不屈の精神。
国立新美術館にて開催中の「オルセー美術館展 印象派の誕生-描くことの自由-」を観てきました。
印象派の殿堂と呼ばれるオルセー美術館の印象派絵画がドバっとご来日ということで
年明けから楽しみにしていました☆
ネームバリューと会期末が近いのとでものすごく混んでましたが(;´∀`)。
正直なところ、目的はミレーの晩鐘とモネのかささぎだけだったのですが
いざ会場へ入ったら過去に教科書やテレビで一度は見たことある作品が次から次へと迎えてくれて
出口に辿り着いたころにはお腹どころか頭もパンパンになりました。。
こんなに出張させちゃって今頃オルセーはさびしいことになってないかなと心配になったり。
印象派の絵画だけではなく印象派を取り巻いていた当時の画壇の作品もあって
両方を比較できるようにもなっていましたね~。
このキュレーションは新しいと思う。
トップバッターはバジールの「バジールのアトリエ」でした。
絵画がたくさん飾られたアトリエの室内に画家たちが談笑していて楽しそうな雰囲気。
真ん中にキャンバスが置かれてマネとモネ(シスレーとも)、階段下にルノワールがいて
印象派クラスタにはわくわくする絵です。
キャンバスの傍らにバジールがいるのですが実はもともと描かれてはいなかったらしく
この絵を描いた数年後に普仏戦争で戦死したバジールを偲んでマネが後から描き足したそうです。
なにそのアニキっぷり…!!。゚(゚´ω`゚)゚。
そんなマネがサロンに出品して酷評された「笛を吹く少年」の絵は想像よりずっと大きかった!
第1回印象派展の8年前に描かれ、あまり立体感はないし色数も少なくて
(少年に使われているのは黒・赤・黄色・白の4色のみ)、
でも別段、めずらしくはないしこんな風にシンプルに描けるのいいなって思いますけど
やっぱりアカデミズムが台頭していた当時は驚かれたのでしょうね~。
会場の別の位置には少年の持つ笛が再現され展示されていました。とても高い音が出るらしい。
反対にミレーの「晩鐘」は想像よりずっと小さかった。
大人気ですからものすごい人だかりでなかなか正面に辿り着けず、やっと順番がきて目にしたら
それまでのイライラとか全部吹っ飛んでボーっと見てしまいました。
農作業の手をとめて祈りを捧げる夫婦にぼんやりと当たる夕陽がとてもきれいで
教会の鐘の音まで聞こえてくるような。
画集やテレビで見慣れているはずなのに感動が全然違ったな…。
ブルトンの「落穂拾いの女たちの召集」は、落穂拾いはミレーも描いてますけど
ブルトンのは女たちが和気あいあいとして賑やかな雰囲気で、
でもグラデーションもタッチもミレーとそっくりだなあと思ったら晩鐘と描かれた年がほぼ一緒で
なるほどと思いました。
カイユボットの「床に鉋をかける人々」はきっちりリアルな描写でタッチも力強くて
でも当時の宗教画や肖像画のようにリアルかというとそうでもないというか、
近づいて見ると絵の具が荒々しくて、離れてみるとリアルに見える。
彼は特にどこの派とかカテゴリ分けされてないみたいですが、マネやモネと同時代に生きているし
印象派のパトロンでもあったから影響は受けているのかな。
印象派より前、あるいは同時代に官展(サロン)に入選した画家たちの作品は
神話や聖書、王侯貴族に題材を取ったりしてて写真のようにリアルで、
確かにこんな絵ばかりの中にバルビゾン派や印象派のようなテーマが乗り込んできたら
そりゃ驚かれるよなあと思いました。
ドローネー「ローマのペスト」は、天使が悪魔に人間の家のドアを何度か叩かせると
叩いた数だけその家から死者が出る…みたいな話を絵にしたらしくてぞわぞわ、
神が人を殺すのはめずらしくないけど(ノアの方舟とかヨブ記とか)、天使も人を殺すんですね。
あと悪魔がふつうに髭の生えた人間の姿で描かれていて
おや、悪魔って触角の生えた全身黒タイツばかりとは限らなくて
人と同じ姿をしたのもいるのかなあとふと思ったりしました。
ブグロー「ダンテとウェルギリウス」が地獄に落ちた2人が全裸でくんずほぐれつして迫力がすごい、
ってかあれ絶対腰だけじゃなくて背骨いってるよね…(^ ^;)。
2人を眺めている悪魔(デーモンかな?)は角と翼が生えていてステレオタイプなデザイン。
ルフェーブル「真理」とか、カパネル「ヴィーナスの誕生」などの裸婦像を見ていくと
理想化された裸体というのはだいたい豊満で肌が真っ白なんだなあと改めて思いました。
ヴィーナスが薄目を開けているのも今回近づいて見て初めて知ったし、
あと空に舞う天使たちがコロコロしていてかわいい☆
印象派の風景画コーナーもあって展示室右側に水辺の風景、左側に田園の風景がずらっと並んで
ここでも目が行くのはやっぱりモネだったりします(笑)。
「アルジャントゥイユのレガッタ」の、空とヨットと海のコントラスト!
「アルジャントゥイユの船着場」の、水辺と岸辺の並木道の色のやわらかさ!
「かささぎ」は数年前に同じく新美で見たので久し振りの再会にうれしくなりました^^
雪が積もった早朝の庭先にかささぎがとまっている何てことない絵ですが
空も雪もきらきらしていてとても好き。
よーく見ると積もった雪は白だけじゃなく薄いピンクや青や黄色が混じっていて
ああ、だから離れて見ると色が混じりあって白に見えるのかな…と。
セザンヌ「スープ入れのある静物」の色のごちゃごちゃ感がちょっとすごい。
赤、黄色、緑、オレンジ、青、白と基本色のほとんどを使っていてレインボー、
スープ入れもリンゴもテーブルクロスも壁も、モノそれぞれがうまく主張してバランスも取れてて
色彩感覚がすぐれているというか、配色にものすごい気を遣っているような印象でした。
セザンヌの描くリンゴはごろごろ感があると思う…きっと床に落としたらドスンと音がする。
ファンタン=ラトゥール「テーブルの片隅」は友人の画家・作家たち8人の集合絵で
みんなで一斉にドヤ顔してて微笑ましい。
左下に並んでいるヴェルレーヌとランボーの視線が、お互い絶対に視線を合わせないぞって感じで
当時の2人の関係とか考えるとさもありなん、と思うけど
ラトゥールがあえて並べて描いてるあたりが何というか、夢見ちゃうね。
ドガ「バレエの舞台稽古」はエトワールのチュチュがふわふわしてるし
モリゾ「ゆりかご」の、ゆりかごにかかるレースの透けてる感もやさしくて好きです。
モネ「サン=ラザール駅」は何度目かわかりませんが再会できて大喜びしました!
かささぎと同じく白や黄色、ピンク、水色などふんだんに色が使われて
たった今列車がプラットフォームに入って来たときの蒸気の音や煙の動きも感じられるし
何より空気の動きが感じられて大好きだ~。
「草上の昼食」はマネの同タイトルに触発されて描いたもので高さ4mもの巨大な作品。
元々はもっと大きいキャンバスでサロンに出そうとしたそうですが、〆切に間に合わず人に売って
数年後に取り戻したらボロボロになっていたため無事だった部分を残して他は切ってしまったという
なんとも数奇な身の上を持つ絵です。
モネの初期の作品であるため、サン=ラザール駅と比べるとタッチも色遣いも手さぐり感があるけど
光の表現は生涯を通して変わらないんだなーとも思った。
おしまいはマネの作品数点。
「アスパラガス」は、アスパラガス1本が描かれた小さな作品で
これを描く前にアスパラガスの束の絵を言い値より高く買ってくれた人へのお礼として
あなたの束から1本抜け落ちていたようです…と手紙を添えて贈り物としたそうです。
なんというアニキ…!
「婦人と団扇」は、日本の団扇がたくさん散らばる畳の部屋に黒服の女性が寝そべっていて
団扇ひとつひとつには浮世絵の美人画や風景画がプリントされていました。
マネも浮世絵の魅力にハマってしまったのね、わかるよその気持ち。(←浮世絵クラスタ)
「ロシュフォールの逃亡」はマネ最晩年の作品で、
体制に抵抗して流罪にされたジャーナリストが船で逃亡する様子を描いたもので
劇的でかっこいい。
(史実とは違った逃げ方らしいのですが、絵は理想を描くものですからね☆)
水平線を無視して海面に目を向け、あらゆる水色と青(一番濃いのはラピスラズリかな)を使って
今にも動き出しそうな波のうねりが表現されていたなあ。
地平線に黒点で描かれているのがロシュフォールを助けに来たオーストラリア船だそうで、
これは「サロンに出しても出しても認められなかったマネが晩年にやっと無審査で出品できた」ことを
意識しているらしいとの説もあるとか。
マネは印象派の画家たちとはとても仲良しでしたけど、印象派展には1度も出品せず
拒否されても酷評されてもサロンに出品し続けていたそうです。
わたしマネの絵を見るといつも切れ長のまなざしというか挑戦的な印象を受けるんですけど
たぶん彼の熱意が作品を通して伝わってきていたのかな…。
そんなこんなでモネへの思いを改めてふくらませ、マネのアニキに惚れ直して
体も心もものすごく充実した内容でした!
本家のオルセー美術館は1日ではとても回りきれないらしいですね…興味津々。行きたい。
実は我が家には通販で購入した「印象、日の出」の複製画が飾ってあります^^
あとピカソやゴッホ、モディリアーニの絵なども。両親のチョイスです。

東京ミッドタウンのザ・リッツ・カールトンカフェ&デリに移動してオヒルゴ・ハーン。
チキンカレーセットをいただきました。
食後のドリンクとセットで、ハーブティーをお願いしたらおかわりもできて、これで1300円は安い!

デザートにいただいた季節限定のケーキ。
レアチーズとベリーの味が絶妙でありました~。
この後、電車で銀座に移動して新橋演舞場にて市川猿之助奮闘連続公演を観てきたのですが
それはまた次回記事に書きたいと思います。
※クリックで大きくなります
「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その13。12はこちら。
半年近くかけて描き続けてきた養源院松の間の襖に、最後の筆を入れる宗達。
宗達「できた~~……」
一門「「「よっしゃーーーーー!!!」」」
全12面、青々とした若松から苔むした老松へ、松の一生を表現した障壁画と
唐獅子・白象・波に犀(それぞれ魔除け・仏の使い・火除け)を描いた杉戸絵が
ついに完成しました。
みんなで肩をたたき合って苦労をねぎらいます。
※クリックで大きくなります
そんな宗達たちを後ろから見て、にっこり微笑み合う風雷。
なんだかとても満足したような表情です。
翌日、宗達が目を覚ますと2人の姿はなく、呼んでも探しても見つからないのでした…。
印象派の殿堂と呼ばれるオルセー美術館の印象派絵画がドバっとご来日ということで
年明けから楽しみにしていました☆
ネームバリューと会期末が近いのとでものすごく混んでましたが(;´∀`)。
正直なところ、目的はミレーの晩鐘とモネのかささぎだけだったのですが
いざ会場へ入ったら過去に教科書やテレビで一度は見たことある作品が次から次へと迎えてくれて
出口に辿り着いたころにはお腹どころか頭もパンパンになりました。。
こんなに出張させちゃって今頃オルセーはさびしいことになってないかなと心配になったり。
印象派の絵画だけではなく印象派を取り巻いていた当時の画壇の作品もあって
両方を比較できるようにもなっていましたね~。
このキュレーションは新しいと思う。
トップバッターはバジールの「バジールのアトリエ」でした。
絵画がたくさん飾られたアトリエの室内に画家たちが談笑していて楽しそうな雰囲気。
真ん中にキャンバスが置かれてマネとモネ(シスレーとも)、階段下にルノワールがいて
印象派クラスタにはわくわくする絵です。
キャンバスの傍らにバジールがいるのですが実はもともと描かれてはいなかったらしく
この絵を描いた数年後に普仏戦争で戦死したバジールを偲んでマネが後から描き足したそうです。
なにそのアニキっぷり…!!。゚(゚´ω`゚)゚。
そんなマネがサロンに出品して酷評された「笛を吹く少年」の絵は想像よりずっと大きかった!
第1回印象派展の8年前に描かれ、あまり立体感はないし色数も少なくて
(少年に使われているのは黒・赤・黄色・白の4色のみ)、
でも別段、めずらしくはないしこんな風にシンプルに描けるのいいなって思いますけど
やっぱりアカデミズムが台頭していた当時は驚かれたのでしょうね~。
会場の別の位置には少年の持つ笛が再現され展示されていました。とても高い音が出るらしい。
反対にミレーの「晩鐘」は想像よりずっと小さかった。
大人気ですからものすごい人だかりでなかなか正面に辿り着けず、やっと順番がきて目にしたら
それまでのイライラとか全部吹っ飛んでボーっと見てしまいました。
農作業の手をとめて祈りを捧げる夫婦にぼんやりと当たる夕陽がとてもきれいで
教会の鐘の音まで聞こえてくるような。
画集やテレビで見慣れているはずなのに感動が全然違ったな…。
ブルトンの「落穂拾いの女たちの召集」は、落穂拾いはミレーも描いてますけど
ブルトンのは女たちが和気あいあいとして賑やかな雰囲気で、
でもグラデーションもタッチもミレーとそっくりだなあと思ったら晩鐘と描かれた年がほぼ一緒で
なるほどと思いました。
カイユボットの「床に鉋をかける人々」はきっちりリアルな描写でタッチも力強くて
でも当時の宗教画や肖像画のようにリアルかというとそうでもないというか、
近づいて見ると絵の具が荒々しくて、離れてみるとリアルに見える。
彼は特にどこの派とかカテゴリ分けされてないみたいですが、マネやモネと同時代に生きているし
印象派のパトロンでもあったから影響は受けているのかな。
印象派より前、あるいは同時代に官展(サロン)に入選した画家たちの作品は
神話や聖書、王侯貴族に題材を取ったりしてて写真のようにリアルで、
確かにこんな絵ばかりの中にバルビゾン派や印象派のようなテーマが乗り込んできたら
そりゃ驚かれるよなあと思いました。
ドローネー「ローマのペスト」は、天使が悪魔に人間の家のドアを何度か叩かせると
叩いた数だけその家から死者が出る…みたいな話を絵にしたらしくてぞわぞわ、
神が人を殺すのはめずらしくないけど(ノアの方舟とかヨブ記とか)、天使も人を殺すんですね。
あと悪魔がふつうに髭の生えた人間の姿で描かれていて
おや、悪魔って触角の生えた全身黒タイツばかりとは限らなくて
人と同じ姿をしたのもいるのかなあとふと思ったりしました。
ブグロー「ダンテとウェルギリウス」が地獄に落ちた2人が全裸でくんずほぐれつして迫力がすごい、
ってかあれ絶対腰だけじゃなくて背骨いってるよね…(^ ^;)。
2人を眺めている悪魔(デーモンかな?)は角と翼が生えていてステレオタイプなデザイン。
ルフェーブル「真理」とか、カパネル「ヴィーナスの誕生」などの裸婦像を見ていくと
理想化された裸体というのはだいたい豊満で肌が真っ白なんだなあと改めて思いました。
ヴィーナスが薄目を開けているのも今回近づいて見て初めて知ったし、
あと空に舞う天使たちがコロコロしていてかわいい☆
印象派の風景画コーナーもあって展示室右側に水辺の風景、左側に田園の風景がずらっと並んで
ここでも目が行くのはやっぱりモネだったりします(笑)。
「アルジャントゥイユのレガッタ」の、空とヨットと海のコントラスト!
「アルジャントゥイユの船着場」の、水辺と岸辺の並木道の色のやわらかさ!
「かささぎ」は数年前に同じく新美で見たので久し振りの再会にうれしくなりました^^
雪が積もった早朝の庭先にかささぎがとまっている何てことない絵ですが
空も雪もきらきらしていてとても好き。
よーく見ると積もった雪は白だけじゃなく薄いピンクや青や黄色が混じっていて
ああ、だから離れて見ると色が混じりあって白に見えるのかな…と。
セザンヌ「スープ入れのある静物」の色のごちゃごちゃ感がちょっとすごい。
赤、黄色、緑、オレンジ、青、白と基本色のほとんどを使っていてレインボー、
スープ入れもリンゴもテーブルクロスも壁も、モノそれぞれがうまく主張してバランスも取れてて
色彩感覚がすぐれているというか、配色にものすごい気を遣っているような印象でした。
セザンヌの描くリンゴはごろごろ感があると思う…きっと床に落としたらドスンと音がする。
ファンタン=ラトゥール「テーブルの片隅」は友人の画家・作家たち8人の集合絵で
みんなで一斉にドヤ顔してて微笑ましい。
左下に並んでいるヴェルレーヌとランボーの視線が、お互い絶対に視線を合わせないぞって感じで
当時の2人の関係とか考えるとさもありなん、と思うけど
ラトゥールがあえて並べて描いてるあたりが何というか、夢見ちゃうね。
ドガ「バレエの舞台稽古」はエトワールのチュチュがふわふわしてるし
モリゾ「ゆりかご」の、ゆりかごにかかるレースの透けてる感もやさしくて好きです。
モネ「サン=ラザール駅」は何度目かわかりませんが再会できて大喜びしました!
かささぎと同じく白や黄色、ピンク、水色などふんだんに色が使われて
たった今列車がプラットフォームに入って来たときの蒸気の音や煙の動きも感じられるし
何より空気の動きが感じられて大好きだ~。
「草上の昼食」はマネの同タイトルに触発されて描いたもので高さ4mもの巨大な作品。
元々はもっと大きいキャンバスでサロンに出そうとしたそうですが、〆切に間に合わず人に売って
数年後に取り戻したらボロボロになっていたため無事だった部分を残して他は切ってしまったという
なんとも数奇な身の上を持つ絵です。
モネの初期の作品であるため、サン=ラザール駅と比べるとタッチも色遣いも手さぐり感があるけど
光の表現は生涯を通して変わらないんだなーとも思った。
おしまいはマネの作品数点。
「アスパラガス」は、アスパラガス1本が描かれた小さな作品で
これを描く前にアスパラガスの束の絵を言い値より高く買ってくれた人へのお礼として
あなたの束から1本抜け落ちていたようです…と手紙を添えて贈り物としたそうです。
なんというアニキ…!
「婦人と団扇」は、日本の団扇がたくさん散らばる畳の部屋に黒服の女性が寝そべっていて
団扇ひとつひとつには浮世絵の美人画や風景画がプリントされていました。
マネも浮世絵の魅力にハマってしまったのね、わかるよその気持ち。(←浮世絵クラスタ)
「ロシュフォールの逃亡」はマネ最晩年の作品で、
体制に抵抗して流罪にされたジャーナリストが船で逃亡する様子を描いたもので
劇的でかっこいい。
(史実とは違った逃げ方らしいのですが、絵は理想を描くものですからね☆)
水平線を無視して海面に目を向け、あらゆる水色と青(一番濃いのはラピスラズリかな)を使って
今にも動き出しそうな波のうねりが表現されていたなあ。
地平線に黒点で描かれているのがロシュフォールを助けに来たオーストラリア船だそうで、
これは「サロンに出しても出しても認められなかったマネが晩年にやっと無審査で出品できた」ことを
意識しているらしいとの説もあるとか。
マネは印象派の画家たちとはとても仲良しでしたけど、印象派展には1度も出品せず
拒否されても酷評されてもサロンに出品し続けていたそうです。
わたしマネの絵を見るといつも切れ長のまなざしというか挑戦的な印象を受けるんですけど
たぶん彼の熱意が作品を通して伝わってきていたのかな…。
そんなこんなでモネへの思いを改めてふくらませ、マネのアニキに惚れ直して
体も心もものすごく充実した内容でした!
本家のオルセー美術館は1日ではとても回りきれないらしいですね…興味津々。行きたい。
実は我が家には通販で購入した「印象、日の出」の複製画が飾ってあります^^
あとピカソやゴッホ、モディリアーニの絵なども。両親のチョイスです。

東京ミッドタウンのザ・リッツ・カールトンカフェ&デリに移動してオヒルゴ・ハーン。
チキンカレーセットをいただきました。
食後のドリンクとセットで、ハーブティーをお願いしたらおかわりもできて、これで1300円は安い!

デザートにいただいた季節限定のケーキ。
レアチーズとベリーの味が絶妙でありました~。
この後、電車で銀座に移動して新橋演舞場にて市川猿之助奮闘連続公演を観てきたのですが
それはまた次回記事に書きたいと思います。

「風神雷神図屏風Rinne」宗達・光悦編その13。12はこちら。
半年近くかけて描き続けてきた養源院松の間の襖に、最後の筆を入れる宗達。
宗達「できた~~……」
一門「「「よっしゃーーーーー!!!」」」
全12面、青々とした若松から苔むした老松へ、松の一生を表現した障壁画と
唐獅子・白象・波に犀(それぞれ魔除け・仏の使い・火除け)を描いた杉戸絵が
ついに完成しました。
みんなで肩をたたき合って苦労をねぎらいます。

そんな宗達たちを後ろから見て、にっこり微笑み合う風雷。
なんだかとても満足したような表情です。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 ジャンル : 学問・文化・芸術
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