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この夏の展示室その4。

前回記事の続き。東博本館の様子を特集展示を中心にレポします。

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特集展示「関東大震災と東京国立博物館」。
震災から100周年ということで当時の資料や被災した美術品や写真を通して
東京帝室博物館(当時)の被害について紹介するものです。
1937年11月に竣工した復興本館(現在の本館)の建設や当時行われた模写・模造についても紹介されています。
(資料館OPACで関連図書リストもご覧になれます→こちら

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被災した第1号館(旧本館)。
正面玄関部分が大きく崩落して使用不可となり、後に取り壊しとなりました。
地震が発生した9月1日11時58分は開館中でしたが、死傷者はいなかったとのこと。

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田代二見「大正震災焼跡写生図」計54枚の写生図のうち上野公園における避難民とバラック(1923年)。
上野公園は高台に位置していたため火災がほとんど起きなかったようです。
空地が多かったので仮設が建てやすく避難所として使われました。

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震災当時、上野公園に建てられたバラックの配置図。
避難者収容・救世軍建設救護用・診療所や配給、児童相談所用などのバラックがありました。

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9月から4ヶ月後の12月、博物館総長から宮内大臣へ出された上申書案文。
表慶館で展示の再開が検討されたので収蔵庫とバラックの新設を申し出ています。
収蔵庫は鉄筋コンクリートで建てると書いてあります。

以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆
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この夏の展示室その3。

前回記事の続き。東博本館の展示も見てきました。

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特集「藤原定家-『明月記』とその書」。
明月記自筆本の一部と定家本人の書が展示されていました。
定家の自筆をこんなにいっぱい見られる機会なんてめったにないのでウッヒョ~~イ!!ってめっちゃはしゃいで
嬉々として写真撮りまくりました☆
写真は嘉禄二年(1226年・定家65歳)八月記で重要文化財だよ!!前参議だったときのですね。

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天福元年(1233年・定家72歳)六月記。
正二位権中納言だった頃なので百人一首の焼くや藻塩の歌を詠んだ時期かな。
新勅撰和歌集の撰集や天皇の大嘗会屏風和歌の担当など忙しい日々がつづられています。

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申文(1202年)。
41歳の定家が左近衛少将から中将への転任を願って提出したものです。
この年の10月に念願かなって無事に任じられています。

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断簡。建久五年(1194年)11月20日記です。
当時の定家は九条家の嫡男良経に仕えていまして、
この日も大将殿(良経)のもとに参じた定家が北政所(良経の母)の服喪明けについて聞いています。

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断簡。正治元年(1199年)6月24日記です。
この2日前の22日に九条良経が左大臣に昇進し、それに伴う臨時除目について書いています。
墨が薄く走り書きのようになっていて、いつもなら読みやすい字もこの日はちょっと読みにくい。

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断簡。建暦元年(1211年)7月25日記です。
窮屈(疲労)でへばっているという書き出しですが、人事の噂や後鳥羽上皇の御幸について書いています。

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記録切。
1143年正月の宮中行事「賭射」についての記録です。
いつもの日記より小さな料紙に書いていて、定家はこうした写本を折本で携帯し手控えにしていたようです。

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書状。
後鳥羽院と九条良経が開催した詩歌合の写本を紛失してしまったので
知人(日野資実?)に写本を貸してほしいと頼んでいるものです。
中央の行間に書き込まれているのが知人からの返答で、
藤原清範(新古今集の中書をした歌人)が持ってると思うよ~ということだそうです。

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藤原定長による書状(1186年)。
十訓抄第10巻にもある、勅勘をくらって謹慎していた定家の処分が解かれたことを俊成に知らせたものです。
(定長は藤原宣孝(紫式部の夫)の子孫で後鳥羽院に仕えていた人ですな)
定家は「あしたづ(定家)は雲居(宮中)をさしてかへるなり~」という歌を返したようです。

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二条家三卿之芳翰。
俊成筆の日野切、定家筆の後撰集切、為家筆の拾遺集切の三葉の古筆切をまとめて掛軸にしています。
祖父・父・子の三代の筆跡が同時に見られるのは貴重。まさに三者三様で3人とも全然違いますな。

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通具俊成卿女歌合断簡(歌合切)。
源通具と俊成女が行った五十番歌合に定家が判詞を加えた草稿。
定家40歳くらいの書と考えられています。

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熊野懐紙(1201年)。
後鳥羽院の熊野詣の途中で催された歌会において、供奉した定家が自詠の歌を書いたもの。
当時定家は40歳でしたがつけていた日記には「疲れた、寝る」みたいなことしか書かれていない日もあります。
あの筆まめの定家が!って思いますがそれだけ京都~熊野の道程は過酷だったんでしょうな。

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特集「歴史の記録 虫譜づくりの舞台裏-栗本丹洲著『千虫譜』とその展開」。
江戸幕府の奥医師だった栗本丹洲(1756~1834)が制作した『千虫譜』(1811年)を中心に
博物虫譜づくりの舞台裏を紹介しているものです。

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『琉球産物志』木。田村藍水著・田村西湖撰(1770年)。
島津藩から送られた植物の標本をまとめた薩南諸島の植物誌です。
丹洲の父である本草学者田村藍水と兄の西湖による仕事です。
(藍水のもとには中川淳庵や平賀源内など多くの本草学者が出入りしています)

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『寛政重修諸家譜』1292巻(すごい巻数だ…)。
江戸幕府の堀田正敦や林述斎らが中心になって編写された大名や旗本の家譜集です。
丹洲の項では出だしに「田村元雄登が二男」と書いてあります。(元雄は藍水の号)

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栗本丹洲著写『千虫譜』第二巻。日本初の虫類図譜といわれています。
動物や植物の図譜はあれど虫類の図譜がないと気づいた丹洲が作成したもの。
原本は現存していませんが写本がいくつか残っているそうです。

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丹洲は小さい虫を観察する際に顕微鏡を使っていたそうです。
原寸大で見た場合のサイズと顕微鏡で見た場合のサイズについて
2種類の絵を並べて紹介しています。

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丹洲は様々な文献を参考にして虫を紹介しています。
こちらは倭名類聚抄などを引用しています。

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『丹洲虫譜』上巻(1875年)。千虫譜の転写本のひとつです。
植物画家の服部雪斎と植物学者の伊藤圭介の蔵本から写したもので、
両者とも動植物の文献調査で栗本家の蔵書を調査しているそうです。
(伊藤圭介と聞いて朝ドラらんまんを思い出した方はいませんか、わたしは思い出しました)

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庭園開放。
そういえば夏の庭園て見たことないな~と思ってちょっと出てみました。
(猛暑だったので少しだけね)

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午後だったので池の蓮の花はほとんど終わってました。

他にも特集展示がありましたので見てきましたが
長くなりますので次回記事にて書きます☆

鷲がサボテンの上で蛇を食らう土地に都を。

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東博の特別展「古代メキシコ —マヤ、アステカ、テオティワカン」に行きました。
日本メキシコ外交樹立135年を記念して古代メキシコの三大都市国家である
マヤ文明、テオティワカン文明、アステカ文明について主に出土品から迫る展覧会です。
東博でメキシコ展をやるのは60年ぶりとのことです。わあ。
メキシコの歴史や文化については概要しか知らないので一から学ぶつもりで行きました。

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全作品撮影OK、商標利用でなければSNS投稿もOK!ありがとうございます。
平日に行きましたので、あまり混雑してなくて撮りやすかったですね。

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入口からもう圧がすごい、楽しみです。

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入口には導入としてメソアメリカ文化のルーツであるオルメカ文明(紀元前1500年頃メキシコ湾岸部)の
半人半ジャガーの幼児像がありました。
頭が人間で体がジャガー、翡翠でできています。
オルメカはメソアメリカ最古の文明で、このような半人半獣の石彫の文化があったそうです。
赤ちゃんが泣いてるみたいな顔だな…と思って見ていたんですが
実際に現地でも「Bebé llorando(泣いてる赤ちゃん)」と呼ばれているらしい。

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マヤ文明の貴人の土偶。
大きな帽子をかぶって、青い色のコートを着ています。
青は色落ちすることが多いですがこれは割としっかり残っていて綺麗ですね。
(現地で「El charro」(メキシコ版ロデオ)と呼ばれているそうですがマヤ文明にカウボーイはいません)

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テオティワカン文明のマスク。香炉の台を飾っていたそうです。
鼻飾りと円形の耳飾りをつけた神官か戦士をあらわしたもの。

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アステカ文明の装飾髑髏。死者の国にいるミクトランテクトリ神だそうです。
目に貝殻と黄鉄鉱をさしこみ、頭部には髪をさしていたと思われます。

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名古屋スイーツまみれの午前中。

どうしても買いたいスイーツがあったので名古屋に行ってきました。
観光するかどうかも考えましたが連日の猛暑なのでとりあえず現地入りしてから考えよう…と思ってましたが
夜行バスを降りて外に出たとたんうるさいくらいのクマゼミのシャワシャワ鳴く声とあまりの熱気に
暑っつ!」って声が出てしまって、早々に諦めてお買い物だけすることにしました。
早朝で25℃超え(肌感覚)じゃ昼間の気温を想像したらめっちゃ恐ろしいじゃないですか…。
あと欲しいスイーツが全部名古屋駅構内で買えるのほんと有難かった…外に出ないで済んだので。
(つまり今回は名古屋駅から一歩も外へ出てません)
(某シンカリオン運転士が大阪駅を満喫した際に「(外へ)出てどうするの」って1ミリの迷いもなく言いましたが
あのときこんな感じだったのかな~なんて)

夜行バスを降りて早くも汗だくになりながら徒歩で名古屋駅前に到着しますと。
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ひ、飛翔~~~~~!!!!!ほんとになくなってしまわれたのか。。
またシンカリオンの聖地がひとつ消えた。(ユパ様の声で)
いや、撤去されたのは知ってましたが実際に目の当たりにするとショックがでかい。
移転先が決まったら見に行けたらいいな。

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朝はカフェジャンシアーヌでモーニングの予定でしたが、開くまで時間がありましたのでまずは別の目的を。
これが、ちょっと、大変でした…いやわたしが方向音痴ってだけの話なんですが。。
「名古屋駅」「地下鉄」「南改札券売機」しか手がかりがない中、
桜通線・東山線・名鉄各線のいくつもある券売機を1時間近く捜し歩いて見つからなくて
早朝だからエアコン効いてなくてめっちゃ暑い構内を「どこ!どこにあるの!!」などとキレ気味に歩いて回り、
やっと目的の券売機を見つけたところは名鉄百貨店地下の東山線南口でした…。
桜通口とか太閤口とか広小路口とか見当違いのところばっかり探しておったよアホですねわたしは。
というか!せめて東山線藤が丘方面くらい書いておいてほしかったよ情報ページのとこに!(わがまま)

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というわけで無事に見つけました。レゴブロックでできた地下鉄路線案内図です☆
かわいい~~細かい~~!

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名古屋市営交通100周年を記念してレゴランド・ジャパンが寄贈したそうです。
設置されているのは名古屋駅のほかに栄駅、名古屋城駅(旧市役所駅)、東山公園駅とのこと。

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レゴでできた名古屋城。とても細かい。
他にもナゴドやテレビ塔や水族館など名古屋の観光スポットがついています。
制作に3日かかったそうでそりゃこのクオリティならそれくらいかかりそうだな…と思いました。
気になる方は機会があったら見に行ってみてください。

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名古屋駅構内に戻ってカフェの開店を待ちます。
7時オープンなのですが既に何人か待っているお客さんがいたのでわたしも並んで待ちました。

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開店と同時にお店にin。
席を案内していただいて注文をすませて待ちます。
店内にはぴよりんの写真がたくさんあってかわいい。ぴよりんStationかわいい^^

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テーマ: スイーツ | ジャンル: グルメ

イラストボード展示2023。

※期間限定トップ記事。最新記事はこの下です↓


毎年恒例、アルス画房(熊谷市)の「第33回ARSコミックイラストコンペ」にて
イラストボードを展示させていただきます☆
今年は去年までの3部門ではなく「手描きカラーのコミック系イラスト」(サイズはA4かB4)に一本化されました。

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告知絵。Reina Roja(赤の女王)です。
出品したイラストには後ろ姿しか描けなかったのでせめて横顔を。
東博の古代メキシコ展を見て描きたくなったのでした。(同展についてはこちらで記事にしました)

展示作品一覧ページ→こちら
わたしはいつものようにB4サイズで1点描きました。→こちら

展示期間中はお好きな作品に投票もできます。
(お店の投票用紙に記入後、投票箱に入れていただきます)
わたしも先日、投票に行ってきました☆

【アルス画房】 HP→<http://www.arsgabou.com/
埼玉県熊谷市鎌倉町152
平日:10:00~18:30 日曜日:10:00~18:00 毎週水曜日定休
コンペイラスト展示・投票期間:2023年8月3日(木)~9月3日(日)

お店へのアクセス:こちら
JR熊谷駅から徒歩7分
駅北口のロータリーを左方向へ、線路に平行して歩いてください。一方通行出口右角。
道路を挟んだ向かい側に駐車場がありますので、お車でもお越しいただけます。

お店は基本的にすいていて密にはなりにくいですが、感染症もまったく落ち着いておりませんので
ご来場の際はどうぞご無理のない範囲でお願いいたします。
お店の展示イラスト一覧ページもありますのでオンラインでもお楽しみください。


hippopon様のブログでリンクを貼っていただきました→こちら
いつもありがとうございます(^-^)/☆
テーマ: イラスト | ジャンル: 学問・文化・芸術