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ゆさな日々

猫・本・歴史・アートなど、好きなものやその日考えたことをそこはかとなく書きつくります。つれづれに絵や写真もあり。


花の時間、狐の時間。

  1. 2016/06/04(土) 23:42:43_
  2. 舞台鑑賞
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
2016kabukiza4.jpg
歌舞伎座「六月大歌舞伎」第三部を観てきました☆
今月は三部制になってまして、一~三部まで通しで義経千本桜なのですが
最後の第三部にて猿之助さんが演じる狐忠信が宙乗りをするということで何が何でも行きたかったし
(狐忠信は3年前に1度見ていますが劇場の都合で宙乗りはなかったのだ)、
先月の春秋座にて「行きます」とご本人に面と向かってお伝えしたし、
約束を果たしに行く目的もあったので早いうちに行きたかったのでした。

さて、今日のお席はといいますと。
2016kabukiza5.jpg
ふふふ…(ここが一番の近道)

2016kabukiza6.jpg
じゃん!!
歌舞伎座初、というか人生初、1列目ほぼ中央にて観劇が叶いました☆
これまでは非常の人の2列目が最前記録だったのですが、ついに最前列になったよ~。
おおおここが伝説のかぶりつき席というやつか…!
首が痛いことになったけど前に人いない、足投げ出しても大丈夫、役者さん近くてオペラグラスいらない、
足音や衣擦れの響きやばい、附け打ちさんの音が爆音なみにビンビン聞こえる!
定式幕をこんなに間近に感じたのは初めてです。ヒャーハー!戻りチケットばんざい。

2016kabukiza7.jpg
3階席を見上げると既に鳥屋がセットされて、舞台からワイヤーが伸びていました。
おキツネちゃんが飛んでいく道だあ。

あと、今回はイヤホンガイドをあえて借りませんでした。
ストーリーは知ってるしお芝居に集中する日があってもいいなと思って。


柝が鳴って、まずは「道行初音旅」。こちらは初めて見る演目でした。
源氏に追われて義経とはぐれてしまった静御前が、義経が吉野山にいるという話を聞いて
家来の佐藤忠信(実は狐ちゃんが化けてる)を連れて旅をするというあらすじ。
舞踊劇なので踊りがたっぷり見られます!
幕が開くと浅黄幕が引かれていて、隙間から桜の花がチラチラ見え隠れしていて
上手に清元連中の三味線と謡が響きわたります。かっこいい~。
浅黄幕が切って落とされると、満開の吉野桜をバックに笠と杖を手にした旅姿の静御前が登場!
染五郎さんの静はエレガントで気品がありました。
旅姿をといて初音の鼓を打つお姿は指先まで優雅な佇まい、マジで好きになりそうだった…
そういえばわたし染さんの女形見るの初めてかもしれない!おおお(゚Д゚*)☆

お供の忠信は初音鼓を打つと必ず現れるので、静がポンポンと打つと
スッポンから忠信が登場!
この時点でもう人間じゃないよね(スッポンから出入りするのは人以外の生き物や妖怪、幽霊などです)。
「姿が見えなかったわね」と言われ「すみません、遅くなりました」と忠信は恐縮し、
静と一緒に男雛女雛みたいなポーズ(義経と静のつもり)とったりして舞うのですが、
時々ふいに狐手になったりヒョコヒョコ跳ねたりするので静にいぶかしがられます。
本性をおさえ切れてない^^
義経のことが大好きな2人は義経と一緒にいる雰囲気を味わおうと
近くにあった切り株に着長(大鎧)を置いて、静が鼓を上に乗せると(顔に見立てるわけですな)
まるでそこに義経がいるように見えるということで
2人の舞もどこか切ない感じでありました。
やがて静は屋島の合戦についての話を求めまして、
忠信は佐藤継信(忠信の兄)が義経をかばって矢に当たり戦死したことをジェスチャーつきで語ります。
開いた扇子で鎧の吹返を、閉じた扇子を胸に当てて刺さった矢を表現したりと
扇子が大活躍する語りでした。
また、この語りの部分から竹本連中が加わってかけあいの迫力が2倍になって
わたし1部観てないけど戦のすさまじさが再現されたような感じがした…もはや源平合戦。

そこへ猿弥さん演じる逸見藤太なる追手が部下を連れて花道からご登場。
敵役ですが、「腹が減っては戦はできぬ、そこらに茶屋があったら行きたいなー」とか言って
部下たちが先に進もうとしても花道を戻っちゃったりして
全然強そうに見えないのでピエロなのかもしれない^^
(藤太のたっつけ袴はワンピース歌舞伎でバギーも穿いてたね、道化役だからかな)
逆に部下たちはそんな上司に「じゃあオレたち先に行きますから」とか言っちゃうし
桜の枝(武器らしい)を持って着物の裾をたくし上げて動きやすそう、殺る気満々って感じ。
何とか舞台へやって来て忠信と静を見つけますが、ここ猿弥さんの言葉遊びがキレッキレで
「誰かと思えば1部と2部に引き続きのコンビ」(猿之助と染さんは今月は1部~3部通しで出演中)
「初の宙乗りの猿之助」「桜に染まる染五郎」とかたたみかけるように遊んでて
最後に「問うた、問うたーーー」と、自分のお役名の藤太に掛けてるのが見事でした!
染さんの口元が完全に笑っちゃってるの微笑ましかったし、
その隣で全力無表情管理の猿之助さんも面白すぎました(笑)あそこ見どころです。

忠信と藤太たちのバトルは忠信の圧勝に終わりますが(こっそり狐妖術使ってるしね)、
部下さんたちの飛んだり跳ねたりくるりと回って伏せたりのアクション超かっこよかった~!
藤太もクルクル翻弄されて、さっきまで静が持っていた笠と杖を舞台袖から持ってきて
静にナイスバトンタッチしてておもしろかった(笑)。
敵も静も去っていった舞台にポツンと残った忠信のもとに、1匹の黄色い蝶がひらひら飛んできて
忠信は目で追いかけて、そのうち我慢できなくなったのか狐手になって追いかけ始めて
スーッと花道に移動するのに合わせて黒子さんが2人も同じ動きでスーッと猿之助に近づいていったから
えっ何かある?と思ったら、ぶっ返りで狐火の衣装に早変わりして狐忠信の正体現した!!
すごいすごい感動のサプライズ、引っ込みも狐六法が鮮やかでした~。

2016kabukiza8.jpg
静と狐の去った後に落ちていた桜の花びら。
この後あっという間に定式幕の中へお掃除されてしまいました。

2016kabukiza9.jpg
今日のお弁当。すっかり気に入った手まり寿司です。


休憩を挟んで義経千本桜クライマックス川連法眼館の場、通称「四の切」始まりました~☆
もう幕が開いたところから御殿の階段や天井の戸袋に切り込みが入ってるのが目についてしまって
おキツネちゃん天井から来る気満々じゃん!と楽しみが倍増。
知らずに演目を見るのもいいけど、知ってると楽しめるのもお芝居の魅力ですな。
川連法眼と妻の飛鳥のやりとりは寿猿さんと吉弥さんの貫禄あるお芝居、
寿猿さんの声はひと固まりになって飛んでくる感じがする…元気玉キャッチするみたいな気分。

門之助さんの義経が「オレお前に静のこと預けたよね?鎧も名前もあげたよね??」と聞くと
忠信は「え、オレこの間まで破傷風で休暇もらってましたけど」ということになり
詮議のために亀井六郎と伊勢三郎が奥書院へ連行していくのですが
みっくんの亀井はむっちゃ声割れてたけど、地響き並みに劇場内に轟いていたし
マッティの伊勢はすっきりと上品な若武者っぽくてイケメンでした^^
笑也さんの静御前……道行の染さん静はひたすらエレガントでしたが
笑也さんの静は所作が丁寧だし小刀(義経からもらったもの)をキリっと振りかざすポーズも様になってるし
優雅さに強さと凛々しさが加わって、もうこの人ひとりで生きていけそうと思った。
ついていきます静さま!!
背が高くていらっしゃる笑也さんが武のお姫様を演じるとかっこよすぎてたまらん。
場面転換で出てくる6人の腰元さんの中に徳松さんと笑野さんがいらしてニッコリしちゃった(^ω^)ママー

狐忠信が出てくるシーンは3年前の後悔があるので
絶対に花道からの声には釣られないぞ!と観劇の1週間くらい前から決めてまして
静御前が鼓をポポポポンと軽やかに打ち始めた頃から黒階段を凝視していたら
(見逃すまいと緊張しすぎて心臓バクバクして変な汗までかいてた)、
「出があるよ!」の声と同時に階段上に猿之助さんが鮮やかに登場ーー!うおおお大拍手!!\(^o^)/
本当に一瞬だった、感無量です3年待った甲斐があったというものです…
来てよかった見られてよかった本当によかった。
あと、今回初めて気づいたんですけど狐忠信が出てくる直前に薄ドロが鳴って
階段から出現するとき大ドロが鳴るんですね!
四の切は劇場やテレビで何度か見ているため余裕があって、音に耳が向いたのだと思いますが
こういうのが楽しみでお芝居見ることもあります。

おキツネちゃんの身体能力とかわいさがすごかりし由良之助なのは知ってた、けど、
それらが進化してたのは知らなかった!!
猿之助さんは年齢と上演回数を重ねるたびに狐になっていく感じがして
わたしたちに見えないだけで黄色い尻尾ついてんじゃないかって気がする。
鼓の音に耳をすませ、音に合わせて頷いたりうれしそうにピョンピョン跳んだり階段を一段ずつ下りたり
「鼓の子に~~~~~……………ゴザイマスッ」とか、語尾がこうなるたび、
というか狐忠信が何かするたびに笑いが起きまくってて
お客さんたちが楽しんでいるのが背中からすごくわかったし、
鼓を返してもらって喜びまくるキツネちゃんがはしゃぎまくってるシーンで額からキラって何か飛んで
それが大量の汗と気づいたときのわたしの気持ちを想像してくださいよ、
こんなにこんなに楽しませるために動いてくれてもう……拝みたくなりました。
追手の6人の荒法師たちによるとんぼ返りや馬跳びやダンスも楽しかったし
(さすがにエグザイルはやらなかったです、巡業でやったのはサービスだったのかな)
彼らの薙刀が舞台からせり出してブルンブルン振られるので客席に飛んできそうな迫力でした、
空気が切り裂かれて動くのがわかるんだよ!1列目やばし。

そして3年前は劇場の都合で見られなかった宙乗りをやっとナマで拝見。
スッポンの手前、わたしのほぼ真横延長線上にて荒法師たちの手でワイヤーに吊られたキツネちゃんは
天使のようにフワリと宙に舞い上がったよ!
さあ幸せな時間の始まりだ!!
(このとき2階と3階の提灯がパーッと灯って劇場が明るくなったの素敵だった、
和風の昇天とかあったらこんなかなあ)
見得を切ってワイヤーをみょーんみょーんと揺らしまくりながら楽しげに宙を翔けていく様子を
竹本葵太夫さんが「爆翔」と表現していたけど、ほんとまさに爆翔だった。
さっきまでのお芝居もすごかったけど宙乗りはそれらを軽々と超えて全部もっていってしまった、まじ天使☆
(一瞬だけ手拍子が起きたけど自然現象だったみたいでその後はずっと拍手になってました、
猿之助さんがリズムを取り戻させたのかもしれない)
3階席では拍手の音が速かったり手を振る人がいたりお祭騒ぎのようなお出迎え、
鳥屋が開いて桜吹雪がワーッと降り注いだときはワーッと歓声が起きました。
道行に続いて桜舞い散る幕切れ!
おキツネちゃんは花びらと幸せを振りまきながら鳥屋へ引っ込んでゆきましたよ。バリかわ。

2016kabukiza10.jpg
狐が飛び去った後に落ちているのも桜の花びら。
床だけでなく花道や座席の背もたれ、お客さんの頭などにもちらほら。
お着物で結いあげた方の髪に花びらがはらりとかかっているのは大変すばらしい眺めでした←

そういえば、わたし3年前は義経や静の衣装が鎌倉風でないのが気になったり
義経こんなにのんびりしてないよなとか思ったりしてたんですが、
今回猿之助さんと笑也さんが素敵すぎてそんなこと全然考えなくなってて
だいぶ歌舞伎のカラーに慣れてきたかな?
あと、初音の鼓の音は染さんも笑也さんも吹き替えでしたけど
タイミングがばっちり合っていたのもすばらしいと思いました。裏方さんの底力。

2016kabukiza11.jpg
七月大歌舞伎と八月納涼歌舞伎の演目も発表されてたよ~。
猿之助さんは今月から3か月連続、歌舞伎座で奮闘するようですが
7月の流星で宙乗りするのはともかく(宙乗りも3か月連続です)、
8月のやじきた道中の「お伊勢参りなのにラスベガス」ってなんぞ!
今月も一緒の染さんと2人で宙を飛ぶようです、楽しみ☆

2016kabukiza12.jpg
拾ってきちゃった。右が道行、左が四の切に舞い散っていた花びらです。
素材と色がちょっと違っていました。
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テーマ : 歌舞伎    ジャンル : 学問・文化・芸術

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