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2019_01
26
(Sat)23:56

鬼神に横道なきものをその3。

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根津美術館の「酒呑童子絵巻-鬼退治のものがたり」展に行ってきました。
同館所蔵の酒呑童子絵巻3点すべてを一挙に展示しているのです。
一部とか前半だけとかじゃないのよ!ほぼ全部開いてくれてるのよ!!うおおぉたぎる٩( ᐛ )و
酒呑童子の物語は絵巻、絵本、読み本、謡曲、小説などあちこちでメディアミックス化されてますけども
絵巻はあまり残っていなくて(制作コストかかるしお値段が高いのでお金持ちしか作れない)、
そんな絵巻を3点も所蔵してる根津美すごいな??
何より根津美の酒呑童子絵巻はこれまで一度も見たことがないので
しかも3点全部見られるというので半年前から楽しみにしていたのでした。

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展示室へ。
室内の撮影は禁止ですし、図録もないので展示品を目と脳内に焼き付けてきました。

まずびっくりしたのが、今回の企画展は展示品がわずか3点のみ。
そうです絵巻3点のみなんです!ほんとに。
出品目録を見ても、
・酒呑童子絵巻(室町時代)作者不明
・酒呑童子絵巻(江戸時代)伝狩野派(山楽)筆
・酒呑童子絵巻(江戸時代)住吉弘尚筆
これしか書いてない!シンプル。

日本に現存する酒呑童子絵巻は「大江山系」「伊吹山系」のどちらかが多いのですが
根津美の所蔵する3点は後者の伊吹山系の流れを汲む内容になっています。
伊吹山系というのは、ざっくり言いますと、滋賀県にある伊吹山の神が童子の父であるという内容から
大江山の鬼退治の物語に繋がっていったり、
童子の住み処が大江山ではなく伊吹山になっている物語のことです。
展示品の中で最も古い室町時代の酒呑童子絵巻は
内容から元々はおそらく3巻構成だったと考えられていて、根津美が所蔵するのは中巻のみ。
頼光たちに酒をすすめられるままに飲んでしまい、ぐだぐだに酔っぱらった童子のシーンから
鬼のひとりが舞って坂田金時も舞って、
寝所で鬼の姿に戻って寝ている童子のシーンまでが開かれていました。
人物の表情が適当に描かれていたり、頼光たちの服装の模様や家紋がバラバラだったりして
だいぶいい加減な描写が目立ちますけれども
童子の仲間の鬼たちはカラフルで赤、青、黒、緑、オレンジなど様々な色の鬼たちがいるし
1本角や2本角、三つ目、牛の顔をした鬼など姿形もいろいろ。
この辺りは逸翁の大江山絵詞などを参考にした可能性もあるのかなあ。
何より寝所で寝ている童子がおもしろすぎた!
むちゃくちゃいい笑顔で大口あけてて、超ご機嫌な顔で寝てるんですよ(笑)。
こんなに幸せそうに眠る童子を描いた絵巻が未だかつてあったでしょうか!?たぶんない。
この後退治されちゃうのかよマジかよ…本当に悲しい…。
酒呑童子の寝顔をこんなにかわいく描くなんて作者の絵師は何を考えているんだ。つらい。

続いて江戸時代初期の酒呑童子絵巻を鑑賞。
こちらは狩野元信の酒天童子絵巻(サン美所蔵)を踏襲して描かれた可能性があるようです。
童子の住む鬼の館のシーンと、クライマックスの鬼退治の部分が開かれているのですが
鬼館の四季の庭の描写が、もう、もう、超絶に美しい!!
池のたもとに大きな藤の花が咲く春の庭に始まり、ハイビスカスのような赤い花が咲く夏の庭、
萩の上に蝶が舞い紅葉の下に鹿が鳴く秋の庭、雪景色の松の庭に鴛鴦が5組も集う冬の庭、
なんて、なんて綺麗な庭。
作者の絵師は狩野派の誰かとされていて、有力視されているのは山楽だそうですが
こんな美意識にあふれた庭を描くなんて何を考えているんだ。すばらしい!
これらを創りだしているのは童子の力ということなのですが
彼にはそれらを美しいと感じる心があり、自然を愛でていたのだと思うと涙が出そうになったし
これほどの庭を存在させるなんてどんだけ力のある鬼なのかと感動して、やっぱり泣きそうになりました。
花鳥風月を愛する酒呑童子!!だいすきだ!!!✧*。٩(ˊωˋ*)و✧*。
(わたしの後ろにいた人が小声で「Beauty」と呟いておられて、心の中で100万いいね押しました)
鬼退治シーンの描写もすさまじく、頼光たちは容赦なく童子の体に刀を突きたてているし
手足を縛られた童子の体から流れる血が強烈に生々しくて震えた。。
打ち取られた首がぴょーーん!と垂直に飛び上がった様子と
そばにいた頼光の兜に食らいつく様子が同じ画面に描かれているのは珍しいなと!
わたしが見たことある絵巻ではだいたい首を落とされた首なしの童子の体と
すでに飛んでいっている首が描かれている作品が多くて、
刎ねられた首と飛んでいった首が同時に描かれているのって見たことなくて。
童子の寝所にあった着物の柄が細かかったり、背後の金屏風には竹やぶにたたずむ鶴がいたりと
細部まで手を抜いていない絵師の心意気もすごいと思いました。

最後に、江戸時代後期の酒呑童子絵巻。
作者は住吉派の絵師で弘尚という御用絵師だそうですが、あまり詳しいことはわからないらしい。
全部で8巻49段、ほとんどの絵が開かれていて鑑賞できました。
(冒頭や末尾など、展示ケースの幅の都合で開ききることができずパネル展示の部分もありました)

前半4巻は伊吹山系らしく「伊吹童子」(異本)のストーリー。
スサノヲに退治された八岐大蛇が出雲から近江へ逃げて伊吹山の神となり、
地元の女性と恋をして酒呑童子が生まれるまでの物語です。
伊吹山系の異本ってだいたい、伊吹山の女性が伊吹山明神に通われているシーンから始まりますけど
その発端となった八岐大蛇から描かれている絵巻は珍しいのではないかな…?
ひとつの龍体に首が8本ついた八岐大蛇をざんばら髪のスサノヲが退治してるの超かっこいい。
出雲から逃げて伊吹山にてウロウロしていた大蛇の霊魂を鎮めるために
地元の人たちが建てた神社も丁寧に描いてあるよ…よかったねえ大蛇。
そんなある日、近江国の須川某さんのお宅に女の子が生まれまして
須川さんは大変かわいがってしっかり教育を受けさせるなどして育てます。
そのシーンは北野天神縁起絵巻(根津美所蔵)にある部分から構図をとっているので
弘尚はおそらくその絵巻か、他の天神絵巻を見る機会のあった人なのでしょうね。
本を読む女の子とか、女房にじゃれつく猫とか色々細かいです。
玉姫と名付けられた女の子が成長すると、直衣姿の伊吹明神がやってきてふたりはラブラブになって
玉姫は明神の住む神社に引っ越して仲良く幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。
…じゃなくて。。

明神と玉姫の間に生まれた子は男の子で、なんと3歳(!)からお酒を飲み始めたようです。
(完全に元大蛇の父ちゃんからの遺伝ですね)
明神にもどうにもならないので、比叡山へ預けられて最澄のもとで修業することになった男の子。
ある日宮中に祝い事があり、踊りを奉りなさいというお触れが各地に出まして
比叡山は男の子の提案で鬼踊りをすることになります。(この時点で既に雲行きが怪しい)
男の子は7日間で3000個の鬼面を作ると宣言し、実際、作り上げてしまいます!
神通力とか使ったのかな??神の子だしな。
完成した3000個の鬼面が並ぶシーンの絵はだいぶ怖い、
赤や黄色や緑や青や黒、様々な色に様々な表情の鬼面がごろごろしている作業部屋はちょっとすごくて
あまりの光景に僧侶にしがみついて顔をそむける稚児さんも描かれていました。
(童子のそばには木くずや工具が転がっていましたが
あれらは当時の職人がどんな道具を使っていたかの史料にもなりそう)
そんなこんなで鬼踊り当日。
最澄をはじめ宮中の人々が見守る中、大勢の人々が鬼面をつけて舞うさまは
迫力と凄みと不穏さと異様さが混ぜ混ぜになっていて、一周回っておもしろい!
鬼の顔が誰ひとり笑ってないのがすごいし、色とりどりだけど毒々しいカラーリングだし
楽しそうに踊る者や狂ったように踊る者、笛太鼓を鳴らしヘドバンする者などに囲まれて
ど真ん中で赤鬼の面をつけて鈴と扇を手に舞う童子は楽しいのか狂っているのか…。
そんなハレの勢いのまま、鬼踊り大成功のお礼として振る舞われたお酒を大量に飲んでしまって
大蛇の血の本性に目覚めてしまった童子は
比叡山で僧侶や稚児に棒切れを振り回すなどの暴力をふるい、最澄に追い出されてしまいます。
山を去るときは正気に戻っていたみたいで、水干姿の背中がすごく切なかった…。

父親のいる伊吹山の神社で童子が夢見をするのですが
狛犬のいる本殿にてうつらうつらする童子の前に父神が顕現するシーンは
父神の姿に雲がかかって見えなくなっていて、こういう表現もあるのかと。
「岩屋に住んで悪さをするな」と言われた童子は大江山へ行きますが、
数年も経つと父神との約束をやぶってあちこちで悪さをするようになります。
そんな童子のために最澄が7日間の調伏をした満願の日に
比叡山の稚児に大宮権現(本地仏は釈迦)が降りて「童子を滅ぼしましょう」とお告げをします。
神様仏様ってほんとこういうとこ容赦ねえな…!

それから100年、最澄も空海もいなくなった頃に酒呑童子は千丈ヶ嶽へお引越しして
鬼の仲間たちを集めて都へやってくる…という、
ここからは御伽草子などにも載っているなどでよく知られた大江山の物語が始まります。
ストーリーは割愛しますが、ここでも弘尚の筆は手を抜いていなくて
童子の仲間の鬼たちが頭に手ぬぐいや鉢巻を巻いてたり
雅楽に使う被り物をしていたりとなかなかのおしゃれ鬼集団さんに描かれていたり、
酒を飲まされて寝所に下がった酒呑童子が
頼光一行が鎧に着替え刀を携えてすぐ近くにいるという気配に気づいて
枕もとの武器に手を伸ばしている描写がすごくたぎったし、
首を刎ねられても頼光の兜に食らいつく凄まじさに女性たちが逃げ惑っていたりと
ものすごく生々しい描写が細かくされていて驚いてしまった。
童子を倒して首を持ち帰り、都大路でパレードする頼光たちの描写もいつも通りですけど
童子以外の鬼の首も刎ねて持ち帰ってきていたのとかも
なんて生々しいのかと思いました。
弘尚って江戸時代後期の、具体的にどの頃の人なのかわかりませんが
もしかすると幕末の人だったりするのかな、
落合芳幾や月岡芳年みたいに血まみれの戦争を目の当たりにした人なのかな…などと勘繰るくらいには
いちいち描写が凄まじくて戦慄してしまいました。

で。
絵巻が3つもあるのにどの絵巻でも酒呑童子は退治されるループから逃れられていないなんて←
源義経が大陸へ逃げてチンギス・ハーンになったみたいに、
フランダースの犬がアメリカではハッピーエンドになってるみたいに、
酒呑童子が実は逃げて今もどこかに生きているお話を誰か描いてくださいよ~。(他力本願)

あと気になったのですが、山伏に化けた頼光一行が大江山へ行く途中の川で
血の付いた衣を洗っている女性と出くわすシーンがあるのですが、
あのシーンは今回見た狩野派・住吉派のどちらも構図がまったく同じで
さらに言うなら過去に見た大江山絵詞や酒天童子絵巻も確かこんなだったように記憶しているので
あのシーンはパターン化しているということなのでしょうか…。
クライマックスの鬼退治シーンなどは絵師の好みや注文主の趣味が反映されてか
それぞれの作品ごとの違いや個性が見られるのに、
お洗濯シーンはどれも似通った構図(たぶん大江山絵詞が発端)なのがちょっとおもしろかったです。
他にも鬼たちが出迎えるシーンとか、頼光たちが鎧に着替えるシーンとかの構図も似てたな…。
やっぱり絵師の皆さん、バトルみたいな派手なシーンとかじゃないと想像力が燃えないのかもしれない。

鬼といえばそろそろ節分が近いのでそわそわしています…。
今年も日本中の鬼たちが痛い思いをして逃げ惑う季節がくるね…。
豆を投げつけられ、追い出され、逃げてきた鬼たちをかくまって手当てして
こたつであったかいおうどんとおみかん食べさせるオバチャンになりたい。


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ショップにあった変形はがきに笑いました。
安倍晴明から仕事を終えた源頼光への挨拶はがき(笑)。
ここは企画展ごとに歴史上の人物になりきってはがきを書いてくれるので楽しい。

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庭園に出てみました。
風がむちゃくちゃ強い日で寒かったけど、もう梅の花が咲いてる!

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燕子花のお庭は冬ごもり中。
燕子花図屏風が展示される初夏には、またここが花でいっぱいになるのだ。

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庭園の一番奥にある薬師堂に去年、水琴窟ができたと聞いて。涼しげでよい音がしました。
燕子花の咲く頃とか夏とか、涼しいものが恋しくなる季節にまた聴きに来たいですな。


クリックで拍手お返事。↓皆様いつもありがとうございます(^-^)/☆
(最近シンカリ感想で追記を使ってしまっているので、お返事が遅くなって申し訳ないです)

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2019_01
21
(Mon)23:50

第2035回「おすすめの防寒対策はなんですか?」

FC2トラックバックテーマ 第2035回「おすすめの防寒対策はなんですか?」
こんにちは!FC2トラックバックテーマ担当の葉月です
今日のテーマは「おすすめの防寒対策はなんですか?」です
寒さも本格的になり、出かけるのが億劫になりがちですが、皆様いかがお過ごしでしょうか
私は温かい飲み物を飲むことを防寒対策としています...


こたつ。(キリッ
家にいるときはこたつ。何がなんでもこたつ。こたつから出ないことこそが防寒対策です。
あとお布団。お布団から出ないことです。お布団こそが防寒対策です。(何かを言い訳している)

しかし最近「着るこたつ」なるものを見つけてしまって心が揺らいでいます…こちら
必要に応じて足を出して歩けるみたいだし、お値段もまあまあ良心的な気がする…どうしよう…(ぐらぐら
でもこれ買っちゃったら本当に動けなくなる気がする…運動不足が加速する…!

他には…お出かけ時にはマフラーとダウンコート、お腹と背中にホッカイロ、
職場では足元にパネルヒーターを置いてひざ掛け装備、
家では寝る前にベッドにしいた電気毛布のスイッチを入れる、とかですかね。
あとわたし静電気対策のためヒートテック着られなくて
綿の下着の上にもう一枚着て、その上にシャツとか着るので
冬はとてもモコモコと着ぶくれます。地球のみなさんあっち向いててください。

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猫さまたちの防寒対策はこちら。「こたつに入っている人の膝に乗る」。
こたつ布団は柔らかいし、丸くなれば人の膝にほどよくフィットして眠りやすいし
猫さまにとって寝心地のよい場所のようです。
…問題は時々こうして先客(娘にゃんこ)のところに後客(母にゃんこ)がやって来ることです。
なんで!!??!?(重たい)

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待っていれば娘にゃんこがそのうち起きてどこかへ行くのではないかと思っているのか、
じっと待っている母にゃんこです。(重たい)

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いつまでたっても娘がどかないのでついにちょっかいを出して起こした母です。(ひどい)
娘にゃんこは寝ぼけ眼で起きましたがその後この体勢のまま寝てしまって動きませんでした。(重たい)

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娘の睡眠を邪魔した罰として母にゃんこに降りていただきますと(実に不満そうでした)、
娘にゃんこは幸せな時間を取り戻したのでした。

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すやすや。


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突然ですが、こちらは今月6日の部分日食のときの写真です(笑)。
皆さんご覧になりましたか??
わたしは10年前の皆既日食のときに買った日蝕グラスで見ました。7年前の金環食もこれで見たの。

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今夜は満月。2019年最初の満月はスーパームーンでした。
これはほぼ南中の写真ですが、夕方に月が昇り始めたときはいつもより大きく見えてびっくりした。
新年早々から天体ショーの多い2019年、おもしろい1年になりそうですね。


シンカリオン54話感想は追記です。↓清州兄弟が尊すぎて長くなりました。(いつものこと)

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2019_01
17
(Thu)23:53

お菓子求めて猪突猛進。

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今年も干支とお題の和菓子を買ってますよ~☆
こちらはくらづくり本舗の松の内のお菓子で、お題『光』・福笹・己亥です。
お題は初日の出だし、猪は顔も赤くて新年への気合い充分な感じ、かわいいです。

お題といえば先日、歌会始が開催されましたけど→こちら
入選者の歌の一覧を見ていてわたしが素敵だなと思ったのは以下の2首でした。

「ぎりぎりに光落とせる会場にボストン帰りの春信を観る」
「ペンライトの光の海に飛び込んで私は波の一つのしぶき」

鈴木春信展はわたしも行きましたので会場の雰囲気がすごく伝わってきたし、
映画館でサイリウム振りながらコンサートに参加された様子を波しぶきに例える秀逸さに拍手。
光というとどうしてもキラキラした自然光の歌を作りがちですけど、それも文化のひとつですけど
ギリギリに落としたライトもLEDが作る光も光であることに変わりはなく、
そういう視点の2首が素敵だなと思いました。

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くらづくりの1月の和菓子。冬景色と雪だるま。
雪輪と雪だるまで雪づくし☆

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花扇の亥年と寒椿。
猪はウリ坊みたいなかわいさで色合いがやさしい、椿は花の形じゃなくても色で椿とわかります。

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菓匠花見の猪と花びら餅。
花びら餅久々に食べたくなって買いました☆
猪もくりくりしたかわいい目を上に向けて今にも走り出しそう、かわいい!

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こちらはお正月休みに初売りに行ってゲットした着物です!
源氏香の柄なんですよ~いつ着ようかな。

そして。
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初売りでは色んなフェアをやっていたんですけど、
駅弁コーナーを「まさかね」と思って覗いたら出会ってしまいましたっ…!!
不意打ちだあああ!!!と心の中で悲鳴を上げながら超進化速度でレジに行きました。
新年早々ドクターイエローに会えるとか幸先良すぎる予感しかしない!

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こちら淡路屋さんという駅弁屋さんの商品で、
陶器でできた器にご飯やスパゲティ、揚げ物、エビフリャ~と卵焼きも入ってるの☆
リュウジさんがご機嫌なときに食べるエビフリャ~と、リュウジさんがお母さんに作ってる卵焼きなの!!
おすそ分けしてもらってるような気持ちでかみしめながらいただきました。新年早々しあわせ。


というわけでシンカリオン53話感想は追記です。↓総指令長より次回予告に心をぶん殴られて長くなりました。

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2019_01
13
(Sun)23:50

松の内の京都旅。

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今年の旅行始めも京都でした☆
六道珍皇寺さんの初ゑんま詣が目的です。
閻魔賽日は1月16日ですが前倒しして三連休から法要をおやりになるとのことで
有難や有難やと夜行バスに乗ってやってきました。
六道さん今年も応援しています。どうぞよろしくお願いいたします。

お寺に着いたのは8時過ぎでしたが、境内にはすでに何人か待っている人がいらして
わたしも拝観受付時間まで外で待機。
ダウンにマフラーぐるぐる巻いてホッカイロでお腹と背中を挟んだわたしに隙などないのだ。
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しばらく待っているとご住職がいらして
「よかったらどうぞ、皆さん顔見知りの方ばっかりですから」とニコニコとおっしゃり、
その場にいた人たち全員がご厚意で新年閻魔斎日法要に参列させていただけることになりました。
ご住職が堂内でお経を唱え、わたしたちは外で手を合わせて
お経が唱え終わると堂内に入れていただき閻魔像・篁像にお焼香させていただけました!
えええお堂入っていいのーーー!!?!?!??((((゚Д゚;≡;゚Д゚))))
真正面に閻魔像と篁像がどーん!と迎えてくださる2019年お正月マジなんなの、
法要後の大事な時間だというのにおふたりを目の前にして大興奮!!
だってだって栄西と建仁寺展でも篁さんこんな近くで拝見できなかったよ、もっと距離あったよ!!?
久々に間近で拝見する閻魔像と篁像は全然お変わりなくおっかなくて力強くてかっこよくて
冬の京都のしいん、と冷えた空気も相まって雰囲気めっちゃありました。あああああ最高のお年玉。

新年早々、あんな至近距離で閻魔様と篁さんに見下される機会をくれたご住職にマジで感謝です…
本当にありがとうございました。(深々)

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2つの井戸にも挨拶。
この日はテレビ局のカメラも来ていましたが何の撮影だったんだろ~そのうちどこかで放送されるかな。

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帰りに閻魔・篁堂にお線香をさしあげました。
今年も通わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
あと閻魔様は16日になったらゆっくり休んでいただきたい。

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初ゑんま詣限定の、金屏風仕立墨書朱印と新年厄除け御札。
「閻魔王」「冥官篁」めっちゃかっこいいです☆
お札は来年以降も同じ大きさの別デザインが作られるらしい、何それ来年も行くしかない。

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すっかりおなじみになったSAGANさんにて朝ごは~ん。
卵かけご飯とお味噌汁であったまりました。いつもありがとうございます。

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歩いて建仁寺霊源院に来たよ。
今月から始まった京の冬の旅にて、今川義元生誕500年を記念した展示がこの日から開催中なのでした。

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

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2019_01
09
(Wed)23:58

博物館に初もうでその6。

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東博の「博物館に初もうで」に行ってきました!
今年のミュージアム始めも東博からスタートです。今年もいっぱい色んなミュージアムを回りたい!!

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今年は亥年なので、猪をテーマにした特集展示「イノシシ 勢いのある年に」がありました。
写真は金剛界曼荼羅旧図様から、ヴァラーハ(猪神)。
インド神話におけるヴィシュヌ神が化身する姿のひとつで、後に仏教に取り入れられ金剛面天となります。

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北斎漫画の摩利支天。猪に乗った神様です。
摩利支天は陽炎の化身で、常にその人のそばにいて進路から厄を除けてくれる神様で
猪が神使であるのは必然なのかしら。
北斎の勢いのある筆遣いがすごい。

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袈裟襷文銅鐸(部分)から、イノシシ猟。
猪の周りを5匹の犬が囲み、人が矢をつがえて放とうとしています。

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古墳時代の猪の埴輪。
足が長いので猪というより馬みたいに見えますが、鼻とか背の形とか見ると確かに猪。

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石川光明の野猪。近代作家の作品だからかとてもリアルです。
個人的には特集の中で一番かっこいいと思った猪。

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曽我仇討ち図屏風から、猪にまたがり尻尾を斬ろうとする新田四郎の部分。
源頼朝による富士の巻狩りのとき、土地神である大猪に飛び乗って仕留めたという逸話がありますので
それの絵画化ですね。
(この巻狩りの際に曽我兄弟がやってきて仇討ちを果たします)

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浮繪忠臣蔵・五段目之圖から斧定九郎のそばを駆ける猪、猪を狙う早野勘平。
これを見て思い出したのがかつて歌舞伎座で見た忠臣蔵5段目でした。
そういえば猪が出てきてたなあ!
お軽の父から財布を奪った定九郎が、猪を撃とうとした勘平に間違えて撃たれちゃうんだよね。
(このとき定九郎の口から血糊がこぼれて足に落ちて赤く染まるという演出は
江戸時代に中村仲蔵が考えて大ヒットしたあれですね)

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岸連山「猪図」。
猪突猛進を絵に描いたよう、というのはこういう絵ではないかと思いました。まさに全速前進。
ざくざくしたタッチで描かれていて、毛も体も固そうな猪です。

干支以外にも素敵な作品がありましたのでいくつかご紹介。
2019tohaku_9.jpg
中国・龍泉窯「青磁輪花碗 銘:馬蝗絆」。
かつて茶の湯展で見た馬蝗絆だ~~!やっと写真に撮れました。
足利義政の持ち物で、ヒビが入ったので中国に送って代わりのお茶碗を所望したところ
中国にも同じものがもうないので鎹で留められて送り返されてきたというあれです。
鎹をイナゴに見立てて名付けてしまった義政さんのセンス半端ないって。

2019tohaku_10.jpg
鈴木春信「新年ひきぞめ」。
松が飾られ、鶴の衝立が置かれ、庭には梅の花が咲いている新春のお座敷で
新造の三味線に合わせて禿が舞い、太夫が見て楽しんでいる様子です。
構図は師匠の西川祐信『玉かつら』から借りているそうです。

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ゴットフリート・ワグネル「色絵檜扇図皿」。
松竹梅の檜扇の上に巻物が飾られ、すすきの陰に隠れる満月がとても美しくて見とれました。
短冊に歌が書いてありますがこれは続古今集からとられたもので
「むさし野は月の入るべき山もなし 尾花が末にかかる白雲」(源通方)と書かれています。

2019tohaku_12.jpg
浅井忠「読書」。
本を読む姿は大好きです。今年も色んな本を読みたいなあ。


さて、話は変わりますが上野と言えばセイリュウくんですね!(急な話)
というわけで新年一発目のシンカリオン52話感想は例によって追記です↓今年もどっぷり浸かりたい。

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2019_01
05
(Sat)23:54

文化の祭典その3。

2019JCUlTUREFES.jpg
今年も東京国際フォーラムのJ-CULTURE FESTの展示を見てきました!
去年と同じで入場料無料で開催されていたお正月のイベントです。
写真は手毬さんの和菓子ですよ~~今年もかわいい、干支の猪に牡丹にパンダ饅頭。
上生菓子は基本、練り切りで作られますが、この猪は表面がこしあんでできています!
滑らかな食感で美味でした☆

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会場の入口にあった猪タワー。
白い猪のぬいぐるみがぎっしり積まれていてすごい光景(笑)。
おかめのお面や獅子頭をかぶってたり小判や海老を持ってたり、お正月らしくてかわいかったです。

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会場にあった巨大宝船☆
伊藤若冲が見たら狂喜乱舞して絵を描き始めそうなくらい、野菜や果物がどっさり積まれていて
その中に松竹梅や季節の花が飾られてまるで生け花のようでした。
米俵や酒樽も積まれていて七福神が喜びそう。

今年もEホールのロビーギャラリーにて京都の井筒さんによる「平安王朝文化絵巻」があります。
相変わらず気合いの入った展示で、無料で、写真撮影OK!ほんとに有難い。
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牛車、今年は中だけではなく外にも人がいます!
キャプションを見たら源氏物語をイメージして再現しているそうで、
牛車の外で扇を持って立っている彼は惟光(光源氏の従者)ですね。
隣に立ってみたら烏帽子を差し引いても結構、背が高くてびっくりしました…
そういえば惟光の身長について物語の中では特に言及がないから、好きに想像していいんですな。

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手元の扇をアップで。夕顔の巻を思い出しますな。

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中には源氏と紫の上がいました。何を話しているのかな…。

2019JCUlTUREFES_6.jpg
そして今回もジオラマ展示がアツイ!
今年の六條院は明石の姫君の裳着の儀式と宴会が再現されていましたよ。

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

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2019_01
01
(Tue)23:27

2019年が明けました。

゚・:*:・。♪☆彡★Happy New Year★ミ☆♪。・:*:・゚
あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2019年が皆様にとってすばらしい年になりますように。

で、毎年恒例。ゆさ的2019年はこんな年です↓

隋の中国統一から1430年。
宇佐八幡宮神託事件から1250年。
小野篁の「わたの原~」の歌を詠み隠岐へ出発してから1180年。
貞観地震、続日本後紀の完成から1150年。
安和の変から1050年。
平敦盛と那須与一生誕から850年。
源実朝の暗殺から800年。
オスマン・トルコ建国から720年。
ジャンヌ・ダルクによるオルレアン解放から590年。
今川義元生誕、レオナルド・ダ・ヴィンチ没後、マゼラン艦隊のセビリア出航から500年。
狩野山楽生誕460年。
ガリレオ・ガリレイの天体望遠鏡発明、ヨハネス・ケプラーによる天体の三法則発見から410年。
大石りく生誕、レンブラント・ファン・レイン没後350年。
『ロビンソン・クルーソー』出版から300年。
ウィリアム・スミス生誕250年。
バスティーユ牢獄襲撃から230年。
ヴィクトリア女王とハーマン・メルヴィルとクララ・シューマン生誕、群書類従刊行から200年。
四代目鶴屋南北と鳥文斎栄之没後、スコットランドヤード発足から190年。
高杉晋作没後180年。
フレデリック・ショパンとエドガー・アラン・ポーと葛飾北斎没後170年。
ケネス・グレアムとアーサー・コナン・ドイル生誕、『種の起源』刊行から160年。
土方歳三没後、周期表発見、雑誌『ネイチャー』創刊、ガートン・カレッジ創設、丸善創業、箱館戦争の終結から150年。
パウル・クレーとアーネスト・シェパードと長谷川時雨と菊池契月生誕、トーマス・エジソンによる白熱電球発明、戯曲「人形の家」初演から140年。
ロバート・ブラウニングと河鍋暁斎没後、ネリー・ブライによる80日間世界一周、ムーラン・ルージュ開業、任天堂骨牌(後の任天堂)創立から130年。
エーリッヒ・ケストナーとパメラ・トラヴァースとアルフレッド・ヒッチコックと川端康成生誕、アルフレッド・シスレーと勝海舟没後から120年。
シモーヌ・ヴェイユと太宰治とまど・みちお生誕、アンリエット・ロナー・ニップ没後110年。
やなせたかし生誕、ピエール・O・ルノワールとレモンド・ドラローシュと大山捨松と村山槐多没後、皆既日食による一般相対性理論の検証、ヴェルサイユ条約締結、カルピス発売、大円寺に鈴木春信と笠森お仙の碑が建立されてから100年。
ミヒャエル・エンデとアーシュラ・K・ル=グウィンとロバート・ウェストールと岸田衿子と岡野薫子と草間彌生と高野悦子と大塚周夫と赤松良子と成田亨生誕、ブラック・サーズデー、映画『アンダルシアの犬』公開、午砲「ドン」廃止、東京駅八重洲口開設から90年。
田部井淳子生誕、アルフォンス・ミュシャと岡本かの子とラグーザ玉没後、第二次世界大戦開戦、映画『オズの魔法使い』『風と共に去りぬ』公開、JASRAC設立から80年。
リヒャルト・シュトラウスと上村松園没後、人身売買禁止条約の採択、漫画『サザエさん』連載開始から70年。
伊勢湾台風、プラスチック汽車レールセットとお年玉付年賀はがき発売、週刊少年サンデー・マガジン創刊、NHK教育テレビ放送開始、『おかあさんといっしょ』放映開始、第1回日本レコード大賞、東海道新幹線の起工式から60年。
アポロ11号の月面有人着陸、彫刻の森美術館開館、『闇の左手』刊行、ドラマ『水戸黄門』放送開始、アニメ「サザエさん」放映開始50年。
平櫛田中と松岡洋子没後、マーガレット・サッチャー首相就任、天然痘根絶宣言、映画『地獄の黙示録』『ルパン三世カリオストロの城』公開、アニメ『赤毛のアン』『ベルサイユのばら』放映、 Current Awarenessと岩波ジュニア新書創刊、うまい棒発売、太安万侶の墓誌出土から40年。
芥川也寸志と田河水泡と手塚治虫とサルバドール・ダリとサミュエル・ベケット没後、ベルリンの壁崩壊、マルタ会議、子どもの権利条約採択、World Wide Webの発明、ひめゆり平和祈念資料館開館、ゲームボーイ発売、映画『魔女の宅急便』『ゴジラvsビオランテ』公開から30年。
三浦綾子と香山彬子とレオ・レオニとジョー・ディマジオ没後、映画『シックス・センス』『SWep1 ファントム・メナス』公開、アニメ『デジモンアドベンチャー』放送、月面ティコ・クレーターのモノリス発掘から20年。
森繁久彌と金田伊功と栗本薫没後、映画『カールじいさんの空飛ぶ家』公開から10年。
(はいストップ)
今年も色んな記念の年です。

CM初めは4年連続でauの三太郎新作で、
テレビ始めはアンナチュラル再放送と昆虫すごいぜでした。
「一富士・二鷹・三カマキリ」、新年早々の名言ありがとうございました。初笑いでした。
ってか収録に4日もかけてるんですね!スタジオ・実験・採集・もろもろ…30分番組ですよ?(笑)
3分間のコーナーに1時間かけてしゃべって全カットされる香川さんの熱量が毎回すごいし
第1回の収録からお蔵入りになってる映像いっぱいありそうですから
NHKさんはノーカット版昆虫すごいぜの円盤を売ればいいと思いますよ。
ウルトラマンDASHで本物そっくりのお菓子を作る職人さんの技術が毎年すごい、
職人が1週間かけて作った澤さんのスパイクスイーツの再現率すぎょい…!
マッティさんの楽屋にひとつだけスイーツがあるっていうやつ、おしぼりと受け皿でしたけど
マッティさんがずっと片手にハケ持ったまま正座してて腕つらそうだった(笑)。
(スターウォーズ缶が置いてあったけどあれたぶんご本人の私物)
遠藤さん小野さん中澤さんの黄金代表トリオが川の反対側を走るバスにボールを入れるリベンジ、
伸ちゃんのおそろしく素早いドリブルとやっとさんの神がかったように正確なパスと
ボンさんのミスターパーフェクトなヘディングをもってしてもなかなか決まらないものですね…。
「バス速えっす」「大きめで早く蹴るわ」「遅くてもすだれ、できれば玄関(を目印に蹴る)」
「ヤット一回代わろう」「玄関で蹴った方がいい」「キツイよ、こっち」「入ると思ったんだけどなあ!」
「ボールと窓両方見なきゃいけない、だからこそ決めたい」「いーよー」「枠に嫌われてる」「ナイスプレイ」
相変わらず短く交わす言葉がかっこよい皆さん。
雨の降る寒い日にホッカイロを手にイメージするボンさんのプレッシャーな…
あんなに決まらないと心が折れそうですが、サッカーってそういうスポーツですしな。
来年の3度目の正直に期待。


年のはじめ若水を汲みて
「あらたまの年の若水くむ今朝は そぞろにものの嬉しかりけり」樋口夏子
(一葉歌集・一番)


2019shinnen.png※クリックで大きくなります
お年賀イラスト。
去年が谷文晁でしたが、今年は去年のイラストコンペに描いた4人にしてみました。
幸運にも入賞して色んな人に見ていただいた幸せな4人です。
一週間ほどフリー配布いたしますのでよろしければお持ち帰りください☆※配布期間は終了しています。

今年も色々なことがありますよ。
シンカリオンと約ネバとフルバ・どろろ新作アニメでガンガンズダンダンして
酒呑童子と奇想の系譜と三国志とカラヴァッジョの展覧会に行って
(名古屋会場でゴリアテの首を持つダヴィデを見るぞおおおおおおおおおおおおお)、
ジブリ美術館の映画を塗る仕事展に行ってお芝居も観たいし図書館巡りたいし本読んでお絵かきする!
あと石清水八幡宮と、とにかく何とかタイミングつかんでてっぱくに行きたいーーー!!