あなたの色はどんな色。
2年前の2月にサクラクレパスが新幹線の車体の色をイメージした
「シンカンセンクーピーペンシル」(JR各社監修)を出したのですが、
この前お店で見かけて買うかどうしようか迷って買わなかったのですけど、
改めて色のラインナップを見てみて、「わかるわ~」っていう色と
「ごめんちょっとわからない」っていう色と「あ、そこの色をピックアップするのね…」っていう色があって
なかなか味わい深い12色セットだなあと思ってます。
それにしてもクーピーっていう響きがもう懐かしいですね…!
小学校の図工の授業で使って以来ご無沙汰してしまっていますが、
書き心地がとてもよくて手にインクも付着しないのですごく使いやすかったのと
小型鉛筆削りで削ったときの削りかすがふわふわ柔らかかったこととか覚えてます。
昔使ってたものが家のどこかにあるはずと思って探したのですけど見つからず…。
捨ててはいないはずだけどどこへ行ってしまったのか。ううむ。(見つかったら画像載せます)
で。
わたしはコピックユーザーなので、Tooさんにぜひとも新幹線カラーを集めたセットを出してほしいのですが
そういえば自分のお絵描きでは新幹線にどんな色を使ってたっけ…とぼんやり考えたわけです。
基本的には車体を見て色を選んで塗ってますけど、改めてちゃんと見て記録しとこうと思って
せっかくなのでシンカリオンに出てくる新幹線でやってみることにします。
(こうして記事に書くことで備忘録にしてしまおうという魂胆)

E5系とH5系。
Base:BG34、Shadow:BG13
E5のつつじピンクの帯はRV55で、H5の彩香パープルはBV01で塗ってます。
コピック公式サイトによるよBV01はヴィオラという名前の色で
ヴァイオレットの語源になったスミレ属の植物に由来するそうです。

E6系。
Base:RV17、Shadow:RV19、アローシルバーの帯はC3で薄く。
RV17も19も赤紫色ですが、E6の車体の色は茜色なのでちょっと明るめの色になってるかも。

E3系。
Base:B69、Shadow:B79、紅花イエロー&レッドの帯はYR07。
コピックは耐水性のため乾かないうちに重ね塗りすると微妙なにじみが出せるし
色もしっかり着くので、1本でグラデーションが作れて便利です。

E4系。
車体はB24、帯はRV13。ライトはY06の重ね塗り、運転席の窓はC5。
たぶんE1やE2もこれで塗ってた気がします。

E7系。
Base:B28、Shadow:B37、帯はY26。運転席の窓はC4をベースにC5で影つけ。
車体は空色をイメージしているそうですが、B28はロイヤルブルーでB37はアントワープブルーなので
藍色や紺色みたいなイメージで塗ってるかもしれない。

200系。
Base:G03、Shadow:G05。ライトはY06の重ね塗り、運転席の窓はC5。
帯は新緑のイメージだそうですがG05はずばりエメラルドグリーンの名前がついてるのでぴったり。

東海道新幹線。
帯はB26にB37を重ね塗り、ドクターイエローの車体はY13にY08で影つけ。
Y13はレモンイエローなのでイエロー先生の車体の色と同じ名前です。

こちらはシンカリオンには出てないけど、せっかくなので東日本のお医者さんEast-i。
Base:R32、Shadow:R43。ライトはY06の重ね塗り、運転席の窓はC5。
車体の赤はもっと赤いんですけど、コピックに合う色がないので桃色に近い色で重ね塗りしてます。

ALFA-X。
Base:C3、Shadow:C4。帯はBG32で、運転席の窓はC5。
コピックにシルバーという色はないので冷感を感じさせるクールグレイを重ねています。

800系やN700系、700系もだいぶ前に描きましたがこれどうだったっけな、
800はたぶんだけどR08かR17、レールスターはC4・C5・Y08、700系はB26、
みずほさくらはB37とY26あたりで塗った気がします。
ブラックシンカリオンは車体をFV、帯をFRV、角(?)をY08あたりで塗ってそうだな…。
コピックが蛍光カラーを出したときは(そういう色を出すシリーズだとは思ってなかったので)びっくりしつつも買いまして
果たして使うかな~とか思ってたんですが、
ブラックちゃんに使うことになるとは思いませんでした。なんでも用意しておくものです。
(ユーザーとしては新色が出たらとりあえず買って試してみる派)
そういえばコピックチャオで初音ミクセットが出ましたけども→こちら
ミクって5色で塗れるんだ…!ってちょっと感動しました。
いや、もっと色数使われてるんじゃないかと勝手に思ってたので。
そうだよなあ陰影出そうと思ったら重ね塗りすりゃいいんだもんな…可視化っておもしろい。
ていうかミクセットができるなら新幹線セットもできませんかTooさん???(前のめり)
カードキャプターさくらセットみたいな24色セットからでもいいですけど、
コピックは1本1本がクーピーに比べるとちょっとお高めなので
まとめてじゃなくていいので東海道新幹線セットとか東北新幹線セットとか、
JR各社ごとにやってみるのはいかがですかね。(需要が未知数)(楽しいのはわたしだけ)
「シンカンセンクーピーペンシル」(JR各社監修)を出したのですが、
この前お店で見かけて買うかどうしようか迷って買わなかったのですけど、
改めて色のラインナップを見てみて、「わかるわ~」っていう色と
「ごめんちょっとわからない」っていう色と「あ、そこの色をピックアップするのね…」っていう色があって
なかなか味わい深い12色セットだなあと思ってます。
それにしてもクーピーっていう響きがもう懐かしいですね…!
小学校の図工の授業で使って以来ご無沙汰してしまっていますが、
書き心地がとてもよくて手にインクも付着しないのですごく使いやすかったのと
小型鉛筆削りで削ったときの削りかすがふわふわ柔らかかったこととか覚えてます。
昔使ってたものが家のどこかにあるはずと思って探したのですけど見つからず…。
捨ててはいないはずだけどどこへ行ってしまったのか。ううむ。(見つかったら画像載せます)
で。
わたしはコピックユーザーなので、Tooさんにぜひとも新幹線カラーを集めたセットを出してほしいのですが
そういえば自分のお絵描きでは新幹線にどんな色を使ってたっけ…とぼんやり考えたわけです。
基本的には車体を見て色を選んで塗ってますけど、改めてちゃんと見て記録しとこうと思って
せっかくなのでシンカリオンに出てくる新幹線でやってみることにします。
(こうして記事に書くことで備忘録にしてしまおうという魂胆)

E5系とH5系。
Base:BG34、Shadow:BG13
E5のつつじピンクの帯はRV55で、H5の彩香パープルはBV01で塗ってます。
コピック公式サイトによるよBV01はヴィオラという名前の色で
ヴァイオレットの語源になったスミレ属の植物に由来するそうです。

E6系。
Base:RV17、Shadow:RV19、アローシルバーの帯はC3で薄く。
RV17も19も赤紫色ですが、E6の車体の色は茜色なのでちょっと明るめの色になってるかも。

E3系。
Base:B69、Shadow:B79、紅花イエロー&レッドの帯はYR07。
コピックは耐水性のため乾かないうちに重ね塗りすると微妙なにじみが出せるし
色もしっかり着くので、1本でグラデーションが作れて便利です。

E4系。
車体はB24、帯はRV13。ライトはY06の重ね塗り、運転席の窓はC5。
たぶんE1やE2もこれで塗ってた気がします。

E7系。
Base:B28、Shadow:B37、帯はY26。運転席の窓はC4をベースにC5で影つけ。
車体は空色をイメージしているそうですが、B28はロイヤルブルーでB37はアントワープブルーなので
藍色や紺色みたいなイメージで塗ってるかもしれない。

200系。
Base:G03、Shadow:G05。ライトはY06の重ね塗り、運転席の窓はC5。
帯は新緑のイメージだそうですがG05はずばりエメラルドグリーンの名前がついてるのでぴったり。

東海道新幹線。
帯はB26にB37を重ね塗り、ドクターイエローの車体はY13にY08で影つけ。
Y13はレモンイエローなのでイエロー先生の車体の色と同じ名前です。

こちらはシンカリオンには出てないけど、せっかくなので東日本のお医者さんEast-i。
Base:R32、Shadow:R43。ライトはY06の重ね塗り、運転席の窓はC5。
車体の赤はもっと赤いんですけど、コピックに合う色がないので桃色に近い色で重ね塗りしてます。

ALFA-X。
Base:C3、Shadow:C4。帯はBG32で、運転席の窓はC5。
コピックにシルバーという色はないので冷感を感じさせるクールグレイを重ねています。

800系やN700系、700系もだいぶ前に描きましたがこれどうだったっけな、
800はたぶんだけどR08かR17、レールスターはC4・C5・Y08、700系はB26、
みずほさくらはB37とY26あたりで塗った気がします。
ブラックシンカリオンは車体をFV、帯をFRV、角(?)をY08あたりで塗ってそうだな…。
コピックが蛍光カラーを出したときは(そういう色を出すシリーズだとは思ってなかったので)びっくりしつつも買いまして
果たして使うかな~とか思ってたんですが、
ブラックちゃんに使うことになるとは思いませんでした。なんでも用意しておくものです。
(ユーザーとしては新色が出たらとりあえず買って試してみる派)
そういえばコピックチャオで初音ミクセットが出ましたけども→こちら
ミクって5色で塗れるんだ…!ってちょっと感動しました。
いや、もっと色数使われてるんじゃないかと勝手に思ってたので。
そうだよなあ陰影出そうと思ったら重ね塗りすりゃいいんだもんな…可視化っておもしろい。
ていうかミクセットができるなら新幹線セットもできませんかTooさん???(前のめり)
カードキャプターさくらセットみたいな24色セットからでもいいですけど、
コピックは1本1本がクーピーに比べるとちょっとお高めなので
まとめてじゃなくていいので東海道新幹線セットとか東北新幹線セットとか、
JR各社ごとにやってみるのはいかがですかね。(需要が未知数)(楽しいのはわたしだけ)
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あの子が笑顔で駆けてくる。
ふくろうの本のちばかおり・川島隆『図説アルプスの少女ハイジ-ハイジでよみとく19世紀スイス』に
増補改訂版が出たとの情報をいただきましたので読みました。

リンともの八少女さんのブログで知ったのですが、八少女さんがこの本にご協力されていたことも知って
「わ~~読もう読もう!」ということで^^
八少女さん記事を書いてくださってありがとうございました。
あと浜松市美術館で開催中の「ハイジ展-あの子の足音がきこえる」の情報もいただきまして、
今回の増補改訂もその関連で行われたのでしょうか。
浜松はちょっと遠いな…いま遠出しにくいからなあ、巡回しないかな…。
TVアニメの資料は過去の高畑勲展をはじめもう何度も見たので(何度見ても良いものですが)
そろそろ原作についての資料をちゃんと見てみたい。

左が改定前、右が改定後。
16ページ増えて紙も少し厚くなったのかな?1.5倍くらいになったような。
改定前の本を過去に読んだのですが、9年前なので内容をほとんど忘れていて
今回の改定版は復習と学びなおしのつもりで読みました。
(わたしのハイジ歴は小学生のときに原作2冊を読んで大人になってからDVDで高畑勲氏演出のアニメを見て
ふくろうの本を読んで時代背景を知ったという流れです)
スイスの作家ヨハンナ・シュピーリ作『ハイジの修業時代と遍歴時代』と
『ハイジは習ったことを使うことができる』に描かれる19世紀スイスとドイツの時代背景について
当時の歴史や暮らしを中心に政治、経済、宗教、文化、教育、自然など細かく紹介されています。
ふくろうの本は特集する内容について、可能な限りの写真や図版を
カラーでどーんと掲載してくれるのが本当にすばらしくて大好きなシリーズなんですが
(その割におねだん全然張らないのでそれもすごい)、
今回の本も図版を多数載せてくれていてすごく有難いです。
19世紀はカメラが発明され写真が記録として残りますので
歴史もぐっと伝わりやすくなってくる時代だと思う。
原作やアニメから想像していたアルムの山の自然について
色々解説されていたのが本当に有難くて、
アルムが森林限界を超えた草地とか山に咲いている草花(リンドウやツリガネソウやシスト)とか
ハイジがざわつく風の音を聞いたモミの木(ドイツトウヒ)なども解説されていて
ハイジたちが見ていたものがどういうものかというのが実感をともなって感じ取れて
風とか空気感を昔よりぐっと想像ついたのがよかったな…。
(全然関係ない話ですが、わたしがトウヒの木を初めて知ったのがホッツェンプロッツの本なんですけど
ハイジにも登場していたと確認できてちょっと楽しくなりました。
あとホッテントット(コイコイ民族の蔑称)についても
カスパールとゼッペルがホッツェンプロッツに対して一芝居打つときに出てくるセリフにあるのですが
その名前が出てくるドイツの数え歌を使ってハイジがペーターにABCを教えている解説を見て
当時のヨーロッパ人からのアフリカ人へのまなざしも知ることができたし、
ホッツェンプロッツの作者プロイスラーの視点についても考えることができて、本当に有難かったです)
アルムの夕焼けについても、ヨーロッパの氷河期時代の土地形成の話から始まり
アルプスの山や谷は気温の上昇で融けた氷河が岩を削ったことで生まれたもので
スイスには標高3000m以上の山が多いこと、
ハイジが見たシェザプラーナ(大斜面の意)も標高2964mの険しさで一部に氷河も残っていると。
また日暮れや日の出に山が赤く染まる現象をドイツ語でAlpenglühenといい実際に見ることもできると。
ハイジの「山が燃えている」というたったひとつのセリフの背景に
これだけの土地の歴史が詰まっているというのが本当に興奮してしまったし、
そんな山から吹くフェーンの強風の影響で体調を崩す人(気象病というやつでしょうか)がいる一方で
フェーンのもたらす暖かい風でマイエンフェルトはブドウがとれるのでワインの産地になっているとか
自然の一面では語れない人々の暮らしもわかって
ハイジたちはそういう環境の中で暮らしているんだなあと。
民族衣装と食生活の解説も楽しくて、女性たちのブラウスやスカートやエプロンは
形は同じでもレースや刺繍のデザインが異なるというのおもしろかったし
マイエンフェルトのあるグラウビュンデン州の家庭料理もおいしそうでした。
ビュンドナーゲルステンスッペとカブンツ食べてみたい。
チーズフォンデュがTVアニメのみの演出で原作にないのは気づいてたけど
スイスでは地域によってチーズの種類が違うことも紹介されていて、やっぱり食べてみたくなりました。
アニメにしかいないといえばセントバーナードのヨーゼフもそうですね。
スイスとイタリアの国境のサン・ベルナール教会で飼われていた犬種で
スイスの人々にとってはその犬がアルムにいるのはちょっと違和感があるようです。
ハイジのモデルがゲーテのヴィルヘルムマイスターに出てくるミニョンとされていることも
言われてみればなるほどなあと思ったし、
ペーターのおばあさんに讃美歌を読んだりアルムおんじに放蕩息子の話を紹介したりすることで
彼らの救済につながるという流れや、
ペーターも救済されるべき子というキャラクターになっているのは、
中世~近世に作られる物語や説話というのは宗教を底とする教訓話であることが大前提になっていて
それは世界中で共通していることだったりしますね。
物語というのは昔は大人のための物だったわけで、19世紀くらいから近代化と同時に「子ども」の時代がようやく始まり
それまで労働者だった子どもに対して義務教育を行う国が増えてきて
子ども服とか子ども部屋とか児童文学とか、子どものための文化が少しずつ出てくるわけですが…。
(TVアニメをDVDで見たときに小原乃梨子さん演じるペーターがヤギ飼いとしてすごくしっかりした子で
「この子がクララの車いす壊しちゃうのか…やだな…」って思いながら見てたんですけど
その場面がカットされているどころか人物像が(特に後半で)かなり改変されているのを見て
えっえっペーターよかったね!ってなったんですよね。
あとで高畑さんが何かのインタビューで「僕らのペーターはそういうんじゃ困ります」と
答えていらっしゃったのを読んですごく痛快だったのを覚えてます)
クララが車いすを使っていることや病気がちであるというのも
ハイジと交流することで自立し救済されていく子というストーリーの装置として設定されたものというのも
(だからクララの病名は具体的に書かれていない)、ものすごくしっくりきて
とてつもなく計算された物語なんだなあと思いました。
(秘密の花園のコリンの事例も紹介されててあ、それ~~~!ってなりました)
ゼーゼマンさんがクララを放置して仕事ばかりしている姿は昔から頭にきていたし
(クララこんなに寂しそうなのに!って小学生のわたしは地団駄を踏んでいました)、
クララのおばあさまがクララやハイジのために動いてくれる人であっても
状況がほとんど変わらないのは「なんで?」って思ってたけど
当時の時代背景を考えると難しかったんだろうな…と思う。
デーテおばさんやロッテンマイヤーさんについても子どもの頃はおっかないイメージしかなかったけど
当時の女性の労働環境を考えるととんでもなくがんばってる人たちなんだよな…。
女性が働くことに対する差別的なまなざしもあるし、保育所もないから子どもの預け先を探さないとだし
働けたとしても男性より待遇は悪いしそもそも就職そのものが難しかったりする。
なりふり構わず生きるしかなかった人たちなんですよね。
(小公女に出てくるミンチン先生とかも、最近はエンパワメントな視点から研究されてたりしますね)
(とはいえ、彼女たちの子どもに対する態度には問題があります)
(女性たちが物語の中でそういう風に描写されることが多かった当時の社会についても考える必要があります)
原作者ヨハンナ・シュピーリについてもハイジしか読んだことがなかったこともあって
彼女の人生についてもこの本で詳しく知ることができました。
祖父が牧師で父親が医師で母親が宗教詩人、
寄宿学校を卒業後に実家で妹たちの教育をしながらレッシングやゲーテを読んで
母のネットワークで声をかけられた教会新聞に短編を発表したのがきっかけで作家デビュー、
以後亡くなるまで精力的に作品を発表していたようです。
スピリ少年少女文学全集として、日本語に翻訳されて読める作品も多数あり
ほぼスイスが舞台になっているようです。
ハイジ以外はだいたい絶版になっているようなので図書館とかで読むしかないのかな。
改訂版には日本におけるハイジの受容史の追加と世界各地で制作されたハイジのアニメについて、
日本のアニメでキャラクターデザインを担当された小田部羊一さん、プロデューサーの中島順三さん、
仕上げ担当の高畑かよ子さん(勲氏の妻)の座談会が掲載されていました。
ハイジを日本に初めて紹介したのが野上弥生子で、初めて原典から全訳したのは竹山道雄で
挿絵も松本かづち、蕗谷虹児、高橋真琴、いわさきちひろ等様々な画家が描いていたり
いがらしゆみこによる漫画もあったり。
わたしが過去に読んだのは福音館書店刊の矢川澄子訳・パウル・ハイ挿絵の『ハイジ』ですが
あれから何度か新訳も出てるんですよね。今はどんな風に訳されてるんだろう。
座談会はスイスで開催された日本のハイジ展の関連企画で行われたもので、
小田部さんと中島さんのお話は知っていることばかりで特に目新しいことはなかったけど
高畑さんが「本人(勲氏)も来たかったと思う」「何年か前の旅行のときより街が大きく綺麗になっている」とお話されていて
(この対談のとき既に勲氏は亡くなられていた)胸がぎゅーーっとなってしまった。。
高畑勲さんおよび当時のスタッフの皆さん、アニメを作ってくださってありがとうございました。
ちばかおり氏は世界名作劇場などの研究をされている方だったと思いますが
(過去に関連書籍を何冊か読んでます)海外児童文学も研究対象なんですね。
川島氏もドイツ文学の研究者で主にカフカが専門なのかな、他の著書も読んでみたい。
増補改訂版が出たとの情報をいただきましたので読みました。

リンともの八少女さんのブログで知ったのですが、八少女さんがこの本にご協力されていたことも知って
「わ~~読もう読もう!」ということで^^
八少女さん記事を書いてくださってありがとうございました。
あと浜松市美術館で開催中の「ハイジ展-あの子の足音がきこえる」の情報もいただきまして、
今回の増補改訂もその関連で行われたのでしょうか。
浜松はちょっと遠いな…いま遠出しにくいからなあ、巡回しないかな…。
TVアニメの資料は過去の高畑勲展をはじめもう何度も見たので(何度見ても良いものですが)
そろそろ原作についての資料をちゃんと見てみたい。

左が改定前、右が改定後。
16ページ増えて紙も少し厚くなったのかな?1.5倍くらいになったような。
改定前の本を過去に読んだのですが、9年前なので内容をほとんど忘れていて
今回の改定版は復習と学びなおしのつもりで読みました。
(わたしのハイジ歴は小学生のときに原作2冊を読んで大人になってからDVDで高畑勲氏演出のアニメを見て
ふくろうの本を読んで時代背景を知ったという流れです)
スイスの作家ヨハンナ・シュピーリ作『ハイジの修業時代と遍歴時代』と
『ハイジは習ったことを使うことができる』に描かれる19世紀スイスとドイツの時代背景について
当時の歴史や暮らしを中心に政治、経済、宗教、文化、教育、自然など細かく紹介されています。
ふくろうの本は特集する内容について、可能な限りの写真や図版を
カラーでどーんと掲載してくれるのが本当にすばらしくて大好きなシリーズなんですが
(その割におねだん全然張らないのでそれもすごい)、
今回の本も図版を多数載せてくれていてすごく有難いです。
19世紀はカメラが発明され写真が記録として残りますので
歴史もぐっと伝わりやすくなってくる時代だと思う。
原作やアニメから想像していたアルムの山の自然について
色々解説されていたのが本当に有難くて、
アルムが森林限界を超えた草地とか山に咲いている草花(リンドウやツリガネソウやシスト)とか
ハイジがざわつく風の音を聞いたモミの木(ドイツトウヒ)なども解説されていて
ハイジたちが見ていたものがどういうものかというのが実感をともなって感じ取れて
風とか空気感を昔よりぐっと想像ついたのがよかったな…。
(全然関係ない話ですが、わたしがトウヒの木を初めて知ったのがホッツェンプロッツの本なんですけど
ハイジにも登場していたと確認できてちょっと楽しくなりました。
あとホッテントット(コイコイ民族の蔑称)についても
カスパールとゼッペルがホッツェンプロッツに対して一芝居打つときに出てくるセリフにあるのですが
その名前が出てくるドイツの数え歌を使ってハイジがペーターにABCを教えている解説を見て
当時のヨーロッパ人からのアフリカ人へのまなざしも知ることができたし、
ホッツェンプロッツの作者プロイスラーの視点についても考えることができて、本当に有難かったです)
アルムの夕焼けについても、ヨーロッパの氷河期時代の土地形成の話から始まり
アルプスの山や谷は気温の上昇で融けた氷河が岩を削ったことで生まれたもので
スイスには標高3000m以上の山が多いこと、
ハイジが見たシェザプラーナ(大斜面の意)も標高2964mの険しさで一部に氷河も残っていると。
また日暮れや日の出に山が赤く染まる現象をドイツ語でAlpenglühenといい実際に見ることもできると。
ハイジの「山が燃えている」というたったひとつのセリフの背景に
これだけの土地の歴史が詰まっているというのが本当に興奮してしまったし、
そんな山から吹くフェーンの強風の影響で体調を崩す人(気象病というやつでしょうか)がいる一方で
フェーンのもたらす暖かい風でマイエンフェルトはブドウがとれるのでワインの産地になっているとか
自然の一面では語れない人々の暮らしもわかって
ハイジたちはそういう環境の中で暮らしているんだなあと。
民族衣装と食生活の解説も楽しくて、女性たちのブラウスやスカートやエプロンは
形は同じでもレースや刺繍のデザインが異なるというのおもしろかったし
マイエンフェルトのあるグラウビュンデン州の家庭料理もおいしそうでした。
ビュンドナーゲルステンスッペとカブンツ食べてみたい。
チーズフォンデュがTVアニメのみの演出で原作にないのは気づいてたけど
スイスでは地域によってチーズの種類が違うことも紹介されていて、やっぱり食べてみたくなりました。
アニメにしかいないといえばセントバーナードのヨーゼフもそうですね。
スイスとイタリアの国境のサン・ベルナール教会で飼われていた犬種で
スイスの人々にとってはその犬がアルムにいるのはちょっと違和感があるようです。
ハイジのモデルがゲーテのヴィルヘルムマイスターに出てくるミニョンとされていることも
言われてみればなるほどなあと思ったし、
ペーターのおばあさんに讃美歌を読んだりアルムおんじに放蕩息子の話を紹介したりすることで
彼らの救済につながるという流れや、
ペーターも救済されるべき子というキャラクターになっているのは、
中世~近世に作られる物語や説話というのは宗教を底とする教訓話であることが大前提になっていて
それは世界中で共通していることだったりしますね。
物語というのは昔は大人のための物だったわけで、19世紀くらいから近代化と同時に「子ども」の時代がようやく始まり
それまで労働者だった子どもに対して義務教育を行う国が増えてきて
子ども服とか子ども部屋とか児童文学とか、子どものための文化が少しずつ出てくるわけですが…。
(TVアニメをDVDで見たときに小原乃梨子さん演じるペーターがヤギ飼いとしてすごくしっかりした子で
「この子がクララの車いす壊しちゃうのか…やだな…」って思いながら見てたんですけど
その場面がカットされているどころか人物像が(特に後半で)かなり改変されているのを見て
えっえっペーターよかったね!ってなったんですよね。
あとで高畑さんが何かのインタビューで「僕らのペーターはそういうんじゃ困ります」と
答えていらっしゃったのを読んですごく痛快だったのを覚えてます)
クララが車いすを使っていることや病気がちであるというのも
ハイジと交流することで自立し救済されていく子というストーリーの装置として設定されたものというのも
(だからクララの病名は具体的に書かれていない)、ものすごくしっくりきて
とてつもなく計算された物語なんだなあと思いました。
(秘密の花園のコリンの事例も紹介されててあ、それ~~~!ってなりました)
ゼーゼマンさんがクララを放置して仕事ばかりしている姿は昔から頭にきていたし
(クララこんなに寂しそうなのに!って小学生のわたしは地団駄を踏んでいました)、
クララのおばあさまがクララやハイジのために動いてくれる人であっても
状況がほとんど変わらないのは「なんで?」って思ってたけど
当時の時代背景を考えると難しかったんだろうな…と思う。
デーテおばさんやロッテンマイヤーさんについても子どもの頃はおっかないイメージしかなかったけど
当時の女性の労働環境を考えるととんでもなくがんばってる人たちなんだよな…。
女性が働くことに対する差別的なまなざしもあるし、保育所もないから子どもの預け先を探さないとだし
働けたとしても男性より待遇は悪いしそもそも就職そのものが難しかったりする。
なりふり構わず生きるしかなかった人たちなんですよね。
(小公女に出てくるミンチン先生とかも、最近はエンパワメントな視点から研究されてたりしますね)
(とはいえ、彼女たちの子どもに対する態度には問題があります)
(女性たちが物語の中でそういう風に描写されることが多かった当時の社会についても考える必要があります)
原作者ヨハンナ・シュピーリについてもハイジしか読んだことがなかったこともあって
彼女の人生についてもこの本で詳しく知ることができました。
祖父が牧師で父親が医師で母親が宗教詩人、
寄宿学校を卒業後に実家で妹たちの教育をしながらレッシングやゲーテを読んで
母のネットワークで声をかけられた教会新聞に短編を発表したのがきっかけで作家デビュー、
以後亡くなるまで精力的に作品を発表していたようです。
スピリ少年少女文学全集として、日本語に翻訳されて読める作品も多数あり
ほぼスイスが舞台になっているようです。
ハイジ以外はだいたい絶版になっているようなので図書館とかで読むしかないのかな。
改訂版には日本におけるハイジの受容史の追加と世界各地で制作されたハイジのアニメについて、
日本のアニメでキャラクターデザインを担当された小田部羊一さん、プロデューサーの中島順三さん、
仕上げ担当の高畑かよ子さん(勲氏の妻)の座談会が掲載されていました。
ハイジを日本に初めて紹介したのが野上弥生子で、初めて原典から全訳したのは竹山道雄で
挿絵も松本かづち、蕗谷虹児、高橋真琴、いわさきちひろ等様々な画家が描いていたり
いがらしゆみこによる漫画もあったり。
わたしが過去に読んだのは福音館書店刊の矢川澄子訳・パウル・ハイ挿絵の『ハイジ』ですが
あれから何度か新訳も出てるんですよね。今はどんな風に訳されてるんだろう。
座談会はスイスで開催された日本のハイジ展の関連企画で行われたもので、
小田部さんと中島さんのお話は知っていることばかりで特に目新しいことはなかったけど
高畑さんが「本人(勲氏)も来たかったと思う」「何年か前の旅行のときより街が大きく綺麗になっている」とお話されていて
(この対談のとき既に勲氏は亡くなられていた)胸がぎゅーーっとなってしまった。。
高畑勲さんおよび当時のスタッフの皆さん、アニメを作ってくださってありがとうございました。
ちばかおり氏は世界名作劇場などの研究をされている方だったと思いますが
(過去に関連書籍を何冊か読んでます)海外児童文学も研究対象なんですね。
川島氏もドイツ文学の研究者で主にカフカが専門なのかな、他の著書も読んでみたい。
地獄にとび込むしかあるまい。
歌舞伎座7月大歌舞伎夜の部「風の谷のナウシカ~上の巻 白き魔女の戦記」をHuluで見ました。
配信ありがとうございます!!
2019年12月の新橋演舞場での初演から2年半、こんなに早く再演されるとは思わなくて
劇場に見に行けたらよかったんですがまだ無理よね…。
まして上演期間の後半は関係者の感染が確認されたためほぼ中止状態になってしまって
今回の配信も元々は千穐楽公演の予定だったのですが中止になってしまったので
期間中に録画したものを配信することになったそうです。
それでもいいよ~~~見たかったから見られてよかった…皆さんお大事にしてください。
サブタイトルに白き魔女とあるように、今回は構成がクシャナ殿下寄りになっていて
演舞場公演からカットされたシーンもありますが別のセリフやシーンが足されて
ナウシカの出番やセリフは少し減ってました。
演舞場公演ではナウシカを演じていた菊之助さんが今回はクシャナ殿下役で
ナウシカ役は演舞場でケチャを演じていた米吉くんで、今回のケチャは莟玉くんになってます。
ユパ様は彌十郎さん、王蟲の子役は丑之助くん、幼いナウシカ役は寺嶋知世ちゃんになってます。
追加配役としてトルメキアの王妃(クシャナの母)役に吉弥さんがいらっしゃいました。
米吉くんのナウシカかわいすぎてえっ…かわいい…待ってなにこの人かわいい…!ばっかり言ってました、
かわいくてやさしくて魔性の姫ねえさまだった!
そして今回の主役になっている菊之助さんのクシャナ殿下かっ…かっこよすぎか…!!
背が高くていらっしゃるので立ち姿が映える映える、母上とのシーンもあってなにあれ泣くわー!
え~~~んクシャナ殿下好きすぎる…立っても座っても歩いても戦っても全部かっこよかった。
以下、配信を見ながら考えたことをつらつら書きます。
演舞場公演と同じところは省いて、セリフや演出が変わっているところを中心に。
右近ちゃんの口上やタペストリーの説明は演舞場公演と同じで
ナウシカがスッポンから王蟲の抜け殻のところへやってくるのも同じでしたが、
今回の米吉くんのナウシカ、菊之助さんはロングヘアでしたが原作と同じで髪の短いナウシカです!
「何と気高く美しい」の発声がめっちゃ高くてかわいくて、あなたの声の方が気高いよ…!って顔を覆うところでした。
「怖くない」が映画のアングルになっているというか、
菊之助さんは右手をかまれてたけど映画は左手をかまれているので米吉くんもそうしたみたいですね。
ペジテの船が落ちてラステルが遺言するシーンでは「トルメキアに決して渡さぬように」のセリフだけになってて
兄に渡してほしいのセリフがなくなってました。
彌十郎さんのユパ様、今回はおひげが白いんですね。
重厚ある存在感でめちゃくちゃ頼りがいあって素敵でした~出番が減ってるのがちょっと残念。
テトを追いかけるシーンは今回はないんですね…あれちょっとやじゅさんで見てみたかったけどね。
ジル様の「11人の子ども」の件やユパ様が城ババ様に薬草を渡すシーンはカット。
ユパ様の帰還に「先生!ユパ様!」って笑顔で駆けてくるナウシカが超絶かわいいよ~~~!!
「虫は気高い生き物です」のセリフ、菊之助さんはやさしかったけど米吉くんはきっぱりと言ってました。
風の谷にやってきたトルメキア軍、「クシャナ殿下のお出で~~!」の呼びかけとともに
花道にやってきたクシャナ殿下かっっっっっこよすぎか…!!!!!(*´Д`)☆
「わらわはトルメキア王国の皇女クシャナなり」かっこいい~~~クシャナ様かっこいいよ!!
トルメキアの紋章が入った紅の扇を広げ「ヴ王陛下に従わぬと申すのか」って姿が
もう様になりすぎていてどうしたらいいのかわからなくなりました。
なんじゃー!なんじゃあのかっこよさと美しさ…!!
七さんも色気があって美しくて最の高でしたが菊之助さんはエレガントさと気高さが振り切れてました。
うわああああああん殿下やばい…今すぐお仕えしたい…!
問答無用と兵士をけしかけてナウシカが「躯を暴いたか、許さぬ!」って切りかかるシーンで
2人のトルメキア兵と一緒に見栄をするのが追加されてて姫ねえさまもかっこよかった☆
ユパ様が間に入って見栄して「双方待て!」って仲裁するシーン、
ユパ様のセリフが増えてるのでずいぶん長いことユパ様の腕に刀をぶっ刺したままだったな姫ねえさま…。
ジルに別れを告げたナウシカが「ミトじい、戦の支度じゃ」ってとっても明るい声で言うのちょっとうるっときました。
引き幕の外に出たユパ様が「腐海が広がり世界が滅びようとしているのに人と人とが争うのは愚かなことじゃ。
ナウシカ、きっとまた会おうぞ」ってセリフがあって
演舞場公演ではここでテトとのシーンになってるのでこのセリフは足されたんですね。
あと今回、ナウシカの研究室のシーンは全カットなのでユパ様は幕切れあたりまで出てきませんでした。
ガンシップでナウシカとミトじいが見栄したー!!
「良い年をして大人げないこと言うでない」「はあ」ミト爺しょんぼり、の流れは同じだったけど
「じいがそのようにすねるところ、わたしは嫌いではないぞ」の後に
「アハハハ」って笑いました米吉くん!菊之助さんのときよりからかった感が出てますね。
アスベルのガンシップでトルメキアのバカガラスが墜落させられて
メーヴェで飛ぶナウシカの、左右に振れながら照明で速さを表現するの好きなんですよね~。
演舞場公演ではここから腐海の下のシーンになりますが、
今回は酸の海でのクシャナ殿下の陣営シーンになってました。
偉そうに足組んで座ってる殿下、とんでもなく優雅なんですけど…!
クロトワに秘石の在り処を聞かれてしらばっくれて、ナウシカを探しに行きたいミト爺と会いますが
ミト爺に「姫様を救出しておふたりで話せばよろしい」って言われた後に
「味なことを申したな。ではナウシカがまだ生きていると」って返すセリフが足されてるし
ミト爺の「虫愛づる姫にございまする。かならずご無事です」のセリフも足されてた。
「そなたは主のおぞましき姿を見ることになるかもしれんぞ」「いいえ、姫様は虫にも愛されておられます」
「…おもしろい、ミトとやら、探しに行くがよい」のやり取りが増えててナウシカの神秘性が強調されてるなあと。
「今しばらくは秘石を風の谷に預けておくとしよう」ってセリフの後にクロトワが少し姿を見せて
警戒しているクシャナ殿下の様子も足されてました~うおお、なんか殿下の描写が深くなっておる。
腐海で戦うアスベルを助けに来たナウシカのセリフ、
「あなたは虫を殺しすぎた。これからお助けいたします」って短くなってて
ここでもラステルのこと言いませんね。
2人で腐海の穴に飛び込むシーンもあって、結構、堂々と突っ込んでいってました。
回想シーンで幼いナウシカを演じる寺嶋知世ちゃんがすっごくかわいかったし、
腐海の底で目を覚ましてアスベルと会話するナウシカ、さっきの花道でラステルのこと話してないので
演舞場公演からセリフが少し変わってました。
あとね!チコの実を食べるシーンがあってうれしくなりました!
「これはまた不思議な味だ」「滋養があって元気になりますよ」「味はともかく長靴いっぱい食べたいよ」「アハハハ」
からの、風が来たのでこの場を立ち退くという流れになってました。
「一緒にお乗りください」ってメーヴェに誘うナウシカがすっごいかわいかったです、なんだありゃ。
土鬼の浮砲台、花道に登場したケチャたちの説明セリフがかなり増えてました。
演舞場公演では舞台の上でクシャナの陣を囲んで攻撃することだけしゃべってたと思うんですけど
「われらは故郷を離れて他の部族とともに腐海のただなかを進んでいる。
トルメキアの辺境諸国をほろぼして土鬼の新境地とするためだ」
「我らが根を下ろすことは可能であろうか」「ミラルパ様の思し召しといえど俺は土鬼の大地が恋しい」
「悔やんでいても明日はない。マニ僧正さまが未来を導いてくださる」までの長い会話シーンになってて
ここでクシャナが酸の海に陣を張るという知らせがきて、演舞場公演のセリフにつながってました。
クシャナ殿下のところに王蟲の群れが向かっていると報告するのはミト爺じゃなくてトルメキア兵だし
殿下が怒りのあまり采配をバキッと折る仕草もカットされて、
代わりにセリフをぐーっと間延びさせて怒りを表現されてましたね。
すでに王蟲の群れの犠牲になった部下たちに「そのほうたちの無念は忘れぬ、手向けじゃ!」って
髪を切るあの仕草が足されていた~~うわ~~~~!!!
「これしきのことでわらわは死なぬ。兄たちへの恨み必ず晴らさでおくべきか」って花道へ移動して
切った髪を構えて見栄をする菊之助さんの全身から炎のような怒りを感じた…すごかった。
王蟲の群れのシーンと浄瑠璃がこの後に移動、演舞場公演にあったメーヴェに乗るシーンと浄瑠璃はカットでした。
王蟲の子がひとりで舞うシーンが追加!丑之助くんとっても素敵でした☆
いでたちが演舞場公演の獅子頭から髷になってたし
衣装も白から、王蟲の体の緑色をベースに赤と青の水玉模様がついてるものになってました。
ナウシカとともに舞って同時に衣裳の引き抜き、ナウシカは青い衣裳になり子は白い衣裳になって見栄をすると
王蟲の群れの幕が落ちて金色の布が下からブワ~~っと出てきて金色の野ができた!!
演舞場公演だとここでマニ僧正とケチャが花道から見てるんですけど
今回はクシャナ殿下がスッポンから出て見てた!(僧正とケチャは金色の野の中にいました)
「仲間のために命をとすのをいとわぬ。人間は親兄弟と殺しあう、下らぬ愚かしさよ」
「なれど、わらわは忘れぬ。兵士たちが虫に踏まれて犬死したことを忘れぬぞ」って原作のセリフが足されてて
ポ~ンと金色のテープが飛んで第一部は幕切れ、30分の休憩となりました。
第二部、クシャナ殿下と母上のシーンから始まります。ここは全部新規シーン!
紫のマントと鎧から白いドレスのようなヒラヒラ衣裳になったクシャナ殿下、
花道から母上のいるお庭へ向かいます。
夜空にかかる三日月、しだれ桜の木の下で赤ちゃんの人形を抱いている母上。。
「ねんねんころりよ~」って子守唄を歌ってるんですけどもしかしなくてもこれあれじゃん、
この後クシャナ殿下が兵士のために歌う子守唄がぐっときちゃうやつじゃん…!?
母上に、城に閉じ込められている鳥かごの姫たちのひとりと勘違いされたクシャナ殿下、
「何故この王妃の庭に忍び入った」と聞かれて
「迷い込んでしまいました。王妃様、おさらばでございます」って去ろうとするんですけど
「待って、今宵は心地よい夜、夜風にたなびくそなたの髪をわらわに梳かさせて」と申し出られて
言われるままに座って髪をといてもらう殿下…え…なんだこの美しくも切ない絵面…。
「美しい髪じゃ。そなたの母もさぞ美しいことであろう」「まるで王妃様のような美しい母でございます」
「そぞろ歩きも母を思ってのことか」「幼い頃母に髪をといてもらいました。
そのときだけは穏やかな時間でした。母から受けた愛を忘れたことはありません」
「わらわにも娘がある、先王の血を引くただ一人の娘」
「『おまえは先王のように王の道を歩まなければならない』あの日も母上は私の髪を丁寧に編み込み飾りをつけてくれました。
わたしの元服の席で、わたしの盃に毒を盛られているのに気づき、母上は自ら毒を飲まれた」
そこまで聞いた母上が「そなたは誰じゃ」と急に警戒し始めたので
「あなたの娘、クシャナでございます。名を呼んでくださいませ」と呼びかけるのですけど、
「さてはわが子を奪いにまいったのであろう。立ち去れ!誰にも渡さぬ」と、
人形を抱いてぷいっと背中を向けてしまう母上…ああ…クシャナ殿下…。
再度「我が名を呼んでくださいませ」と呼びかけると、母上はゆっくり振り返って「クシャナ…」と言ってくれました。
何かを決心したような様子の殿下は花道へつかつか歩いていって、舞台を振り返り、
「母上、あなたとあなたの娘を苦しめた毒蛇の牙を折るために、わたしは戦に参ります。どうか心穏やかな日々を。
わらわは先王の血を貫く血の道を行くのだ」と、きっと前を見据えて見栄をされました。
ああ~~~~~クシャナ殿下…つらい……!!!
…と、そんな夢を見てたクシャナ殿下でした。。
(つまりユパ様が酒場行くシーンもユパ様とアスベルの本水シーンもカット)
見張り台にいるナウシカのシーンもカットで
クシャナ殿下の「ナウシカはどうしている」と部下の人の「見張り台に」のセリフで説明されてました。
クロトワが尻尾を出しちゃうシーンでクロトワの後ろにいる刺客を銃で撃って
「殺される前に殺すのだ」っていうセリフまで足されててわたしはわたしは、、、
ああああ見栄するクシャナ殿下かっこいいんじゃーーー!!!
さあさあさあからの白浪で自分の殺害を命じたのが父親だと知って呆然とするクシャナ殿下の
「血まみれのわが手でひきむしってやる!」のセリフは、七さんは激情にかられた演技でしたが
菊之助さんは静かな怒りと憎しみをひたひたとにじませながら語尾でセリフを強めていて別の凄味があった…!
瘴気が戦に使われたことをナウシカが知らせに来たときの「地獄の門を開けてくれるわ」のセリフも
紫マントをひるがえる七さんもかっこよかったけど菊之助さんの白マントVer.もかっこいいかっこいい。
土鬼の踊りが終わって陣営が攻められているところへクシャナ殿下が駆けつけてくるんですけど
「者ども!かかれ」って花道をマントをひらめかせながら走ってくる菊之助さんのかっこよさよ!!
クロトワが捕虜の土鬼たちを連れていく理由が敵の盾にするためになってて
(演舞場公演では人身売買だった)、攻城砲台のチャルカとクシャナ殿下の殺陣は演舞場公演よりも長回しですね。
終わった後チャルカだけが花道で怒って粘菌の話してるのでちょっと唐突感があったかな。
えっつまり第三王子とミラルパ様全部カット??
引き幕の前でユパ様とアスベルがシュワの墓地と巨神兵の話をしてたけどいつ会ったんだろ、
僧正さまのところかな?
幕が開いて土鬼とクシャナ殿下が見守る中での姫ねえさまの宙乗り~~!
ここでクシャナ殿下とナウシカの交互のセリフになりました。
「見よ。ナウシカは空高く舞い上がった。これよりわらわは祖国を目指す」
「生きとし生けるものすべてのものよ、いのちの光をいつくしめ」
「母の思いを胸に秘め、からみあいし毒蛇の道をわらわの剣で断ち切らん。誇り高き明日のために」
「いざゆこう。この世の誠を見るために、はるかな南、かなたを差して」
メーヴェの上で見栄する姫ねえさまかっこいい~~みんなに手を振って南へ飛び去っていきました。
(テトが肩に乗ってなかったのにあとで気づいた)
あとメイキング映像が1時間もついててめちゃくちゃ楽しかった…!
お稽古風景はもちろん、漫画を読みながら役作りをする役者さんたちや
舞台美術や音楽、衣装、かつら…こんなに多くの人が関わって舞台ができているんだなと改めて。
菊之助さんがものすごい忙しそうで、色んな人たちと打合せしたり決断の連続で
演出をやりながらの主演ってこんなに忙しいんですね…。
花道で米吉くんの宙乗りリハーサルのときに「プログラムを少し変更したいんですが」と手をあげて
腕でZの形を描きながら「ちょっとおろして、戻して、また上げる」と変更を提案されていました。
演舞場と歌舞伎座は空間の広さが違うため距離感が変わるので、音楽に合わせて修正していくのだそうです。
今回の宙乗りはメーヴェと米吉くんを両方吊ってるんですけど
役者単独で宙乗りするのはあるけど小道具も吊るのはなかなかないらしい。
宙乗りのときにワイヤーの位置が違うとメーヴェに乗り切れずに体が浮いちゃうので
「足ついてる?」「上がりすぎ上がりすぎ」って色々調整されて大変そうでした。
というか演舞場と歌舞伎座って思った以上に違いがたくさんあるんですね…。
回り舞台が回るスピードが舞台の大きさの都合で20秒以上違うとか
搬入口の幅が違うのでガンシップは寸法を詰めてるとか、いろいろ知ることができました。
舞台美術担当の人が、演舞場と歌舞伎座で舞台の高さが違うので引き幕の制作では調整に苦労したそうです。
他にも、引き幕は一番時間がかかるのでプロデューサーから発注が降りる前から少しずつ描き始めてたとか
王蟲の群れの絵はプリントで拡大したので粗が見えるけどかえって雰囲気が出てるとか。
「普段は日本家屋ばかり描いていて、宮崎駿さんの世界は難しかった」そうな。
金の野原の表現も、舞台に金幕を仕込んで一気に覆う演出にしたとか
王妃の庭の桜はしだれ桜がいいねって菊之助さんと話してそう作ったとか、
とにかくファンから「違う」って言われないようにドキドキしながら作ったそうです。お疲れ様です!
衣裳担当の人はデザイン画も見せてくださって
今回の衣裳は有職模様なども使って模様が浮かび上がるような、
歌舞伎の衣装でありナウシカの世界観を損なわないようなものにデザインされているとのこと。
クシャナの衣裳は菊之助さんの要望でドレスでありながら着物のようなものになっていて
皇女から軍人への視覚的な変化を意識しているそうです。
既存のものを使いながらナウシカの世界観に合わせていくのは難しかったのではないかな…。
かつらも、どうすれば和の衣装に合うかつらができるか試行錯誤されたそうで
今回は「手向けだ」のシーンがありましたがあの三つ編みの髪は実は抜いてるだけらしいですが
どうすれば勢いよく切ったように見えるかを菊之助さんが考えてらっしゃいました。
菊之助さんと米吉くんがメイクから衣裳を身に着けて役になっていく様子も映してくださって
ナウシカとクシャナができあがっていくのも見ることができました~。
三味線さんと浄瑠璃さんと振付さん、三味線さんたちの楽譜が映ってて
全然読めないけど音が奏でられると久石さんのあの曲が流れておおお!ってなったし
音楽は和楽器を使うことが大前提で前回よりもスケール大きく、厚みを持たせているとのこと。
ナウシカは篠笛、ユパは尺八、クシャナは琴をイメージしていると作曲担当の人が言ってました。
他にも、アクション担当の役者さんたちが歌舞伎座ロビーの絨毯の上にあぐらかいて殺陣の打合せして
立ち回りだと歌舞伎の動きになるのでナウシカらしい形を取り入れたとか、
クシャナの陣営の天幕を裏で開け閉めしている裏方さんとか
王蟲の目の位置をCGで調整してる小道具さんとか
(王蟲の子は人形なんですけど目がスイッチのONOFFでチカチカするんですね、
光玉もスイッチONOFFで光ってた)、もうとにかく色んな裏側が映って舞台裏好きとしては大興奮!
スッポンに入って衣裳整えてクシャナのポーズとってウィ~~ンて上がっていく菊之助さんがかっこよかったです。
役者さんへのインタビューもあって、米吉くんは
「お話をいただいたときにすぐ菊之助お兄さんに電話して「本当に僕でよろしいんですか?」と聞いたら
「せひご一緒したいと思ってる」「一緒にがんばりましょうね」って言ってくださった」のだそうです☆
ナウシカという作品についても、「巨悪がない」のが特徴だと思ってらっしゃるらしく、
怪獣を倒す話でも悪の秘密結社を倒す話でもない、ナウシカという女の子が戦争に巻き込まれて
理想と現実の狭間を生きて世界の真実に辿り着いてみんながその姿を見て変わっていくものだと。
当時の漫画作品でもああいうヒロイン像は珍しい、強くてかっこいいしかわいい、包容力があるキャラクターで
宙乗りは初めてだったそうですが「よく皆様こんなものを何十回もやるなあ」と思ったと(笑)。
落ちないと信じているというか信じないとできない、スタッフとの信頼関係や細かい微調整が大切とおっしゃって
「宙乗りが最後にあるのはポイントなので、楽しんでもらうギミックで、恐れず楽しくやった」そうです。
あと今回はサブタイからクシャナがメインになると思ってたら最初はナウシカの出番の方が多いし
クシャナに立ち向かうナウシカなのかと思ってたら2人が柱になってるストーリーで、
それも面食らったみたいです。
ナウシカを表現するうえでも、原作みたいな服装は歌舞伎に存在しないので
女形としてどこに手があるのが美しいか、お姫様や娘や腰元だったら形があるけどその枠組みを外れるので
どうすればナウシカらしいかを、やりながら見つけていくしかなかったともおっしゃってました。
菊之丞さんと「これは正解がないんだよね」ってお話されたそうです。新作の難しさだなあ…。
「鳥の人にならないといけないのでがんばる」と意気込みをされてました。大丈夫だったよ!お疲れ様でした。
振付の菊之丞さんも「初演(2019年12月)が終わった直後くらいに色々な状況が変わって
激動の2年半を過ごして、ナウシカのメッセージが現状に符号することもあるし
歌舞伎の包容力やキャパシティが活かされたものになっている」とおっしゃってました。
ジブリの鈴木さんへのインタビューもありました。
ナウシカの物語には日本の時代劇の伝統が流れているという話を宮崎さんともしていて
歌舞伎はこの題材にすごく合っていると思ってらっしゃるそうです。
ナウシカとクシャナは「宮本武蔵と佐々木小次郎みたい」とも。なるほどなあ。
「クシャナを主人公にしたらどんなお芝居ができあがるんだろう、だって敵役ですよ。
敵役って目立つんですよ。得な役ですよね」ってニコニコおっしゃっていて本当そうだよなあってなりました。
そして、菊之助さん。
次の作品は何にしようか、自分が好きな作品を新作で作りたいと思ったのがナウシカ歌舞伎の始まりで
原作で描かれている人類が大事にしなければならない心と普遍性を歌舞伎と融合させたいということで
始まった企画とのこと。
今回の再演は丑之助くんとコーヒーを買いに行った帰りに鈴木さんとばったり会って
まだ何も決まってなかったのにナウシカを再演したいですと伝えたことがきっかけだったそうです。
(鈴木さんも「これはもうやらざるを得ないな」って思ったらしい)
初演から俳優を変えると物語が深まるということで今回は配役を一部変更したそうですが
演舞場公演で「ケチャを演じる米吉さんがとてもすばらしかった。心がけ、姿勢、教えを乞う心。
再演なら若い米吉さんにナウシカをやってもらいたい」ということでお願いしたそうです。
今回のクシャナ役について、「彼女は王の道を歩むべき人で優れているがゆえに命を狙われていて
自分の気持ちをひた隠しにしながら生きてきた人」という理解をされていて、
演舞場公演で七之助さんがとても素敵なクシャナを作り上げてくださったので
よりクシャナの内面を描くにはどうしたらいいかを考えて、
歌舞伎はメイクと衣裳が場面ごとに変わるのでクシャナの内面を衣裳で表現していったそうです。
王蟲の子の舞は演舞場公演よりも曲を伸ばして歌詞をつけて
ナウシカと心を通わせた王蟲がナウシカとどう対峙するかを表現したとのこと。
今回、王蟲の子役だった丑之助くんには「慈愛の心を持ってナウシカと接することを大事に演じてね」と伝えて
あとは本人も自分で考えてると思うのでお任せされたみたいです。
幼いナウシカ役の知世ちゃん、舞台に立つのが初めてなので
稽古場の雰囲気にのまれたり思うように演技ができなかったりしたようですが
「それは私の小さいときと同じ」とおっしゃっていました。
「稽古をしていくうちにほぐれて、初日は稽古の成果が出たんじゃないかというくらいよかったと思う」とのこと。
知世ちゃんも今後、菊之助さんの舞台に出演されるようになるのかな。楽しみです。
…待って、上の巻ってことは中の巻とか下の巻とかあるってことですよね?
まだ情報はないけど近いうちに上演されるのかな、見たいので待ってます。
あと今月の納涼歌舞伎も手塚治虫の新選組とか闇梅とかやじきたとか見たいものがいっぱいあるよ!
配信を待ちます。
配信ありがとうございます!!
2019年12月の新橋演舞場での初演から2年半、こんなに早く再演されるとは思わなくて
劇場に見に行けたらよかったんですがまだ無理よね…。
まして上演期間の後半は関係者の感染が確認されたためほぼ中止状態になってしまって
今回の配信も元々は千穐楽公演の予定だったのですが中止になってしまったので
期間中に録画したものを配信することになったそうです。
それでもいいよ~~~見たかったから見られてよかった…皆さんお大事にしてください。
サブタイトルに白き魔女とあるように、今回は構成がクシャナ殿下寄りになっていて
演舞場公演からカットされたシーンもありますが別のセリフやシーンが足されて
ナウシカの出番やセリフは少し減ってました。
演舞場公演ではナウシカを演じていた菊之助さんが今回はクシャナ殿下役で
ナウシカ役は演舞場でケチャを演じていた米吉くんで、今回のケチャは莟玉くんになってます。
ユパ様は彌十郎さん、王蟲の子役は丑之助くん、幼いナウシカ役は寺嶋知世ちゃんになってます。
追加配役としてトルメキアの王妃(クシャナの母)役に吉弥さんがいらっしゃいました。
米吉くんのナウシカかわいすぎてえっ…かわいい…待ってなにこの人かわいい…!ばっかり言ってました、
かわいくてやさしくて魔性の姫ねえさまだった!
そして今回の主役になっている菊之助さんのクシャナ殿下かっ…かっこよすぎか…!!
背が高くていらっしゃるので立ち姿が映える映える、母上とのシーンもあってなにあれ泣くわー!
え~~~んクシャナ殿下好きすぎる…立っても座っても歩いても戦っても全部かっこよかった。
以下、配信を見ながら考えたことをつらつら書きます。
演舞場公演と同じところは省いて、セリフや演出が変わっているところを中心に。
右近ちゃんの口上やタペストリーの説明は演舞場公演と同じで
ナウシカがスッポンから王蟲の抜け殻のところへやってくるのも同じでしたが、
今回の米吉くんのナウシカ、菊之助さんはロングヘアでしたが原作と同じで髪の短いナウシカです!
「何と気高く美しい」の発声がめっちゃ高くてかわいくて、あなたの声の方が気高いよ…!って顔を覆うところでした。
「怖くない」が映画のアングルになっているというか、
菊之助さんは右手をかまれてたけど映画は左手をかまれているので米吉くんもそうしたみたいですね。
ペジテの船が落ちてラステルが遺言するシーンでは「トルメキアに決して渡さぬように」のセリフだけになってて
兄に渡してほしいのセリフがなくなってました。
彌十郎さんのユパ様、今回はおひげが白いんですね。
重厚ある存在感でめちゃくちゃ頼りがいあって素敵でした~出番が減ってるのがちょっと残念。
テトを追いかけるシーンは今回はないんですね…あれちょっとやじゅさんで見てみたかったけどね。
ジル様の「11人の子ども」の件やユパ様が城ババ様に薬草を渡すシーンはカット。
ユパ様の帰還に「先生!ユパ様!」って笑顔で駆けてくるナウシカが超絶かわいいよ~~~!!
「虫は気高い生き物です」のセリフ、菊之助さんはやさしかったけど米吉くんはきっぱりと言ってました。
風の谷にやってきたトルメキア軍、「クシャナ殿下のお出で~~!」の呼びかけとともに
花道にやってきたクシャナ殿下かっっっっっこよすぎか…!!!!!(*´Д`)☆
「わらわはトルメキア王国の皇女クシャナなり」かっこいい~~~クシャナ様かっこいいよ!!
トルメキアの紋章が入った紅の扇を広げ「ヴ王陛下に従わぬと申すのか」って姿が
もう様になりすぎていてどうしたらいいのかわからなくなりました。
なんじゃー!なんじゃあのかっこよさと美しさ…!!
七さんも色気があって美しくて最の高でしたが菊之助さんはエレガントさと気高さが振り切れてました。
うわああああああん殿下やばい…今すぐお仕えしたい…!
問答無用と兵士をけしかけてナウシカが「躯を暴いたか、許さぬ!」って切りかかるシーンで
2人のトルメキア兵と一緒に見栄をするのが追加されてて姫ねえさまもかっこよかった☆
ユパ様が間に入って見栄して「双方待て!」って仲裁するシーン、
ユパ様のセリフが増えてるのでずいぶん長いことユパ様の腕に刀をぶっ刺したままだったな姫ねえさま…。
ジルに別れを告げたナウシカが「ミトじい、戦の支度じゃ」ってとっても明るい声で言うのちょっとうるっときました。
引き幕の外に出たユパ様が「腐海が広がり世界が滅びようとしているのに人と人とが争うのは愚かなことじゃ。
ナウシカ、きっとまた会おうぞ」ってセリフがあって
演舞場公演ではここでテトとのシーンになってるのでこのセリフは足されたんですね。
あと今回、ナウシカの研究室のシーンは全カットなのでユパ様は幕切れあたりまで出てきませんでした。
ガンシップでナウシカとミトじいが見栄したー!!
「良い年をして大人げないこと言うでない」「はあ」ミト爺しょんぼり、の流れは同じだったけど
「じいがそのようにすねるところ、わたしは嫌いではないぞ」の後に
「アハハハ」って笑いました米吉くん!菊之助さんのときよりからかった感が出てますね。
アスベルのガンシップでトルメキアのバカガラスが墜落させられて
メーヴェで飛ぶナウシカの、左右に振れながら照明で速さを表現するの好きなんですよね~。
演舞場公演ではここから腐海の下のシーンになりますが、
今回は酸の海でのクシャナ殿下の陣営シーンになってました。
偉そうに足組んで座ってる殿下、とんでもなく優雅なんですけど…!
クロトワに秘石の在り処を聞かれてしらばっくれて、ナウシカを探しに行きたいミト爺と会いますが
ミト爺に「姫様を救出しておふたりで話せばよろしい」って言われた後に
「味なことを申したな。ではナウシカがまだ生きていると」って返すセリフが足されてるし
ミト爺の「虫愛づる姫にございまする。かならずご無事です」のセリフも足されてた。
「そなたは主のおぞましき姿を見ることになるかもしれんぞ」「いいえ、姫様は虫にも愛されておられます」
「…おもしろい、ミトとやら、探しに行くがよい」のやり取りが増えててナウシカの神秘性が強調されてるなあと。
「今しばらくは秘石を風の谷に預けておくとしよう」ってセリフの後にクロトワが少し姿を見せて
警戒しているクシャナ殿下の様子も足されてました~うおお、なんか殿下の描写が深くなっておる。
腐海で戦うアスベルを助けに来たナウシカのセリフ、
「あなたは虫を殺しすぎた。これからお助けいたします」って短くなってて
ここでもラステルのこと言いませんね。
2人で腐海の穴に飛び込むシーンもあって、結構、堂々と突っ込んでいってました。
回想シーンで幼いナウシカを演じる寺嶋知世ちゃんがすっごくかわいかったし、
腐海の底で目を覚ましてアスベルと会話するナウシカ、さっきの花道でラステルのこと話してないので
演舞場公演からセリフが少し変わってました。
あとね!チコの実を食べるシーンがあってうれしくなりました!
「これはまた不思議な味だ」「滋養があって元気になりますよ」「味はともかく長靴いっぱい食べたいよ」「アハハハ」
からの、風が来たのでこの場を立ち退くという流れになってました。
「一緒にお乗りください」ってメーヴェに誘うナウシカがすっごいかわいかったです、なんだありゃ。
土鬼の浮砲台、花道に登場したケチャたちの説明セリフがかなり増えてました。
演舞場公演では舞台の上でクシャナの陣を囲んで攻撃することだけしゃべってたと思うんですけど
「われらは故郷を離れて他の部族とともに腐海のただなかを進んでいる。
トルメキアの辺境諸国をほろぼして土鬼の新境地とするためだ」
「我らが根を下ろすことは可能であろうか」「ミラルパ様の思し召しといえど俺は土鬼の大地が恋しい」
「悔やんでいても明日はない。マニ僧正さまが未来を導いてくださる」までの長い会話シーンになってて
ここでクシャナが酸の海に陣を張るという知らせがきて、演舞場公演のセリフにつながってました。
クシャナ殿下のところに王蟲の群れが向かっていると報告するのはミト爺じゃなくてトルメキア兵だし
殿下が怒りのあまり采配をバキッと折る仕草もカットされて、
代わりにセリフをぐーっと間延びさせて怒りを表現されてましたね。
すでに王蟲の群れの犠牲になった部下たちに「そのほうたちの無念は忘れぬ、手向けじゃ!」って
髪を切るあの仕草が足されていた~~うわ~~~~!!!
「これしきのことでわらわは死なぬ。兄たちへの恨み必ず晴らさでおくべきか」って花道へ移動して
切った髪を構えて見栄をする菊之助さんの全身から炎のような怒りを感じた…すごかった。
王蟲の群れのシーンと浄瑠璃がこの後に移動、演舞場公演にあったメーヴェに乗るシーンと浄瑠璃はカットでした。
王蟲の子がひとりで舞うシーンが追加!丑之助くんとっても素敵でした☆
いでたちが演舞場公演の獅子頭から髷になってたし
衣装も白から、王蟲の体の緑色をベースに赤と青の水玉模様がついてるものになってました。
ナウシカとともに舞って同時に衣裳の引き抜き、ナウシカは青い衣裳になり子は白い衣裳になって見栄をすると
王蟲の群れの幕が落ちて金色の布が下からブワ~~っと出てきて金色の野ができた!!
演舞場公演だとここでマニ僧正とケチャが花道から見てるんですけど
今回はクシャナ殿下がスッポンから出て見てた!(僧正とケチャは金色の野の中にいました)
「仲間のために命をとすのをいとわぬ。人間は親兄弟と殺しあう、下らぬ愚かしさよ」
「なれど、わらわは忘れぬ。兵士たちが虫に踏まれて犬死したことを忘れぬぞ」って原作のセリフが足されてて
ポ~ンと金色のテープが飛んで第一部は幕切れ、30分の休憩となりました。
第二部、クシャナ殿下と母上のシーンから始まります。ここは全部新規シーン!
紫のマントと鎧から白いドレスのようなヒラヒラ衣裳になったクシャナ殿下、
花道から母上のいるお庭へ向かいます。
夜空にかかる三日月、しだれ桜の木の下で赤ちゃんの人形を抱いている母上。。
「ねんねんころりよ~」って子守唄を歌ってるんですけどもしかしなくてもこれあれじゃん、
この後クシャナ殿下が兵士のために歌う子守唄がぐっときちゃうやつじゃん…!?
母上に、城に閉じ込められている鳥かごの姫たちのひとりと勘違いされたクシャナ殿下、
「何故この王妃の庭に忍び入った」と聞かれて
「迷い込んでしまいました。王妃様、おさらばでございます」って去ろうとするんですけど
「待って、今宵は心地よい夜、夜風にたなびくそなたの髪をわらわに梳かさせて」と申し出られて
言われるままに座って髪をといてもらう殿下…え…なんだこの美しくも切ない絵面…。
「美しい髪じゃ。そなたの母もさぞ美しいことであろう」「まるで王妃様のような美しい母でございます」
「そぞろ歩きも母を思ってのことか」「幼い頃母に髪をといてもらいました。
そのときだけは穏やかな時間でした。母から受けた愛を忘れたことはありません」
「わらわにも娘がある、先王の血を引くただ一人の娘」
「『おまえは先王のように王の道を歩まなければならない』あの日も母上は私の髪を丁寧に編み込み飾りをつけてくれました。
わたしの元服の席で、わたしの盃に毒を盛られているのに気づき、母上は自ら毒を飲まれた」
そこまで聞いた母上が「そなたは誰じゃ」と急に警戒し始めたので
「あなたの娘、クシャナでございます。名を呼んでくださいませ」と呼びかけるのですけど、
「さてはわが子を奪いにまいったのであろう。立ち去れ!誰にも渡さぬ」と、
人形を抱いてぷいっと背中を向けてしまう母上…ああ…クシャナ殿下…。
再度「我が名を呼んでくださいませ」と呼びかけると、母上はゆっくり振り返って「クシャナ…」と言ってくれました。
何かを決心したような様子の殿下は花道へつかつか歩いていって、舞台を振り返り、
「母上、あなたとあなたの娘を苦しめた毒蛇の牙を折るために、わたしは戦に参ります。どうか心穏やかな日々を。
わらわは先王の血を貫く血の道を行くのだ」と、きっと前を見据えて見栄をされました。
ああ~~~~~クシャナ殿下…つらい……!!!
…と、そんな夢を見てたクシャナ殿下でした。。
(つまりユパ様が酒場行くシーンもユパ様とアスベルの本水シーンもカット)
見張り台にいるナウシカのシーンもカットで
クシャナ殿下の「ナウシカはどうしている」と部下の人の「見張り台に」のセリフで説明されてました。
クロトワが尻尾を出しちゃうシーンでクロトワの後ろにいる刺客を銃で撃って
「殺される前に殺すのだ」っていうセリフまで足されててわたしはわたしは、、、
ああああ見栄するクシャナ殿下かっこいいんじゃーーー!!!
さあさあさあからの白浪で自分の殺害を命じたのが父親だと知って呆然とするクシャナ殿下の
「血まみれのわが手でひきむしってやる!」のセリフは、七さんは激情にかられた演技でしたが
菊之助さんは静かな怒りと憎しみをひたひたとにじませながら語尾でセリフを強めていて別の凄味があった…!
瘴気が戦に使われたことをナウシカが知らせに来たときの「地獄の門を開けてくれるわ」のセリフも
紫マントをひるがえる七さんもかっこよかったけど菊之助さんの白マントVer.もかっこいいかっこいい。
土鬼の踊りが終わって陣営が攻められているところへクシャナ殿下が駆けつけてくるんですけど
「者ども!かかれ」って花道をマントをひらめかせながら走ってくる菊之助さんのかっこよさよ!!
クロトワが捕虜の土鬼たちを連れていく理由が敵の盾にするためになってて
(演舞場公演では人身売買だった)、攻城砲台のチャルカとクシャナ殿下の殺陣は演舞場公演よりも長回しですね。
終わった後チャルカだけが花道で怒って粘菌の話してるのでちょっと唐突感があったかな。
えっつまり第三王子とミラルパ様全部カット??
引き幕の前でユパ様とアスベルがシュワの墓地と巨神兵の話をしてたけどいつ会ったんだろ、
僧正さまのところかな?
幕が開いて土鬼とクシャナ殿下が見守る中での姫ねえさまの宙乗り~~!
ここでクシャナ殿下とナウシカの交互のセリフになりました。
「見よ。ナウシカは空高く舞い上がった。これよりわらわは祖国を目指す」
「生きとし生けるものすべてのものよ、いのちの光をいつくしめ」
「母の思いを胸に秘め、からみあいし毒蛇の道をわらわの剣で断ち切らん。誇り高き明日のために」
「いざゆこう。この世の誠を見るために、はるかな南、かなたを差して」
メーヴェの上で見栄する姫ねえさまかっこいい~~みんなに手を振って南へ飛び去っていきました。
(テトが肩に乗ってなかったのにあとで気づいた)
あとメイキング映像が1時間もついててめちゃくちゃ楽しかった…!
お稽古風景はもちろん、漫画を読みながら役作りをする役者さんたちや
舞台美術や音楽、衣装、かつら…こんなに多くの人が関わって舞台ができているんだなと改めて。
菊之助さんがものすごい忙しそうで、色んな人たちと打合せしたり決断の連続で
演出をやりながらの主演ってこんなに忙しいんですね…。
花道で米吉くんの宙乗りリハーサルのときに「プログラムを少し変更したいんですが」と手をあげて
腕でZの形を描きながら「ちょっとおろして、戻して、また上げる」と変更を提案されていました。
演舞場と歌舞伎座は空間の広さが違うため距離感が変わるので、音楽に合わせて修正していくのだそうです。
今回の宙乗りはメーヴェと米吉くんを両方吊ってるんですけど
役者単独で宙乗りするのはあるけど小道具も吊るのはなかなかないらしい。
宙乗りのときにワイヤーの位置が違うとメーヴェに乗り切れずに体が浮いちゃうので
「足ついてる?」「上がりすぎ上がりすぎ」って色々調整されて大変そうでした。
というか演舞場と歌舞伎座って思った以上に違いがたくさんあるんですね…。
回り舞台が回るスピードが舞台の大きさの都合で20秒以上違うとか
搬入口の幅が違うのでガンシップは寸法を詰めてるとか、いろいろ知ることができました。
舞台美術担当の人が、演舞場と歌舞伎座で舞台の高さが違うので引き幕の制作では調整に苦労したそうです。
他にも、引き幕は一番時間がかかるのでプロデューサーから発注が降りる前から少しずつ描き始めてたとか
王蟲の群れの絵はプリントで拡大したので粗が見えるけどかえって雰囲気が出てるとか。
「普段は日本家屋ばかり描いていて、宮崎駿さんの世界は難しかった」そうな。
金の野原の表現も、舞台に金幕を仕込んで一気に覆う演出にしたとか
王妃の庭の桜はしだれ桜がいいねって菊之助さんと話してそう作ったとか、
とにかくファンから「違う」って言われないようにドキドキしながら作ったそうです。お疲れ様です!
衣裳担当の人はデザイン画も見せてくださって
今回の衣裳は有職模様なども使って模様が浮かび上がるような、
歌舞伎の衣装でありナウシカの世界観を損なわないようなものにデザインされているとのこと。
クシャナの衣裳は菊之助さんの要望でドレスでありながら着物のようなものになっていて
皇女から軍人への視覚的な変化を意識しているそうです。
既存のものを使いながらナウシカの世界観に合わせていくのは難しかったのではないかな…。
かつらも、どうすれば和の衣装に合うかつらができるか試行錯誤されたそうで
今回は「手向けだ」のシーンがありましたがあの三つ編みの髪は実は抜いてるだけらしいですが
どうすれば勢いよく切ったように見えるかを菊之助さんが考えてらっしゃいました。
菊之助さんと米吉くんがメイクから衣裳を身に着けて役になっていく様子も映してくださって
ナウシカとクシャナができあがっていくのも見ることができました~。
三味線さんと浄瑠璃さんと振付さん、三味線さんたちの楽譜が映ってて
全然読めないけど音が奏でられると久石さんのあの曲が流れておおお!ってなったし
音楽は和楽器を使うことが大前提で前回よりもスケール大きく、厚みを持たせているとのこと。
ナウシカは篠笛、ユパは尺八、クシャナは琴をイメージしていると作曲担当の人が言ってました。
他にも、アクション担当の役者さんたちが歌舞伎座ロビーの絨毯の上にあぐらかいて殺陣の打合せして
立ち回りだと歌舞伎の動きになるのでナウシカらしい形を取り入れたとか、
クシャナの陣営の天幕を裏で開け閉めしている裏方さんとか
王蟲の目の位置をCGで調整してる小道具さんとか
(王蟲の子は人形なんですけど目がスイッチのONOFFでチカチカするんですね、
光玉もスイッチONOFFで光ってた)、もうとにかく色んな裏側が映って舞台裏好きとしては大興奮!
スッポンに入って衣裳整えてクシャナのポーズとってウィ~~ンて上がっていく菊之助さんがかっこよかったです。
役者さんへのインタビューもあって、米吉くんは
「お話をいただいたときにすぐ菊之助お兄さんに電話して「本当に僕でよろしいんですか?」と聞いたら
「せひご一緒したいと思ってる」「一緒にがんばりましょうね」って言ってくださった」のだそうです☆
ナウシカという作品についても、「巨悪がない」のが特徴だと思ってらっしゃるらしく、
怪獣を倒す話でも悪の秘密結社を倒す話でもない、ナウシカという女の子が戦争に巻き込まれて
理想と現実の狭間を生きて世界の真実に辿り着いてみんながその姿を見て変わっていくものだと。
当時の漫画作品でもああいうヒロイン像は珍しい、強くてかっこいいしかわいい、包容力があるキャラクターで
宙乗りは初めてだったそうですが「よく皆様こんなものを何十回もやるなあ」と思ったと(笑)。
落ちないと信じているというか信じないとできない、スタッフとの信頼関係や細かい微調整が大切とおっしゃって
「宙乗りが最後にあるのはポイントなので、楽しんでもらうギミックで、恐れず楽しくやった」そうです。
あと今回はサブタイからクシャナがメインになると思ってたら最初はナウシカの出番の方が多いし
クシャナに立ち向かうナウシカなのかと思ってたら2人が柱になってるストーリーで、
それも面食らったみたいです。
ナウシカを表現するうえでも、原作みたいな服装は歌舞伎に存在しないので
女形としてどこに手があるのが美しいか、お姫様や娘や腰元だったら形があるけどその枠組みを外れるので
どうすればナウシカらしいかを、やりながら見つけていくしかなかったともおっしゃってました。
菊之丞さんと「これは正解がないんだよね」ってお話されたそうです。新作の難しさだなあ…。
「鳥の人にならないといけないのでがんばる」と意気込みをされてました。大丈夫だったよ!お疲れ様でした。
振付の菊之丞さんも「初演(2019年12月)が終わった直後くらいに色々な状況が変わって
激動の2年半を過ごして、ナウシカのメッセージが現状に符号することもあるし
歌舞伎の包容力やキャパシティが活かされたものになっている」とおっしゃってました。
ジブリの鈴木さんへのインタビューもありました。
ナウシカの物語には日本の時代劇の伝統が流れているという話を宮崎さんともしていて
歌舞伎はこの題材にすごく合っていると思ってらっしゃるそうです。
ナウシカとクシャナは「宮本武蔵と佐々木小次郎みたい」とも。なるほどなあ。
「クシャナを主人公にしたらどんなお芝居ができあがるんだろう、だって敵役ですよ。
敵役って目立つんですよ。得な役ですよね」ってニコニコおっしゃっていて本当そうだよなあってなりました。
そして、菊之助さん。
次の作品は何にしようか、自分が好きな作品を新作で作りたいと思ったのがナウシカ歌舞伎の始まりで
原作で描かれている人類が大事にしなければならない心と普遍性を歌舞伎と融合させたいということで
始まった企画とのこと。
今回の再演は丑之助くんとコーヒーを買いに行った帰りに鈴木さんとばったり会って
まだ何も決まってなかったのにナウシカを再演したいですと伝えたことがきっかけだったそうです。
(鈴木さんも「これはもうやらざるを得ないな」って思ったらしい)
初演から俳優を変えると物語が深まるということで今回は配役を一部変更したそうですが
演舞場公演で「ケチャを演じる米吉さんがとてもすばらしかった。心がけ、姿勢、教えを乞う心。
再演なら若い米吉さんにナウシカをやってもらいたい」ということでお願いしたそうです。
今回のクシャナ役について、「彼女は王の道を歩むべき人で優れているがゆえに命を狙われていて
自分の気持ちをひた隠しにしながら生きてきた人」という理解をされていて、
演舞場公演で七之助さんがとても素敵なクシャナを作り上げてくださったので
よりクシャナの内面を描くにはどうしたらいいかを考えて、
歌舞伎はメイクと衣裳が場面ごとに変わるのでクシャナの内面を衣裳で表現していったそうです。
王蟲の子の舞は演舞場公演よりも曲を伸ばして歌詞をつけて
ナウシカと心を通わせた王蟲がナウシカとどう対峙するかを表現したとのこと。
今回、王蟲の子役だった丑之助くんには「慈愛の心を持ってナウシカと接することを大事に演じてね」と伝えて
あとは本人も自分で考えてると思うのでお任せされたみたいです。
幼いナウシカ役の知世ちゃん、舞台に立つのが初めてなので
稽古場の雰囲気にのまれたり思うように演技ができなかったりしたようですが
「それは私の小さいときと同じ」とおっしゃっていました。
「稽古をしていくうちにほぐれて、初日は稽古の成果が出たんじゃないかというくらいよかったと思う」とのこと。
知世ちゃんも今後、菊之助さんの舞台に出演されるようになるのかな。楽しみです。
…待って、上の巻ってことは中の巻とか下の巻とかあるってことですよね?
まだ情報はないけど近いうちに上演されるのかな、見たいので待ってます。
あと今月の納涼歌舞伎も手塚治虫の新選組とか闇梅とかやじきたとか見たいものがいっぱいあるよ!
配信を待ちます。
お取り寄せな日々の過ごしかたその23。

花扇の水無月、枇杷、日本の夏。豆大福をおまけしていただきました。
ここの蚊取り豚はボディは毎年ピンク色ですが差し色がちょっとずつ変わるんですよね、
今年は黄緑色でした。
枇杷がまじで枇杷がそのままそこにあるような再現度!

花扇のみかん大福と花火。
みかんまるごと1個入ってる果物大福です。大好き☆

花火の上の部分を切ってみました。
色とりどりの練り切りを白の練り切りで覆って、下から透ける色を作り出しているの素敵すぎる。

くらづくりの夜空の華と涼やか。
薄紅、黄色、若草色、水色、紫の五色で表現された花火と、朝露を乗せた朝顔の花です。
ドーン!というよりは線香花火みたいな模様が描いてある。

こちらの花火も切ってみたらこしあんが出てきました。
こしあんを包んだ白い練り切りを色つき練り切りで覆ってあるのですね。

くらづくりの水遊びと向日葵。
青楓ときらきらの水色錦玉の間で金魚が楽しそうに泳ぐ姿が素敵。
大輪のひまわりもかわいいです。

かんだ和彩のもらい水、ゆらめく夏、ブルーベリーバナナどら焼き。
加賀千代の「朝顔やつるべ取られてもらひ水」から菓銘がついた朝顔の花と
夏の日差しの下で優雅に泳ぐ金魚と
自家製バナナジャムと旬のブルーベリーを挟んだどら焼き。
どら焼きはブルーベリーがまるごとごろごろ入ってておいしかったです!
かんださんのどら焼きは小さめサイズなのですごく食べやすくて大好きです。

食べマスミニオンズフィーバー。
ケビン(チョコレート味)、ボブ(バナナ味)、スチュアート(ストロベリー味)。
前に発売されたときは小さかった瞳が今回はこんなに大きい(笑)。
キラキラした目で何を見ているのかな。バナナかな。

食べマスサンリオキャラクターズ2022。
2020年・2021年のサンリオキャラクター大賞で2年連続TOP3に輝いたのがこの3体で、
シナモロール(ミルク味)、ポチャッコ(バナナ味)、ポムポムプリン(プリン味)です。
ポムポムプリンがプリン味なのめっちゃいいよね^^

雪見だいふく×喜久福。喜久福大好き~!ってなって買いました。
お餅もアイスも宇治抹茶で黄緑色、こしあんが入ってました。

ミスドとBAKE Inc.のコラボ。
リンゴクロワッサンドーナツレモンカスタードとベイクチョコチーズタルト。
リンゴクロワッサンはともかくチョコとチーズとドーナツってどうなんだろう…ってなったけど
食べてみたら濃厚なチーズ味でおいしかったです。

コメダの巨峰ふわり。
コメダのシフォンケーキはしっとりふわふわで大好きです。

NewDaysでゲットした峠の釜めしおにぎり。
たけのこ・ごぼう・鶏肉が入っているいつもの炊き込みご飯に
鶏肉と椎茸と栗が入っていて、おお…これはまさに峠の釜めし…!
食べてみたら想像以上に峠の釜めしでした。あの器に入っている釜めしがそのまま手のひらサイズになった感じ。

というわけで2人と一緒にパチリ。
アブトくん峠の釜めしがおにぎりになって全国で販売されてますよ~!

ぶらぶら美術・博物館のTwitterのプレゼント企画に応募したら
聖徳太子と法隆寺展の図録をいただいてしまいました!!
ぶら美のプレゼントはチケットが何度か当選したことがありますが図録は初めて!
この展覧会行けなかったので図録だけでももらえてうれしいです…ありがとうございます。
あと、先週に母の友人から今年はじめての桃をいただきまして
来週には父の知り合いから今年はじめての梨が届く予定です。
猛暑は大変だけど桃と梨のある夏が好きです。秋が近づいている。
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