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2018_03
28
(Wed)23:54

つゝしりうたう笛の音に、鼓のしらべ打ちそえて、立ちぞあがれる旦開野が、態も体も美しき。

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太田記念美術館の「江戸の女装と男装」展に行ってきました。
吉原俄や天下祭の手古舞、歌舞伎の女形、神話や小説の登場人物、見立絵やつし絵などの文化から
江戸時代の異性装を紹介する展覧会です。
アキレウスやジャンヌ・ダルク、シュバリエ・デオン、ジョルジュ・サンド、オスカル・フランソワほか
歴史やフィクションを問わず異性装の文化はたくさん見られますけども
太田記念さんは浮世絵の美術館なので浮世絵の中にその描写を探るというわけですな。
異性装の作品はよく見かけますが意外にも太田さんでもこれだけまとめて展示するのは初めてだそうで
もっとやっているイメージが勝手にありましたけど、そうでもなかったのか。
(たぶんわたしが役者絵を見すぎてるんだと思う)

まずは祭礼における異性装から。
江戸時代の吉原の年中行事にある俄(樋口一葉のたけくらべにも出てくるね)では
女性の芸者が吉原の街を練り歩く際に鳶職の格好をして獅子舞を踊ったり
男役も含めてすべての役を女性が演じる即興芝居などが行われておりまして
そのお祭に関する錦絵はたくさんあるようです。
菊川英山「青楼仁和嘉全盛遊」には男髷にたっつけ袴をはいた芸者さんたちが、
落合芳幾「仲之町仁和賀一覧之図」や「獅子王二和賀全盛遊」には男装の獅子舞が
それぞれ描かれています。
歌川国貞「美人合 俄」は手古舞の女性と真っ黒い獅子のドアップで
手古舞は鈴やコウモリが描かれたおしゃれな着物を着ていて素敵。
(手古前は手棍前(祭礼で山車を組み立て先導した鳶職人のこと)が由来ともいわれているそうだ)
喜多川秀麿「青楼仁和嘉」には「だい」「ほん」という名前の芸者さんが
助六と白酒売りを演じた様子が描かれていて何だか楽しそう。
非日常から浮かび上がるのは吉原男芸者の存在。
月岡芳年「風俗三十二相」より「にあいさう」は黒船来航前の俄の芸者を描いたものです。
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展覧会のポスターにも使われていますね。
梅堂国政「勇肌祭礼賑」は九代目團十郎・五代目菊五郎・初代左団次・四代目福助の神田祭で
福助は女形なので手古舞の格好をしています。
あとは、吉原芸者の男装だけではなく少年の女装も。
石川豊信「若衆三幅対」は3人の少年を描いていますが、みな女髷に振袖羽織を着て刀をさしています。
うち一人は陰間で、髪型が崩れないように編笠をかぶり手で押さえている姿ですが
これは実際の陰間が客と外歩きをするときそうしていたからだそうです。
錦絵からわかる文化ってたくさんありますけど、これはその一例でしょうね。
文化といえば、歌川国貞・広重の合作「双筆五十三次 新井」は
新井の景色を背景に関所を通る少年の着物を改め婆がチェックしている様子の絵で、
これは男装した女性が江戸を出て行かないように取り締まる制度(入り鉄砲に出女というやつ)を
描いているんですな。
背景が広重で国貞が人物を描いています。それぞれの得意分野だねえ。
歌川国芳「祭礼行列」は江戸の山王祭附祭の様子を描いたものと思われますが
大原女や女伊達や藤娘などの異性装のほかに独楽の擬人化や鬼の念仏に扮した人々など
もはや何でもありの扮装が描かれていて楽しい!コスプレイベントみたい。
あ。附祭は奉行所から指名された町が山車行列の合間に仮装行列や踊りなどの出し物を披露するもので
歌川芳艶「新材木町附祭」では大鯉とその鯉を演じた人が描かれていたり
喜撰法師と茶屋女、小野小町の出し物など演目も様々あったことがわかります。

神話や物語の中の異性装。
トップバッターはやっぱり小碓皇子、月岡芳年は月百景「賊巣の月」に
女装して熊襲の館へ忍び込み天幕から中をうかがう皇子の姿を描いていて
鋭いまなざしの横顔にホレボレするし、
同じく芳年の月百姿「五條橋の月」、薄衣を纏って稚児の扮装をした牛若丸はいつ見ても美少年よね…!
弁慶に追い回されて五条橋を跳躍する姿が華麗で雅で美しい。
歌川国貞「対牛楼」、市村座の八犬伝の舞台に取材していて
女装した犬坂毛野が勇ましく仇討ちを果たす場面ですが
毛野の着ている着物が…子犬がいっぱいいる柄なんですがこれは…!!(´ω`)カワユイ
歌川国芳「里見八犬伝」からは仇討ちを果たした毛野が小文吾と離れ離れになる場面を描いていて
毛野は女装を解きかけているので振袖姿で舟をこいでおりました。すごいな。漕ぎにくくないかそれ。
同じく国貞「弁天小僧菊之助」、これも歌舞伎に取材していて
白浪五人男の弁天小僧が女装をとき「おれァ尻尾を出しちゃうぜ」のセリフをまくしたてる場面。かっこいい。
同じく国貞「しらぬひ譚」は白縫大尽に男装した若菜姫と千種に女装した鳥山秋作のバトルで
歌舞伎だから両方とも男性が演じているわけで、もう何がなんだか。
月岡芳年「阪額女」、建仁の乱で活躍した板額御前を描いた絵で
すっきりと髪をまとめ真っ赤な鎧に弓を構えて白馬に乗っています。白馬に乗った王女様かっこいい。
歌川広重「巴御前」なにこれ超かっこいい…!!
平家物語の馬の鞍で敵の首をねじきった、まさにその瞬間の姿を絵にしているのですが
巴の髪や鎧が大きく揺れて馬の躍動感もあって迫力満点だし
何より墨の色がすごくて、広重の筆さばきが暴れまわっている。
なんかこの展覧会は広重の魅力を再発見しておりますぞ…!かっこいい広重せんぱい。

歌舞伎の女形。
鈴木春信がよく絵にしていた三代目瀬川菊之丞、
今回は東洲斎写楽の「田辺文蔵女房おしづ」がおりました。
曽我物の歌舞伎で菊之丞が演じたおしづを、雲母摺の大首絵にしたもの。
歌川国政「一味斎娘おその」も、歌舞伎の毛谷村に登場するおそのに扮した菊之丞で
あの勇ましいドジッ娘ちゃんを菊之丞がどう演じたのか見てみたくなるような作品。
勝川春好「三代目瀬川菊之丞の女助六」は遊女っぽい衣装に病鉢巻した菊之丞にもびっくりですが
助六に女性バージョンがあったことにもびっくりしたよ!
揚巻は登場するのかしら…女なのか男なのか。女だったら百合になってしまうのか。(落ち着け)
鳥居清満「路考」、路考は二代目菊之丞の俳号で
縁側に振袖姿で灯を持って座る二代目をしっとりと描いた作品。素敵。
代々の岩井半四郎を描いた絵もあって、
歌川豊国「清和二代遨源氏」には四代目が、国貞の「楽屋錦絵」シリーズには五代目が、
「不二都久葉あいあい傘」には六代目がそれぞれ描かれておりました。
中でも目千両といわれた五代目半四郎の楽屋錦絵はお化粧中の半四郎もギョロ目でかわいいし
幕が少しめくられて客席がチラリと見えているのがわくわくしますね。
豊原国周「人丸於六 澤村田之助」は舞台で盗賊の格好をする田之助の絵で
かわいくこっち見てる視線がずるい。
田之助は16歳で立女形になり大活躍、しかし病気で四肢を失っていきながらなお舞台に立ち続けて
33歳で亡くなるのですが、今回は国周の描いた死絵もありました。
辞世と経歴の下にバストアップの田之助、両手を着物の袖で隠してあるのは国周の配慮でしょうか…。
(田之助は五代目菊五郎が伊勢だか大阪だかへ出張中だったとき「下に女が訪ねてきてるよ」って言われて
下りて行ったら田之助だった、という話が大好き)

見立て絵とやつし絵。
鳥居清長「やつし寒山拾得」は手紙を読む男女に置き換えられて
鈴木春信「やつし費長房」は鶴に乗って手紙を読む女性のかわいらしさもすばらしいし
絵の隅の鈴木春信画に加えて「森下里朝彫」「小川八調摺」と、彫師摺師の名前があったことに
むちゃくちゃ興奮してほわあぁぁああ!って声出るところでした、あぶなかった。。
画工や版元以外の名前が刻まれている錦絵ってほんと少ないので…ありがとう残してくれてありがとうこの出会いに感謝。
喜多川歌麿「見立六歌仙」は平安時代の歌人たちを当世美人に置き換えていて
黒主:おひさ、小町:花扇、康秀:おせよ、業平:おみや、遍照:豊雅、喜撰:おきた、が
それぞれ綺麗な着物を着て歌を披露しております。
同じく歌麿「高名美人見たて忠臣蔵 弐たんめ」も、松切の場面における加古川本蔵と桃井若狭助が
それぞれおせよといつ富という女性に置き換えられています。
鳥文斎栄之「見立五人の茶屋女」は雁金五人男に出てくる侠客を女性に置き換えていて
女性たちは尺八を持ち背景の暖簾にはそれぞれの家紋が。
西村重長「やつし琴高」は中国の琴高仙人を女性に置き換えていまして
手紙を読む女性の乗った鯉が川を行く様子はゆったりとして気ままな感じ。
勝川春扇「やつし玄徳雪中訪孔明」は三顧の礼における劉備・関羽・張飛と諸葛孔明が女性になっていて
演義のうえでは季節は春ですが、この絵では雪景色になっていました。
あーやっぱりわたしこの頃の錦絵が一番好きだ…紅絵や水絵から一気にカラーになった
できたばかりの頃の錦絵。
江戸後期のような派手さはないけど雅の文化の影響が色濃く残ってほどよく上品なのがいい。

風俗文化を考えつつ着物の模様や髪型などファッション表現の緻密さにも見とれる贅沢な企画でした。はふぅ☆
絵だと男装なのか女装なのかよくわからないのでその場合は髷を見るとよい、というのは
こちらの記事で学芸員さんが答えてくださってますけども
記事の後半でも触れられているように描かれた異性装は祭礼や芸能や創作が中心なので
実際の日常生活の中で男装や女装なさっていた人がどんな風に生きていたのかということまでは
この展示からはわかりませんでした。
男性同士の恋人で、見つかるといけないから女装してお相手と暮らしていた人とか
女に生まれて男装していたらある日乱暴されて子どもを産み、万引きを重ねて島流しになった人とか
江戸時代にも日常で異性装の人がいたという記録はいくつか残っているので紹介されたらよかったけども…。
藤原頼長の台記とまではいかなくても記録はやっぱりリアルタイム感があるから難しいのかな、
あとは差別の歴史とも向き合う必要があるしなあ。


で。
美術館の地下には手ぬぐいのかまわぬさんが出店しておられるので
毎回ちらっと覗きに行くのですけども、
今回は久し振りに出逢い☆がありましたのですよ。
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見てくださいーーーーーーー鳥獣戯画のお花見手ぬぐい(^◇^)☆
春の新作だそうで、絵柄を見た瞬間にハートを鷲掴みにされたのでレジに持って行きました。
お会計をしながら店員さんが「夏にも新しい柄が出ますよ」とかおっしゃるもんだから僕はわたしは、、
ああああああおのれよくもさらっと新作宣伝したな…!そりゃするか!!
夏には江戸の悪展があるけどあれ気になってるんよな…
行ったらきっとかまわぬさんにも寄るから絶対に新作目にするしウワアァ…!
でもかわいい…鳥獣戯画もかまわぬさんのデザインも…本能には逆らえない…☆
果たして夏のゆさは本能に負けて散財するのか。乞うご期待。
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2018_03
23
(Fri)23:55

タイムトラベルは楽し♪

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前回記事の続き。杉並アニメーションミュージアムに行ってきましたのでレポします。
日本のアニメーションの歴史や現在を総合的に紹介している施設です。
(杉並区はサンライズやシャフト、カラー、MAPPAなどアニメ会社が多い街としても有名)
常設展・企画展とも入場無料で、しかも一部を除き写真撮影可!!すごい、すごすぎる。

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目的はこちら。
日本のアニメ100周年を記念して開催されている「みんなのうたの世界展」です。
この歌番組のために多くの作家が制作した実写映像やアニメーションを紹介しています。

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入口に映像が流れていた!写真は「思い出のアルバム」ですね。

さてさて何がありますかと後ろに回ると。
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ホワ!!?!?!?!?!!??????
メトロポリタン美術館じゃないすか!いきなりこれか!!

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人形作家の岡本忠成さんがこの歌のために制作したお人形さんたち。撮影に使われた本物☆です。
30年以上前のものですが綺麗に残ってる!ご家族が大切に保管されているんだな。
天使と女の子がみょ~んみょ~んってジャンプするのが楽しそうで
ファラオの中味とお代官様ごっこみたいな包帯ダンスするのも楽しそうで
最後に美術館のみんなとダンスするのも楽しそうだな~と
小さかったわたしは呑気に見ておりました。
大貫妙子さんの歌詞もメロディもゆったりして歌いやすくて、一度ハマると無限ループしますね。

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「バイオリンのケース トランペットのケース トランクがわりにして出発だ!」
最後に女の子が閉じ込められる絵はエドガー・ドガの「踊りのレッスン」ですが
これは実際にメトロポリタン美術館が所蔵する絵画でもあります→こちら
手前にバイオリンケースが描かれているので大貫さんはここに女の子が入れるかも、と思ったのかな。

大貫さんが『クローディアの秘密』をヒントに歌詞を書いたと知ったのは最近ですが
確かにあの物語の中でクローディアはバイオリンとトランペットのケースに荷物をつめていたり
(水曜日のレッスンに行くと見せかけて家出したんだよね・笑)
ミケランジェロ作とされる天使の像やエジプト展示室なども出てくるのですけど
別にあの物語の中で天使の像もミイラも動いたりしません…(笑)。
でも夜の美術館で過ごすのは子どもの頃からずっと憧れていることだったりします。
だからこの歌が好きなのかなあ…怖いけど好きなんだよなあ。
(あと可能なら夜の図書館や書店でも過ごしてみたいと思っていたりする)

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

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2018_03
19
(Mon)23:58

神田ばやしも気負いよく、来ても見よかし花の江戸。

2018kabukiza_10.jpg
歌舞伎座の幕見席で夜の部の「神田祭」を観てきました☆
片岡仁左衛門さんと坂東玉三郎さんの人間国宝カップルが始終いちゃいちゃする舞踊、と聞いて
いてもたってもいられなくなって気づいたら幕見席のチケット売り場に並んでいた。。
かつておふたりは「孝玉」「仁左玉」と呼ばれるほど息の合ったお芝居を何度もなさったらしいね…
わたしはその全盛期を映像でしか知らないけど
今回そのひとつが見られる機会がやってきたことがとてもうれしかったです。

2018kabukiza_11.jpg
今回はここから。
立ち見になってしまったけどたった20分だし、仁左玉のためならいくらでも立てる自信がありました。
(実際、幕があがったらそれどころではなくなった)

神田祭は色んなパターンがあり、大勢の鳶頭たち芸者たち若者たちによって上演される場合もあれば
少ない人数だけで舞う場合もあるそうで、
今回メインで舞うのは仁左衛門さんと玉三郎さんのおふたりのみ。
筋は特になくて、鳶頭(仁左衛門さん)と芸者(玉三郎さん)が祭礼の様子や手古舞のクドキを舞ったり
お江戸らしく若い者たちと喧嘩したりするという舞踊です。
セリフもいっさいなく、清元の謡と三味線が場を盛り上げてくれます。(今回の清元は延寿太夫と美治郎さん)

幕が開いて聞こえてくるのは祭囃子の笛太鼓。ぴーひゃらら。
浅黄幕が切って落とされると鳶頭の仁左衛門さんがいなせな立ち姿で舞台に立っています!
もうここだけで拍手すごいし「松嶋屋!」の大向こうもすごい。
草履を脱ぎすて牡丹の扇をパッと開き、肩に花笠をヒョイと担いで粋にクルクル舞い始めまして
その軽やかでかっこいいこと…!
背筋をぴっと伸ばし若々しく色気もあって、御年七十を超えているなんて信じられない。
ひとさし舞って床机に腰かけ、扇で顔をあおいでいると
花道からカランコロンと下駄の音がして芸者の玉三郎さんが登場~~!!
紋付の裾上げスタイルで、赤ラインに白の扇子を持ち、
見迎える仁左衛門さんも「来たね来たね、待ってたよ~」とニッコニッコして素敵な笑顔^^
下駄を脱いで(お座敷に上がったということです)ここから一緒に舞うのですが
近寄るなり手を繋ぐから「ほわっつ!?」って声出そうになったよね。
玉三郎さんが手踊りでお祭りの様子を踊ったり
鳶頭へのくどきで「もっと呼んでよ」って仁左衛門さんにもたれかかったり
かんざしを抜いて鳶頭の懐に落っことしたりする仕草ひとつひとつの破壊力、
大人のエロスだだ漏れで露もしたたるいいカップル。
鳶頭はかんざしを受け取って返すんだけど、芸者さんはそれを髪に戻しながら
この人何もわかってないわねって感じでむくれて
夫婦になってからの手ぬぐい踊りも惚れた弱みで全部許しちゃうみたいな、
見てるこっちが恥ずかしいくらい仲睦まじいし大人の色気パない。
「親分さんのお世話にて~」のとこで鳶頭が照れくさそうに親分に芸者さんを紹介する仕草をして
「これからは世間構わず人さんの目もはばからず」なんて清元が謡うもんだから
おふたりのあれやこれやを妄想してしまって頭が湧いた(笑)こんなお似合いカップル…!

そこへ神田祭の若い者たちがわらわらっと花道から登場、立ち回りとなります。
鳶頭は若者たちの振り回す錫杖を奪って片肌を脱いで(ここで両腕に鮮やかな牡丹の彫り物!)
次々に若者たちを倒していき、床机に座って若者たちに持ち上げられて扇をかまえ、見得をします☆
芸者さんは逃げるのかと思いきや、若い者たちの攻撃をひらひらとかわし、
手をつかまれても振りほどき、床机に座って見物していたけど
鳶頭の見得と合わせて立ち上がって決めポーズ☆
若者たちも負けずに何度も飛びかかってきますが、ことごとく鳶頭にひっくり返されて
とうとう一人残らず逃げていきました。
静かになったので2人は扇と花笠を下手に放って(ここで後見さんのナイスキャッチ)、
再びひとさし舞います。また2人きりになれたねえ☆

やがて草履と下駄を履いたおふたりによる終盤の引っ込み、
相変わらず仲良く手を繋いで花道の七三にやってきます。
ふと鳶頭が立ち止まって芸者さん着物の埃を払ったり帯を直してあげたりして
どこまでも仲睦まじい様子はキュンキュンするし、
いきなり頬と頬をくっつけ合ってニッコリしたりするから心臓バクバクし始めてやばかったし
いちゃついておきながら照れまくって「ごめんなさいよ」と言わんばかりに客席のあっちこっちへ頭を下げて
最後に鳶頭が両手を広げたところで拍手喝采!になったの最高潮だったし
やっぱり手を繋いで引っ込んでったの尊すぎて感無量で動悸息切れで倒れそうになり
「きゅーしん、救心♪」のメロディがものすごく久し振りに脳内を駆け巡ったよ。
うおおぉご両人ーー!未来永劫幸せになって…!!


なんだこのにざたま祭(笑)。
とろけるような、しかし粋で美しく、濃密な時間でございました。
始終こんな顔(*´︶`*)かこんな顔(º﹃º):.*೨かこんな状態_:(´ཀ`」 ∠):_で観ていたと思う。
おふたりが何かするたび叫びそうになるのを必死にこらえて心の中で「尊い」と叫び、
ただひたすらにため息をつくばかりでした。
手踊りしても手ぬぐい踊りしても、しょっちゅう見つめ合うし手を繋ぐんだけど
イチャついてるのに上品で、色気すごいのにしっとりして、何をやっても絵になる麗しさ。
20分しか見られないのかと思ってたけど20分で充分でしたわ…あれ以上見てたらわたしは窒息する。
そもそもなぜこの季節に神田祭?なんて野暮はもはや言うまい、
神田祭?神田??祭???ただのにざたま祭でしたよ…人間国宝カップルまじ尊かった。

仁左衛門さんと玉三郎さんは41年前と21年前におふたりだけの神田祭を舞っていて
つまり今回は約20年振りにおふたりだけの神田祭!
それを見られたってだけでもう、むちゃくちゃうれしかったし
同時にそれだけの長い年月をおふたりがお稽古と本番に重ねてきたことを思うとたまらない。
しかもおふたりのことだから満足されずにこれからも高みをめざして行かれるに違いない。すごい。

2018kabukiza_12.jpg
木挽町広場も春のよそおい。
来月で五代目歌舞伎座は5周年を迎えますが、わたしの歌舞伎デビューも同じ年なんですよね。
2013年から色々あったけど、歌舞伎界は変わらず走り続けていくだろうし
わたしも応援し続けたいと思います。
とりあえず夏のNARUTO歌舞伎が楽しみだー!


ところで春の和菓子が少しずつ出ておりますのでゲットしてますよ~。
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とらやの嵐山。
白い薯蕷饅頭にちょこんとついた花びらが愛らしい、味ももっちりおいしかった☆

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菓匠花見の紅梅、桜花、菜の花。お花づくしです!
特に梅のデザインが絵のようでとっても好き。

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くらづくり本舗のつくし野、初桜、春小道、水温む。
久々に箱買いしてしまった…!色がどれもきれい、水に浮かぶ桜は美しい。

あと、この日は杉並アニメーションミュージアムにてみんなの歌の世界展も見てきたのですが
長くなりますので次回記事に書きたいと思います。


クリックで拍手お返事。↓
皆様いつもありがとうございます(^-^)/☆

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2018_03
15
(Thu)23:54

視点を疑う。

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森美術館の「レアンドロ・エルリッヒ展 見ることのリアル」に行ってきました~☆
ブエノスアイレス出身の現代美術家レアンドロ・エルリッヒ氏の大規模個展です。
早く行かないと混んでしまう!と思っていたのになかなか行けなくて
やっと行ったらやっぱり混雑していて、でもそれが全然気にならないくらい展示に余裕があって
いやむしろ人が多い方が楽しめる展示だらけでかえってよかったのかもしれません。
写真撮影も可だったのでいっぱい撮ってきました!楽しかったー(´▽`)♪

leandroerlich_2.jpg
入口は明るいですが、ここからでもわかるけど中は真っ暗のようです。
歩くとぎしぎし音がする。

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タイトルと作品素材のみのシンプルなキャプションがありました。
ほほう、この先にあるのは「反射する港」という作品なのね。

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真っ暗な道を進んでいくと、室内に木造の船着き場がありまして
その中に浮かんでいたボートたち。
水があるように見えますが、実は水は一滴もなくボートが宙に浮いているだけで
ボートの下にある反射するボートも実は立体物で作られています。
室内の暗さと、ゆらゆら揺れているボートの効果で水があるように見えるのでした。

leandroerlich_4.jpg
反対側から。
ボートの上からはみ出したオールの影まで作られているんですよ!細かい!
しかもボートの揺れ方は実際の揺れ方を計算して揺らしているのだそうで、
道理でリアルな動きに見えるわけです…たぶんバルカローレを歌ったらちょうどよいリズム。

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展示室を出ると、今度は説明書きのキャプションがありました。
この展覧会は作品を見た後に説明書きが読めるような順路になっていまして、
まず何も考えずに作品を見て色々感じたり考えたりして
その後に制作背景やエルリッヒ氏の意図や思考をキャプションで知って
へえなるほどなぁと再び見に行くと違った視点で鑑賞できたりして、
それがとても楽しかったです。
自分の視点とアーティストの視点が重なったりすれ違ったりする体験はすごく刺激になりますね。

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2018_03
11
(Sun)23:45

ここから始めよう、僕は旅に出よう。

うっかりしてましたけど今期のアニメ感想まだ書いてませんね??書きます。
(最終回後ではなくなるべくその前に書くのは時間が経つと最初の方を忘れてしまうからです。ポンコツ脳)
妖怪ウォッチ、ぼのぼの、ねこねこ日本史、ロミ空とちはやふると文ストと有頂天家族2の再放送、
おそ松さんと魔法使いの嫁とクラシカロイドと3月のライオン2期ほか、新作を。
過去に南極に招待された毛利衛氏が
「宇宙には数分でたどり着けるが南極の基地には何日もかかる。宇宙よりも遠いですね」と
おっしゃった言葉がタイトルの由来になっているという、宇宙よりも遠い場所。
女子高生が南極へ行くアニメと聞いておもしろそうだな~と思ったのと
ペンギン見られるのかな~と勝手に想像して視聴開始。
てっきり1月中には南極に着いて、現地で探検や実験など南極生活をわんさかやってくれるのかなと思っていたら
南極に着いたのは3月なのでそんな時間はなさそうだし、
ペンギンはエンディング映像で毎回見られるという。。
あ。エンディングは映像も歌も素敵なので毎回スキップせずに見ています。希望のある歌詞だ^^
砕氷船が氷を砕いて進むのではなく氷に乗っかって割るという力業で進むとか
ペンギンの5m以内に近づいてはいけないとか、南極のルールがわかるのも楽しいですね。

高校生たちが住む町がどう見ても館林市で、主人公が使ってる駅が茂林寺なのとか
電車の館林行き表示とか見てわたしよりも母(実家が群馬近く)が興奮しておりました。
キマリちゃんが「海だー!あ、群馬だってバレる」って言っててちょっと笑った、そんな風に言わんでも^^;
自分の住む町からあまり出たことないならいきなり広島に行って砕氷船を見るのはとんでもない経験ですよな…!
キマリちゃんがドキドキする気持ちわかります。
正直最初は、南極になかなか着かない展開にやきもきもしてたんですけど
よく考えたら南極に行くのってたとえ訓練された人でもなかなか機会がないし
まして高校生が4人も行くにはやっぱりヒョイと行くわけにはいかなくてハードル高いよなって思ってからは
そんなに気にならなくなりました。
事前に夏期訓練でビバークしたりテント張って寝泊まりするのとか大事なことだなって思うし
ペンギン饅頭号の中で仕事したりランニングしたり船酔いに七転八倒する4人を見てると
南極に行くってやはりすさまじいことだなと改めて感じさせてくれる。
だから報瀬ちゃんが「南極に着いたら今まで自分をバカにしてきた人たちにざまあみろって言いたい」と言ってて
砕氷船から氷に降り立ったとき本当に「ざまあみろー!」って叫んだの「せやなー!」って思ったし
ここまで見続けてきてよかったと思いました。
日向ちゃんや結月ちゃんも、最初はただくっついてきただけのような感じがしたけど(ごめん)
パスポート紛失事件やお誕生日のお祝いを通してだんだん4人の距離が近づいてきて
でも馴れ合いってわけじゃなくちょうどよい距離感なのがいいなー。
やっぱりわたしは積み重ねる系の物語が好きかもしれない。

これから報瀬ちゃんのお母さんの件が明らかになっていくのだろうけど
どうか彼女が納得はできなくても何らかの発見がありますようにと祈らずにはいられない。
がんばってきた人はやっぱり報われてほしいと思いますよ…そういう雰囲気のアニメですから。


働くお兄さん!は主人公が2匹の猫という一点のみで視聴を決めたけど
最初の感想が「OPEDのクオリティが最高オブ最高な短編が始まった!」でした。
キャラクターが糸操り人形で動きまくる人形劇のオープニング、
カラフルな紙で作られた背景の街を粘土人形が歩いていくエンディング、
なんて手間暇かかってるんだ…!
(本編が手間暇かかってないという意味ではありません、念のため)

タピオとクエ彦はしょっちゅうバイト先を変えて新しいバイトをしてるけど
彼らが行く業種については実際に働いている人や現場に取材をして制作しているそうな。
引越し荷物の運び方とか、コンビニコーヒーの淹れ方とか
アパレル店でのお客への声かけとか、水族館の餌やりのコツとか
細かいところまで描かれているのは取材のたまものなのだなあ。
大好きなのは因幡の白兎を音ゲーにできると証明してくれた6話です。
タピオにアンゴラ森先輩が「皮むけたとこに塗るといいよ」とか薬くれたり
サメをワニと呼んだり小ネタも効いてる。
そんなゆるかわアニメですが、名前を呼んではいけないその動物が登場して格言を言うと
途端に壮大なBGMが流れるの笑えすぎる。。
たぶん正体とかそんな野暮な話題は一度も出ないで終わるのだろうな…
もしくは最後の最後に圧倒的な正体を見せつけて一瞬で「完」の文字が出そうな気がしますよ。


爆速とか2018倍速とか走馬灯とか放心演義とか、当初からあれこれ言われてる覇穹封神演義ですが
マンガ原作をリアルタイムで読んで小説も読んで仙界伝も見ていた世代としては
色々と記憶のツボを刺激されて楽しいです。
疾ッ!とかじぇいっとか、望ちゃんの掛け声むちゃくちゃ懐かしいわ~~打神鞭!打風刃ー!
結城さんの声がぴったりで好きでしたけど、小野さんの声も何だかんだしっかり望ちゃんだと思う。
たまにこの顔(-3-)するのもまじ望ちゃんです。かわいい。
スープーはテントさんみたいにやるのかと思ってたら毒気の抜けた矢三郎に聴こえてしまう件、
赤玉先生を背中に乗せる矢三郎なんですよまるで!声がもふもふなのよ。櫻井さんすごいかわいい。
あとスープーの日記の内容すげえかわいいし字もきれいだし
スープーがほんと愛すべきキャラに描かれていて大変満足です。
至高は申公豹です。とにもかくにも申公豹です。あれはすごい。
あそこまで申公豹がまじ申公豹なの何なのよ!!(おまえが何なの)
石田氏以外の申公豹なんてありえないと思っていたのに鳥海さんが完璧すぎてコロっと堕ちました。
そうなの申公豹ってああいうヤツなの…抑揚のない、しかし揺るぎない芯がある声なイメージなの…
というか、わたしあまり封神演義については声優さんのこだわりがなくて
どなたの声を聴いても「ああこの人こういう声でもしゃべりそう」って思う。
飛虎の細谷さんとか天化のKENNさんとか普賢の島崎さんも本当に違和感なくてしっくりきてます。
玉鼎真人と楊戩の師弟はイケボすぎて耳がしぬかと…!今から紅水陣の話が怖いです。
(あの話はジャンプ読んで友達と泣いて、コミックス買って友達と泣きました。師匠まじ師匠……)
しかしドヴァズピプォーを書き文字と音声でやってくれるとは。。いいスタッフが揃ってますな←
聞仲の前野さんはMAX低音でかっこいいし、妲己ちゃんは日笠さんがすごく楽しそうで何より(笑)。

崑崙山と金鰲島の造形はフジリューの世界観を踏襲しつつもCGで現代風に仕上げられていて
仙人界の文明の高さを表しているようでワクワク。
崑崙山の一部がぶっ壊れてる部分が生々しくて痛々しい、あれからさらにダメージ受けるんだよな…。
脚本が再構成されているのは見続けていてわかったし
アバンでいきなり「えっこのシーンから?」ってなることも多いんですが、
1話での普賢との釣り針問答シーンはいいタイミングで差し込んだなあと思ったし
天化が道徳真君に言われて人間界に下りるエピソードとかも
原作が完結しているからこそスムーズに繋げられるんだよね。
というか今読み返したらどんな感想を持つのかな自分…。
読んでいた当時は楊戩と普賢がすごく好きで、天化や邑姜ちゃんも好きでしたが
たぶん今読み返したら聞仲をすごく好きになりそう。十天君とかも。
妲己ちゃんの見方も変わってる気がするし、女媧様はたぶんあわれな人に見えるんじゃないかという気がしている。

…というわけで。(え)
上げて落とすわけじゃないけどここからはちょっと言いたいこと解禁します。
仙界大戦が中心と聞いていたのでてっきり13巻から始めるのかと思いきや、
スッと1巻から始まったことにまずびっくりしました。
それは別にいいんですが、そこから5話で12巻分(実質1~6巻)をやるのはやはり無理があったのでは…
端折りすぎて色んなシーンに無理が生じている気がする。
(こうしてみると原作はちゃんと物語を積み重ねていたなあと思う)
というか、メインテーマであり根本を成している封神計画がまずさあ…
封神描写がなさすぎて視聴者が「ああ計画進んでるな」と実感できたのは伯邑考が最初だったし
次は仙界大戦で崑崙山がぶっ壊れたときの犠牲者だった。あわわ。
「●●!久しぶりじゃのう!」ってセリフも原作では数巻を経て再会してるので実感わいたけど
アニメは2話くらいしか経ってないのにそう言われてもなあとか思っちゃうし、
でも伯邑考のハンバーグの話はしっかり尺を割いてて、バランスがよくわからなくて戸惑うことが多い。
天化も…仙界伝で登場回にいきなり歌い出したのが意外過ぎてびっくりしたんですが
覇穹ではいきなり新体操みたいにクルクル回って戦ってて
アニメの天化は何かトリッキーなことをしなければならないルールでもあるんでしょうか、笑ったけど。
姫昌の臨終ももっとこう、南宮括さんと飛虎さんのあれとか(笑)、
色んなことがあってのシーンなのできちんと積み重ねてから見たかったし
姫発もナンパしてるだけの人になっちゃってるし…
望ちゃんが「人望はあるようだのう」って感心する原作のシーン、地味に好きなんですが。
四聖戦の後一気に仙界大戦に話がワープしてしまって、金鰲島が動いたことよりそっちの方が驚いた…
つまり趙公明戦を丸々カットしてしまったってことで、なんということだ、
あのゴージャスな封神シーンが見られないなんて…!!(そこ)
雲霄三姉妹とかNEW打神鞭とかスープーの復活の玉とか今後どう説明するのかな。
(仙界大戦になったらスープーが手ぶらになってて、その辺りは細かいなあと思った)
お兄様の鉢を抱えたビーナスさんたちもしれっと登場してたけど完全に謎の人たちだし…
てか最重要事項!天化の血が止まらない傷あれどういう風にやるつもりなんだろう。
いつだったかのアバンで天化が紂王を倒すべく禁城に向かうシーンがあったけど
あの傷がなかったら天化が焦る理由が全然ないし、そのへんどう構成するのか。
……とかとか、色々考えたり言いたいことはあるけど最近は疲れてきました……
翼だけ登場した雷震子とか、地上に降りても死ななそうな竜吉公主とか突っ込む気力も失せた。
仙界大戦編になってようやくストーリーがゆっくり進むようになって
VS張天君戦は楊戩の核を成す重要な話なのでちゃんとやってくれてよかったです。
張天君は十天君の中でも礼節を知る人で楊戩を「あなた」と呼ぶところが何だかんだ好きでした^^
あまりいないよね、十天君の中で敵に対して敬語使う人…。
とか、ちょっと感心していたら最新話でまた頭の中に「???」がいっぱい舞うハメになった、
Cパートで王天君のあいつ発言きたけどあれもう女媧様のこと判明した後だよね?女媧様の話やるの?老子でてくるの??
話があちこち飛びすぎて階段を昇ってたのにいつの間にか降りていたポルナレフの気持ちを味わったぜ…
貴人ちゃん初セリフおめでとう。


ポプテピピックは打ち上げに参加する声優さんのメンツを想像すると震えあがる。
実は最初は放送されていることを知らなくて
深夜にTwitterのTLがざわついてトレンドに上がってたのを「なんだろう…」とぼんやり見ておりまして
そんなノリでぐぐって、キャラクターはLineスタンプとかで見た覚えあるなと思いつつも1話見たらやっばい…!
江原正士&大塚芳忠と三ツ矢雄二&日髙のり子のエンドレスエイトだし
けもフレ難民を救済しオーキド博士は本人連れてきちゃったし
「炸裂弾だ」のセリフは宗次郎に津南のセリフ言わせちゃってて
これ大丈夫なの?ねえ大丈夫なの??って心臓バクバクしまくっていました。
元ネタ半分以上わかりませんけど、ニコ動で見てると突っ込まれまくってるし
(テレビでも放送されてるけどあまりの内容に録画する勇気がなく未だにアベマやニコ生で見てます)
おそ松でさえ放送とDVD収録で修正かけた事例があるのにポプピは…。
細かいネタは全然わからないけど烏丸文麿は柳生一族の陰謀に出てた人ですよね、
あの烏丸光広がモデルっていう…他にもいくつかあれかなってわかる程度です。
あと原作者大川ぶくぶ氏の肩書がオープニングで毎回変わってるのが地味にじわる。

各所で話題になっている声優陣ですが、
オファーする制作陣もすごいし引き受ける声優さんたちもすごいなと思っていたら
この前のお願いランキングで日高さんが「台本をもらっても映像を見ても原作を買ってもわからなかった」と
おっしゃっておられて、必ずしも理解して受けてるわけじゃないとわかって驚きました。
日高さんほどの大ベテランでも困惑するクソアニメとは…千葉さんは楽しそうだったけど(笑)。
毎回、今週はポプ子とピピ美からどんな声がするんだというハラハラ感もあるし
放送時までトップシークレットになっているのも制作側の心意気を感じます。
こちらのサイト記事が放送後に更新してくださっている)
フリーザ様とセルとか、エウレカとか、野原兄妹とか、中の人同士が仲良しとか明らかに意識した配役が多いし
今週は冴羽獠とファルコンの百合だとかパワーワードが連発されている。
三ツ矢さんと日高さんの回では南ちゃんが達ちゃんに告白していてわぁおってなりました。
最新話も…声優がコナンで演出が金田一で波平さんとジャック・バウアーもいるアニメってなんなの、
日暮警部とかもうやめてくれお腹がよじれる(笑)。。
ここまでやるには細心の注意を払ってふざけているなと思っていましたけど、
モデルがウゴウゴルーガと聞いて腑に落ちた。
ボブネミミッミとかゲームパートとかフランス語しゃべる社員さんとか
映像パターンが色々あるのはウゴルーを意識しているからなのね。
あと、声優さんのアドリブが映像の想像を超えたときはライブ感を大切にしたいと
アドリブに合わせて絵を描き替えていると新聞の制作陣インタビュー記事で読みました。
磁石コンビ回で「●畑●三郎のOPこんな感じだよね」って急に杉田先輩が素に戻ってしゃべりだして
「名前テロップ重ねるんじゃない?」と中村さんが言ったらほんとに古畑の赤黒テロップ重なって
あれ前半パートにはなかったからおふたりのアドリブ聞いて足したってことだよね。スタッフすごい。
あと村瀬歩氏の英語力がいかんなく発揮される回があったりして
ちゃんと脇声優さんの能力を活かしているのもいいと思う。

去年のけもフレに続く冬の覇権アニメ…春はこれからだというのにこんな滑り出しでいいのか2018年。
もう3月なので後は悟空&ベジータとかシンジ&カヲル君くらいしかいないんじゃないかと思ってますが
色んな人がリクエストしてるけどぜひ山寺宏一氏におひとりで全部やっていただきたい。
あと何だかんだで気になるのは星降そそぐちゃんの恋の行方だ…
実質次回予告しかないのにストーリーがほぼほぼわかる構成すごいぞ、恋にドロップドロップ☆


ヴァイオレット・エヴァーガーデンはシンプルで美しいストーリーを京アニの至高作画で楽しむアニメ…!
人物の表情、というか頬の赤みや瞳の光の動き、髪や服の揺れひとつひとつの作画枚数やばいし
背景もライデンシャフトリヒの街や、郊外の緑あふれる景色や、星空までもが最高級の美しさです。
京アニのハイクオリティがいつにも増して天元突破、どこまでも突き詰めていってほしい。
あ。C.H郵便社のモデルは京都の三条通にある旧日銀京都支店(現・京都文化博物館)だよね!
入るとレンガ造りのためヒンヤリして天井が高くて足音がとても響く建物…大好きな場所のひとつです。

ヴァイオレットの何にびっくりしたって14歳ということに一番びっくりした。。ビジュアルからてっきり20代かと…。
彼女がいつも着ているリボンタイワンピースドレス、スカートの後ろに大胆にプリーツを盛り上げているのが
おしゃれで素敵だなあと思います^^
代筆屋として様々な人々のために手紙を書いたり、依頼人に呼ばれて出張したりする中で
かつて少佐に言われた言葉の意味を考え続けているのは切ない。
感情を知らずに生きてきたヴァイオレットが、経験を積む中で言葉やネットワークを形成するプロセスは
彼女にとってとてもよいことだと思うのだけど、
同時にそれは自分が軍隊時代にやってきたことがどういうことか向き合うことでもあって…
少年兵はこういう気づきの瞬間がとてもつらいのだと何かの本で読みました。
これは彼女に何も知らせず戦闘に巻き込んだ大人たちの責任なので彼女は何も悪くないんだけど
(とはいえ戦争で人を殺したのは許されることではないけど)
自分が大火傷をしていると気づいてしまった以上とてもつらいだろうし、ちゃんとケアされる必要があるよね。
ホッシンズ社長がヴァイオレットを郵便局に入れたのは同期に頼まれたからというのもあるだろうけど
きっと自分も責任を感じているからなんだろうな。
同僚たちもすごく彼女の救いになっていて、カトレアさんは事情を知っているから無条件でやさしいし
最初はツンケンしていたエリカとアイリスも手紙で「待ってる」と言ってくれたりして、素敵な人たち^^
ベネディクトくんはもうちょっと仕事を丁寧に教えてあげてほしいな(笑)。

お話では5話が好き。
それぞれの国民に愛される王女と王子が政略結婚じゃなくお互いに本音をぶつけて
ちゃんと本心を知った上で結婚を選んだのも、
国民たちが新聞で「王女様がんばれ」「王子様もっと自信持てよ」みたいに応援してるのも素敵だった。
EDが流れる中で、シャルロッテ王女が長年自分を育ててくれたアルベルタ女官の手を取り
その手を自分の額に当てて最上級の礼をつくすシーンが最高でした。
あの2人なんで一緒にいられないんだあああ(頭抱)別に一緒に隣国行ったっていいじゃないか…。
アルベルタさんも王女の髪に白椿を飾る手の震えがたまらないし
喜びと寂しさが混じった表情も至上の慈愛に満ちていてすばらしい。
最新話でヴァイオレットが郵便局に戻るきっかけになったスペンサー・ルクリア兄妹のお話もよかった、
自分がやってきたことが実を結んでいくのはヴァイオレットにとって救いになったろうな。
というか最新話は観測を続けるリオンくんとか、オスカーさんの新作とかも見れてこっちも救われたよ!
この流れでヴァイオレットにもよいことがありますように。


ハクメイとミコチ。
これほど背景美術が贅沢な作品があるだろうか、いやない!
建物や道の材料や質感、風のにおい、気温まで伝わってくるような描きこみが毎回いっぱい出てきて
スタッフ息してる??もはや背景が主役といってもいいレベル。
そんな絵本のような世界に住むハクメイとミコチを始め小人たち動物たちがとてもキュートです。
2人が小人だから鳥も狸もでかい!アリエッティやとんがり帽子のメモルを思い出すね。
新聞屋のバッタが窓をノックして「まいど~」って持ってきてくれたり
ピーナッツ(でかい)1個でお腹いっぱいになったり、夕焼けトンビで空を飛んだり
1話からほのぼのなのかトップギアなのか、あやういバランスのアニメだなあと思いました。
2話で2人が街へ買い物に行くとすごい雑種な世界が広がっていて
ありとあらゆる文化と種族が入り混じって緩やかに時間が流れているような空間で
やっぱり色んなものが小さいけど魚もタコ足もリアル500円玉まである不思議な世界観。
見た目的には西洋がベースのアジア寄りファンタジーなのかな?
ラウンジ小骨に笑った(笑)緒方さんのいるアニメ最近よく見るなあ。
そして皆さんお酒が飲める年齢なんですね。マスターのミル飲みたい。

ハクメイ(薄明。日の出前・日没後のぼんやりした空の明るさ)とミコチ(美東風。東から吹く春風)は
てっきり姉妹か何かかと思ってたらただの同居人なのね。
しかもハクメイがある日ミコチの家にふらりとやって来てそのまま居ついたっていうのかわいい。
ハクメイは修理屋さんで大工から刃物研ぎまでなんでもこなし、
出勤はネコバスでも通りそうな木の下のバス停からなのかわいい。
ミコチは料理研究家&布オタクというかモノづくりが好きなのかなあ、
蜂蜜館の騒動が最終的にミコチの飯の力で解決するのほのぼのさはよかった。
人物が小さいだけで他は地球サイズみたいな、地に足着いたような世界観ですが
不思議なことも色々起こるみたいで
コンジュ(胡飲酒)とミコチのHarvest Moon Night斉唱で付喪神たちがはしゃぎ出すのを
ハクメイが「こりゃ賑やか」だけで片付けるのはあの世界では当たり前の光景だからなのでしょうね。
セン(泉)が飼ってる骨だけの亀ジョージがビードロみたいな楽器のペッコンペッコンで動き出すの、
どういう仕組みなのか魔法なのか全然説明されないけどおもしろい。
爆発で吹っ飛んだミコチの家をジョージに直させたら(このときは太鼓で動かしていた)
エンディング映像のミコチの家もちゃんとリニューアルされていて細かいなと思いました。
屋根を骨にされてしまったハクメイたちがレ目になった気持ちはよくわかる、なんということでしょう。
最新話でコンジュのタンバリンのリズムで水中から脱出するのはドキドキするけどみんなかわいい!
余裕でコーラス入れるコンジュ、大真面目に口を開けるセン、いつもと変わらず歌うミコチ、
ハクメイの音外しがいっそ清々しすぎてかわいい(笑)ジョージもふらふらしながらちゃんと浮いてくれたよね。
エンディングに流れるコンジュの「水底のリズム」の歌もとってもすてきでした♪
あと何かというとモヒカンをすすめてくるたまごの美容師のジャダさんが
ベティ・ブープちゃんみたいな外見でしゃべり方がもしゃもしゃしててかわいいし、
他にも都会的な生活に憧れるコハルちゃん、思い出を撮ってくれるミミちゃん、
兄貴みたいな先輩のイワシと仕事を認めてくれる親方、干し肉のお礼に果物をいっぱい届けてくれるオロシ。
けものはいてものけものはいない。
エンディング映像に乗って彼らの住む世界の歴史や文化や民話の記述が一部抜粋されるの大好き☆

キャラデザと背景の美しさから深夜じゃなく夕方アニメ枠もいけそうな気がします。
キャラクターのちょっとした視線や仕草、言葉の端々からも非常に心配りが行き届いていて
こういうアニメを待ってました!って感じです。楽しい。


原作20周年ということで新作の連載が始まった時点でアニメ化くるかと予想していたら
やっぱりきたー!というわけで見ています、カードキャプターさくらクリアカード編。
かつて原作もアニメも映画もリアルタイムで楽しんだ世代としては懐かしいわ感慨深いわ
いったい今は本当に21世紀なのかと突っ込みたくなるわ、色々忙しいですが楽しい!
さくらには、学生時代に部室でなかよしを回し読みしたり友達と映画の試写会に行ったり
思い出がたくさんあるので思い入れも強いんですよ。

さくらといえば!な、坂本真綾さんのオープニングテーマからの
ケロちゃんにおまかせから始まってめっちゃ笑いました(笑)。
まさか衛星アニメ劇場時代のコーナーまでちゃんとやってくれるとはー!
コンセプトは旧アニメ同様、バトルコスチュームや日常小物の紹介ですが
新しくADスッピーが追加されてる(笑)カンペ持ってばしばし叩いてすごいおもしろい(笑)(笑)
このコンビ最強すぎてもうどこまでもこの調子で走って行ってほしいし
本編でもテレビ電話したりネトゲで対戦したりどんどん仲良くなっている2人が好きです。
スッピーはあのかっこいい元の姿にあまり戻ってはくれなくなったけど(必要がないからでしょうね)、
ケロちゃんはたまに雄姿を見せてくださるので眼福であります。
月さんとのテレビ電話でヘッドホン着けたまま真の姿に戻ったケロちゃんの頭に
小さいサイズのヘッドホンがちょこんと着いてて笑ってしまった。

そして始まった本編のすばらしさ…!
これは旧アニメを知っているからこそですが、映像がハンパなくきれいになってるし
作画も丁寧だし背景のクオリティも確実に上がっていて、これが20年経った証かと。
封印シーン美しかった!セキュアと唱えてからの氷がはじけるような演出に
パーッとカードが出てきてさくらの手に収まっていく一連の作画が滑らかでよいよ~~。
しかも監督も脚本も音楽もOP歌手も声優さんも同じなのがもっとすごい、
特に声優さんが現役でいらっしゃることに感動する!
現実は20年経ってますがさくらちゃんたちは小学生から中学生になっただけなので
皆さん少しずつ年を重ねたような絶妙な演技をなさっていて
ああ確かに中学生になったんだなって、そしてこれは続編なんだなって
改めて感じることができて感謝しかないです。
丹下さんと岩男さんと久川さんは声がほっっとんど変わってないし
緒方さんと関さんとくまいさんがもうほんっっとイケボすぎて圧倒的感謝、プロはすごい。

新作の原作を読んでいるので、お話は知ったうえで見ておりますが
やはりキャラクターたちの関係性が懐かしくて感慨深くて燃えて萌える。
原作読んでても思ったけど一番関係性に変化があったのはエリオル君と小狼くんだよねー!
あんなにエリオル君を敵視していた小狼くんが今や積極的に相談するまでになって
き、君たち…仲良くなったね…!って顔を覆って泣き出したい。(泣くな)
さくらカード編でむちゃくちゃ完璧に見えたエリオル君が
今回の件についてあまり掴んではいなさそうなのもドキドキ感を誘いますし、
あと小狼くんはさくらのこと以外にも何か悩んでそうな感じがしています。さて、さて。
小狼くんと桃矢お兄ちゃんの関係も、原作ではまだ描写がないけどアニメ9話でちょっとやってくれて
お互い前よりはちょっと柔らかくなったけどまだ複雑な顔で睨みあってて
からの「どんな顔すれば良いか分からない」「ていうか挨拶してない」になったのは
小狼くん本当にいい子だなあと。(と同時にあのお母上の教育の賜物かなあとも)
桃矢お兄ちゃんも、知ってた未来だしさくらが小狼のこと好きなのもわかってるけど
黙って睨むしかないのムズムズします。ていうか水族館デート絶対知っててバイトしてたよね。
旧アニメの水族館話では水中からさくらを助けるのは桃矢だったけど今回は小狼くんが助けていて
お弁当拾いに行くのも小狼くんだったの、役割交代って感じがして萌えた。
あとケロちゃんと小狼くんもな!躊躇なくケルベロス!って呼べるようになってた\(^o^)/
彼らの魔法に関する会話が好きなので、今後もちょこちょこやってほしい。
他の人たちも、千春ちゃんと山崎くんは変わらず仲がいいし奈緒子ちゃんの妄想もたくましさを増してる。
利佳ちゃんの声優さんが変わってしまったのはやっぱりさびしいですが
なんと後任はミクさんだったのでびっくりしました。落ち着いてとても合ってる。
そして川上とも子さんのご冥福を、ここでも改めて。
(あと利佳ちゃんが着てるのは鳳凰寺風ちゃんと同じ私立学校(有名)の制服だと思われ)
あと苺鈴ちゃんがスマホ越しに登場したのめちゃめちゃテンション上がったー!
9話のデートの際にジャストビンゴなタイミングで小狼に「エスコートしろ、照れてばっかいるな」と
メッセージくれるのもまじ好きだし(あれ絶対知世ちゃんがリークしたんだ)、
相変わらずなんてしっかりした子なんだろうと感心するし、
10話でお料理中のさくらちゃんを気遣ったり応援したり、ますますかっこよくなっていくの最高。
キャラクターの進化はうれしいよね^^
進化といえば小狼くんが英語で案内ができたりピアノ弾けたり、なんやねんこのハイスペ中学生。
氷の魔法も使えるようになってたねー!「氷華招来」すごくかっこよかったし
小狼の協力でクリアカードを封印する場面がまだ原作にはないのでアニメでやってくれて本当にうれしかった☆

最新話でアニメが原作コミックスに追いついてしまったので
今後は原作を踏襲しつつアニメだけのオリジナル話も入ってくるのでしょうね。
脚本が七瀬氏なのでぶれることはないだろうし、アニメオリジナルのカードも出てきそう。
クリアカードは秋穂ちゃんのものだと勝手に思ってますが、さくらが集めさせられているのは何故なのかな…
(うちの弟くんは海渡さんやモモちゃんの態度からみて托卵じゃないかと予想している)
で、海渡さんとモモちゃんが要するにさくらサイドの月さんやケロちゃんなんだろうけど
モモちゃんは別に本名がありそうだけど海渡さんのFNのユナは沖縄地方のことばで夜の意味なので
モモちゃんが太陽なのかしら。
原作ではしゃべったけどアニメでしゃべってくれるのはいつかしら…
とまあ、色々想像は尽きませんがアニメの今後のサブタイトルを見ていると
次回でペンギン大王はまた逆さまになるみたいだし、4月にはただいま苺鈴だし
これからもわくわくは続くぞー!楽しみです。


先日、妖怪ウォッチが今月いっぱいで終わってしまうという情報が流れてから
「妖怪ウォッチ 最終回」でぐぐっては「そんなはずはない」と現実逃避しておりますが、
さらに4月からシャドウサイドが始まるという情報まで公式から流れてきて
とうとう顔を背けてばかりもいられなくなっています。
いやだいやだいやだあああぁぁあああケータくんのいない妖怪ウォッチなんていやだあああぁぁああ。゜゜(´Д`。)°゜。
今時ないですよあんな毒にも薬にもならないアニメ…。
そんなこと言っても決定事項なので仕方ないし来週からはシャドウが始まりますがわたしは諦めないぞ、
これからはケータくん復活希望を唱え続ける!
4年間本当に楽しませてもらったし、わたしの中では終わらないぜ!!
いつかまたケータくんとウィス&ニャンジバ&ヒキコウモリの日常が戻ってきてくれることを信じて待とうと思います。

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2018_03
07
(Wed)23:58

金沢北条氏と運慶の鎌倉。

前回記事の続き。桃の節句の日に横浜の称名寺と金沢文庫に行ってきました。
乗り換えで京急に乗ったんですが、というか京急に乗ったの久しぶりでしたが
シートめっちゃふかふかで座り心地最高かよと。エアウィーヴかよと!
待って待って京急こんなにすごいホスピタリティどうしたのって感動して
あまりに気持ちよくていつの間にか眠ってしまい、起きたら金沢文庫駅でした。ジャストビンゴ。

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金沢文庫駅から歩いて、まずは称名寺へ。
鎌倉時代の武将で金沢殿と呼ばれた北条実時が開基で、金沢北条氏一門の菩提寺です。
実時の子顕時、その子貞顕の代に伽藍や庭園が整備されて
鎌倉幕府の滅亡と金沢北条氏が滅んでからはしばらく衰退していたようですが
江戸時代の復興で建物が再建されるなどして、現在に至っています。
(称名寺は実時の戒名「称名寺正慧」からの名称)

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仁王門。
江戸時代に再建された楼門は猛々しくも唐破風が雅やか。

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東大寺金剛力士像を思わせる阿吽の仁王像がでかいし迫力あるし超かっこよかった!
写真は阿形さまです。
振り上げたその手で今すぐ張り倒されたい。そして邪念を払っていただきたい。(何)

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門をくぐるとこれまた雅な浄土庭園。実時らの趣味が伺えます。
目の前に広がる池は阿字ヶ池。称名寺は真言律宗なので阿字観にちなんでいるのでしょうか。
手前の梅の木は花が咲いていました。

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かわいい☆
この日はとてもいい天気で風もなく過ごしやすく、気温も高くてまさに春のような一日でした。
桃の節句はこうでなくちゃ。

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反橋(太鼓橋)。きれいなカーブで掛かっています。
こちらも近代に再建されたもの。

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亀!!
池の周りに無数の亀がいて甲羅干ししたり、池の中をすいすい泳いでいたりしてかわいかったです。
池には他にも鯉や鴨が泳いでいたり、鷺が飛んできて小島にとまったりしていました。長閑な風景。

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平橋を渡って金堂へ。
ご本尊は弥勒菩薩像ですが、この日は扉が閉まっていました。
橋のたもとには鐘楼があります。

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御朱印。ぼさつの寺めぐりのをいただきました。
ご本尊の弥勒菩薩像のお名前と挿絵が入ってます。きれいだ。

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金堂の隣に建つ釈迦堂。

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新宮古址。
称名寺の鎮守社で、こちらも江戸時代に再建されたそうです。

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釈迦堂の右に伸びている道を進んで裏山を登って、開基北条実時のお墓へ。
境内の地図を見たときはちょっと歩けば着きそうな距離だったのに結局10分くらい歩いたと思う、
しかも山からの水で途中の道がぬかるんでいて靴が半分泥まみれになりました。
お参り予定の人は歩きやすい靴で行ってくだされ!

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環境音しかしない、とても静かな場所だった…静かに眠れているのだろうか実時さん。
祖父の姉が北条政子で、仕事は主に執権を支える役職に就いていて
文永の役の際には北条時宗を支えた激動の人生なんだよね。
引退後は法律や仏教や漢籍に関する図書を集めたり、和歌などを学んだり
河内本『源氏物語』の注釈書を作ったりする文化人でもあったそうです。
大河ドラマでは池畑慎之介氏がもんのすごく知的におしゃれに演じておられたよね!今でも覚えてる。

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実時の子・顕時と、孫の貞顕のお墓は境内にあります。
顕時は親王の側近や地方官として、貞顕は六波羅探題および15代執権として鎌倉幕府に仕え、
ともに好学で文化人だったそうです。
称名寺が一時期大伽藍ともいえる七堂伽藍を成していたのは親子3代の文化意識だったのかも。

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称名寺と金沢文庫はトンネルで繋がっていると聞いておりましたので
境内をぐるりと回って見つけました、中世の隧道。
文化財指定がされているため通せんぼがしてあり通り抜けることはできませんが
江戸時代にはこのトンネルの向こうに「文庫がやつ」という地名があったそうで
昔の金沢文庫はその辺りにあったのではないかと考えられているようです。
向こう側に金沢文庫の建物が見えました。

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中世隧道の隣にあるのが現代の隧道。歩いて金沢文庫へ行けます。
さあ、運慶展へ向けてれっつらごう☆

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トンネルの中には歌川広重による「金沢八景」が展示されています。
こちらは「称名の晩鐘」で、称名寺の鐘楼が描かれているとか。

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トンネルを歩いてものの1分、金沢文庫に着きました。
北条実時の邸宅にあった文庫のコレクションを収蔵している歴史博物館です。
(過去に県立図書館だった時代もあるためよく図書館と間違われるそうですが、現在は博物館)
実時が創建した当時は和書や漢籍を所蔵していて、鎌倉時代の終わりとともに散逸しましたが
一部は称名寺に保管され受けつがれてきたそうです。
今回の運慶展ではそれらの貴重な書物も鑑賞できるらしい、楽しみ。

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中世の隧道を金沢文庫側から。
文庫の方が称名寺境内よりも少し低い場所にあるのですが、背伸びをすると向こう側が見えました。

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「運慶-鎌倉幕府と霊験伝説」展を鑑賞します!
去年、東博で開催された運慶展とも協力しているそうで
その時に見た仏像ともいくつか再会できました。

はっきり運慶の作と判明している仏像は、まず梵天立像。
東博の運慶展にいらした聖観音菩薩像と同じで、ふだんは瀧山寺にいらっしゃいます。
三面四臂、頭の上にもうひとつお顔があり、きれいに彩色されて、真っ白お肌に衣の模様が美しかった!
ゆったりとした体躯ですが足腰がどっしりして力強く、また衣の表現もリアルなため
運慶とともに息子の湛慶も協力したのではないかとされています。
瀬戸神社の舞楽面「抜頭」は裏面の墨書きから運慶が夢想により彫り上げたと伝わる面で
隣に展示されていた陵王面(作者不明)とともに源実朝が所用し、のちに北条政子が神社に寄進したそうです。
抜頭面のギョロ目とわし鼻、顔かたちの筋肉の付き方はまぎれもなく運慶だなあという迫力。
称名寺光明院の大威徳明王坐像は東博で見たよ~~お久しぶりでございます!
ああ相変わらず何ておっかない忿怒の表情…これで完全体だったらどんだけの迫力なんだろう。
胎内に納められたお経には源氏大弐殿(甲斐源氏加賀美遠光の娘で頼家と実朝の養育係)が
1216年に発願したと書いてあるそうで、運慶にとっては晩年(60~70代?)の作品ですよね。
大日如来・愛染明王とともに三尊を構成していたそうですが、今はこの像のみが残ります。
小さいからすぐ近くで見れて、技術がむちゃくちゃ高いのが素人目にもわかるお像なんだよな…
展示室の外にはこのお像が運慶作と確認された際の新聞記事や
調査の様子などを撮影した写真が展示されていました。

運慶願経に結縁がある同世代の仏師たちの仏像。
宗慶の阿弥陀如来坐像及び両脇侍坐像(保寧寺)は
如来にしては胸板が厚いのと衣のシワの圧倒的表現が慶派仏師らしさを醸し出している。
実慶の大日如来坐像は頼家の妻辻殿の発願で
印を結び薄目を開けてこちらを見ている如来さまは美しい、でも胸板厚い。

運慶または慶派の作品ではないかと言われる仏像。
薬師如来・脇侍・十二神将・四天王のフルセットがわずか16cmの厨子に納められている奇跡、
四天王は東大寺様といって、東大寺の四天王に形が似ていました。
その隣に、こちらもわずか30cmの金剛力士立像。
これはもともとどこかに飾られるわけではなく、
東大寺の金剛力士像をモデルにして仏師が制作した雛型のようなものらしい。
阿形さまは首が失われておりました…なんてことだ。
曹源寺の十二神将立像は、去年まで長いこと東博常設展にいらっしゃって
あのときはスーパー戦隊みたいな並び方をしていたんですが
金沢文庫はシンプルに横一列にズラっと並べてありました。
でもそのぶん、距離が近づいて鑑賞することができました。

金沢文庫の文書。
称名寺聖教から文書がいくつか出ていて、
「讃仏乗抄」は主に平家の南都焼き打ちの後の復興について書かれた史料で
東大寺の総供養では運慶たちが制作した金剛力士像の開眼法要が行われたことが記されています。
「東寺講堂御仏御舎利員数」は運慶たちによる1197年の修理の件で
各仏像の真言、仏舎利を所蔵する場所などの内訳が細かく描かれています。
他にも「東寺講堂御仏所被籠」に大仏師法眼運慶と書かれていたり
参考出品の1218年の「吾妻鏡」には雲慶(運慶ではない)の記述がでてきたりします。
たくさんの人が運慶と仕事をしたときのことを残してくれていて有難い。

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この日はかなぶんカフェでランチ。
文庫カエル(金沢文庫キャラ)と、ボサツちゃん(称名寺のキャラ)が仲良くハイタッチ。

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ワンプレートランチ。キッシュ、サラダ、パンにスープがついてます。
キッシュもおいしかったけど、何といってもパンが焼きたてでクルミもベリーも入ってて
表面がカリっと香ばしくて中味はもっちもちで最高においしかった!
あのパン食べるためだけにまた来てもいいと思ったくらいです。もういっこ注文すればよかった!

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図書閲覧室。
鎌倉時代を中心に中世の資料が閲覧できる専門図書館です。
称名寺に保管されていた和書や漢籍もマイクロフィルム化されて閲覧できるそうです。
この日は来館者が多かったので図書室内も混雑していました。

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名残惜しいですが後にします…。
文庫の前にあった梅の木も花が咲き始めていました。

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紅梅と白梅が混じって咲く「思いのまま」でした。
だんだん梅の花が見られるようになってきて、もうちょっと経てばもっと暖かくなるだろうし
そうしたら桜の花が咲くぞ!待ち遠しい春。
2018_03
03
(Sat)23:57

いろいろな光が混じり合ってその人の光になる。その人だけの光になる。

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横浜人形の家にて開催中の「後藤由香子展-時空を超えた愛の贈り物」に行ってきました。
去年亡くなられた節句人形工芸師・後藤由香子さんの追悼企画展です。
後藤さんは主に雛人形を制作しておられた作家さんで
現代的でシックな、さらに過去の雅さも盛り込んだ美しい雛人形がたくさんありました。
この展覧会に気づいたのが先月で、でもなかなか行けなくて
「よし行ける!」ってなった日がたまたま桃の節句だったのも何かの縁だったのかな、
こんなに多くの雛人形を見る機会もあまりないと思うので充実した時間でした。
しかも全部写真撮影OK!!太っ腹すぎる。

というわけでいっぱい写真撮ってきましたのでいくつかご紹介いたします!
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展示室に入ってすぐ迎えてくれるのがこんなお人形さんなんですよ~☆
「夜明けのシンフォニー」というタイトルで、笛と琴を奏でるお人形さんたち。
「これからつむぎだすたくさんの人生のシンフォニーがやがて素敵なシンフォニーとなりますように」との
願いが込められているそうです。
そうだこれは雛人形なのだから、これから大きくなる女の子たちの健やかな人生を願うんだな。
しかし典型的な雛人形のように真正面を向いて座るのではなくちょっとお互いを向き合っているのも素敵、
後藤さんのお人形はこんな風に自由です^^

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「こもれび」。
木漏れ日の中でいつまでも光輝く人生でありますように、とのこと。
こちらはスタンダードに正面向いて並んでいますね~緑色のかさねが美しい。

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「Snowbird 雪の情景の中で寄り添う二人」。
源氏物語に登場する「氷のかさね」を着たお人形さんたちです。
人形の家スタッフさんによるとこの男雛は羽生結弦さんをイメージしているとのこと。
言われてみれば雪景色の背景に氷のような地面で今にもスケートとか始めそう、
十二単でスケートは難しいだろうけど
束帯もどきで4回転ループが飛べるのは先日までの五輪で羽生氏本人が証明してくれたしね。

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「JAZZ」。
ちょっと粋なJAZZのように女雛に手紙を書く男雛、というコンセプトがおもしろいなと思いました。
2人が着ているのは秋色のかさね。

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「PARADISE」。
南国のパラダイスをイメージした夏色のかさねで、柄は唐草と鳳凰!
鳳凰はフェニックスと同一視される火の鳥ですからまさに情熱の夏ですなあ。

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「さくら」。
春のかさねはやっぱり桜。桜柄の着物と、持ち物も桜。桜づくしで華やか!

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「出逢い」。
しだれ桜の下で出会う2人というとてもロマンチックな作品。
デートというよりお花見のような感じもします。優雅なお花見。

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「エミールの庭」。
後藤さんの初期作品で、エミール・ガレに憧れて制作したそうです。
お人形さんたちの着物はフランスの織物で作られているとのことで西洋のドレスのようにも見えてエレガント。

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

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