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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


猫と若冲。

  1. 2016/05/30(月) 23:53:59_
  2. _ tb:0
  3. _ comment:4
nekolion1.jpg
最近は猫イベントが多くてほくほくしているのですが、
今度は日本橋三越のギャラリーにて開催中の岩合光昭さんの写真展「ネコライオン」に合わせて
三越本館・新館の全フロアが猫まみれになる、というのを聞きまして、
その名も「ねこ・猫・ネコフェスティバル」なるフェアに行ってきました☆
行ったらお店のディスプレイから商品陳列、カフェのメニューまで猫、猫、猫尽くしだった。

nekolion2.jpg
本館表のショーウインドウは全部こんな感じ。
大きな猫から小さな猫まで、マネキンさんと戯れる猫さまがいっぱい^^

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ライオン口から入るとこんな方が迎えてくれます!でかい!
ネコライオン展のキャッチコピーが「ネコは小さなライオンだ。ライオンは大きなネコだ」なのですが
ここにいるのはライオンよりも大きなネコですね。
フォトスポットになってるので色んな人が写真を撮っていました。

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各階のインフォメーションの時計に猫さまがじゃれつくディスプレイもおもしろかった!
写真は室町口インフォメーションの時計。

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エスカレーターの階表示からヒョッコリ顔出す猫さまたち。
表示の後ろに回るとお尻が見られます(笑)。

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館内にもマネキンさんと戯れる猫さまたちの姿が。
レディスにメンズ、ファッション雑貨やインテリアや小物売り場にまで猫さまフェア目白押しで
世の中にはこんなに猫グッズがあふれているのかと!
わたし服とかステーショナリーくらいしか持ってないけど小物や雑貨も猫で揃えたくなりました。
4階の着物売り場で猫着物や猫帯たくさん見られて楽しかったー!

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こんな人たちもいました(笑)そうだった、彼らも猫さまでした。

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ネコライオン展の入口にいたライオンさん&がっちゃんズ!
(がっちゃんについてはイワペディアにて岩合さんのお話をどうぞ→こちら
すげぇ本当にネコライオン展ですわ…
ちなみにライオンさんはどこかの店舗を引退した方らしく、
三越の地下にいらっしゃったのを今回の展示にあたり運んできたという体重300kgの巨漢です。

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がっちゃんの大あくび^^
『ねこ輝く』の表紙みたいに大きな口あけてますな、かわゆすなあ。
ちょっと見づらくなっちゃってますが看板のネコの文字の下に岩合さんのサインがあります。

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スタンプラリーもやったよ~。
館内3か所を回ってスタンプを集めると猫科判子さまのかわいい付箋がいただけますぞ。
あとQRコードを撮影すると岩合さんの限定ムービーとか見られたはず。

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各階のレストランや喫茶でかわいらしい猫メニューもいただけるのですが
どこへ行っても行列ができていたので今回は諦めました。。
フェスは再来週までやってるのでリベンジできたらするぞ~。

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地下1階のたもかみで買った「ネコ弁当」を屋上でいただきました。
買ったとき店員さんが猫耳つけてて、かわいいですねって言おうかと思ったけど言えなかった。。

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連れて帰ってきたおやつ!
ラ・セゾンの「猫パン」、セゾンドセツコの「ねこチョコレート」と鈴蘭、菓匠花見の「ねこ」、
KITAYA六人衆の「ねこまんじゅう」と「肉球まんじゅう」。
彩果の宝石のネコゼリーも欲しかったのに寄ってくるのを忘れてしまいましたorz
あと文明堂で売ってた岩合さんのイラスト入り「ねこカステラ」が最高でした。

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ねこチョコレートがちょっとわかりにくいのでアップ写真を。
ハートがちょこんとあるのかわいいし、鈴蘭は季節限定とのことでいただいてきました。
季節の和菓子もあれば季節のチョコレートもある。


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三越を楽しんだ後は、学習院大学に移動して春の公開講座を聴いてきました☆
以下、メモと所感を書きます。

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先日幕を閉じた若冲展の監修をされていた小林忠氏の講演会です。
伊藤若冲の生涯についてや、動植綵絵と釈迦三尊を始めとする作品をスライドつきで解説してくださって
展覧会を見た後なのでよい復習になりました。
1971年に東博で動植綵絵の展覧会をやった時(担当は当時学芸員だった小林氏)はあまりヒットせず、
図録も1000部しか作らなかったというお話は前にも聞いたけど
今回の若冲展の最終的な入場者数は約44万6000人、図録が15万部売れて
連日大混雑の会場にはメガネや万歩計の落とし物が相次ぎ、
最終日の行列の最初の人は午前2時から並んでいたらしい。
「皆様に大変ご迷惑をおかけしまして」と客席に頭を下げる先生を見て途方に暮れそうになりました。
1ヶ月間の若冲ブームならぬ若冲現象だったわけですな…いやはや。

作品解説は「展示を見られなかった方のためにできるだけ綺麗なスライドを用意しました」とのことで
大きなスクリーンに絵を映してくれました。
(実際、わたしの席から近い人が大行列のため諦めたと世間話をしておられた)
動植綵絵の肌裏紙(絹は透けるので支えるために裏に貼る紙)のお話、
一般的には白が使われる肌裏紙ですが、動植綵絵の場合はを墨に近いグレーで染められており
これを外すと全然違った印象の絵になるとのことで
比較画像を出してもらったら確かに白く明るい絵と深みのある暗い絵になっていて
どちらかというと見慣れた後者の方に味を感じました。
また、動植綵絵は多種の動物や魚たちが同じ画面にいる絵があって
それらは本来の生態を考えるとありえないけど
(子タコが親タコの足にくっつくことはない、と前に特集番組でさかなクンが言ってたよね)、
お寺に奉納された絵ですから「仏様に見てもらいたい風景」を若冲は描いたのではないかとのこと。
涅槃経にある草木国土悉皆成仏みたいな、
すべての生き物が成仏できるという考え方のもとに仕上げられているのかな、
とすると動植綵絵は祈りの絵でもあるんだな…。
あと孔雀図は尾羽に色が入ってますけど
現実の白の孔雀は尾羽まで真っ白らしいのであれも若冲のファンタジーみたいですね。
ただ、群鶏図のカラフルなニワトリちゃんたちについては
先生が秋篠宮(鶏の研究者だそう)邸を訪ねて打ち合わせの際に聞いてみたところ
「いたでしょうね」との返答があったらしく、
さすがに観察して描いた動物はファンタジーにしなかったのでは、とのこと。
そういえば今回の展覧会にも来ていたプライスコレクションの虎図には
「自分(若冲)はいつも本物を見て描くけど虎は日本にいないので中国の絵を模写しました」的な
お断りの文章がわざわざ絵の中に書いてありましたっけ。

メアリー・バーク氏のコレクションのひとつである月梅図は若冲が隠居して間もなく描いた絵で
ほのかな月光と咲き誇る梅の花に解放感を感じる、と先生。
余談で、若冲を含むバークコレクション展をメトロポリタン美術館で行った際に
キャロライン・ケネディ夫妻が見学なさり先生がご案内されたそうで(夫妻はMET勤務経験あり)、
夫のエドウィンさんが「若冲の画材は筆かペンか?」と尋ねられるほど緻密な画風に驚かれたらしく
先生もうれしかったとのことでした。
今回の展覧会にて西福寺の仙人掌群鶏図襖を都美術館に搬入するとき、
運送の際に傷んではいけないので引き手を外して運び展示ケースに置いたとき付け直したそうですが
先生が立ち会われて引き手をつける前の写真を撮影されていまして、
それも見せてくださいました。
普段は引き手で隠れている部分のサボテンは鮮やかな緑色でした…
日光や空気に触れないため当時の色のまま残ったわけですな。貴重な一枚。
また、若冲の筋目描きの名付け親が先生だったり
墨色の肌裏紙がある絵とない絵では効果が全然違ったり
肌裏紙・裏彩色・絵絹・表面と4重にすることで絵に奥行きを出していたりするなど
知らなかったことをたくさん教えていただき勉強になりました。
雪中鴛鴦図の小鳥にスパッタリングの雪が飛んでるとか気づかなかった…!
次に見る機会があったらよく観察したいと思います、三の丸尚蔵館はやく再オープンしないかな。

講演中、先生は若冲に並ぶ絵師として北斎を挙げられて
2人を「独学の良さの典型例」と表現なさいました。
どこかの流派に属さず自分の描きたいように描いた人たちで、
北斎はみずから画狂人と名乗っていますが、若冲は画遊人であると。
絶筆に近い若冲の鷲図と、北斎の絶筆といわれる雪中虎図を比較なさって
虎図は雪の中を這いつくばる北斎の姿であり、
鷲図は老境を悟りあの世へ飛び立とうとする若冲の姿ではないかと。
先生は時折、詩人のような解釈をなさることがあるのですけど今回は拍車がかかってたな…。
動物に自分を仮託する技法はよく聞きますし、
実際、2人の晩年の絵には研ぎ澄まされた技術の中に心境や思想が垣間見える気がする時もあって
本当のところどうだったんだろう~などと考えてしまいます。
まだまだわたしたちは「千載具眼の徒」には到達できていないのかもしれない。

そしていつものことですが、学術的なお話を聞くと調べたいことが爆発的に増えます!
まずは酒井抱一の絵手鑑からだな…若冲の玄圃瑶華から写した絵が入ってるらしくて
しかも若冲はモノクロ版画ですが抱一は色をつけているそうな。
絵手鑑は琳派や狩野派、円山派ほか多くの絵を抱一が引用してまとめたもので
全ページは見たことないのでどこかで見られないだろうか。
近頃はネットで画像公開するミュージアムが増えてきたからな…探してみよう。
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テーマ : ねこ大好き    ジャンル : ペット

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Author:ゆさ
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歴史やアートも溺愛中
最近は新幹線とシンカリオンも熱い
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