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2017_10
29
(Sun)22:20

感謝祭。

10月のお菓子は豊作ですよー!!ハロウィン(秋の収穫祭が起源)だけに。
今月に入ってから黒猫ケーキとか黒にゃんこパンとか、ちょこちょこ写真を載せておりますが
他にもいくつかゲットしたのでご紹介します。

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くらづくりの感謝祭(左)と、花扇のハロウィン(右)。
ここ数年でハロウィンにちなむ意匠の和菓子はすっかり定番になってきておりますが
ジャックオーランタンはお店ごと、下手すると職人さんごとに顔が違って見比べるのが楽しいです。
帽子をかぶったカボチャも素敵☆

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西武池袋の京都名匠会にて俵屋吉富のハロウィン和菓子。
右のおばけちゃんも、中央の目が〇と△になってるジャックオーランタンもかわいいし
左のハロウィンナイトは三日月に飛ぶコウモリがかわいい。結局ぜんぶかわいい。

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神楽坂にある梅花亭のハロウィン和菓子。
おばけちゃんのファンキーなお顔にジャックオーランタンの口裂けっぷり、奥は棺ですよ棺。
棺桶も…お菓子にできるんだね…!
中の人がいたらどうしようと思ったけど2つに割ってみたら白あんでおいしかったです。

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新宿高島屋「若き匠たちの挑戦」から引網香月堂「いたずらおばけ」、日の出楼「栗ひろい」。
何かと何かをドッキングさせるのは引網さんの得意技ですがおばけが2体くっついたらイタズラも2倍になりそう^^
栗ひろいは濃厚な栗あんでした…これは、いい栗だぜ(何)。

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池袋東急ハンズのハロウィンケーキから、ミイラ男とゾンビです。
他にもフランケンシュタインの怪物とかドラキュラとか狼男とか色々いましたけど
何となくかわいいなと思ったミイラと造形がすごいなと思ったゾンビをゲット。
ミイラ男の顔は竹炭と聞いてシャレになんないと思ったし片目にかかる包帯のバランスが絶妙だし
ゾンビはチョコクッキーの土を掘ったらティラミスが出てきました。
墓石のR.I.P(Requiescat in Pace)が赤色なの不吉でしかない。まさにハロウィン☆

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セブンイレブンに売ってたミッキーとミニー。前にも記事を書いた食べマスのシリーズです。
オバケの格好をした2人が手を振っててかわゆい☆
Trick or Treat??って声が聞こえてきそう。

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こちらもセブンにいたハロウィン限定の黒猫チョコケーキ。
一瞬トトロに空目してしまったのですが商品名を見てああ、猫かと拍子抜けしました。
だって似てませんか…トトロを黒くしたらこの顔になりませんか…ゴニョゴニョ(自信無)。
猫は耳がもう少し大きいんだけど、これ以上大きくしちゃうとプラスチック容器の蓋ができなくなっちゃうんだろうね。

こうしてみると思っていたよりかなり買ってる自分に気づいた…
でもハロウィンはお菓子を用意していたずらに備える行事でもあるからいいのだ…。
(と言い聞かせて今日もお菓子を買う日々です)
目で楽しめて食べて楽しめるお菓子がこの世にこんなにある喜びに感謝します。
関係者の皆様いつも本当にありがとうございます。( ˘人˘ )


2017akiokashi.jpg
秋の和菓子もきてるよ!
日の出楼の秋の息吹は地面からひょっこりのぞく小さなキノコがかわいらしくて
しろ平老舗の紅葉は緑から赤や黄色に色づいていく葉っぱで、金はその輝きかなと思う。
奥は俵屋吉富の亥の子餅です。
過去に老松やとらやの亥の子餅はいただいたことありますが俵屋さんのは初めてです~。

2017temari.jpg
西武池袋の卯花墻にて手鞠のてまりと菊。秋はまだこれからだ。
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2017_10
24
(Tue)23:50

海上400マイル。

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活版工房丹さんの立体カード「遣唐使船」が届きました!
先日、ことのまあかりさんのツイートを見て
「ここここれは何としても我が家にお迎えせねば!!」と気が狂いそうな思いをしていたのですが
有難いことに早々に通販を始めてくださったので光の速さで注文しました。
玄関のポストに届いているのを見つけたときは「来たっ」て声出ちゃったし
封筒を切るときもドキドキわくわくしながら手がめっちゃ震えたけど無事に取り出すことに成功。
こんなに心拍数を上げながら取り出す郵便物も久しぶりです。

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いくよ!開けるよ!!

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スゲーーーーー!!!*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*(落ち着け)

Twitterに開けたときの動画をアップしております→こちら
ちょっとバタバタっとしてしまっていますが雰囲気だけでも感じていただければ…;;
これを開いたときの感動は忘れられそうにない、
カードから遣唐使船が立ち上がるなんて先月までのわたしには思いも寄りませんでした。
「拝啓、2017年9月のゆさへ」と題して今すぐ手紙を書きたい…
10月にとてもいいことがあるからそれまで生きてね、みたいな。

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見てくださいよこの再現度。
同封されていた説明書きによりますと、
奈良の平城京歴史館に展示されている遣唐使船(2010年復元)が元になっているとのことで
あの遣唐使船は何度も見たことがあるので断言する!これものすごいハイクオリティ作品だぞ!!
そっくりだし、細部まで美しいし、何より品格が感じられます。
国の代表として派遣されていた船がモデルなのでかっこよさが大前提なわけですけども
見れば見るほどとにかくかっこいいと思いましたよ。
職人という職業の人々に尊敬の念を抱いてだいぶ経ちますがもうもう、大尊敬が止まらない。
すばらしいお仕事ですありがとうございますありがとうございます!

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船首。雑居部屋も賄い部屋もあるよ…。
(吉備大臣入唐絵巻などに描かれる遣唐使船の上には3つほどの屋形があって
前方の部屋は留学生や僧侶たちが雑魚寝したり料理をする部屋だったのではないかと考えられています)

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やや船尾寄りのここが遣唐大使の部屋。
こうしてみると船室少ないよね…上に入れない人は船の内部で寝起きしていたんだよね。

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後ろから。
網代帆もきれいに再現されてて、この帆が風を受けて船が大海原を走ると思うとたまりません。
航跡も切り抜かれていて雰囲気も抜群ですね…行ってらっしゃい~~とか手を振りたくなる。

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こちらは船尾部分ですがここと船首部分と2箇所だけがカード本体に接着していて
あとは紙から浮いてます。
開いたり閉じたりするときにかすかなカサカサという紙の音が手作り感を誘います。素敵。

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平城京遷都1300年祭公式ガチャ「せんとくん平城立体図録」の遣唐使船と一緒にパチリ。
(このシリーズも結構クオリティ高くて当時かなり驚いたんだよな…)
これで我が家の遣唐使船が2隻になりました。うへへ楽しい。

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猫さまと大きさ比較。
こうして背後にいると遣唐使たちをお守りしてくださる海神様や観音様に見えなくもない。
南無海龍王神、我らの船を無事に日の本へ至らしめたまえ。(Byドラマ『大仏開眼』玄昉)


本日のお絵かきもどき↓
kentoshisen_10.jpg※クリックで大きくなります
遣唐使たちが乗ったらこんなかなあという妄想加工絵。
Twitterに載せた画像はやっつけ気味に玄昉と真備のみ乗ってもらってますが
せっかくなので人を増やして飛沫もとばしてみました。
人物たちは遣唐使のおはなしの過去絵からコピペしています。
*遣唐使のイラスト記事一覧はこちらです*


余談ですが先日まで読売オンラインの正倉院展特集ページで「遣唐使物語」なる記事が連載されていて
それぞれ阿倍仲麻呂、吉備真備、玄昉、井真成、聖武天皇について書かれていたのですが
中でも真成の記事の「衣装に詳しかったのでは」の記述にわたしァ涙が出たよ…!
墓誌の「礼楽を蹈みて衣冠を襲い」や玄宗からの贈尚衣奉御などを考えると
衣装の勉強をしたのではないかという説があるそうです。
彼が唐で何をどんな風に学んでいたかとか、もう少しでいいから詳しくわかる日がいつか来るだろうか…
36歳で客死した真成ですがもし生きていれば仲麻呂や真備みたいに活躍したかもしれないよね。ぐすん。
(いつになくセンチメンタルですが、もう遣唐使については感情が振り切れるどころか一周してるので
ひとしきり噴出すれば沈静化しますのでどうぞご安心ください。
あと奈良県におかれましてはいつぞやの遣唐使船ペーパークラフトをJPGでもPDFでもいいから
オンライン化してDLできるようにしてもらいたいです。作りたい)



123,456Hitありがとうございます!
特に何かする予定はないのでお礼だけ言わせてください、
いつも来てくださる皆様、拍手やコメントくださる皆様、通りすがりのあなたもありがとうございます!
これからもマイペースに続けていきますので気が向いたら構ってやってくださいませ。
どうぞよろしくお願いいたします(*´∀`*)☆
2017_10
20
(Fri)23:53

第2333回「最近読んでいる本や好きな本は何ですか?」

こんにちは!FC2トラックバックテーマ担当の神田です
今日のテーマは「最近読んでいる本や好きな本は何ですか?」です
食欲の秋、運動の秋など○○の秋というフレーズがたくさんありますが、やっぱり「読書の秋」は欠かせません!
小学生の頃にはよく「秋の読書月間」とかやっていたなぁと感じます...
FC2 トラックバックテーマ:「最近読んでいる本や好きな本は何ですか?」


読書の秋ですねえ。
最近読んだ本は高楼方子さんの『街角には物語が……』で
具体的に地名は記されませんがヨーロッパ風の旧市街が舞台の連作短編集です。
6編のお話にそれぞれ主人公がいて、彼らはみんな想像力が豊かで
部屋の窓から見える光景からたらればを妄想したり、仕事先の同僚の転職理由を本当かな?と疑ったり
友達とのティータイムに話が続かない理由を考えたり、おじさんのくれた瓶に一喜一憂する少年がいたり
子どもの頃からずっとシューティングゲームを続ける男性にお店の夫妻が想像をめぐらせたりと
想像の中で自由に遊ぶ人も、自分の想像に自分でおびえてしまう人もいる。
中には本当に不思議に遭遇する人もいて、絵本の表紙に描かれた少女に
「わたしと入れ替わってみない?」と誘われてOKしてしまう少女は
ちっとも怖がらずにあっさり受け入れて夢を見続けていて…果たして街に戻ってくるのかどうか。。
恋人の真正面の顔しか知らないという青年に占い師が助け舟を出す話が一番何でもなく終わったな…
高楼さんはこういう、ぞくっとする話としあわせな話を組み合わせた物語づくりがうまいので
毎回、これどうやって終わるんだろう…とドキドキしながら読めるのが楽しかったりします。
オチもああよかった!と思うときと、ん?本当に良かったのかな…と思うときと
いやいやいやいやいやってなるときと、おお丸く収まったすげぇ…ってなるときがあります。

あと平松洋さんの『猫の西洋絵画』にて油絵や水彩画の猫たちに癒されました(=^ω^=)ニャー
18世紀~20世紀の、主にヨーロッパの画家たちによる猫の絵が紹介されていて
(それまで絵画の脇役だった動物たちが絵のモデルとして描かれるようになり
動物画というジャンルが確立されてきたのがこの時代なのだそうです)、
猫たちが中心の絵が多いのですが子どもたちや女性たちと一緒にいる絵もあって
どの子も目がくりっとして毛もふわふわで、猫をよく知っている人たちが描いてるなあと思う。
過去に猫まみれ展で見たアンリエット・ロナー=ニップ(この本ではヘンリエッタ・ロナー=クニップ表記)の絵もあり
黄色いクッションに白猫がゆったりと座って、周りに子猫たちが寄り添って寝たりごはん食べたりして
思い思いの行動をしながら過ごしているのがほんとにかわいい^^
あと猫関係の本では『猫SF傑作選 猫は宇宙で丸くなる』とか『猫ミス!』が気になっていて
どちらも数人の作家たちによるアンソロジーなので読んでみたい。
桜井海さんがTwitterで連載している『おじさまと猫』もほのぼのしてかわいいマンガです、おすすめ。
映画「劇場版岩合光昭の世界ネコ歩き」もそろそろ公開されますね。

マンガですと最近読んだのは浅野りん『であいもん』、宇佐江みつこ『ミュージアムの女』、
大柿ロクロウ『シノビノ』、小沢かな『ブルーサーマル-青凪大学体育会航空部』、
桐丸ゆい『江戸の蔦屋さん』、小林ロク『ぶっカフェ!』、さもえど太郎『Artiste』、
白浜鴎『とんがり帽子のアトリエ』、鷹野久『バスキュレ』、灰原薬『応天の門』、ユペチカ『サトコとナダ』
あたりですかな。
であいもんは和菓子が猛烈においしそうだし、バスキュレは硬派な世界観がすごく深いし
ぶっカフェは天上天下唯我独尊~!って言いながらドンペリ開けるの最高に笑ったし
江戸の蔦屋さんは鳥山石燕と喜多川歌麿の師弟関係が個人的にツボでかわいかったし
シノビノはおっさん忍びが渋かっこいいしサトナダは2人のスパイス的な日常生活がゆるかわだし
ミュージアムの女の美術館あるあるは同意と尊敬と戒めのオンパレードだった。
ブルーサーマルは熊谷市が舞台の青春マンガですので埼玉県民のみなさま読んでみてくだされ、
コミックバンチのサイトで一部無料で読める話もありますぞ~!
(ガイコツ書店員本田さんにWebで売れたマンガは紙でも売れる法則の話が載ってたけどあれ超わかる…
最近は余程一目ぼれしたり自信がない限りはジャケ買いしないので
数ページでも1話でも1冊でも試し読みができるのは本当に有難いです。
仕事や趣味など色んな理由で本を読む日々ですが勘で全部買ってたら当たり外れもあるので
本棚に置き場所がなくなるし(ゆさは電子書籍推進派の紙書籍派です)、
お財布と相談したり図書館で借りて読んだ中でうおおおお!ってなった本を手元に置いてます)


好きな本に関しては自己紹介記事や過去記事に何度か書いているので割愛しますが
相変わらず本の好みは変わってないように思います。
絵本や児童書、エッセイ、マンガ、画集、古典、学術書などを主に読んでいて
一般小説や歴史小説は気が向いたり気になったタイトルがあったりしたら読みます。
最近読むようになった作家さんは辻村深月さんや松田青子さんですね~。
色んなこと想像したり考えたりしながら読める文章を書く人たちなので
読み終えると「うおお読書した」って実感します。汗をかくほどじゃないけど充実した時間というか。
話題のカズオ・イシグロ氏の本は過去に『浮世の画家』と『わたしを離さないで』を読みましたが
どちらも読了後にどっと疲れた覚えがあるな…彼の本は体力のあるときじゃないと読めないですね。

なぜかわからないのですが昔から文字や文章が好きで、親に本読んでって絵本を持って行ったり
布団で読んでもらってる最中に親が寝オチしたら「続きは!?」って起こしたり(疲れてたんだろうなぁごめん)、
読めるようになったら家の本棚から手ごろな本を勝手に引っぱり出して読んだり
子ども向けではない本もほとんど意味がわからなくても読んだし(それで知った言葉もたくさんある)、
国語の教科書や社会科の資料集はもらった時点でさっさと読んじゃったし
学校の図書室には入り浸ったし図書委員も何度か経験してる。
物語だけじゃなく辞書や年鑑、統計、時刻表、楽譜、同人誌なども読むの好きだし
本の帯や雑誌のアオリ文、新聞、パンフレットやチラシ、広告、ゲーム画面の説明文やセリフ、
缶や瓶のラベル、ファストフード店のトレイに敷いてある紙、神社やお寺に貼ってある〇〇の言葉みたいな貼り紙、
石鹸やシャンプーのパッケージのフローラルの香りみたいな宣伝文なども面白がりながら育ってきまして
そんな日々に今はネットが加わってしまったのでもはや飽食状態。常にお腹がいっぱいです。
ブログやTwitterはどんどん言葉が流れてくるからつい時間を忘れて読んでしまいます…
あれも一種の読書だよね。
2017_10
16
(Mon)23:50

どうしてなの?

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上野の森美術館の「怖い絵」展に行ってきました。
ドイツ文学者の中野京子氏の著書『怖い絵』をヒントに
絵に込められた物語や時代背景を読み解きながら鑑賞しようというコンセプトの展覧会です。
(中野氏は展覧会の監修も務めキャプションにメッセージを添えておられます)
本は出版された当時に読んでいますが、そのラインナップが来日するのかと思いきや
今回は展覧会のために改めて選ばれた作品が展示されています。
本に載っていた絵もいくつかあったので「おーこれは」などと読書当時を思い出したりもしました。

ベストセラーの企画のため初日から大混雑と聞いて、公式の混雑情報も確認しつつ行ったら
入場までだいぶ待つ羽目になったし会場でも絵の前に常に10人くらい人がたゆたっていたよ…!
こりゃ会期末まで混む一方な気がする。
あと音声ガイドを借りている人が多く、彼らは解説を聞き終えるまで絵の前で不動明王になるので
それも混雑の要因になっている気がします。
いや、せっかくだし解説ゆっくり聞いてもらっていいんですけどね。キャパがね。会場の問題ですね。


幽霊や妖怪、地獄絵、ホラー、グロ絵画など恐怖をテーマにした展覧会はたくさんありますけど
今回は見たままに怖い絵のほかに一見、怖くないと感じる明るい絵や何気ない日常風景の絵も
視点を変えたり歴史や画家の背景を知ると「あれ、もしかして怖い絵だったかも」とか思えてきて
絵画の見方が深くなるようなキュレーションになっています。
いわくつきとはまた別の意味でゾクゾクっとするというか。
テーマがテーマなので悪魔や怪物、犯罪者、戦争、社会問題などの絵が多くて
神々や天使がいたとしても気まぐれに人間を動物に変えたり街を破壊したりするし
人間たちは神々や自然に振り回されたり欲望のままに行動したり争ったりしていて
「えぐい」「こわい」「うえっ」「ひでぶ」「あーあ」とか言いたくなる絵が多かったのも
いつもの鑑賞の雰囲気と違って楽しかったです。
そして見れば見るほど制作の背景や意図を知りたくなるんだ…うまい構成になってますよ。
この見方を応用すれば普段あまり怖いと思ってないモネやルノワールが怖く見えてきそうだし
ムンクやゴヤはもっと怖くなりそうです。楽しい。

作品は6つの章ごとに展示されていて、まずは神話と聖書。
トップバッターで出迎えてくれる「オイディプスの死」は
母と結婚したことに絶望したオイディプスが娘たちに添われて死を迎える場面の絵で
両目をえぐられた顔がこっちを向いてるので「おぶぅ」(ぼのぼのの声で)とか言いたくなりました。
最初からこれか。容赦ないな。。
続いて「オデュッセウスに杯を差し出すキルケー」。
杯を差し出す魔女キルケーの後ろに鏡があり、オデュッセウスと思われる男性が写っていて
キルケーの足元には魔法で豚に変えられたオデュッセウスの部下たちが転がっています。
結構大きくて迫力のある絵ですがやってることめっちゃえげつないすな。。
「オデュッセウスとセイレーン」は、キルケーの島を去った船上でうっかり耳栓し忘れたオデュッセウスが
海の魔女セイレーン(サイレンの語源)たちの歌う歌に惑わされ狂乱させられる絵で
とてもきれいな絵なのですがやってることはやっぱりえげつない。
(ちなみに耳栓をしなさいとアドバイスをくれたのはキルケーなのですが
オデュッセウスは「そんなに美しい歌なら聴きたい」とか思っちゃったらしい…アホの子なのか)
「ソロモンの判決」は1人の子どもを2人の母親が自分の子だと主張するので
ソロモンが「じゃあ子どもを真っ二つにして2人にあげる」と、とんでもないことを言うと
1人は「裂いて」と言い1人は「裂かれるくらいなら彼女に譲る」と言ったので
本物の母親がわかり子どもは返された…という場面の絵画化。
有名なテーマなので別の画家の絵も見たことがありますが、今回のジャン・ラウーは
子どもの足をつかみ剣で裂こうとする男性が中央にいて、ソロモンは右におりました。
「ソロモンすげえ」がテーマなので(実際は神に知恵を借りたんだけど)こういう構図は珍しいな。
口から血を流した「飽食のセイレーン」や首だけになっている「オルフェウスの死」は
割とわかりやすい怖さですけど、
「スザンナと長老たち」のような絵は彼女が無実の罪で告発された人だという背景を知らなければ
いわれのない恐怖におびえる彼女の表情を読み取れないんだな…。
血を流したり骨だったりする視覚的な恐怖のほかに、心が感じる恐怖も絵画にはたくさん描かれてきたよね。

続いて悪魔、地獄、怪物。
人に悪夢を見せ性交する「夢魔」の絵は一時期流行したようで、
フェーズリの夢魔はベッドから落ちそうな態勢で眠る女性の隣にゴブリンのような夢魔がいて
目がギラギラ光っていて、ついでに家具の木馬の眼もギラギラ光ってて怖い。
トニ・ジョアノの夢魔は眠る男性の上にゴルゴンとスフィンクスをミックスした怪物がいて
さらに女性の夢魔が手を伸ばしている。
16世紀のオランダ派による「聖アントニウスの誘惑」はバベルの塔展で見た同テーマの絵みたいな、
へんな生き物がアントニウスの周りをうろうろしてカラーマンガみたいな雰囲気で
これだけの誘惑を拒絶しなければならない苦労を思うとちょっと笑えてくる。
他にもダンテの『神曲』の地獄とか、「ホップフロッグの復讐」の火あぶりのシーンとか
酔っ払いの乱痴気騒ぎに破壊の天使と悪魔が乱入してさらにハードコアみが増してたりとか
割とわかりやすい作品が多めだったけど、ビアズリーの「サロメ」のための挿絵はぞくっとします…
踊り手の褒美は例のヨカナーンの首を愛でるサロメのシーン、
章末飾りは原作にないサロメの埋葬シーンで黒い棺桶にFINと刻んであって
物語の終わりと同時にサロメの終わりも暗示しているような。
さらにギュスターヴ・モッサの「彼女」もめっちゃ怖かった…。
男性の遺体の山に巨大な女性が座り、彼女の頭にはガイコツが、股間には猫の顔があって
光背に「これがわたしの命令、わたしの意思は理性にとってかわる」とラテン語で書いてあり
たぶん彼女はマン・イーターでお食事中なのではないかという…。
モッサは初めて知った画家ですが少しぐぐるだけで強烈な画像が出てきます。興味ある方はどうぞ。

異界と幻視。
イソップ寓話を題材とした「老人と死」とか、ロープを持つガイコツのいる「母親と死神」など
ガイコツに死を見る表現が多かったなあ。
ムンクの「死と乙女」ではガイコツと生身の女性がキスしているし
ゴヤの「恐怖の妄」には軍人に手を差し伸べる白い亡霊の姿が描かれていました。
ルドンの『エドガー・ポーに』から「目は奇妙な気球のように無限に向かう」はバックベアードみたいな目が、
「仮面は弔いの鐘を鳴らす」は人顔の仮面をつけたガイコツがものすごいインパクト。
マックス・クリンガーの「手袋」はエッチングの連作で
女性の落とした手袋を拾った男性が幻想的な世界に迷い込んでいくストーリーが妙に心地よくて
キリコやダリみたいだと思ったら彼らに影響を与えた人だったのね。道理で。
チャールズ・シムズの「小さな牧神」は子どもと一緒に踊る牧神(山羊の角を生やした半人半馬の神)が
とても微笑ましくて画面の色彩も明るくきれいで、あれは怖いというよりファンタジックな作品だった。
「クリオと子どもたち」も青い空にどこまでも広がる緑の草原と、一見とても明るい絵だし
女神クリオの話を聞く子どもたちもとても楽しそうなのですが
クリオが膝に広げる巻物にはなぜか赤い絵の具がべったりとついていました。
元々は赤くしてなかったそうですが、作者のシムズが第一次大戦で息子を亡くした後に入れたそうです。
それを知ってから見るとこれは悲しみの絵でもあるのだなあと思う。

現実。
ウィリアム・ホガースの「娼婦一代記」は田舎からロンドンに来た少女モル・ハッカバウトが
望まぬまま娼婦となりやがて身を滅ぼしてしまう、当時の社会問題を痛烈なまでに表現した版画連作。
商人の妾となったモルが娼婦になり、逮捕され、出産するも梅毒で亡くなってしまう過程に
倒れる鍋や自分を偽る仮面、魔女を暗示する黒い帽子やほうき、散らかった部屋などが随所に配置され
最後のお葬式のシーンでは誰ひとり涙を流さない中、
棺を覗きこむ白い服の女性(モルの亡霊とされる)だけが悲しげな顔をしている。
なんでこんなになるまで誰も助けなかったんすか…まだ23歳ですよモルちゃん…!
労働者階級の母娘の自殺とか、川に身を投げて引き揚げられた女性の遺体とか
今にも通じる労働問題の作品もあって怖いというより胸が痛む。
ゴヤが1808年の半島戦争をテーマに制作したエッチングも
死体の山を前にして鼻をつぐむ男女とか、切り刻まれた遺体をつるした木とかとにかく残酷で
でもゴヤはきっとこれ以上の地獄を現実に見たんだろうな…他にも戦争絵画をたくさん描いた人だしね。
正体はジャック・ザ・リッパーではないかという説があるウォルター・シッカートの「切り裂きジャックの寝室」は
シッカートが借りたというジャックの部屋を描いた作品なんだそうで
窓だけが異様に明るくて窓辺に立つ人物が真っ黒、今にも振り返りそうでした。ひいぃ。
びっくりしたのがセザンヌの「殺人」。
男女が2人がかりで女性を殺していて色彩もめっちゃ暗くてほんとにセザンヌなのって思った、
林檎や風景画しか知らなかったからファッって声出るとこだったよ…!こんな絵も描いた人なんだね。
セザンヌは成功するまでの下積み時代に本当に本当に苦労したらしくて
ああいう絵でも描かなきゃやってられなかったのかな…人に歴史あり。

崇高の風景。
ターナーの「ドルバダーン城」は荒れ地の崖の向こうに大きな古城がそびえているのですが
躍動感のある夕焼雲に対してお城は荒涼としてまるで廃墟のようでした。
その昔、ウェールズの王族オワインが弟との権力争いに負けて20年以上も幽閉されたのが同城だそうで
何だか怖さもさびしさも感じられる作品でした。
ジョン・マーティンの「ベルシャザールの饗宴」はバビロンのベルシャザールで宴会の最中に
空中に手があらわれて古代建築の壁に文字が書かれる奇跡についての絵で
壁の文字がピカーッと輝いてるのも、空に光る雷もすごくきれいだったし
驚き様々な表情をする人々も生き生きとしていました。
ギュスターヴ・モローの「ソドムの天使」はソドムを滅ぼした天使(白)と街(黒)のコントラストの対比がすごい、
あと天使は必ずしも人間の味方ではないという事実を思い出せました。
彼らは神の命令とあれば人を救うし試練を与えるしジェノサイドもする。つよい。
フォード・ブラウンの「ユングフラウのマンフレッド」は男性が山頂で自殺しかけたのを猟師に止められる絵で
自然の脅威というか畏怖というか、惑わされてしまう人間がテーマなのかな。
自然といえばジョージ・スタッブスの「ライオンに怯える馬」という絵もあったけど
ライオンと白馬は一対一で、ええと、だったらライオンは馬を襲わずに立ち去るんじゃないかな…
とか…そんな野暮なことを言ってはいけないね…;;;
そんな中ムンクの「森へ」は異彩を放っていた。
深い森の中へ向かう裸体の男女は自分たちのなりゆきを全て自然に任せているような印象でした。
ムンクの絵は強烈ですが不思議とまた見たくなるよね…前にも書いたけど。

歴史。
ゲルマン・ボーンの「クレオパトラの死」は裸で毒蛇に噛ませて自殺したというエピソードの絵画化で
まあよくある内容ですが(そして史実ではないですが)
さすが女王で衣装もめっちゃ豪華だし、寝台にエジプト風絵画が描いてあったりした。
ジャック=ルイ・ダヴィッドの「セネカの死」は皇帝ネロの師であるセネカが
血を流し、毒をあおり、風呂に入れられ、発汗室で熱風をぶっかけられ亡くなったという話の絵で
なぜそんな目にあわされてしまったのかセネカさん…ネロあいつほんとやべぇな…!
ジャン=ポール・ローランスの「フォルモススの審判」は亡くなって埋葬された前教皇フォルモススを
現教皇ステファヌスがお墓から引きずり出し裁判にかけ有罪にしたという史実を絵画化していて
正装した死体が椅子に座らさせている図が何ともシュールでした。足元に置かれた香炉が悪臭を物語っている…。
(ちなみにステファヌスはその後民衆による反動で捕らえられ殺されたそうです)
同じくローランスの「ボルジアの犠牲者」は教皇の息子が一族を邪魔者とみなし次々に殺害させた事件で
絵はいましも仕事を終えた暗殺者が立ち去る場面を描いていて
部屋に倒れた人物のおびただしい血を見てなぜか
アガサ・クリスティのポアロのクリスマスを思い出しました…あれもめっちゃ血のある事件だったね。
オラース・ヴェルネの「死せるナポレオン」はオリーブの冠を被って横たわるナポレオンの顔のアップで
目が落ちくぼんでるわ頬はげっそりしてるわ。
フランス派の「マリー・アントワネットの肖像」は対照的にまだ少女だった頃のマリーが微笑んでいました。
フレデリック・グッドールの「チャールズ1世の幸福だった日々」は
チャールズ1世とその家族たちが川で舟遊びを楽しんでいる絵で
とても優雅な国王一家の休日という感じですけど、岸には武器を携えた人々が待っていて
この後に国王が清教徒革命で斬首される運命も表現しているのですな。
国王の手に蝶番付きの本があって、本が好きな人だったのかなあとか考えてしまいました。

そして、今回の目玉作品でキービジュアルにもなっている「レディ・ジェーン・グレイの処刑」は
思ってたより大きかったということもあって、現場に居合わせているかのようなリアリティがありました。
印刷を見ていた限りでは、目隠しされたジェーンの表情からは理性も感情も感じなかったけど
実際に本物を見ると彼女の表情から様々な情報がわっと押し寄せてきて一瞬、混乱してしまった…
なんていうのかな、何も考えていないようで、でもここに来るまで色んなこと考えてそうというか
これから自分の身に起こることが本当の意味ではわかっていないような、でも半ば諦めてもいるような。
展覧会のコピーにありますが「どうして」こんなことになったのかと問う声が聞こえる気もします。
その日の気分や体調や季節でまったく違う感情を抱きそうな絵だと思いました。あと額縁が超豪華。
作者のポール・ドラローシュはリアリティのある歴史画を多く残した人ですけども
(ドラローシュがナポレオンのアルプス越えを理想的にではなく現実的に描いた絵とかあるし)、
実際のジェーンは黒いドレスに屋外で公開処刑されたのでこれは画家の作ったドラマなのですな。
周囲が真っ黒だし光の当たってるジェーンに真っ先に視線がいきます。計算されている絵だ。
(あと、この絵はパリのサロンに出品されたのちロシアに渡り、テート・ギャラリーでは洪水に遭い、
一度ルーブルに移されたのちナショナル・ギャラリーが買って今に至るそうです。
展示室でこの絵の前だけ床がすり減るくらいの人気作なのだそうな。めでたい)

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美術館の入口にあった看板。
ちょっとわかりにくいけど雨が降っていて、雫がジェーンの顔を濡らしてまるで泣いているようにも見えました。
自然と絵画のコラボアート。

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上野エキュート内にあった紙兎ロペとのコラボ。撮影スポットになっていました。
ロペとアキラ先輩と一緒に上野のパンダが震えております。かわいい。


あと、この日は両国まで足を延ばして
先週、山口晃氏が行った大ダルマパフォーマンスの絵を見にYKK60ビルまで行きました。
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ビル1階アトリウム、ガラス張りの明るいホールに達磨が!いた!!
ちょっと想像以上にでかかったので「うおお」って声出るところでした…寸止めしたけど。
係の人に伺ったら撮影OKとのことでパチリ☆

右のモニターでは山口氏が大ダルマを描いたときの動画が、短く編集され上映されていました。
1817年に葛飾北斎が名古屋で行った、120畳もの紙に達磨を描くライブパフォーマンスを
200年の時を超えて山口氏が行うとは…!
すみだ北斎美術館さんも思い切ったことを企画なさったし、受けて立つ氏もすごい。
動画を見ると葛野流太鼓方による三番叟の演奏に合わせて
山口氏が3人の補助の方とともに巨大な筆を縦横無尽に走らせながら
約2時間ほどかけて描きあげたとのことでした。
描く様子を見学したかったけど(公開パフォーマンスでした)行けなかったのでせめて絵をと見に来たけど
絵だけでもナマで見られてよかったです。
墨のかすれ具合とかボカシとか、本物は迫力が違いますのでね^^

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2階の通路からも見学できました~真正面から見る大ダルマはさらに迫力倍増。
北斎が描いた達磨は微笑んでいたみたいだけど、山口氏の達磨は前方をにらんでいますね。

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山愚痴屋のサイン。
大ダルマは22日まで展示されているので気になる方行って見てくださいね~。

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YKKビルに行く途中で見かけた看板ズ。
左が「河竹黙阿弥終焉の地」でビルの道路を挟んで斜め前にあって、
右が「三遊亭圓朝住居跡」で道を1本入ったところの児童公園にありました。


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帰りに寄った上野アトレのHOKUOにて黒にゃんこパンをゲット☆
ハロウィンまでの限定のパンだそうです~~最後の1個だった!よかった寄ってよかった。

で。
そのまま帰る予定でしたが何となく近くの上野のものに寄ってご当地ものを眺めていたら。
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桔梗信玄餅クレープだーーーーークレープ発見!!!
えっ何そんな冷凍コーナーにごそっと入って売られてるんですか、買うに決まってるじゃないすか!!
というわけで保冷剤入れてもらって2本お持ち帰りしました。
あ~びっくりした……まさか出会うと思ってなかったから。寄ってよかった(本日2回目)。
これからはわざわざSAやPAで探さなくてもよくなる!ぞ!!\\ ٩( 'ω' )و //
2017_10
13
(Fri)23:50

泥中の蓮、獅子奮迅、象は忘れない、岩をも通す、渡る世間に鬼はない。

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根津美術館の「ほとけを支える-蓮華・霊獣・天部・邪鬼」展に行ってきました。
仏画や彫刻などを中心に仏像の乗り物に焦点を当てた展覧会です。
改めて見ると皆さん蓮をはじめ鳥獣、宝床、雲など様々なものに乗ってますね…
こういう一面をクローズアップした企画は大好物で、内容もとても楽しかったなあ。

今回、紹介されていたのは主に以下の乗り物が表現された掛軸や彫刻です。
・宝床:涅槃図などで釈迦が寝ている寝台
・蓮華座:蓮の花。蓮台とも
・鳥獣座:蓮華をのせた動物。普賢菩薩の白象や文殊菩薩の獅子など
・岩座:岩の台。盤石座とも
・鬼:四天王が踏む
・荷葉座:蓮の葉の形をした台。天部の事例が多い
・瑟々座:四角い岩を積んだ台。不動明王の台座
・雲座:来迎図などで仏が乗る雲
・その他:シヴァ神、水牛、鯉などに乗った絵もある
なお今回の展示品はすべて根津美のコレクションだそうです。

まずは宝床。
涅槃図に描かれる宝床が立派なのは前から気づいていたけど
絵師によってデザインも模様もそれぞれ違いますね。
(そして今回の涅槃図に猫は見当たらなかった…)
そういえば先日のボストン美術館展で見た英一蝶の涅槃図の宝床もきれいだったなあ。

おなじみの蓮華座。
南北朝時代の釈迦三尊像は赤い衣をまとった釈迦が蓮台に乗ってまして
一般的に蓮台は花弁が仏を包むような形(仰蓮)をしていますが
この絵は花弁が下向きにべろ~んと開ききって内側におしべがびっしりついてるのが特徴的でした。
こういう形は今まで見た覚えがない…それとも覚えてないだけなのかな。
気になるので今後仏画を見る機会があったら注意してみようと思います。
釈迦の隣に坐す文殊菩薩と普賢菩薩はそれぞれ、おなじみ獅子と象に乗っていたけど
立ってる姿が一般的な獅子と象がこの絵ではペタンと寝そべっておりました。
この絵は色んな意味で画期的なのかもしれない…!
同じくちょっとおもしろいなと思ったのが平安時代に描かれた密教の大日如来像
ものすごく豪華な蓮華座から衣を垂らしていて、それが何となく花弁のようにも見えて
より華やかな絵になっているなあという印象がありました。
南北朝時代の釈迦三尊十六羅漢像では
釈迦は獅子のいる蓮台に乗り框座(泥沼の水面)は二重にかさねて巨大でした。
鎌倉時代の愛染明王像は赤い蓮華座(足元には宝珠を放出し続ける宝瓶つき)に座っているし
千手観音二十八部衆像の観音菩薩も赤い蓮華座にすわっておられました。
蓮華の色に注目したことがあまりなかったのでびっくり、白だけじゃないんですね。
壬生寺地蔵菩薩像は京都の壬生寺にある地蔵菩薩の彫刻を絵に模写したもので蓮台に乗っていました。
本物は1962年に焼失してしまったらしいので今となってはこの絵が彫刻を知る貴重な資料ですね…。
室町時代の七星如意輪観音像も蓮華座にすわって
頭上には北斗七星を擬人化した七つの星を頂いていてかっこよかった。
鎌倉時代の善光寺縁起絵では天竺で造られた阿弥陀三尊が善光寺に安置されるまでの物語で
ひとつひとつの場面が下から上へストーリーが進む形でぐるりと描かれて何だかマンガみたいだ…
中央に反花の蓮華に乗った阿弥陀三尊が描かれていまして、
善光寺の阿弥陀三尊は秘仏なのでどんなお姿かもどんな台座においでなのかもわかりませんが
この掛軸はヒントになるのではないかなあ。
そして隣に展示されていた勢至菩薩立像は両手を胸の前で水平に重ねていて
これは善光寺阿弥陀三尊のポーズなのだそうです。そして蓮華の框座に立っておられた。

鳥獣座。
文殊菩薩の乗り物が獅子なのは彼の知恵が獅子のように強いことをあらわしているそうです。
室町時代の稚児文殊像は童子が獅子にまたがっていて
これは文殊菩薩が奈良の春日信仰では若宮の本地仏とされる(本地垂迹説)ことから
童子の姿で描かれたのではないかとのこと。
平安時代の普賢菩薩十羅刹女像は蓮華に乗った普賢菩薩を白象が支えていて
周囲には眷属の十羅刹女たちが唐風の衣装で描かれています。
普賢菩薩は女人往生を説く法華経に登場し信者を守ってくれるとされ、
十羅刹女たちとともに表現されることもあったようです。
また、密教の普賢延命菩薩像も白象に乗ってますけど
象が一身三頭の姿で描かれていてちょっとおもしろかった、
密教はヒンドゥー教の神々を取り込んだので仏の姿と台座の種類がぐっと増えたそうです。
大日金輪・不動明王・愛染明王の掛軸は大日が獅子、不動が瑟々座、愛染が框座に乗っているし
尊勝曼陀羅で中央の大日如来は獅子、周りを囲む八大仏頂は蓮華に乗っているし
十二天のうち水天は亀に乗っていたりする。
シヴァ神夫妻を倒したという伝説のある降三世明王はそのまんまシヴァ夫妻を踏みつけていて
鬼を踏む例はよく見るけど神を踏むというのは初めて見たのでびっくりしました。こんな絵ありなの…!

岩。
南北朝時代の不動明王像は盤石の上に立ってるし、鎌倉時代の毘沙門天図像も平らな岩座に立っています。
盤石(堅固の意)という言葉はここからきているんですねえ。

鬼たち。
公式Twitterさんがジャッキーと呼んでおられますが
いじらしいほどにがんばっている彼らを見ているとほんと応援したくなる。お仕事お疲れさまです。
四天王、特に毘沙門天(多聞天)によく踏まれている印象が強いなあ。
鎌倉時代の毘沙門天立像は30cmほどの小さな像で慶派みたいな力強さでかっこいい、
1人の鬼(手指4本に足指3本)を踏んでいます。
白描の四天王図像(平安時代)は5本指の鬼たちを踏んでいた。四天王は巨体だから重そう、てか痛そう。。

荷葉。
鎌倉時代の弁才天像は荷葉座に乗っていました。水の神でもあるので蛇も一緒だった。
(今回は展示されてないけど鬼子母神や吉祥天などが乗る座でもあるそうです)

そして、金剛界八十一尊曼荼羅は台座の集大成のような巨大掛軸でした。
中央で大日如来が七頭の獅子によって支えられる蓮華座に乗り、
周りを囲む四波羅蜜たちは迦楼羅や孔雀、有翼の馬や象に乗って
さらに弥勒菩薩や馬頭観音が蓮華に、大威徳明王が岩に、降三世明王はシヴァ神に乗っていました。
密教ってすげぇな…台座を見るだけでその仏がどんな位でどのグループに属しているかが一目でわかる。

雲。
平安時代の来迎図の雲は空中にゆったりと漂うように描かれているけど
鎌倉時代以降は長~く尾を引く雲になって
スピード感のある斜め構図で描かれるようになる傾向があるとキャプションに書いてあって、
のんびりしていた時代から早く来てー!みたいな切迫感が出るようになったのかなあと。
南北朝時代の阿弥陀三尊来迎図とかまさに長い長い雲でおもしろいし、
阿弥陀二十五菩薩来迎図は中央に如来が雲の蓮台に立っていて
左右の雲に楽人たちが乗り楽器を奏で踊りながら下りてくる絵で
雲の航跡がくねくねしていて動きまで伝わってくる。
鎌倉時代の文殊菩薩像が、獅子に乗ってるのは他の時代と同じですけど
さらに獅子を雲に乗せて海の上を移動する姿に描かれていて
これは渡海文殊ではないかとみられているらしい。
あと、珍しく釈迦が雲に乗る釈迦如来像もあって(鎌倉時代)たぶん霊山浄土へ導いてくれる来迎図とのこと。
そういえばお釈迦様は特にこれと決まってなくて色んなものに乗ってる気がする…
涅槃図の宝床をはじめ、今回展示されていた岩上観音像の岩とか
魚籃観音像で巨大な鯉に乗って水の上をゆく姿とか。

仏教美術は見慣れているつもりだし、鑑賞する際は仏だけじゃなく台座も見てるつもりだったけど
台座ひとつひとつの形とか込められた意味などを様々な事例とともに見せていただいて
ものすごく勉強になりました。
同じように見えていた蓮華座にも色々種類があるんだな…そしてそれは祈りであり願いなんだなあ。


常設展も鑑賞しまして、青銅器の部屋にいた双羊尊ちゃんは2年前以来の再会。
茶道の展示室が今月は「菊月(旧暦9月)の茶会」というテーマになっていて
秋らしく菊や柿、栗などをイメージした茶器や調度品を鑑賞できました。
尾形乾山の銹絵染付菊形向付が、花の形をした器の内側に菊がたくさん描いてあって
乾山のいつものざっくりしたタッチがとてもよかったです。
野々村仁清の柿文水指も、本阿弥光甫の茶碗(銘:武蔵野)も落ち着いた渋い色あい。
高麗の雨漏茶碗(銘:蓑虫)は茶色いシミが内部に広がっていて
これたまたまできたのか意図的なのかわかりませんが、何ともいえない味わい深さ。
芋子茶入(銘:有明)はつるりとした手のひらサイズの茶入で
藤原俊成の「又たぐひあらしの山の麓寺杉の庵に有明の月」(玉葉和歌集5巻)が書かれていました。
千宗旦の一重切花入(銘:三井寺)は祖父の利休の園城寺を写したもので
謡曲「三井寺」は中秋の名月の日が舞台になっているので季節の茶器なのですね。
(そして三井寺は正式には園城寺という名前のお寺だ)


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帰りに東急ハンズ池袋で開催中のねこ路地2017を覗いて、コラボスイーツ「ジジ」もゲット。
他にも三毛猫や黒猫など色んな猫ケーキがあったけど迷わずこれにしました!!
ハロウィンだし、魔女猫だし、紫芋クリームで妖しさ炸裂してるし。

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後ろには尻尾チョコもついてるよ。
お尻から食べていったら渋皮栗がまるっと1個入ってました。栗がおいしい季節。栗たべたい。

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シャトレーゼの黒猫チョコケーキと黒猫練り切り。どちらも濃厚でおいしかったです☆
ハロウィンには黒猫が似合います。
2017_10
08
(Sun)23:27

芸術家たちの祝祭その2。

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東京都美術館の「ボストン美術館の至宝展 東西の名品、珠玉のコレクション」に行ってきました。
ブロとものあやのさんと上野駅で合流してから会場に突撃しましたよ、
一緒にお出かけするの久し振りでした!よろしくお願いします!

ボストン美術館のコレクションは多岐にわたりますが
今回も様々なジャンルから選りすぐりの作品が来日していました。
古代エジプト美術のコーナーの展示品は、1905~1945年までボストン美術館とハーバード大学が
エジプトで行った発掘調査の出土品を持ち帰ったときのコレクションだそうです。
(エジプト政府が半分持って帰っていいよって言ったらしい)
高官マアケルウの偽扉はクフ王のピラミッドから出土していて
実際に開け閉めはしないけどこの扉を通して死者の魂が行ったり来たりすると考えられていたらしい。
埋葬者であるマアケルウさんが扉のあちこちに描かれていて供物もいっぱい、偉い人だったんだな…。
高官クウエンラーの書記像は王子だったクウエンラーさんのお墓のもので
当時、王の息子たちは書記を務めることが多かったとのことで、お仕事の姿の像ですね。
ハトシェプスト王の小像断片は彼女が即位する前、つまり王妃だった頃の姿の像で
額に蛇神ウエラウスを頂いていまして、それが王妃のしるしなのだそう。
そういえば3年前の女王と女神展でもこの蛇を頂いた女性の像が来日していましたっけ。

南宋時代の絵画コーナー。
徽宗(皇帝)の五色鸚鵡図巻は梅の花にとまる小さな鸚鵡の絵で添えられた書も抜群にうまい字!
絵を描く君主は多いけどこの方は特に才能がありたくさんの絵を描いたようです。
周季常の五百羅漢図のうち2点はフェノロサがボストンで企画展をやったときにも展示されたそうで
燈籠を持った鬼が蝙蝠の翼を生やして飛んでいたり、翼の生えた天狗(?)みたいな生き物が飛んでいたりして
ちょっと西洋チックな表現も。
陳容の九龍図巻が思いのほかおもしろくてじっくり鑑賞、
4本指の9匹の龍が雲間をうねりながら飛んだり荒波の中を泳いだり
とぐろを巻いて眠ったり滝を昇ったり、老人の龍が若者に何か言っていたりして
表情や仕草からそれぞれの性格までわかるような筆致。
陳容はこの絵を酒に酔った状態で描いたらしくて、曽我蕭白や河鍋暁斎みたいだと思いましたが
どこにでもそういう人はいるもんですね^^

モースやビゲロー、フェノロサらが集めた日本美術の数々。
野々村仁清の鳥形香合、かわゆい!
手のひらサイズの白カイツブリちゃんは茶色の羽模様がとっても優美でおキュートでした。
尾形光琳・乾山兄弟の銹絵観瀑図角皿は乾山の角皿に貴人が滝を眺める絵を光琳が描いていて
絵の人かわいいなあとわたしがボーっと眺めておりましたら
乾山が書き添えたと思われる漢詩をあやのさんがスラスラっと音読されて「スゲエェェェ」ってなった。。
わたし全然気づいてなかったので…気づかず素通りするところだったよ、ありがとうございます。
曽我蕭白の風仙図屏風は5年ぶりに再会できまして
蛟を退治する道士(陳楠?)、吹き飛ばされている人、白黒2匹のうさぎ、風にあおられる植物が
とても大胆に、しかし繊細に描かれていてやっぱり蕭白すごいと思った。
同じく蕭白の飲中八仙図は杜甫の詩をもとに水墨画にしたということですが
仙人たちが出山釈迦図を眺めながらワイワイ騒いでいて
なんだか杜甫のイメージからはだいぶ遠い(苦笑)でも見ちゃうんだよね~引力のある絵です。
司馬江漢の秋景芦雁図、水辺に立つ雁の絵ですが
遠近法を用いているので画面に奥行きがあるし雲の形も西洋絵画を意識してるし
顔料に油を混ぜているから他の江戸絵画と比べてかなり立体感のある仕上がりになっててきれい。
鳥居派の絵看板は、1758年8月に江戸中村座の舞台にかかった錦木栄小町の絵で
今も歌舞伎座に毎月新しい絵看板が出てますけど、あれのルーツだと思ったらすごく楽しくなって
しかも絵看板てあまり残っていないとキャプションにあってさらにすげえって思いました。
あの江戸でどうやって保存されてたのかわかりませんが…すごいね、よく残ってきたね。
酒井抱一の花魁図はきれいな花魁の絵なのですが
ボス美に収蔵される前は河鍋暁斎が所蔵していたらしく、
しかも暁斎はこの絵を抱一ではなく歌川豊春の筆だと鑑定したみたいで
「明治16(1883)年4月7日 豊春筆也 暁斎[印]」とか書きこんでしまっておりました(爆)。
ハンコ押しちゃったんかい!暁斎せんせいってば何てことを…^^;
今となってはそのサインも歴史的価値があるのでおもしろいんですけどね。
喜多川歌麿の三味線を弾く美人図、着物をさらりと着こなした女性が優雅に三味線を鳴らしていて
5つの狂歌が記してありすべて彼女の美しさの前にひれ伏す男たちという内容でした。
英一蝶の月次風俗図屏風はお正月から年末までの町の行事の様子で
一蝶はこういう絵をすごく細かく描くよなあ…。
同じく一蝶の涅槃図はボストン美術館が1年かけて修復をおこない今回が修復後初公開となる掛軸。
大きな画面いっぱいに釈迦たち仏たち、沙羅双樹、動物たちが描きこまれていました。
猫が2匹いたのもうれしかった(1匹はジャコウネコで凛とこっちを見つめていて
もう1匹は日本猫でリスの尻尾を押さえつけて寝ている姿でした)。
どこのお寺が持っていたのかな…今となっては由来もわからないね。

フランス絵画からは主にバルビソン派と印象派のコレクションが来日。
ミレーの「編み物の稽古」や「ブドウ畑にて」などからは毎日を静かに懸命に生きる人々の姿が感じられます。
あと、ミレーは静物画を3点しか残していないそうでそのうちの1点である「洋梨」が今回展示されていて
ごろりとした手触りも感じられる洋梨と添えられたナイフの光が強烈。
モネの「ルーアン大聖堂」は連作のひとつで、今回は正面の絵が展示されていまして
空が青いからたぶんお昼頃の大聖堂を描いたのではないかな、
前に同じ構図で朝とか夕方ver.を見たことがあります。
「睡蓮」も色の深い水面に花が点々と咲いてとてもきれいだった!
過去に見たことがあるようなないような…モネの絵は、特に睡蓮は似た構図が多いのでわからないけど
初めましてでもまた会えたねでも、どちらでもうれしいです^^
ドガの「腕を組んだバレエの踊り子」はドガの死後にアトリエから見つかった未完成品のひとつで
でも表情はなんとなく読み取れたな…完成してたらエトワールのような美しい絵になってたのかなあ。
クールベの「銅製ボウルのタチアオイ」は何となく色が沈んで見えたけど
これは彼がパリ・コミューンの際に広場の柱を壊した疑いで6ヶ月の刑期中に描いたことが影響しているらしい。
隣にルノワールの「陶製ポットに生けられた花」の絵があったけど対照的でものすごく明るい色彩でした…!
ルノワールの静物画ってあまり見たことないからおもしろかったです。
ゴッホの「郵便配達人ジョセフ・ルーラン」と「ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン」は
ゴッホがアルルに滞在したとき親しかったご夫婦の肖像画で、2点そろっての来日は初めてだとか。
ジョセフは立体的に、オーギュスティーヌは平面的に描かれているのが特徴です。
ゴッホはジョセフの顎髭をソクラテスに例えているそうで
言われてみればギリシャの哲学者でこういう髭の人を結構見かけるような。
オーギュスティーヌの顔色が黄色で手の色が白いのに違和感を覚えないのがすごい、色彩の妙。

アメリカ絵画。
フィッツ・レーンの「ニューヨーク港から」は港に停泊中のたくさんの船を描いていて
帆船、蒸気船、ボートなどの描き分けが絶妙。タッチが繊細できれいでした。
トマス・エイキンズの「クイナ猟への出発」は2人の漁師が乗る舟の傾きが絶妙に描かれているのですが
これを描くためにエイキンズは水平線の位置や舟の帆、太陽光の角度まで計算して仕上げたそうな。
ジョン・サージェントの「ロベール・ド・セヴリュー」は子犬を抱っこした正装の少年で
頬が真っ赤で子どもの血色の良さが出ているなあと。
ジョージア・オキーフの「グレーの上のカラー・リリー」や「赤い木、黄色い空」などは抽象絵画のよう。

版画や写真もありました。
ウィンスロー・ホーマーの「八点鐘」は六分儀で星の位置を見る男性たちのエッチング。
ヨット競技が好きだったエドワード・ホッパーの小帆船はエッチングでヨットを描いていて
ヨットを操る乗り手の体格や筋肉がとてもリアル。
同じくホッパーの「機関車」は線路で車体を眺める車掌さんたちのエッチングで
こういうの見ると何となく機関車トーマスを思い出しますね。
アンセル・アダムスの写真、特に「白い枝、モノ湖」が強烈なモノトーンが印象に残りまして
ゼラチンシルバープリント(銀塩写真)は遠くから見ると一瞬、絵みたいに見えるよな…。
(ボストン美術館はカメラが発明された頃からの写真を収集しているらしい)
アンディ・ウォーホルの「ジャッキー」。どなたかと思ったらジャクリーン・ケネディのことで
夫のジョン・F・ケネディが暗殺されて喪に服している時の写真を水色と青色に加工したもの。
村上隆の「If the Double Helix Wakes Up…」は
村上氏が学生さんたちと一緒に考えたDDB(ドボシラドボシラオシャマンベ)くんをDNAっぽく描いたそうで
カイカイキキに比べてすっきりまとまった色なのがおもしろい。
サム・テイラー=ジョンソンの静物は放置されたりんごにカビが生えて腐るまでを映像に撮影していて
なんだか九相図みたいだなあと思いました。
動く静物画って斬新だよね…そしてこれからは映像アートも保存の対象になりますね。

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イッセー尾形さんによる指人形劇「ルーランさんの夫婦漫才」で使用されたお人形。撮影OKでした。

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一蝶の涅槃図に出てくる動物たちのマスキングテープがあったので買ってしまった☆
リス、猫、虎、亀、蟹、猪、猿、鶴、狐、鳥、馬、鴛鴦、牛、犀、デフォルメされてみんなかわいい☆


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上野公園の広場で開催されていた東京江戸ウィークも覗いて来ました。
和食や日本酒がいただけたり、工芸品の販売や縁日の遊びが体験できるなど
江戸文化を紹介するイベントです。

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日本橋伊場仙さんのブースで出会ってしまった…!猫扇子。
見つけた瞬間一目ぼれして、色が茶色と黒の2種類あったので黒にしました。
扇子袋に尻尾ついててめっちゃかわいいよ~~夏になったら使いたいので今から来年が楽しみです。

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ツーショット。
「新入りかしら?」とでも言いたそうにチラ見されました。よろしくね。
2017_10
04
(Wed)23:59

カッコイイとは、こういうことさ。

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東博の運慶展に行ってきました☆
春に奈良博で開催された快慶展の対になる展覧会で
現在、運慶の作品と確認されたり可能性の高いとされる彫刻31体のうち22体のほか
運慶の家族や同時代の仏師たちによる仏像も展示されています。
(出品数と構成で考えると快慶展の方が充実していましたが
展示空間の使い方では運慶展の方が大胆だったように思いました)
初日が平日だったにも関わらず大混雑だったと聞いて「こりゃ派手に宣伝される前に行かなきゃ」と
慌てて行ったのですが、開館直後でもやっぱり混んでて入口でちょっと並びました。
でも展示室に入ると大きい作品が結構あって、離れた距離からも鑑賞にはあまり問題なくてよかったです。

入口で迎えてくれるのは拡大された運慶のサインと、円成寺の大日如来坐像。
1年ほどかけて制作され1176年10月19日に完成し、
「大仏師康慶 実弟子運慶」と台座に銘文が記されているので運慶20代の頃の制作と考えられています。
遠くからだと目を閉じているように見えますが近づくとちょっと薄目を開けてるのがわかるんだよね…ニクいわ。
金箔がだいぶ剥がれてしまってますが体躯も衣も瓔珞もきれいな造形であまり気にならないし
全体的にすっきりとした印象のお姿でありました。
快慶展の入口では快慶=優美の図式をぶち壊されましたが
今回も運慶=ムキムキの図式をぶち壊されてからの開幕です。楽しい!
(ムキムキに定評のある運慶氏ですがそれだけじゃないとわかったのはいつだったかな…最近の気がする)

運慶の父・康慶と同時代の仏像について。
運慶が生まれた頃に奈良仏師が制作した阿弥陀三尊像は
脇時の観世音菩薩・勢至菩薩が台座から片足を下ろした半伽椅座像という珍しいかたち。
奈良の十輪院に伝来した毘沙門天立像も玉眼でぎろりと睨まれるのが震えるというより畏怖する。
そんな仏像を見てきたであろう康慶の作る仏像もムキムキだったり美しかったり様々です。
興福寺仮講堂の四天王像、身長2メートルのお四方は後ろに落ちるシルエットまでかっこいいし
衣にちょっと絵柄の色が残っていました。
法相六祖坐像は興福寺国宝館にいらっしゃるあの方たちですな、はるばるようこそ。

運慶の作品や資料について。
法華経(運慶願経)は快慶展でも見たけどあのときは2巻で、今回展示されていたのは8巻。
法華経は全8巻なので、わお、最後の巻だ!
「願主僧運慶 女大施主阿古丸 執筆僧珍賀」とあって
良源や快慶や女増寿など48人の結縁者の名前が書いてありました。
(軸木は焼け残った東大寺大仏殿の柱だし、硯の水は比叡山や清水寺の水だそうだ)
平家による南都焼きうちで焼失した興福寺西金堂の釈迦如来像の再興プロジェクトにも運慶は関わり
像は現在、仏頭のみが残りますが頭だけでも1mあるので全身は数メートル級だったんでは…
お顔もすっきりとして美しかったです。
六波羅蜜寺の地蔵菩薩坐像は運慶にしては珍しく一木造の作品で薄目の玉眼がキラリ、こちらも美しい。
高野山の八大童子たちはいつ見てもほんとにかわいい!
サン美の高野山展高野山霊宝館以来の3度目の再会ですが
今回は運慶展なので6人のみでしたね。
(指徳童子と阿耨達童子は当初像が失われ現在残る像は鎌倉時代後期の再制作とされています)
みんな童子なので筋肉というよりむちむちした造形なんですよね~お腹ぷにぷにしたい、かわいい。
大威徳明王坐像はもともと、六面六手六足で水牛に乗ったお姿だったみたいですが
現在は片腕とすべての足が失われている痛々しいお姿。
それでも忿怒のお顔からは力強さが感じられました( ‘ᾥ’ )。
胎内に納められたお経から運慶晩年(60~70代?)の作品と判明しています。

運慶は自作したり自分が関わった仏像の胎内に銘札や心月輪を入れて
銘札に制作年月日や自分・部下たち・発願主の名前などを書きこんでいまして
見れば見るほど興奮せずにはいられない、書き残してくれてありがとうー!!
願成就院(北条時政の氏寺)の毘沙門天立像は関取やプロレスラーみたいな顔というか、
重心が左寄りではあるけど両足を踏んばる造形になっていて
足元では2匹の鬼たちが「もうダメだー」とばかりにひしゃげていました。
そんな毘沙門天の胎内にある五輪塔銘札には「巧師匂当運慶 檀越平朝臣時政」とあり
時政の発注であることがわかっています。
かと思うと浄楽寺の毘沙門天は片膝を曲げて立っている姿で、こっちはよく見るポーズだなと思った。
胎内の月輪形銘札に「大仏師匂当運慶 小仏師十人 大願主平義盛」とあり和田義盛の注文ですね。
同寺の不動明王像も隣に展示されていました。鷲鼻が特徴的。
鑁阿寺に伝来したという大日如来坐像(現在は真如苑真澄寺蔵)は
円成寺の大日如来坐像より小さいけど姿が似ているため、運慶作とみられていて
X線調査によると胎内の心月輪が球体をしていたり水晶玉の五輪塔(舎利入り)が入っているそうです。
もうひとつ、光得寺の大日如来坐像も運慶作の可能性が高くて
こちらも胎内の心月輪が水晶玉だったり五輪塔銘札が入っていたりする。
4頭の獅子に支えられ光背に菩薩が飛んでいて、黒塗りの厨子に入った小さな仏様でした。
胎内には人の歯も入っていることが調査でわかっていて、願主の足利義兼のものではないかと言われてるみたい。

興福寺南円堂の四天王像と北円堂の無著・世親像が展示されているエリア
彼らが北円堂に安置されていたとする仮説に基づき再現されたキュレーション。
四天王像は玉眼ではありませんが、近年の調査で木材の芯がいくつも使われた制作方法が
無著・世親像と似ているということで運慶の作品ではないかという説があるそうです。
(無著・世親像は運慶の指導のもと息子たちが制作しています)
鎧が重たそうだし裾つけてないし、表情もポーズも生き生きというより感情むき出しでドラマチックで
奈良仏師のムキムキ感をこれでもかと前面に出していて本当にかっこよかった!!
「いらっしゃい」じゃなくて「よく来たな」とか大音声で迎えてくれそうなイメージ…ついていきますアニキたち。
無著・世親像は北円堂公開の折に拝観したので久々の再会ですけども
今回の展示室の方が北円堂よりも広かったし、おふたりとも台座の上にいたので
初対面のときより大きく見えました。
相変わらず本人たちがそこに存在しているかのようなリアリティのある彫りっぷりが見事だ。
(まとめて見てみるとわかりますが運慶は人をリアルに、仏を理想的に彫る傾向がある気がする)

運慶を継ぐ人たちの作品。
運慶・湛慶作の聖観音菩薩像(瀧山寺)はお寺を出て展示されるのが初めてだそうで
おおお人生、じゃない仏生で初めての旅行が愛知から東京だったんですな。ようこそようこそ☆
きれいに彩色されてお肌は真っ白、衣は赤と緑で模様もくっきり残っていました。
胎内に源頼朝の髪と歯が入っているそうで
これは瀧山寺縁起によると頼朝のいとこにあたる僧寛伝が頼朝の三回忌のために注文したからとか。
東福寺の多聞天立像はサムズアップしながら武器を持ち、左掌を上向きに上げていて
袴を垂らして脛当てを見せないところも興福寺南円堂の多聞天立像と共通するということで
写されたものか、あるいは運慶本人によるものか…。
湛慶による高山寺の神鹿・子犬・善明神像にも久々に再会できて
今回は正面だけではなく背中やお尻までぐるっと360度鑑賞できてうれしかった!
雪蹊寺の毘沙門天立像・吉祥天立像・善膩師童子立像は毘沙門天の「法印大和尚湛慶」の署名から
湛慶50代の作品とわかっているそう。
少し風化しているような印象を受けましたが、顔つきや足の踏んばりに運慶みを感じる。
三十三間堂の迦楼羅・夜叉・執金剛神は湛慶が大仏師で、
康円と康清という慶派仏師(運慶の孫という説も)たちが小仏師とわかっているそう。
康弁(運慶の三男)の龍燈鬼・天燈鬼立像は鬼たちの筋肉や表情がとてもリアル。
頭に燈籠を乗せて屹立する龍燈鬼も、よいしょって担いでる天燈鬼もお仕事お疲れさまです☆
なお2人とも玉眼ですが龍燈鬼の首に巻き付いた龍の目にも玉眼が使われていて
角度によってはキラっと光る様が見られました。

最後の展示室にいた十二神将立像は墨書きから運慶の子孫の仏師作と考えられています。
普段は東博と静嘉堂文庫が保存していて今回、42年ぶりの再会だそう!めでてえ。
十二神将は十二支と合体しているので頭の上に十二支の動物が乗っかっております。
(十二神将と動物は別の部材で造られることが多いので失われたりするケースもあるけど
今回のは両方とも同じ部材だというのは運慶学園放送部で小野Dの解説を聴いてから行ったので見たので
ほほぅこれがそうか、という気持ちで見ることができました)
どれも表情やポーズがとても豊か、神将それぞれの性格や思考まで伝わってくるようなリアル造形でした。
髪型が羊みたいな未神かわいいし、戌神は見張るポーズが斥候っぽいし、申神は本当に猿みたいな顔だし
酉神は今にもコケコッコー!とか鳴きだしそう。
亥神にだけ1228年9月18日の墨書きがしてあり制作年月が判明しているそうです。

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特設ショップにいた龍燈鬼(左)と天燈鬼(右)。
石黒亜矢子さんが龍燈鬼・天燈鬼立像をモデルに猫耳と尾をつけてデザインした公式キャラクターです。
SNSでも龍燈鬼がTwitterを、天燈鬼がFacebookを担当するなど活躍していますね~かわいい。

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公式サイトで運慶の情報発信をしている運慶学園の撮影スポット。
校訓は「いつも心に運慶を」。
入試問題という名の運慶の知識を問うクイズもあって、
わたしは全問正解して無事に特待生の学生証をいただけました。

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卒業証書もあった(笑)。

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東博本館脇のレストランゆりの木にて運慶展限定メニュー「飛鳥の蘇(古代チーズ)」がいただけました。
甘さ控えめのミルク味でおいしかったです^^奈良で再現された味だそうだ。

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チーズといえば本館の高円宮根付コレクションにチーズとネズミがいました(笑)。
こういう作品を見ると『チーズはどこへ消えた?』を思い出すね。

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そんな本館では、運慶展に合わせて特集「運慶の後継者たち-康円と善派を中心に」を開催中。
運慶の孫康円、同時期に活躍した善円の流派の彫刻作品から鎌倉時代の仏像を紹介しています。
写真は南方天眷属立像。康円が69歳のときの作品です。衣は当世風ですがブーツを履いてるのがおもしろい。

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

カッコイイとは、こういうことさ。 の続きを読む »