猫・本・歴史・アートなど、その日見たもの考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。
浮世絵は明日へ続いていく。
2016年02月27日 (土) | 編集 |
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千葉市美術館の「初期浮世絵展−版の力・筆の力」に行ってきました。
いつ行こうか迷っているうちにどんどん日にちが過ぎてしまって
気づいたら明日で終わってしまうとのことだったので。
会期末だからかそれなりに混雑していたけどゆっくり鑑賞できてよかったです。

浮世絵の展覧会というと春信とか歌麿とか写楽とか北斎とか国芳とか広重などの展示が多めですが
実は彼らの活躍は1760年以降の主に江戸後期でして。
今回は菱川師宣、杉村治兵衛、鳥居清信、懐月堂安度、奥村政信、西村重長、石川豊信ほか
最後に鈴木春信がくるという、
1600年代~1770年頃、江戸前半期に活躍した浮世絵師たちの作品を紹介する展覧会です。
師宣に始まり春信で終わる展覧会って初めてじゃないかと思ったし、
彼らの作品は三井記念美などがやっていた浮世絵の通史みたいなのでは第一章とかに数点見られるけど
彼らだけで大量に展示して開催する例は現在ではなかなかありませんし
これだけの数をまとめて見られるチャンスがこの先来るかわからないし色んな意味で貴重な機会だな…。
浮世絵の歴史や錦絵の誕生に興味のある方は必見ですよ~ぜひに。(あと1日だけど)

展示室の入口で迎えてくれる「江戸名所遊楽図屏風」や「桜狩遊楽図屏風」(岸田劉生旧蔵!)などは
無款(絵師の署名が入ってない)で誰が描いたのかわかっていないそうです。
源氏物語絵巻や鳥獣戯画、写本、陶器などがそうであるように
江戸時代より前の美術作品というのは基本的に作家の名前を入れません。
(室町時代後期あたりから雪舟や狩野派、俵屋宗達、野々村仁清などがやっと入れ始める)
とはいえ、作家がわからなくても作品の質は特に変わりませんので
「文使い図屏風」の下ろし髪遊女と禿すごくかわいいし
「扇舞図」は割とよくある左向きポーズだったし
"世の中をわたりくらべて今ぞ知るあわのなるとは浪風もなし"と入ってる「美人立姿図」も素敵。
「犬を連れた禿」の犬かわいいし禿の赤い着物あざやかだな~と見ていたら
隣に山東京伝が出版した『骨董集』なる墨摺考証本が一緒に展示されていて
禿と犬の絵が「加藤尾庵の旧蔵で喜多武晴が模写した」という文とともに紹介されていまして
当時この絵がどんな風に受け止められていたかもわかるようになってる。
ちなみにこれら肉筆画はカラフルですが、比べて版画の色数はとても少ないです。
「枕絵図巻」の、部屋に横たわる男女は着物に黄緑色、衿に朱色がわずかにさしてあるのみで
あとは白黒でしたね~。
春信から100年も前の浮世絵はこんな色数が主流だったという知識は
浮世絵クラスタとして一応あったものの、やはり現物を見ると改めて驚きます。
ただ逆に「絵師の頭の中ではどんな色だったのかなあ」と想像したり
未来を知っている者としては「ここからどんどん色が増えていくんだ!」とも思えてワクワクしました。
あと線のメリハリが太くて力強く、墨の色が濃いのも初期浮世絵の特徴かなと。

一般に浮世絵の概念が確立されたのは江戸初期といわれていまして、
それまで無款だった風俗図や屏風制作の際に
かなり早期の段階で名前を記したのが菱川師宣です。
師宣は安房国(千葉県)出身ということもあって出品数にかなり気合いが入ってたよ!
たぶんわたしが今まで1日のうちに見た師宣作品数を軽々と超えて
これを超える機会は来ないんじゃないかというくらい。
「遊里風俗図巻」に入っている師宣の署名が現存する最も古いものだそうで若い頃の作品なのかな。
「酒呑童子:洞窟」で首を落とされた鬼の指は4本だったから茨木童子かもしれないし
酒呑童子:褒賞」で検分されている赤鬼(たぶん酒呑童子)は両目がカッと見開いていて
強さと手強さが垣間見える。
肉筆の「地蔵菩薩像」の神々しくもやさしい表情のお地蔵様と
晩年の作とされる「天人採蓮図」で空を舞いながらゆったりと蓮の花をとっていく飛天の美しさ。
仏画を浮世絵風に描くのもおもしろいな~。
あと、無款ですが師宣作とされる墨摺絵本がたくさんあって
どれも割と浮世絵によくあるポーズだなと思って観ていたのですが
よく考えたらこの人が最初でこれからこのポーズが真似されていくと気づいてヤバイと思ったし
師宣は何か参考にした作品はあるのかしらんとも思った。
『垣下徒然草』は滝沢馬琴の旧蔵とキャプションにあって倒れそうになった。。
あと、師宣の父である菱川吉左衛門「柿本人麿像」の掛軸もありました。
絵かと思ったら刺繍で制作されたとのこと!吉左衛門は縫伯職人だったそうです。

師宣に少し遅れて活躍した杉村治兵衛の「遊女と客」の夜着に
でかでかと鳳凰が描かれていて絵師のデザインと遊女のランクを同時に想像して頭がワヤワヤした。
浄瑠璃十二段草子吹上」は病に倒れた牛若丸の蘇生場面ですが
牛若を龍が守っていたり空には天狗がいたりとファンタジー感たっぷりのおもしろい絵。
(牛若丸は鞍馬天狗から武道を仕込まれた伝説もあるよね)
「遊歩美人図」ですっくと立った女性の凛とした佇まいの美しさに感動していたら
キャプションに「現存する治兵衛唯一の美人図」とあってびっくり。
着物には大きな「杉」「村」の文字と、伊勢物語の芥川の場面がさりげなく描かれていました。
他にも「高安通い」で歌舞伎役者の持つ扇子に落款が入っていたなあ。
師宣にも絵の中に置いた屏風や扇子に落款を入れた作品がいくつかあるけど
治兵衛もそうだったようで…それとも当時の流行だったのかな。

初代鳥居清信は役者絵がとてもうまかったようで
後に続く鳥居派と呼ばれる絵師たちも役者絵で名をはせていきます。
風流四方屏風「市川団十良(團十郎)」の筋肉がとにかくすばらしいし
「生嶋新五郎」はおお…あの絵島生島事件の前はこんなだったのか新五郎…と感慨深くなったり。
清信の弟とも子ともいわれる初代鳥居清倍の「金太郎と熊」や「草摺曳」などを見ていくと
舞台で荒事を演じるムキムキの役者たちが力強く描かれていて気持ちいい~。
こうした描き方は瓢箪足蚯蚓描き(ひょうたんあし みみずがき)といって鳥居派独特の表現です。
瓢箪のように大きな筋肉とミミズのように自由な描線でメリハリをきかせて迫力を出すというもの。
「初代市川団蔵と初代大谷広次の草摺曳」は版木も残っていて展示されていて
摺った後は寛永寺本坊の引き戸に再利用されたらしく表具がついておりました。
ちなみにこの絵と版木が並んで展示されたのは前の東京五輪開催時らしいですから
約50年ぶりの再会ですね!おめでとうおめでとう!!
二代目市川団十郎の虎退治」は縦に長い版画で
團十郎と彼にからみつく虎の躍動感あふれるバトルは血沸き肉躍る。
色がついてるのは團十郎の輪郭と隈取、そして虎の黄色い体のみで
たぶん摺ったんじゃなく筆で1枚1枚色をつけたんだろうな…。
(それにしても展示品に團十郎が多めだったのは成田山を意識してのことでしょうか^^)
「月を眺める遊女」の月のシンプルな表現に感心しながら
着物に目をやると子~亥までの十二支の文字が荒々しくデザインされていて
黄色と赤しかついてないんだけど他の色がついたらどんなに素敵だろうと思いました。
あと無款だけど鳥居派とされる肉筆画「無間の鐘図」で
手水鉢から水しぶきが噴水のように上がっているのと
天からバラバラと降ってくる小判に女の髪がざわっ!って揺れててすごい絵だなと思った。
(無間の鐘は手水鉢を鐘に見立て柄杓で突くと空から小判が降ってくるという浄瑠璃の趣向)

懐月堂派はほぼ肉筆画の展示、彼らはピンの美人図を得意とした集団でした。
安度の「立美人図」を筆頭に見事な着物をまとった女性が立っている掛軸がズラリと並んでるのは壮観。
さっきまで白黒中心の版画ばかり見ていたせいか
展示室に入ったとたん一気に華やかな空間が広がってて叫びそうになったよ(笑)。
ああ下ろし髪が、微妙な後ろ向きが、その振り返りポーズがっ!!
懐月堂派の美人図はいくつも見ているはずなのにこれだけの数の絵に囲まれるとドキドキしてしまう~。
ちゃっかり英一蝶の「立美人図」も混ざってて、少ない色数ですが襟と裾の赤色が目を引きます。
奥村政信の浮絵もひさびさに見たけど、見るたびに面白さが増していく気がする。
特に「朝鮮人行列」の賑やかさと奥行きのハンパなさ、
「両国橋夕涼見大浮絵」も似たようなモチーフはよく見ますが政信はとにかく書きこみがすごい。
風雅火鉢無間鐘浮絵根元」はさっき鳥居派の絵にもありましたが
これはまた別ヴァージョンのようで、
遊女が店の1階で手水鉢をたたくと2階の客が小判を降らした、というお芝居の一幕を描いたもの。
「武者絵尽」がおもしろくて、戦う佐藤忠信や巴御前、曽我兄弟のバトルや文覚の前に出現した不動、
ムカデ退治を俵藤太に依頼する龍神、羅生門を訪ねる渡辺綱と鬼の後ろ姿など躍動感あふれる場面が。
男の頭をむんずとつかんだ紅葉狩の鬼は白黒でも迫力満点、
もうこれ全部フルカラーで彩色して売ってほしいよー!
「風雅七福神浮絵根元」は人々による七福神コスプレ大会みたいになってて髪型も服装も当世風。
当世風といえば、「源氏さかき」とか「源氏末摘花」など、光源氏を当世風に描いた絵も。
浮世源氏須磨」の、文机に紙と硯を置いて外を眺める構図は石山寺の紫式部図にも通じますね。
ちなみに「浮世須磨」は光源氏を、「浮世つれづれ草」は兼好をそれぞれ女性に置き換えていて
江戸時代始まってるなーと思った。

で。
この辺りまでくると師宣登場から約100年が経過していますから
それまで色つけが部分的だった版画が徐々に全体的な彩色が施されるようになります。
鳥居清広の「娘よこぶへ 中村富十良」は道成寺の清姫を演じる富十郎の絵ですが
着物だけではなく花や鐘や背景にも色がついて立体感が出てきたなあと思う。
また石川豊信に代表されるように絵柄がかわいくなってきます。
「相傘三幅対」は男女の相合傘を3種類描いていますがみんなキュートでかわいい、
「佐野川市松と瀬川菊之丞の相合傘」役者同士の相合傘ー!
豊信「見立琴碁書画」や重長「子ども遊び」には学ぶ子どもたちや遊ぶ子どもたちが描かれていて
みんな楽しそうだし幸せそう。
豊信の師・西村重長の「関羽と美人」は1743年の絵暦で関羽が女性に字を教えてるっぽいのですが
関羽さん青龍偃月刀は出しっぱなしじゃなく仕舞ったほうがいいよ~などと突っ込んでしまった(笑)。
(たぶんこれが重長のユーモア)
重長は肉筆画をほとんど遺していないそうで
今回、唯一の肉筆といわれる「海上郡浄國寺事実」が見られたのは良かったです。
現在の銚子市にある浄国寺に起きた出来事を文と絵で描いたもので
荒廃してしまったお寺をわずか1年で復活させたことなどが書いてありました。
浮絵海士龍宮玉取之図」は藤原鎌足が龍に盗まれた興福寺の玉をとりもどす図で
竜宮城の使いは頭に魚とかタコとかくくりつけていておもしろかったし
鎌足さんは上半身裸で頭はチョンマゲでした、当世風の鎌足なのですな。
また、川又常行の「草刈山路」や「阿古屋の三曲図」なども当世風で柔らかな表情の人物たちで
(阿古屋は歌舞伎にもなってて現在できるのは玉三郎さんだけという難曲だったと思う)
だんだん春信が見えてきた気がする…。

そして、ついに、キター!鈴木春信コーナーです☆
はん七 坂東彦三郎」うおおお本物初めて見た!!
まだ駆け出しだった頃の春信は2色程度の役者絵を描いて修行してたんだよね…!
他にも「風流やつし七小町 雨ごい」や「〃関でら」などもまだ紅摺絵だった頃の作品ですし
鳥居清広の「白たへ 中村富十郎」の構図と春信の「見立鉢の木」の構図が同じというところから
春信にもこんな時代があったぞ、というのを見せておいてからの
錦 絵 登 場。
絵暦交換会が流行した頃にパトロンたちから「もっとカラフルなの作って」という注文を受け制作された
錦絵と呼ばれるフルカラー版画がついにきたー!!+゚+。:.゚(*゚Д゚*).:。+゚ +゚
もうね、ほんと、今日は版画は白黒と赤と黄と緑しか見てないから
春信のフルカラーに涙出そうになりましたよ。。
春信のパトロン、大久保巨川の落款が入った「坐舖八景 台子夜雨」は絵暦なので私的作品ですが
隣の同タイトルは絵暦と巨川の名前を削って一般販売されたものですね。
子どもが女性の髪を結っていて、女性は気持ちよさそうに目を閉じている図がやさしい^^
鞠と男女」は若衆が塀に投げ入れた鞠を女性が拾って手渡している図で
春信のボーイミーツガールはまじ少女漫画。
それから、春信の師である西川祐信の作品も「絵本倭比事」がありました!
ちょうど開かれているページの男女の構図を春信はそっくりそのまま「関でら」に写し取っていて、
でも祐信が男を描いた場所に春信は子どもを描いていて
これは関寺小町の中の「稚児につられて小町が踊り出す」のを意識しているのではないか、とのこと。


「さあ、ショーの始まりだぜ…!」By怪盗キッド
ここからまたどんどん流行の絵柄が変わって技術が進歩して価格も安くなって改革で統制されたりして
歌麿や北斎や国芳や広重が登場してくるのだと思うと胸が熱くなりましたよ。
浮世絵の歴史はまだ始まったばかりだ…!!
千葉市美術館は浮世絵の展覧会に定評がありますがまさかこの内容をやってくれるとは思わなかった、
チャレンジしてくださった関係者の皆様に厚く感謝します、ありがとうございます!


それから、所蔵品展「新寄贈寄託作品展−花づくし」も同時開催されていて
『近世畸人伝』があったのですが池大雅・玉瀾のページがちょうど開かれていたのは
不意打ち過ぎて声出そうになりました。
ふええ江戸時代一の萌え夫妻きちゃったよ…
2人とも目が「-」で表現されてて大雅の後ろにある寿老人の絵も目が「-」で
もうこの夫妻の周囲って当時からこんなイメージなのかなと思いました。
デジタルアーカイブで読んだことはあっても一度冊子の本物見てみたかったのでうれしい。
あと写楽の役者絵の版下絵にもびっくり、しかも2枚も!
全身図が描かれてるから活躍後期の頃の下書きでしょうか、みんな等身めっちゃ高かった。
伊藤小坡の「立美人図」の優雅さと雅さにも感動、
着物のあんな透明感一体どうやって出すんですか…教えを請いたい…。

千葉市美ほんと侮れないなあ!
おかげで1時間くらいかな~と軽く考えていたのに会場を出たら2時間半経過していて
予定を大幅にオーバーしておりました。楽しかったからこれでいいのだ。

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ランチは美術館のレストランで企画展限定メニューのまぐろ丼をいただきました。
骨の近くから削ったお肉だそうでむちゃくちゃ柔らかくておいしかった…!
かぼちゃのスープはとても温まりました。


あと、千葉へは日暮里駅経由で行くのですがそんなに何度も行ってるわけではないので
ずっとスルーしてしまっていたミッションを本日やっと達成。
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日暮里駅のゆるキャラ「にゃっぽり」のポスター!うへへかわいい(〃▽〃)。
駅員さんが考案したらしい、とてもゆるいデザイン。
日暮里駅のある谷中銀座周辺は猫がたくさん住んでいるので
にゃっぽりはその代表のようなものなのでしょう。

改札を出ると看板とか配布してる谷中地図とかにいっぱいいるらしいんですが、
わたしは改札内で乗換えせねばなりませんのでまだあまり出会えてません…。
駅構内のエキュートの雑貨屋さんにはにゃっぽりのハンカチや手ぬぐいも売ってるよ!

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そんなエキュートのパティスリーマリアージュで
猫の日に買いそびれたネコドーナツをゲット☆
アン、ドゥ、トルワと3種類の三毛猫、白猫、黒猫のチョコレートドーナツですぞ~。
とんがり猫耳はかじったらアーモンドがでてきました。

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ハッ!!!
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ネコ科の祭典。
2016年02月22日 (月) | 編集 |
今年もきたよ~猫の日!にゃんにゃんにゃんの日(=^・ω・^=)ニャー☆
ほっといてもTwitterに猫画像が大量に流れてくるのでふぁぼ魔&保存魔と化しています…
だってそこに猫画像があるから!!
各地で開催される猫イベントや、販売される猫グッズ猫スイーツが年々ヒートアップしてる気もしますが
世間が猫のかわいさに追いついたと考えれば致し方あるまい(何様)。
ジュンク堂ネットストアさんが猫の本をツイートしてたり(『魅惑の黒猫』は読んでみたい)、
ニッセンさんが猫になりきってツイートしている中、
東京ズーネットさんがずっとチーターやジャコウネコなどのネコ科動物の画像をツイートしていて
そうか今日はすべてのネコ科の日でもあるのだな、と気づきました。
猫の日の概念がどんどん大きくなっていく…いいぞもっとやれ。

そんな日の我が家の猫様たちはというと。
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深海からぬっと顔を出した80年代ゴジラみたいな目つき。
椅子に座ってダイニングテーブルからのニャンチラです。

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このアングルだととってもキュートなんですけどね。

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でも死角からちょっかい出すと。

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しゅばっっっ!!!!!

床に落ちたボールや風に揺れるカーテンや同居人の手など、動くものは必ず追いかけるあたり
やっぱり獣なんだなあと思います。
10年以上一緒に暮らしてても時々こうして容赦のない塩対応かましてくる女王様ですが
もう本能だと諦めてチベットスナギツネ顔で華麗にスルーする日々です。
で、ひとしきり遊んだ後はお食事を所望されるので「アッハイただ今 (°ᆺ°*)」とご用意するループ。

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俯瞰アングル。
お背中なでなでさせてもらうととっても柔らかいのだ…。
(ご機嫌斜めのときは鉄拳制裁をくらいますが、今回はじっとしててくれました)

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娘にゃんこも元気。


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こたつの母にゃんこ。わたしの膝に乗ってこたつ布団を被っています。
せっかくなので、ほぼ日が毎年やってるネコの日企画の誰でも自由に猫様の写真を投稿できるコーナー
ネコ画像にまみれる祭」に向けてツイートしたら掲載していただきました!→こちら
2年前去年も投稿させていただいたのですが、今年もできてよかった。
ほぼ日さんありがとうございました(゚∀゚)☆

今年も世界中の猫たちが幸せでありますように。


この写真は読書中に撮ったもので、小野不由美さんの『鬼談百景』と『残穢』を読んでいたのですが
過去に読んだ『営繕かるかや~』並に理不尽に怖すぎるので
ヒヤッとしたら膝のにゃんこを撫でて「だがうちのニャンはかわいい」と唱えることにしたら
劇的な効果をもたらしましたよ!
「何かが床をサッと擦る音が」(だがうちのニャンはかわいい)
「どこからともなく赤ちゃんの泣き声が」(だがうちのニャンはかわいい)
「蛇口の表面に映る自分の顔の後ろに知らない人の顔が映って」(だがうちのニャンはかわいい)

世にも奇妙な物語の音楽に手拍子を入れたときみたいに全然怖くなくなるので
怪談苦手な方はおためしください~~猫様まじ偉大。
ネットのどこかで見かけた「だが野良猫がよく入り込む」とかもいいぞ。

(鬼談百景は猫やウサギや狐などの動物話がとてもほっこりしてオススメです。
映画版は平山夢明を佐々木蔵之介が演じているので興味はありますが
予告だけでもう充分お腹いっぱいになってしまったので、
DVDが出たら借りてコマ送りしながら蔵さんのとこだけ見る予定。
あとこの2冊を続けて読むと百物語になると気づいたので(微妙に地続きの話も載ってるし)、
間に別の読書をはさんだ方がいいですよ)


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ねこあつめの合言葉入力画面でもらえるニボシも、猫の日ならにゃんにゃんにゃん!
(ちなみに英語版はMeowMeowだった)
2月9日の肉球の日も「にくきゅう」でニボシ29個だったし、
猫の行事にはガチで本気出してくれますな。

毎日どんな言葉か楽しみにしていますが、二十四節気や季節の行事はだいたい入ってて
節分には「追儺」、針供養には「豆腐」、クリスマス前後には「シュトーレン」「七面鳥」だったり
1月8日は一か八かだから「サイコロ」で1月9日は「一休」だったり、たまに小ネタもきいてる。
あと「丑紅」だった日があって何ぞや?とぐぐってみたら
寒中の丑の日に買う紅のことで、冬の季語なのだそうです。
昔の風習をさりげなく紹介してくれて勉強になる。
ただセンター試験の日に「スケート」というのはちょっと冒険しすぎな気もする^^;


あっあと、猫の日なので宇治拾遺物語収録の
小野篁が嵯峨天皇から「子子子子子子子子子子子子」を読むよう言われたという説話の出典」の
リンク貼っときますね→こちら
近畿大学図書館さんが実にシンプルに答えていらっしゃいます。皆さんも読んでみてね!(笑)
大河の流れ出るところ。
2016年02月18日 (木) | 編集 |
守り人クエスト」をプレイしています。
3月から放送されるテレビドラマ「精霊の守り人」の世界観を再現したゲームです。
守り人は原作小説から大ファンなのですが(今年で刊行20年ですねおめでとうございます)、
数年前にアニメになって今年はドラマ化されてついにゲームになる日が来たかあ、感慨深い。
PCとスマホ両方でプレイできるのも有難いです。

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内容は、あそびかたにも書いてありますが
バルサとチャグムに見立てたプレイヤー駒を動かして
追いかけてくる怪物ラルンガ(真ん中にいる黒いの)から逃げて逃げて逃げまくるものです。
右にいる槍を持ったオレンジがプレイヤーで、プレイヤーが進むとラルンガも追いかけてきます。
(しかもゲームが進行するとだんだん歩数が増えてくるし
彼が時々発するウゴーとかグオーみたいなSEが「食い物待てぇ」みたいに聞こえて心臓に悪い)
フィールドは小説の舞台でもある新ヨゴ皇国とその周辺がモデルになっていて
なるほどタンダの家とか王宮とかサァナン(水源)とかありますね、画面の色彩も鮮やか。

moribito4.jpg
的がルーレットのようにクルクル回って、下の槍ボタンを押して槍を当てた数字の数だけ進めます。
槍が当たったときの「タァン!」という澄んだ音と
的が割れ飛ぶアニメーションがとても綺麗で好き~。
一度当てた的は使えなくなるのでもう一度槍を当てて裏返すか(ラルンガの歩数になっちゃうけど)、
イベント発生コマまで進まないと復活しません。

moribito1.jpg
1周すると100歩で、何度もトライしてやっと2周できるようになりましたが
3周目を完走することが未だできていません。
今のところベストスコアが294歩なのであと6歩です。めざせ300歩!
画面の上でクルクル回ってるラルンガちゃん2匹めっちゃかわいい、負かされるけどかわいい。

ちなみにこのゲーム、色んな意味ですごろくっぽいので
始めた時はてっきりゴールがあるのかと思っていたのに
蓋を開けたらラルンガに追いつかれるまでゲームが終わらないという地獄のデスロードでした。。
なんということ、チャグムは食べられてしまう運命から逃れられないのか~。
わたしの槍当てが下手すぎてすぐ追いつかれてしまって何度もラルンガに食べられまくるチャグム、
ごめんねーごめんねえぇ。_(´ㅅ`_)⌒)_
(Twitterで検索したら300歩を超えてる人を何人か見かけましたが
やっぱり捕まってゲームオーバーになってるみたいなので、
例えば「3周したら逃げ切る」みたいな条件とかつけてほしい…バッドエンドだけじゃなく)

moribito3.jpg
すごろく形式のため3つ進むとか2つ戻るなど、立ち止まるとイベントが発生するコマもあります。
画像は、わたしが一番好きな「的リセット」のスポット。
槍を撃ち尽くしてもここまで辿り着けばすべての的が復活するので本当に助かる!
イベント発生時は「コバルサとコタンダ」という、ゲームキャラとしてデザインされたバルサとタンダが
色々おしゃべりしてくれます。
役者さんに何となく似てるのと、パンダコパンダっぽい名前の響きがかわいい(*'ω'*)。
あとコタンダがラルンガ退治の必須アイテムである松明を持ってるのはさすが。

他にも「チャグムを探しに行くので2コマ戻る」とか「ノギ屋の弁当で元気が出たから3マス進む」とか
「タンダが薬草をつけて手当てしてくれたので的が2つ復活」とか、
「タンダの山菜鍋を食べた」り「チャグムに槍の稽古をつけて的の数字が大きくなった」ので歩数が増えるとか
「無事に扇ノ下に着いたのでスコアが2倍になる」とか
次に的に当てた数字の2倍進めるコマとかあったりします。
的の数字はどこまで大きくなるのかわかりませんけど、一度18まで増やせたことがあって
進むコマと組み合わせてうまく使えばポーンと長距離を移動できたりする。
ラルンガが後退するコマには意識的に立ち止まるようにしていますが
これをやりすぎて1周してラルンガの背中に追いついてしまうと
突然「バルサが攻撃したのでラルンガが30歩進む代わりにスコア上げときますね☆」
みたいなメッセージが表示されて
いやだああああそのままでいいよおおおやめろおおおおってなったけど
容赦なくラルンガが進んでしまってわたしはスコアの桁が跳ね上がるのを呆然と見てたっていう話。
あれだ…野生動物は外敵に出くわすと攻撃よりも逃走を選択することが多いけど
この設定もそんな感じなんだろうと思う。(何)

あと、フィールドには分かれ道スポットもあって
どっちへ行くかを選択するために必ず停止しなければならないコマがありまして。
たとえば3歩先に停止コマがあっても槍を6に当てると3歩損してしまうわけで
(そして立ち止まるせいでラルンガに追いつかれるパターン多数)、
とにかくスポットまでのコマ数を数えてその後の進捗に影響がないようひたすら考えまくりました。
このゲームは制限時間がないので下手すると囲碁や将棋みたいに長考できるのは助かりますな、
用事でしばらく放置するときもポーズとかしなくていいし。


ラルンガはアニメ守り人で見たとき、わたしが漠然と想像していたより大きなキャラデザで
びっくりしたのを覚えています。
確かに、小説の挿絵とか思い出してみてもそんなに小さいイメージはないのですが
それにしてもバルサたちと比べてあんなに大きく描かれるとは思わなかった。
原作小説の「イソギンチャクかヒトデに似ていて、泳ぐ6本の足のほかに背中に6本の巨大な爪があって
爪の間に口がありそこから触手が生えてる」がパーフェクトに再現されていたし
クライマックスでウヨウヨ出てきたのむちゃくちゃ怖かったな…!
あとあの造形に何となくタチコマを連想してしまったのは監督が神山健治氏だからだと思う。

あと、最近になって気づいたんですけどアニメ守り人の音楽って川井憲次氏だったのね。
ナージの唄とか聴いてるとまったく川井節を感じないんだけど、あえて封印してたのかな…。
「♪ナージ飛べ飛べ 海まで飛べば 雨降り稲穂はすくすく育つ」の歌詞がとても歌いやすいメロディで
放映当時はよく口ずさんでいました。
ドラマの音楽担当は佐藤直紀氏ですがナージの唄も別のメロディになるのかな、
こちらにも少し書いたけど、あの唄は物語のキーポイントになってて言い伝えの意味もあるので
土や風の感じられる雰囲気だといいなあと思っています。
船出。
2016年02月14日 (日) | 編集 |
『真田丸』観てます(*^▽^*)おもしろい!
オープニングを毎回楽しみに聴いてるの平清盛以来だわ~不協和音いいわ~~。
服部隆之氏の音楽は組!のときはひたすら明るくて青春群像劇って感じでしたけど
今回は重厚な雰囲気がたまらない。
尺八とか、たまに和楽器がスパイスのように耳をつんざいてドキッとするし
どうかすると転げ落ちそうな不安感が漂っているのも戦国時代っぽくて好きだ。
終盤の赤備え軍団をバックに「草刈正雄」のテロップがパーッと散るのかっこいいし
バイオリンソロのコーダに有働さんのナレーションがかぶさるのもかっこいい~~有働さあぁぁん。

堺雅人さんの信繁の主人公補正がちょうどいいバランスというか、
確かに主役なんだけど立ち位置が年相応なのがいいなと思う。
1582年の段階ではまだ10代だし経験も知識も足らなくて次男だから軍議にも参加できず、
状況を自分の足で確認したら裏目に出る場合もあってライブ感ありますね。
でもちょっとした戦闘で武の才能の片鱗を見せるのがかっこいいし
最新話で初めて軍議に参加できたのもよかった。
草刈正雄さんの昌幸が本当に最悪なんじゃボケェ!(カゲガラスの声で)(めっちゃ誉め言葉です)
初回から裏表感ひどくて「この人額面通りに信じたら絶対ダメだ」と視聴者は理解したよね(笑)。
彼のそれまでの人生がどんなだったか察するに余りあるまでに冷徹なのも
先を読みすぎて朝令暮改と言われてしまうのも
毎日何が起きるかわからない、誰が味方かわからない中ではああなるよなと思うので
「武士は7度主君を変える(by藤堂高虎)」「犬とも言え畜生とも言え勝つ事が本(by朝倉宗滴)」あたりを
モットーにがんばって生き抜いてほしい。
現時点でパパまだ30代なので(ちなみに信長は49歳で秀吉が46歳、家康は39歳)、
これから真田昌幸被害者の会メンバーが次々に追加されていくと思うと
(名誉会長はたぶん徳川秀忠)ワクワクが止まりませんね。
大泉洋さんの信之、あんなお父さんとあんな弟に挟まれちゃって胃薬をさしあげたい。
何かの番宣で大泉さんが「今回は珍しくしっかりした役ですよー『ためらうな!』と言うし」と言ってて
ちょっともったいないなとその時は思ったんですけど、
蓋を開けたらマジでしっかりした役なのにおもしろくてたまらないとはこれ如何に(笑)。
「そんな大事なことをくじで決めるんですか!?」は足利義教あたりが化けて出そうなセリフですが
それ以上に楽しんでらしたのが水曜どうでしょうファンの皆様で
わたし水どう知らないんですけど見たくなってしまった、どこか再放送してないかな。

草笛光子さんマジ肝っ玉おばば様、さすが真田幸隆と一緒に生き抜いてきた人!(風林火山脳)
いかなる時も「自分はここへ行ってこういうことをやればいいのね」と
一瞬で理解して実行するのがかっこよくてたくましい。
物事をスムーズに進行させていく力のある人だと思いました。
高畑淳子さんの薫さんの感覚はあのドラマの中でもわたしたちに近くて
家族が亡くなれば悲しむし、人質にとられるのは絶対に嫌がるし
ためらいなく夫をハグするのも(あれアドリブで草刈正雄さんはびっくりしたそうだ)愛があふれてるし
彼女の視点はとても大切。
豪奢な衣装をまとっているのも扇を手放せないのもアイデンティティだよね、必死に生きてる。
きりちゃんも言いたいこと言って心のままに生きていて、長澤さんも意図的に演じてる感じですが
公式設定を見たら乳きょうだいらしいので(きりの母親が信繁の乳母)、
もうこれは「お互い好きにならずにいつまで経ってもうるさいうるさい言い合ってる関係」だったら楽しい。
恋愛を前提としないパートナーシップ大好物なので、特に大河ドラマでそういうのが出たらいいと思います。
(しかしあの櫛のエピソードな…きりちゃんは信繁を10発くらい殴りに行こうか)
あくまで傾向ですが、男性主人公の大河ドラマのヒロインて初登場時は元気いっぱいでも
特にエピソードもなくすんなり「武人の妻」になっていったりするから
彼女がこれから変わっていくのか、そのままなのかはすごく気になるところ。
逆に黒木華さんの梅ちゃんはいわゆる完成された人格だと思う、
そして最初はなぜ藤本隆宏さんの妹役なんだろうと思ったのですが
戦闘シーンを見て納得しました。ありゃ100%藤本さんの妹だ。
戦国時代の農民は生きるのになりふり構ってないので
男女問わずそれらを垣間見せてくれる制作側の姿勢はとてもいいですね^^
あと、木村佳乃さんの松さんがはっきり物を言ったり夫とラブラブしてるのはお母さん似だし
なんだかんだ肝が据わってるのはおばば様の影響だと思う。
(木村さんは高畑さんや草笛さんの話し方や仕草を真似ているとインタビューでおっしゃっていた)
安土城の女性たちを逃がそうって提案は松さんのやさしさと
あの時の安土城にはたくさんの人がいたはず、という制作側の視点を感じて心がポカポカしました。
再登場は5月らしいですが木村さんが椅子から転げ落ちそうになる台本とは、、、wktk
夫役の高木渉さんは小山田さんというよりも高木刑事に見えてしまう呪いをかけられているので
いつも声を聞いてハッ(゚ω゚)てなる。
まさか実写時代劇で高木さんを見られる日が来るとは思いませんでした~ボサ髭かわいい。
あと寺島進さんの出浦昌相がかっこよすぎてしねるレベル、
「一度家臣と決めたら最後まで尽くす」のセリフはおお、新しい考え方だなって思ったけど
そのあとの「だから俺たちの流儀には値打ちが出る」って言ってて普通に戦国時代人だった。
映画『清須会議』のいぶし銀官兵衛もよかったけど今回のいぶし銀忍者もすばらしいよ~~。
「また会おう」って信繁の頭ナデナデするシーン大好き、あれは「はい☆」って言っちゃう。
(そういえば素っ破はすっぱ抜くの語源らしいですね)

平岳大さんの勝頼様マジお美しいおいたわしい。
未だかつて武田勝頼がここまで美しく描かれた大河ドラマが他にあったでしょうか、いやない。
今回は色んな意味で『風林火山』の続きのドラマになってるので
池松壮亮くんの勝頼が平さんによって終末を迎えたようで切なかったです。
だから内野さんの家康が「武田が滅んでもちっともうれしくない」って言ったとたんに
「勘助ーー!!」ってTwitterで総ツッコミ祭になったのはおもしろかった(笑)。
昌幸が信長に謁見する時はかなりの深読みを見せた家康ですが
例の笑ってはいけない伊賀越えは地獄の伊賀ロードとか大乱闘伊賀越ブラザーズ的な大喜利がTLに舞ってて
ごはん粒食べ合う(困惑)お赤飯のおにぎりシーンは史実なのに遠足みたいな雰囲気で爆笑したし
城に帰って足腰のケアする家康(39)と1日で回復した忠勝(34)の対比も楽しい。
今年の家康パーティは笑いと涙と癒しとホームドラマに満ちていて笑えますね。
(でも実際はあの伊賀越えにより200人近い戦死者が出てる)
吉田鋼太郎さんの信長は一瞬だけの登場でも威圧感ハンパなかったけど(土足ブーツ笑った)、
それ以上にハコちゃん光秀のインパクトが強烈すぎてどんな顔したらいいのか、
まさか大河ドラマでピンク色のSMをやるとは。
てか是非に及ばずも敦盛も自害シーンもない本能寺の変、まさかの超高速本能寺の変!
あくまで真田家の視点というドラマ作りの姿勢が徹底していますね。

武将同士は安房守とか三河守などの役職で、親しい人間同士は幼名や通称で呼び合うとか
百姓や足軽が二本差だったりとか、戦闘時は頭上を押さえて物を投げてから飛びかかるとか
考証も細かいですね。
本能寺の変の地域差における情報伝達とか
みんな明智が天下を取ると思ってて秀吉が全然眼中になかったりするのもリアリティがある。
信長に幸若舞を舞わせないのは時間の都合かもしれませんが
本人による型がはっきりしてないのも理由かなと。
(でもあの日は旧暦の2日なので月は出なくて真っ暗だったはず、とは突っ込まれてた)
あと「本多忠勝が輿に乗った家康に話しかけるシーンの扇の使い方が完璧すぎる」のが
ものすごい話題になってましたね。
塙保己一がまとめた群書類従のなかに「中原高忠軍陣聞書」なるものがあって
そこに「扇のつかひやうの事。ひるハひの方を面へ成て骨を六ツ開きて六ツをばたゝみてつかふべし。
夜ハ月の方を面へなして骨を六ツ開きて六ツをばたゝみてつかふべし。
勝いくさして後ハみなひろげてつかふべし」とあるのですね。→こちら
で、映像を確認するとほんとに骨6つ開いてて感動しました。
(小和田哲男氏の『呪術と占星の戦国史』にも解説があるよ)

小日向さんの秀吉も登場したし、しばらくごちゃごちゃが続くと思いますが
個人的には後半に挿入されるであろう九度山パートが楽しみで仕方ない。
高野山ロケヘイ、カモオォォン!!!


木曜時代劇「ちかえもん」も楽しいですよ~。
近松門左衛門が曽根崎心中を描くまでの出来事をコメディタッチで描く連続ドラマです。
基本的には人情時代劇ですが、合間のポップでキッチュな仕掛けに毎回ニヤニヤが止まらない(笑)。
毎日1行も書けなくても筆を折る勇気がなく、誉められたくてたまらなかったり
著作を映画予告風にしてDon't miss it!!ってナレーション入れたり
「安心してください、『痛快娯楽時代劇』ですよ」ってやっぱりナレ入れたり
「学生街の喫茶店」「傘がない」「フランシーヌの場合」の替え歌を歌ったりする近松を
誰が想像したでしょうか、いやしない。
これどうなのって思う場面が全然ないしこの先どう展開していくのかもわからない、
すべて必然性をもって構築されている脚本のすばらしさとか
竹澤團七さんが義太夫節指導、桐竹勘十郎さんが文楽人形指導を担当なさり
ご本人たちもドラマに出演されているあたりは制作側の熱意を感じます。
藤本有紀さんの脚本は最終回まで見終えてまた初回から見るとたくさん気づくことがあるし
終わってさみしくても心にポッと何かが残ってああ、わたし大丈夫だって思えるのが好き。

万吉マジ天使。。
不孝糖売り歩きダンスかわいい、竹本義太夫の語る出世景清をキャッキャ聞くのかわいい、
エンドカードで近松と一緒にマックシェイク?スタバのフラペチーノ?飲んでるのかわいい、
要するに彼が何かしてれば全部かわいい。
あっちこっちにくるくる現れてはみんなを振り回すけど
彼がいなくなった後きっとみんな寂しさを感じるような人だと思う。
人の痛みがわかって底抜けに明るい万吉の正体というか生い立ちは最終回までにわかるのでしょうか、
赤穂浪士の生き残りって予想を見かけたけど、何も語らずに去っていくのかな…。
#てな陳腐な言い回しはわしのプライドが許さんのである はい。
お初の身の上は「物語の中ではヒーローが現れても現実はそうはいかない」という
物語の力の根本を問いかけてくるようなエピソードですね…。
天神さんの白梅だよってお初に枝を持ってくる徳兵衛とか、陰で暗躍する九平次とか
曽根崎心中の本編もじわじわ進んでいる。
あとお袖姐さんが好きだ~人生の酸いも甘いも知りつくして諦観も見え隠れするけど
誰かが悩んでいると放っておけない人なんだろうな。
お玉さんが、店の玄関で思いついたことを夢中で書き留める近松にそっと行燈を寄せるシーンも好き。

赤穂浪士の劇中劇で元禄繚乱のOPが流れるの地味にうれしい、
あれを聴くとわたしァ勘三郎さんを思い出しちまっていけないんだ…茂山狂言会の皆さんもよかった。
あと「赤穂浪士の場合」を歌うちかえもんを見て
こういうの同局で獅童ちゃんがやってなかったっけ?とデジャヴがありました。→これね

近頃はほんとに時代劇や時代劇映画が減ってしまって
現場の人々にはがんばってほしいので面白いものは「おもしろいよ~」って積極的に言っていかねば。
世界のはしっこで見てる人間もいるよ!視聴率気になるけど考えすぎないでね!って言いたい^^;


それから怪盗山猫と火村英生の推理も毎回楽しみ。
前者は蔵さん、後者は窪田くん目当てで見てますが
ネジ6本くらい弾け飛んでる亀梨くんとかやたらソファに放り投げられる成宮くんもかわいい。
火村~はわたし原作読んでないんですけど
原作ファンの皆様が原作と全然違うとおっしゃりながらも楽しんでいらっしゃるのが地味に気になる。
てか窪田くんのアリス、寝癖にヨレヨレシャツor寝癖に革ジャン+ジーパンアリスは
なぜあんなにかわいいんですか、けしからんね!!??
(「コンペイトウは好きな色だけ食べる」にとても共感しました)
関西弁が大変、と番宣で語ってた覚えがありますけど
回が進むごとにあざとかわいくなっていくからすごいと思う。
蔵さんはひさびさのドラマ出演ですがここ数年は医者役か刑事役ばっかりですね、
でもキャラがみんな違ってかっこよかったり優しかったり渋かったりどんくさかったりエロかったり
かわいかったりするから何でもいい。
今回の髪ボサボサ無精髭の腹黒刑事蔵さんはお色気ありすぎの罪で逮捕したい、
亀梨くんとのアクションと階段落ち痛そうだったな~ごちそうさまでした←
悪い北村さんと悪い蔵さんやばい、おじさんたちの密会でまた一週間は生きていける…
とりあえず蔵さんのために見ます。


そういえば今日はバレンタインなので。
2016valen1.jpg
7・11でゲットした生チョコまん、チョコたっぷりでおいしかったです!
ハートの形しててかわいかった。

2016varen2.jpg
花扇さんでゲットしたバレンタインと下萌え。
バレンタインちゃんは中味がやわらか餡子なのですよ~。
下萌えの、雪解けから草花が見えている様子が表現されているのが春を感じさせてほんと好き。
目覚めよと呼ぶ声が聞こえ。
2016年02月10日 (水) | 編集 |
森川成美さんの『アサギをよぶ声』全3冊を読みました。
スカイエマさんの力強いタッチの表紙にひかれて何となく読んでみたら
続きがどんどん気になってワーッと一気読み。
古代日本のような世界観の、ひとりの少女の生きざまを描く物語です。
(人生でも生き方でもない、生きざまって感じだなと読み終えて思いましたので…
シンプルなタイトルの児童書ですが内容はすっげえ硬派でハードボイルドだった)

「男だったらよかった」とか親に言われる、紫式部日記のような書き出しに始まり
弓矢で獲物をとり布を織り金銭ではなく物々交換で生計が成り立つ時代の小さな村が舞台。
子どもたちは12歳になると成人扱いされて男の子は男屋に入って戦士になるため武術訓練に励んで
女の子は女屋に入って機織りの仕事をする…みたいなルールが
アサギの「戦士になりたい」という行動とともにさりげなく説明されて
だからハヤがアサギを追い払わなかったときは「よっしゃあ話が動き始める!」と胸が熱くなりました。
男屋の男の子たちがエスカレーター式に戦士になれるのを羨ましがりながら
夜な夜なハヤのもとに通って矢尻作りと「モノノミカタ」を習得していくわけですが、
毎日訓練ができる男の子たちと違ってアサギはハヤに毎日会えるわけじゃないから
どうしても遅れを取ってしまう。
それでも男の子たちとの何気ない会話や山で出会った猿との交流、時々聞こえる声を通して
「物事をありのままに見て、なにものにもとらわれずに意味を考え」られるようになっていく姿は
翼を手に入れたかのようで、知識は武器だなあと改めて。
戦士になるための競い合いに出場して勝ち抜いても
長老たちの反対にあって結局その時は戦士にはなれなかったけど、
その現実をまずは見つめてまた別のアプローチをかける姿勢に彼女の本気が見えて泣けた。
わたしは弓を射たことはないけど、「バスッ」のト書きはお腹に響いたな…。

タイトルにもある「声」をアサギやハヤが聞くのは無意識の具現化というか、
単に人より働く勘が声となって聞こえているようにわたしには思えたのだけど
その感覚に体が追いつけるのは本人の能力だと思う。
的を見たとき、どこにどれだけの力で矢を放てばいいかすぐわかってしかも完遂できる感じ。
(ハイキューでスパイカーが「(打つポイントが)見える」と言って綺麗にスパイク決めたりしますけど
あれに近い気がします)
ああいう現象がスピリチュアルなのかオカルトなのか、いわゆる「天に愛された」的なものか
わたしにはわかりませんけども
「今だ」「そこだ」「ちがう」など単語が多いのが古事記の一言主みたいだなって思うし
無骨な雰囲気も相まって古代っぽくてじわじわくる。
アサギはまだ子どもなので声をたよりに矢を放ってるけど、
いつか弓の名手になったら聞こえなくなるのかもしれないな…。
で、また別の新しいことを考えたり学ばなきゃならなくなったら、また別の声が聞こえるんだと思う。

ハヤのかっこよさは本人の生き方と物の見方からにじみ出ている。
山頂で火をたく夜の見張りをしながら、アサギの話をちゃんと聞いてくれて
戦士の仕事とアサギの能力と、やるべきことを具体的に示して見守ってくれるし
アサギの力量を「女の子だから」ではなく「今のこいつの力はこのくらい」的な計り方なのもいい。
1巻のラストで、仲間にするみたいな仕草でアサギの肩を抱くシーンが好き~。
読みながらなんとなく精霊の守り人のジグロを思い出していたのですが
(亡くなった親友の娘を教育するおじさんという点で共通しているなと)、
ジグロはほぼ放任してたけどハヤはつかず離れず的な関わり方ですね。
最後は諦めないでほしかったけどかっこよかった…!
あの村人たちの中にあって、彼が自分の考えを保ちながら立ち位置を確保できているのは
本人の訓練と昔からのルールがあるせいかな。
風立ちぬの「会社は全力で君を守る、君が役に立つ間は」のセリフではないですが
戦士として強いことが支えになってる部分はあると思う。

イブキとアサギの関係、イブキがアサギの気持ちを半分もわかっていなかったように
アサギもイブキの気持ちをほとんど理解できてなさそうだけど
向いてる方向が一緒なのでこれからも話し合いながらいい関係を築いていくんじゃないかと。
サコ姉さんはたぶん、アサギの生き方にはついていけない人ですが
ストレートにアサギを大切に思ってて必ず味方でいてくれるのが船を待つ港のようで好き。
ヤチとタケはいい関係だったと思うんだけどなあ…!
巫女のおばあちゃんは物語の中盤、アサギの話を聞いて頼りにしてくれるようになったら
大好きになりました。
おばあちゃんは昔アサギだったんじゃないかな…と思えるくらい話ぶりが現実的で
過去に色々諦めたり譲らなかったりしたような印象が個人的にはありますがどうなんだろう。
アサギたちが出陣するとき、舞は省略するけどお祈りだけねってしてくれるのがいいなー。
あと、何気に好きなのは機織りのおばあちゃんとナータ。
おばあちゃんは兵糧支度の手際の良さがめちゃくちゃかっこよくて
きっとダイとハヤを怒鳴りつけながら見守って来た人だろうなと思う(╹◡╹)。
ナータは「戦はいい商いになるの」のセリフでガチだ!って思ったし
経験に裏打ちされたリスクマネジメントからちょっとやそっとじゃ動じなくてまさに「商人」って感じ。
アサギと同じようにロールモデルを持たない彼女だから
何にもとらわれずに見て考えて判断する癖が無意識についてそうで
主体的に生きてますね、たくましい。
アサギに商売の仕組みや舟の漕ぎ方を教えるシーンがほほえましい。

読んでるうちにこれはやばいんじゃないかと思ってたことが杞憂に終わったのもよかった。
なりたくてたまらなかった戦士が、どういう仕事かわからない時ほど憧れて
おばあちゃんに「おまえを戦士にする」って言われた時には嫌というほど知ってしまった後なので
全然うれしくないってアサギの気持ちがとにかくリアルでした。
実際なっても、今度は「新米だから」と話を聞いてもらえなくて
やりたいことのためには戦士である必要はないかもしれない、とあっさり見切りをつけたり
みんなを不安にさせないために大言壮語なこと言わなきゃならなかったり
逆にみんなをまとめておくために言えないことがあったり
倒れている人(味方か敵かもわからない)の背中から矢を取って使ったり
何もかもが初めてな中でアサギが考え、声を聞きながら戦うのもものすごいリアリティ。
すべてが終わってもアサギが勝利者を自覚しないのもよかったし、
終わりではなく始まりを迎えたところで終幕なのは
レッドデータガールや風の万里黎明の空とかもそうじゃなかったっけかな。
アサギは今後、攻殻機動隊の素子さんみたいな人になっていくのか
それとも獣の奏者のエリンみたいになっていくのかどうか…ちょっと読みたい気もする。

スカイエマさんの表紙と挿絵めっちゃかっこいい~。
児童書やYAコーナーでよく見かける方ですが一般図書の装画も手掛けてらっしゃるようです。

「歌えや歌え 祈れや祈れ さあ 言葉よ命になれ
あらゆる軌跡 あらゆる出会いが 私を守ってる」
(鬼束ちひろ「The Way To Your Heartbeat」より)

そういえば猿が出てくるから申年にぴったりですね、この本。
あの猿たちは要所要所でアサギに道案内するのがいい、あとしゃべらないのがポイント高し。

他にも『さる・るるる』『おさるのジョージ』『タンタンのぼうし』『おさる日記』『ひとまねこざる』
『西遊記』『古事記』『地獄変』『天と地の方程式』あたりもよさそう。
あとドンキーコングやりたいし猿之助さんのお芝居もいっぱい見たいー!
(『猿之助、比叡山に千日回峰行者を訪ねる』はたいへん有意義な内容でした)


sansetsu.jpg
先月東博で見た、狩野山雪「猿猴図」。
猿猴捉月の故事がモチーフになってて下に水面のゆらゆらがさりげなく描かれていますが
なんかこのお猿さんは落ちなさそう…(笑)。
墨のにじみがすばらしくて、体毛のフワフワまで感じられたな~ナマ絵は、よい。
衣服でアブラカダブラ。
2016年02月06日 (土) | 編集 |
立春が過ぎて暦の上ではもう春です。
旧暦ではお正月にあたるということで新しい年の始まりでもあります。ハッピーニューイヤー☆
日もだいぶ伸びてきたし、早くあったかくなりませんかね。寒いよー!

reokashi1.jpg
すっかり楽しくなって春らしいお菓子を色々ゲットしてきました。
くらづくり本舗からは春告鳥(うぐいす)と雪解け、
おまけにバレンタイン期間限定のさいたまイマージュ。
雪解けのお菓子は石のくぼみに水がたまってるデザインなのがたまんない。

reokashi2.jpg
かんだ和彩の梅一輪とふきのとう、バレンタインの生チョコわらび餅。
どら焼きはおまけしてくれました^^
ふきのとうには朝つゆのゼリーがふりかけてあるし梅には金箔が散らしてある☆

reokahi3.jpg
花扇さんからは寒水仙と春告鳥。
ラガーマン最中はおまけしてくださいました!ありがとうございます(´▽`)

そういえば立春大福をゲットし損ねたので来年は買わねば~。
和菓子屋さんにはそろそろ椿餅や桜餅、うぐいす餅などが並び始めますね。楽しみです。

春たちける日よめる
「袖ひちてむすびし水のこほれるを 春立つ今日の風やとくらむ」紀貫之
(古今和歌集巻一・二番)


bunmayoke1.jpg
先日、東博と科博に行った日の帰りに文化学園服飾博物館にも初めて行ってきました。
入口に立つ地球儀のオブジェかっこいい。

bunmatoke2.jpg
2月中旬まで「魔除け-身にまとう祈るこころ」展を開催中。
アジアやアフリカ地域における服飾から魔除けの役割を紹介する展覧会です。
コンセプトを見てソワッ…!となって行きましたら
想像以上の展示数と解説があり会場を2回もグルグル回って閉館間際まで滞在しました。
衣服の模様や刺繍、アクセサリーや化粧が
病気や死などから身を守る意味を持つ文化があるという知識は前々からあったものの、
たくさんの現物をまとめて見ると改めて人々の祈りや願いに圧倒される。

日本の魔除けの風習コーナーでは懸守(護符を入れて首から下げる)や守袋(護符を入れた小袋)が
絵巻物や浮世絵の用例とともに紹介されていました。
浮世絵などによく見られる、子どもが腰から下げている小さな袋は守巾着といって
守護札と迷子札(江戸時代は迷子が多かったので身元を記した)が入っているとかで
展示されていた20世紀初頭の守巾着(亀甲模様)は着物の帯に下げていたそうな。
着物における魔除けは文様や模様などが中心で
長寿や子だくさんの人が着ていた着物の切れ端を譲ってもらい縫い合わせて袖無羽織をつくったり
子ども用の着物に麻の葉つなぎや亀甲つなぎの模様がついてたり
(麻は成長が早く丈夫なため縁起の良い模様とされていました)、
籠目模様のねんねこ半纏や、虎・龍・稲妻のトリプル魔除け模様な男子着物があったり
矢絣も破魔矢に通じるため魔除けの意味があるとして
はいからさんでもおなじみの女学生たちの着物に使われたそうな。

女学校のお裁縫の授業で使われた「飾り縫い帳」は背紋の一覧表のページが開かれていました。
(背紋は子どもの背中を守るように親が着物の背に縫い付ける紋のこと)、
初めて知ったのですが、縫い目そのものも魔除けになるそうですね…
大人用の着物には背に1本縫い目が通っていますが、子ども用にはないので
背中から魔が入らないようにあえて縫い目をつけ糸を垂らしたのだそうです。→こちら(参考画像)
背守といって、着物の背中にちくちく縫って余った糸をだらんと垂らすのですが
(女の子用は右に垂らし、男の子用は左に垂らします)、
長ければ長いほど長寿の祈りになるらしい。
また、1879年刊行の『裁縫読本』には「背守は五色の色にて縫う」などと指示があるそうです。
会場には五色の背守がついた着物もあって、きれいな縫い目でした。

アイヌの衣装についているアップリケの模様にもひとつひとつ名前があって
「モレウ」「シク」などは目の意味を持つそうです。
服の模様で目を表現することで魔をにらみつけ退散させる狙いがあるのですね。
展示されていたアットゥシ(樹皮の衣)は「シクウレンモレウ文」という、
3つの文様をミックスした最強文様がデザインされていた。。
あれはなんて言えばいいのか…妙に中毒性がありましたな^^;
あと模様の位置にも意味があって、たとえば袖や衿、着物の裾などは
魔物が入りやすいと考えられていたため、
切伏せの角は必ずトゲの形にするとか特に厳重に模様がつけられたそうです。
青森のこぎん刺しにも、服の肩にや背中に魔除けや蛇よけのための「轡つなぎ文(逆さこぶ)」などを
刺すものがあるそうな。

アジアにおける虎と五毒の展示も。
虎は中国では西の守護神ともいわれ、強さの象徴でもありますが
五毒(サソリ・百足・蜘蛛・蟇蛙・蛇)を食べるとされる生き物でもあるため、
蛇やカエルが活発になる5月頃には虎模様の服や虎グッズを身につける風習があるそうです。
足先が虎の顔になってるブーツや、ぺったんこの靴、
子どもは虎の帽子を被るなどして虎に化けて魔をやり過ごすとされました。
ご当地の人たちの必死さはわかるんだけど、猫耳ならぬ虎耳ファッションを想像して萌えてしまって
その場からしばらく動けなかった←
あと、毒を以て毒を制すことからあえて五毒が刺繍された上着を着ることもあったらしくて
五毒が刺繍されてるベストのどぎつい色彩にびっくりした。
他にも赤をたくさん使われた中国の婚礼衣装があったり(赤は魔除けの色とされます)、
台湾のタイヤル族は背に祖先の目とされる菱形の模様をつけたりするなど
目で追い払う風習も各地に見られます。
モロッコの黒ケープは背中に丸く大きな赤色が使われてて大きな目が描いてあるし
コンゴの網目模様には「フクロウの目」なるものがあるらしい。
背中に目がついていたらいいなーという思想は万国共通、どこにでも見かける気がします。
わたしも夜道を歩いたり部屋にひとりでいる時などにふと感じる気持ちだし…
できるだけでっかくて遠目も夜目もきくといいな…なんて。

それにしても人々が服の模様に託した思いときたら、まるで魔との鬼ごっこです。
人々はいかに逃げるか、魔はいかに追うかの思想が常に問われている気がする。
迷路がデザインされているタイのデーン族の肩掛けは
魔物が本人のからだに辿り着けないようにとの工夫らしいし、
サーン・ホン(頭が象で体が鳥の神)など神様の絵が描いてあるのもある。
インドネシアの、首狩りの風習があった民族の肩掛けは
ガイコツを木にかける首架の模様がついててぞっとしたし、
パキスタンのギラギラしたブラウスは光で魔を撃退する目的があるみたいだし、
ナイジェリアの男性コートにはタンバ(王の太鼓)模様と2本のナイフ模様があって
首長の座をあらわすと同時に魔を跳ね返すと考えられているようです。
インドの家の入口につけるカーテンのような仕切りにも魔除けの意味があって
ガネーシャや動物たちなどを描いてできるだけ賑やかに見せておくとか。
ウズベキスタンのパランジャ(被衣)はマネキンが目深に被っててもうどこが顔だかわからないレベル、
チラッと見える裏地には派手な模様があって、これで悪霊を驚かすそうです。
(驚かすと逃げていく、というとまるで野生動物みたいだな…^^;)
日本でも着物の裏地におめでたい文様をつけたりしますけど
アジアも裏地に魔除けをほどこす文化があるんだな~。
「目のさめるような色」という表現がありますが、ビビッドな色遣いで構築されたファッションは
街中で見ても目を引くと同時に強さを感じるものでもあります。
そしていつも思うのが制作者…これらをデザインして作り上げた人たちの視点ですね、
細かく丁寧な仕事ぶり。

アクセサリーによる魔除け。
ヒマラヤ山脈のラッダク族が身につける頭飾りや首飾りに珊瑚やトルコ石が使われているのは
石そのものに力があるとされた現地の考え方によるもの。
他にも、牙の魔除けということでイノシシの牙や歯を首飾りやブレスレットにつけたり
巻貝が魔を封じ込めると考えられているフィリピンでは飾り帯に巻貝をじゃらじゃら下げたり
インドのラバリ族は鏡の破片をつけて魔除けにしたり(きらめきが魔を跳ね返す)、
トルコ石やガラスなど青を連想させる石は清浄を連想させアクセサリーに使われたとか
様々なパターンがあります。
銀貨や金属をどっさりつけてじゃらじゃら音を鳴らすことで魔除けにする風習は
日本の鳴弦にも通じるような気がしますが、
イエメンの鈴だらけベルトは見るからに重たそうだったし
ペルーのカンバ族の子守帯は抱っこひものような形で木の実がたくさんついてて
やはりじゃらじゃら鳴る音が魔除けになるそうです。
金属がどっさりついた頭飾りはめちゃくちゃ重たそうですが
これを寝るときも外さない民族がいるとキャプションにあって
意味は違うけどなんだか平安時代の貴族男性みたいだなと思った。
また、世界中の民間伝承にみられる邪視について、トルクメキスタンでは
・羊の角模様のショールをかぶり
・赤い色を身に着け
・額とこめかみに銀の飾りをつける
ことで、対処するそうです。光と音で急所から魔を避けるのですね。

お化粧の魔除け。
パキスタンにおける、目の周りに黒い粉(アンチモニー)をつける風習や
粉を入れておく容器などの化粧道具にも魔除けの模様をほどこしてあるのが
どこまでも手を抜いてなくてそれだけ真剣だったんだと思う。
また、魔除けは人間だけではなくペットや家畜にもほどこされます。
カラフルな色を使い鏡片や貝殻をたくさん使ってある牛用の背掛けは
寺院の牛の置き物にかけて守るのだそうです。
家畜は大事な働き手でもありますから覆面をしたり、額に飾りをつけたりして魔から守るそう。
あ。動物と言えば鳥や動物の文様がつけられたグアテマラの上衣があって
子どもが生まれると守護動物というのが決まる考え方があるそうで
それらを服につけて太陽にかざすとパワーが増幅するらしい。すごい。

道具そのものにも意味がありまして、
・帽子は頭を守るため強い文様や金属をつける。
・肩掛けで服をグルグル覆うのは魔が入り込む隙間を与えないため。
・袖口や裾から魔が侵入しないよう金属ビーズをつける。
・耳飾りや鼻ピアスやエプロンや性器隠しは魔が体の穴から入り込むのを防ぐため。
など、など。
ブルガリアの婚礼衣装の袖や裾に縁取りで刺繍がしてあるのは
縫い目そのものが結界になるという考えからきているというし。
また、ファティマの手や三日月模様、聖書やコーランの言葉を金属に刻んだ護符を持ち歩いたり
ローズマリーやニンニクなど強い香りを放つものを袋に入れて首から下げるなど
お守代わりの道具も展示されてましたな。
あとは女性の長髪について。
日本では美の象徴とされましたが、グアテマラでは霊力があり悪霊から身を守るとされていますね。


魔除けや人々の思いについて具体的に様々に提示されていて夢中でメモしまくって
会場を出たら腕がめっちゃ疲れてました(笑)。
ありとあらゆる方法で魔を避けようとする人々のエネルギーはすさまじいな…。
いつどこから襲ってくるかわからない魔に対してひたすら知恵を絞った服が作られているのを感じるし
文明や産業の発達で服の材質も制作者の腕もどんどん上がっていったんだろうと思ったし
時代や地域ごとに素材や模様が違ったり共通点があってほんとにおもしろい!
オリエンタルでエキゾチックな模様や繊細なデザインの意味、
なぜ作られたのか、どういう背景があり今このモノはここにあるのか考えるのは本当にワクワクします。
よくあるテーマ展示では「○○さんの遺品」「○○さんが作った」「こういう使い方をされた」
「使われている技術は○○」など芸術面や生活面から紹介されるモノが
別の視点で語られる展示は楽しいので行ってよかった!
興味のある方、会期もうすぐですよ~どうぞお早めに。
夜空ノムコウ。
2016年02月02日 (火) | 編集 |
にゃんにゃんの日です!節分が近くてソワソワしています、こんばんはっ☆
はあぁあ今年も鬼に浮気し放題の日がやってくる…!!
昔の風習から現代の流行に至るまで世の中に鬼があふれかえり
大っぴらに話ができる節分は鬼クラスタにとって祭日です。
『おにたのぼうし』とか『鬼のサラリーマン』、『鬼の橋』『鬼さん、どちら』などを南南東を向いて読んで
(恵方巻ならぬ恵方読みです)、
植物図鑑で鬼灯やオニユリ写真見て、カピバラ画像眺めて(カピバラの和名は鬼天竺鼠)、
鬼束ちひろの曲聴いて、Twitterで皆さんがつぶやく鬼の話題を楽しんで
auの雷さま鬼ちゃんのCMをリピートしまくるぞ!テレビでもいっぱい流してください。

そして次の日は立春(=゚ω゚)ノ☆
何だかんだで暖冬はどこかへ消えましたね…早くあったかくならないかな、はーるよこいっ。

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鶴屋吉信の節分限定和菓子、追儺「鬼」と「お多福」。
先月から楽しみに待ってましたよ~~買えてほんとにうれしかった(*´∀`*)。
赤鬼かわいい赤鬼!!!(落ち着け)
お多福さんがカオナシですが、かえって色んな顔が想像できていいと思う( ω )ニヤリ

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先月末ギリギリにとらやさんでゲットできた「木花文庫」。
梅の焼き印がついた文箱をかたどったお菓子で、外はもちもち中は甘いあんこ、春の予感がいたします。
とてもおいしいのでもう1個買ってくればよかった、来年また販売されるといいな。


先日、東博で小林忠先生の講演会があって聞いてきたのですが、まあいつものことですが
あのかたは江戸美術に対する愛情が本当にやさしくて深いなあと思います。
海外のミュージアムに所蔵される日本美術作品は「美の外交官である」という話題を切り口に
各国の美術館がとても適切に展示・保存してくれているかを語られて
また修復・保存に関する課題についても提示なさいました。
「私の選んだ在外日本美術ベストテン」が探幽、宗達、光琳、抱一、歌麿、若冲、文晁など
見事に江戸絵画しかなかった(笑)。
これからもずっとお元気で江戸美術を語り続けてほしいです。
そして4月から始まる若冲展の混雑を大変心配しておられました…^^;
あまり宣伝しなくても人は来るような気がしますが、総監修を務めるらしいのでそうもいかないのかな。

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本館も見てきたよ。
もう何度目の再会かわからなくなってますが、「頼光大江山入図大花瓶」の写真をアップします。
東博ブログでも解説されてますけど、とにかくでかくて重たそうだし細部の超絶技巧は惚れそう。
刀剣展示室の童子切安綱と合わせて見ると楽しいよ!

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藤原定家「申文」(重要文化財)。昇進したいよ~という気持ちをしたためた手紙です。
身内や同僚の経歴も挙げてかなり切実です。がんばれ定家たん。

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伊藤若冲「松梅孤鶴図」。卵に首と足が生えたみたいなシュールなデザイン。
もう面白すぎて何も言えないんですけど、若冲さんだなあという感じ。

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鈴木春信「春駒を舞う二美人」。
片方が馬の頭(カシラ)をつけて舞い、片方が三味線で伴奏する、新年を寿ぐおめでたい踊りです。

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高円宮根付コレクションの部屋の扉が開いていたのでひさびさに鑑賞。
写真は岸一舟「羽衣」(象牙)とアレクサンダー・デルカチェンコ「狐僧」(マンモス牙)。
能楽師のホレボレする造形、狐僧がまとう布のフワフワ感もいいなあ。

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科博に移動して企画展「渋川春海と江戸時代の天文学者たち」も見てきました~!
江戸人展と同じく、江戸時代の人物や文化を特集する企画展の11回目。
去年が渋川春海没後300年にあたりますので記念の展覧会でもあります。

会場は一部を除き写真撮影可(フラッシュと動画は×)でしたので以下に写真レポを上げます↓
クリックで開きますのでどうぞ☆
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