその家から死者が出る…みたいな話を絵にしたらしくてぞわぞわ、
神が人を殺すのはめずらしくないけど(ノアの方舟とかヨブ記とか)、天使も人を殺すんですね。
あと悪魔がふつうに髭の生えた人間の姿で描かれていて
おや、悪魔って触角の生えた全身黒タイツばかりとは限らなくて
人と同じ姿をしたのもいるのかなあとふと思ったりしました。
ブグロー「ダンテとウェルギリウス」が地獄に落ちた2人が全裸でくんずほぐれつして迫力がすごい、
ってかあれ絶対腰だけじゃなくて背骨いってるよね…(^ ^;)。
2人を眺めている悪魔(デーモンかな?)は角と翼が生えていてステレオタイプなデザイン。
ルフェーブル「真理」とか、カパネル「ヴィーナスの誕生」などの裸婦像を見ていくと
理想化された裸体というのはだいたい豊満で肌が真っ白なんだなあと改めて思いました。
ヴィーナスが薄目を開けているのも今回近づいて見て初めて知ったし、
あと空に舞う天使たちがコロコロしていてかわいい☆
印象派の風景画コーナーもあって展示室右側に水辺の風景、左側に田園の風景がずらっと並んで
ここでも目が行くのはやっぱりモネだったりします(笑)。
「アルジャントゥイユのレガッタ」の、空とヨットと海のコントラスト!
「アルジャントゥイユの船着場」の、水辺と岸辺の並木道の色のやわらかさ!
「かささぎ」は数年前に同じく新美で見たので久し振りの再会にうれしくなりました^^
雪が積もった早朝の庭先にかささぎがとまっている何てことない絵ですが
空も雪もきらきらしていてとても好き。
よーく見ると積もった雪は白だけじゃなく薄いピンクや青や黄色が混じっていて
ああ、だから離れて見ると色が混じりあって白に見えるのかな…と。
セザンヌ「スープ入れのある静物」の色のごちゃごちゃ感がちょっとすごい。
赤、黄色、緑、オレンジ、青、白と基本色のほとんどを使っていてレインボー、
スープ入れもリンゴもテーブルクロスも壁も、モノそれぞれがうまく主張してバランスも取れてて
色彩感覚がすぐれているというか、配色にものすごい気を遣っているような印象でした。
セザンヌの描くリンゴはごろごろ感があると思う…きっと床に落としたらドスンと音がする。
ファンタン=ラトゥール「テーブルの片隅」は友人の画家・作家たち8人の集合絵で
みんなで一斉にドヤ顔してて微笑ましい。
左下に並んでいるヴェルレーヌとランボーの視線が、お互い絶対に視線を合わせないぞって感じで
当時の2人の関係とか考えるとさもありなん、と思うけど
ラトゥールがあえて並べて描いてるあたりが何というか、夢見ちゃうね。
ドガ「バレエの舞台稽古」はエトワールのチュチュがふわふわしてるし
モリゾ「ゆりかご」の、ゆりかごにかかるレースの透けてる感もやさしくて好きです。
モネ「サン=ラザール駅」は何度目かわかりませんが再会できて大喜びしました!
かささぎと同じく白や黄色、ピンク、水色などふんだんに色が使われて
たった今列車がプラットフォームに入って来たときの蒸気の音や煙の動きも感じられるし
何より空気の動きが感じられて大好きだ~。
「草上の昼食」はマネの同タイトルに触発されて描いたもので高さ4mもの巨大な作品。
元々はもっと大きいキャンバスでサロンに出そうとしたそうですが、〆切に間に合わず人に売って
数年後に取り戻したらボロボロになっていたため無事だった部分を残して他は切ってしまったという
なんとも数奇な身の上を持つ絵です。
モネの初期の作品であるため、サン=ラザール駅と比べるとタッチも色遣いも手さぐり感があるけど
光の表現は生涯を通して変わらないんだなーとも思った。
おしまいはマネの作品数点。
「アスパラガス」は、アスパラガス1本が描かれた小さな作品で
これを描く前にアスパラガスの束の絵を言い値より高く買ってくれた人へのお礼として
あなたの束から1本抜け落ちていたようです…と手紙を添えて贈り物としたそうです。
なんというアニキ…!
「婦人と団扇」は、日本の団扇がたくさん散らばる畳の部屋に黒服の女性が寝そべっていて
団扇ひとつひとつには浮世絵の美人画や風景画がプリントされていました。
マネも浮世絵の魅力にハマってしまったのね、わかるよその気持ち。(←浮世絵クラスタ)
「ロシュフォールの逃亡」はマネ最晩年の作品で、
体制に抵抗して流罪にされたジャーナリストが船で逃亡する様子を描いたもので
劇的でかっこいい。
(史実とは違った逃げ方らしいのですが、絵は理想を描くものですからね☆)
水平線を無視して海面に目を向け、あらゆる水色と青(一番濃いのはラピスラズリかな)を使って
今にも動き出しそうな波のうねりが表現されていたなあ。
地平線に黒点で描かれているのがロシュフォールを助けに来たオーストラリア船だそうで、
これは「サロンに出しても出しても認められなかったマネが晩年にやっと無審査で出品できた」ことを
意識しているらしいとの説もあるとか。
マネは印象派の画家たちとはとても仲良しでしたけど、印象派展には1度も出品せず
拒否されても酷評されてもサロンに出品し続けていたそうです。
わたしマネの絵を見るといつも切れ長のまなざしというか挑戦的な印象を受けるんですけど
たぶん彼の熱意が作品を通して伝わってきていたのかな…。
そんなこんなでモネへの思いを改めてふくらませ、マネのアニキに惚れ直して
体も心もものすごく充実した内容でした!
本家のオルセー美術館は1日ではとても回りきれないらしいですね…興味津々。行きたい。
実は我が家には通販で購入した「印象、日の出」の複製画が飾ってあります^^
あとピカソやゴッホ、モディリアーニの絵なども。両親のチョイスです。

東京ミッドタウンのザ・リッツ・カールトンカフェ&デリに移動してオヒルゴ・ハーン。
チキンカレーセットをいただきました。
食後のドリンクとセットで、ハーブティーをお願いしたらおかわりもできて、これで1300円は安い!

デザートにいただいた季節限定のケーキ。
レアチーズとベリーの味が絶妙でありました~。
この後、電車で銀座に移動して新橋演舞場にて市川猿之助奮闘連続公演を観てきたのですが
それはまた次回記事に書きたいと思います。
※クリックで大きくなります
「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その13。12はこちら。
半年近くかけて描き続けてきた養源院松の間の襖に、最後の筆を入れる宗達。
宗達「できた~~……」
一門「「「よっしゃーーーーー!!!」」」
全12面、青々とした若松から苔むした老松へ、松の一生を表現した障壁画と
唐獅子・白象・波に犀(それぞれ魔除け・仏の使い・火除け)を描いた杉戸絵が
ついに完成しました。
みんなで肩をたたき合って苦労をねぎらいます。
※クリックで大きくなります
そんな宗達たちを後ろから見て、にっこり微笑み合う風雷。
なんだかとても満足したような表情です。
翌日、宗達が目を覚ますと2人の姿はなく、呼んでも探しても見つからないのでした…。
印象派の殿堂と呼ばれるオルセー美術館の印象派絵画がドバっとご来日ということで
年明けから楽しみにしていました☆
ネームバリューと会期末が近いのとでものすごく混んでましたが(;´∀`)。
正直なところ、目的はミレーの晩鐘とモネのかささぎだけだったのですが
いざ会場へ入ったら過去に教科書やテレビで一度は見たことある作品が次から次へと迎えてくれて
出口に辿り着いたころにはお腹どころか頭もパンパンになりました。。
こんなに出張させちゃって今頃オルセーはさびしいことになってないかなと心配になったり。
印象派の絵画だけではなく印象派を取り巻いていた当時の画壇の作品もあって
両方を比較できるようにもなっていましたね~。
このキュレーションは新しいと思う。
トップバッターはバジールの「バジールのアトリエ」でした。
絵画がたくさん飾られたアトリエの室内に画家たちが談笑していて楽しそうな雰囲気。
真ん中にキャンバスが置かれてマネとモネ(シスレーとも)、階段下にルノワールがいて
印象派クラスタにはわくわくする絵です。
キャンバスの傍らにバジールがいるのですが実はもともと描かれてはいなかったらしく
この絵を描いた数年後に普仏戦争で戦死したバジールを偲んでマネが後から描き足したそうです。
なにそのアニキっぷり…!!。゚(゚´ω`゚)゚。
そんなマネがサロンに出品して酷評された「笛を吹く少年」の絵は想像よりずっと大きかった!
第1回印象派展の8年前に描かれ、あまり立体感はないし色数も少なくて
(少年に使われているのは黒・赤・黄色・白の4色のみ)、
でも別段、めずらしくはないしこんな風にシンプルに描けるのいいなって思いますけど
やっぱりアカデミズムが台頭していた当時は驚かれたのでしょうね~。
会場の別の位置には少年の持つ笛が再現され展示されていました。とても高い音が出るらしい。
反対にミレーの「晩鐘」は想像よりずっと小さかった。
大人気ですからものすごい人だかりでなかなか正面に辿り着けず、やっと順番がきて目にしたら
それまでのイライラとか全部吹っ飛んでボーっと見てしまいました。
農作業の手をとめて祈りを捧げる夫婦にぼんやりと当たる夕陽がとてもきれいで
教会の鐘の音まで聞こえてくるような。
画集やテレビで見慣れているはずなのに感動が全然違ったな…。
ブルトンの「落穂拾いの女たちの召集」は、落穂拾いはミレーも描いてますけど
ブルトンのは女たちが和気あいあいとして賑やかな雰囲気で、
でもグラデーションもタッチもミレーとそっくりだなあと思ったら晩鐘と描かれた年がほぼ一緒で
なるほどと思いました。
カイユボットの「床に鉋をかける人々」はきっちりリアルな描写でタッチも力強くて
でも当時の宗教画や肖像画のようにリアルかというとそうでもないというか、
近づいて見ると絵の具が荒々しくて、離れてみるとリアルに見える。
彼は特にどこの派とかカテゴリ分けされてないみたいですが、マネやモネと同時代に生きているし
印象派のパトロンでもあったから影響は受けているのかな。
印象派より前、あるいは同時代に官展(サロン)に入選した画家たちの作品は
神話や聖書、王侯貴族に題材を取ったりしてて写真のようにリアルで、
確かにこんな絵ばかりの中にバルビゾン派や印象派のようなテーマが乗り込んできたら
そりゃ驚かれるよなあと思いました。
ドローネー「ローマのペスト」は、天使が悪魔に人間の家のドアを何度か叩かせると
叩いた数だけその家から死者が出る…みたいな話を絵にしたらしくてぞわぞわ、
神が人を殺すのはめずらしくないけど(ノアの方舟とかヨブ記とか)、天使も人を殺すんですね。
あと悪魔がふつうに髭の生えた人間の姿で描かれていて
おや、悪魔って触角の生えた全身黒タイツばかりとは限らなくて
人と同じ姿をしたのもいるのかなあとふと思ったりしました。
ブグロー「ダンテとウェルギリウス」が地獄に落ちた2人が全裸でくんずほぐれつして迫力がすごい、
ってかあれ絶対腰だけじゃなくて背骨いってるよね…(^ ^;)。
2人を眺めている悪魔(デーモンかな?)は角と翼が生えていてステレオタイプなデザイン。
ルフェーブル「真理」とか、カパネル「ヴィーナスの誕生」などの裸婦像を見ていくと
理想化された裸体というのはだいたい豊満で肌が真っ白なんだなあと改めて思いました。
ヴィーナスが薄目を開けているのも今回近づいて見て初めて知ったし、
あと空に舞う天使たちがコロコロしていてかわいい☆
印象派の風景画コーナーもあって展示室右側に水辺の風景、左側に田園の風景がずらっと並んで
ここでも目が行くのはやっぱりモネだったりします(笑)。
「アルジャントゥイユのレガッタ」の、空とヨットと海のコントラスト!
「アルジャントゥイユの船着場」の、水辺と岸辺の並木道の色のやわらかさ!
「かささぎ」は数年前に同じく新美で見たので久し振りの再会にうれしくなりました^^
雪が積もった早朝の庭先にかささぎがとまっている何てことない絵ですが
空も雪もきらきらしていてとても好き。
よーく見ると積もった雪は白だけじゃなく薄いピンクや青や黄色が混じっていて
ああ、だから離れて見ると色が混じりあって白に見えるのかな…と。
セザンヌ「スープ入れのある静物」の色のごちゃごちゃ感がちょっとすごい。
赤、黄色、緑、オレンジ、青、白と基本色のほとんどを使っていてレインボー、
スープ入れもリンゴもテーブルクロスも壁も、モノそれぞれがうまく主張してバランスも取れてて
色彩感覚がすぐれているというか、配色にものすごい気を遣っているような印象でした。
セザンヌの描くリンゴはごろごろ感があると思う…きっと床に落としたらドスンと音がする。
ファンタン=ラトゥール「テーブルの片隅」は友人の画家・作家たち8人の集合絵で
みんなで一斉にドヤ顔してて微笑ましい。
左下に並んでいるヴェルレーヌとランボーの視線が、お互い絶対に視線を合わせないぞって感じで
当時の2人の関係とか考えるとさもありなん、と思うけど
ラトゥールがあえて並べて描いてるあたりが何というか、夢見ちゃうね。
ドガ「バレエの舞台稽古」はエトワールのチュチュがふわふわしてるし
モリゾ「ゆりかご」の、ゆりかごにかかるレースの透けてる感もやさしくて好きです。
モネ「サン=ラザール駅」は何度目かわかりませんが再会できて大喜びしました!
かささぎと同じく白や黄色、ピンク、水色などふんだんに色が使われて
たった今列車がプラットフォームに入って来たときの蒸気の音や煙の動きも感じられるし
何より空気の動きが感じられて大好きだ~。
「草上の昼食」はマネの同タイトルに触発されて描いたもので高さ4mもの巨大な作品。
元々はもっと大きいキャンバスでサロンに出そうとしたそうですが、〆切に間に合わず人に売って
数年後に取り戻したらボロボロになっていたため無事だった部分を残して他は切ってしまったという
なんとも数奇な身の上を持つ絵です。
モネの初期の作品であるため、サン=ラザール駅と比べるとタッチも色遣いも手さぐり感があるけど
光の表現は生涯を通して変わらないんだなーとも思った。
おしまいはマネの作品数点。
「アスパラガス」は、アスパラガス1本が描かれた小さな作品で
これを描く前にアスパラガスの束の絵を言い値より高く買ってくれた人へのお礼として
あなたの束から1本抜け落ちていたようです…と手紙を添えて贈り物としたそうです。
なんというアニキ…!
「婦人と団扇」は、日本の団扇がたくさん散らばる畳の部屋に黒服の女性が寝そべっていて
団扇ひとつひとつには浮世絵の美人画や風景画がプリントされていました。
マネも浮世絵の魅力にハマってしまったのね、わかるよその気持ち。(←浮世絵クラスタ)
「ロシュフォールの逃亡」はマネ最晩年の作品で、
体制に抵抗して流罪にされたジャーナリストが船で逃亡する様子を描いたもので
劇的でかっこいい。
(史実とは違った逃げ方らしいのですが、絵は理想を描くものですからね☆)
水平線を無視して海面に目を向け、あらゆる水色と青(一番濃いのはラピスラズリかな)を使って
今にも動き出しそうな波のうねりが表現されていたなあ。
地平線に黒点で描かれているのがロシュフォールを助けに来たオーストラリア船だそうで、
これは「サロンに出しても出しても認められなかったマネが晩年にやっと無審査で出品できた」ことを
意識しているらしいとの説もあるとか。
マネは印象派の画家たちとはとても仲良しでしたけど、印象派展には1度も出品せず
拒否されても酷評されてもサロンに出品し続けていたそうです。
わたしマネの絵を見るといつも切れ長のまなざしというか挑戦的な印象を受けるんですけど
たぶん彼の熱意が作品を通して伝わってきていたのかな…。
そんなこんなでモネへの思いを改めてふくらませ、マネのアニキに惚れ直して
体も心もものすごく充実した内容でした!
本家のオルセー美術館は1日ではとても回りきれないらしいですね…興味津々。行きたい。
実は我が家には通販で購入した「印象、日の出」の複製画が飾ってあります^^
あとピカソやゴッホ、モディリアーニの絵なども。両親のチョイスです。

東京ミッドタウンのザ・リッツ・カールトンカフェ&デリに移動してオヒルゴ・ハーン。
チキンカレーセットをいただきました。
食後のドリンクとセットで、ハーブティーをお願いしたらおかわりもできて、これで1300円は安い!

デザートにいただいた季節限定のケーキ。
レアチーズとベリーの味が絶妙でありました~。
この後、電車で銀座に移動して新橋演舞場にて市川猿之助奮闘連続公演を観てきたのですが
それはまた次回記事に書きたいと思います。

「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その13。12はこちら。
半年近くかけて描き続けてきた養源院松の間の襖に、最後の筆を入れる宗達。
宗達「できた~~……」
一門「「「よっしゃーーーーー!!!」」」
全12面、青々とした若松から苔むした老松へ、松の一生を表現した障壁画と
唐獅子・白象・波に犀(それぞれ魔除け・仏の使い・火除け)を描いた杉戸絵が
ついに完成しました。
みんなで肩をたたき合って苦労をねぎらいます。

そんな宗達たちを後ろから見て、にっこり微笑み合う風雷。
なんだかとても満足したような表情です。
翌日、宗達が目を覚ますと2人の姿はなく、呼んでも探しても見つからないのでした…。
テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 ジャンル : 学問・文化・芸術
たったひとりのエンタテイメント。
先月末のことになりますが、さいたま芸術劇場で「白石加代子の百物語ファイナル」を観てきました!
白石さんがこれまで22年にわたり続けて来られた語り舞台「百物語」シリーズが
とうとうラストを迎えるという、さみしいけどめでたい公演です。
百物語シリーズは何年も前から知っていて興味もあったのですが、
タイミングが合わなくて行けずにいるうちにファイナルになってしまったな…。
白石さんのライフワークが終わるというのに行かない理由がありましょうか、いや、ない。
そして行ってよかったです…今思うとわたし行けなかったら一生後悔してたと思う。
百物語というのはご存知の方もいらっしゃると思いますが、
100本の蝋燭に火をともしてひとつ話をするごとに1本の蝋燭の火を吹き消していって
すべてを語って火を消してしまうと本物のオバケがあらわれるので99話でやめなければならない、
というものです。
そんなわけで、白石さんの百物語も99話でおしまいだそうです。
これまでに語られた物語は夢枕獏、筒井康隆、芥川龍之介、与謝野晶子、宮沢賢治、星新一ほか
近代の文豪から現代作家までさまざま。
過去にテレビで白石さんが語る百物語をを少し見たことがありまして
そのときも「すごいな~これナマで見たらもっとすごそうだなあ」と感じたりしていたのですが
実際にナマの演技を目にしてみてもう、あれは、なんと言えばいいのか…。
かわいく、美しく、柔らかく、気高く、不気味で、醜く、気持ち悪く、何より妖しさに満ち満ちていた
あの空間は一体なんだったんだ…。
白石さんのエネルギーとこちら(観客)の感情がぐーるぐーると渦巻いて
うわーとんでもない場所に来ちゃった!って息をのんで
お腹の底から叫び声がフルチャージされたりして心を落ち着かせるのが大変でした。
語りとか演技とか、一言で言い表せるものを通り越して、ものすごいものを見せてもらいました。
あんな物語り聴いたことがない!!
白石さんはこれを22年間続けてこられたのか…脱帽を通り越してひれ伏すしかない。
始まりの鐘の音とともに照明が落ちて、今か今かと舞台を見つめていた観客(わたし含む)が
ふいっと客席に降臨された白石さんにびっくりして開幕(笑)。
「ようこそ、ようこそ」とお辞儀なさりながら優雅に客席の間を通って舞台へ歩いていく白石さん、
真っ白なお化粧に真っ赤な口紅、白いお着物に群青の帯がたいへんお似合いでした^^
「百物語は100話やると本物が出てくるそうです…(くるっと回って)出ました」とか
お茶目なこともしてくださって会場がどっと湧いた(笑)。
白石さんは「よかったー笑ってもらえて」と満足そうでした。なんてかわいい方なの。
まず1幕目。百物語98話は三島由紀夫の短編「橋づくし」。
(BGMはドビュッシーの月の光でした。おごそかでちょっと奇妙な三島の物語にぴったり)
八月十五日の夜に、満佐子・小弓・かな子・みなという4人の女性が願掛けに出かけるお話です。
願掛けのルールは7つの橋を渡るときに同じ道を2度通らないこと、
願い事を口にしないこと、知り合いに話しかけられたら願は破れる、
橋を渡る前と渡った後にお祈りをする、の4つ。
しかし歩いている途中でお腹が痛くなったり、知り合いに話しかけられたりして
ひとり、またひとりと脱落していくのがなんだかゲームみたいでおもしろかったし
他の3人の願いは明かされているのにみなの願い事だけ最後までわからない。
それがまたおもしろいなと思いました。
白石さんが演じ分ける4人がすごくかわいい、ていうか仕草がほんとかわいい!
言い忘れてましたけど百物語シリーズはじっと座って読んだりしません。
歩いたり走ったりはもちろん、畳に座って書見台に台本置いて読んだり、
お蕎麦を食べながら読んだりするので横向いたり客席に背を向けることもしばしば。
百物語の舞台美術はとてもシンプルで(お能みたいだなと思った)、
話に応じて小道具を移動させたり出し入れする黒子さんがいらっしゃって、
白石さんが舞台を行ったり来たりするたびに景色がどんどん変わっていくようで
ひたすらドキドキしながら見て聴いていました。
ト書きは三人称で特に誰が主人公というわけでもないのですけど、
たぶん中心にいるのは満佐子だろうな…なんか取り立てて特徴のない性格がキーになってる感じ。
逆に小弓やかな子ははっきりしていた。
みなはセリフがないのですけど、白石さんがト書きの表情をそのまま再現してみせるから
笑ったりぞくっとしたりしちゃいましたね。
全体的に笑いが多くてちょっと後味を引きずるお話でした。
いつも思うんだけど三島の文章って肉食系というか肉体美だなあ…骨太。
休憩をはさんで、いよいよ99話です。泉鏡花「天守物語」。
姫路城の天守に住む妖怪富姫と、主君の鷹を追って天守にやって来た姫川図書之助との恋愛物語で
歴史もので妖怪がいっぱい、わたしの大好きな一編です☆
(実写映画とノイタミナのアニメ見たことあるけどすっげえ怖かった)
幕が開くと舞台の真ん中にでーんと巨大な青い獅子頭が置いてあって存在感がすごい、
そこへ白石さんの「泉鏡花。天守物語!」の力強い声が
書き出しの「不詳。ただし封建時代、晩秋。日没前より深更にいたる」へと続くのを聴くと
橋づくしの奇妙な雰囲気が一掃されてより厳粛な雰囲気に。
白石さんは群青の着物にほつれ毛のかつらを被ってなんとなく青白い印象でぞくぞく…
…かと思いきや、照明がパーッと明るくなって
天守に住む妖怪ちゃんたちが仲良く花釣りを楽しむ場面になってかわいい☆
でも主の富姫が蝶々を伴って「出迎えかい、御苦労だね」と登場すると空気が引き締まって
おお、なんかすごい人来た…ってなる。
と、ここまで白石さんはすでに10人近くを演じ分けていました。ひええ。
そして登場人物は20人以上いる。ひええ。
天守物語は戯曲ですので、ト書きとセリフ形式で書かれていますので
下手すると会話が延々と続いたりするのですけど、
亀姫も朱の盤坊も舌長姥も女童も薄も萩も桔梗もみんなキャラと声色が違って
次々に登場人物たちが想像できるのすごい!鴨下演出パない~。
白石さんはただ読むだけじゃなくて顔の向きや体の向き、表情や声色を一瞬のうちに細かく変えて
歯を鳴らしたり蓑をつけたり生首の血をなめたり煙管吸ったりする動作もあるから
誰が何をしゃべってるかすぐわかるんだな…てかよく混乱しないなと思いました。やばい。
図書之助が登場すると照明が変わりBGMもシンプルに切なげになって
富姫と図書之助の対話のみになるんですけど、
白石さんが富姫を美しく、図書之助を凛と演じられてることにすばらしく感動して
気がついたら目が潤んでいて、でも悲しいとか切ないとかじゃなくてなんだあれは、
説明できない涙を浮かべたまま舞台を見つめるしかなくてそんな自分に驚いたりもしました。
(たぶん感情が整理できなくて色々ごっちゃになって溢れてきたんだと思う)
クライマックス、武士団が天守に攻めてきて獅子頭の目を射られて失明しちゃった富姫が
図書之助をひしと抱きしめて(舞台には打掛の袖で抱くポーズを表現する白石さんしかいないのに
ほんとに抱き合ってるように見える!)、
「あなたのまつげ一筋なりと…」と泣くのがもうやばい、
白石さんは涙を流しているわけじゃないのに今まで見たどんな役者さんよりも泣いてるように見えた。
終幕、突然登場した老人・桃六が2人の目を治してくれて
「世は戦でも蝶が舞う、撫子も桔梗も咲くぞ。馬鹿めが!ここに獅子がいる。
お祭礼だと思って騒げぇ!」ときっと目を細めて歯をむく白石さんの!表情!!
鬼気迫るとはああいう表情だと思いました。
鏡花ってなんて難しいんだ…。
語り終えてすっ…と床に台本を置いた白石さんが
「長い間のご贔屓本当にありがとうございました!」と深々とお辞儀をしたとたんに
割れんばかりの大拍手!
スタンディングオベーションなさる方もいました。
(この時点ではまだ千穐楽公演が残ってたけど)ああ本当に終わっちゃうんだ…とさみしくなる反面、
とうとう99話まで語り切った白石さんの道のりを思ってやっぱりうわああって顔を覆ってしまった。
白石加代子さんはがんばりました。本当にお疲れさまでした。
おもしろかったのが黒子のおふたり。
橋づくしで幕が上がるとお月見のお酒を勝手に飲んでたり
(幕が上がったことに気づいてやべって感じで引き揚げていくのおもしろかったです)、
衝立を使って橋を表現したり、白石さんが拝む演技してるときに代わりに台本を持ってたり
天守物語ではお花の釣りしたり、行灯持ってきたり
観客に見えないように白石さんに飲み物渡したり、着物着せたり脱がせたりしたりと大活躍。
きっと白石さんとのお付き合いも長いのでしょう、息がぴったりでお見事でした。
カーテンコールで白石さんがおふたりを紹介されると
背筋をぴっと伸ばして腰を落とし、バッと顔の布を上げたらすごい美人さんでいらっしゃった。
そしてカーテンコールでもうひとつサプライズが。
万雷の拍手が贈られる中、ひとりの男性が客席通路からついーっと舞台に向かわれて
白石さんにバラの花束を渡されたのですが
それが何とジャンパー&ジーンズ姿の市村正親氏で、気づいた会場からどよめきが!(笑)
「いっちゃん?うそ、いっちゃん??」て白石さんもびっくりされて
「上がって上がって」っておっしゃってましたけど、
市村氏は終始無言で白石さんをぎゅってハグして
颯爽と客席後方に下がっていってずっと笑顔で拍手なさってました。
かかかっこいいーーーーーナマ白石さんに加えてまさかのナマ市村氏!!
今回の公演、本当は千穐楽を観たくて、でも予定が合わなくて前日のチケット取ったのですけども
良かった~今日来て本当によかった!!って脳内で叫びまくっていた。
なんという善き日。
(後で広報Twitterを見たんですがバラは99本だったそうです。市村氏かっこよすぎか…!)
パンフレットにも野田秀樹さん、大竹しのぶさん、中嶋朋子さん、古田新太さん、藤原竜也さん、
野村萬斎さんなど多くの方から寄稿があって改めて白石さんの人望に感動するなど。
わたしが白石さんを初めて知ったのは大河ドラマ『義経』のお福&ナレーションですが
今思い出してもゾクゾクするくらい不気味でかわいらしいお役でしたな~。
やばいDVD見たくなってきた…平家一門と頼朝&政子が超かわいいんすよ…あと少年期の頼朝が(ry
ところで話は変わりますが皆様、昨日の皆既月蝕ご覧になりましたか(^▽^)☆
わたしは父から双眼鏡を借りて6~8時過ぎまでフィーバーしておりました。
今回は3年前より月の位置が低いし1時間も皆既状態が続く天体イベントということで
ゆさの心は大ハッスル!

父撮影。皆既真っ最中の写真です。
ちょっとわかりにくいかもですが、右側に天王星が写っています。青い星です。
(今回はたまたま月と天王星が近くに並んでいたそうです。
満月だと見えないのですが、皆既には暗くなるので見つけることができるのですね)
Twitterを見たらたくさんの人が月を見て感想を述べたり会話したりしていて
こんな風にシェアできるのすてきだなあと思った夜でした。
次回の皆既月蝕は来年4月4日だそうです!*\(^o^)/*
それにしても今年はお月様イベントが充実している…。
9月8日の十五夜、10月6日に十三夜、8日に皆既月蝕ときて
さらに今年は後の十三夜があるんですね。11月5日です☆
月の満ち欠けで計算する陰暦では陽暦とのズレを修正するために3年に1度閏月を入れるのですが
9月の後に閏月を入れて閏9月13日が出現するのは171年ぶりだそうですな。
前回、後の十三夜があったのは1843年で(新島襄が生まれて10年後には黒船が来る年だよ)、
今世紀中は二度とないそうですから必見だ!晴れてくれ~。
「いむといひて影にあたらぬ今宵しも われて月みる名や立ちぬらむ」西行
(『山家集』1154番)
※クリックで大きくなります
「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その12。11はこちら。
養源院の仕事も大詰め。
ラストスパートに張り切る宗達のそばを、風雷が紙をぴらぴらさせて飛んでいます。
宗達の画材を勝手に借りて絵を描いたようです。
宗達「見せてみな。…そいつは、たらし込みか。よくできたな」
風雷「(にこにこ)」
宗達「姿絵が欲しいのか」
風雷「(うなずく)」
宗達「わかった、この仕事が終わったら描いてやるよ」
風雷「!!」
宗達「約束な」
小さな手のゆびきり。
現在も日本画によく使われるたらし込みは、宗達が編み出した技法といわれます。
先に塗った墨が乾かないうちに別の墨や顔料を垂らしてにじみを出すというもので、
いかにその偶然の変化を造形性の高いものとするかは絵師の腕次第です。
フリーア美術館蔵「雲龍図屏風」や、京博蔵「蓮池水禽図」、建仁寺蔵「風神雷神図屏風」などでは
大きなたらし込みを見ることができます。
白石さんがこれまで22年にわたり続けて来られた語り舞台「百物語」シリーズが
とうとうラストを迎えるという、さみしいけどめでたい公演です。
百物語シリーズは何年も前から知っていて興味もあったのですが、
タイミングが合わなくて行けずにいるうちにファイナルになってしまったな…。
白石さんのライフワークが終わるというのに行かない理由がありましょうか、いや、ない。
そして行ってよかったです…今思うとわたし行けなかったら一生後悔してたと思う。
百物語というのはご存知の方もいらっしゃると思いますが、
100本の蝋燭に火をともしてひとつ話をするごとに1本の蝋燭の火を吹き消していって
すべてを語って火を消してしまうと本物のオバケがあらわれるので99話でやめなければならない、
というものです。
そんなわけで、白石さんの百物語も99話でおしまいだそうです。
これまでに語られた物語は夢枕獏、筒井康隆、芥川龍之介、与謝野晶子、宮沢賢治、星新一ほか
近代の文豪から現代作家までさまざま。
過去にテレビで白石さんが語る百物語をを少し見たことがありまして
そのときも「すごいな~これナマで見たらもっとすごそうだなあ」と感じたりしていたのですが
実際にナマの演技を目にしてみてもう、あれは、なんと言えばいいのか…。
かわいく、美しく、柔らかく、気高く、不気味で、醜く、気持ち悪く、何より妖しさに満ち満ちていた
あの空間は一体なんだったんだ…。
白石さんのエネルギーとこちら(観客)の感情がぐーるぐーると渦巻いて
うわーとんでもない場所に来ちゃった!って息をのんで
お腹の底から叫び声がフルチャージされたりして心を落ち着かせるのが大変でした。
語りとか演技とか、一言で言い表せるものを通り越して、ものすごいものを見せてもらいました。
あんな物語り聴いたことがない!!
白石さんはこれを22年間続けてこられたのか…脱帽を通り越してひれ伏すしかない。
始まりの鐘の音とともに照明が落ちて、今か今かと舞台を見つめていた観客(わたし含む)が
ふいっと客席に降臨された白石さんにびっくりして開幕(笑)。
「ようこそ、ようこそ」とお辞儀なさりながら優雅に客席の間を通って舞台へ歩いていく白石さん、
真っ白なお化粧に真っ赤な口紅、白いお着物に群青の帯がたいへんお似合いでした^^
「百物語は100話やると本物が出てくるそうです…(くるっと回って)出ました」とか
お茶目なこともしてくださって会場がどっと湧いた(笑)。
白石さんは「よかったー笑ってもらえて」と満足そうでした。なんてかわいい方なの。
まず1幕目。百物語98話は三島由紀夫の短編「橋づくし」。
(BGMはドビュッシーの月の光でした。おごそかでちょっと奇妙な三島の物語にぴったり)
八月十五日の夜に、満佐子・小弓・かな子・みなという4人の女性が願掛けに出かけるお話です。
願掛けのルールは7つの橋を渡るときに同じ道を2度通らないこと、
願い事を口にしないこと、知り合いに話しかけられたら願は破れる、
橋を渡る前と渡った後にお祈りをする、の4つ。
しかし歩いている途中でお腹が痛くなったり、知り合いに話しかけられたりして
ひとり、またひとりと脱落していくのがなんだかゲームみたいでおもしろかったし
他の3人の願いは明かされているのにみなの願い事だけ最後までわからない。
それがまたおもしろいなと思いました。
白石さんが演じ分ける4人がすごくかわいい、ていうか仕草がほんとかわいい!
言い忘れてましたけど百物語シリーズはじっと座って読んだりしません。
歩いたり走ったりはもちろん、畳に座って書見台に台本置いて読んだり、
お蕎麦を食べながら読んだりするので横向いたり客席に背を向けることもしばしば。
百物語の舞台美術はとてもシンプルで(お能みたいだなと思った)、
話に応じて小道具を移動させたり出し入れする黒子さんがいらっしゃって、
白石さんが舞台を行ったり来たりするたびに景色がどんどん変わっていくようで
ひたすらドキドキしながら見て聴いていました。
ト書きは三人称で特に誰が主人公というわけでもないのですけど、
たぶん中心にいるのは満佐子だろうな…なんか取り立てて特徴のない性格がキーになってる感じ。
逆に小弓やかな子ははっきりしていた。
みなはセリフがないのですけど、白石さんがト書きの表情をそのまま再現してみせるから
笑ったりぞくっとしたりしちゃいましたね。
全体的に笑いが多くてちょっと後味を引きずるお話でした。
いつも思うんだけど三島の文章って肉食系というか肉体美だなあ…骨太。
休憩をはさんで、いよいよ99話です。泉鏡花「天守物語」。
姫路城の天守に住む妖怪富姫と、主君の鷹を追って天守にやって来た姫川図書之助との恋愛物語で
歴史もので妖怪がいっぱい、わたしの大好きな一編です☆
(実写映画とノイタミナのアニメ見たことあるけどすっげえ怖かった)
幕が開くと舞台の真ん中にでーんと巨大な青い獅子頭が置いてあって存在感がすごい、
そこへ白石さんの「泉鏡花。天守物語!」の力強い声が
書き出しの「不詳。ただし封建時代、晩秋。日没前より深更にいたる」へと続くのを聴くと
橋づくしの奇妙な雰囲気が一掃されてより厳粛な雰囲気に。
白石さんは群青の着物にほつれ毛のかつらを被ってなんとなく青白い印象でぞくぞく…
…かと思いきや、照明がパーッと明るくなって
天守に住む妖怪ちゃんたちが仲良く花釣りを楽しむ場面になってかわいい☆
でも主の富姫が蝶々を伴って「出迎えかい、御苦労だね」と登場すると空気が引き締まって
おお、なんかすごい人来た…ってなる。
と、ここまで白石さんはすでに10人近くを演じ分けていました。ひええ。
そして登場人物は20人以上いる。ひええ。
天守物語は戯曲ですので、ト書きとセリフ形式で書かれていますので
下手すると会話が延々と続いたりするのですけど、
亀姫も朱の盤坊も舌長姥も女童も薄も萩も桔梗もみんなキャラと声色が違って
次々に登場人物たちが想像できるのすごい!鴨下演出パない~。
白石さんはただ読むだけじゃなくて顔の向きや体の向き、表情や声色を一瞬のうちに細かく変えて
歯を鳴らしたり蓑をつけたり生首の血をなめたり煙管吸ったりする動作もあるから
誰が何をしゃべってるかすぐわかるんだな…てかよく混乱しないなと思いました。やばい。
図書之助が登場すると照明が変わりBGMもシンプルに切なげになって
富姫と図書之助の対話のみになるんですけど、
白石さんが富姫を美しく、図書之助を凛と演じられてることにすばらしく感動して
気がついたら目が潤んでいて、でも悲しいとか切ないとかじゃなくてなんだあれは、
説明できない涙を浮かべたまま舞台を見つめるしかなくてそんな自分に驚いたりもしました。
(たぶん感情が整理できなくて色々ごっちゃになって溢れてきたんだと思う)
クライマックス、武士団が天守に攻めてきて獅子頭の目を射られて失明しちゃった富姫が
図書之助をひしと抱きしめて(舞台には打掛の袖で抱くポーズを表現する白石さんしかいないのに
ほんとに抱き合ってるように見える!)、
「あなたのまつげ一筋なりと…」と泣くのがもうやばい、
白石さんは涙を流しているわけじゃないのに今まで見たどんな役者さんよりも泣いてるように見えた。
終幕、突然登場した老人・桃六が2人の目を治してくれて
「世は戦でも蝶が舞う、撫子も桔梗も咲くぞ。馬鹿めが!ここに獅子がいる。
お祭礼だと思って騒げぇ!」ときっと目を細めて歯をむく白石さんの!表情!!
鬼気迫るとはああいう表情だと思いました。
鏡花ってなんて難しいんだ…。
語り終えてすっ…と床に台本を置いた白石さんが
「長い間のご贔屓本当にありがとうございました!」と深々とお辞儀をしたとたんに
割れんばかりの大拍手!
スタンディングオベーションなさる方もいました。
(この時点ではまだ千穐楽公演が残ってたけど)ああ本当に終わっちゃうんだ…とさみしくなる反面、
とうとう99話まで語り切った白石さんの道のりを思ってやっぱりうわああって顔を覆ってしまった。
白石加代子さんはがんばりました。本当にお疲れさまでした。
おもしろかったのが黒子のおふたり。
橋づくしで幕が上がるとお月見のお酒を勝手に飲んでたり
(幕が上がったことに気づいてやべって感じで引き揚げていくのおもしろかったです)、
衝立を使って橋を表現したり、白石さんが拝む演技してるときに代わりに台本を持ってたり
天守物語ではお花の釣りしたり、行灯持ってきたり
観客に見えないように白石さんに飲み物渡したり、着物着せたり脱がせたりしたりと大活躍。
きっと白石さんとのお付き合いも長いのでしょう、息がぴったりでお見事でした。
カーテンコールで白石さんがおふたりを紹介されると
背筋をぴっと伸ばして腰を落とし、バッと顔の布を上げたらすごい美人さんでいらっしゃった。
そしてカーテンコールでもうひとつサプライズが。
万雷の拍手が贈られる中、ひとりの男性が客席通路からついーっと舞台に向かわれて
白石さんにバラの花束を渡されたのですが
それが何とジャンパー&ジーンズ姿の市村正親氏で、気づいた会場からどよめきが!(笑)
「いっちゃん?うそ、いっちゃん??」て白石さんもびっくりされて
「上がって上がって」っておっしゃってましたけど、
市村氏は終始無言で白石さんをぎゅってハグして
颯爽と客席後方に下がっていってずっと笑顔で拍手なさってました。
かかかっこいいーーーーーナマ白石さんに加えてまさかのナマ市村氏!!
今回の公演、本当は千穐楽を観たくて、でも予定が合わなくて前日のチケット取ったのですけども
良かった~今日来て本当によかった!!って脳内で叫びまくっていた。
なんという善き日。
(後で広報Twitterを見たんですがバラは99本だったそうです。市村氏かっこよすぎか…!)
パンフレットにも野田秀樹さん、大竹しのぶさん、中嶋朋子さん、古田新太さん、藤原竜也さん、
野村萬斎さんなど多くの方から寄稿があって改めて白石さんの人望に感動するなど。
わたしが白石さんを初めて知ったのは大河ドラマ『義経』のお福&ナレーションですが
今思い出してもゾクゾクするくらい不気味でかわいらしいお役でしたな~。
やばいDVD見たくなってきた…平家一門と頼朝&政子が超かわいいんすよ…あと少年期の頼朝が(ry
ところで話は変わりますが皆様、昨日の皆既月蝕ご覧になりましたか(^▽^)☆
わたしは父から双眼鏡を借りて6~8時過ぎまでフィーバーしておりました。
今回は3年前より月の位置が低いし1時間も皆既状態が続く天体イベントということで
ゆさの心は大ハッスル!

父撮影。皆既真っ最中の写真です。
ちょっとわかりにくいかもですが、右側に天王星が写っています。青い星です。
(今回はたまたま月と天王星が近くに並んでいたそうです。
満月だと見えないのですが、皆既には暗くなるので見つけることができるのですね)
Twitterを見たらたくさんの人が月を見て感想を述べたり会話したりしていて
こんな風にシェアできるのすてきだなあと思った夜でした。
次回の皆既月蝕は来年4月4日だそうです!*\(^o^)/*
それにしても今年はお月様イベントが充実している…。
9月8日の十五夜、10月6日に十三夜、8日に皆既月蝕ときて
さらに今年は後の十三夜があるんですね。11月5日です☆
月の満ち欠けで計算する陰暦では陽暦とのズレを修正するために3年に1度閏月を入れるのですが
9月の後に閏月を入れて閏9月13日が出現するのは171年ぶりだそうですな。
前回、後の十三夜があったのは1843年で(新島襄が生まれて10年後には黒船が来る年だよ)、
今世紀中は二度とないそうですから必見だ!晴れてくれ~。
「いむといひて影にあたらぬ今宵しも われて月みる名や立ちぬらむ」西行
(『山家集』1154番)

「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その12。11はこちら。
養源院の仕事も大詰め。
ラストスパートに張り切る宗達のそばを、風雷が紙をぴらぴらさせて飛んでいます。
宗達の画材を勝手に借りて絵を描いたようです。
宗達「見せてみな。…そいつは、たらし込みか。よくできたな」
風雷「(にこにこ)」
宗達「姿絵が欲しいのか」
風雷「(うなずく)」
宗達「わかった、この仕事が終わったら描いてやるよ」
風雷「!!」
宗達「約束な」
小さな手のゆびきり。
現在も日本画によく使われるたらし込みは、宗達が編み出した技法といわれます。
先に塗った墨が乾かないうちに別の墨や顔料を垂らしてにじみを出すというもので、
いかにその偶然の変化を造形性の高いものとするかは絵師の腕次第です。
フリーア美術館蔵「雲龍図屏風」や、京博蔵「蓮池水禽図」、建仁寺蔵「風神雷神図屏風」などでは
大きなたらし込みを見ることができます。
琳派・大江山・天橋立の旅その3。
京都旅行の3日目レポをお送りします~2日目はこちら。
今回は宮津市の天橋立をうろうろします。

朝起きてホテルの外をパチリ。よかったー晴れた!
予報でも雨が降る心配はないとのことでテンションは登竜門を登る鯉のようにだだ上がりでした☆
建物内の観光ならともかく景色を見に来たので、やっぱり青空はうれしい。
朝風呂にも行きまして、露天風呂からもきれいな青空が見えて
まずは精神的エネルギーを充填。

テラスに出て朝ごはんをいただき、身体的エネルギーも充填。
こういう場所でごはん食べるの大好きです。気持ちいい。

さあレッツ行動開始!
ホテルを出たところにあるマンホールで早速立ち止まりました。天橋立マンホール☆

天橋立駅前にある小式部内侍の歌碑。小倉百人一首にも収録されている歌です。
「大江山いくのゝ道の遠ければ まだふみもみず天の橋立」
藤原定頼が小式部内侍のいる部屋の前を通りかかって
「丹後から使者は来ましたか?母上がいなくて不安でしょうね」と呟いて通り過ぎようとしたとき
(このとき和泉式部は夫の藤原保昌(丹後国司)とともに丹後に滞在していました)
内侍は御簾から体半分を出してやっと定頼の服をつかんで引き戻し、
「大江山は遠くて行ったこともないし、母からの文ももらってません。天橋立の地も踏んでいません」
という意味の上記の歌をとっさに詠みかけた…という
中学や高校の古典の教科書にも載っているこの話は『金葉集』から引用されたものです。
内侍は小さい頃から歌がとてもうまく、
母の和泉式部が代作しているのではないかと噂する人がいたほどだったとか。
しかし今回、京都→福知山→天橋立と移動してみてわかったのですが
都から天橋立ってこんなに遠いんですね!
(京都駅から天橋立駅まで特急使っても2時間以上かかる)
内侍がどんな思いであの歌を詠んだのかも身にしみてわかった気がしました。

天橋立駅から歩いて数分、桜山展望所に来ました。
戦国時代に細川幽斎がここに宮津城を建てて、桜の樹を植えたのが山の名前の由来だそう。
春には桜が綺麗に咲くのかな(*´ー`*)。

本日最初の天橋立は桜山第一展望所からの眺めです!手前が駅側で奥が傘松公園側。
大きな龍が海にのっそり横たわって寝てるように見えました。
「そのかみに契りそめつる神代まで かけてぞ思ふ天橋立」細川幽斎
(衆妙集より)
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開閉しますのでどうぞ☆
今回は宮津市の天橋立をうろうろします。

朝起きてホテルの外をパチリ。よかったー晴れた!
予報でも雨が降る心配はないとのことでテンションは登竜門を登る鯉のようにだだ上がりでした☆
建物内の観光ならともかく景色を見に来たので、やっぱり青空はうれしい。
朝風呂にも行きまして、露天風呂からもきれいな青空が見えて
まずは精神的エネルギーを充填。

テラスに出て朝ごはんをいただき、身体的エネルギーも充填。
こういう場所でごはん食べるの大好きです。気持ちいい。

さあレッツ行動開始!
ホテルを出たところにあるマンホールで早速立ち止まりました。天橋立マンホール☆

天橋立駅前にある小式部内侍の歌碑。小倉百人一首にも収録されている歌です。
「大江山いくのゝ道の遠ければ まだふみもみず天の橋立」
藤原定頼が小式部内侍のいる部屋の前を通りかかって
「丹後から使者は来ましたか?母上がいなくて不安でしょうね」と呟いて通り過ぎようとしたとき
(このとき和泉式部は夫の藤原保昌(丹後国司)とともに丹後に滞在していました)
内侍は御簾から体半分を出してやっと定頼の服をつかんで引き戻し、
「大江山は遠くて行ったこともないし、母からの文ももらってません。天橋立の地も踏んでいません」
という意味の上記の歌をとっさに詠みかけた…という
中学や高校の古典の教科書にも載っているこの話は『金葉集』から引用されたものです。
内侍は小さい頃から歌がとてもうまく、
母の和泉式部が代作しているのではないかと噂する人がいたほどだったとか。
しかし今回、京都→福知山→天橋立と移動してみてわかったのですが
都から天橋立ってこんなに遠いんですね!
(京都駅から天橋立駅まで特急使っても2時間以上かかる)
内侍がどんな思いであの歌を詠んだのかも身にしみてわかった気がしました。

天橋立駅から歩いて数分、桜山展望所に来ました。
戦国時代に細川幽斎がここに宮津城を建てて、桜の樹を植えたのが山の名前の由来だそう。
春には桜が綺麗に咲くのかな(*´ー`*)。

本日最初の天橋立は桜山第一展望所からの眺めです!手前が駅側で奥が傘松公園側。
大きな龍が海にのっそり横たわって寝てるように見えました。
「そのかみに契りそめつる神代まで かけてぞ思ふ天橋立」細川幽斎
(衆妙集より)
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開閉しますのでどうぞ☆
琳派・大江山・天橋立の旅その2。
京都旅行の2日目レポをお送りします~1日目はこちら。
今回は福知山市をうろうろします。

旅行する前から、台風の直撃はなくても何らかの影響はあると天気予報で聞いていたので
気をもんでいたのですが、
朝起きるとご覧の通りのいいお天気☆
奥の山々に雲がかかっているのがおわかりいただけるでしょうか、
きっと朝早くに大江山に行ったらそれはそれは見事な雲海が見られただろうな~。

ホテルで朝ごはん。これから1日かけて移動するのでしっかりエネルギー補充します。
野菜ジュースすごくおいしかった。

福知山駅でレンタカーを借りて、まずは福知山城へやって来ました!
駐車場から橋を渡ってお城に向かいます。朝早かったので誰もいなくて静か。

天守閣~☆
福知山城は明智光秀が建て甥の明智秀満が入り、福知山の街もその際に整備されたそうです。
現在の天守閣は近代に再建されたもの。

壁が真っ白ですごくきれい。
鯱瓦もあれ相当の大きさだな…と思ったらお城の足元に原寸大が復元されて
どーんと展示されていました。軽く大人一人分はある大きさ。
天守閣の内部は郷土資料館になっていて、福知山城の歴史や文化財を見学できます。
光秀の街づくりや朽木氏の甲冑、福知山の遺構や仏像等にふむふむと勉強させていただきながら
最上階へ。

天守閣からの景色!
建物がそんなに高くないので城下から遠すぎるということもなく、
一方で割と小高い丘の上にあるためか遠くの山まで見渡せます。
光秀や秀満もこんな感じで城下を眺めたのかな。
ぼんやりしていたらピィーー……と高い声が聞こえてきてえっと思ったら
1羽の鳶が風に乗ってフワ~と力強く飛んで天守閣のそばを横切っていきました。
写真撮りたかったけど撮れなかった。やつは、速い。
それにしても、雲は多いけどいいお天気でもしかして台風行っちゃった?大江山も大丈夫かも?と
ちょっと期待もしながらレンタカーに乗って次の場所へ向かいました。
(しかし油断は禁物だったのであった)
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開閉しますのでどうぞ☆
今回は福知山市をうろうろします。

旅行する前から、台風の直撃はなくても何らかの影響はあると天気予報で聞いていたので
気をもんでいたのですが、
朝起きるとご覧の通りのいいお天気☆
奥の山々に雲がかかっているのがおわかりいただけるでしょうか、
きっと朝早くに大江山に行ったらそれはそれは見事な雲海が見られただろうな~。

ホテルで朝ごはん。これから1日かけて移動するのでしっかりエネルギー補充します。
野菜ジュースすごくおいしかった。

福知山駅でレンタカーを借りて、まずは福知山城へやって来ました!
駐車場から橋を渡ってお城に向かいます。朝早かったので誰もいなくて静か。

天守閣~☆
福知山城は明智光秀が建て甥の明智秀満が入り、福知山の街もその際に整備されたそうです。
現在の天守閣は近代に再建されたもの。

壁が真っ白ですごくきれい。
鯱瓦もあれ相当の大きさだな…と思ったらお城の足元に原寸大が復元されて
どーんと展示されていました。軽く大人一人分はある大きさ。
天守閣の内部は郷土資料館になっていて、福知山城の歴史や文化財を見学できます。
光秀の街づくりや朽木氏の甲冑、福知山の遺構や仏像等にふむふむと勉強させていただきながら
最上階へ。

天守閣からの景色!
建物がそんなに高くないので城下から遠すぎるということもなく、
一方で割と小高い丘の上にあるためか遠くの山まで見渡せます。
光秀や秀満もこんな感じで城下を眺めたのかな。
ぼんやりしていたらピィーー……と高い声が聞こえてきてえっと思ったら
1羽の鳶が風に乗ってフワ~と力強く飛んで天守閣のそばを横切っていきました。
写真撮りたかったけど撮れなかった。やつは、速い。
それにしても、雲は多いけどいいお天気でもしかして台風行っちゃった?大江山も大丈夫かも?と
ちょっと期待もしながらレンタカーに乗って次の場所へ向かいました。
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