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2019_06
29
(Sat)23:53

しあわせの黄色。

突然ですがドクターイエローに会ってきました。

ネット上でイエローの走行日予測をしている人たちがいるのはだいぶ前から知っていたし、
あくまで予測なので外れる日もあるとのことですけど結構、当たるらしいという噂も聞いていたので
今までも会いに行こうと思えば行けたんですが、
休日よりは平日に走ることが多い新幹線なので、走行日がわかったとしても急に休みは取れないし
(走行予測はあまり早くは出ませんし直前でずれる場合もある)、
何よりあの新幹線の特性やジンクスを思うと、本当はある日あるとき、突然どこかの駅で、偶然に出会いたくて
今まではあくまで「あ、来週走るんだな」くらいの気持ちで眺めていたんですけど。

ぜんぶ今朝のシンカリオン76話のせいです!!!
イエローが今日走る予測情報だって、先々週くらいにはつかんでましたけど
やっぱり偶然出会いたい…それでこそ幸せのイエローだって思って行くつもりはなかったのに
今朝の放送があまりにもあまりにも、あまりにも↑↑↑だったので
テンションがどかーーーっと上がってしまって居ても立ってもいられなくなって
「TVシリーズ終わりの日にイエロー走行ってなんだよ、なんなんだよ!」とキレ気味にわめいて
超進化速度で朝ごはん食べて着替えて電車乗って東京駅に行きました!!

tokyosta10.jpg
ここにたどり着いた時点で既に泣きそうになった。。
イエロー来るかもしれないんだ、会えるかもしれないんだ…と思うと
手足は震えるわ膝はわらうわで階段上るのも大変でした。
心臓がバクバクするほど興奮したのいつぶりだろう…。

tokyosta11.jpg
新幹線のホームに入るために入場券(140円)を買います。
券売機の前には行列ができていて、きっとわたしと同じ目的の人もいるだろうなあ、などと。
間に合うだろうかとそわそわしましたがスムーズに列はすすみ無事に買えました。
入場券は購入時刻から2時間有効です。

Dryellow8.jpg
改札を通ってまっしぐらに19番線へ。
(予測の人はホームの番号まで予測しています…どういうルートで情報入手してるんだろ)

Dryellow1.jpg
9から始まる回送列車はほぼ間違いなくイエロー、というのも予測の人のブログで知りました。
ちょっと早く着きすぎたかなと思ったんですが、ホームは既に人々でごったがえしていて
ホームの柵の前から見られるか不安だったんですけど、
何とか隙間を見つけて入れていただきました。

あとイエローは、16両の700系やN700系と違い7両なので
ホームの端から端までめいっぱい停車するということがないため、
待機位置を確認して待っていないと、かなり遠くから見学する羽目になります。
700系の9号車10号車の停車位置の間に立つと
ちょうど目の前にイエローのヘッドが停まってくれますので、ヘッドを観たい人はご参考までに。

Dryellow9.jpg
ほんとに初心者なので、周りが「来た来た来た!」「来たよ」ってざわざわし始めても
右か左かどっちから来るかもわからなかったんですが
人々が一斉に右へカメラやスマホを向けたのでわたしも慌てて向けましたらば。
き、来た…!

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ。

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2019_06
25
(Tue)23:57

水辺の画家。

Daubigny1.jpg
損保ジャパン日本興亜美術館のシャルル=フランソワ・ドービニー展に行ってきました。
バルビゾン派から印象派の時代を生きた画家ドービニーの回顧展です。
ドービニーについてはまったく詳しくないし、
フォロワーさんに教えてもらうまでは展覧会が開催されていることも知らなかったのですが
「緑がすごい」と絶賛する声と画家を紹介するアニメーションがとてもかわいくて(しかも内容しっかりしてる)
おもしろそうだから行ってみよう~となったのでした。

Daubigny2.jpg
フォトスポットとして大きく引き伸ばされていた絵。
「ヴァルモンドワの森の中(ル・ソスロン)」(1877年)カミーユ・ピサロ美術館蔵
展示室に本物が展示されていました。

Daubigny3.jpg
女性たちのアップ。近づいて見るとタッチがざらざらっとしています。
近くではよくわからなくても遠くから見ると何が描いてあるかわかるっていうのが
彼の後にやって来る印象派の画家たちに通じるような気もする。

Daubigny4.jpg
入口にいたドービニーおじさんとカエルちゃん。
アニメーション作家の城井文さんがデザインされたキュートな2人です。

ドービニーは19世紀フランスのど真ん中を生きた人で、風景画家だった父親の影響で自分も絵を描き始め、
最初はイタリアやベルギーなどを旅行して風景を描きサロンに出品などしていたようですが
「印象を荒描きした未完成」と酷評され落選してからはサロンに出すことはなくなり、
バルビゾン派の画家たちと交流したり、各地を旅しながら絵を描いていたようです。
船による川下りの旅をよくしていたので風景の絵を多く残していまして、今回展示されている作品もですが
とにかくひたすら「水」「木」「空」「ときどき街」という感じの絵が多い。
特に水の表現がすばらしくて、印象派ほど明るい色ではないんですけど
展示されていた絵はどれもほぼ、画面の手前に池や川や沼や湖をメインに描かれていて
展示室の真ん中に立つと湖に囲まれているような気持ちになりました。
まるで湿地帯やオアシスにいるかのような…ああいう感覚は初めてでした。
色んな方面から「すばらしい」と言われている緑ですが、チラシやポスターを見ても素敵だなと思ってましたが
実際に本物を見たらチラシよりもずっと色彩に溢れていました。本当に綺麗だった。
川辺や水辺の濃い緑が水分をふくんでいるのがわかるし、
それが水に映って揺らめいているのがまた美しいのです。
自宅兼アトリエを建てたオワーズの町の河畔の絵をよく描いていたようで
(自宅にベルト・モリゾやセザンヌを招いて一緒に食事をしたこともあるそうです)、
「オワーズ」の名前のつくタイトルの絵がいくつかあって
河畔の絵が多かったですが畑や湿地なども訪れて描いていたみたい。
(ちなみにオワーズはゴッホやガシェ博士も滞在していた街です)
人々の生活感あふれる描写も多く、洗濯したり釣りをしたり散歩したり景色を眺めたりする人たちが描かれていて
どの人もみんな表情がはっきりせずぼやかされている。
「風景の中にぽつぽつと人々がいる」みたいな作品が多いからかな…歌川広重みたい。
(ちなみにこの傾向は画家として出発し始めた頃からそうだったようで、
若い頃に描いている「聖ヒエロニムス」も人物画ではなく歴史的風景画であって
十字架に聖書を広げたヒエロニムスがぽつんと描かれていて、どう見てもメインは雄大な渓谷の景色だった)

1857年にアトリエ船ボッタン号を入手してからは
セーヌ川やオワーズ川など各地の川へ出かけて、川下りをしながら絵を描く生活をしていたようです。
ボッタン号を大きく描いた絵がありましたが、大きなマストが2本あり、帆はとてもカラフルで
寝泊まりできる小屋を乗せた小型船でとても牧歌的。
こんな船でのんびり川下りをしながら好きな絵を描けたら最高ですね!
(ドービニーはこの船で英仏海峡まで行ったこともあるようです)
夏はヴィレールヴィル、冬はパリ(モネやピサロと交流している)、それ以外の季節は船の旅という
なんという理想的な生活+゚+。:.゚(*゚Д゚*).:。+゚ +゚
道理で川や池の絵が多いわけだ…そして水の表現が突出して美しいわけですな。
版画集『船の旅』はそんなボッタン号での旅がどんなものだったかをエッチングでまとめたもので
船を川につけるところ、出発前の食事、綱を引っ張る見習水夫、船上のランチ、
夜の航行や宿屋さがし、蒸気船とすれ違う、釣りをする見習水夫、干地に跳ねる魚たちなどなど
船の中や付近で見かけた景色を片っ端からスケッチしていて
しかも風景ではなく人々がメインなので表情とかしぐさとかすごく細かく描いてあります。
風景メインに小さい人ばっかり描いてる人じゃなかったんだな…。
(余談ですがこの『船の旅』、版画家オーギュスト・ドゥラートルが手掛けているのですが
再版防止のため所蔵している美術館が全点は貸し出さないとしているそうです。
今回は15点展示されていましたが、これで全部ではないんだな…他のも見てみたいです)

晩年の作品は水の描写にどんどん力が入っているように感じました。
「ブドウの収穫」や「ケリティ村の入口」などは畑に赤や黄色の花が咲き、収穫する人々も建物に当たる光も明るくて
さっきまでの心地よいジメジメしっとり感から急に太陽の下へ出たような印象。
「山間風景」は川の急流の絵で、これまでゆったり流れて空や樹などを映していた川の水が
真っ白なしぶきを上げて流れていて水音まで聞こえてきそうでした。
どうしたどうした?って思ったんですけど、この絵の発表が1873年で
翌年に第1回印象派展が開かれることを思い出してちょっと腑に落ちた。
これからは影の色に黒を使うことなく、その影の色で塗る画風が好まれるようになるんですな…。
ただまあ、「オワーズ川のほとりの村」とか「川辺の風景」などを見ると
相変わらず濃い緑や黒が使われているので、明るい絵ばかり描いていたわけではなかったこともわかります。
そんなドービニー、晩年もボッタン号で船旅を続けていたようですが
1877年のセーヌ川ルーアンまでの旅が最後の航海になっています。
翌年のパリ万博には9点が出品され、遺作671点は3日で完売したそうです。
ドービニーはその後に活躍する印象派の画家たちにも好まれたようで
モネやルノワールがそれぞれ描いた「ラ・グルヌイエール」(セーヌ川の水浴場を描いた絵)は
ドービニーへのオマージュだそうですし、
ドービニーが亡くなった2年後の1890年にはゴッホがドービニーの家を訪れて庭を絵に描いているそうです。
過去の先人をリスペクトしながら新しい人たちが文化を奏でてゆくのだなあ…いいなあ。

家族や交友関係の紹介もあって、特にカミーユ・コローと仲が良く、
一緒に絵を描いたりアトリエに招いて交流していたようです。
ドービニーのアトリエ兼自宅であるメゾン・アトリエ・ド・ドービニーには
コローが部屋の壁に描いた絵が残っているそうです。
パネル展示されていたアトリエの写真を見ると、青い空の下に大きな木があり子どもたちが過ごしているというものらしい。
ドービニーも娘セシルの部屋の壁に『ラ・フォンテーヌ』を模した絵を描いたりしているそうです。
セシル・ドービニーは静物画家で、花や果物をよく描いたそうな。
ドービニーがセシルを描いた絵が展示されていましたが、
青い空の下に大きな木があって、それより小さな果樹の木があり白い花が満開になっていて
さらにその果樹の木の下にセシルがいるという絵なので人物描写がとても小さいです。
表情ははっきり描かれておらず、わかるのはセシルが紅い服を着ていることだけ。
また、息子のカール・ドービニーも風景画家で
父親と一緒に船に乗って旅をしながら絵を描くこともあったようです。
『船の旅』に描かれている見習水夫はカールがモデルという説があるそうです。
そんなカールの絵も展示されていて、「川岸」も「オワーズ河畔の釣り人」も水と木がメインで遠くに青空と街で
お父さんの絵にそっくりでした。

特別展の最後に常設スペースもありました。
ゴーギャンの「アリスカンの並木路、アルル」は道に沿って植わっている木々が紅葉していて
葉っぱがたくさん道に散って赤や黄色に染まっていて綺麗だったし、
セザンヌの「リンゴとナプキン」も赤や緑や黄など色とりどりのリンゴが綺麗でした。
グランマ・モーゼスは初めて見る画家で、絵本のような素朴なタッチと彩色がかわいらしく、
「古い格子の家」の市松模様の壁がとてもモダンでおしゃれでした。
東郷青児は何度見ても金属のようなつるりとしたタッチがすごくて…あれどうやって塗ってるのかなあ…。
PCを使わずCG描けてるみたいな感じがします。デパートとかに飾られているとすぐ見ちゃう。
goghhima.jpg
ゴッホのひまわりも初めて見まして(写真はレプリカ)、
あ~これが映画業火の向日葵で大変な目に遭った絵かと(笑)。
ゴッホといえばひまわり、というくらいですから見たとき自分がどんな感想を持つかも興味あったのですが
ええと、ちょっと自分でもびっくりしたんですけど「わあすごい」とはならなかったですね…。
筆のタッチは荒々しく残っているけど、今まで見てきたどのゴッホの絵よりも静かな雰囲気の絵で
わたしの記憶にあるゴッホの絵のようなほとばしるようなエネルギーは感じず、「静物画」という印象でした。
厚塗りで立体的で、ものすごい大真面目な静物画というか…。
あれかな、画集とかテレビとかで見慣れてしまってあまり驚かなかったのかな。
それとも、わたしゴッホの絵は結構見てるほうですけど、ひまわりはそんなに数を見てないので
よくわかってないだけかな…ゴッホはひまわり描く時いつもこんな感じなのかしら。

もしかしたら別の感想をもつかもしれないので、機会があれば時間を置いて改めて見に行きたいです。


tocho1.jpg
美術館の自動ドアを出たらまっすぐ前に都庁!えっこっから見えるんや!!
見えてしまったからには仕方ないので(なにが)建物めざして近くまで行ってみますよ。

というわけで、続きはシンカリオン75話感想の中です。↓

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2019_06
21
(Fri)23:50

あったか~い。

midorinyan1.jpg
梅雨の合間の晴れた日にお外で遊ぶ娘にゃんこ。

midorinyan2.jpg
地面の匂いをかぎます。
何か見つけたのかな?と思ったけど特に何も見当たりませんでした。
それとも猫様には何かが見えていたのかもしれない。

onakanyan1.jpg
お家に帰ってきて、しばらくはゴロニャンとひとり遊びをしていらっしゃったのですが。

onakanyan2.jpg
しまった。この体勢になったらもういかん。
おめめが完全におねだりの目だ…。

onakanyan3.jpg
娘にゃんこはお腹をわしゃわしゃされるのが大好きだったりします。
たいていの猫はお腹を見せるのも触られるのも嫌がりますが、この子はなぜか大好き。
しかも夏限定なのですよ…冬は絶対にお腹を見せてくれません。寒いからかな。

onakanyan4.jpg
当方としても、猫様のあったかくてモフモフなお腹を触らせていただけるのは大変光栄なのですが
ずっとやっていると手が疲れるので、ひと休みのつもりで手を離すと
「何故やめるのか理解できない」という顔をされます。
少しだけ休ませてくださいよ…!時間をおいて再開します。

onakanyan5.jpg
わしゃわしゃが気持ちよすぎるのかうっとり目を閉じたところ。「もう無理。なにも考えられない」
でも手を離すとまた例のジト目で無言のおねだりをしてくるから油断できません。
というか、彼女がお腹わしゃわしゃをおねだりするようになったのはここ数年で
その前までは夏ですらお腹を見せようとはしなかったのにどういう心境の変化だ…!?
もうおばあちゃん猫になったから色々とリミッター外れてきてるんでしょうか。ううむ。

hizagaii.jpg
絶対にお腹を触らせてくれないひと。
猛暑の日はお腹だして寝てらっしゃることもありますが、
ちょっとでも触ろうものなら飛び起きてめちゃくちゃ怒られます。
母にゃんこの体でお触りしていいのは頭と喉とお背中だけです…あとはもれなく怒られる。
本当に猫って色々ですね。


シンカリオン74話感想は追記です。↓180秒。

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2019_06
17
(Mon)23:53

小さな山がたくさんある街。

edodeko1.jpg
太田記念美術館の「江戸の凸凹-高低差を歩く」展に行ってきました。
江戸時代に描かれた浮世絵から坂道や川、山、丘などの風景に着目し、
お江戸の地形をたどる展覧会です。
ブラタモリでタモさんがさんざん高低差高低差って宣伝しまくっているせいか、
近頃は各地で地形をたどる体験ツアーなども見聞きするようになりましたが
とうとう美術界でも高低差を取り上げ始めましたよ。こういうの大好き!(笑)

edodeko2.jpg
会場では「東京の地形と江戸の名所MAP」なるものが配布されていました。(裏側は展示作品リスト)
御茶ノ水や上野、深川など、浮世絵によく描かれたエリアの地形と名所が書かれたマップです。
高低差がわかるように色分けされているので山も谷も川もわかりやすい。

まずは坂道から。
歌川広重「東都名所坂づくし」から神楽坂、御茶ノ水の昌平坂、九段坂などを描いた作品が展示されていました。
神楽坂は飯田橋方面から長くゆるい坂道になっているし
昌平坂は湯島聖堂や神田明神に行こうとすると必ず通る坂道だし
神保町から靖国神社へ至る道も確かに坂道になっていますね。
伊皿子坂(港区)や江戸見坂(ホテルオークラの前の坂)などからは江戸湾が一望でき、
湯島天神の男坂などからは不忍池が見えたみたい。
名所江戸百景からは八景坂の鎧掛松、赤坂見附の坂、湯島天神の男坂、神田明神の夜明けなど。
虎ノ門葵坂というところはかつて武家屋敷があり、
葛飾北斎「諸国瀧廻東都葵ヶ岡の滝」によると大きな滝もあって
水流の周りには葵の花が植えられていたそうです。
滝があるということはそれなりに高低差があったってことよな…(虎ノ門はあまり行かないので詳しくないです)。
広尾ふる川の絵もあって、そうだ恵比寿駅から山種美術館へ行くときは坂道を登って行くんだったとか
広尾から六本木方面へ行くとやたら登り下りが多かったな…などと思い出したり。
恵比寿のおとなりの目黒も、エリアマップを見るとたいそうな高低差で
目黒ってあまりウロウロしたことないのでわからないんですが目黒川の両脇は高台になっているんですね、
確かに目黒駅から雅叙園に行くときに通る行人坂はものすごい下り坂だよね…。
ちなみにキャプションによると江戸時代と近代の坂道を地図などで見比べるとほぼ変わっていないようです。
景色は武家屋敷やお茶屋がなくなりビルが建ったりしてかなりの変化があった東京ですが、
丘を割るような工事は江戸初期あたりにしかされなかったということだろうか…。

「お江戸の名所は高台にあり、必ずお寺か神社がある」の法則。
名所江戸百景の飛鳥山や湯島天神、王子稲荷の不動の滝、芝の愛宕山や増上寺などを見ていると
お参りや観光、お花見などで有名な場所はだいたい山道や階段を登った場所にありますね。
飛鳥山は武蔵野台地の際にあって江戸の街が一望できるし、湯島天神は言わずもがなだし
王子稲荷も愛宕神社も長い石段を登った先にあります。
増上寺は港区なのでそうでもないのかと思ったら、あそこも武蔵野台地の際で
場所によっては海抜20mのとことかあるみたいですね。
五重塔・新堀川・赤羽橋が描かれた絵を見てみると
新堀川の蛇行から谷状の地形になっていることがわかります。
あ。川で思い出したんですが、御茶ノ水のど真ん中を通る神田川とその両脇の渓谷って
山を掘削して神田川を通した人工渓谷なんですね!キャプションで初めて知りました。
昇亭北寿「東都御茶ノ水風景」や広重の「東都名所御茶ノ水之図」などには
どまんなかに流れる神田川と、両脇にそびえ立つ渓谷が描かれていて
この高さの山を割ったのかよ昔の人は、とんでもねぇなと思いました。
名所江戸百景の神田川も今まで何気なく見ていたけどまさか土木工事の景色とは知りませんでした…。
すごい、この展覧会勉強になるなあ。

昔はあって今はない景色の絵も。
名所江戸百景に描かれた目黒爺々が茶屋という、今はないお茶屋さんを描いた絵があって
淀橋高台の崖沿いにあったお茶屋さんらしいんですけど
その先にあった富士塚に向かうお客さんが立ち寄っていたそうな。(富士塚も今はありません)
あと目黒の駅付近にあった千代が池という池には10メートルほどの滝があったらしい。(今は両方ともない)
江戸名所道外尽からは妻恋こみ坂の絵がありまして
かつてここは厠(公衆トイレ)があったようで絵の中の人たちはみんな鼻をつまんでいました。
歌川豊春「浮絵和国景夕中洲新地納涼図」に描かれた中洲新地は
隅田川の新大橋の下流にかつてあった歓楽街で、
中洲にたくさんの船が集ってお店もいっぱいあって夜はとても賑やかだったようです。
北尾政美「浮絵東都中洲夕景之景」によると、夏には花火大会もあったみたいですが
広重の名所江戸百景に描かれる頃には取り壊されて浅瀬になっているんですね。
浮世絵からビフォーアフターがわかるっておもしろい!
時間を感じさせる作品は他にもあって、品川の御殿山を描いた浮世絵がいくつかあったのですが
花見の桜でにぎわう絵を見た後で名所江戸百景の御殿山を見るとびっくりします。
ペリー来航後、江戸では防衛のために土を海へ運びお台場が作られたのですが
その土は御殿山の一部を切り崩して運ばれたのですね。
広重が絵に描く3年前のことだそうです…崖がむき出しになった御殿山は痛々しく見えました。

上空から見た絵も。
名所江戸百景「深川洲崎十万坪」は鷲が大空から江戸を見下ろしている有名な絵ですが
鳥の眼下に広がる景色は3年かけて埋めたてられた洲崎だったんですね。
はるか遠くに見える山は富士ではなく筑波山とキャプションにあって、そうなのかあ!と驚き。
北尾政美「江戸名所の絵」は手前に隅田川、奥に富士山があって
その間の江戸の街を名所とともに高低差込みで描いたおもしろい絵です。
川や谷や山などの凸凹がしっかり表現されていて、これ余程地理に詳しくないと描けないと思う。
二代目広重の「江戸名所一覧双六」はお江戸各地の名所がコマになっている巨大な双六で
振り出しと上がりがともに日本橋でした。

展示されていた浮世絵が一部(北斎、政美、北寿など)を除いてほぼ歌川広重一色だったのも
すごいなと思いました。
名所江戸百景や東都名所坂づくし、江都名所など
お江戸の風景画を数多く残した広重の絵は当時を知る貴重な資料にもなっているのだなあと。
名所江戸百景も何度も見ている作品なのに、高低差に着目して見たことはなかったので
新しい視点をもらえてよかったです。
浮世絵から読み取れるものってたくさんあるんだなあ…これだから美術館通いはやめられない^^
2019_06
13
(Thu)23:57

雨あがりの蛍。

hotarusan.jpg
今年も近所に蛍を見に行っています。
梅雨入りしましたが今年は何というかとても梅雨らしい梅雨というか、
雨の日が続くのでなかなか夜が晴れず例年より見られる日も少なくてもどかしいですが
今日は晴れていたので見ることができました。
雨の日に飛べないぶん、晴れの日はたくさん飛んでいるのでちょっとお得感。
写真にはあまり写っていませんが他にも何匹か飛んでいました。

hotaniji.jpg
今月のくらづくり。初蛍と雨あがり。
薯蕷饅頭の上に水辺の葉っぱと飛びはじめた蛍。かわいい☆
雨あがりは虹の空の下を飛ぶ燕ですね。

tsuyuteru.jpg
同じくくらづくりの梅雨景色とてるてる坊主。
早苗の雨粒がきらきらしているし添えられた撫子もかわいい。
てるてる坊主の無心な表情もかわいい。

botakumaame.jpg
花扇の大山れんげ、雨上がり、熊谷TRY2019。
大きな花びらのれんげも紫陽花の葉もきれい。
ラグビーボールのお菓子は今年9月に熊谷で開催されるラグビーワールドカップの記念和菓子です。
去年から販売されていたのに何度お店に行っても売り切れで、先日やっと買えました!

tsuriame.jpg
菓匠花見の雨あがりと釣天狗。
水たまりにひらりと落ちた紫陽花の花の表現が絶妙、寒天の雫もキラキラして綺麗です。
釣天狗は魚籠に魚がくっついています。中味は、去年は抹茶あんだったけど今年は柚子あん。
お店の人に教えてもらわなかったら気づかなかった…!
お菓子はさりげなく去年と違う味で作られていることもありますので要チェック。

ameniji.jpg
雨あがりの側面はこうなっています。虹色の羊羹☆

今気づいたけど今月買ったどのお店のお菓子にも「雨あがり」の名前がついている…。
雨も大切だけど、やっぱり雨があがって晴れた景色は和菓子によく似合います。

シンカリオン73話感想は追記です。↓ヘリすげえ。

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2019_06
09
(Sun)23:48

家の戸を開けるまでが旅だ。

2019kabukiza5.jpg
歌舞伎座で六月大歌舞伎夜の部「三谷かぶき 月光露針路日本~風雲児たち」を観てきました。
三谷幸喜氏の脚本による新作歌舞伎です。
もうポスターからぶっとんでて本当おもしろい、これは歌舞伎座のポスターか!?(笑)

「幕末を描くなら関ヶ原から描かねばダメだ」ということで40年前に描き始められ現在も続いている
(現在やっと幕末編を連載中)みなもと太郎氏による『風雲児たち』ですが(ゆさは未読)、
歌舞伎化されたのは江戸時代中期の大黒屋光太夫のエピソードです。
1782年に伊勢から江戸へ船で向かう途中、駿河湾で嵐に遭いアリューシャン列島まで流されてしまい
サンクトペテルブルクまでエカテリーナ2世に会いに行き帰国を願い出て帰って来たという
実話をもとにしたものですね。
マンガでは前半に描かれたエピソードのようですが、
最初だけ読んだことがあるらしいうちの母に聞いてみたら読んだのほんとに最初だけっぽくて
「そして戦は終わった。ってとこしか知らない」という、まったく参考にならない話を胸に
さて白鷗さん・幸四郎さん・猿之助さん・愛之助さんらをメインに三谷さんがどんな歌舞伎を書いたのかと
楽しみにしながら当日行きました。

三谷さん×風雲児たちといえば去年のNHK正月時代劇で前野良沢と杉田玄白のエピソードをやっていたよね。
あれにもらぶさん出てましたね。

kobikicho1.jpg
開演前に木挽町広場に行ったら撮影スポットができていました。
藤浪小道具さんが毎月、歌舞伎に登場するセットを作ってくれて
無料で見学できて撮影もできるそうです。

kobikicho2.jpg
セットは毎月変わるそうで、今月は帳場。
両替屋などが出てくるとこういうセットが置かれますよね。

kobikicho3.jpg
内側に入ってみました。
帳簿には「羽織並」「長火鉢釜」「桟留縞袷」などの品目や金額が書かれています。細かいね。

2019kabukiza6.jpg
今回はここから観劇。通しで見るのも1階席で見るのも久し振りです。

以下↓遠慮なしネタバレ感想になりますのでこれからご観劇予定の方はご注意ください。
大丈夫な方はクリックしてどうぞ☆

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2019_06
08
(Sat)17:36

イラストボード展示2019。

※期間限定トップ記事。最新記事はこの下です↓


毎年恒例、アルス画房(熊谷市)の「第29回ARSコミックイラストコンペ」にて
イラストボードを展示させていただきます☆
(毎年7月の開催でしたが今年から6月からになりました)
コンペの内容は「手描き」「色紙」「ティーンズ」「豆うちわ」の4部門です。
今年もどんな力作が集まっているのか楽しみ。

conpemaru.jpg
告知絵。オリジナルの字書きキャラです。
着物+たすき+髪を結うっていうポーズが唐突に描きたくなって描きました。
(口に筆をくわえているのは禰󠄀豆子ちゃんの影響かもしれません)

展示作品一覧ページ→こちら
わたしはいつものように手描き部門参加で1点描きました。→こちら

展示期間中は、部門ごとにお好きな作品に投票もできます。
(店頭の投票用紙に記入後、お店の投票箱に入れていただきます)
わたしも先日投票してきました☆
展示や作者さんへの感想を書ける用紙も置いてありますのでお越しの際はメッセージなどもどうぞ。

【アルス画房】 HP→<http://www.arsgabou.com/
埼玉県熊谷市鎌倉町152
10:00~19:00 毎週水曜日定休
コンペイラスト展示・投票期間:2019/6/8(土)~7/16(火)

お店へのアクセス:こちら
JR熊谷駅から徒歩7分
駅北口のロータリーを左方向へ、線路に平行して歩いてください。一方通行出口右角。
お店の向かい側に駐車場がありますので、お車でもお越しいただけます。

梅雨の時期ですが熊谷が熱いぜ!
お近くの方や興味のある方、お時間がございましたらぜひお越しください♪
ヽ(*^∀^*)ノ


hippopon様のブログにリンク貼っていただきました!ありがとうございます!!→こちら
2019_06
04
(Tue)23:55

カワウソイヤァ!

今期アニメ感想です~。
シンカリオン、妖怪ウォッチ(ケータくんジバウィスお帰りなさい待ってた!!!)、
ぼのぼの、ねこねこ日本史、どろろ、文スト3期、鬼太郎6期、
ハイキューセカンドシーズンの再放送ほか、新作を見ております。
フルバ全編アニメ化おめでとうございます~~+゚+。:.゚:。+゚ +゚
前のアニメはまだ原作が完結していなかったから途中で終わってしまいましたが
今度は最後まで制作されるそうですね。
まだ始まったばかりですが見事なまでに原作に忠実に作られている!
原作が完結しているので脚本で再構成された部分もありますが
(1話冒頭の宴会のシーンとか)違和感なく挿入されているように感じました。
お話の進み方もゆっくりで、まるで単行本を読んでいた頃みたいな気持ちにさせてくれて
わたしこのスタッフさんとは相性がいいかもしれない…!
何クールやるのかわかりませんが最後まで鑑賞しますよ٩( ᐛ )و
OPとEDがゆったりしていて岡崎律子さんを思い出すなど…あの主題歌は至高ですからね…。
映像も止め絵が多くて前のアニメを彷彿とさせますね。
十二支が全員いなかったのが気になりますけど、
本編がすごく丁寧な作りなのでこの調子でラストまでがんばってほしい。

当たり前ですが演出が違うと雰囲気もこうも異なるのかと!
大地監督は割とシュールな作風だったのでシリアスなシーンもギャグも淡々としていましたけど
今のアニメはキャラデザの等身も高いしギャグシーンもたっぷり間を取っているし
何より画面がキラキラしているよね!映像技術の進歩と進化。
十二支たちの変身シーンがキラキラして見える~~☆
キャストも一新、さすがに前のアニメの声優さんはみんな大ベテランになってるから難しかったか…。
(確か原作者が一新してくれって言ったんだよね)
でも基本的には前のアニメの雰囲気っぽいキャストさんが多くてよきです。
つまりキャラクターがぶれてないってことだよな…スタッフの皆さんありがとうございます。
慊人さんが真綾さんになりましたが声が猛烈に低い!真綾ねえさんがんばって。
あと前のアニメでは出てこなかったリンと紅野さんが登場おめでとうって感じだし
何よりもあーやが…楽しみです…どうなっちゃってるんだろう色んな意味で^^;


鬼滅の刃は連載が始まった最初の頃は読んでなかったんですけど、
あきづき空太さんが応援しているのを知って読んでみたら確かにおもしろくて
アニメ化しそうだなあと思っていたらやっぱりしましたねえ。
何といっても兄と妹がバディ組んで戦うのが最高によい!
炭治郎は普段は禰󠄀豆子を守っているけど、戦闘時においてはパートナーとして背中を預けて戦える仲だし
お互いにピンチになると駆けつけて助け合ったりするし、そういうときは必ず来てくれると信じているし
そのことを2人とも微塵も疑っていないのが最高オブ最高。
それにしても禰󠄀豆子の中の人毎回大変だなぁ…息遣いだけで彼女の動きも気持ちも全部表現されていて
あっ今禰󠄀豆子この動きしてる、こんな気持ちなんだって一発でわかりますね。プロはすごい。
炭治郎も禰󠄀豆子がどんな状態か、どんな気持ちかを注意深く見ていて
事あるごとに「禰󠄀豆子だいじょうぶか?」って心配しててやさしいお兄ちゃん。
あとやっぱり戦闘中にやたらモノローグが多いのもザ・ジャンプ漫画!って感じがします。
漫画で読んでると気にならないけどアニメでは気づくの何でだろうね。
水の呼吸をどう表現するのかと楽しみにしていましたが、
いざ炸裂したやつを見たら北斎の波みたいなうねりを筆のようなタッチでぶちかましていて
思わずひれ伏しました。きれい~かっこいい!!
水があれだけ美しいとなるとヒノカミ神楽も獣も蟲も音も炎も、このクオリティで見てみたいと思ってしまう。
特に花の呼吸が楽しみです…アニメそこまでやってくれるかわからないけど。

ジャンプ漫画の例に漏れずキャラクターの作り込みがすごくて
ワンピのどん!みたいに毎回ばーんと大登場してくるのがとってもワクワク。
初回から主人公を打ちのめす義勇さんはやっぱりすごい…櫻井氏の声が強すぎる。
錆兎と真菰えっ好き…めっちゃ好き…ってなったけど既に故人とわかったときは顔を覆いました。
あの真っすぐな強さと儚さは魂だけの存在になってるからこその美しさですよな…。
あと鱗滝さんめっちゃ好き、試験後に炭治郎をハグしてくれるシーンで泣いた。
普段は口数少なくて修行は厳しくて、でも弟子を心から信じているおじさんは好きです。
あまり戦うシーンはないけど本気で戦ったらむちゃくちゃ強そう、そのうちそういうシーン来ないかな。
善逸や伊之助もそろそろ合流してきますよね。楽しみですね。
あとね!鬼のキャスト豪華すぎませんか!!ねえ!!
ぽっと出のモブ鬼さえ大ベテラン声優さんばっかりでえ、これ炭治郎勝てるの?って毎回思うレベル。
関さんとか真綾さんとかグリリバさんとかテラ子安氏とか
こんなすごい人たち1~2話しかしゃべらないのもったいない、もったいないよぉ。
(いや、関さんや真綾さんは今後もちょくちょく出ていらっしゃると思うけど…)
鬼たち全員聴き慣れてる声でしゃべるとかすごくないですか。音響監督は何を考えているんだ。
今後もあの鬼やこの鬼がどんな声でしゃべるのか楽しみにしています。


この音とまれ。
原作マンガを読もうと思った頃には既刊がめっちゃ出ていて手を出せず、アニメで楽しんでおります。
高校の箏曲部を描く青春アニメ、いやあ青春してますなァ!
音楽がテーマの作品は映像化するとその音が聴けるのが楽しみですし
箏は大好きな楽器なのでたくさん聴けるかなァとやっぱり楽しみ。
まだ数話の間に古典から現代曲まで色々聴かせてもらえて毎回耳が幸せです。
特に全校生徒の前でみんなで披露した龍星群がすごかった!
原作者のお姉さまが作曲なされたそうで(原作者は箏曲一家のお生まれ)
激しいイントロから切ない中盤、一気に盛り上がる後半とまったく飽きさせないすばらしい構成に
みんなの気持ちやバックボーンが重なってウルウルきちゃいました。
着物や短歌や生け花がそうであるように箏も自由な時代になってきましたね…よきかな。

愛くんのおじいちゃんのファンです(笑)。
あんな素敵なおじいちゃんいる!?愛くんのそばにいてくれてありがとうございました。
愛くんが不器用な子だから、おじいちゃんも真正面からぶつかってくれた感じですよな。
楽器屋のおばあちゃんが預かっててくれたお箏の見事なこと…愛くんが最初弾くのをためらっちゃうのもわかる。
あと叔母さんがかっこいいよね。甥っ子の前でキャミソ一丁で過ごすおばさまかっこいい。
いや愛くんも素敵な子ですけども!
「不良少年というのはものすごく優しいところがある」とは宮崎駿氏がハクを評した言葉ですけども
愛くんも短気なところはあるけど真っすぐなんですよね。
そんな愛くんが尻込みしちゃうときは武蔵くんがズケズケ入ってきてくれて
でも最新話だとしゅんとしちゃった武蔵くんに愛くんが喝を入れていて
いいねえ、青春してますねえ☆
武蔵くんも愛くんとは別の意味で真っすぐというかクソ真面目というか
危なっかしいけど妙なところで肝が据わって頼もしくなるのでやっぱりかっこいいですね。
鳳月さんもちょっとずつみんなと話せるようになってきて、やっと部活が楽しくなってるかな…
いつか彼女の本気の演奏が聴きたいです。
来栖さんは初めて登場したとき「この子絶対いい子じゃん!!」て確信したし
どんどん素敵な子になってきてもうほんとに大好き。
人間関係をよく知ってるから人と人を繋ぐのもうまいよなあ。
高岡くん後輩なのに後輩に見えない、声のせいで(笑)。
BANANA FISHを見た後なので内田さんと細谷さんが友達役をやってるとしみじみしちゃいます。よかったねぇ。
(どうでもいいけどわたし内田さんて血界のソニックで初めて意識したので
人間役をやってるのがちょっとムズムズします^^
この音とフルバと、あとうっかり1話だけ見たなむあみだ仏にも内田さんいらっしゃるけど
全員口調が荒々しいお役で、いやいいけどまたソニックや申渡くんみたいなお声も聴きたくてね…
そういえばスタミュ3期が7月から始まりますね~~楽しみ♪)


キャロル&チューズデイ。
こちらも音楽アニメですが箏ではなく洋楽というかポップスというか、
プロのミュージシャンたちが次々に出てきてそれぞれの音楽を披露していきます。
キャラクターボイスは日常パートを担当する声優さんと歌パートを担当する現役歌手の皆さんで
歌が全部英語っていうのがインターナショナルですな~。さすがネトフリ配信アニメ。
OPもEDもキャロチュー歌パートの人たちが英語で歌っていて、素敵なメロディと映像なので
毎回スキップせずに聴いています。
OPで踊るキャロル素敵だし、EDで並んでスタスタ歩いていく2人も素敵。
音楽もスタンダードな生音からAI作曲まで様々あり、
音楽ってこんなに色んな種類があって奥深いんだ…と思わせてくれます。AIも歌うしね。
あと楽器が!特に鍵盤が!鍵盤弾く指の動きと音楽がぴったり合っててマジ感動した!!
キャラクターがドの音の鍵盤をたたくと本当にドの音が画面から聴こえてくるんですよ、
このアニメは本気だ…!
(TVアニメの制作ってとてつもなくハードなので
スポーツの動きや楽器の演奏シーンてだいたい省略されたり止め絵だったりしますけど、
このアニメはキャロルがドレミファソラシドって弾く作画とドレミファソラシドって鳴るピアノの音が
動きもタイミングもばっちり合っててすごい…きちんと作画してくれたんですね。感動しました)

チューズデイの実家がある都市がハーシェル(火星のクレーターの名前)だったり
アーティガンさんの家にバンクシーの絵もどきがあったり
「そんなにポテトばっかり食べられない~」の台詞にオデッセイを思い出したり
ガスがマーズブライテストの応募で適当に入力した数字が129ばっかりだったり
やたら仕込んでるなと思ったら監督がビバップの渡辺氏なんですね!
(そういえばビバップも火星が舞台でアルバシティとかあるよね)
家を出たチューズデイが家畜車に乗って海の見える街に着いて出会ったキャロルは
カラス、じゃない梟(激かわいいAI)と暮らしてるってところが魔女宅みたいだし
キャロルでチューズデイ(ライオンが嘘をつく日)でギターケースに兎をぶら下げているとなればアリスでしょって。
絶対これら意図的だと思うんですよな…今後もいくつ気づけるかなあ。
1話からまるで劇場版のような作画レベルと内容の濃さで
手間暇とお金をかけて作ればここまでのものが作れるんだな…完成度すごく高いです。
キャロルがキーボードを弾くときふっと大人びた表情になるのが大好きだし
チューズデイが心底楽しそうにギターを奏でるのも大好き。
出会って間もない2人の初めてのセッションは探り合うようにくすぐったくて
最初は合わなくてノイズっぽいけど段々と音楽になっていく過程がたまらなく心地よくて
ああ何かが始まる、始まったんだなあ…ここから奇跡の7分間に向けて物語が進んでいくんだと。
火星移民メモリアルホールでの演奏動画が拡散され、ガスという音楽関係者と出会う展開は王道で
ネットのバズリ方は現代的だし、勝手にアップロードされたり家特定されたり色々危なっかしいけど
大物アーティストへ売り込みしたりPV作ってみたりオーディション番組に出たり
一足飛びにプロになれるわけじゃないっていうのがとてもリアル。
ちょっとずつ進んでいく2人が、AIが当たり前になった音楽業界に風穴を開けるのか否か、
別軸でタオとアンジェラさんサイドも進行してるのでアナログ vs AIみたいな部分も出てくるのかな?

チューズデイがお嬢様とわかっても変わらず接するキャロルが好きです。
地球生まれとかバックボーンが少し明らかになって、チューズデイも身の上を吐露したけど
その辺りを長ったらしくやらなかったのは好印象でした。そういう物語ではないのだ。
お互いを少しずつ知っていきながら仲良し度が増す2人がとても素敵^^
ガスは基本古臭くてめんどくさいおじさんですが、2人を心から応援してくれてるし
ロディはちょっと生意気な子かと思ってたらどんどんこき使われるかわいい奴になってきました。
キャロチューのマネだけじゃなくアーティガンさんの仕事も掛け持ちしてるんだよね~敏腕マネ。いやはや。
わたしの知ってるAIとだいぶ違うイデアちゃんかわいい、やたら人間臭くてかわいい。
4話だけの一発キャラかと思ってたらマーズブライテストのオーディションに参加してた~元気そうでよかった。
もしかしてマスコットキャラとして準レギュラー化してこれからもちょこちょこ出てくるのかな。
(余談ですが渡辺氏はたまに4話みたいな、猛烈なただのギャグ回をやるよね…
ビバップのきのこ回とかウテナのカレー回みたいなやつ)
マリーさん昔は夫持ちで今彼女持ちか。火星は誰とでも結婚できるっていう世界なのかしら、めでたい。
「彼氏か彼女はいないの?」ってさらっと聞いてたね…
セクハラですけどキャロチューの恋愛対象を異性と限定しない聞き方が素敵でした。
スキップさんやクリスタルさんめっちゃいい人たち…というかプロのミュージシャンとしてとても素敵。
「クリスタルさんいい匂いした~!」とか言ってるあたり、キャロチューはまだまだ素人ですが
“ちゃんと見てくれている人がいる”と認識できたのはいい経験になったのではないかな~。
(うっかりヨシュアのお酒でドーピングして怖いものなしのチューズデイちゃん、目がすわっててすごかった)
マーズブライテストでチューズデイにグラサン貸したお兄さんは
最終回あたりの奇跡の7分間に出てきてあいつらにグラサン貸したの俺だぜって自慢するんだと思う^^
オーディションに出るときTVに映っちゃったら家族に見つかっちゃうからとグラサンかけて
「時々マンデイたまにはウェンズデイ、火星の言葉ヨクワカラナイ…」いやあ笑いました。チューズデイのポテンシャル高い。
最新話で予選突破してアンジェラさんから声かけてきたの、繋がった感があってわくわくしたし
やっと3人の道が交わるときが近づいて来たようで今後が楽しみです。
あと大人っぽくてかっこいいハヤトくんの声がする…と思ったら佐倉さんだったシベールさん、
歌のシーン楽しみです。キャロチューと仲良くなるのかなあ。


さらざんまい。
約ネバ放送時にCMをちらちら見ていましたがCMと印象が全然違いますね…。
最初寿司アニメかと思っていて、CM見てもっとシリアスな物語なのかと思っていたら
舞台が浅草でカッパvsカワウソ戦争に巻き込まれる中学生たちとか、
相変わらずイクニ監督の世界観は訳わからんですな。
人間関係は相変わらずわかりやすいけど…誰も彼もが一方的な矢印を誰かに向けていて報われない。

3人の男子中学生が尻子玉を抜かれて河童に変身して歌いながらゾンビと戦うアニメ…なんだけど
こうやって文章にしてもよくわからない。。
カパゾンビから容赦なく尻子玉ひっこぬくと自動的に「さらざんまい」状態になって
ひとりひとりの秘密が強制的に漏洩してしまうという、色んな意味でアウトな設定がすごい。
弟と繋がりたくてサラさんコスする一稀、銃で人を撃った自分をかばってくれた兄の力になりたい悠、
一稀を恋愛対象として好きな燕太、みんなそれぞれしんどいです。
痔が悪化しそうなレベルで尻子玉抜かれたカパゾンビは繋がりの輪から弾かれて
ゾンビ化する前の人格そのものが最初から存在しなかったことになってしまうって、それキツイっしょ…。
一稀がストラップつけてるのにサラさんはつけてないの最初気づかなくて2周目で気づいたんですが
あのときは繋がりたい理由はどんだけ深いのだろうと身構えつつ次回を竢ったわけですが
やっぱり切実な理由だった…。
一稀だけ家族と血が繋がってないんじゃないかというのは早い段階でネットの考察班が辿り着いてたけど
悠の事件にしろ燕太の気持ちにしろ、割とイクニ作品にはよくあることですけど
それらが強制的に共有されてしまうのはきついなあ。
長く付き合ってると知らないうちに秘密が知られていくっていう人間関係のビジュアル化かもしれませんが
イクニさんは表現が強烈なのでこう、ウワァってなるよね。ウワァって。(わからんて)

キャラデザのミギーさんがターニングポイントだっておっしゃってた6話が確かにすごくて
春河を助けるために3匹のカッパが走るっていう、ものすごくシュールな絵ヅラで
カッパのサッカーボールで笑いに変換された(笑)。
燕太が一稀にパスを出すことができて報われたけど、これには悠の存在も不可欠だったわけで
無理矢理ではあったけど一稀、燕太、悠もつながり始めましたね。
悠が一稀を助けるために銃を使ったというのもすごいことだし、燕太のミサンガもだけど
つながりたいために執着していたアイテムがここにきて一稀の弟を助けるために使われたっていうのが…
イクニ監督のことだからまた自己犠牲に行き着くのかと思ったら
3人で協力しあって立ち向かっていったのでびっくりしてしまいました。
一稀が春河のために尻子玉を抜く自己犠牲ってこれまでのイクニ作品にはよくあるパターンですが
献身の果ての結果こうなりましたっていうところで終わらなかったのが新しいですね。
自身の命を差し出す選択肢が提示さたときにウテナやピンドラだと命を渡して
世界から弾き出され痕跡ごと消える結末を迎えることが多かったからこんな結果になるとは思わなくて。
一稀が円の外に出て運命を変えようとするのも春河が自分の罪を告白するところもピンドラっぽいけど
その後が好きを諦めないユリ熊嵐になっていたから
さらざんまいは欲望を手放さなかったその先どうなるかを描くってことなのかな。
愛する人を救うために自分を犠牲にする必要はないし、
世界の外に追い出されたんじゃなくて自分の周りを世界が輪ってただけだし、
その実感、つまり「愛」をようやく一稀が受け入れられた…これがユリ熊後のイクニか…。
それまで「繋がりたいのに」だったサブタイが6話は「繋がりたいから」になって、それも感動しました。
とはいえまだ折り返し地点なので全然安心できなかった。。
6話でゴールデントリオになれたと思いきや早々に7話でぶっ壊しに来るイクニ監督。これぞイクニ監督。
燕太は悠を良く思ってないのにちゃんと携帯に番号を登録していて
悠は矢坂って呼ぶのに携帯には一稀って下の名前を登録していて
悠が街を出るって聞いてあんなに泣いた一稀は悠の名前を登録もしてないんだね…。
それこそ「繋がりが切れそうになった時」に初めて慌てるタイプなのかも。
燕太がレオから一稀をかばうまでずっと悠、悠って言ってて燕太のこと見えてなかったもんね…。

語尾がケロケロ言うからカエルと間違われて怒ったり(芥川龍之介の河童ネタですな)、
きゅうりかじってたり花やしきでポールダンスしたり
頭が電話になって「リリリリリン!」て鳴って燕太に「うっわ気持ち悪」って言われちゃうケッピ、
体は白いので便宜上白ケッピと呼んでますけど黒ケッピもいるみたいですな。
サラさんと知り合いみたいですが彼女マジ何者…やっぱりカッパなの…?
彼女のニュースで毎回流れるローマ字のテロップが地味に読みづらくて気になる、
あれ全部繋げたら誰のことを言ってるのかわかるのかしら。
スカイツリーの中にあるゾンビ製造システムの子どもブロイラー感がすごい…
欲望だと搾取されて黒ケッピのごはんになって、愛だと戻されてシュレッダかけられるってことかな。
レオマブのカワウソイヤァも主人公たちの歌と同じで毎回歌詞が微妙に違うの細かいし
真顔で踊るダンスもちょこちょこ変わるポーズがかわいい。
6話Cパートでマブが死んだっぽい回想シーン、あれ関東大震災がモチーフですよね?
凌雲閣はカッパ王子の居城でレオマブは王子に仕えていたってことでしょうか、
今はマブをよみがえらせたカワウソ側についてるって感じかな。
愛なんてものに興味はないって言ってるレオが一番気にしているのはマブで
死ぬ前のマブに戻ってきてほしいって考えてるのがすごく欲望なんだけど
その出発点は愛なんだろうなって思えるからしんどい…。
マブはマブでレオを安心させるためにブロッコリー食べちゃうしさ…さすが今期一しんどいカプ…。
彼らも幸せになってほしいけど、主人公サイドが今あんな感じなのでどうやってオチをつけるのか、
幸せになるというか自分の望みを究極の形でかなえようとするキャラが多いからなイクニ作品は…。
2019年のイクニ氏の行きつく先を見届けようと思いますよ。


シンカリオン72話感想は追記です。↓キリパンマン。

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