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2016_04
28
(Thu)20:07

千載具眼の徒を竢つ。

2016jakuchu1.jpg
東京都美術館で開催中の若冲展に行ってきました☆
伊藤若冲生誕300年記念の回顧展です。
1月の講演会で小林忠氏が大変心配しておられたのが的中したらしく
内覧会も初日も大混雑と聞いて、これは会期末あたりはパンクしかねないと思い早々に鑑賞することに。
しかも今週からさらに混み出したそうなので(たぶん日曜のNHKスペシャルのせい)、
本当に先週に行っといてよかった…。

そんな開幕2日目のわたしのタイムスケジュールはこんなでした↓

・朝8時、美術館到着(すでに50人並んでおりその後どんどん増えて開場時には1000人以上の列)→
・9:20開場と同時に1階へ上がり動植綵絵と釈迦三尊像を鑑賞→
・2階を鑑賞→
・10時過ぎに地下のロビー階へ戻ると大混雑で絵の前に5~6層の人だかり、最前列に出られず→
・ロビー階を鑑賞して再び1階と2階へ戻ると大混雑→
・グッズ売場のレジに長蛇の列と1時間待ちのアナウンス→
・11時過ぎに退室。入口をチラ見したら入場待ち30分の札

よく生きて帰ってきたな…。
もっと居ようと思えばいられましたけど、人口密度に圧倒されてしまったのと
動植綵絵を数分とはいえ独り占めできた感動があったのでもういいかなと思ったのでした。
過去のキトラ古墳展鳥獣戯画展に比べればだいぶマシな気はしますが。

動植綵絵が1階にあるという情報はTwitterで得ていたので
開場と同時にわき目もふらずエスカレーターを目指したのは正解でした。
楕円形の展示室にぐるりと展示された「動植綵絵」30幅に「釈迦三尊像」3幅!→こちら
あまりにうれしくて一旦、展示室のど真ん中に立って
彼らに囲まれる幸せをかみしめてから鑑賞開始。
(もともとこの33幅は江戸時代に若冲が相国寺に奉納したのですが
近代の廃仏毀釈により衰退した相国寺のために動植綵絵を皇室が買い取り、
現在は動植綵絵を宮内庁が、釈迦三尊像を相国寺が所蔵しています。
彼らの再会は相国寺承天閣美術館で果たされてから今回で9年ぶりだそうですし、
おそらく当時、若冲や友人の大典が見たであろう雰囲気を味わいたくて
まずはどうしても展示室の中央に立ってみたかったのでした)

動植綵絵は皇室の名宝展以来で(当時もそれなりの混雑だった)5年ぶりの再会ですが、
「やっっっっっばいめっちゃ綺麗…!すごいやばい最高…!!」と他の言葉をなくす美しさで
一瞬でも人少ない時に見られてよかった、朝早く来た甲斐がありました。
記憶というのはだいだい美化されるものですし前に見たときも美しいと思ったはずなのに
記憶以上だったのは想定外だった…。
どの掛軸も大きくて華やかで緻密でちょっと毒入っててバランスよくて色鮮やかでかっこいい!
老松白鳳図は鳳凰の羽の先についたハート模様がかわいいし(赤の中で1枚だけ緑なのもよい)、
南天雄鶏図の無数の南天は描くのを想像するだけで気が狂いそうだし
群鶏図は若冲渾身のイケメン鶏たちが全員集合してるし
雪中鴛鴦図と雪中錦鶏図のベタ雪は触ってみたくなるし
紅葉小禽図の紅葉は裏彩色のおかげで立体的に見えるし
梅花群鶴図は光琳がさらにとんがったみたいだし(若冲は光琳が亡くなった年に生まれている)、
芦雁図の氷は応挙の氷図みたいな静けさがあるし(若冲は応挙より16歳年上)、
はー!みんなかわいい!!

信行寺の花卉図とか金比羅宮の百花図とか今回の向日葵雄鶏図とか見てると
じゃくちゅーたんは結構、ヒマワリを描いてて好きだったのかなあと思います。
他に好きそうなのは牡丹と梅と松と棕櫚、蓮や枯れ葉もよく描いてると思う。
群魚図のルリハタのプルシアンブルーは平賀源内の紹介(彼はベレインブラウと言ってた)より10年以上、
北斎や広重の錦絵より50年以上は前の作例らしくて
19世紀初頭の大量輸入まで国内にほとんどなかった色を一体どこから手に入れたのか、
入手ルートはわかっていないようですが大阪のお友達あたりかな…。
釈迦三尊像はナマで初めて見まして
目のさめるような色づかいのセンスがすごくいい、当時はもっときれいだったんだろうな。
というかわたしが今まで見てきた仏画と全然ちがって派手だし赤が多いし、
でもすっきりまとまって見えるのは相当色彩バランスが計算されつくしてあるからかなと。
あと感動したのは掛軸との距離が近いこと!
アクリルガラスと仄かなLED照明のおかげでクリアな鑑賞ができました。関係者に感謝。

金閣寺書院の襖を飾っていた葡萄小禽図襖絵は4面の空間を思い切り活かしたレイアウトで
ぽっかりした空間に水墨の葡萄が自由に生きている感じがします。
これとセットの絵(葡萄小禽図と月夜芭蕉図)も相国寺が所蔵していますが
さすがに書院の壁を持ってくるわけにはいかなかったか~。
京都で見られますので気になる方はどうぞ。(わたしは3回くらい観た希ガス)
発見から83年ぶりに若冲筆と確認された孔雀鳳凰図の鳳凰は
旭日鳳凰図や老松白鳳図と同じく羽にハート模様がついてる☆
おそらく動植綵絵と同時期かその前に描かれたと考えられているらしく、
確かに構図と書き込みと緻密さがそのまんまでした。
孔雀も老松孔雀図と構図がそっくりなので前段階として描かれた可能性もあるのかな。
ニワトリの掛軸もいっぱいあったし、巨顔の達磨図は迫力あるし
乗興舟は何度も見てるけど相変わらずの黒に引き込まれる。
菜蟲譜のタイトルのフォントがおもしろくて、蟲とか手塚治虫さんが描いたみたいなレタリングで
内容もまさに青物問屋の息子って感じで野菜と虫たちのオンパレード。
カブトムシみたいな茄子がいるなと思ったら、後半で本当にカブトムシが出てきた(笑)。
花鳥版画のオウムちゃんはかわいいおもちゃに囲まれて下を向いててほんとにかわいい。

三十六歌仙図屛風は歌人たちが田楽を作っている様子の水墨画で
若冲と蕪村展では六歌仙図だったけどこちらは屏風で空間が広くなって人数も増えたので
歌人たちのおふざけ度が増している感じ(笑)。
江戸時代に流行した「歌仙豆腐」(三十六歌仙に見立てた36種類の豆腐料理を作る)遊びが
元になっているとか、
歌人たちが演奏する楽器を豆腐に置き換え、本来の田楽図に見立てたという説があるそうです。
石燈籠図屛風は無心にならなければ集中できそうもないくらいの細かすぎる点描で
しかも屏風サイズっていうところとこれを描いた時絵師は80代だったと知って
この人本当、もっと生きてたらどこまで行ったのかと改めて。。
象と鯨図屏風(これも80代の作品)も若冲と蕪村展以来、ひさしぶりの再会でした!
相変わらずクルクル巻いた白象の鼻と鯨の波がかわいいのう、愛しいやつらめ。
蓮池図は4面の襖に蓮池の様子を描いた水墨画で
京都で大火に遭った若冲が大坂の西福寺に避難していたときに奉納したもの。
ほとんど蓮が咲いてないのですが、ぽつぽつと芽やつぼみが描かれているのを見ると
映画ナウシカのラストでチコの実が芽吹いていたカットを思い出しますな。

海外からもいくつか里帰り。
METの月梅図は月光に照らされる梅の木が華やかで、
デンバー美術館の菊花図は筋目描きがダイレクトに観察できました。
エツコ&ジョー・プライスコレクションも来日中ですよ~☆
プライス氏が23歳のときふらりと入ったお店でジャケ買いしたという葡萄図を始め、
細密画から水墨画まで一通りございます。
目がいっちゃってる虎図の、細かい体毛のふさふさ感とか柔らかそうな肉球とか最高ですね。
紫陽花双鶏図のニワトリちゃんはすごいポーズで紫陽花の中を生き生きと歩いてる。
雪芦鴛鴦図は2羽のおしどりが水の中に頭突っ込んでるんだけど
水中から顔が透けて見えるのでこの池の水は澄んでいるに違いない。
鳥獣花木図屏風は楽しい!
仙台市博物館の「若冲が来てくれました」展以来の再会で
今回はガラス越しでしたけど、それでもうれしかった!
実在と想像上のいきものたちがカラフルに存在するさまは、動物園かノアの方舟か。
この屏風の前は本当に賑やかで皆さん楽しんでいらっしゃって
動物の名前を当てたり色遣いを見たり枡目を数えだす人など様々。
ガラスに張りつきながら「じゅ~かちょうじゅうず~びょ~ぶじ~けん」て歌ってる子がいて
それからずっとわたしの頭の中もびじゅチューンになった。

一日中どの絵の前も人だらけで最前列で見るのはなかなか困難ですが、
会場スタッフさんの呼びかけでじわじわ進みますので隙間に入れてもらえれば前列に出られるかも…
あと、とにかく書き込みが細かいので
単眼鏡とかオペラグラスを持っていくと細かい箇所まで観察できると思います。

ふと、初めて若冲の絵を見たのはいつだっけと思い返してみましたが全然覚えてない。。
わたしが物心つく頃にはすでにブームがやってきていて
当たり前のように画集や研究書が書店にあふれていたような気がする。
教科書だったか画集だったか、ポスターだったかネットだったか思い出せないのですが
それでも初めて見たときは衝撃だったな…。
頭の中を「???????」が駆け巡って
「どう描いたの」「どう塗ったの」「絵の具は」「つか絵なの?」「何これ」ほか無数のことばを
同時に口にしようとして口が混乱したのを覚えてます。
ちなみに見たのはニワトリで、群鶏図か南天雄鶏図あたりだった気がする…。
わたしだいたい絵を見るときは顔や手元、花や光源に目がいくのですが
あのニワトリは目も鶏冠も首も羽も、何より強烈な原色までもがバーン!と自己主張してて
一瞬、どこ見たらいいのかわからなくなってやっぱり混乱したっけな…。
若冲の絵は見た瞬間に多くを語りたくなりますが、後は無言で見つめてしまうような感じがする。


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ロビーにはチームラボの「Nirvana」が展示されていました~。
樹下鳥獣図屏風の動物たちが歩いたり飛んだり羽ばたいたりするインスタレーションです。
日本科学未来館のチームラボ展以来の再会ですが、
あのときは壁いっぱいの巨大スクリーンに投影されていた屏風が今回はかわいらしい大きさでした。

2016jakuchu3.jpg
鳳凰と仲間たち。

2016jakuchu4.jpg
白象と仲間たち。

2016jakuchu5.jpg
麒麟がいたの初めて気づいたよ!小さい屏風になったおかげ。
大きいスクリーンの展示もたいへん楽しいけど、
小さいスクリーンだと自分の目線の高さにてっぺんがきてくれるから全体図がわかって面白い。


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午後は講堂にて講演会を拝聴。
山下裕二氏の軽快な進行で辻惟雄氏、エツコ&ジョー・プライス夫妻のよもやま話を伺いました。
プライス氏や辻氏の若かりし頃のお写真やご自宅の展示室などをスライドで見せていただいて
自然光を取り入れたコレクション部屋はとてもモダンだったし、
若冲の葡萄図を若冲とは知らずに買ったことや
近づいたり遠ざかったりして絵のディテールを見ながら
絵から絵師が語りかけてくるのを待ってて、というメッセージが心にじんときました。
今年で若冲の享年と同い年という辻氏が『奇想の系譜』を上梓したとき、
実は動植綵絵をご覧になっていなかった(!)ことや
プライス氏が探していた紫陽花双鶏図がアメリカに渡ってしまう前に古美術商から借り出して
「見納めだ」とか言って後輩にお見せしたらしいエピソードがおもしろかった。

その後輩(笑)の小林忠氏も客席にいらっしゃって、山下氏に呼ばれて飛入り参加されて
東博時代に鳥獣花木図を展示しようと上司に申し出たら却下されてしまったお話をなさってて
これ何度も聞いてる話だけど聞くたびに笑いが起きる(笑)。
最後にみなさまのお好きな動植綵絵を挙げることになって
プライス氏は迷わず菊花流水図を挙げていらして
(最初は白黒画集で見たけどフルカラーの本物を見たとき泣いてしまったそうです)、
辻氏は「毎回好きな絵が変わるんです…」とおっしゃりながら群鶏図、
小林氏も「ぼくも辻先生と同じでいつも変わります」とおっしゃりながら蓮池遊魚図、
山下氏は「あえて」芦雁図とのことでした。

あと「今日だけ、講演会はがきを提示すれば展示室に再入場できます」と特典をもらったので
せっかくなので行ってきました。
待ち時間はなかったけど相変わらず混雑していたし、自分のペースで見るのは困難でしたが
1階では改めて展示室の中央に立って若冲の視点を堪能。楽しかった~!

2016jakuchu7.jpg
続いて1階のレストランIVORYへ。
若冲展の期間限定デザートがいただけるというのでやって来ました。

2016jakuchu8.jpg
宇治抹茶のモアローショコラ、国産丹波種黒豆・きなこのアイスクリーム、
宇治の和紅茶はほんのり酸味がありました。
ショコラはナイフで切ったらとろりとチョコレートが出てきた~あったかいフォンダンショコラみたい☆

2016jakuchu9.jpg
ほうじ茶マカロンに鶏(*´︶`*)
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2016_04
25
(Mon)23:28

100000ヒットありがとうございます☆

カウンターがついに6ケタの、10万の、大台に、乗りました!!
なななんてこったーーーーー!!!+゚+。:.゚(*゚Д゚*).:。+゚ +゚
鉄腕アトムの10万馬力、ピカチュウの10万ボルト、コミケ徹夜組10万人、
埼玉銘菓の十万石まんじゅう、走行距離10万kmを超えたら車の買い替え目安など
やたら使用頻度の高い10万という数字ですが
とうとうこのブログにもやってきました…ほんとに来るとは。。←全然自信なかった
すごい。すごすぎて何をどうしたらいいか完全にわからなくなって家の中3周しました。
夢じゃない!!
先週のわたしは99999が見られたらいいなぁなどと呑気に考えていたのですが
次に見たら知らん間に10万を10も20も超していました。まあそんなもんだ。

ブログを始めた頃は本当に人が来なくて
気分は太古の森の奥深く暮らす賢者というか、淡々と適当な事を書き連ねる日々だったので
時折カウンタがくるりと回ると「おや…こんな辺境に客人とは珍しいこと…」などと呟いていた日が嘘のようだ。
これが賢者タイムというやつか。(違うと思う)

毎回言うこと同じですが気持ちは変わらないので何度でも言います、
おいでくださる方、拍手やコメントくださる方、お声かけてくださる方みなさまに感謝感謝です。
本当にありがとうございます。とても励みになっています。
今後もこんな感じでマイペースに続けていきますので末永くよろしくお願いいたします。

100000hitover.jpg※クリックで大きくなります
酒井抱一に揮毫してもらいました。
ちょっとわかりにくいですが草書で「拾萬打多謝」と書いてあります。
前回記事で語った、歌舞伎空海のクライマックスである揮毫シーンが忘れられなくて
最初は「謝」の点に墨バシャ!とか面白いかなと思ったけどちょっと抱一らしくない気がしてやめました。
この人は柔らかい雰囲気が似合うので。
(ただ彼の生涯を見ると色んな意味でバイタリティに溢れまくって柔らかい出来事全然見当たらない)

いつもならスーツ姿のキャラクターを書くのが当ブログのデフォでしたけど、
10万超えたしそろそろちょっと趣向変えてみようかなとも思ったので
今回は羽織姿にしてみました。
やっぱり和服の方が書道って感じするし…。
(いや、スーツにたすき掛け姿の書道パフォーマンスとかあったらすごく見てみたいけどね)

宗達、光琳と続けてきたので抱一の連載もそろそろ始めたいですが
現在アンダンテキャンペーン中なので(アンダンテは「歩く速さで」の音楽用語)少しずつ進めています。
がんばりすぎないようにしたいというか、何かやらなきゃって思うと疲れてしまうので
気長にお待ちいただけますと幸いです…。
始められる時になりましたら、またお知らせいたしますね。

来週くらいまでフリー配布いたします。
「もらうよ~」というおやさしい方いらっしゃいましたらどうぞ連れて帰ってやってください☆

※イラストの配布期間は終了しています。


クリックで拍手お返事。↓
皆様いつもありがとうございます(^-^)/☆

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2016_04
20
(Wed)23:54

どうしたものかな、空海。

(100,000Hitありがとうございました!!お礼記事は次回かきます)

2016kabukiza.jpg
ツイとものきうちさんと歌舞伎座で「四月大歌舞伎」夜の部を観てきました☆
仁左衛門さん主演の「彦山権現誓助剱」杉坂墓所・毛谷村と
染五郎さん主演の新作「幻想神空海-沙門空海唐の国にて鬼と宴す」ですよ!
主に空海が楽しみだったのですが毛谷村も仁左衛門さんだしどんなのかなあと楽しみにしていたら
まさかの超イケメンが出てきて倒れるかと思いました。やっぱりにざ様はにざ様だった。

お昼に木挽町広場できうちさんと待ち合わせしたのですが
わかりやすい格好がいいと思って着物で行きましたら無事に見つけてくださって、
てか初めてお会いするきうちさんはTwitterから想像していたとおりの
かわいらしくてふわっとして気遣いのやさしい素敵な方でした!+゚+。:.゚(*´︶`*).:。+゚ +゚
歌舞伎や歴史のこととか俳優さんや有頂天家族の話までたっぷりさせていただいて
気づいたら開演30分前で大慌てで移動するくらい時間忘れて楽しんでしまった。
歌舞伎はきうちさんの方が先輩なので今後も色々お話したいし教えていただきたいっ(゚∀゚)☆

2016jugetsu1.jpg
歌舞伎座5階の寿月堂さんでフレンチトーストのランチ。
ふわふわサクサクしておいしかったです。

2016jugetsu2.jpg
お茶もいただいた。
「飛騨のほまれ」という秘伝の青ほうじだそうでとっても香ばしくておいしかった…!
違いのわかる人になりたい。

2016kabukiza2.jpg
今回はここから観劇、花道のすぐ隣でした。
あと、今回2人とも別々の日にチケットを予約したのですが
座ったらまさかの隣同士だったことが判明して「「えええ~~~」」と開演前から大興奮。
幕間になったらきうちさんとこすっ飛んで行こうとか思ってたのに、こんなことってあるんですなー!
イッツァ・ミラコー…+゚+。:.゚(*゚Д゚*).:。+゚ +゚


幕が開いて、まずは「彦山権現誓助剱」。
本来は文楽のとても長いお芝居だそうで、今回はそのうち八幕目と九幕目が演じられます。
吉岡一味斎という毛利藩の剣術指南役が京極内匠に殺され、仇討しようとした娘も返り討ちにされ、
吉岡さんの妻ともうひとりの娘は仇を探して別々に旅をしていて
その旅の途中に六助(仁左衛門さん)と出会う…のが、八幕目までの流れ。
六助は小倉藩毛谷村に住むお百姓ですが、剣がとても強くて
彼に勝つと500石くらいでお城に召し抱えてもらえたりするレベルの人らしいですが、
田舎に住んでいるためか師匠が殺されたことを全然知らないまま過ごしていて
そのせいで師匠の娘(婚約者)が訪ねてきても最初は気づかなかったりする。(でもそこが見どころ)
剣の達人、子どもにやさしい、親思いで正義感が強くてちょっと天然も入ってるハイスペック人物を
仁左衛門さんがとても大らかに演じていらっしゃいました。
母親のお墓参りの帰りにたまたま助けた弥三松くん(実は師匠の孫だけど六助は知らない)を預かって
抱っこしたりデンデン太鼓でお世話したり、
知らない人が突然家の中に入ってきても追い出すどころか「まいったなあ」とか腕組みしてて
どんだけ懐広いんだ(笑)。
弥三松くんに笑いかける表情がとっても素敵でやさしい人柄が伝わってきます。
寝起きだったり遊んでたり、自分が着替えてる時でさえも(まさかのにざ様ナマお着替えですよ)
常に弥三松くんを気にかけていて何というイクメン。
しかもそれがにざ様ってどんなご馳走ですか、どうもありがとうございました。(深々)

ところでこの六助さん、実在の人物なのですね。→こちら
加藤清正の家臣になって朝鮮出兵にまで行った人だとか。
「仕官して親を安心させたいから試合で負けてくれ」と微塵弾正(京極内匠)に言われて
その通りにしたら実はだまされていたと気づいて
「おのれこのままでおくべきか!」とカンカンになった六助が
地面の石を踏んづけると石がへこんで地面にめり込むという、彼の強さを表現する演出がありますが
この六助の石も実際に残っているそうです。
…師の死を知ってだまされたと気づいたとき一瞬、カッと目を見開くけどカーッと爆発はしない抑えた怒りが
かえって悲しみと怒りと凄みを感じさせてすばらしかったんだーーー仁左衛門さーん!!
(ここ見て初めて「あっこのお芝居すごく難しいんじゃないの…」って思った。遅い)

孝太郎さんのお園も花道から登場したときの虚無僧姿がものすごくかっこよくて
(女形さんが男装した女性を演じる妙の色気パない)、
父の仇討ちを目的にしてますからまなざしは鋭いし刀を使わせても強いし、
「親の仇を討って」ではなく「仇はわたしが討つ」感がすごいなと。
でも六助の家の前に子どもの着物が干してあったから六助を仇と思っちゃったり
六助が婚約者だとわかると急にかいがいしく浮かれてうっかり釜を空焚きしちゃったりと
結構、ドジッ子というか思いこみが激しい^^;
でも仇討ちに向かおうとするラストでは六助と一緒に見得を切っててかっこよかった!
(彼女の強さを表現するためにカラミ(直接話にからまない役者)と殺陣をやってて
あれはイメージ映像的なものなのでしょうか…カラミさんも飛んだりクルッと回ったり相当な動きだった)
東蔵さん演じる武家の貫禄たっぷりのお幸さんもかっこよかった。
六助さんの家に勝手に上がり込んで、実力を試すために不意打ちでお財布投げてみたり
投げ返されたお財布をがっちりキャッチしたりしてて、
達人のピッチングに対応できるのだからお幸さんも相当の達人とみた。
強い女性たちいいなあ!
歌六さんの微塵弾正(京極内匠)はワルでしたね…
自分が仕官するために六助にわざと負けてくれと言ったり
六助に紹介した母親は実は母親じゃなかったり、六助とは対照的な存在です。
ちなみにその母親、本当は誰のお母さんかというと杣斧右衛門(彌十郎さん)のお母さんで
微塵弾正に利用された後殺されてしまって
斧右衛門がご遺体と対面するシーンもあって彼大泣きするのですけど、
彌十郎さんの拵えが面白すぎて客席のあちこちから忍び笑いが起きていました。
何ですかあの雪が積もりそうな眉毛は!(爆笑)
笑っちゃダメだと思ってたらイヤホンガイドさんが「これ笑うところです」みたいな解説されてて
あっいいんだ!ってなりました。
「母の仇を」と六助にお願いする斧右衛門はさすがにウルっときました。

ラストで仁左衛門さんが紅梅を腰にさし白椿の枝を手に持ち弥三松くんを抱き上げて
六助・お園・お幸が天地人の見得を切るシーンがすごく絵になってて
舞台写真もいいけど錦絵にして売ってほしいレベルでかっこよかったです!
それにしてもこんなところにこんなイケメンがいたとは…歌舞伎はまだまだ奥が深いですの。


この後は新作歌舞伎「幻想神空海」を観劇したのですが
以下異様に長い&遠慮なくネタバレしていますのでこれからご観劇予定の方ご注意ください。
大丈夫な方はクリックしてどうぞー☆

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2016_04
16
(Sat)23:56

猫を見る。

熊本・大分および九州地方の地震にて被災された方々に心よりお見舞申し上げます。
連日報道される凄まじい事実や映像に言葉が出てきません…。
九州には知り合いのご家族もいるし、大好きな作家さんも住んでらっしゃいますし
景観も文化財もこれ以上壊れないでほしい。
早く余震が収まりますように。
被害が拡大しませんように。
ひとりでも多くの人が無事でありますように。

とりあえずわたしにできるのは元気でいることと
募金と熊本や九州の物産を買ったり食べたりすることなので、何かおいしいものがいいなあ、
明日は銀座へ行くので熊本館に寄れるかな。(今日すごい行列だったみたいですね)

Twitterで「#猫見て落ち着いて」「#こんな時だから俺の猫でも見て癒されてくれ」など
有志の写真キャンペーンが始まっていて
(猫様のほかにお犬様とかお鳥様、うさぎ様、動物に限らず星空などもありました)、
うちの子たちも力になれるかなと思ったので今日はにゃんこ様記事にします。
お蔭様でわたしは毎日癒されているので、一緒に誰かも落ち着けますように。
oreneko1.jpg
ちょこん。
とか、効果音が聞こえてきそうな座り方。
ビクターのニッパーみたいなお座りは母にゃんこの十八番です。

oreneko2.jpg
妹の背中にぽさっと乗っています。
もふもふのお尻はたいへん魅力的ですが、さわると怒られます。

oreneko4.jpg
だいぶおねむの顔。この後スコンと眠ってしまわれました。

oreneko5.jpg
膝の上でぐっすり。
もうすっかり春ですが、夜はまだ寒いのでお膝の上が好きです。

oreneko6.jpg
外側はモフモフ、内側はふにふにの肉球。
つっつくと爪がシャキンと出てくるなんて考えられないくらい、ふにゃふにゃして柔らかいのです。
肉球はセンス・オブ・ワンダーにあふれている。
2016_04
12
(Tue)23:52

燃える応天門。

前回記事の続き。
日本橋と銀座をウロウロした後、出光美術館へ行ってきました☆
2016idemitsu.jpg
仁清・乾山展以来なので1年半ぶりくらいかな?
有楽町駅前は賑やかだけど、この周辺は人通りも車の通りも少なくて静かで好きです。

開催中の展覧会は「開館50周年記念 美の祝典」。
出光美術館開館50年を記念して、7月まで3期にわたり名品が展示されます。
今は第1期「やまと絵の四季」を開催中で
日本の人物や四季などを描いた屏風や掛軸や彫刻が見られるのですが、
2016idemitsu2.jpg
わたしの目的はこれです!10年振りの公開、伴大納言絵巻!!
これを見るためだけに今回行ってきました!!!\(^o^)/
866年に実際に起こった応天門の変(放火された応天門が全焼し伴善男が犯人とされ流罪になった事件)を
平安時代末期に絵巻物として制作したものです。
(一説には後白河法皇の命により常磐源二光長という絵師が描いたとされます)
伴大納言絵詞とも呼ばれる国宝絵巻の全3巻を
1期に上巻、2期に中巻、3期に下巻とそれぞれ展示してくれるのですよ~。
特に上巻は群衆と応天門の描写が圧巻であることで有名で、
画集や研究書で何度も見ているあの場面がナマで見られると思うとテンションが爆上がりしすぎて
前日に胸やけと腹痛を起こすレベルで楽しみでした。。
いざ当日、絵巻の前に立ったらそれどころじゃなくなってお腹痛いのも吹っ飛んじゃったけどね…。

応天門の一大事ということで検非違使たちが出動していく場面から絵巻は始まります。
鎧をつけて武具を背負った騎馬武者や、武器や松明を手に徒歩で現場に向かう者など様々で
表情はもちろん、しぐさも走り方もみんな違ってて個性が見えるのおもしろい。
人々が朱雀門を駆け抜けていくとそこは風下で、真っ黒な煙がもうもうと迫ってきていて
吹き荒れる強風の中を火の粉と火のついた木屑が降りそそいでいて
人々の烏帽子の動きを見ると風は同心円上に渦を巻いているのがわかるし、
後ろの方の人はもっと近くで見たいのか押し合いへし合いしていて
前の人は黒煙で目がしみるのか顔を押さえたり扇子で防ごうとするポーズとったりしてて
この絵師たぶん、火事現場を見たことある人じゃないかなと思った。
逆に風上側の会昌門ではのんびり見物する野次馬がひしめいていて
でも最前列の人はやっぱり炎を避けようとしていました。
上巻のクライマックスともいえる炎上する応天門は絵師の筆が大暴れ、
平治物語絵巻の三条殿夜討の火災やジブリの定家と長明展の炎上する朱雀門をを思わせるような
文字どおり舐めつくすような炎と煙がすさまじく、
強風にあおられて風下へ流れていく動きまで見えてくる感じ。
やっぱり絵師は火事現場を知ってる人じゃないかな(2度目)。
それにしても絵の具の赤色がとてもしっかり残っていて、出光さんの保存努力が伺い知れます。

その様子を遠くから見つめるひとりの男がいて、事件の犯人とされる伴善男を描いたと思われますが
後ろ姿で表情も読めなくて意味深。
君はだれ、何を考えているのって背中へ問いかけたくなる。
あと、これ絵巻なので描かれた当時は右から左へスルスル開くと絵が出てくる仕組みなわけで
見物する群衆の後にふいにこの男が出て来たら「誰おま!?」って声出しちゃいそうな気がする。

場面は変わって、伴善男から「犯人は左大臣源信だ」と聞いた清和天皇に対して
藤原良房が真相をきちんと確かめるよう進言するシーン。
え、え、そうなの??ってなったところで上巻は終わります。
史実としても有名な事件なので、この先どうなるのかはもちろん知っているのですが
それでもドキドキしてしまう終わり方だなあと思いました。
「書きつづけたいのを我慢して最高に盛り上がったところでその章をきりあげる」のが
本を書くコツだというムーミンパパのセリフがありますが、
まさにそんな感じで終わってて次回予告を見たくなるレベル。
しかも天皇と良房の会話を部屋の外で謎の男が聞いているのですが
(頭中将だった藤原基経とか、源信とか、藤原良相とかいろいろ説があるようです)、
これ推理小説とかだったら間違いなく犯人かその子分だよね(笑)。
あと、謎の男のそばにさりげなく衝立が置いてありまして
真ん中が破損しちゃってわかりにくいんだけど、たぶん東大寺が描かれてたんじゃないかな…
屋根の鴟尾と、吹きさらしの中に立つ金剛力士像が描いてあったので。

出光美術館にしては珍しくあまり混んでませんし、絵巻の解説冊子も500円で買えますし
行ける人は見に行った方がいいです。圧巻です。
この機会を逃したら次また10年待つことになります。
人の顔や背景など、ところどころ破損してる部分も周囲の絵の豊かさを見ていれば
じゅうぶん脳内補完が可能です。たぶん絵師の技量のおかげ。
(3巻全部合わせると400人近い人物がいるそうだ)
ところで応天門は現在、京都の平安神宮に再現されていますが
平安時代に建っていた門はもっと大きかったらしいですね。
(そして当時の応天門に掲げられた額の文字を書いたのは空海だけど
点をひとつ入れ忘れたので筆を投げ上げてつけたというかっこよすぎるエピソードがありますな)

今思い出したけど応天門の変はちょうど今頃起こった事件なんよね…旧暦閏3月10日(新暦4月28日)。
毎年この時期は善男を思い出してソワソワします。
ちなみに今年は変から1150年目です。


他の作品もすばらしいものがたくさんありました。
室町時代の日月四季花鳥図屏風は作者がわからないけど
右隻に太陽と雉、左隻に月と鹿が描かれていて
太陽と月(三日月)は金色の金属板がはめ込まれてるのがかっこよかった!
四季花木図屏風は紅葉や竹や松など四季折々の植物が描いてあるんだけど
狩野探幽による「土佐光信筆」という紙中座がでかでかと描きこまれていてビビりました。。
書いちゃったんかい!(笑)
そうだったそうだった、探幽は鑑定家でもあるんだった…しかし自信満々の字でした。いやはや。
吉野龍田図屏風は吉野の桜と紅葉を画面いっぱいに描いたもので
樹齢を重ねたりっぱな古木がそれぞれ桜と紅葉をどっさり咲かせている様子は
近くで眺めていると花と紅葉に包まれて匂いまで香ってくるような気がしてくる。

橘直幹申文絵巻は文章博士の橘直幹が「民部大輔になりたいです」と村上天皇に申文を出す一部始終を
絵巻にしたものですが(結局なれない)、
その申文を書いたのが小野道風と聞いて!
ちなみに村上さんは内裏が火事になったときその申文を運び出したかどうか尋ねているらしく
キャプションには余程の名文だっのではと推測されていたけど、
半分は道風の価値だと思ってしまった小野氏クラスタはわたしです(笑)。
冷泉為恭の雪月花図は、花宴に朧月夜を訪ねる源氏で花と月を、
香炉峰の雪のくだりから簾を上げる清少納言で雪を表現した2幅の掛軸。
佐竹本三十六歌仙「柿本人麿」「僧正遍照」はどちらもゆったりとした人物像がほほえましい。
西行物語絵巻は烏丸光広が本多富正からの依頼で禁裏から借り出して
俵屋宗達に模写を制作させたものだそうで、西行の一生を描いた絵巻の第1巻目。
手前に男性貴族たちがずらりと並び、背景の襖には四季折々の美しい景色が
やわらかな色づかいで描かれていました。
宗達は絵の具をべったり塗る人だけど、色がとてもやさしい。

修復を終えて初公開となる真言八祖行状図は壁いっぱいの掛軸8幅のセット。
もともとは奈良の内山永久寺(現在は廃寺)の襖絵として使われていたらしく、
修復されたとはいえ長い年月を経ているので色もだいぶくすんでいるようでした。
それでも目を凝らすと細かい描写が見て取れます。
やっぱり目がいくのは恵果と空海ですけどね…
皇帝を説得するために自在天を呼び出す恵果と、疫病を鎮めるために般若心経を唱える空海かっこよすぎ。
同じく永久寺に伝わった慶派の増長天像と持国天像はムッキムキのいい体してる!
おふたりとも鎧の袖部分にくわっと口を開けた顔がついてて
増長天は鎧のお腹部分にも怖い顔がくっついてた。
棒を振り上げて左右対称なのでお寺で仲良く並んでいたのかも、ふおおこのまま叩かれたい…!!

象がぼや~っと口開けてる普賢菩薩騎象図かわいいし、
早く救わなくちゃ!とばかりに斜め走りポーズで翔けてくる阿弥陀来迎図はもっとかわいい。
阿弥陀聖衆来迎図はいわゆる「帰り来迎」というやつで既にお迎えの人は救われていて、
阿弥陀の隣にいる観音菩薩の手の上に往生者が乗って
菩薩と比べると人形みたいに小さいのがおもしろかったです。
十王地獄図はとにかく巨大な掛軸で、地獄の10人の王と彼らの足元に広がる地獄の様子が
さっきの伴大納言絵巻のようにリアルに描かれていました。
八大地獄ひとつひとつに往生要集からの引用を書いた紙が貼ってあったのと
三途の川にかかる橋の上で人々を救おうと導く地蔵菩薩の姿が印象的。

俵屋宗達の月に秋草図屏風は、1年前に抱一の同じ題材を見まして
あれも月が黒かったけどこちらも黒いですな…抱一はこれを参考にしたのかな。
単純化した秋の七草を空間を大胆に空けて配置し、すっきりまとめていました。
対照的に隣の四季草花図屏風は伊年印(宗達工房)の作品ですが
秋の七草がぎゅうぎゅうに詰まって描かれていて植物図鑑みたいだと思った。
尾形乾山の梅・撫子・萩・雪図はそれぞれ小さな掛軸に描かれた4幅セット。
床の間にある袋戸棚の小襖絵として制作されたのを掛軸に仕立て直したようです。
本名である「深省」のサインがあり、80歳のときの作品とのことで
えっじゃあ、江戸で描かれた作品ではないか!
あと乾山のこういう、小さな正方形の作品を見ると
兄の光琳と合作した角皿を思い出しちまってわたしァ泣けてくるんだ…!
この兄弟は本当に萌えのかたまりです。けしからん。一生愛す。


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出光美術館を堪能した後は、電車で池袋に行って
東急ハンズにて開催中の「ねこ路地2016」に行きました。
猫グッズを制作している作家さんたちや企業が作品や商品を展示していて買うこともできるイベントです。
うにゃー何もかも全部かわいい!(=^ω^=)

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ハンズ1階入口にどーん。「ねこ好きとねこにおくるクッション」だそうです。
今すぐ埋もれて眠りたい。

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フェリシモ猫部さんのブースまじ最高。
猫の肉球クリームなどのスキンケア用品からにゃしゅまろやニャー麺など食べ物まである!
この間行ってきた妹が猫耳ヘアバンドを買ってきてお風呂上がりに猫になってたのですが
あれもフェリシモさんのグッズだったっけ。

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一番の目当てはこちら。わちふぃーるどのダヤンのコラボケーキ!
コラボレーション専門のスイーツ屋さんが作っただけあってクオリティは最高潮です。うおお。

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むちゃくちゃ混んでて30分並んでゲットしましたよダヤンケーキ!ダヤン…ケーキっ…!!
クリームとチョコで再現されたお顔もおてても最高にかわいい、かわいすぎる!!
例によって「かわいい~~もったいない~~~」とぼやきながら食べました。むちゃくちゃ甘かった。

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さがおうじさんの「さすらいねこ」クリアファイルと
ゴーあやのさんの「猫の図書館ブックカバー」もゲット。
どうでもいいけど、さすらいねこの「寝なければ終わる」は寝ないで作業するという意味らしいけど
わたしには「寝なければ(体調こわして人生が)終わる」と読めるので逆に眠気が出る絵だったりします。
かわいい。

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こちらは別の日に妹が買ってきたお土産。
ダヤンマカロンと肉球クッキー!肉球クッキーはハート型なんです!最高なんです!!
この世は猫に満ちている。
2016_04
09
(Sat)23:46

花よりだんご。

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前回記事にて家の桜が九分咲きとお伝えしましたが
本日、青空をバックに満開になった様子を撮影できたのでお知らせいたします。
うおお今日までもってくれてよかったー!

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春爛漫。うれしい。

そんな絶好のお花見&ハイキング日和で地元にも最寄り駅にもやたらと運動着姿の人たちを見かける中、
わたしは都内へブラブラお出かけしてきました。
どの辺りに、と言えばいいのか…とりあえず日本橋と銀座と有楽町と池袋です。行きすぎ。

まずは日本橋へ。
毎年開催されている全国銘菓展が今年で70回目なのですが、
今回は若手和菓子職人グループ「本和菓衆」と小説『和菓子のアン』がコラボする企画がありまして。
銘菓展スペースの一角に小説に出てくるお店「みつ屋」が再現され、
やはり小説に出てくるお菓子や登場人物をイメージしたお菓子が販売されると聞いて
しかも和菓子は数量限定とのことで早々に売り切れる可能性もあって
「これは絶対に開店と同時にお店入るんだ!」と意気込んで
乗ると決めていた時間の電車に乗ったにも関わらず。。
運のわるいことが色々重なって電車が遅れて、乗換えの電車にもうまく接続できなくて
そのままズルズル遅れて結局、予定から30分遅れて日本橋高島屋へinしたら
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正面入口にこんなのがありまして☆
赤坂にある日枝神社で毎年6月に行われる山王祭(江戸三大祭のひとつ)にて
神幸列で神社の人たちが着る衣装が展示されていたのです。
神主や総代、実行委員長など役職によって細かく決められているそうだ。

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諫鼓鶏の山車。
古代中国の堯帝が「門前に太鼓置いとくから政治に不満があれば鳴らしてね」と民衆に呼びかけたところ
特に誰も鳴らすことなく太鼓は苔むし、あるとき鶏が止まっていたという逸話から
天下泰平を象徴するおめでたい鶏だそうです。
神幸列ではこの山車が先頭を行くようです。太鼓の龍もかっこいい。

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御幣をかつぐ猿の山車人形。
日枝神社の神使が猿であることと、申年にちなみ展示されているとか。

展示を堪能した後は全国銘菓展の会場を探したのですが
1階にも地下にもどこにもなくて、さすがにおかしいと思ってスマホでぐぐったら

会場:日本橋三越

アホかーーーーー!!!!!(ガシャーン←ちゃぶ台返し&爆笑)

電車の遅れと自分の大ドジとで何だか出だしが最悪ですが、
高島屋の展示はドジしなかったらスルーしていた可能性もあるのでまあ良しとしよう(それもどうなの)。
それにしても前日に何度も何度も確認したはずなのになぜ高島屋だと思ってしまったのか…トホホ。
(【答え】たぶん三越ホームページではなく、ニュースやお知らせ記事で見ていたせいと
最近やたらと高島屋でお菓子買いまくってたせいだと思う)
思いこみってこわい。

とにもかくにも全速力で走って歩いて三越に到着。(気温が高かったのでめっちゃ汗かきました)
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やっと!全国銘菓展の看板をみつけたぞ!!

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みつ屋のスペースに来たら案の定、売り場もレジも長蛇の列でした。。
小説に関する会話があちこちから聞こえてきて、改めてあの本のファンの多さを実感するとともに
若い人たちがたくさん来ていたのもよかったなあと思います。

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行列に並んで待つこと30分、やっと売り場の前に出たらほとんどのお菓子が完売御礼で
買いたかったおとし文も曲水も秋の道行きも売り切れでした。
特におとし文のエピソードは第1話なせいかすんごい印象に残ってるし
秋の道行きも超絶いいシーンに出てくるのにー!むきゃー!!!
悔しい…自分の大ドジのせいですほんと悔しい(´Д⊂)

スペースにいた職人さんも「予想はしてたけどまさかこんなに来てもらえるとは」とおっしゃってて
和菓子の制作も追いつかなくて嬉しい悲鳴とのことでした。
(250個くらい用意した和菓子があっという間になくなった日もあったそうな)
「どら焼きは焼きたてだと熱すぎて運べないので冷ましてから届きます」とか
「秋の道行きは今地下で職人がすごいプレッシャーの中作ってて午後には来ます」などと聞いて
心の底から震え上がりました。
職人さん本当にお疲れ様ですありがとうございます!
おかげでわたしたちは毎日すてきなお菓子をいただけます…。

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原作者・坂木司さん直筆のメッセージもあちこちに飾られていました。
こちらにも書きましたけど、『和菓子のアン』は本当にふくふくしたやさしい本で大好きなのですが
こういうの見ると坂木氏ご自身ふくふくした性格でいらっしゃるのではないかと思ってしまう。

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何とかゲットできた上生菓子はおまんじゅう・薔薇・はじまりのかがやきの3つ。
おまんじゅうは小説の表紙にもなっているし(ちゃんとみつ屋の焼き印が押してあるの完璧ですね)
主人公アンちゃんが「みつ屋」でバイトすることが決まった日にぱくりと頬張った記念のお菓子だし、
薔薇は1話の中にさりげなく出てくるし、
はじまりのかがやきは続編『アンと青春』で立花さんがアンちゃんにあげた小箱に入っていたもので
ゲットできてよかった。
(余談ですが『和菓子のアン』のタイトルは赤毛のアンからとられていると思うのだけど
赤毛のアンの続編も『アンの青春』という翻訳がついていまして。
そういう演出をしてくれたのも、この本を読みたくなった理由のひとつだったりします)
手前に並んでいる色とりどりの丸い羊羹は「みずのいろ(和菓子のアンの景色)」といって
登場人物をイメージした色がつけられているとのこと。
あと辻占煎餅もおもしろそうだったので買いました。

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みつ屋のパッケージも本格的。
辻占をかじったら、坂木氏の「和菓子を以って貴しと為す」の有難いお言葉が(笑)。


三越を後にしてから、すぐ近くにある奈良まほろば館にも寄りました。
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館内に展示されていた春日大社の釣燈籠。社殿の回廊にズラリと並んでいるあれです。
こちらは江戸時代(1772年)の奉納だそうで、目の前で見るとかなり大きい。
春日大社は今年の11月に式年造替の本殿遷座祭が行われますし、
来年には東博で「春日大社展」も決まっていますね。

あと!まほろば館でもらってきたのですけど
今年の平城京天平祭のチラシものすごくいいです!!→こちら(PDF注意)
たくさんのイベント写真は見るだけでワクワクしますが
上のとこにある「平城京天平行列」の欄に皆様どうぞご注目を。
衣装や隊列の位置まで図入りで細かく説明されていてそこも大変すばらしいですけど
左端の写真、詔を発する元明天皇の後ろ姿が!サイコー!!!(落ち着け)
藤原京から平城京に遷都されたときの天皇が女性というのはあまり知られていない気がしますので
(教科書にも載ってないし)このお祭を機に色んな人が知ってくれたらいいな。
ちなみに元明天皇は天智天皇の子で草壁皇子(天智の孫)と結婚して
元正天皇と文武天皇を産んだ人だよ。ややこしいね。


まほろば館を後にして、電車で移動しようかとも思ったのですけど
朝に電車が遅れたのが何となくトラウマだったし電車賃も浮くし運動にもなるし歩こうかなと思って
日本橋から銀座まで20分ほどお散歩。
歌舞伎座のおかげですっかり通い慣れた銀座4丁目の交差点から横道に入って
カフェコムサ銀座へやって来ました。
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なぜここに来たかというと伊藤若冲生誕300年記念ケーキが食べられるから!

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細見美術館所蔵の「雪中雄鶏図」をイメージしているそうです。
お皿に抹茶の竹を再現してくださって雰囲気バッチリ、ケーキは雪と鶏に見立てられているのかも。

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この角度から見ると尾羽をふりふりしながら鶏冠を立てて歩きまわる鶏みたいな感じがする。
若冲ケーキは明日までだそうなので、行ける人は良かったら行ってみてください~。

で。
この後は有楽町の出光美術館で美の祝典展を見て、池袋のねこ路地にも行ってきたのですが
長くなりますので次回記事にて書きたいと思います。
2016_04
04
(Mon)23:50

春霞。

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毎年恒例、我が家の桜が咲きました~☆
九分咲きくらいですけど、今週は曇りや雨の日が続くということで
たぶん満開になる頃に写真撮っても背景は白いだろうなと思って青空だった日に撮影。

2016sakura2.jpg
天気予報が外れて晴れの日が1日くらいないかなァ、青空をバックに満開の写真撮りたい。

「春雨はいたくなふりそ桜花 まだ見ぬ人に散らまくも惜し」山部赤人
(新古今和歌集巻二・一一〇番)


で。
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土曜日に川越は新河岸川沿いの桜並木を見に行ってきたよ!
ずいぶん前に見た気がするのですが記憶があいまいで、たぶん初めてに近いと思う。

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お天気はあいにくの花曇りでしたが八~九分咲きくらいで見頃、とても綺麗でした。
人出も多くて、車の通りの少ない道は一部が歩行者天国になっていて
シート敷いてお弁当食べてる人たちもいました。
また、新河岸川は川越氷川神社の後ろを流れる川なので
結婚式の人たちが神社からやって来て写真撮影されててすっごく素敵だった^^

kawasaku3.jpg
どれも川の上までせり出してとても立派な樹。
戦争で亡くなった人たちの慰霊のために植えられた桜で、いまちょうど還暦くらいだとか。
花守さんがいらっしゃるのかわかりませんが
この美しさを保っているのは大事にしてる人たちがいるからだろうなあ。

kawasaku4.jpg
提灯は夜にともるのかと思っていたら、よく見たら灯っていました。ほんのりぼんぼり。

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

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