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2016_03
31
(Thu)23:13

いろはにほへと読書記録。

#春の読書好き五十音フェア なるハッシュタグをTwitterで見かけて面白そうだなと思ってやってみました。
すでに呟き済ですが、うっかり「む」を入れ忘れてツイートしてしまったのと
140字では入り切らなかった本もついでに入れて完全版を作りたかったので記事にしようと思います。
(最初は1文字につき1作品に絞って頑張っていたけど好きな本多すぎて途中で頑張れなくなりました、
我慢は精神衛生上よろしくありませんので欲望のままに書くよ)
ではいってみよー。

あ:『赤毛のアン』ルーシー・モンゴメリ、『アギーの祈り』濱野京子、『アサギをよぶ声』森川成美、『天と地の方程式』富安陽子
い:『家守綺譚』梨木香歩
う:『うろんな客』エドワード・ゴーリー
え:『営繕かるかや怪異譚』小野不由美
お:『オリビア』イアン・ファルコナー、『鬼の橋』伊藤遊、『陰陽師』夢枕獏
か:『鏡のなかの鏡』ミヒャエル・エンデ、『かぎばあさんの魔法のかぎ』手島悠介、『華氏451度』レイ・ブラッドベリ、『風の陣』高橋克彦、『カブキブ!』榎田ユウリ、『髪結い伊三次捕物余話』宇江佐真理、『カーテン』アガサ・クリスティ
き:『きもの』幸田文、『霧のむこうのふしぎな町』柏葉幸子、『ギャシュリークラムのちびっ子たち』エドワード・ゴーリー、『銀河鉄道の夜』宮沢賢治
く:『薬屋のひとりごと』日向夏、『くちびるに歌を』中田永一、『クラバート』オトフリート・プロイスラー、『グリーン・ノウの子どもたち』ルーシー・ボストン、『車のいろは空のいろ』あまんきみこ、『クローディアの秘密』E・L・カニグズバーグ、『黒ねこサンゴロウ』竹下文子
け:『獣の奏者』上橋菜穂子
こ:『こわれた腕輪(ゲド戦記)』アーシュラ・K・ル=グゥイン、『コンビニたそがれ堂』村山早紀
さ:『さんぞうほうしのかえりみち』せなけいこ
し:『シノダ!』富安陽子、『少女海賊ユーリ』みおちづる、『地獄変』芥川龍之介、『シャガールと木の葉』谷川俊太郎、『十一月の扉』高楼方子、『十二国記』小野不由美
す:『スイミー』レオ・レオニ、『砂の本』ホルヘ・ルイス・ボルヘス
せ:『精霊の守り人』上橋菜穂子、『絶海にあらず』北方謙三
そ:『そして誰もいなくなった』アガサ・クリスティ、『空色勾玉』荻原規子
た:『タンタンタンゴはパパふたり』ジャスティン・リチャードソンとピーター・パーネル、『檀林皇后私譜』杉本苑子
ち:『ちいさいモモちゃん』松谷みよ子
つ:『つるばら村のパン屋さん』茂市久美子
て:『天山の巫女ソニン』菅野雪虫
と:『時の旅人』アリソン・アトリー、『図書館ねこデューイ』ヴィッキー・マイロン、『図書館の魔女』高田大介、『図書室で暮らしたい』辻村深月、『鳥彦』今野寿美、『ドルフィン・エクスプレス』竹下文子
な:『直樹とゆう子の物語』松谷みよ子、『夏への扉』ロバート・ハインライン
に:『庭師の娘』ジークリート・ラウベ
ぬ:『ぬいぐるみおとまりかい』風木一人
ね:『猫語の教科書』ポール・ギャリコ
の:『農場に暮らして』アリソン・アトリー
は:『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ、『花闇』皆川博子、『晴れた日は図書館へ行こう』緑川聖司、『パディントン発4時50分』アガサ・クリスティ
ひ:『緋色の研究』コナン・ドイル、『ピーターラビットのおはなし』ビアトリクス・ポター
ふ:『不思議の国のアリス』ルイス・キャロル
へ:『碧空の果てに』濱野京子
ほ:『ボッコちゃん』星新一
ま:『魔女の宅急便』角野栄子、『魔法使いハウルと火の悪魔』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
み:『緑の精にまた会う日』リンダ・ニューベリー
む:『ムーミン谷の彗星』トーベ・ヤンソン
め:『名探偵カメラちゃん』ディビッド・アドラー
も:『モモ』ミヒャエル・エンデ
や:『闇の左手』アーシュラ・K・ル=グゥイン
ゆ:『床下の小人たち』メアリー・ノートン
よ:『倚りかからず』茨木のり子
ら:『ライラックの花の下』ルイザ・メイ・オルコット
り:『りんごかもしれない』ヨシタケシンスケ
る:『ルリユール』村山早紀
れ:『レッドデータガール』荻原規子
ろ:『路地裏のあやかしたち』行田尚希
わ:『わからん薬学事始』まはら三桃、『和菓子のアン』坂木司

小説と絵本と詩集が混ざってますが、基本的には読みもの中心です。
「あ」「く」「し」「と」「は」が好きなタイトル多すぎてめちゃくちゃ悩みまくりました!
パッと思い出してすぐ埋まるのとなかなか思いつかないのと差が激しい、けど楽しい。

ついでに漫画もやってみよう。

あ:『赤髪の白雪姫』あきづき空太、『赤ずきんチャチャ』彩花みん、『あさりちゃん』室山まゆみ、『ARIA』天野こずえ、『アルテ』大久保圭
い:『犬夜叉』高橋留美子
う:『嘘解きレトリック』都戸利津、『詠う!平安京』真柴真、『ウラカタ!』葉鳥ビスコ
え:『E'S』結賀さとる、『X』CLAMP、『えへん龍之介』松田奈緒子
お:『王国の子』びっけ、『おいらんガール』響ワタル、『鬼さん、どちら』有永イネ
か:『カードキャプターさくら』CLAMP、『怪盗セイント・テール』立川恵、『かげきしょうじょ!』斉木久美子、『風の谷のナウシカ』宮崎駿、『鞄図書館』芳崎せいむ、『かぶき伊左』紗久楽さわ、『ガラスの仮面』美内すずえ
き:『鬼外カルテ』碧也ぴんく、『きのう何食べた?』よしながふみ、『銀のトゲ』喜多尚江、『銀の匙』荒川弘
く:『くるねこ』くるねこ大和
け:『結界師』田辺イエロウ
こ:『胡鶴捕物帳』片桐美亜
さ:『さよならソルシエ』穂積
し:『重版出来!』松田奈緒子
す:『スパイラル~推理の絆~』城平京・水野英多
せ:『戦国ストレイズ』七海慎吾、『千年万年りんごの子』田中相
そ:『総員玉砕せよ!』水木しげる
た:『たまゆら童子』佐野絵里子、『たむらまろさん』ユキムラ
ち:『千歳ヲチコチ』D・キッサン、『チンプイ』藤子・F・不二雄
つ:『TWIN SIGNAL』大清水さち
て:『天上の虹』里中満智子
と:『東京BABYLON』CLAMP、『東京物語』ふくやまけいこ、『翔んで埼玉』魔夜峰央
な:『夏目友人帳』緑川ゆき
に:『20世紀少年』浦沢直樹
ぬ:『』
ね:『猫嬢ムーム』今日マチ子、『猫絵十兵衛御伽草紙』永尾まる
の:『のだめカンタービレ』二ノ宮知子
は:『ハイキュー!』古舘春一、『鋼の錬金術師』荒川弘、『BIRDMEN』田辺イエロウ、『PandoraHearts』望月淳、『パタリロ』魔夜峰央
ひ:『日出処の天子』山岸涼子、『美少女戦士セーラームーン』武内直子、『ひなぎく純真女学園』ふくやまけいこ、『ヒノコ』津田雅美、『ヒカルの碁』ほったゆみ・小畑健、『ピーナッツ』チャールズ・シュルツ
ふ:『フルーツバスケット』高屋奈月、『ぶっしのぶっしん』鎌谷悠希、『BLACKJACK』手塚治虫、『文豪ストレイドッグス』朝霧カフカ・春河35、『プライベートアイズ』野村あきこ
へ:『ベルサイユのばら』池田理代子
ほ:『封神演義』藤崎竜、『ホイッスル!』樋口大輔、『ぼくの地球を守って』日渡早紀、『ポーの一族』萩尾望都
ま:『魔法騎士レイアース』CLAMP、『まぼろし谷のねんねこ姫』ふくやまけいこ
み:『耳をすませば』柊あおい、『ミントな僕ら』吉住渉
む:『向ヒ兎堂日記』鷹野久、『夢幻伝説タカマガハラ』立川恵、『蟲師』漆原友紀
め:『名探偵コナン』青山剛昌
も:『もやしもん』石川雅之
や:『ヤマノススメ』しろ
ゆ:『幽遊白書』富樫義博
よ:『夜明けの図書館』埜納タオ
ら:『らんま1/2』高橋留美子
り:『聖伝(リグ・ヴェーダ)』CLAMP、『竜のかわいい七つの子』九井諒子
る:『るろうに剣心』和月伸宏
れ:『』
ろ:『倫敦館夜想曲』野村あきこ
わ:『ワールドトリガー』葦原大介

何だか小説絵本ver.より節操なくなってしまった…選べなかった。
「ぬ」と「れ」が思いつかない、何かあったかな??
思いついたり、他にも「あ、これ」と思い出したら足していくかもです。


【問題】なぜ同じ作家の本がいくつも入っているのか?
【答え】同じ作家の本ばかり読んでいたから

基本的にわたしは昔から作家読みをしていて、
ひとつの作品を読んで気に入ったら「この人ほかにどんな本書いてるんだろう」と興味がわいて
過去作を一通り読みとおす場合が多いです。
最近になってようやく作品読みができるようになってきまして
色んなジャンルに手を出すようになったかなと思います。
あと、一度気に入った本は3回は繰り返し読みますので
「趣味は読書」とはいえそんなにたくさんの数を読んだわけではないですね。
初読でワクワクし、2回目で伏線や読み落とした部分を発見し、3回目は内容を忘れた頃に読むのが楽しい。
ので、人から「おもしろい本教えて」とか言われると大変困惑します。。
一応、相手に興味の範囲を聞いて、わたしの範囲と似ていれば薦めやすいですが
人間十人十色ですから少し違ったり真逆だったりすることの方が多いですし、
何よりわたし自身がそんなに数を知らないので偏ってしまわないか心配。
それでも、取っかかりになればといくつか列挙してみて
相手が読んで有意義な時間だったと思ってもらえればうれしいし、
もしそうならなくてもそれはタイミングが悪かったりご縁がなかっただけなので
特に落ち込むことはないです。(昔は落ち込みましたが)
次の機会にはもうちょっとうまくやれたらいいな、とは思いますけども。
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2016_03
27
(Sun)23:17

小江戸の日。

nishogoto1.jpg
川越の「春夏冬 二升五合市」に行ってきました!
毎年1週間ほど開催される催しで、今年は最終日に「江戸の日」なるイベントが開催されて
時代劇や和楽器演奏などが見られるらしくて先月から楽しみにしていたので。
(春夏冬二升五合って何だろうと思ってぐぐってみたのですが、春夏冬は秋がない=商いで
二升は升が二つで「ますます」、五合は一升の半分で「半升=はんじょう→繁盛」というわけで
「商いますます繁盛」の語呂合わせらしい。
言われてみればポスターにも「ますますはんじょう」のルビがふってあった。なるほど)

nishogoto2.jpg
天気予報では曇りとのことでしたが、この日は午前中からよく晴れて
春先の風もない小春日和でした。
一番街へ行く前に三芳野神社へお参りしたら桜が少し咲き始めてたよ(゚∀゚)☆
今週は気温の高い日が続くそうなので来週には満開になるかな。

nishogoto3.jpg
札の辻交差点の観光案内所で春まつりのチラシをもらってレッツエンジョイホリディ!
この日は蔵造りの一番街が夕方まで歩行者天国で自由に歩きまわれました。

nishogoto5.jpg
商工会や一番街のお店の人たちが江戸時代の町人の格好をして1日中うろついてくれるのも
すごい楽しくてテンションアップ↑↑↑
皆さんかつら着けて髪を結って、前掛けやたすき掛けの人もいてタイムスリップ感すごい。

nishogoto4.jpg
こんな高札まで(笑)。
似たような人は見かけたのですが、確信がもてなかったので聞けなかった。

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

続きを読む »

2016_03
23
(Wed)23:58

春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香久山。

単行本の完結巻が去年発売したばかりだったので
文庫になるのは2~3年先かなあと呑気に考えていたのですが、
先日、書店の漫画文庫コーナーをふらりと眺めたらなんと発売されていましたので
びっくりしてそのままレジに『天上の虹』文庫最終巻を持って行きました。
会計を終えて奥付を見たら去年の11月刊行だった…知らなかったよ…。
あの時ほんとに、ほんとにふと文庫コーナーに足が向いてよかった、でなきゃ気づかないままだった。

tenjoniji.jpg
並べると壮観。

『天上の虹』は持統天皇が生まれてから死ぬまでの57年の生涯を
史実とフィクションを織り交ぜて描かれた歴史漫画です。
わたしは普段、そんなに歴史小説や漫画を読む方ではないのですが
この漫画は読ませる力が強くて読み始めると止まらなくて、
「そういえばあのセリフが」とか「あの場面どうだったっけ」とか、何かのきっかけでページを開くと
最初からだろうが途中からだろうがキリのいい部分まで読んでしまう。
額田王と柿本人麻呂がすごくいい立ち位置で、忍壁とか大津皇子とかも好きですが
やっぱり惹きつけられてしまうのは主人公の持統天皇かなあ。
万葉集の歌がいくつか、さらりと、しかし印象深く残るように使われていて、そこも見どころかと。

七人の侍やガンバの冒険みたいな「社会的に弱い立場の者たちが力を合わせて理不尽とたたかう」話は
たいへん燃えるゆさでありますが
「社会的に上に立つ者の立場ゆえの力と苦悩」のようなものを描いた作品も大好きだったりします。
天上の虹も、天智・天武・持統の3人が感情よりも政治を優先せざるを得ない部分を描きつつ
時折垣間見える優しさや情愛や苦悩がうまく緩急を作り出しているので
読んでいて飽きません。
どの人物も人間として複雑かつ深く描かれているのがいいなあと思う。
誠実に国づくりをしたいと思っていてもいざという時はシビアにならなきゃいけなかったり
でも感情で納得できなかったり、必死に言い聞かせながら執行したり
晩年にはその揺らぎもだんだん失っていく持統天皇から目が離せません。
氷高皇女や、後半の但馬皇女もそんな感じだなあ。
逆に草壁皇子や文武天皇は感情をコントロールできない誠実な人たちとして描かれていて
個人的には彼らの気持ちの方がわかる気もする。
そんな風に振り回されてしまう人や、抗おうとする人、支える人、静観する人など本当にたくさんの人間がいて
全員性格も考え方も描き分けられていて被ってないのすごい。
史や三千代など欲望のままに生きる人のことも憎めないのは里中さんのまなざしの暖かさというか
「人間誰しもそういう感情はある、でも行動に起こしたら想像以上の化学反応が起きる」ことを両立させて
誠実に描いていらっしゃるからのようにも感じます。
三谷幸喜さんとか、宮藤官九郎さんとかもそうだけど。

ストーリーや演出もさることながら、里中さんの絵やページ構成の力も強いと思う。
「教科書で」「写真集で」「研究書で」「美術館や博物館で」「別の作品の挿絵で」見たもの知ったものが
衣装や髪型はもちろん、小道具や建物まで細かく再現されていて見ごたえがあります。
女性たちの衣装は、前に平城京遷都1300年祭の衣装体験で着たなあとか
藤原宮子のベッドは正倉院展で見た聖武天皇のベッドみたいだなあとか。
あと、いわゆる「歴史書の行間」におけるドラマの作り方が濃いです。
たとえば10月にある場所にいた主人公が、11月に別の場所にいるまでの間にこんなエピソードがあって
それが後々、史実のこの出来事に関わってきてどんな影響を及ぼすのか…みたいな。
一瞬、ぎょっとするようなエピソードもこの漫画においては必要だったんだと思わせるような
説得力が随所にあります。
もちろん、それらは里中さんの解釈なので様々な意見があると思いますが
わたしはこういう漫画だからなーと思って読んでいたので特に気になりませんでした。

エピローグに、後世に盗人によって天武・持統陵から持ち出された持統の骨壺から
骨だけが山の中に捨てられて壺が戻されたというエピソードが紹介されていました。
天武・持統陵は10年以上前、飛鳥を旅行した際に訪れたら
木がもっさり生えてて森のようだったのを覚えています。
その日はちょうど晴天にめぐまれたのと、とても静かな場所だったのでまたお参りに行きたいな…。

というわけで記事タイトルは完結記念に百人一首2番です。
(万葉集は「夏来たるらし」ですがわたしが慣れ親しんでいるのは百人一首の「来にけらし」なのでこちらを引用)
里中さん32年間の執筆本当にお疲れ様でした。
掲載雑誌が休刊になって引越し先も休刊、他のお仕事とも併走しながら描きおろしで続けられて
参考文献は1500冊を超えたため巻末に記載できなかったそうです。いやはや。
(確か夢枕獏さんの『沙門空海~』もそんな感じで何年もかけて完結したんじゃなかったかな…
来月に歌舞伎座で染五郎さんが演じるので観に行きたい)


わたしが持統天皇を初めて知ったのは百人一首だったように思います。
子どもの頃に姫めくりや坊主めくりで遊んでいたし、
2番目の歌だったこともあって(1番目は天智天皇ですね)覚えやすかったんですね。
学校の古典の授業で「できるだけ数を暗記してこい」的な宿題が出たときにまったく覚えられなくて
(今でこそ歌の鑑賞も人物の研究も好きですが、当時のわたしは
「この人どんな人生送ったんだろう」的なパーソナリティの方に興味があって歌は二の次だったんです)、
「とにかく女性の歌だけでも覚えよう!」と女性の歌人たちの絵札を引っぱり出して書き写して
やっぱり最初に覚えたのも持統天皇でした。
万葉歌人の特徴ですが、言葉が平易でわかりやすかったのと景色がありありと想像できる歌で
今もそらで詠じられるし書けます。
ちなみに次に覚えたのは小野小町で、その次に覚えたのは式子内親王か小式部内侍だったような…
前者はカラフルな絵札とセットで歌も覚えた感じで、後者は内容に強さを感じて。
好きな歌は紫式部のと伊勢大輔の。情景が美しいから。


そういえば先日、竹宮恵子さんの自伝『少年の名はジルベール』を読んでいたら
手塚治虫からCLAMPまで、色んな漫画家さんのお名前が随所に出てきておもしろかったです。
「戦国時代のようであった」らしい出版社の記念パーティや謝恩会会場では
「講談社は里中満智子さん、大和和紀さんの2人が時代を席巻して一歩リードという雰囲気を濃厚に漂わせていた」
なる一文がp.128にあってもう、光景がありありと目に見える気がしました。
別に出版社のパーティに行ったことあるわけじゃないんだけど。
(しかしこの本すごく読みごたえあります…文章に熱があって血が流れてる気がする。
風と木の詩を連載にこぎつけるまでの編集部との攻防が手に汗握るし、
山岸涼子さんたちとのヨーロッパ旅行の取材はこっち(読み手)の五感も刺激してくる文だし
ファラオの墓は時代考証をしっかりしつつ面白さを優先して嘘をついた部分もあるとか…
「仏の嘘を方便と言い、武士の嘘を武略と言う」と言ったとされるのは明智光秀ですが
漫画家の嘘は演出と呼ばれる日が来るかもしれないね。
そしてそんなに詳しく描かれているわけではないはずの萩尾望都さんの存在感が
全ページにわたり濃厚に漂っているのもすごい。
モー様は先日、「浦沢直樹の漫勉」で筆致を拝見できてしあわせでした。ポーの一族読み返したい)
2016_03
20
(Sun)23:55

お化けと王家。

16valse2.jpg
Bunkamuraオーチャードホールにて「Orchestra Valse Vol.5」を聴いてきました♪
ジブリファンのアマチュア音楽団体Orchestra Valseによるフルオーケストラで
「となりのトトロ」と「天空の城ラピュタ」の劇中曲が演奏されるコンサートです。
去年のVol.4(カリ城とナウシカのプログラム)に初めて行ってとても面白かったので
今回も発売日にチケット取りました。
トトロプログラムには「さんぽ」「となりのトトロ」を歌われた井上あずみさん&娘さんのゆーゆさんが、
ラピュタプログラムではシータ役のよこざわけい子さんとムスカ役の寺田農さんが
ゲストでお越しになって歌と朗読を披露してくださいましたよ(*´︶`*)。
去年もでしたけどチケット代はLoppiの発券手数料108円だけでした!
いやいや素晴らしすぎてむしろ払うよ!?払わせてくれ~。
(写真のパンフレットも井上さんインタビューや王家対談が掲載されているにも関わらず無料配布だった)

16valse1.jpg
オーチャードホール初めてですよ。
ドキドキしながら入場したら天井むちゃくちゃ高くてふおおおってなった、こんな広いホール久し振り。

第一部は「となりのトトロ」のメドレー。
パンフレットを見たらプログラムの最初が「さんぽ」だったのと、
注意事項などの会場アナウンスが放送されてバルスの皆様がステージに着席されても
ゲストの井上さんが現れなかったので、
これは井上さん「さんぽ」の歌詞にあるみたいに歩きながら登場したら面白いなあと思っていたら
オーケストラがイントロを奏で始めて、そこへ
「みなさんこんにちはー!」とエメラルドグリーンのドレスに身を包んだ井上さんがご登場!
そのまま「さんぽ」の歌を歌ってくださいました~うわー、うわー!!
子どもの頃からずっと聴いてきた歌ですが、オリジナルの歌手さんの声を生演奏で聴くのは初めてで
感激しすぎてまだ始まったばかりなのに脳みそがどこかへ飛んでいきそうになった。
伴奏がフルオーケストラなのも最高でしたよ~~いきなり贅沢な時間♪
お引っ越しの音楽を聴いてると働きたくなってくるし、
風のとおり道も鉄琴のイントロからぐんとオーケストラに入るのが鳥肌立ってしびれたし、
おかあさんの歌ではサツキとメイの「メイは大きくなったからひとりで寝るんじゃなかったの」
「お母さんはいいの!」のセリフを井上さんとゆーゆさんで再現されたのかわいかった(*´∀`*)
ネコバスの音楽わくわくしましたー!なにあれ!!
あれシンプルな音から演奏楽器が徐々に増えて最後にオーケストラで爆発するんですね。
最初にフルートが鳴って、次にトランペット、弦楽器、最後に全体が鳴り出したのを見て
ああ、こういう構成なんだと思いました。
こういうコンサートのいいところは
映画で流れていた音楽の音をどの楽器が演奏していたか目で見てわかることですね。
映画観てて「クラリネットかな?」「コントラバスきたー」「ピアノ」などわかる部分もあるのですが
わからなかった部分も含めて改めて理解できるというか。
ラストの「となりのトトロ」は井上さんとゆーゆさんが歌い出すと客席から自然に手拍子が起こって
わたしの脳内には映画のエンディングクレジットと挿絵が再生されていたよ。大好きですのでね^^


休憩をはさんで、続いて交響詩「天空の城ラピュタ」。
バルスの皆様が着席なさって、最後によこざわけい子さんと寺田農さんが登場なさると盛大な拍手が☆
よこざわさんは青い上着に白パンツ姿、寺田農さんは黒スーツに白シャツ姿で
式台の両脇に置かれたハイスツールにそれぞれ腰かけられたのを見て
(たぶんその方が客席から見てバランスがいいからだと思うけど)、
おお…やっぱり王家2人仲良く並んで朗読はなさらないのねって一瞬思ってしまったラピュタ脳でした←
てか、よこざわさんが膝を揃えて美しく座っていらっしゃったのに対して
寺田さんは終始片足を立てた姿がすげぇ様になっててセクシーで
そのポーズのままムスカのセリフ朗読なさるからどうしようかと。。
どこ見たらいいかわからなくてオペラグラスの行く先が迷子になりかけましたけど
お2人とも素敵すぎてガン見してしまった(どっち)。

相変わらず愛にあふれた音楽で、久石さんのオリジナルに少しエッセンスと修飾がなされて
でもコンサートホールだからちっとも気にならない、むしろカモンなくらい迫力ありました。
スピード感あふれる襲撃シーンやカーチェイスシーンの音は指揮者も演奏者もつっ走ってたし
ゴンドアやラピュタ庭園の音はやさしく切なく、しみじみとした気持ちになりました。
そしてどの音楽を聴いても映画の場面が思い出される…。
ハトと少年(パズーが吹くラッパ)の演出がよかった~!
スラッグ渓谷に朝がきた音楽の後に、会場の上の方からポワっていう音がしたので何?と見上げたら
3Fバルコニー席にひとりの男性が立って、手にはトランペットを持っていたので
まさかあそこから??と思う間もなく♪ソドーソドーレーソミーファソソーのメロディが朗々と吹かれた!
3F席で高らかに奏でられるハトと少年!スゲー雰囲気ばっちり!
てかパズーの試し吹きまで再現することないじゃないの~~最高かよ。
(あれはちゃんと音出し確認して吹き始めるパズー意識高けぇなってすごく思ってるシーンです)
ちゃんと鳩が飛ぶSEもつけられてて映画の映像が見えるようでした。
どちらかというと強く、凛とした音で少年の肺活量の音というよりラピュタ愛に満ちた音だったけど
これはそういうコンサートだからいいのだ。

例の「ホワホワホワ」みたいな感じのタイガーモス号の飛行音とブザー音に始まり、
今回も効果音がパーフェクトに再現されていましたよ。
シータの乗った船が襲撃されるときの飛行機の音やフラップターのエンジン音や銃声までは予想してたけど
ムスカのモールス信号はオーケストラのど真ん中に本当にモールス信号機が登場して(!)、
ピピピーピピピピーって鳴らし始めて客席がどよめいたよね(笑)。
ていうか今回は劇中ジェスチャーの再現が多くておもしろかったです。
シータがムスカの頭を瓶でポカリとやるあれは女性メンバーさんが男性メンバーさんを殴る振りしたり
スラッグ渓谷に車をとばしてきたドーラ一家のパフパフっていうクラクションとか
機関車に乗り込んでくる男たちにシータがシャベルをぶつけるのまで再現されて
笑いそうになるのを必死で堪えました。なんじゃありゃー!!(爆笑)
飛行石の音は鉄琴とハープで美しく奏でられていたし、
洞窟で飛行石が光る音は木琴が不思議な音を出していたし
シータがロボット兵に破壊をやめさせるシーンはよこざわさんが「やめて」って言っても
延々とビーム音が鳴り続けていて待って待ってシータ危ないから!って声に出すところだった。
竜の巣の中を行くシーンで雷の音はもちろん、パスーが口パクで「父さん」っていう間まで完璧再現。
何もそこまで…と思わずツッコみたくなる部分にも手を抜かないバルスの皆さんマジ愛好家。
園丁のロボットの歩く音はティンパニーと鉄琴のささやくような音色が
不思議さと優しさをかもし出していて癒されました。
ラストのコーラスどうするのかな?と思ってたら金管パートの方々が♪ルルル~って歌い出されて
ラピュタが崩れていく音と相まって切なさMAX。すばらしかったです。

よこざわさんと寺田さんの朗読には海馬を刺激されまくって大変でした…!
ラピュタは30年前の映画ですがよこざわさんの声全然変わってなくて
聞けば聞くほどシータなのすごかったし、
寺田さんのムスカ大佐は青年将校だった頃に比べ思慮深さが足されて強くなってた、
大佐どころじゃないよジェネラルだよこれ!
今回は映像がないのでお2人とも間をたっぷり取ってじっくり朗読するスタイルで、
ところどころカットされた部分もありつつシータとムスカのセリフを中心にプログラムが作られていて
中盤と後半はほとんど2人でしゃべってましたね。
ムスカがシータにロボット兵を見せるところはワルさが増していたし
「まだか、早くしろ」は映画よりやっつけな感じだったし
「つながりましたー」ってバルスのメンバーさんがセリフをつないで
「私はムスカ大佐だ~」に入るセリフは歯切れよくテキパキした指示っぽくてかっこよかったし
閣下たちへの「君はラピュタ王の前にいるのだ」の演説は映画そのまんまだった。
後半は名ゼリフの連発でその1「読める、読めるぞ…」はよろこびが3倍くらい増していたし
その2「見ろ、人がゴミのようだ!」はジェスチャーつきなうえに重厚さとゲスさが10割増しで
失神するところだったよ!(誉め言葉です)
くっは~!寺田さんすごすぎる。
その3「目が~目が~」については完璧すぎてもう何も言うまい……
溶鉱炉に親指を立てて沈んでいくムスカが見えたからもういいのよ(幻視)。

シータが鳩たちと戯れるシーンや朝ごはん食べながらゴンドアのこと語るシーン、
タイガーモス号で見張りをしながら呪文について語るところで思わずウルウルしてしまって
「ダメよ!最後まで泣かないと決めたじゃない!」とか青春マンガみたいな口調で必死に涙腺押さえたけど
時々ポロッときてしまいました…よこざわさんやばい。
小さかったシータが「リテ?」と口足らずに言っていた呪文を
成長したシータが「リテ・ラトバリタ…」とつぶやいた声の変貌にぞわわわってきたし、
「ヒタキの巣だわ」とか本当に映画のままの声色でセル画から背景画から全部ありありと思い出しましたよ。
クライマックスのムスカとの対決の長台詞は、よこざわさんもブログで語っていらっしゃいますが
ご自分で納得のいく演技ができたらしくてよかったなあ…。
(映画の演技が×というわけではありません)
そして要所要所で「ああここに田中真弓さんがいたらなあ」と何度も思いました。
もちろんパズーがいなくても、シータのセリフの後にパズーの声も自動的に脳内再生されたので
問題はなかったのですけども。
最後の「バルス!」はものすごい声量が飛んできて全身がビリビリして一瞬息が止まりかけたよ!
よこざわさんすごい~!
そしてさんざん刺激されて緩くなっていた涙腺がラピュタが崩れた瞬間に決壊…
音楽と崩れる再現SEが完璧すぎたせいですね…泣くなという方が無理。
映画でパズーとシータのアップになってるところ、フルートで泣いてるみたいだった。
最後に井上さんが黒地に銀のシックなドレスで登場されて「君をのせて」を熱唱、
もう言葉にできない、むり。

アフタートーク。
井上さん、よこざわさん、寺田さんのお三方が一堂に会するのは完成試写会以来らしくて
つまり30年ぶりとのこと。。
完成披露パーティもあったらしいけど井上さんとよこざわさんだけ参加されたそうで
よこざわさんが井上さんのドレスの色まで覚えてらしたのすごかった。
寺田さんはアフレコの後、一度も完成した映画をご覧になったことがなかったそうで
(大学(寺田さんは大学教授もなさっています)で学生さんからムスカの声をリクエストされても
「似てない」などと言われてしまうらしい^^;)、
学生さんに金ロでやるのを教えてもらい観たのと、
今回のためにわざわざDVDを借りて観たとおっしゃって客席にどよめきが(笑)。
「やっと自分のモノマネができるようになりました」とおっしゃる寺田さんを見て
去年もアスベルの松田洋治さんがそんなお話をなさってたなあ、などと思い出したり。
井上さんとよこざわさんがニコ生のラピュタ実況に参加されたときのお話をなさってて
わたしも後で知ったのですが入場者70万人、コメント100万件超えだったらしくて。
最近はラピュタ放送時にTwitterでバルス祭とか開催されてるし(ゆーゆさんは参加したとか)、
これからも盛り上がっていくんだろうな。
司会の方が「作品はこれからもずっと愛されていくと思いますので
また機会がありましたらご一緒したい」とオファーを出すと
おふたかたとも「ぜひ」「モノマネを覚えたので」などとOKが出されて拍手が起きてた^^

アンコールでステージに戻って来られた寺田さんがくるりと客席に背を向けたと思ったら
演奏者の皆様に向けて拍手をなさっていて、つられて客席の拍手も大きくなりました。
ああいう気遣いのできる方ほんと尊敬する。
レセプションも盛り上がったみたいでよかったです→こちら
オーケストラバルスでは乾杯の音頭が「バルス」らしいですが今回はムスカ大佐が唱えたそうですね、
いいなあ聞きたかった(笑)。

アンコールには井上さんの「みっつおしえて」とバルスによる「鳥の人」まで聴かせていただいて
ごちそう様でしたーーー!!
去年のカリ城とナウシカに続いて、今日はトトロとラピュタを目の前で聴かせて、いや観させてもらって
お湯屋の料理を片っぱしから食べまくったカオナシみたいに頭と胸とお腹がパンパンだった。
わたしどれも劇場で見てないんですけど公開30年目にして劇場で観た気分。マジ感動。
あふれる愛と思いをアンケートにたたきつけてオーチャードホールを出て
フラフラしながら渋谷駅に辿り着いたら、
三連休のど真ん中の日だったせいか改札から人が溢れすぎてえらいことになってました。。
ひ、人がゴミのようだ…!

Vol.6は開催されるのかな、どなたがゲストにいらっしゃるのでしょうか、楽しみに待ってます♪
2016_03
15
(Tue)23:32

第2086回 「普段の持ち物の量は少ない?多い?」

FC2トラックバックテーマ 第2086回 「普段の持ち物の量は少ない?多い?」
こんにちは!FC2トラックバックテーマ担当の栗山です。
今日のテーマは「普段の持ち物の量は少ない?多い?」です...


・Suica
・鍵
・ハンドタオル
・ペンケース
・メモ帳
・財布
・スマホ
・のど飴(龍角散とVC3000)
・手鏡
・ソーイングセット
・ポケットティッシュ
・生理用ナプキン
・身分証
・お守(鬼鎮神社)
以上が仕事でもプライベートのお出かけでも必要最低限、持ち歩いているものです。
文庫本や単行本、デジカメ、お弁当、お菓子、ペットボトルが入っていることもあります。
手帳を持ち歩いた時期もありましたが、わたしは使い方が下手で続かなかったので
今はメモ帳だけですね。
(スケジュール管理はスマホでもできるし)
旅行だと地図やクーポン券、薬、折りたたみ傘あたりが加わりますな。

自分ではそんなに荷物が多いとは思ってないのですけども、
たまに鞄の中でスマホや鍵が迷子になるとやっぱり多いかなァ…などと思ったりします。
外出先で買い物するとさらに増えてしまって
寄り道したときやイベントの帰りとかは家出したみたいに鞄がパンパンになってる^^;
あとどうにも鞄を掛けた肩が凝って(両手を空けておきたいのでトートかショルダーなのです)、
右肩と左肩交互に鞄を背負ったりします。
やっぱり多いかなあ!
あとお財布が大きすぎるので次に買うときは薄いタイプにしようかとも思っている。

bag.jpg
鞄は仕事用とプライベート用で4つしか持ってないですけども
すべて大きめのトートかショルダーバッグです。
理由はさっきも書きましたが両手を空けておきたいのがひとつと、
わたしはよくミュージアムや観劇でチラシをもらってくるので
折り目をつけたくなくてA4サイズがそのままスポッと入る大きさのバッグがいいわけです。
ELLEのトートは10年以上使ってますが破れないし穴も開かなくて、しっかりした素材で重宝しているし
旅行用にも使える。
着物を着るときは風呂敷バッグか、レスポートサックのこけし。
あ、旅行用キャリーバッグとずいぶん前に買ったこうやくんのエコバッグも合わせると6つかな(笑)。

本や着物はたくさん集めたい派だけど洋服や鞄は全然頓着ないのです(╹◡╹)。
お蔭でクローゼットは半分以上、洋服じゃなく本と雑誌で埋まってる。

鞄といえばメアリー・ポピンズの何でも出てくる鞄やドラえもんが持ってる取り寄せバッグが
子どもの頃は欲しくて欲しくてたまらなかったのを覚えています。
明らかに次元がおかしいだろって突っ込みを入れたくなるものが次々出てきて楽しかった。
あと先日こんなキャリーバッグが発売されたとニュースで見ました→こちら
ほんとに箪笥を持ち歩いているみたいでちょっと面白い。
(ついでに思い出したのですがキャリーバッグで荷物が多いというといつも
フジリュー封神演義の趙公明の「スーツケースが5個にもなってしまったよ」と
妲己ちゃんの「わらわなんて24個よ~」のセリフが出てきてしまう)


そういえば話はガラリと変わるのですけども。
さっきまでテレビで「世界!極限アーティストBEST20」という2時間番組をやっていて
(わたしは知らなかったのですが去年も放送されて今回は第2弾だったのですね)、
世界中のアーティストさんたちの活動について紹介されていて面白かったです。
ハワード・リーさんのリアルすぎるホットドッグ絵とか、原野守弘さんの森の木琴とか
高橋大輔さんのスケートに絵を添えた神田さおりさんの作品もすばらしかったし
入江早耶さんの消しカスアートや、和代人平さんの光り絵もよかった。
黄珠琳さんの水と油アートはサンドアーティストのKoheiさんを、
大泉洋さんがイタリアでピオトル・ワンサーズさんのタイムラプス作品に参加したのは
アードマンみたいなクレイアニメを思い出したりした。
おおっと思ったのが、トランプを積み重ねて建物アートをつくるブライアン・バーグさんが
作品の完成と同時に送風機を使って壊してしまうところ。
ご本人曰く「人が一番見たいのは作品を崩すところです。
自分の場合はトランプしか使ってないと証明できるし壊すことでいい作品だと認めてもらえる」
みたいな内容のことをおっしゃってて、
その気持ちむちゃくちゃわかる!ってなりました。
紙やガラスなど、少しの力でくしゃっと崩れそうな作品を見ていると
思い切って壊したい気持ちと絶対に壊したくない気持ちの両方が心の中でせめぎ合います。
もちろん壊さないけど。
(それにしても巨大扇風機でトランプを崩しまくるブライアンさんはとても楽しそうだった…
無数のトランプのシャワーって浴びたらどんな感じだろう、痛いかな、くすぐったいかな)

過去の芸術家ではなく現在活躍中の作家さんたちの紹介というのもよかったな~。
こういうのまたやってほしいし、これを機にもっと現代アートが注目されたらいいな。
2016_03
11
(Fri)23:55

この人を見よ。

carava.jpg
国立西洋美術館のカラヴァッジョ展に行ってきました。
カラヴァッジョ本人による作品11点とカラヴァッジェスキ(フォロワーの画家たち)の作品、
本人と周囲が残した証言や裁判記録を記した古文書などが展示されています。
画家の名前がタイトルに入ってるのに11点だけ?などと当初は思いましたが
カラヴァッジョの作品は世界中の美術館が所蔵するも様々な事情から貸し出せないものが多く
公式サイトによると「本展の出品数は日本で過去最多、世界でも有数の規模」とのこと!
ヨーロッパでも5点集めて展示すれば人々は列をなしておしよせるそうですし、
ずいぶん前に庭園美術館で開催されたカラヴァッジョ展も本人の作品は8点のみだったらしくて
そう聞くと今回の2ケタがどれだけ驚異的な数字かということがじわじわ来るし
この人ほんと人気なんだな…と今回の機会に感謝しました。

平日の午後でも混雑はほどほどでしたが、いつもなら小声で聞こえるはずの会話や批評が皆無に近く
代わりにハーっとかウワーっていう息遣いやゴクリと息をのむ音ばかり聞こえて
ちょっといつもの西美の雰囲気と違っていてそこも印象に残りました。
特にカラヴァッジョの真筆の前では人だかりができているにも関わらずシーンとしていた。
わたしも一言も発せなかったけど。

展示は風俗画や静物、肖像などテーマごとに分かれていて
テーマの最初にカラヴァッジョの作品、続いてカラヴァッジェスキたちの作品が並んで
画家による影響の変遷をたどる構成になっていました。
モネやピカソがそうであるように、カラヴァッジョも遠くからでもどれが彼の作品か一発でわかりますね…。
光と影のコントラストと、衣装や小道具の質感がものすごく几帳面に描いてある。
私淑はやはり私淑であってオリジナルではないし、
カラヴァッジェスキたちもそれぞれ画家のプライドや表現したいものや注文主の好みがあると思うので
影響を受けても違ってくるのは当たり前なのですな。

まずは風俗画。
カラヴァッジョの「女占い師」を筆頭に当時の人々の生活や娯楽を描いた絵画が並びます。
女占い師は、ロマの占い師が占うふりをしながら若者の手から指輪を抜きとろうとする内容で
世間知らずのお金持ちの若者に向けた警告のような意味もあったとか。
イソップやシャルル・ペロー童話など文学に教訓話が多かった時代は絵画もそういう面を持つのですね。
また、X線を用いた調査でこの絵の下はマリアの全身像を描いた絵だとわかったらしくて
おそらくまだ画家として若手だったカラヴァッジョがお金がなくキャンバスを再利用したのだろうと
キャプションにありました。
絵画に残された痕跡から画家の経済状況をさぐる…これも学芸員の大切な仕事!
(前回記事の「学芸員を展示する」からの影響がまだ残っています)
カラヴァッジェスキであるシモン・ヴーエの「女占い師」もカラヴァッジョの絵と構図がそっくりで
色彩のコントラストなども影響がみられますが、
若者がカウボーイ風の成人男性になっていたり
占い師が男の気を引いてる間におばあさんがズボンから貴重品を抜きとろうとしてて少し生々しい感じがした。
ヴィニョンの「リュート弾き」やパオリーニの「合奏」などは当時の娯楽の風景で
たぶんカラヴァッジョのリュート弾き(今回は未出品)の影響も色濃くありそう。

カラヴァッジョの「トカゲに噛まれる少年」やパオリーニに帰属「カニに指を挟まれる少年」など
何かに噛まれたり植物のトゲに指をさすなどして痛みや戸惑い、恐怖の表情を描くことは
当時の画家たちの間で流行していたようです。
ミケランジェロが残した「泣いた顔は笑った顔より描くのが難しい」の言葉に端を発するとも言われるとか。
ミケランジェロもですがそれまでの絵画、ファン・エイクやボッティチェリやダ・ヴィンチなどの絵画の神々や人物は
無表情が多めでしたから、
その後の時代には表情を描くことに気づいた画家たちが出てきて
カラヴァッジョはその渦中にいたということでしょうか。
また、カラヴァッジョの「ナルキッソス」は自分に恋をしたナルキッソスが
水面に顔を映して口づけようとする瞬間を描いていて、
切なげな表情の研究などもされていたのかな…。
それにしても丘と水面のナルキッソスは両方とも超絶リアルで立体感さえ感じられた。

静物画。
カラヴァッジョの「果物籠を持つ少年」は人物がぼんやりと、静物がくっきりと描かれているのですが
これには前座となるエピソードがあるらしいです。
昔、ゼウクシスというギリシャの画家がブドウを持った少年の絵を描いたところ
小鳥が本物と間違えてついばみに飛んできたらゼウクシスは喜ぶどころか、
「人物も見事に描いていれば小鳥は怯えてついばむことはなかったのに」と落胆したとのこと。
カラヴァッジョが人物をくっきりさせなかったのはそういう訳ではないか、とキャプションにありました。
もうひとつ、「バッカス」も美しかったです。
画集で何度も見てるけ左下のガラス器に画家の顔がうっすら映ってるの初めて気づいたよ!
バッカスという神様ではなくモデルと画家を意識してしまうな…^^;
ちなみにモデルになったのは当時カラヴァッジョが出入りしていた枢機卿の家にいた子で
枢機卿はメディチ家あたりに贈り物として差しだしたらしい。
このバッカスはヴェネチアングラスを差しだしながら帯を解いていて、
キャプションでは「果物やワインばかりではなく自分自身をも見る者に差しだしているようだ」
みたいなことが書いてあって、ちょっとこれ書いた学芸員さんと固い握手をしたくなった。

肖像画。
パリオーネの「彼の肖像画はどんな画家の歴史画よりも高値で取引された」との言葉どおり、
カラヴァッジョ「マッフェオ・バルベリーニの肖像」は今回出品の中でも存在感がありました。
モデルを写実的に活かす手法をよく知って実践できる力があったのだと思う。
また、作者は不明ですがカラヴァッジョの死後に描かれたという本人の肖像画がありまして
たぶん「カラヴァッジョの肖像といえばこれ」とよく紹介されるオッタヴィオ・レオーニの素描から
ヒントを得ているような構図とタッチ。
カラヴァッジョの風貌を再現していますが、
この絵を描く際のモデルになった人はマルタ騎士団の騎士であることが
名前を記したカルトゥーシュから覗く白十字からわかるそうです。
誰かの肖像画を描くときは別に本人が画家の前でモデルにならなくてもいいんだよね~。
パリオーネの自画像はイエス・キリスト騎士団に入団した際に描いたもので
ふつう画家といえばパレットや筆を持った姿で自画像を描くけど
パリオーネはそういうアイテムを全排除して騎士っぽく制服姿にしたらしくて笑ってしまった。

光の表現。
マンフレーティ「キリストの捕縛」はカラヴァッジョの同タイトルの構図を反転させて描いてるし
ジェンティレスキの「スピネットを弾く聖カエキリア」はそんなに光のコントラストはくっきりしてないけど
明るくて柔らかな色彩がきれいであたたかい雰囲気の絵だし、
ホルンホルストの「キリストの降誕」は赤ん坊が発光することで周囲が照らされていて
人々の顔がほんのり赤くなっているし、
ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「煙草を吸う男」の立体感はカラヴァッジョほどじゃないですが
炎の温度と揺らめく光のコントラストが伝わってくる。
そんな中でカラヴァッジョの「エマオの晩餐」はやっぱり立体感が強烈ですな…
キャンバスの中に空間があって部屋がどこまでも続いているような錯覚を覚えました。

斬首も表情と同じようによく描かれたテーマで、
筆頭が例によってカラヴァッジョの「メドゥーサ」なわけですが。
この作品はキャンバスではなく丸みを帯びた陶器にくわっと口を開けた血まみれの顔がいて
まるでペルセウスがついさっきまで盾として使っていたかのような印象。
赤外線で調査したところ3度の描き直しがみられるそうです。
カラヴァッジョで首の絵といえばボルケーゼ美術館所蔵の「ゴリアテの首を持つダヴィデ」ですが
カラヴァッジェスキたちもこのテーマはよく描いたらしく、
シモン・ヴーエやグエルチーノなどはカラヴァッジョの絵を明らかに意識した表情のダヴィデを描いてる。
かと思えば、ボルジャンニみたいに2人の体格差をはっきり出したうえで
凶暴な表情でゴリアテの首を斬るダヴィデを描いた画家もいますね。

聖母と聖人の表現。
カラヴァッジョは洗礼者ヨハネを何枚も描いていますが
今回のコルシーニ宮国立古典美術館からやって来た「洗礼者ヨハネ」は
個人的にわたしが彼のヨハネの中でもっとも美しいと思っていたので
本物を見られてよかったです☆
調査によるとヨハネの側には小羊がいたそうですが消されたっぽくて、
だからかわかりませんが隣の帰属「仔羊の世話をする洗礼者ヨハネ」にはかわいい羊ちゃんがいました。
世界初公開ということで海外メディアも取材に来たらしい「法悦のマグダラのマリア」は
とにかく美しくて異彩というか異光というか、何かを放っている。ように見える。
カラヴァッジョが人を殺して逃亡中に描いたとされ2014年に真筆と確認されたばかりで、
「キアイアにある仰向けのマリアをボルケーゼ枢機卿のために保管されるべし」という内容のメモも
(いつ書かれたものかは不明ですが)ついていたとのことで
しかるべき時までキアイア地区カラヴァッジョ侯爵夫人の家に保管されていたものらしい。
また、ヴァラッロの「長崎におけるフランシスコ会福者たちの殉教」という
1597年の豊臣秀吉による迫害と殉教を描いた絵もありました。
1627年に殉教者たちが福者として列福されると関連書籍や絵画がどどどっと作られたらしい。
タイトルに長崎とありますが人物たちはほとんど西洋風に描かれていて
唯一、左下にいる赤いターバンの人が海賊というか水軍っぽくてアジアっぽい気がした。

最後にあった「エッケ・ホモ」2枚。
捕らえられたキリストが公衆の前に引き出されたとき、
総督ピラトが「エッケ・ホモ(Ecce Homo:この人を見よ)」と叫んだエピソードの絵画化です。
カラヴァッジョとチゴリによる絵が展示されていまして、
カラヴァッジョのキリストはあくまで静かに目を閉じているのに対して
チゴリのキリストは割と絶望しきっている様子が伝わってきました。
ちなみにこれらはローマのマッシミ枢機卿がカラヴァッジョ・チゴリ・パッシジャーノの3人に
同じ主題の絵を描かせて競わせ、優勝したのがチゴリという話がかつてあったらしいのですが
現在は作り話ではないかとの見方が強いようです。

同時代史料もいくつか。
カラヴァッジョの苛烈な人柄と犯罪者としての面は割と有名ですけども、
改めて資料で見ると事実だったんだなと実感がわきます。
(どれも400年近く前の資料でインクがにじんでいるのと、イタリア語がまったく読めないのとで
添えられていた日本語訳が頼りでしたけども)
2011年に初公開されたペッレグリーニの証言(1597年7月)はカラヴァッジョの風貌について
「見た目28歳くらい(実際はこのとき26歳)。がっしりした中年の男。色白でも浅黒でもない。あごに髭。
身なりはきちんとしているときもあれば、そうでないときもある」と述べています。
ローマの食堂でバターと油で焼いたアーティチョーク(花菜類)を各4皿ずつ注文したカラヴァッジョが
店員のオステリア・デル・モーロにどっちがどっちか聞いたところ、
「匂いを嗅げばわかるだろ」と言われカチンときて皿を投げつけた1604年4月の事件や
1598年5月と1605年5月に刀剣の不法所持で逮捕された事件の記録なども。
(日本の銃刀法違反みたいなものかな?)
当時は刀剣を持つにあたり認可証が必要だったのがカラヴァッジョは持っていなかったらしく
デルモンテ枢機卿に仕える者だから、などと言って釈放されたりしていたそうです。
(てか午後9:30はともかく午前2時に刀剣持って夜の街をウロウロしてる画家とかどうなんですか)
ただ、1604年5月のアトリエの賃貸契約の際は
巨大な祭壇画の注文がきていたため部屋の天井を一部ぶち抜きたいと大家さんに申し出て
契約満了日までに元に戻すことを条件に借りていたりして(元に戻したかは不明)、
当時は窓からの採光に頼っていたらしいなど芸術家としての一面がわかる資料も。
ちょっとおもしろかったのが1603年9月のパリオーネ裁判の記録。
ヴィレントーモについて問われたカラヴァッジョが
「上手に事をなす者。画家でいえば上手に絵を描いて自然を模倣する者」と証言したり
「チェーザリ、パリオーネ、ジェンティレスキらは自分に話しかけて来ないから友人ではない、
他の者は付き合いもあります」とか言ってて
おお…ジェンティレスキの立場…!ってなった。


こことかこことか、他にも折に触れて書いていますが
わたしは例のダヴィデとゴリアテの絵を見た瞬間に
それまで物語に漠然と抱いていたイメージと「ヒーローとは何か」という概念を180度ひっくり返されまして。
初めて見たのは学生時代によく通った書店で見かけた画集でしたけど
(その書店はもうありませんが画集はわたしの手元にあります。その場でレジに持って行った)、
巨人vs少年の戦いで少年の勝利に終わった物語はわたしの中で少年を完全に勝利者と認識づけていて
そんな少年が勝利者の顔をしていないこと、打ち取られた首がトロフィーには見えないことに
ものすごいショックを受けたんです。
今思えばマジョリティの面しか見ていなかっただけなのですが
カラヴァッジョは物語を疑ってみる視点を示してくれたのだと、今では感謝しています。
…だからあの絵にはどうしても来日してほしかったのにな~!
たぶん大人の事情があるのでしょう…いつか自力で見に行くしかないのかもしれない。
ついでにどうでもいい余談ですがわたしがマグダラのマリアを初めて知ったのは
映画『ジーザスクライスト・スーパースター』だったりします。
それまではマリアって世界に1人しかいないと勝手に思いこんでて
「鈴木さんだって佐藤さんだっていっぱいいるんだしマリアさんだっていっぱいいるか、そりゃそうか!」と
やっぱりひっくり返されたのでした。
人間生きてるといつの間にか考えが安定しちゃったりしますけど
確かなことって何もないわけで、いつどこで世界はコペルニクス的転回を起こすとも限らないから
できるだけ色んなもの見ておこうとその時思ったのもいい思い出。
…だめだ、ジーザスの話したからあの歌が頭の中を回り出しちゃった!←自己責任
Jesus Christ Superstar~~Do you think you're what they say you are~~?
(ムトゥ踊るマハラジャとかもそうですがタイトル思い出すたびに音楽が脳内に鳴り始めて
カタストロフ状態になる映画ってあるよね)

「カラヴァッジョは時として古今すべての画家に対していかに高名な画家だろうと悪口を浴びせかけた。
なぜなら、彼には自分の作品のみが他すべての画家たちを凌駕すると思われたからである」
(ジョヴァンニ・パリオーネ)


kotobaneko1.jpg
カラヴァッジョ展の後は、文京区のカフェギャラリー幻さんで行われている
数人の作家さんたちによるグループ展「言葉の国の猫さがし」も見てきました。
地図で調べたときはそんなに遠く感じなかったのですが、
実際歩いてみると30分弱かかってしまってお店に着いたら足がヘロヘロでした。。
上野公園から千駄木まで歩くのは少々無謀だったか…!でも地理が実感できたのはよかった。
店内に散らばっている「ことば猫」を探して文章を完成させると小さなプレゼントがいただけたり
狐おみくじ引いたり楽しかったです。

kotobaneko2.jpg
店内を一冊の大きな本の中に見立てて、言葉に関する展示や作品販売が行われています。
螺旋病院さんの「書物の成分」と連使さんの作品「一文字世界構築」、
シャンデリアと壁にかかる紙と流れるように吊るされた言葉たち。紙と言葉の雨。
こんな雨ならいつまででも打たれていたい。

kotobaneko3.jpg
言葉の小さなおうち。ランプのような物に火をともしたら文字の影ができるのかなあ、なんて。

kotobaneko4.jpg
神棚にはどこかで見たことのあるストラップの人がいた(笑)。ウチニモフタリイルヨ


さて帰ろうと地下鉄に乗って乗換案内をぼんやり検索していたとき、
そういえば今週、新宿高島屋の銘菓百選のところに
「若き匠たちの挑戦(通称:ワカタク)」コーナーが常設されたんじゃなかったっけ…とふと思い出して
急遽行き先を変更して新宿駅へ。
wakataku1.jpg
高島屋地下1階に来たらわー!ほんとにできてる☆
和菓子の老舗や名店の若旦那たちのお菓子コーナーですよ~。

wakataku2.jpg
夕方だったので商品がほとんど残ってなかったのですけど
亀屋芳広さんの春の宴と佐藤屋さんの望月の頃を何とかゲットできてホッ( ´∀ ` ) 。ට
佐藤屋さんのは西行の歌がヒントになっているそうで、
半分に切ったら月に見立てた黄色いあんが出てきました。今は旧暦2月だからぴったりのお菓子だ☆
次回は朝一に行って色々物色したいなァ。

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2016_03
06
(Sun)23:56

足利と栃木と宇都宮。

栃木県内をウロウロしてきました。
栃木県立美術館の「学芸員を展示する」展をどうしても見に行きたくて、
ついでに今まできっかけがなく行けていなかった足利学校に行こうと思って
合わせて計画したわけです。
…が、全然知らなかったんですけど足利と宇都宮って結構距離あるんですね…^^;
電車で2時間、車でも1時間半かかるとわかってくじけそうになりましたが
たぶんこの機会を逃すと次いつきっかけが来るかわからないのでえいやっと決行。
当日は曇りか雨と天気予報で聞いたので電車にしたら、結果オーライでした!(詳細は後述)

足利市駅から渡良瀬川にかかる橋を渡り10分ほどてくてく歩いていくと
古風な建物が見えてきます。
tochigi1.jpg
史跡・足利学校に着いた~!
写真は入口にあたる入徳門です。入学する人たちはみんなこの門をくぐって入ったのだな。

足利学校は奈良時代から建っていたとも、平安時代に小野篁が創建したとも、
鎌倉時代に足利義兼が創建したとも伝わり開創についてはよくわかっていないそうです。
戦国時代に関東管領だった上杉憲実が再興したあたりからは
はっきりした記録が残っているとか。
そんなわけで「日本最古の学校」「坂東の大学」とも言われています。
度重なる災害で何度か建て替えられ、現存する建物は江戸時代~近代の頃のものだそうな。
過去に訪れた著名人は林羅山、谷文晁、亀田鵬斎、梁川紅蘭、吉田松陰、高杉晋作、
大隈重信、井上馨、渋沢栄一など。江戸初期には天海が学んだという説もあるそうです。
現在は学校としての役割を終え史跡保存されていますが、
生涯学習の講座が行われるなど活用もされているようです。

(そもそもわたしがこの学校の存在を知ったのは政治経済史学所収の
「小野篁足利学校創建と承和の変」なる論文からでしてな…
篁の論文を片っ端から探していた時期に見つけて読んでみたら
どうにかして篁を創建者としたい理論が展開されていて(笑)すごい面白かった。
ただ、小野氏の子孫と伝わる人々が足利学校に寄付をした記録は残っているとのことで
やっぱり何らかの縁はあるのかもしれない)

tochigi2.jpg
学校のゆるキャラ・のりざね君。
校内の展示室に展示されている上杉憲実の像がモデルになっているそうです。
あっちこっちにいて施設案内や解説パネルで色んなことを教えてくれます。かわいい(*´∀`*)。
また、校内には憲実の顕彰碑も立っています。

tochigi3.jpg
入場チケット。入学証って書いてある(笑)。
というわけで入学してきます('◇')ゞサーイエッサ

tochigi4.jpg
足利学校の教育は論語が中心でしたので、
校内には孔子の像をはじめ孔子に関するものがたくさんあります。
こちらの孔子像は立ち姿。獅子と狛犬は首に鈴がついててかわいかった。

tochigi5.jpg
国内唯一といわれる「學校」の額が掲げられた門。
「学校」という言葉は孟子のなかに出てくるそうです。

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

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2016_03
02
(Wed)23:45

蒼を抜け!

今季アニメ感想!!
ワートリ、妖怪ウォッチ、ハイキュー2nd、ルパンと赤髪とおそ松2期、攻殻GIG、テレ玉の七つの海のティコほか
新作を追っかけております。
蒼の彼方のフォーリズムは履くと空が飛べる靴と、靴を使ったスカイスポーツと
部活動の大会で繰り広げられる熱いバトルと聞いて面白そう!と思って見始めました。
空飛ぶ靴というとペルセウスの翼のサンダルを思い出しますが
グラシュはもっと機械的で科学ちっくというか、
でもスイッチオンすると羽みたいなオブジェが開いたりと視覚化されたファンタジー要素もあってツボ。
飛ぶときの作画は正直そこまでスピード感は感じないけど
ヒラヒラコスチュームとかアングルとか空へのPANとかで迫力や爽快さを表現しているのは見事だなと。
あと対戦中のSEがとっても好き、
グラシュのエンジン音はもちろん、プレイヤーがブイをタッチしたときの高く澄んだ音とか
明日香がエアキックターンでためるときのギギイィィィっていう重力音とか
それぞれの決め技のときの音もスタイリッシュな音が響き渡ってうおおお!ってなる。
(エンジン音のする道具といえば放課後のプレアデスがそうでしたな…あれも面白かった)

「実戦経験を積んでいつの間にか強くなってる」の典型例のような明日香は
CLAMPの主人公タイプというかポヤポヤした性格なので
笑っても怒っても泣いても見ていてホッとします。
伝家の宝刀みたいに使われるエアキックターンは毎回わくわくする!
みさきと真白の百合ップルがすごくかわいくて君たちずっとうどん食べててくださいって感じですが
真白が最近はFCの楽しさに目覚めたのに対しみさきが立ち止まっちゃってるのは
たぶん打ちのめされて考えすぎちゃってるせいだろうし、
過去にそれを乗り越えただろう真藤さんは一気にキャラクターとしての深みが増したし
(しかし佐藤院さんの名前は覚えてあげてほしい^^;)、
そう考えるとみさきももう一歩かなと思う。
晶也と一緒に乗り超えるのかもしれませんね…あの2人似た者同士っぽいし。
(対戦中に作戦以外の攻撃うっかりして「うどんなし?」って心配するみさきに笑っちゃったし
「ありだ!」って答えた晶也もすごくよかった)
てか晶也の過去いい加減明かしてくださいよ~~気になっています。
各務先生がエロかっこよくて爽やかで生徒思いでFCを知りつくした頼もしさがあって色っぽくて好き!
緒方恵美さんの女性ボイス久し振りに聞いた~天王はるかさんの時みたいな素敵な低音で
短い言葉の中にたくさんの理性と感情がつまってて聞いててじーんときます。


だがしかしに出てくる駄菓子が懐かしいものばかりで久々に食べたくなって
先日、スーパーでいくつか見繕って買って来たのですが
ヨーグレットとひもQに真っ先にとびつくあたり自分変わってないなと思いました。
この2つは子どもの頃からダントツで好きな駄菓子^^
ヨーグレットが栄養機能食品というのは劇中でほたるさんに教えてもらうまで知らなかったのですが
ココノツくんとサヤ師がやってたみたいなお医者さんごっこわたしもやったの思い出したよ…
見た目お薬みたいだもんね。
ハイレモン味とかもありましたけど、わたしはやっぱりストレート味が好きです。
ラムネとは違った歯ごたえとじわじわくる味が癖になる。
(あ、でも音の鳴るラムネは好きでよくピーピー鳴らしてました)
ひもQは、劇中でほたるさんも言ってますが
普段は「食べ物で遊ぶな」と言われる食べ物を合法的に遊んで食べていいという魅力もさることながら
何だかんだおいしかったんですよね。
グミは果汁グミともぎもぎフルーツが好きでございました。ゼリービーンズもたまに食べたっけな。
ベビースターラーメンは今でも時々買うし、
すっぱいぶどうにご用心シリーズは買ってチャレンジしては挫折した経験があります。
ヤングドーナツは口の中が粉っぽくなるけど嫌いな味ではないんだよなあ…。
あと麩菓子といえば川越の菓子屋横丁で売っている巨大麩菓子を忘れてはいけないと思うのだ。

いかんアニメ感想じゃなく駄菓子所感になってる…。
とりあえずほたるさんには毎日ひもQをブルースリーみたいに振り回したりしてほしいし
ずっと駄菓子ウンチクしゃべっててほしい、
過去に愛した食べ物たちは商品開発にあたりどんなコンセプトだったのかとか
進化して今はこんな形になったとかこんなシリーズが出てるとか色々教えてほしい。
エンディングでほたるさんとサヤ師がアリスのキャラクターたちのコスプレするの大好きです~!
アリスと時計うさぎの追いかけっこかわいいし、
ドルダムとドルディ、チェシャ猫、ハートの女王に扮したほたるさん似合いすぎてこわい。
マッドティーパーティにさりげなくココノツくんと豆兄さんが紛れ込んでるのかわいい。
あと公式Twitterが3時になるとおやつをツイートしてくれるの楽しみだし、
各地の駄菓子屋さんがハッシュタグつけてお菓子ツイートしてるのも楽しそうですね。


石膏ボーイズは「もし、美術の授業などでデッサンに使われる石膏像が
アイドルグループを結成したら」の設定だけで録画決めたし
蓋を開けたらとにかくバカバカしくてワハハハって笑えるアニメでした(^◇^)。
あの訳のわからなさと適度なユルさと多大なシュールさが魅力だと思う、いいぞどんどんやれ。
真っ白な胸像が台車に乗せられてガラガラ運ばれていく図がツボすぎる(笑)。
何気に声優さんも豪華ですが、
石膏さんたちは口が動かないのでどこから声が出ているのかは謎ですが
見てるうちにそんなんどうでもよくなってくるくらいハマってしまいました。
声優さんたちの歌うEDTは聴くたびに大笑いする。
エスイーケーケーオー、ビーオーワイエス、セッコー!

サブタイトルが過去の芸術作品のタイトルなのと
石ボの打ち合わせ場所が上野公園の上島珈琲なのが、わたしもよく行くお店なので個人的にツボ。
(その縁かどうかわかりませんが、先日、都美に行ったらショップに石ボグッズ売っててすごくびっくりした)
あとWebダヴィンチにマネージャーさんによる日誌があってびっくりしました→こちら
ここまで全力投球の企画初めてですわ…最後まで楽しみたい。


昭和元禄落語心中は原作を途中まで読んで脱落してしまったんですけど、
与太郎が関さん、八雲が石田彰、助六が山ちゃんと聞いて「み、見たい…」と録画。
初めて知ったのですが石田氏は談志マニアで山ちゃんは圓朝マニア、
小夏役の小林さんも談志がお好き、関さんは落語家さんに弟子入りなさっているとか!
落語が日常にある人たちがキャスティングされているのいいですね~。
音響監督の辻谷耕史氏が課した「落語を3分間演じきる」オーディションは熾烈を極めたらしく
(櫻井孝宏氏が受けて落ちたらしいと聞きました)、
選び抜かれて演じていらっしゃる声優さんたちなので落語のシーンが毎回楽しみです^^
ベテランで固めているのは過去の時代を知っている人たちがいいとの選抜理由だそう。
初回放送の関さんと石田氏の対照的な演技と
扇子や手ぬぐいを使ったり首や着物の膝の後ろ部分に汗がにじんだりするアニメの演出が
臨場感をたっぷり感じさせてくれるのはさすがのスタジオディーンクオリティ。
あとお囃子さんたちの三味線をしっかり描いてくれるのいいな~。

椎名林檎さんが作ったOPTを歌うめぐ姉がすげえ色っぽくてたまらない、
吐息のような歌い方で背筋がぞくっとしますね。
(わたしのめぐ姉の歌デビューはスレイヤーズのGive a reasonなのですが
あれとは正反対ですね…まあ話の内容もキャラも全然異なってるしね)
みよ吉さんがどんなにどんなに精一杯生きてきたかは彼女を見れば一目でわかるけど
さみしいから付き合ってしまう的な人物像はフルバの繭ちゃん先生を思い出すな…。
これからあの展開が待っているわけですが
ちょっと原作はあっけない気もしたので(現実の人生ってそういうものかもしれないけど)、
アニメはどこまで突っ込んでやってくれるかなあ。

あとね!個人的に落語より楽しみにしていた鹿芝居が想像以上でした☆
菊比古さんの、石田氏の弁天小僧ヤバイかっこいいかっこいい!!
お嬢様演技も最っ高にかわいくて、でも男が化けてる雰囲気もちゃんと残ってるし絶妙な声というか
石田氏の高い声はフィッシュアイ以来ですけど全然衰えてないむしろ色気増してる、
正体ばらして低音べらんめぇになるとこが、とこが!ぎゃあああああ(悶絶)
信さんの南郷力丸も声でかいし踏み込みの力強さもよかったし
あれで花道の登場時に手さえ降らなければ完璧だったわ。
いやもう石田彰がすばらしすぎたから何でもいいです!!ありがとうありがとうスタジオディーン!!!
アニメで歌舞伎を見られる日が来るとは思いませんでした…ありがとうございましたぁああぁあぁぁ(沈没)
(そういえば石田さんのクールボイスの着物姿すげぇ素敵だったよね、かっこよかった。
パンドラのラジオで鳥海さんが言ってたんだっけな、石田さんは着付けできるんでしたよな?
さすがに紋付は着付けてもらったかなと思いますけども…まさか着物着てくれるとは思わず。いやはや)


僕だけがいない街は何となく1話見てみたらガツンときて続きがむちゃくちゃ気になって毎週録画セットして
毎回「えっここで終わり??」ってびっくりする。
原作未読のため先はわかりませんが、設定もストーリーもシンプルだからこその牽引力があって
主人公がとにかく友達とお母さんを助ける目的から一切ブレなくて、
だからそれが外部の影響でぐらつくとドキッとします。
誰かを死なせまいとするエネルギーはこんなにも大きいんだなあと、改めて。
アジカンのOPTに何だか既視感を覚えたのですが
ぐぐってみたら10年以上前にリリースされた曲だった~そりゃなつかしいわけだ。
歌詞を見たら僕街のために作られたみたいな雰囲気ですね。

10歳の悟くんを演じる土屋太鳳さんの声が素直でやさしくて好き~。
「したっけ」って手を振ったり思ったこと声に出ちゃったり
雛月さんにドキドキしながら話しかけてるのかわいい。
雛月さんも悟くんたちと一緒に過ごし始めてから明らかに声が出せるようになったのよかった~、
別に語彙が少なかった訳じゃなくもともと彼女の中に埋もれていた言葉がやっと日の目をみれたというか
言葉とネットワークを獲得していくプロセスが本当にホッとする。
友達の子たちがすごく2人の救いになってるよね…
OP映像で校庭で遊びまくる子どもたちが映りますけど
リバイバル前も後も人間関係は変わってなくてそれも救い。
賢也の洞察力すごすぎるので彼は警察官か弁護士になったらいいと思う、
あと悟くんに体育館にいるよって伝言した字がめっちゃ丁寧でうまかった…硬筆とかで入選してそう。
佐知子さんがめっちゃかっこいいお母さんでこの話の中で一番好きかもしれない、
高山みなみさんの女性ボイスひさしぶりだなあ~(久しぶり2回目)。
事件を調査しながらも子どもたちの目になるべく触れないように配慮したのは
子どもたちを心配しているからでしょうけど、
2回目のリバイバル以降は悟くんの行動をかなり積極的に応援していて
ある意味悟くん以上に頼りになる人だと思う。
弟が「バーローが事件調べたのになんで解決しないの」ってぼやいてたんですけど
一緒に見るようになってからは「この犯人米花町にいないタイプだわ」って納得したみたいでした。

登場人物が少ないのとユウキさんのキョドっぷりがあからさますぎるのと
雛月さんのお母さんも明らかに犯人じゃなさそうな感じもあって
そうなるとかなり限定されてくるよな…。
個人的には宮本さんの狂った演技が見たいので楽しみにしています。(何を)
あと、懸命に奔走する悟くんを見ていて
これから何回リバイバルするのかわからないけど今後悟くんが存在するのは最後のリバイバルの場所で
それまでの世界にはいなくなってしまうのだ…と気づいてやっぱりびっくりしたのでした。
(そして今日は悟くんと雛月さんの誕生日です)


あと石ボと同じウルトラスーパーアニメタイムで短期間やってた旅街レイトショーがすてきでした。
盆踊りのオチが最高によかった…そっちが幽霊か…!!


ところで、明日は桃の節句ですね(╹◡╹)。
季節の和菓子をいくつかゲットしてきたのでアップします~。
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とらやの仙寿と、鈴懸の内裏雛。
仙寿は西王母の桃(三千年に一度だけ実り食べると不老長寿になれる桃)がモチーフになっている
寿ぎのお菓子です。
もともと桃の節句は穢れを祓って健康と長寿を祈る上巳の節句が元になっていますから
とらやさん素敵なお菓子を考案したなあと思う。
鈴懸さんは福岡の和菓子屋さんなので内裏雛の並べ方を関西風にしてみました。

hinawagashi2.jpg
花扇の内裏雛と桃の花。金箔がふりかけられていて豪華だ!
花扇さんは行くといつも何かしらおまけしてくれて大好きです^^
今回は塩大福いただいてしまった(^皿^)☆

tsubakimochi.jpg
老松さんの椿餅は先月いただきました。
椿は寒い季節でも花を咲かせ青々とした葉をつける春の木でもありますね。
源氏物語の若菜巻にも、夕霧や柏木たちが春先の六条院で蹴鞠を楽しんだ後に
梨や柚子や椿餅をぱくつく場面があります。
(そして柏木はこの場面の前に三宮を垣間見ている)