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2018_10
31
(Wed)23:50

遮二無二図書館。

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図書館総合展に行ってきましたよ~。
おととし以来の参加だったのでテンションも期待も2倍でした。楽しかった!
図書館界の進化について本気出して考える3日間は今年も盛り上がっているぞよ。

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今年もキハラさんのブースは大賑わい&長蛇の列。
ブースをぐるりと囲むように行列が組まれていました。
数量限定のクッションが大人気のようで禁帯出は早くも完売していました。(わたしは既にゲット済み)

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パーテーションがアツイ。
禁帯出・館内・貴重書・書庫のマグネットはあるけど(全部持ってる)参考書はまだ出てませんよねキハラさん!
来年は出してほしいです待ってます。あと寄贈書とか教師用柄のマグネットも欲しいです待ってます。

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禁帯出バッジに禁帯出ボールペン、タオルにリーディングトラッカー。
お買い物をするとノベルティとして禁帯出・館内クッキーがどちらか1個いただけると聞いたので
2回お買い物して両方ともゲットするというセコいことをやりました。よい子は真似しないでね。
トラッカーは色つきにするか迷いましたが結局クリアに。これがあると行間の狭い本が読みやすくなるのだ。

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ナカバヤシのミニチュア図書館のクオリティがすごい!
スタッフの人が何日もかけて作ったそうです。
棚に収まっている本はひとつひとつにお花柄の千代紙でブックカバーが貼られて
カウンターも椅子もテーブルも、新聞は見出しがあるし和綴じ本も題名紙ついてるし
紙芝居はタイトルも絵も描いてあってどこまでも細かい!
こういうちょっとした図書室ってどこにでもあるよねえ…どこにでもある感を出せるのすごい。

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特に感動したのはカウンター周り。
パソコン画面をご覧ください、検索用OPACが細部まで再現されています。
作業中でしょうか、和綴じ本が無造作に置かれているし、ハロウィンかぼちゃもあって季節感を演出。
これきっと11月になったら落ち葉かクリスマスツリーになるんですよ…そうです図書館は季節を感じられる場所…。
あと司書さんの後ろにある新聞ラックと閲覧棚、角度が絶妙に再現されているうえに
新聞も1面見出しのフォントとか写真とか、下段の広告まで作り込まれて本物のような雰囲気で
感動してむちゃくちゃ写真撮りまくりました。
スタッフの人が「ネットにじゃんじゃんアップしてください」と言ってくださったのも有難かった☆

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猫ピッチャーのミイちゃん!
出展している図書館や企業のマスコットも会場内にたくさんいました。

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図書館のイベントで縄文の女神に遭遇。okamotoの耐震展示ケースの紹介です。
本物は縄文展で見たのでこれはレプリカですけど一瞬びっくりしました。

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図書館×ボードゲームのブース。
図書館でゲームをやる、図書館がゲームを収集・保存するという試みは欧米では当たり前に行われているけど
(コミュニケーションツールや文化資料として捉えるのでコレクションとして収集対象になるらしい)
日本ではまだ発展途上で、
ここでは実際に各地の図書館で行われている事例を紹介したり、実際にプレイすることもできます。
ゲームも進化の早いメディアなので10年前のソフトとか生産終了したものの中には既にプレイできないものもあって
このままだとゲームの歴史が記録・研究されないまま散逸してしまう可能性もあるというのは以前から指摘されていて
こういう取り組みで少しずつでも流れを変えて行かないとなあ。

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布の絵本連絡会主催の着物シアター。昔話の場面を再現した着物でお話し会をします。
わたしが見たのは一寸法師。写真は、打ち出の小槌で法師が大きくなるシーンです。
それまで人の手で持って動かされていた法師が突然、大きくなって着物ににょきにょきっと出てくるシーンは
ぎょっとしたけどおもしろすぎました(笑)。

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図書館に関する同人誌即売会「としょけっと」。
図書館が舞台だったり、図書館関係者が執筆した同人誌を委託販売しています。
これ個人的にすごく楽しみで行ったら、わたしが欲しかった本はすでに完売でした…早いよ。まだ2日目だよ。。
などと泣きそうになっていたら、

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え、え、鞄図書館が置いてある!しかも同人誌の方!!
どんな本でも出せる鞄を持っている司書さんのマンガなのですが、惜しまれつつ完結しまして
単行本未収録のエピソードを作者の芳崎せいむ氏が個人同人誌として出してくださったのですよね。
わたしは5月のコミティアでゲットしたので今回は買わなかったけど、
夕方にトークイベントを開催するという張り紙を見てヒャッハー!ってなりまして
午後のフォーラムの後イベントブースに行って聴講しました。

フォーラムの終了時間とトークイベントの開始時間が10分ほど被っていたので
出だしの方は聞けなかったけど、途中からでも聞けてよかったです。
芳崎さんのアシスタントさんの思い出話で、その人が通っていた学校の図書室に漫画がたくさんあって
その選書が芳崎さんの好きなマンガとまったく同じで
アシさんに「〇〇とか〇〇がありました」って言われて「それ読んだ!」ということが多くて
とても盛り上がったことがあるそうです。
そのアシさんが読んだそれらのマンガは、当時のアシさんはとても読もうとは思わないような内容で
でも図書室だったから無料で読めるというのもあったし、
何より自分の好みと違ったものと出会えたというのは図書館ならではだと思ったそう。
司書としてはその選書が適切だったかどうかはわからないのですが
同人界隈によくある、好きなものを仲間に与えて沼に堕とすみたいなことが
学校の図書室でもありえるのだと思ってちょっとおもしろかったです。どんなラインナップだったのか気になる。
あと日本図書センターの『夢のお仕事大図鑑』に金魚屋古書店が取り上げられたお話もしてくださったり
昔から本とマンガには興味がありました~みたいなお話もされていました。
(小学生の頃には漫画家になりたいと言っていたそうな)
子どもの頃から本がお好きで図書館にも通っていて、無料で何でも読める空間が楽しくて
可能性を広げてくれる場所であると考えていらっしゃったとか。
あと意外だったのが、芳崎さん、読み聞かせがお好きとのこと!
特に紙芝居読みが得意で子どもの頃はお友達に「やって~」と頼まれることも多かったようです。
そして、もし自分が司書になったら朗読会をやりたい、みんなで短編を1行ずつ読む集いをやりたいとおっしゃって
短編なら『風の十二方位』で、長編なら『アルジャーノンに花束を』にチャレンジしてみたいとのこと。
視覚メディアである漫画を描く芳崎さんが、耳で聞くことがメインの読み聞かせをやりたいとは!と
司会の方がびっくりされると、
「耳から聞いて好きなのは太宰治。ユダの話(駈込み訴へ)が好きです」とさらりとおっしゃいました。
昨今、朗読される機会の多い太宰だけど駈込み訴への朗読はまだ聞いたことないですね…
読まれたらどんな雰囲気になるんだろう。

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トークイベントが終わって帰ろうとしたらスタッフさんからお土産にと
コミティアクロニクルをいただいてしまいました。
4年前に30周年を迎えたコミティア出品者の中から選りすぐりの作品を収録した作品集なのですが
参加された作家さんの名前が見たことある人ばっかりで!
コミティアから商業誌デビューした人ってこんなにいるんですね…
いやコミケとかガタフェとか赤ブーからもいるしな…そりゃそうか…!
というか全国の公立・学校図書館のみなさーん!コミティアさんが太っ腹なことをされているので要チェックですよー!
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2018_10
28
(Sun)23:36

和の感謝祭。

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今年もハロウィン和菓子が豊作です!
我らがくらづくり本舗の感謝祭は帽子を被ってます~かっわいい☆
左の題は初雁で、月あかりに舞う雁と秋の夜空のイメージだそうです。

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食べマスリラックマのハロウィンVer.
ちょっと見づらいかもですが、2匹が乗っているオレンジ色の物体はジャックオーランタンです。
味はパンプキンとメープルという何ともこの時期らしい味。

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同じく食べマスシリーズからエイリアンこと
トイ・ストーリーのリトルグリーンメン!命の恩人感謝永遠に☆
味は黒目とハート目で2種類なんですが例のシーンを再現したくて3匹買いました(笑)。
ポテトヘッドがいないので完全再現ってわけにはいかないけど
こうやってお菓子で遊べるのはとても楽しい。
味も栗と紅イモという秋の味でした!

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ふるや古賀音庵のハロウィン和菓子、
帽子被って真っ赤な舌を出したオバケと歯が凸凹なジャックがとってもかわいい。
このお店はいつもお菓子作りが丁寧でしっかりしていて
電車に揺られて持ち帰ってきても転んだり崩れたりしなくてすばらしいのです^^

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花扇の今月の生菓子。
ジャックオーランタン、深山、ハンバーガー和菓子。

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そうですハンバーガーです!(突然の力説)
三越のあんこ博覧会にも出品されたお菓子ですよ~すごい!このクオリティはすごい!!
パンの上に乗ってる胡麻もこれ胡麻じゃないんです練り切りなんです、
練り切りで胡麻作るとかもう狂気の沙汰としか思えない。
いただくまではてっきり胡麻だと思っていて
ぱくっといったら練り切りってわかったときのわたしの気持ちを想像してくださいよ、
胡麻乗せるんじゃないのかよ!って突っ込みましたもん。職人のこだわりおかしい。すばらしい技ですありがとう。

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バラしてみた。
パンのさくさく感や野菜のシャキシャキ感、チーズのぺったり感、お肉がミディアムっぽいとこまで想像できる
この再現度やばくないですか。
羊羹と練り切りだけでここまでできるのか和菓子というものは…!戦慄を通り越して背筋が凍る。
しかもこれは手のひらサイズですが
お店には過去に制作したというサッカーボールみたいなジャンボハンバーガーも飾ってあって
そちらは何かのコンテストでグランプリを受賞したそうな。
和菓子の無限の可能性は新しいお店を開拓するたびにひしひしと感じますが
通い慣れたお店も時々こういうことをやってくれるから通うのやめられないんですよ…楽しいね。

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あとこれは特にハロウィン関係ないですけども
職場に金沢のきんつばをいただいたのでアキタくんに思いを馳せながらいただきました。
きんつば見るとアキタくんを思い出すようになってしまったし、
過去にスタッフの永作氏が描かれた素敵な線画を思い出します。うふふ。


…というわけで。
いつものようにシンカリオン42話感想は追記です~↓

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2018_10
23
(Tue)23:53

秋に動く山その2。

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日曜日に川越氷川神社の本殿彫刻見学に行ってきました。
神社の本殿というと基本的には直接お参りすることはできませんが(だから拝殿を拝む)、
氷川神社では毎年、川越まつり2日目の午後の2時間のみ無料公開してくれます。
なかなかタイミングがなくて行けなかったけど今年は行けたど~!
写真はパンフレットと川越まつり限定御朱印。御朱印は氷川神社例大祭・神幸祭の4日間のみ頒布されます。
江戸時代の神幸祭を描いた絵巻物の絵が描いてあってかわいい!
神幸祭は拝見したけど例大祭はまだないのでいつか見てみたいよ~。

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神社に着くと入口の鳥居の前でお囃子が披露されていました。

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本殿の説明板。

氷川神社本殿は透塀(玉垣)に囲まれておりまして、御垣内へいきなり入ることはできなくて
まず拝殿にて宮司さんによるお清めを受けてから数人ずつ入ります。
そんなに広くないので一度に何十人も見学することはできず、
カメラ等による撮影も禁止ですので彫刻の実物写真をお見せすることはできませんが
氷川会館のブログに一部画像がありますので雰囲気だけでもどうぞ→こちら
彫ったのは嶋村流七代目嶋村源蔵および石原流の飯田岩次郎だそうで
嶋村源蔵は浅草の人で田無神社や越生八幡神社などに本殿彫刻を残し、
飯田岩次郎は熊谷の人で宝登山神社や箭弓稲荷神社の社殿に彫刻を残しています。
江戸彫と呼ばれる方法で1枚の板から浮き彫りにされているのですが
現物を見てみると結構、縦にも横にも大きくて
これほどの彫刻を完成させるために必要な板ってどんだけ分厚かったのかと。
彫刻のテーマは天岩戸、山王の猿、布袋、関羽、浦島太郎、源為朝ほか
諫鼓の鶏、牛若丸、小鍛冶、源義家などお祭で曳かれる山車人形が題材になっているものも。
北面の3面にわたる源頼朝図は歌川国貞の浮世絵が参考になっているそうです。
これらは江戸時代後期の作で彩色もされていないので(江戸彫の特徴)、
200年ほど風雨にさらされたためでしょうか、表面が少し削れて丸くなっている部分もありますが
全体的には細かく綺麗に残っていて保存が行き届いているなあと思いました。
何より普段立ち入ることのできない間近でお江戸の職人技が見られる僥倖!
年に一度の素敵な時間なので興味ある方はぜひ~。

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見学を終えて外に出ると、仙波町の人たちがお参りされていました。
でもって、

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どうも後ろからお囃子が聞こえるなあと思ったら、

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仙波二郎の山車が社参に来ていた!
川越まつりの2日間は各町の山車が交代で神社へ参拝に訪れるのですが
神社の日程表を見たらこの日最後の社参だったみたい。

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仙波二郎安家の人形。源頼朝が上洛する際に随兵を務めた人物で吾妻鏡にも名前がちょこちょこ出てきます。
仙波氏は平氏の流れですが、頼朝の父義朝の頃は既に源氏側だったようです。まあよくある話だ。

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お参りを終えると帰っていきました。
大勢で力任せにグルリと回して向きを変えて、「ソーレ!」と縄で引っぱり後ろから押して移動します。
いつ見てもすごい迫力。

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街の方はどうなっているかしらと向かっていたら、市役所前に猩々の山車が止まっていました。
これは川越市に寄贈された山車なのでここにいるんですね。

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街方面から日本武尊の山車も戻ってきます。
この山車は氷川神社の駐車場内に車庫があるからそこへ帰る途中だったのかも。

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札ノ辻付近がものすごい混雑で何かと思ったら
牛若丸と菅原道真の山車がお囃子対決していた!
道真の人形は仕舞われて出ていなかったけど、牛若はまだ出ていました。
平安時代初期の学者と平安時代末期の武将が現代で相対しているようで時空のゆがみ感ハンパない、
こういうことがあるから山車行事は楽しいよね~(^◇^)♪

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牛若さんズームアップ。
菊綴が見えるから水干を着ているのかな、笛を持っています。
弁慶と出会った五条橋でのいでたちでしょうか。かわいらしいお顔をしていなさる^^

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夕暮れの蔵造りの街。まだホコ天は解除されず道路はたいへん賑やかでした。
もうちょっと暗くなると明かりがついて宵闇の色になります。宵の川越も好き。

例大祭から一週間続いたお祭もこの日でおしまいです。
山車が帰っていくのを見ると今年もお祭が終わるなあとしみじみしますね。また来年。




シンカリオン41話感想は下にしまってます~↓リュウジさんいなかったので短めですが、なんとなく。

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2018_10
19
(Fri)23:56

以上、ゲゲゲの先生へ。でした。

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東京芸術劇場で佐々木蔵之介さん主演の舞台「ゲゲゲの先生へ」を観てきました☆
蔵さんと付き合いの長い前川さんが脚本を担当されると聞いて楽しみに行きましたらば
水木しげる氏の短編をオマージュしつつ、人間も妖怪も神様もSFも現代批判も詰め込んで
次々に現れては消える現象(あえてそう言います)が目くらましのようでした。あっという間の休憩なし2時間だった。
仕事帰りだったので寝ちゃったらどうしようと思ってたけど杞憂に終わりました。ホッ。
わたし前川さんの本は空ヲ刻ム者に続いて2度目ですけど
今回も相変わらず怒涛のセリフ劇で飽きさせない工夫も随所にあって
演劇としてのレベルがかなり高かったように思います。
かぶりつき席でもないのに夢中で観てしまったのはセリフが引っ張ってくれたのかも。

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夜の芸劇。初めてだよ。わくわく。

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天井高くて吹き抜けも広いよ。わくわく。

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公演は2階のプレイハウスにて。
劇場内はほどよい広さで役者さんとの距離も近くて、かといって圧迫感もなくて
ライブ感がビリビリ伝わってきました。
サザンシアターともパルコとも歌舞伎座とも違う、上演中はその世界観をぎゅっと濃縮するような空間で
思いっきり浸れてよかったです。いい劇場だ。


以下、ネタバレを含む感想です。これから観劇の方はご注意ください。
大丈夫な方はクリックしてどうぞ~。↓

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2018_10
15
(Mon)23:51

キャットオブメニーバイタリティーズその2。

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八岩まどかさんの『猫神さま日和』(青弓社)を読みました。
日本全国に点在する猫神を祀る神社や猫に縁のあるお寺、猫塚や猫がみつけた温泉(!)まで
猫の言い伝えや伝説のある場所が散文的に紹介されている本です。
著者が各地の猫神を実際に訪ねて地元の人に話を聞いたり写真を撮るなどしていて
まるでフィールドワークのレポートを読んでいるようですし、
場所も最寄り駅より徒歩数分から電車もバスもバリアフリーもなさそうなところまで載ってて
よくぞここまで調べたなあとひたすら尊敬。
(役所に問い合わせてもわからないと言われたけど諦めずに根気強く探して
地域の人から「あの山の中」という情報を得て山道を登りようやく見つけた、なんて描写もある)
立派な建物がある寺社から、前は建物があったけど今は塚のみ残る場所、もともと塚だけだった場所など
落差の激しさもさりながら人々の信仰についても追想できる内容でした。色んな形があるものですね。

まずは養蚕の守り神として祀られている猫神。
蚕の天敵であるネズミを捕まえる猫は農家、特に養蚕をいとなむ農家にとっては
神様のようなものだったらしく、ネズミ除けや商売繁盛の願いをこめて祀る地域が多かったようです。
(そういえば我が家も昔から猫を飼っていたと親から聞いたのだけど
祖父の代までは養蚕をやっていたのでそのためってこともあったかもしれない)
蚕からとれる絹糸は高級織物の材料になるため農家にとっては貴重な収入源で
ネズミにとられるわけにはいかなかったのですね。
おもしろかったのが京都の木島神社に伝わる猫神さまの話(=^ω^=)。
この神社は境内に狛猫がいるそうなのですが
理由は江戸時代、丹後にいた佐平治という人が当時流行していた縮緬織りの技術を学ぼうと
西陣織の門をたたきますが秘伝だと言われ教えてもらえなかったけれど
ある日誰かが閉め忘れたのか織り場の鍵が開いていて
これは観音様のお導きだと感動してようやくこっそり見ることが叶い、
技術を丹後に持ち帰り縮緬織りとして成功させたことから丹後で養蚕業が発達し栄えた…ことから
木島神社が養蚕の神様として建てられたとのこと。
それなら狛猫が守っていても不思議ではないよね~。
他にも、養蚕の神様を祀る青梅の琴平神社や長野の安宮神社の近くに住む農家の人などは
「お蚕さまを育てている間は花火をすることができなかった」などという話もあるそうで…。
なんでも花火の火薬の匂いが蚕を刺激してうまく成長しなくなるという科学的な理由があるらしい、へえーっ。

猫又と化け猫。
猫も一定の年月を生きると尻尾が割れて2本足で立ち、言葉をしゃべるというお話は各地にありますね。
栃木の金花猫大明神の碑にいる猫は尻尾が2つに割れているそうだし、
新潟の南部神社付近には猫又権現信仰があって
村人が亡くなると遺体を神に捧げなければ猫又が取りに来るという話があるそうです。
静岡の函南地域の猫神はお祭の日にだけ現れて踊りを踊るというし、
京都の光清寺の絵馬に描かれた猫は
かつて遊郭に飾られていた際には芸者の三味線の音色につられて美女の姿で絵から抜け出して踊っており
困った人々がお寺に持って行くと今度は和尚さんの前に武士の姿で現れたといいます。
相手に合わせて姿を変えられるとは高度な技能をお持ちの神様だな…。
また猫の恨みをかって祟られるという話も、形は違えど各地で聞きますね。
過去に平木浮世絵美術館で岡崎の化け猫騒動の絵をたくさん見たし、
鍋島の猫騒動も有名ですけど、相良藩にも似たようなお話があったんですね。
殺された飼い主の血をなめた猫に飼い主の魂が乗り移り復讐するという話のパターンがこんなにあるとは。。
熊本の生善院は、無実の罪で殺された城主の弟の無念を晴らそうと猫の霊が祟るので
お寺を建てて代々の藩主が参詣したということです。
(ちなみに生善院は人吉にあるそうですね~夏目友人帳のモデルになった町だ。
ニャンコ先生は猫神さまの話とか聞いたことあるんだろうか。
そして化け猫といえば!最近見てないけどモノノ怪の化け猫がとんでもなくすごい話だからみんな見てくれよな!)

猫の恩返し。
かわいがってもらったお礼に人間に恩返しをする猫の話もよく聞きますね。
静岡の御前崎や福岡の宮若には、飼い主だったご住職を守るために
天井裏に住み着いていた巨大ネズミと死闘のすえ倒した猫たちの話が伝わっているようだし
鳥取の転法輪寺には、実は2本足で立って踊れることを隠していた猫がお寺を出て行かざるを得なくなって
でもやはり和尚さんにかわいがってもらったのは忘れられなかったらしく、
とある長者のお葬式が転法輪寺で行われるよう嵐を起こすなどして仕向けて
お寺にお布施を奉納させたという話があるそうです。
長野の法蔵寺に伝わる袈裟猫の話もおもしろくて、
そこは信州の猫寺と言われていて代々ご住職が三毛猫を飼っているそうなのですが
昔々にお寺にいた三毛猫が夜な夜な和尚さんの袈裟を借りて本堂でお経を唱えていたという
言い伝えがあるようです。
しかもお経の唱え方が言葉をしゃべるんじゃなく「ニャオン、ニャオン」と猫の鳴き声だったんだとか(笑)。
なんだかほのぼの^^
その猫はお経を唱えているところが見つかるとお寺を出て行ってしまったようですが
数年後に武士の姿で現れ「〇〇さんという人を檀家にします」と言い残して去り、
その後色々あって本当にそのお家が檀家になってくれたという後日譚もあるそうです。
お寺には袈裟をつけた三毛猫の石像が立っているそうです。見に行きたいなあ。

守り神。
立川の阿豆佐味天神社の話は聞いたことある~山下洋輔さんのエピソードでしたっけ。
飼い猫がいなくなったときこの神社にお参りして絵馬を奉納すると戻ってくる、という
猫返しというご利益(?)があるのですよね。
(ちなみにこの阿豆佐味天神社、元々は養蚕の神様だったそうですが
今ではすっかり猫返し神社みたいになってお参りする人が絶えないとか)
宮城の田代島(ひょうたん島のモデルになった島)は人間よりも猫の数の方が多いと有名ですが
山の中に美与利大明神という社があって猫神様が祀られているそうです。
島の漁師さんにとって猫は昔から大切な存在で、
猫がおとなしい日は大漁で、逆に騒ぐ日は時化るということで海に出なかったそうです。
その年に最初に捕れたマグロやカツオは必ず猫神に奉納するくらい篤い信仰を集めている神様だとか。
(7年前の震災では田代島も被災していますが、猫たちはいち早く高台に逃げてほとんど無事だったそうだ)
鹿児島の仙厳園には猫神神社があるそうですが
これは戦国時代に島津家が飼っていた猫たちを祀っているそうです。
(猫の目は時計代わりになるので戦場に連れて行った武将は当時割とたくさんいました)
朝鮮出兵の折に同家が7匹の猫を同行させたのは有名ですが、まさか祀られた社があるとは思わなかった。
祀られているのは帰国した2匹ということです。あと5匹は帰ってこられなかったのね。。
沖縄のシーサー!うちにもいます。過去に沖縄へ旅行した際に父親が買った阿吽の小像が。
そうか獅子の姿をしているから彼らも猫神か…!(笑)
シーサーが祀られるようになったのは江戸時代初期あたりからだそうです。結構新しいんですね。
スフィンクスやライオン像と同じく魔除けや守り神として門などに置かれたほか、
琉球王朝の王の墓にもシーサーがいるそうです。

貴人と猫。
お姫様と猫の事例が多く、だいたいは恩返しの項と似たようなお話が多く紹介されています。
特に「かわいがってもらったので屋根裏にいた大蛇を退治した」話の多いこと。
宮城の角田には首だけになっても飛んで大蛇を噛み殺した猫を祀った猫神権現があるそうな。
福島の猫啼温泉は、その昔玉世姫という人が京都へ引っ越す際に
飼っていた病気の子猫を連れて行けなくてそのまま置いていってしまったところ、
子猫は姫がいつも通っていた泉を訪れてはニャーニャー鳴いていたのですが
その泉に浸かるうちに病気が治って美しい猫に成長したとのことで
村の人は病気が治る泉の水ということで汲んで入浴するようになったのが始まりと言われるとか。
ちなみにこの玉世姫は京都へ行ったのち和泉式部と名を変えたということです。わあ。
あと、これは本の話ではなくただの余談ですけど
偉い人と猫の組み合わせというと宇多天皇とか一条天皇とか藤原頼長を思い出します。
特に宇多ちゃんは「うちの子の歩く様は雲の上の黒竜みたいでスゴイ」とか書き残しているくらい
飼い猫の黒猫が大好きだった人です。
頼長は子どもの頃に飼っていた猫が亡くなると大泣きしてお葬式をした人ですね。

そういえば今戸神社や回向院の猫塚が載ってなかったけど、あれはもう有名すぎるから
「みんなもう知ってるだろうからはしょるね」的なテンションだったということだろうか…
とか思っていたら著者が過去にだした『猫神様の散歩道』という本があるそうで
そちらの目次を見たら2か所とも載っていました。
こっちは重版未定らしいのであとで図書館で探してみよう~。
豪徳寺と自性院は両方とも載っていますね。
自性院いきたい~~~猫のお地蔵様に会いたいし太田道灌と黒猫のお話に思いを馳せたい。



先日のシンカリオン40話感想は例によって下にしまいました。
前回よりさらにテンションがおかしくなってますがよろしければどうぞ。↓

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2018_10
10
(Wed)23:56

第2418回「やらなきゃいけないのに、まだやっていないこと」

こんにちは!FC2トラックバックテーマ担当の東條です
今日のテーマは「やらなきゃいけないのに、まだやっていないこと」です
「あれをやらなければいけない・・・でもやっていない・・・」ということはありませんか?
やらなきゃいけないとわかっているし、頭の片隅にいつもあるけどなかなか行動に移せない、...
第2418回「やらなきゃいけないのに、まだやっていないこと」


積ん読崩し。
あとで読もうと買って本棚に入れっぱなしだったり床に積んだままだったりします。
出先や移動中の公共交通機関などで読んでますがどうにも追いつかない。
あと、わたしの場合は積ん読だけじゃなくて終わ読(読み終わった本)も床にじわじわ積んでいるので
気づいたら部屋が本にじわじわ浸食されている。
本棚に入りきらないのを積んでいるだけなのですが…
というか本棚も整理しなきゃなあ…でも本はあまり手放したくないしなあ…。

わたしがそんな風に困惑していても猫様たちはどこ吹く風です。
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相変わらずわたしのスリッパは娘にゃんこにジャックされています。
今日もものすごい入りっぷり。こういうのを大入りと呼ぶのではないだろうか…。

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最近はこんなジャックも始めたよ!
人の履き物をなんだと思っているんだ…しかしとても様になっている。と思ってしまう。くやしい。

そんなこんなで娘にゃんこ様にご動座いただくのも厄介なのに
なんと最近は母にゃんこまでがスリッパジャックを始めてしまいました!
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工工工工工エエェェ(・∀・;)ェェエエ工工工工工
なんで、なんで、あなたこの前は全然興味なさそうだったじゃない!どういう心境の変化??
最近、急に朝晩が冷えるようになったから絨毯に直接座るよりスリッパがいいということかな…?

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すごい目つき。
どいてくださいと言おうとした雰囲気を感じ取ったのか「なんで?」と言わんばかりの表情はもはや不動明王です。

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「これはわたしが使っているのだから誰にも渡さないわよ」
というわけでまたしてもわたしは靴下でキッチンに立つはめになったのでした。

仕方がないねかわいいから!かわいいから!!
猫は子猫の頃がかわいいとよく言われますが、確かに微塵も否定する余地はありませんが
あえてわたしは断言する、いつだって最新の猫様が一番かわいいぞ!
甘えんぼうの子猫から1年、2年と体が成長するにつれ態度も比例するようにでかくなっていき
どんどん偉そうになってふてぶてしさを振りまくようになるのが!最高なんだぞ!
今日も元気だ猫がかわいい。


話がそれましたが、そういえば積ん読をとうとうBBCが解説したようですが→こちら
「The art of ~」って書かれてる…そうか積ん読はアートか…。
記事中では森銑三が1879年に出した『東京新誌』に「積ん読先生」との用例があるとしていますが
江戸時代にはすでにあったという説もありますね。
過去記事にも書いたけど、江戸後期の学者村田了阿による『一枝余芳』の中に
「やけずとも一切経に用はなし昔訓読今は積而置(つんどく)」という狂歌があるのよね。
(火事で蔵書が焼けそうになった際に書いたらしい)
ちなみに了阿は部屋の四隅に一切経を積み、他の書物も積むほど蔵書が多かったので
長屋の隣をぶち抜いてそこで寝起きしていた人です。
よくドラマや時代劇で、山のような書物が積まれた部屋に机を置いて筆を走らせる学者さんが出てきますが
了阿を見ているとすべてがフィクションというわけではなさそう。
そもそも積ん読という言葉が遊び心に満ちているなあと思うわけで、
「積んでおく」が「積んどく」になって、漢字をあてて「積ん読」っておもしろいですよね。
こうした洒落は近代人よりも江戸人の方が思いつきそうな気もする。どうなんだろう。
2018_10
06
(Sat)23:54

鬼神に横道なきものをその2。

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歌舞伎座で「芸術祭十月大歌舞伎」から「大江山酒呑童子」を観てきました!
去年に京都の顔見世でやっていて、それは行けなかったのですが
今年は東京でやってくれるということで狂喜乱舞して行きましたよ~。
鬼が出てくる歌舞伎は何度か見た経験がありますが
酒呑童子がピンポイントで出る歌舞伎って1度も見たことないので!楽しみでした。(鬼推し民)

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今日はここから。
がんばって早起きしたので無事に幕見席最前列に座れましたよ。

幕が上がる前にイヤホンガイドを聴いたのですが、
この演目は17代目中村勘三郎さんに演じてもらうために萩原雪夫氏が当て書きしたものだそうです。
萩原氏によると17代目に「南座の顔見世で後シテの出る松羽目ものの踊りを考えてくれ」と言われて
パッと思いついた能「大江山」をもとに作ることにしたとか。
この話を17代目のところへ持っていったとき、17代目はちょうど「茨木」の真柴の化粧をしていて
つい刷毛を間違えて顔をまっ白に塗ってしまった…などと微笑ましいエピソードもあるそうです。
ともあれ、そうして完成した大江山酒呑童子は17代目によって見事な工夫がほどこされ
上演後は中村屋のお家芸にもなったそうです。
京都公演に引き続き今回も酒呑童子を演じる中村勘九郎さんは
「いつかこれを歌舞伎座でやりたい」とずっとおっしゃっていたそうで、
18代目勘三郎さんの七回忌追善として今回のラインナップに加わったのでしょうか。
お蔭で関東民のわたしも拝見できました。ありがとうございました。(深々)

お囃子に続いて幕が上がりまして、現れた舞台奥の壁には巨大な松の木の絵がかかり、
雛壇にズラリと長唄囃子連中が並び、
全員が中村屋の家紋をつけた黄色の裃を身につけていて早くも泣ける。。
舞台上には小さな萩小屋がぽつんとあって、「これは童子の住まう黒屋敷です」とイヤホンガイドさん。
想像してくださいということですね。能が元になっているお芝居ですからね。
花道には山伏の格好をした平井保昌が歩いてきて、さらに頼光も歩いてきて
垂らした髪に紫色の着物と、勧進帳の義経のようないでたちです。
「我は一条朝に仕える源朝臣頼光」と、能のお芝居がそうであるように歌舞伎でも名乗りを上げまして
なぜここへ来たのかの理由を語ります。
大江山に住む酒呑童子という鬼の一団が都で暴れまわって女性をさらっていくので
朝廷からの命令を受けて退治しに来ました、
持ってきたこの神便鬼毒酒は鬼が飲めば力を失い、自分たちが飲めば千人力とのこと。
続いて頼光四天王がご登場~!渡辺綱、坂田金時、碓井貞光、卜部季武のおなじみの4人。
金時がはーくんでびっくりしたよ!はーくんの赤っ面見たことないから…初めてかな。
あと、山伏風にアレンジしてあるけどみんな能装束を着ています。これも勧進帳みたいですね。

頼光一行が酒呑童子の屋敷にたどり着きますが(花道から舞台に入るとそこはもう大江山という設定)
屋敷はもぬけの殻で童子はおるす。
仕方がないので屋敷の前にみんなで座って待つことにします。
まだかなまだかな…と待っていると、スッポンがするりと開いて(幕見席からなのでよく見える!)
しゅるりと酒呑童子がご登場したのですが、
美 少 年 。 (落ち着け)
童髪に白い顔に紅を濃くひいて、やばいよ美少年の拵えですよ、
着物をぴっちり着ているせいかすごく着痩せして小さく見えました。お兄さんが小さく見えるなんて!
かわいらしい笑顔で片手を額に当てて客席をぐるりと見回すので(夜空の月を眺めている設定)
一瞬、目が合ったとか思っちゃったけどたぶん思い込みです。遠いし。
屋敷の前にいる頼光一行に気づいて君たち誰?と尋ねまして
頼光は山伏の一行ですが道に迷ったので休ませてほしい、お酒もあるし、と答えると
お酒あるの~!??とめっちゃ喜びながら舞台へ足取りも軽くinしていきます。現金だな。。
神便鬼毒酒とも知らずに四天王にすすめられるがままにごくごく飲んじゃう童子、あーあ。
(ここの所作は蓋を杯に、扇をとっくりに見立てています)
すっかりヘベレケでいい気分になった童子に
頼光が「あなたはなぜここに住んでいるのか」と尋ねます。
童子は「空を飛ぶ力が欲しくて比叡の山へ修行に入り、雲の上から都を見下ろした。
遥か鳥取から富士山まで、そして大江山にたどり着いて住んでいる。
おれは酒が好きだから酒呑童子だあ」とかベラベラしゃべってしまって
プライバシーも何もありはしない^^;
お酒をふるまったのだから舞を所望するという頼光のお願いもきいてくれて
表が昼の松、裏が夜の三日月という洒落た柄の扇を手にひとさし舞ってくれますが
ここからがお兄さんの真骨頂。
盃持ったまま千鳥足でふらつきながらも長唄の三味線に合わせて軽快に、リズミカルに、
しかも踊りとしてはおもしろいってすごい…!
足をタタンタンて鳴らすときなんか勘三郎さんの高坏を思い出したよ。
途中で片身を脱いで童子格子の紫を見せたり(後見は中村小三郎さん)
見た目も飽きさせない工夫が感じられます。
童子の後は頼光が、ここへ来た理由を語りがてらひとさし舞いまして
役行者が鬼を改心させた話を語ってくれたりするけど、
童子は四天王にお酒つがせてて全然聞いてないの笑った(笑)。

やがて童子は酔っぱらって萩小屋に入っていってしまい、頼光一行が残されると
そこへ間狂言風の濯ぎ女たちが3人ご登場。
みんな酒呑童子にさらわれてきた人たちです。
姫君として乳母や使用人にかしずかれる人生を送ってきたわたしが濯ぎ女だなんて、とか
仕事を持っていた女性たちも都に帰りたいと訴えます。
(どうでもいいけど2人は江戸時代の風俗だけどひとりだけ平安時代の拵えだった)
女性たちの話を聞いた一行、鬼よますますけしからん、退治してくれるということで
全員、お着替えのために花道を去っていきました。

ここで雛壇の長唄囃子から座ったままで大薩摩の演奏が!2人三味線の唐草は珍しいそうです。

しばらくして花道に戻ってきた頼光一行、
お着替えして袖をたくしあげ刀を持っています。
童子が寝てしまった小屋にじり、じりと近づきます。起きろー!童子起きろー!!
そこへ小屋の簾がスルスル開いていって、中には赤い盃で顔を隠した人物が身を起こしていて
盃をゆっくり下ろすと赤鬼に変化した酒呑童子でした!
うおおお起きてた!黒髪ざんばら!角2本ある!!つよい!!うおおおおおおおお+゚+。:.゚(*゚Д゚*).:。+゚ +゚
童姿は小さくて本当に少年みたいに見えたのに本性を現したら大きくなったというか
いつものお兄さんの大きさ(なんだそれは)でした!
狩野元信の絵巻でも酒呑童子は童姿だと人間サイズで鬼の本性出すと巨人化するので
それを3次元でやってくれたお兄さんに大感謝…役者さんってすごい…変幻自在ッ…!
戦う前に名乗る習慣のある平安時代ですので、頼光さんたちは各自名前を名乗ってから
酒呑童子に斬りかかってきます。
おいおいおいおい6人でやるのか、相手は1人ですぞ!
茨木童子ら仲間の鬼たちがいるはずですが屋敷から出てくる気配もないし…
ハッΣ(゚Д゚;)まさかみんなもう倒されちゃったとかいう裏設定あります…?泣きたい。
バタバタ斬りかかってくる頼光たちを眼光でひるませ杖を振りながら圧倒する童子、
最初は戦いながらお酒飲んでたりして余裕があったけど
それ神便鬼毒酒なので結局、力がどんどん抜けてしまってジリジリ追い詰められていって
花道で一度膝をつきましたがそのまま足でダアン!と鳴らしながら頼光を舞台に押し戻したりして
精一杯抵抗したんですけど、
最後に頼光の刀(鬼切かな?)を額に受けてその場にバッタリと仏倒れてしまった。
しかも最後に四天王全員でグサーとかやるんですよ…えええもうしんでるじゃん…なぜそこまでするの…。
で、これが能ならここで演目が終わって頼光たちが去って行くでしょうけど、これは歌舞伎なので
なんと倒された童子が起きあがって扇を広げて
上手にいる頼光に「大」、下手にいる保昌に「入」の文字を大きく書いて
後見が出した3段に昇り目をカッと見開き、盃のお酒を一気飲みして幕切れでした!
なんというサービスショット、ありがとうございました!

見終えて席から立ち上がったら体中が凝り固まっていたのがわかりました…
松羽目ものは見てるこっちも肩に力が入りますなァ!
あとたぶん怒りのあまり拳握りしめて見てたせいかもしれない、頼光おまえら!!
6人でよってたかって1人の鬼をフルボッコにしやがってそれが武士のやることかああ(やることです)
後味はよくないけど美少年の酒呑童子とか舞う酒呑童子とか戦う酒呑童子とか大入り書く酒呑童子とか
いっぱい見られたので満足した…とても満足した……(*´Д`*)。
お兄さんを美少年と思ったのは初めてでしたが本当に美少年でした。ありがとうございました。
あとやっぱり題材的に京都で見たかったなあ、機会があれば京都で観劇したいです。

2018kabukiza_22.jpg
木挽町広場の菓匠花見にて。あけびと秋の路。
紅葉のグラデーションがすばらしいしあけびの作り方が最高にお見事だと思います!
味ももちろんおいしかったよ~ŧ‹”ŧ‹”( ‘ч’ )ŧ‹”ŧ‹”


…で。
最近本当にシンカリオンシンカリオンうるさくて申し訳ないので
今朝の39話感想は下に仕舞っています。↓相変わらずテンションおかしいですがご覧になりたい方はどうぞ。

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2018_10
01
(Mon)23:50

優しく、哀しい、嘘をついた。

数年ぶりに「萌えでガチでテンパる」という状態になりあまりの挙動不審ぶりを見かねた家族に
「もう1回寝れば」とまで言われました。そうですシンカリオン38話です。
初めて、初めてリアタイで動く推しを、しゃべる推しを見ました。はかに入る†┏┛R.I.P.┗┓†
見終えた直後はあまりの衝撃に言語中枢がダウン&思考がストップし声すら出せなくなりまして
今はだいぶ落ち着きましたがあの後録画を何回見ているのか、
10回超えたあたりで数えるのをやめた。おまえは今まで食ったパンの数を(ry
今回もだったけどわたし次回もどんな顔して見ればいいの。笑えばいいの。むり。

あのね!大宮支部の運動会もおもしろかったですよ!(笑)
出水さんの運動会開始の合図が車掌さんみたいでおもしろかったし
借り物競走のお題が「出水指令長のメガネ」「あの日忘れた恋心」
「ハヤトくんの新幹線格言」「アキタくんの今日のおやつ」とかむちゃくちゃ笑ったし
考えすぎてドア閉まりますしちゃったシャショットに大爆笑した。本庄さんも気をしっかり持って!
シノブくんさ、アキタくんに駆け寄るなりポケット探ったのはさ、
つまりアキタくんがいつもそこにおやつ入れてるの知ってるんだね。仲良しですね。
そしてアキタくんは運動会の日にまでポケットにチロルチョコ入れてるんですね。かわいい。
「馬子にもE4系Maxとき」はどうとらえたらいいのか、というかE4系はシンカリオンにならないんですか。
すれ違う新幹線同士の風圧はわたしも好きだ~うとうとしてるとふわっと起こされるけどね。好きです。
話は読めた、静岡県内の線路上でのぞみ通過を満喫するのは鉄ヲタの嗜みということか。
今度浜松駅を通るときすれ違いを意識してみることにします。

Bパートが完全にドクターイエロー先生の初陣&7時20分の男復活祭だった件、
お帰りなさいお帰りなさいリュウジさん~~~~~~!!!!!
なんかね、2ヶ月休んでる間に声が大人っぽくなって背が伸びたというか逞しくなってたから
回復後はドクイエ先生の調整に参加しながら鍛錬してたに違いない。
つか「おまえたちは無理をするな」って言ったよ、手を出すなじゃなくて!無理するなって!
大宮→新富士は遠いし名古屋の方が近いから的な意味でも怪我は少年を大人にする的な意味でもおいしい。
ハヤトくんにレールを作ったかと思えば俺に任せろって言ったり、本当に状況がよく読める人で
こんなに顔がよくて頼りになる年上いたらみんな惚れてまうやろー!(爆)
青空と富士山をバックに疾走するドクターイエローがかっこよすぎる件(真顔)。
専用BGMつくことは予想ついたけどコーラス入りの豪華絢爛メロディ、尾張名古屋感すごかりし(笑)。
変形BGMもコーラスつきで神々しい…いやN700Aもドラゴンナックルはフルオケっぽかったけどさ…
これぜひサントラに入れて発売していただきたい、毎日でもリピートしたい。
チェンジのシークエンスで他のシンカリオンはロゴマークが輝きますが
ドクイエはライトとカメラが輝くのが検測車両っぽいですね。
捕縛フィールド内に降り立った姿が完全に空手の猛者で
ありゃツラヌキくんじゃなくてもうおおお~~!って叫んじゃうよ。かっこいいよドクイエ先生…!
いやほんと、富士山をバックに登場、編成音多くてゴージャスなBGM、5両編成のボリューム装甲、
重量を感じさせない身のこなし。ドクターイエローのすべてがやばい。。
リュウジさんマジ厚遇されててもはや第2の主人公だよ…ありがとうございますスタッフの皆様。(深々)

前回記事にうっかり書いたけどバトルがまじで細谷佳正VS逢坂良太だったし
次回はここに佐倉綾音が加わるしもしかしたら真堂圭も参戦してくるぜ、アツイぜ。
アキタくんの「まるで一流の格闘家と剣士の戦いだ」のセリフが忘れられなくて…!
味方のリュウジさんはともかく敵の力量を一瞬ではかり認めるあっきーもすごいよ。
リュウジの戦闘スタイルがN700Aに引き続き空手で挑んでから武器を出す流れでしたね、
レーザーソード手のひらから出すからびっくりした~!かっこいいわ。
エアロダブルスマッシュの進化系というか飛び道具じゃなく手持ち武器なのは相変わらずだし
たとえ強い武器を持ってもあくまで自分の拳で勝ちを取りに行く先輩なのもよかったな。
ドクイエはてっきり車体の特徴からして検査したり守ったりする機能に秀でてるのかと思ってたけど
そんな機体でも清洲リュウジにかかると物理で殴る以外の選択肢ないのがおもしろすぎるし
そもそもシンカリオンなのだから戦闘用にパラメーター振り分けてるはずですよね。
他のシンカリオンより頭一つでかい巨体でマッシブなフォルムですが
動きがあれだけ素早いのは最新型であるがゆえと運転士のスキルの高さでしょうか。
ビャッコも武器の使い方や威力をよく熟知した、無駄のない、達人の殺陣でかっこよかったです。
印象的だったのが2人とも戦闘中にほとんど動揺がなかったこと。
ビャッコは戦い慣れてそうなので驚かなかったけど、
リュウジも不意打ちくらってもブラックシンカリオンのときみたく慌てずに落ち着いて対処したよね。
ドクイエの損傷について出水さんが確認させていたけど、軽度ということは防御力高いってことかな、
あの鉄壁装甲がもう運転士が怪我しないようにっていうSUEIの配慮なら、うれしい。
去り際にビャッコさんがハヤトくんを名指ししたのはセイリュウを戦わせたいからだろうけど
手段を選ばない連中だからってカイレンたちを嫌っているのに
自分も手段を選ばなくなってるのは気づいてるのかな。
そういえばカイレンの名前の元ネタは灰簾石(ゾイサイト)でソウギョクは蒼玉(サファイア)で
トラメは虎目石(タイガーズアイ)でいいのかな。セーラームーン魂がたぎる。

久し振りだなってリュウジさんからみんなに声かけたよみんなに!(落ち着け)
つかあの戦闘の後に新富士から大宮まで来てくれたのかよ!!お疲れ様です。
元気そうだなって応えるのはツラヌキくんなのよね。あっきーはレベルアップを見て取っていたね。
ドクターイエローが優れているだけって微笑むリュウジさんはハヤトくんがお見舞い行ったときのリュウジさんで
(N700Aも半分も力を出せてないって言ってたのでそろそろ全部引き出せる機体に乗せてあげてほしい)
最初の頃のとげとげしさが消えてやさしいお兄さんになってて、もうどうしようもなく泣けてしまった。。
ついについに、みんなと仲間として何気ない会話ができる日がきた~うわああぁ。゚(゚´ω`゚)゚。
あの日差し出されて拒否した握手がグータッチになったしさ…しかもリュウジさんから拳出してるしさ…
とうとうここまで来たよこの2人。
前回記事に手巻パみたいな場はまだ苦手そうって書いたけど撤回します、今の彼なら大丈夫だ。
で、なじんだとはいえ特訓は厳しそうなリュウジさんですが
冒頭で出水さんに言ってた「ハヤトの実戦能力」っていうのは頼りにしてるって意味じゃなく
伸ばさなきゃならない課題っぽかったので、ハヤトくんの申し出は願ってもなかったのでは。

OPからカットされてないのでN700Aが出てこないってことはないと思いますが
あるいはタツミくんが乗るのではないかという予想もSNSでちらほら見かけますね。
ワンパンでデスグランクロスを弾き返すほどの機体を使わないのはもったいないので再登場させてほしい。
そういえば次回予告によるとタツミくんがハヤトくんの特訓相手になるみたいで
彼もいっこ上だからお兄さんですね。2人のお兄さんに鍛えられるのかハヤトくん^^;
予告の黒インナー道着のリュウジさんも甲羅持ちながら頑なに表情崩さないすまし顔リュウジさんも
半ズボン喪服でぽつんと座る小学生リュウジさんのエピも楽しみ。チクマさん…。
あとTETSUYAさんのエンディングも今回で見納めだそうです。
変わるの早くてさみしいなぁと思ったけど歌詞に「あの夏の風が」って入ってるしな…
さわやかっこいい夏にしてくれてありがとうございました。新幹線のボディカラーの流れ好きだったな~。
ライフル構えて立つE6とか空手の構えで走るN700Aとか、みんなが乗ってるなぁ感があってよきでした。
(でもきっと新しいエンディング聞いて映像見たとたんに「よき…」ってなるんでしょ自分、知ってる)
あと、この日は現実でもドクターイエローの運行日だったらしくてSNSに動画がちらほら挙がってました。
運行日にドクイエがデビューするアニメが放送されるとかもう運命じゃん。ばたり。(はかに埋まる)



……で。
そんなこんなで早朝から精神が乱れに乱れまくったまま、わたしは車をとばして映画館へ行ったのですよ。
なぜならこの日は映画夏目友人帳の公開初日で
新宿で行われる初日舞台挨拶を地元の映画館でもライヴュしてくれるというので
朝一のチケットをとっておいたわけです。
natsume-m1.jpg
映画が始まったとたんに夏目友人帳のやさしい世界に頭までどっぷり浸かって
最後までず~~っと集中して見まして、終わったらとてもあったかい気持ちになっていました。
朝から大混乱だった心を3匹のニャンコ先生に癒してもらった気分。
そんな初日に見に行ったのが少しは貢献できたのか、
映画夏目友人帳はこの土日で興収・動員数・満足度堂々の第1位だったそうですよ!すごい!めでたい!!
全国の1億とんで100万人の夏目友人帳ファンのみなさーーん!台風に気をつけて前売り券握りしめて
あったかい気持ちになりに(あと週替わり特典ゲットしに)行こうな!

natsume-m2.jpg
パンフレットと入場特典たち。
パンフには「ご鑑賞後にご覧ください」と書いてあったのでそうしたら確かにそうして正解でした、
ネタバレだらけでしたから。
初回入場特典は緑川先生描きおろしA4イラストカード、週替わり特典はポスカ5枚セット。
イラストカードの囲み部分が、劇中でキーポイントになってる切り絵みたいな雰囲気で素敵です。

以下、映画の感想です。ネタバレしておりますのでこれからご鑑賞の方はご注意ください。
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