どうしたものかな、空海。
(100,000Hitありがとうございました!!お礼記事は次回かきます)

ツイとものきうちさんと歌舞伎座で「四月大歌舞伎」夜の部を観てきました☆
仁左衛門さん主演の「彦山権現誓助剱」杉坂墓所・毛谷村と
染五郎さん主演の新作「幻想神空海-沙門空海唐の国にて鬼と宴す」ですよ!
主に空海が楽しみだったのですが毛谷村も仁左衛門さんだしどんなのかなあと楽しみにしていたら
まさかの超イケメンが出てきて倒れるかと思いました。やっぱりにざ様はにざ様だった。
お昼に木挽町広場できうちさんと待ち合わせしたのですが
わかりやすい格好がいいと思って着物で行きましたら無事に見つけてくださって、
てか初めてお会いするきうちさんはTwitterから想像していたとおりの
かわいらしくてふわっとして気遣いのやさしい素敵な方でした!+゚+。:.゚(*´︶`*).:。+゚ +゚
歌舞伎や歴史のこととか俳優さんや有頂天家族の話までたっぷりさせていただいて
気づいたら開演30分前で大慌てで移動するくらい時間忘れて楽しんでしまった。
歌舞伎はきうちさんの方が先輩なので今後も色々お話したいし教えていただきたいっ(゚∀゚)☆

歌舞伎座5階の寿月堂さんでフレンチトーストのランチ。
ふわふわサクサクしておいしかったです。

お茶もいただいた。
「飛騨のほまれ」という秘伝の青ほうじだそうでとっても香ばしくておいしかった…!
違いのわかる人になりたい。

今回はここから観劇、花道のすぐ隣でした。
あと、今回2人とも別々の日にチケットを予約したのですが
座ったらまさかの隣同士だったことが判明して「「えええ~~~」」と開演前から大興奮。
幕間になったらきうちさんとこすっ飛んで行こうとか思ってたのに、こんなことってあるんですなー!
イッツァ・ミラコー…+゚+。:.゚(*゚Д゚*).:。+゚ +゚
幕が開いて、まずは「彦山権現誓助剱」。
本来は文楽のとても長いお芝居だそうで、今回はそのうち八幕目と九幕目が演じられます。
吉岡一味斎という毛利藩の剣術指南役が京極内匠に殺され、仇討しようとした娘も返り討ちにされ、
吉岡さんの妻ともうひとりの娘は仇を探して別々に旅をしていて
その旅の途中に六助(仁左衛門さん)と出会う…のが、八幕目までの流れ。
六助は小倉藩毛谷村に住むお百姓ですが、剣がとても強くて
彼に勝つと500石くらいでお城に召し抱えてもらえたりするレベルの人らしいですが、
田舎に住んでいるためか師匠が殺されたことを全然知らないまま過ごしていて
そのせいで師匠の娘(婚約者)が訪ねてきても最初は気づかなかったりする。(でもそこが見どころ)
剣の達人、子どもにやさしい、親思いで正義感が強くてちょっと天然も入ってるハイスペック人物を
仁左衛門さんがとても大らかに演じていらっしゃいました。
母親のお墓参りの帰りにたまたま助けた弥三松くん(実は師匠の孫だけど六助は知らない)を預かって
抱っこしたりデンデン太鼓でお世話したり、
知らない人が突然家の中に入ってきても追い出すどころか「まいったなあ」とか腕組みしてて
どんだけ懐広いんだ(笑)。
弥三松くんに笑いかける表情がとっても素敵でやさしい人柄が伝わってきます。
寝起きだったり遊んでたり、自分が着替えてる時でさえも(まさかのにざ様ナマお着替えですよ)
常に弥三松くんを気にかけていて何というイクメン。
しかもそれがにざ様ってどんなご馳走ですか、どうもありがとうございました。(深々)
ところでこの六助さん、実在の人物なのですね。→こちら
加藤清正の家臣になって朝鮮出兵にまで行った人だとか。
「仕官して親を安心させたいから試合で負けてくれ」と微塵弾正(京極内匠)に言われて
その通りにしたら実はだまされていたと気づいて
「おのれこのままでおくべきか!」とカンカンになった六助が
地面の石を踏んづけると石がへこんで地面にめり込むという、彼の強さを表現する演出がありますが
この六助の石も実際に残っているそうです。
…師の死を知ってだまされたと気づいたとき一瞬、カッと目を見開くけどカーッと爆発はしない抑えた怒りが
かえって悲しみと怒りと凄みを感じさせてすばらしかったんだーーー仁左衛門さーん!!
(ここ見て初めて「あっこのお芝居すごく難しいんじゃないの…」って思った。遅い)
孝太郎さんのお園も花道から登場したときの虚無僧姿がものすごくかっこよくて
(女形さんが男装した女性を演じる妙の色気パない)、
父の仇討ちを目的にしてますからまなざしは鋭いし刀を使わせても強いし、
「親の仇を討って」ではなく「仇はわたしが討つ」感がすごいなと。
でも六助の家の前に子どもの着物が干してあったから六助を仇と思っちゃったり
六助が婚約者だとわかると急にかいがいしく浮かれてうっかり釜を空焚きしちゃったりと
結構、ドジッ子というか思いこみが激しい^^;
でも仇討ちに向かおうとするラストでは六助と一緒に見得を切っててかっこよかった!
(彼女の強さを表現するためにカラミ(直接話にからまない役者)と殺陣をやってて
あれはイメージ映像的なものなのでしょうか…カラミさんも飛んだりクルッと回ったり相当な動きだった)
東蔵さん演じる武家の貫禄たっぷりのお幸さんもかっこよかった。
六助さんの家に勝手に上がり込んで、実力を試すために不意打ちでお財布投げてみたり
投げ返されたお財布をがっちりキャッチしたりしてて、
達人のピッチングに対応できるのだからお幸さんも相当の達人とみた。
強い女性たちいいなあ!
歌六さんの微塵弾正(京極内匠)はワルでしたね…
自分が仕官するために六助にわざと負けてくれと言ったり
六助に紹介した母親は実は母親じゃなかったり、六助とは対照的な存在です。
ちなみにその母親、本当は誰のお母さんかというと杣斧右衛門(彌十郎さん)のお母さんで
微塵弾正に利用された後殺されてしまって
斧右衛門がご遺体と対面するシーンもあって彼大泣きするのですけど、
彌十郎さんの拵えが面白すぎて客席のあちこちから忍び笑いが起きていました。
何ですかあの雪が積もりそうな眉毛は!(爆笑)
笑っちゃダメだと思ってたらイヤホンガイドさんが「これ笑うところです」みたいな解説されてて
あっいいんだ!ってなりました。
「母の仇を」と六助にお願いする斧右衛門はさすがにウルっときました。
ラストで仁左衛門さんが紅梅を腰にさし白椿の枝を手に持ち弥三松くんを抱き上げて
六助・お園・お幸が天地人の見得を切るシーンがすごく絵になってて
舞台写真もいいけど錦絵にして売ってほしいレベルでかっこよかったです!
それにしてもこんなところにこんなイケメンがいたとは…歌舞伎はまだまだ奥が深いですの。
この後は新作歌舞伎「幻想神空海」を観劇したのですが
以下異様に長い&遠慮なくネタバレしていますのでこれからご観劇予定の方ご注意ください。
大丈夫な方はクリックしてどうぞー☆

その前に幕間で夕ごは~ん。
「仁左衛門さんがイケメンすぎた」「歌舞伎の男なのにいい人すぎた」「子どもに優しいおじさまだった」
「こんなところにこんなイケメン」「知らなかった毛谷村やばい」「仁左衛門さん期待してたけど想像以上」
お弁当食べながらの仁左衛門さん談義はノンストップでした。
もちろん孝太郎さんの強いヒロインと東蔵さんの強いおばあさんの話題も尽きず。
幕間にロビーへ出たら筋書き売り場のところに募金箱が置いてあったので協力しました。
微力ながら熊本への祈りを。
さあ幻想神空海だよ~はーじまーるよっ☆
高野山開創1200年を記念して上演される新作歌舞伎です。
幕間がなくぶっ通しの2時間20分、でも終わってみるとあっという間だったかも。
夢枕獏氏の原作小説は完結したときに読みましたが、1200ページを超える大作で
歌舞伎になると聞いたときはとてもうれしかったけど同時に「説明しきれるのかな…」と不安にもなったし
でも花形歌舞伎の陰陽師がとてもよかったから割と期待して観に行ったら
小説の面白いシーンをピックアップしてカットするところは思い切りカットしてあって
登場人物もそれなりに減ってますので役割分担が増えていて、
でも最初から最後までちゃんと筋が通されていて全体的にうまくまとまってて面白かったです。
セリフ劇になるだろうなと思ってたらやっぱりそうなってて、
でもアクションあり不思議ありドロドロあり人情ありのてんこ盛り舞台だった。
かなり力技のような印象でしたが、陰陽師と同じように再上演されることでよくなっていくでしょう。
ってか、してくれー!!今月だけじゃもったいないよ。
幕開けは雀右衛門さん扮する楊貴妃の美しい舞踊シーンから。
華清宮にて大輪の牡丹に囲まれ玄宗が見守る中、ピンスポを浴びて舞う雀右衛門さん綺麗です…!
衣が優雅に揺れて髪飾りがキラキラ光ってため息ものでした、好き~~。
(原作は怪奇小説っぽい幕開けなのだ)
やがて暗転(その時代が去り数十年が経過したのですな)しまして、
空海・逸勢・丹翁によるテーブルでの語らいの場面へ。
「あれから2年だのう」みたいな丹翁のセリフから回想形式による進行が暗示されます。歌六さんかわいい。
空海の「帰って日本に密の樹を生やしたい」のセリフが聞けて思わずニヤリとしてしまいました、
うおおこれはクライマックスに例のシーン来るぞ!って思ったから( ̄▽ ̄)。
動画にも少しありますが、廻り舞台で場面が変わって長安の西市が賑やかに再現されて
文明と文化の坩堝みたいな当時の雰囲気を感じさせてくれて素敵でした。
歌六さんの丹翁がカラカラと素敵に笑いながら瓜の幻術を使っておられましたな、
今回の歌六さんは日常会話のときはホニャホニャした好々爺っぽくて
まじめな時は大仙人のようなド迫力の低音ヴォイスでオンオフのギャップすごかった…!
そんな中へ花道から駆け込んでくる空海と逸勢が超かわいい(^◇^)。
染五郎空海と松也逸勢は明るく元気で溌剌とした若者たちって感じですね。
(史実では唐に渡ったときそれぞれ30歳と22歳くらいです)
原作の空海は何事にも動じず飄々として逸勢がお人よしの天然という、某平安小説のような設定ですが
歌舞伎の2人は笑ったり走ったり驚いたり色々忙しい、でも楽しそうでした。
丹翁の瓜の術を見破って「密を盗みに来ました」ってぬけぬけと言う空海いいよねえ、
あと冒頭シーンで黄色の法衣と袈裟だったけど過去になったら墨染の法衣になったのも
細かくて良かったです!
あと空海・逸勢と一緒になってわたしも騙されちゃったのが犬の頭のとこ、
冒頭の雰囲気からあまりグロテスクな設定はカットされるのかと思ってたら
ものの見事にやってくれましたよ。
さっき歌六さんが「思いこみよくない」ってニコニコ教えてくれたのにまんまとハマってしまった。
「李白みたいな詩が作れないよー」とか白楽天がくだ巻いてる妓楼に空海と逸勢がやって来て
玉蓮さんに襲いかかってきた劉雲樵(宗之助さん雲樵と楊貴妃の声行ったり来たり忙しそうだった)から
ナニを吐かせて器に入れてしゅばっ!と本火で燃やしたときは逸勢たちもびっくりしてたけど
客席からも声が上がってたしわたしも出しちゃった。手品みたい…!
そして米吉くんはいつ、どんなお役で拝見しても色気がマジやばいですよね、知ってる。
種之助くんの牡丹ちゃんもお姉さん思いでかわいかったし、
歌昇くんの白楽天は酒癖悪そうですが基本的にはいい人だったね。
「玉蓮さん、あなた彼のこと知ってたんじゃありませんか」っていきなり推理とか始める空海が
椅子に座りながらだったので安楽椅子探偵に見えて笑ってしまいましたが
「今の時代どこで誰が見てるかわからんし話がどう伝わってくかもわからん!」って憤慨する逸勢には
申し訳ないけどもっと笑っちゃった。。
大猴もいつの間にか空海に雇われてた^^大暴れ楽しそうですな。
劉雲樵の妻・春琴に憑いた化け猫を見に行くために打ち合わせする空海と逸勢かわいい、
「化け物の言葉は風の音と思え、何も答えるな」「でも何か聞かれたらどうする」
「どうしたものかな空海、と言え」のやり取りは原作でもコメディみたいで楽しい場面です。
わちゃわちゃおしゃべりしながら歩いて移動中という設定でその間お舞台はグルグル場面転換なので
客席に降りてきてくれるのも楽しいー!
(日によってはお客様に話しかけたり握手してくれるそうですよ!歌舞伎座で空海と握手!)
そして原作ファンがおそらく最も「どうするのか」と期待していた化け猫キター!
染さんが歌舞伎夜話で言ってた「かなり、猫です」のコメントからむちゃくちゃ楽しみだったのですけど
まさか児太郎さんがあんな魅力的に演じてくれるとは思いませんでした~。
春琴さん、きらびやかな黒と紫の衣装で頭の上に黒猫を乗せてるのですが
原作もこのいでたちですが歌舞伎はお衣装が派手なので妖艶さ5割増しくらいでやばかった、
髪飾りがシャラランと揺れてそれも綺麗だったんだ~。
しかも春琴さんとしてしゃべる声と化け猫としてしゃべる声が3オクターブくらい差があって
さっきまで可憐にしゃべってた人がいきなりゴツい声!いやまた可憐に!また!?ってコロコロ変わるから
キャラの差もくっきり伝わって来たよ~もはやベテラン並みの演技だった…すごいよ児太郎さん…。
ファンの方にはご馳走だったのではないかしら。
頭に猫を乗せた女性と若い沙門が宇宙と言葉の話で盛り上がる中、
逸勢が春琴さんの色仕掛けにどぎまぎしながら「ど…ど~うしたものかな空海~~」ばっかり言ってて
客席は大爆笑だったしわたしも遠慮なく笑わせてもらいました。
というかマッティ逸勢は登場から退場まで最強にかわいくてな、
歩いたり走ったりするときの揺れる髪とか、空海にやたら突っかかったりとか
劉家から帰ってきて「怖かった~もうやだ~~!」ってゴロゴロしながらお酒飲んだりとか
「おまえにはとてもかなわないけど、かなわないことが俺は少しも悔しくない」のセリフとかな…!
これは源博雅の「都にはおまえがいる」に匹敵する名ゼリフにわたしの中ではなってるのですが
「おまえの話を聞いてると幸せになる」って言う逸勢に空海が「おれが幸せだからかも」ときて
「じゃあおれも幸せだな!」ってなるのは予想外だった!ギャー!!
なんなのだーなんなんだ君たちは、もうずっと酒飲んであと30分くらいイチャイチャしててください!
馬嵬駅の楊貴妃のお墓をひっくり返しに行くシーンで(兵馬俑がめっちゃ兵馬俑だった)、
空海ほかみんなが別の話してる時に
大猴さんは一人で黙々と草どかしたり墓石抱えたりして
「いつでも開けられます!」みたいな準備万端にしてるの頼もしかったなあ、
あとバトルで兵馬俑がバラバラに崩れる演出があったけどあれ一体どうやってるのだ…
歌舞伎の演出はしばしばカラクリ読めないのがありますね。楽しい^^
又五郎さんの白龍が原作の白龍そのまんまの雰囲気でしたが
人の頭に猫の手足としっぽがくっついてて「どんな名残だよ!」って危うく突っ込みそうになった。
頭に猫耳はよく聞きますが尻尾とは…小道具さん、新しいですっ…!
スッポンから現れた丹翁と白龍が「久し振りだな」とか言いながら会話するシーンは
歌六さんと又五郎さんの安定した低音が妙に落ち着く、
おふたりともやっぱり頼もしい方々。
阿部仲麻呂が残した手記の再現という設定で行われた劇中劇で、
芝のぶさんや京蔵さんが日本髪を結った娘義太夫みたいな拵えで登場されて
こんなことがありました~みたいに語りと踊りが始まるんですけど
後ろの義太夫さんの本がどう聞いても現代語で、
えっつまりこの歌舞伎のために一曲作ったってことかしら!?何という贅沢。
玄宗のせいで妻を死なせた黄鶴が復讐のために猫を使い唐王朝を滅ぼそうとしたことが説明されますが
黄鶴と妻の話がカットされてたり、術を解いたのが高力士じゃなく不空になってたりして
(どうでもいいけど高力士の遺書めっちゃ長かったよね、こころの先生の遺書並だった覚えがある)、
原作を読んでる人はたぶん補完できるかと思いますが未読の方大丈夫だったかしら、
セリフも多くて色んな人物がからみ合ってますのでね…。
でも空海が不空の生まれ変わりって話はさらっと出されてたような気がする。
宴会シーンもよかったよ~副題にある「鬼と宴す」の再現ですよ!
原作では玉蓮が舞踊、白楽天が琵琶、空海が月琴、逸勢が笙を奏でるのですが
歌舞伎では玉蓮が筝、白楽天が横笛、空海が琵琶、逸勢が詠唱となっていて
マッティさんが帝劇ミュージカルで培ったすばらしい発声を披露してくれて感動しました。
歌の上手い橘逸勢…いいな…!
空海のソロパートもあったよ~アコースティックな琵琶弾き語りする空海、新しいぜ!
「一夜まどろみ、千歳の夢を うれしからずや かなしからずや」染さんの歌声→こちら
丹翁、白龍もやってくるんだけど2人の師の黄鶴の登場シーンが一番インパクトあった、
クレーンで空を飛びながらのご登場とは思いませんでした彌十郎さん!
ここから「そうだったのかー」案件がたたみかけるようにバンバン出されて黄鶴が白龍を殺したり
心ここにあらずな感じにライチ食べてた楊貴妃が「病気って言ったけど実は正気」って黄鶴を殺したりして
逸勢が「なんとかしろ空海」って叫ぶところまで怒涛の展開であった…
しかし手に手を取って去っていく丹翁と楊貴妃はしあわせそうだった…
そして最後まで雀右衛門さんの楊貴妃は美しかった…
「ライチ、おいしゅうございました」のセリフが超絶かわいかった。
(後始末は原作だと柳宗元がやってくれるんだけど、そういえば宗元もいなかったから
あの後みんなで宴のお片付けをしたのかと思うとちょっと萌える)
憲宗(玄宗から5代後の皇帝)に呼ばれて宮殿にやって来た空海(法衣めっちゃ豪華になってた)が
王義之の書のとなりに樹の字を書くパフォーマンスもやってくださった~~うおおお!
冒頭の「樹」のセリフからわかってたよ!わかってたけど本当にやってくれると喜びは2倍で
憲宗の幸四郎さんが出てきた辺りからもうニヤニヤが止まりませんでした。
あ、幸四郎さんは秀吉とかメじゃないレベルで金色に輝いていました…すごかった。。
さすが皇帝で、後ろの衝立(?)には3匹の竜の彫刻と4つの竜のレリーフ、お衣装の胸にも竜という
竜だらけ仕様!
惜しむらくは竜の指が3本だったことですが(皇帝の竜は本来は5本指)、
幸四郎さんの威厳オーラでどうでもよくなりました。高麗屋つよい。
原作だと空海は四面楚歌の詩を書いてから曹植の樹の字を書くのですが
歌舞伎はシンプルに樹を、しかも染さんの身長よりぐんと高い壁に
プロジェクションマッピングでダイナミックに巨大なのを書かれてほんとにほんとにかっこよかったです。
原作でも「魔術を見るような」と形容される、疾風のような空海の手の動きがリアルに見られるとかー!
もう何度目かわかりませんが観に来てよかったと思いました、
正直、尺の都合とかでカットされるかもなあとか思ってたので…。
(ちなみに字は染五郎さんご本人によるものとインタビューでおっしゃっていた)
ちょっと物申す部分があるとすれば、原作で空海が樹の字の仕上げとして
硯の中にあった墨をざぶりと壁に投げつけて「、」を打つ描写が最高に好きなのですが
染さんは筆でドン!と点を書いていましたな。
硯を勢いよく壁にぶちまける空海、できれば見てみたかったね。
あっでもでも、筆ドンの「、」もかっこよかったですよ!
あとは白楽天が長恨歌を完成させて空海に読み聞かせるのも原作の素敵なラストシーンですけど
歌舞伎では空海が丹翁に渡して丹翁が懐にしまいこんじゃってた。
そこまでやってたらさすがに尺が足りなくなっちゃうのでしょうね…
歌昇くんの楽天を思い浮かべながら脳内補完することにします。ほんと素敵な詩人だった。
(しかし阿弖流為をやった染さんが空海もやるとは思わなかったなあ…
原作4巻にアテルイと坂上田村麻呂のことが少し出てきますけど
それは新魔獣狩りに繋がってるんでしたっけ、確か対面シーンもあったような。
あとこの原作、映画化の話はどうなったんだろう…進んでるんだろうか…)

観劇後、夜の歌舞伎稲荷神社へお参り。
写真はきうちさんが撮ってくださいました~とても幻想的というか、神社から何か出てきそうな雰囲気。
きうちさんのお写真センスほんとすばらしいので見習いたい…。

見てくださいよこんなにお土産いただいてしまった!!
農学校クッキーにジンくんにヒジカタ君、ギャ~好きなものばかり☆
友やさんの猫絵っまさかの官服姿でキュン死する!机に飾って毎日ときめきをもらうのだ!
熊のモナカすっごいかわいいこれ座るんですよ~かわいい…かわいい…っ!(ダァン←床叩)
きうちさん本当にありがとうございました。
札幌も函館も木古内もまた行きたいね…松前はいつか行きたい。

そんなわけで今回は猫の着物でした~写真だとわかりにくいけど足袋ソックスも猫柄です。
化け猫ばんざい。
さらに。

オバケが出てくるので百鬼夜行ペンダントと、

猫魂の黒ネコをぶら下げていきました(=^ω^=)
お舞台もわたしも猫まみれな1日、とても楽しかったです。満足。

ツイとものきうちさんと歌舞伎座で「四月大歌舞伎」夜の部を観てきました☆
仁左衛門さん主演の「彦山権現誓助剱」杉坂墓所・毛谷村と
染五郎さん主演の新作「幻想神空海-沙門空海唐の国にて鬼と宴す」ですよ!
主に空海が楽しみだったのですが毛谷村も仁左衛門さんだしどんなのかなあと楽しみにしていたら
まさかの超イケメンが出てきて倒れるかと思いました。やっぱりにざ様はにざ様だった。
お昼に木挽町広場できうちさんと待ち合わせしたのですが
わかりやすい格好がいいと思って着物で行きましたら無事に見つけてくださって、
てか初めてお会いするきうちさんはTwitterから想像していたとおりの
かわいらしくてふわっとして気遣いのやさしい素敵な方でした!+゚+。:.゚(*´︶`*).:。+゚ +゚
歌舞伎や歴史のこととか俳優さんや有頂天家族の話までたっぷりさせていただいて
気づいたら開演30分前で大慌てで移動するくらい時間忘れて楽しんでしまった。
歌舞伎はきうちさんの方が先輩なので今後も色々お話したいし教えていただきたいっ(゚∀゚)☆

歌舞伎座5階の寿月堂さんでフレンチトーストのランチ。
ふわふわサクサクしておいしかったです。

お茶もいただいた。
「飛騨のほまれ」という秘伝の青ほうじだそうでとっても香ばしくておいしかった…!
違いのわかる人になりたい。

今回はここから観劇、花道のすぐ隣でした。
あと、今回2人とも別々の日にチケットを予約したのですが
座ったらまさかの隣同士だったことが判明して「「えええ~~~」」と開演前から大興奮。
幕間になったらきうちさんとこすっ飛んで行こうとか思ってたのに、こんなことってあるんですなー!
イッツァ・ミラコー…+゚+。:.゚(*゚Д゚*).:。+゚ +゚
幕が開いて、まずは「彦山権現誓助剱」。
本来は文楽のとても長いお芝居だそうで、今回はそのうち八幕目と九幕目が演じられます。
吉岡一味斎という毛利藩の剣術指南役が京極内匠に殺され、仇討しようとした娘も返り討ちにされ、
吉岡さんの妻ともうひとりの娘は仇を探して別々に旅をしていて
その旅の途中に六助(仁左衛門さん)と出会う…のが、八幕目までの流れ。
六助は小倉藩毛谷村に住むお百姓ですが、剣がとても強くて
彼に勝つと500石くらいでお城に召し抱えてもらえたりするレベルの人らしいですが、
田舎に住んでいるためか師匠が殺されたことを全然知らないまま過ごしていて
そのせいで師匠の娘(婚約者)が訪ねてきても最初は気づかなかったりする。(でもそこが見どころ)
剣の達人、子どもにやさしい、親思いで正義感が強くてちょっと天然も入ってるハイスペック人物を
仁左衛門さんがとても大らかに演じていらっしゃいました。
母親のお墓参りの帰りにたまたま助けた弥三松くん(実は師匠の孫だけど六助は知らない)を預かって
抱っこしたりデンデン太鼓でお世話したり、
知らない人が突然家の中に入ってきても追い出すどころか「まいったなあ」とか腕組みしてて
どんだけ懐広いんだ(笑)。
弥三松くんに笑いかける表情がとっても素敵でやさしい人柄が伝わってきます。
寝起きだったり遊んでたり、自分が着替えてる時でさえも(まさかのにざ様ナマお着替えですよ)
常に弥三松くんを気にかけていて何というイクメン。
しかもそれがにざ様ってどんなご馳走ですか、どうもありがとうございました。(深々)
ところでこの六助さん、実在の人物なのですね。→こちら
加藤清正の家臣になって朝鮮出兵にまで行った人だとか。
「仕官して親を安心させたいから試合で負けてくれ」と微塵弾正(京極内匠)に言われて
その通りにしたら実はだまされていたと気づいて
「おのれこのままでおくべきか!」とカンカンになった六助が
地面の石を踏んづけると石がへこんで地面にめり込むという、彼の強さを表現する演出がありますが
この六助の石も実際に残っているそうです。
…師の死を知ってだまされたと気づいたとき一瞬、カッと目を見開くけどカーッと爆発はしない抑えた怒りが
かえって悲しみと怒りと凄みを感じさせてすばらしかったんだーーー仁左衛門さーん!!
(ここ見て初めて「あっこのお芝居すごく難しいんじゃないの…」って思った。遅い)
孝太郎さんのお園も花道から登場したときの虚無僧姿がものすごくかっこよくて
(女形さんが男装した女性を演じる妙の色気パない)、
父の仇討ちを目的にしてますからまなざしは鋭いし刀を使わせても強いし、
「親の仇を討って」ではなく「仇はわたしが討つ」感がすごいなと。
でも六助の家の前に子どもの着物が干してあったから六助を仇と思っちゃったり
六助が婚約者だとわかると急にかいがいしく浮かれてうっかり釜を空焚きしちゃったりと
結構、ドジッ子というか思いこみが激しい^^;
でも仇討ちに向かおうとするラストでは六助と一緒に見得を切っててかっこよかった!
(彼女の強さを表現するためにカラミ(直接話にからまない役者)と殺陣をやってて
あれはイメージ映像的なものなのでしょうか…カラミさんも飛んだりクルッと回ったり相当な動きだった)
東蔵さん演じる武家の貫禄たっぷりのお幸さんもかっこよかった。
六助さんの家に勝手に上がり込んで、実力を試すために不意打ちでお財布投げてみたり
投げ返されたお財布をがっちりキャッチしたりしてて、
達人のピッチングに対応できるのだからお幸さんも相当の達人とみた。
強い女性たちいいなあ!
歌六さんの微塵弾正(京極内匠)はワルでしたね…
自分が仕官するために六助にわざと負けてくれと言ったり
六助に紹介した母親は実は母親じゃなかったり、六助とは対照的な存在です。
ちなみにその母親、本当は誰のお母さんかというと杣斧右衛門(彌十郎さん)のお母さんで
微塵弾正に利用された後殺されてしまって
斧右衛門がご遺体と対面するシーンもあって彼大泣きするのですけど、
彌十郎さんの拵えが面白すぎて客席のあちこちから忍び笑いが起きていました。
何ですかあの雪が積もりそうな眉毛は!(爆笑)
笑っちゃダメだと思ってたらイヤホンガイドさんが「これ笑うところです」みたいな解説されてて
あっいいんだ!ってなりました。
「母の仇を」と六助にお願いする斧右衛門はさすがにウルっときました。
ラストで仁左衛門さんが紅梅を腰にさし白椿の枝を手に持ち弥三松くんを抱き上げて
六助・お園・お幸が天地人の見得を切るシーンがすごく絵になってて
舞台写真もいいけど錦絵にして売ってほしいレベルでかっこよかったです!
それにしてもこんなところにこんなイケメンがいたとは…歌舞伎はまだまだ奥が深いですの。
この後は新作歌舞伎「幻想神空海」を観劇したのですが
以下異様に長い&遠慮なくネタバレしていますのでこれからご観劇予定の方ご注意ください。
大丈夫な方はクリックしてどうぞー☆

その前に幕間で夕ごは~ん。
「仁左衛門さんがイケメンすぎた」「歌舞伎の男なのにいい人すぎた」「子どもに優しいおじさまだった」
「こんなところにこんなイケメン」「知らなかった毛谷村やばい」「仁左衛門さん期待してたけど想像以上」
お弁当食べながらの仁左衛門さん談義はノンストップでした。
もちろん孝太郎さんの強いヒロインと東蔵さんの強いおばあさんの話題も尽きず。
幕間にロビーへ出たら筋書き売り場のところに募金箱が置いてあったので協力しました。
微力ながら熊本への祈りを。
さあ幻想神空海だよ~はーじまーるよっ☆
高野山開創1200年を記念して上演される新作歌舞伎です。
幕間がなくぶっ通しの2時間20分、でも終わってみるとあっという間だったかも。
夢枕獏氏の原作小説は完結したときに読みましたが、1200ページを超える大作で
歌舞伎になると聞いたときはとてもうれしかったけど同時に「説明しきれるのかな…」と不安にもなったし
でも花形歌舞伎の陰陽師がとてもよかったから割と期待して観に行ったら
小説の面白いシーンをピックアップしてカットするところは思い切りカットしてあって
登場人物もそれなりに減ってますので役割分担が増えていて、
でも最初から最後までちゃんと筋が通されていて全体的にうまくまとまってて面白かったです。
セリフ劇になるだろうなと思ってたらやっぱりそうなってて、
でもアクションあり不思議ありドロドロあり人情ありのてんこ盛り舞台だった。
かなり力技のような印象でしたが、陰陽師と同じように再上演されることでよくなっていくでしょう。
ってか、してくれー!!今月だけじゃもったいないよ。
幕開けは雀右衛門さん扮する楊貴妃の美しい舞踊シーンから。
華清宮にて大輪の牡丹に囲まれ玄宗が見守る中、ピンスポを浴びて舞う雀右衛門さん綺麗です…!
衣が優雅に揺れて髪飾りがキラキラ光ってため息ものでした、好き~~。
(原作は怪奇小説っぽい幕開けなのだ)
やがて暗転(その時代が去り数十年が経過したのですな)しまして、
空海・逸勢・丹翁によるテーブルでの語らいの場面へ。
「あれから2年だのう」みたいな丹翁のセリフから回想形式による進行が暗示されます。歌六さんかわいい。
空海の「帰って日本に密の樹を生やしたい」のセリフが聞けて思わずニヤリとしてしまいました、
うおおこれはクライマックスに例のシーン来るぞ!って思ったから( ̄▽ ̄)。
動画にも少しありますが、廻り舞台で場面が変わって長安の西市が賑やかに再現されて
文明と文化の坩堝みたいな当時の雰囲気を感じさせてくれて素敵でした。
歌六さんの丹翁がカラカラと素敵に笑いながら瓜の幻術を使っておられましたな、
今回の歌六さんは日常会話のときはホニャホニャした好々爺っぽくて
まじめな時は大仙人のようなド迫力の低音ヴォイスでオンオフのギャップすごかった…!
そんな中へ花道から駆け込んでくる空海と逸勢が超かわいい(^◇^)。
染五郎空海と松也逸勢は明るく元気で溌剌とした若者たちって感じですね。
(史実では唐に渡ったときそれぞれ30歳と22歳くらいです)
原作の空海は何事にも動じず飄々として逸勢がお人よしの天然という、某平安小説のような設定ですが
歌舞伎の2人は笑ったり走ったり驚いたり色々忙しい、でも楽しそうでした。
丹翁の瓜の術を見破って「密を盗みに来ました」ってぬけぬけと言う空海いいよねえ、
あと冒頭シーンで黄色の法衣と袈裟だったけど過去になったら墨染の法衣になったのも
細かくて良かったです!
あと空海・逸勢と一緒になってわたしも騙されちゃったのが犬の頭のとこ、
冒頭の雰囲気からあまりグロテスクな設定はカットされるのかと思ってたら
ものの見事にやってくれましたよ。
さっき歌六さんが「思いこみよくない」ってニコニコ教えてくれたのにまんまとハマってしまった。
「李白みたいな詩が作れないよー」とか白楽天がくだ巻いてる妓楼に空海と逸勢がやって来て
玉蓮さんに襲いかかってきた劉雲樵(宗之助さん雲樵と楊貴妃の声行ったり来たり忙しそうだった)から
ナニを吐かせて器に入れてしゅばっ!と本火で燃やしたときは逸勢たちもびっくりしてたけど
客席からも声が上がってたしわたしも出しちゃった。手品みたい…!
そして米吉くんはいつ、どんなお役で拝見しても色気がマジやばいですよね、知ってる。
種之助くんの牡丹ちゃんもお姉さん思いでかわいかったし、
歌昇くんの白楽天は酒癖悪そうですが基本的にはいい人だったね。
「玉蓮さん、あなた彼のこと知ってたんじゃありませんか」っていきなり推理とか始める空海が
椅子に座りながらだったので安楽椅子探偵に見えて笑ってしまいましたが
「今の時代どこで誰が見てるかわからんし話がどう伝わってくかもわからん!」って憤慨する逸勢には
申し訳ないけどもっと笑っちゃった。。
大猴もいつの間にか空海に雇われてた^^大暴れ楽しそうですな。
劉雲樵の妻・春琴に憑いた化け猫を見に行くために打ち合わせする空海と逸勢かわいい、
「化け物の言葉は風の音と思え、何も答えるな」「でも何か聞かれたらどうする」
「どうしたものかな空海、と言え」のやり取りは原作でもコメディみたいで楽しい場面です。
わちゃわちゃおしゃべりしながら歩いて移動中という設定でその間お舞台はグルグル場面転換なので
客席に降りてきてくれるのも楽しいー!
(日によってはお客様に話しかけたり握手してくれるそうですよ!歌舞伎座で空海と握手!)
そして原作ファンがおそらく最も「どうするのか」と期待していた化け猫キター!
染さんが歌舞伎夜話で言ってた「かなり、猫です」のコメントからむちゃくちゃ楽しみだったのですけど
まさか児太郎さんがあんな魅力的に演じてくれるとは思いませんでした~。
春琴さん、きらびやかな黒と紫の衣装で頭の上に黒猫を乗せてるのですが
原作もこのいでたちですが歌舞伎はお衣装が派手なので妖艶さ5割増しくらいでやばかった、
髪飾りがシャラランと揺れてそれも綺麗だったんだ~。
しかも春琴さんとしてしゃべる声と化け猫としてしゃべる声が3オクターブくらい差があって
さっきまで可憐にしゃべってた人がいきなりゴツい声!いやまた可憐に!また!?ってコロコロ変わるから
キャラの差もくっきり伝わって来たよ~もはやベテラン並みの演技だった…すごいよ児太郎さん…。
ファンの方にはご馳走だったのではないかしら。
頭に猫を乗せた女性と若い沙門が宇宙と言葉の話で盛り上がる中、
逸勢が春琴さんの色仕掛けにどぎまぎしながら「ど…ど~うしたものかな空海~~」ばっかり言ってて
客席は大爆笑だったしわたしも遠慮なく笑わせてもらいました。
というかマッティ逸勢は登場から退場まで最強にかわいくてな、
歩いたり走ったりするときの揺れる髪とか、空海にやたら突っかかったりとか
劉家から帰ってきて「怖かった~もうやだ~~!」ってゴロゴロしながらお酒飲んだりとか
「おまえにはとてもかなわないけど、かなわないことが俺は少しも悔しくない」のセリフとかな…!
これは源博雅の「都にはおまえがいる」に匹敵する名ゼリフにわたしの中ではなってるのですが
「おまえの話を聞いてると幸せになる」って言う逸勢に空海が「おれが幸せだからかも」ときて
「じゃあおれも幸せだな!」ってなるのは予想外だった!ギャー!!
なんなのだーなんなんだ君たちは、もうずっと酒飲んであと30分くらいイチャイチャしててください!
馬嵬駅の楊貴妃のお墓をひっくり返しに行くシーンで(兵馬俑がめっちゃ兵馬俑だった)、
空海ほかみんなが別の話してる時に
大猴さんは一人で黙々と草どかしたり墓石抱えたりして
「いつでも開けられます!」みたいな準備万端にしてるの頼もしかったなあ、
あとバトルで兵馬俑がバラバラに崩れる演出があったけどあれ一体どうやってるのだ…
歌舞伎の演出はしばしばカラクリ読めないのがありますね。楽しい^^
又五郎さんの白龍が原作の白龍そのまんまの雰囲気でしたが
人の頭に猫の手足としっぽがくっついてて「どんな名残だよ!」って危うく突っ込みそうになった。
頭に猫耳はよく聞きますが尻尾とは…小道具さん、新しいですっ…!
スッポンから現れた丹翁と白龍が「久し振りだな」とか言いながら会話するシーンは
歌六さんと又五郎さんの安定した低音が妙に落ち着く、
おふたりともやっぱり頼もしい方々。
阿部仲麻呂が残した手記の再現という設定で行われた劇中劇で、
芝のぶさんや京蔵さんが日本髪を結った娘義太夫みたいな拵えで登場されて
こんなことがありました~みたいに語りと踊りが始まるんですけど
後ろの義太夫さんの本がどう聞いても現代語で、
えっつまりこの歌舞伎のために一曲作ったってことかしら!?何という贅沢。
玄宗のせいで妻を死なせた黄鶴が復讐のために猫を使い唐王朝を滅ぼそうとしたことが説明されますが
黄鶴と妻の話がカットされてたり、術を解いたのが高力士じゃなく不空になってたりして
(どうでもいいけど高力士の遺書めっちゃ長かったよね、こころの先生の遺書並だった覚えがある)、
原作を読んでる人はたぶん補完できるかと思いますが未読の方大丈夫だったかしら、
セリフも多くて色んな人物がからみ合ってますのでね…。
でも空海が不空の生まれ変わりって話はさらっと出されてたような気がする。
宴会シーンもよかったよ~副題にある「鬼と宴す」の再現ですよ!
原作では玉蓮が舞踊、白楽天が琵琶、空海が月琴、逸勢が笙を奏でるのですが
歌舞伎では玉蓮が筝、白楽天が横笛、空海が琵琶、逸勢が詠唱となっていて
マッティさんが帝劇ミュージカルで培ったすばらしい発声を披露してくれて感動しました。
歌の上手い橘逸勢…いいな…!
空海のソロパートもあったよ~アコースティックな琵琶弾き語りする空海、新しいぜ!
「一夜まどろみ、千歳の夢を うれしからずや かなしからずや」染さんの歌声→こちら
丹翁、白龍もやってくるんだけど2人の師の黄鶴の登場シーンが一番インパクトあった、
クレーンで空を飛びながらのご登場とは思いませんでした彌十郎さん!
ここから「そうだったのかー」案件がたたみかけるようにバンバン出されて黄鶴が白龍を殺したり
心ここにあらずな感じにライチ食べてた楊貴妃が「病気って言ったけど実は正気」って黄鶴を殺したりして
逸勢が「なんとかしろ空海」って叫ぶところまで怒涛の展開であった…
しかし手に手を取って去っていく丹翁と楊貴妃はしあわせそうだった…
そして最後まで雀右衛門さんの楊貴妃は美しかった…
「ライチ、おいしゅうございました」のセリフが超絶かわいかった。
(後始末は原作だと柳宗元がやってくれるんだけど、そういえば宗元もいなかったから
あの後みんなで宴のお片付けをしたのかと思うとちょっと萌える)
憲宗(玄宗から5代後の皇帝)に呼ばれて宮殿にやって来た空海(法衣めっちゃ豪華になってた)が
王義之の書のとなりに樹の字を書くパフォーマンスもやってくださった~~うおおお!
冒頭の「樹」のセリフからわかってたよ!わかってたけど本当にやってくれると喜びは2倍で
憲宗の幸四郎さんが出てきた辺りからもうニヤニヤが止まりませんでした。
あ、幸四郎さんは秀吉とかメじゃないレベルで金色に輝いていました…すごかった。。
さすが皇帝で、後ろの衝立(?)には3匹の竜の彫刻と4つの竜のレリーフ、お衣装の胸にも竜という
竜だらけ仕様!
惜しむらくは竜の指が3本だったことですが(皇帝の竜は本来は5本指)、
幸四郎さんの威厳オーラでどうでもよくなりました。高麗屋つよい。
原作だと空海は四面楚歌の詩を書いてから曹植の樹の字を書くのですが
歌舞伎はシンプルに樹を、しかも染さんの身長よりぐんと高い壁に
プロジェクションマッピングでダイナミックに巨大なのを書かれてほんとにほんとにかっこよかったです。
原作でも「魔術を見るような」と形容される、疾風のような空海の手の動きがリアルに見られるとかー!
もう何度目かわかりませんが観に来てよかったと思いました、
正直、尺の都合とかでカットされるかもなあとか思ってたので…。
(ちなみに字は染五郎さんご本人によるものとインタビューでおっしゃっていた)
ちょっと物申す部分があるとすれば、原作で空海が樹の字の仕上げとして
硯の中にあった墨をざぶりと壁に投げつけて「、」を打つ描写が最高に好きなのですが
染さんは筆でドン!と点を書いていましたな。
硯を勢いよく壁にぶちまける空海、できれば見てみたかったね。
あっでもでも、筆ドンの「、」もかっこよかったですよ!
あとは白楽天が長恨歌を完成させて空海に読み聞かせるのも原作の素敵なラストシーンですけど
歌舞伎では空海が丹翁に渡して丹翁が懐にしまいこんじゃってた。
そこまでやってたらさすがに尺が足りなくなっちゃうのでしょうね…
歌昇くんの楽天を思い浮かべながら脳内補完することにします。ほんと素敵な詩人だった。
(しかし阿弖流為をやった染さんが空海もやるとは思わなかったなあ…
原作4巻にアテルイと坂上田村麻呂のことが少し出てきますけど
それは新魔獣狩りに繋がってるんでしたっけ、確か対面シーンもあったような。
あとこの原作、映画化の話はどうなったんだろう…進んでるんだろうか…)

観劇後、夜の歌舞伎稲荷神社へお参り。
写真はきうちさんが撮ってくださいました~とても幻想的というか、神社から何か出てきそうな雰囲気。
きうちさんのお写真センスほんとすばらしいので見習いたい…。

見てくださいよこんなにお土産いただいてしまった!!
農学校クッキーにジンくんにヒジカタ君、ギャ~好きなものばかり☆
友やさんの猫絵っまさかの官服姿でキュン死する!机に飾って毎日ときめきをもらうのだ!
熊のモナカすっごいかわいいこれ座るんですよ~かわいい…かわいい…っ!(ダァン←床叩)
きうちさん本当にありがとうございました。
札幌も函館も木古内もまた行きたいね…松前はいつか行きたい。

そんなわけで今回は猫の着物でした~写真だとわかりにくいけど足袋ソックスも猫柄です。
化け猫ばんざい。
さらに。

オバケが出てくるので百鬼夜行ペンダントと、

猫魂の黒ネコをぶら下げていきました(=^ω^=)
お舞台もわたしも猫まみれな1日、とても楽しかったです。満足。
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わあ!
- 2016/04/21(木) 04:35:26 |
- URL |
- 八少女 夕
- [ 編集 ]
100,000ヒット、おめでとうございます。
100,005かあ。惜しかったなあ。
このまま素晴らしい記事での更新をずーっと続けてくださること、そしていつかは私もキリ番を踏める日が来ることを遠いスイスから祈っております。
そして、充実の記事、いつも楽しみにさせていただいています。
今回も、舞台のご報告もだけれど、なんか食べていらっしゃるものがどれもこれも美味しそうで……。
いいもん、いいもん、秋に日本でグルメするもん、と涙をのんでいます(笑)
猫ちゃん柄のおきものも粋ですねぇ。小物に至るまで遊び心たっぷりの装い、楽しませていただきました。
Re: わあ!
- 2016/04/26(火) 01:15:34 |
- URL |
- ゆさ
- [ 編集 ]
ありがとうございます~~!!
> 100,005かあ。惜しかったなあ。
うおおあと少しでした…いつか八少女さんにキリ番踏んでいただきたいです。
そしてわたしも八少女さんとこのキリ番踏みたい。
歌舞伎座はお芝居もすばらしいですが、食べ物もおいしいですよー!
機会がありましたらぜひお越しください。
(寿月堂さんのメニューはお芝居見なくてもいただけます)
> 秋に日本でグルメするもん
おお…!レポを楽しみにしています☆
猫着物と猫帯はずいぶん前に買ったのですが長持ちしてくれています。
長く着られるのうれしい☆
お芝居や美術館に服装を合わせていくのが最近の楽しみです^^
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