六道まいりと若冲の旅。
アルス画房のイラストコンペが終了しました~。
見てくださった方、応援してくださった方ありがとうございました☆
さてさて、昨日、突然ですが京都に日帰り旅行してきました。
六道珍皇寺さんにて毎年お盆の時期に行われている六道まいりに行きたかったのと
他にもちょこちょこ回りたかったので。
六道まいりについてはずいぶん前から知ってはいたものの、
この時期は仕事が忙しいのと、8月の京都で無事に過ごせる自信がなくて二の足踏んでたんですが
そんなこと言ってたらいつまで経っても行けないし
暑いと評判の夏の京都は体力あるうちに行っとかないと本当に諦めることになりそうと思って…。
というわけである程度覚悟を決めて、例によって夜行バスに乗って早朝の京都に降り立ちましたら
「あっつ!!!」って叫びそうになりましたけど。。
(あとアブラゼミじゃなくクマゼミの鳴き声が響いていたのもああ関西来たなって感じがした)

ここに辿り着いたの朝7時だったのに、駅から10分歩いただけですでに汗だくってどういうことだ…。
堀川通にある小野篁・紫式部のお墓です。
これから六道さんのお盆行事に行くので、何となくお墓参りしたくなって数年ぶりに来てみました。
(式部の石碑にはムラサキシキブが植えられていて、秋には毎年実がなっています)

久しぶりでしたが特に変わった様子はなく、静かでした。何よりです。

向かって右にあるのが小野篁のお墓で、

左にあるのが紫式部のお墓。
2人のお墓がなぜ、いつからここにあるのか、はっきりしたことはわかっていませんが
鎌倉時代にはもう並んでいたようです。(『河海抄』による)
地獄展の記事に少し書きましたけど、鎌倉時代に流行した源氏供養の折には
「地獄で苦しむ紫式部を小野篁が助けたのではないか」という話もあったりします。
(ちなみに千本通沿いにある千本ゑんま堂(小野篁の開基)には
南北朝時代に建立されたという紫式部の供養塔もあるよ)

地下鉄で烏丸御池に移動~。伊右衛門サロンの朝ごはんです!
夏の朝ごはんは茄子のお刺身、おぼろ豆腐、出し巻き卵、ふろふき大根など。
焼き鱧おいしい!京都のハモやっといただけました~渋い味だった。ご馳走様☆
過ごしやすい気候だったら運動がてら東山まで歩こうかとも思いましたけど
サロンを出たらすでに気温がそんな呑気なこと言ってるレベルじゃなかったので地下鉄で移動。
炎天下で焦げるくらいなら210円払って涼しさを買う方を選びます…健康第一。
河原町の駅から六道さんまではバスだと遠回りなので覚悟を決めて歩きまして、

はい着きました!この横断幕も初めて見るよ。
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

六道まいりVer.の六道珍皇寺山門です。
提灯に垂れ幕にテント、入り口付近には屋台も出ていて
季節の特別公開時よりもお祭らしい感じがして入る前からテンション高かった!
夜には提灯がともって雰囲気抜群らしいので次回は泊まりがてら来てみたい。

境内は高野槇や水塔婆を持った人たちでいっぱい、テレビ局のカメラも来てました。
六道まいりのお作法は以下のとおりです。

まず高野槇(こうやまき)を買います。
槇の葉はご先祖の精霊である"おしょらいさん"がこの世へ帰ってくるときに乗ってくるのだそうです。

本堂に移動して、水塔婆にご先祖様の戒名や俗名を書いてもらいます。
(自分で書くのじゃなくお坊さんに書いてもらうそうです)

迎え鐘を撞きます。
お迎えした"おしょらいさん"は先ほど買った高野槇に乗り移って子孫の人たちと一緒にお家に帰るそうです。
この鐘は1人1回撞くため時間がかかりますので、順番待ちの大行列がお寺の北門の向こうまで回っていて
わたしが離脱する頃には最後尾が松原通まで出てきていました。
(六道まいりは朝6時からですが、混雑次第では整理券が配布される場合もあるそうだ)

ご先祖様の水塔婆をお線香で浄めます。

地蔵尊宝前にて水回向を行ない、水塔婆を納めます。
これで終わりです。

わたしは地元の人間ではないし、この後の観光にご先祖様を連れ歩くわけにもいかないので
高野槇は買わなかったし迎え鐘もつかなかったですけども
この時期だけの限定御朱印をいただいて、閻魔様おみくじを引いてきました。
閻魔様おみくじは今年から始まったそうです。真っ赤に怒ったお顔がかわいい^^

おみくじは閻魔堂・篁堂の前でこんな風に並んでました。閻魔さまがいっぱい!
ぜひ次回は篁おみくじを作っていっぱい並べてほしいな(笑)。
お堂の扉は開いていたのでおふたりと獄卒さんたちの像には挨拶できましたが
地獄通いの井戸はお盆が終わるくらいまで間近での拝観はできないそうです。
とはいえ、真夏の井戸はどんなかなと気になりましたので本堂に行くと
水塔婆を書いているお坊さんの肩越しにお庭がチラ見できました。
夏の緑に囲まれた地獄通いの井戸はいつもと変わらないように見えたけど、
境内に数秒ごとに響き渡る迎え鐘の音を聴いていると
井戸から次々におしょらいさんたちが帰って来てる気がして自然と静かな気持ちになってきます。
(この時期は遠くからの写真撮影もご遠慮くださいとのことでした)

珍皇寺近くの六波羅蜜寺でも六道まいりが行われていて、迎え鐘の音が響いていました。
実は大学のゼミ合宿以来の拝観だったのですごく久し振りだった!
前の境内はもう少し雑然としていたのを覚えてるけど、今はすっきりしましたね。

入口にある「此付近 平氏六波羅第・六波羅探題」の石碑。
六波羅はかつて平清盛の邸宅があった場所ですな。

石碑のそばに桔梗の花が咲いていました。
この日は立秋、暑くても暦の上は秋で秋の花が咲き始めているのだなあ、小さい秋みつけた。
この後は六波羅から河原町に向かって歩き始めたのですが
あとちょっとで四条橋というところで軽いめまいと吐き気を感じて頭もふらついてきたので
「うわやばい」と思って南座近くのファミマに避難。
ドリンクを買って一息に飲みほして(普段一気飲みできないのにその時は飲み干せた自分にもびっくりした)、
商品を見るふりしながらエアコンの中に滞在させてもらいました。
幸い、汗が止まらなかったので体温調節はできたらしくしばらくしたら回復しましたけど
今思うとプチ熱中症だったかもしれない…。
この日は猛暑日の予報でしたがわたしの知ってる猛暑日じゃなかったよ、関東の暑さと全然違ってた。
関東は焼かれて焦げて溶ける感じですが、京都の暑さは「暑さを着てる」感じがする…。
空気に猛暑がたゆたっていて、その中を泳いでるというか
サウナとかそんな健康的な気温じゃなくて、とにかく暑かったとしか言いようがないです。
街中はまだビル風があるので何とかなりますけど東山は無風できつかった、
空気が動かない中を歩くのがあんなにきついとは。。
そんな中で迎え鐘をつくために大行列をなしていた京都の人々は猛者ですな……
毎年のことで慣れてらっしゃるというのもあるだろうけど。
わたしみたいに慣れてない人は対策しっかりして、バスやタクシー使うとかして
できるだけ外を歩く時間を減らした方がいいよ!

河原町のドコモショップで充電&エアコン休憩した後、宝蔵寺にお参り。
春の旅行記事にも書いた伊藤若冲生誕300年記念の限定御朱印が夏Ver.になってるんです。
今月はシアンとロイヤルブルー、涼しそうな2色でした。
来月からはまた色が変わるそうなのでチェックせねば!

バスで平安神宮前に移動~。細見美術館にやって来ました。
開催中の「伊藤若冲-京に生きた画家-」展を鑑賞します。

看板に注意書きがあって笑ってしまった。質問する人がいるんだろうな。
展覧会は伊藤若冲生誕300年を記念したもので、
細見美術館のコレクションを中心に若冲ゆかりのお寺所蔵の作品や資料も見られました。
関東に巡回しないのでぜひとも見たかったんだ。
今年は細見のほかに京都市美や京博でも若冲に関する展覧会が開催される予定だそうです。
細見の若冲コレクションは水墨画が中心で、
カラフルなのもいくつかあったけど展示室はほとんどモノクロの世界でした。
鶏図押絵貼屏風、12羽のニワトリが伸び伸びとしたタッチで描かれていて
どの子も羽毛がふっくら、尾羽はざっくり、足はアスリートのようで爪はするどい。
署名に「米斗翁八十二歳画」とあり82歳の作品ですが、老いて完成されたタッチというよりも
むしろますます構図やバランスや自由度に対して貪欲になっていってる気がする。
隣にモノクロ群鶏図もありましたがこちらも80代だそうです。
かと思うと風竹図(30代)や海老図(40代)など若い頃の水墨画も展示されていて
見比べることができたのもよかったですね。
景和時代に描かれた雪中雄鶏図はフルカラーですが動植綵絵よりは前に描かれた絵だそうで
どことなくタッチや色彩に勢いがないというか、まだ手探りのような印象も受けました。
(鶏は見事だけど、雪がまだネバネバしてなかったりする)
糸瓜群虫図(30代後半)あたりになってくるとタッチも色彩もはっきりしてきて
「こういうものを描きたい」みたいな意志がにじみ出て
いわゆる"若冲"のイメージの絵になってきたように思う。
(糸瓜~は瓜に11匹の虫たちがくっついていて、昆虫好きだった増山雪斎の旧蔵品だそうです。
富岡鉄斎が模写して箱書きもしているね)
そして動植綵絵を経て老境の水墨画に至る頃には経験も積んだし、
技も表現力も完全につかんでるように感じますね。
(高齢期に水墨画が多いのは大火の後に郊外へ移り住んで生活が縮小したために
お金がなかったのではないかとの説を最近読んだ)
盆踊りの様子を描いた踏歌図、2人舞の萬歳図、関羽のこわい顔ドアップの関羽図、
どれも壮年期の作品で、筆が止まった様子がないので一気に描き上げたのでしょうか。
朱達磨図は達磨が着ている衣のみが赤かった。
虻に双鶏図や仔犬に箒図は4月の若冲展にもあったなあ。
圧巻は81歳とき描いた鼠婚礼図で、鼠の結婚式の宴会が行われているところへ
ネズミがネズミに尻尾をズルズル引きずられながら連れてこられる様子の絵です。
宴会の前から酔っぱらってしまったのでしょうか、とってもかわいかった^^
若冲と同時代を生きた人々との合作もいくつかあり、
若冲が絵を描いてその人が賛を入れたものがほとんどで皆さん達筆ですな…。
瓢箪・牡丹図は天龍寺の桂州道倫と嵯峨直指庵の無染淨善というビッグネームが漢詩を入れていて
落款に「伽羅越若冲」とありました。かっちょいい。
菊花図押絵貼屏風は1774年に亡くなった宮崎筠圃の七言絶句に
80歳前後の若冲が絵を添えて完成させた屏風だそうです。
鎮魂の意味もあったのだろうか。
若冲の親族や弟子にあたる人とされる画家たちの作品も。
弟・白歳の羅漢図は「曽我蕭白筆」と書きこまれてしまっているのですが
印文に「伊藤氏の裔」「白歳居士」とあることから本人筆とされているそうです。
どことなく蕭白の若いころの絵に似てますので間違えられてしまったのかな、
こういう跡も歴史の一部になっていくのだよね。
弟子とされる若演の「釣瓶に鶏図」は釣瓶の棒にとまったニワトリがかわいいし
「遊鶏図押絵貼屏風」にいる石灯籠にぶら下がってアクロバティックポーズを決める鶏ちゃんが
やっぱりかわいい。
若冲について記された同時代の資料もありました。
素絢帖は相国寺の僧・大典の五言絶句36首に若冲が花や昆虫の絵を添えた作品集で
乗興舟と同じ拓版で摺られたもの。
大典の小雲棲稿は若冲の画業について書かれた「藤景和画記」のページが開かれていて、
素絢帖についても記述があるそうです。
現在、伝わっている若冲についての話はほとんど大典の著書をもとに研究されているそうです。
平安人物誌は円山主水(応挙)の次に名前がくるのが藤汝釣(字景和・号若冲)で
こちらは動植綵絵を相国寺に奉納した後に出版された本なので
既にそれなりに知られた絵師になっていたのかなと思う。
京都錦小路青物市場記録は、1771年に錦市場が営業停止に追い込まれたとき
年寄だった若冲も人々と協力して営業再開に向けて働きかけたという一部始終が記録されていて
そのページが開かれていました。(営業は1774年に再開した)
すげー!記述の本物見るの初めてでしたよ。
協力を求めて壬生村を訪れた記録もあるらしくて、そのときに奉納したものでしょうか、
裏面に「施主 伊藤若仲」と書かれた狂言面(僧)が壬生寺に所蔵されているそうです。
実物も展示されていましたが、だいぶ使い込まれたような感じがしました。
もしかして壬生狂言で使われたりしてるのかな…!?ちょっと見てみたい。

美術館の3階には「古香庵」というお茶室があって、お茶とお菓子をいただけます。
入口の銅鑼を鳴らして来訪を告げると、お着物の方が出てきておもてなししてくださるよ!

中も結構広い。
このときは誰もいなくて、貸切状態でした。

展覧会限定の和菓子「綵菜(さいさい)」とお抹茶をいただきました。
和菓子は錦玉(寒天)の中に野菜が入っているのですよ~。
若冲が青物問屋(八百屋)の息子だったことと、野菜の絵を残しているところからのイメージだそうです。

美術館のCAFE CUBEにてトマトソースパスタのランチ。
少なく見えますが丸まっているパスタをほどいたらどっさり出てきました、わー。

美術館近くにあるみやこめっせ(京都市勧業館)の前に、
源氏物語千年紀(2008年)に寄贈された光源氏と紫の上の像があります。
歌碑の歌は須磨の巻から引用された光源氏と紫の上の歌。
細見近くにある京都市美術館ではダリ展をやっていたし
東山駅周辺は明智光秀の首塚とかもあるので余裕があれば歩いて行ってみたかったけど、
暑さに負けたのでこの後はバスに乗って京都駅に戻りました。
特にダリ展…京都市美は51年前もダリ展をやっててしかも当時は本人がプロデュースしたと聞いて
ぜひその空間で展示を味わいたかったけど仕方ない、体だいじ。
秋に巡回してくる東京展は絶対に行くぞ!

帰りの新幹線にて。今月のnikinikiは浮き輪に乗ったシロクマちゃんでした、かわいい!
水(というか氷?)の八ツ橋もきれいだった。
見てくださった方、応援してくださった方ありがとうございました☆
さてさて、昨日、突然ですが京都に日帰り旅行してきました。
六道珍皇寺さんにて毎年お盆の時期に行われている六道まいりに行きたかったのと
他にもちょこちょこ回りたかったので。
六道まいりについてはずいぶん前から知ってはいたものの、
この時期は仕事が忙しいのと、8月の京都で無事に過ごせる自信がなくて二の足踏んでたんですが
そんなこと言ってたらいつまで経っても行けないし
暑いと評判の夏の京都は体力あるうちに行っとかないと本当に諦めることになりそうと思って…。
というわけである程度覚悟を決めて、例によって夜行バスに乗って早朝の京都に降り立ちましたら
「あっつ!!!」って叫びそうになりましたけど。。
(あとアブラゼミじゃなくクマゼミの鳴き声が響いていたのもああ関西来たなって感じがした)

ここに辿り着いたの朝7時だったのに、駅から10分歩いただけですでに汗だくってどういうことだ…。
堀川通にある小野篁・紫式部のお墓です。
これから六道さんのお盆行事に行くので、何となくお墓参りしたくなって数年ぶりに来てみました。
(式部の石碑にはムラサキシキブが植えられていて、秋には毎年実がなっています)

久しぶりでしたが特に変わった様子はなく、静かでした。何よりです。

向かって右にあるのが小野篁のお墓で、

左にあるのが紫式部のお墓。
2人のお墓がなぜ、いつからここにあるのか、はっきりしたことはわかっていませんが
鎌倉時代にはもう並んでいたようです。(『河海抄』による)
地獄展の記事に少し書きましたけど、鎌倉時代に流行した源氏供養の折には
「地獄で苦しむ紫式部を小野篁が助けたのではないか」という話もあったりします。
(ちなみに千本通沿いにある千本ゑんま堂(小野篁の開基)には
南北朝時代に建立されたという紫式部の供養塔もあるよ)

地下鉄で烏丸御池に移動~。伊右衛門サロンの朝ごはんです!
夏の朝ごはんは茄子のお刺身、おぼろ豆腐、出し巻き卵、ふろふき大根など。
焼き鱧おいしい!京都のハモやっといただけました~渋い味だった。ご馳走様☆
過ごしやすい気候だったら運動がてら東山まで歩こうかとも思いましたけど
サロンを出たらすでに気温がそんな呑気なこと言ってるレベルじゃなかったので地下鉄で移動。
炎天下で焦げるくらいなら210円払って涼しさを買う方を選びます…健康第一。
河原町の駅から六道さんまではバスだと遠回りなので覚悟を決めて歩きまして、

はい着きました!この横断幕も初めて見るよ。
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

六道まいりVer.の六道珍皇寺山門です。
提灯に垂れ幕にテント、入り口付近には屋台も出ていて
季節の特別公開時よりもお祭らしい感じがして入る前からテンション高かった!
夜には提灯がともって雰囲気抜群らしいので次回は泊まりがてら来てみたい。

境内は高野槇や水塔婆を持った人たちでいっぱい、テレビ局のカメラも来てました。
六道まいりのお作法は以下のとおりです。

まず高野槇(こうやまき)を買います。
槇の葉はご先祖の精霊である"おしょらいさん"がこの世へ帰ってくるときに乗ってくるのだそうです。

本堂に移動して、水塔婆にご先祖様の戒名や俗名を書いてもらいます。
(自分で書くのじゃなくお坊さんに書いてもらうそうです)

迎え鐘を撞きます。
お迎えした"おしょらいさん"は先ほど買った高野槇に乗り移って子孫の人たちと一緒にお家に帰るそうです。
この鐘は1人1回撞くため時間がかかりますので、順番待ちの大行列がお寺の北門の向こうまで回っていて
わたしが離脱する頃には最後尾が松原通まで出てきていました。
(六道まいりは朝6時からですが、混雑次第では整理券が配布される場合もあるそうだ)

ご先祖様の水塔婆をお線香で浄めます。

地蔵尊宝前にて水回向を行ない、水塔婆を納めます。
これで終わりです。

わたしは地元の人間ではないし、この後の観光にご先祖様を連れ歩くわけにもいかないので
高野槇は買わなかったし迎え鐘もつかなかったですけども
この時期だけの限定御朱印をいただいて、閻魔様おみくじを引いてきました。
閻魔様おみくじは今年から始まったそうです。真っ赤に怒ったお顔がかわいい^^

おみくじは閻魔堂・篁堂の前でこんな風に並んでました。閻魔さまがいっぱい!
ぜひ次回は篁おみくじを作っていっぱい並べてほしいな(笑)。
お堂の扉は開いていたのでおふたりと獄卒さんたちの像には挨拶できましたが
地獄通いの井戸はお盆が終わるくらいまで間近での拝観はできないそうです。
とはいえ、真夏の井戸はどんなかなと気になりましたので本堂に行くと
水塔婆を書いているお坊さんの肩越しにお庭がチラ見できました。
夏の緑に囲まれた地獄通いの井戸はいつもと変わらないように見えたけど、
境内に数秒ごとに響き渡る迎え鐘の音を聴いていると
井戸から次々におしょらいさんたちが帰って来てる気がして自然と静かな気持ちになってきます。
(この時期は遠くからの写真撮影もご遠慮くださいとのことでした)

珍皇寺近くの六波羅蜜寺でも六道まいりが行われていて、迎え鐘の音が響いていました。
実は大学のゼミ合宿以来の拝観だったのですごく久し振りだった!
前の境内はもう少し雑然としていたのを覚えてるけど、今はすっきりしましたね。

入口にある「此付近 平氏六波羅第・六波羅探題」の石碑。
六波羅はかつて平清盛の邸宅があった場所ですな。

石碑のそばに桔梗の花が咲いていました。
この日は立秋、暑くても暦の上は秋で秋の花が咲き始めているのだなあ、小さい秋みつけた。
この後は六波羅から河原町に向かって歩き始めたのですが
あとちょっとで四条橋というところで軽いめまいと吐き気を感じて頭もふらついてきたので
「うわやばい」と思って南座近くのファミマに避難。
ドリンクを買って一息に飲みほして(普段一気飲みできないのにその時は飲み干せた自分にもびっくりした)、
商品を見るふりしながらエアコンの中に滞在させてもらいました。
幸い、汗が止まらなかったので体温調節はできたらしくしばらくしたら回復しましたけど
今思うとプチ熱中症だったかもしれない…。
この日は猛暑日の予報でしたがわたしの知ってる猛暑日じゃなかったよ、関東の暑さと全然違ってた。
関東は焼かれて焦げて溶ける感じですが、京都の暑さは「暑さを着てる」感じがする…。
空気に猛暑がたゆたっていて、その中を泳いでるというか
サウナとかそんな健康的な気温じゃなくて、とにかく暑かったとしか言いようがないです。
街中はまだビル風があるので何とかなりますけど東山は無風できつかった、
空気が動かない中を歩くのがあんなにきついとは。。
そんな中で迎え鐘をつくために大行列をなしていた京都の人々は猛者ですな……
毎年のことで慣れてらっしゃるというのもあるだろうけど。
わたしみたいに慣れてない人は対策しっかりして、バスやタクシー使うとかして
できるだけ外を歩く時間を減らした方がいいよ!

河原町のドコモショップで充電&エアコン休憩した後、宝蔵寺にお参り。
春の旅行記事にも書いた伊藤若冲生誕300年記念の限定御朱印が夏Ver.になってるんです。
今月はシアンとロイヤルブルー、涼しそうな2色でした。
来月からはまた色が変わるそうなのでチェックせねば!

バスで平安神宮前に移動~。細見美術館にやって来ました。
開催中の「伊藤若冲-京に生きた画家-」展を鑑賞します。

看板に注意書きがあって笑ってしまった。質問する人がいるんだろうな。
展覧会は伊藤若冲生誕300年を記念したもので、
細見美術館のコレクションを中心に若冲ゆかりのお寺所蔵の作品や資料も見られました。
関東に巡回しないのでぜひとも見たかったんだ。
今年は細見のほかに京都市美や京博でも若冲に関する展覧会が開催される予定だそうです。
細見の若冲コレクションは水墨画が中心で、
カラフルなのもいくつかあったけど展示室はほとんどモノクロの世界でした。
鶏図押絵貼屏風、12羽のニワトリが伸び伸びとしたタッチで描かれていて
どの子も羽毛がふっくら、尾羽はざっくり、足はアスリートのようで爪はするどい。
署名に「米斗翁八十二歳画」とあり82歳の作品ですが、老いて完成されたタッチというよりも
むしろますます構図やバランスや自由度に対して貪欲になっていってる気がする。
隣にモノクロ群鶏図もありましたがこちらも80代だそうです。
かと思うと風竹図(30代)や海老図(40代)など若い頃の水墨画も展示されていて
見比べることができたのもよかったですね。
景和時代に描かれた雪中雄鶏図はフルカラーですが動植綵絵よりは前に描かれた絵だそうで
どことなくタッチや色彩に勢いがないというか、まだ手探りのような印象も受けました。
(鶏は見事だけど、雪がまだネバネバしてなかったりする)
糸瓜群虫図(30代後半)あたりになってくるとタッチも色彩もはっきりしてきて
「こういうものを描きたい」みたいな意志がにじみ出て
いわゆる"若冲"のイメージの絵になってきたように思う。
(糸瓜~は瓜に11匹の虫たちがくっついていて、昆虫好きだった増山雪斎の旧蔵品だそうです。
富岡鉄斎が模写して箱書きもしているね)
そして動植綵絵を経て老境の水墨画に至る頃には経験も積んだし、
技も表現力も完全につかんでるように感じますね。
(高齢期に水墨画が多いのは大火の後に郊外へ移り住んで生活が縮小したために
お金がなかったのではないかとの説を最近読んだ)
盆踊りの様子を描いた踏歌図、2人舞の萬歳図、関羽のこわい顔ドアップの関羽図、
どれも壮年期の作品で、筆が止まった様子がないので一気に描き上げたのでしょうか。
朱達磨図は達磨が着ている衣のみが赤かった。
虻に双鶏図や仔犬に箒図は4月の若冲展にもあったなあ。
圧巻は81歳とき描いた鼠婚礼図で、鼠の結婚式の宴会が行われているところへ
ネズミがネズミに尻尾をズルズル引きずられながら連れてこられる様子の絵です。
宴会の前から酔っぱらってしまったのでしょうか、とってもかわいかった^^
若冲と同時代を生きた人々との合作もいくつかあり、
若冲が絵を描いてその人が賛を入れたものがほとんどで皆さん達筆ですな…。
瓢箪・牡丹図は天龍寺の桂州道倫と嵯峨直指庵の無染淨善というビッグネームが漢詩を入れていて
落款に「伽羅越若冲」とありました。かっちょいい。
菊花図押絵貼屏風は1774年に亡くなった宮崎筠圃の七言絶句に
80歳前後の若冲が絵を添えて完成させた屏風だそうです。
鎮魂の意味もあったのだろうか。
若冲の親族や弟子にあたる人とされる画家たちの作品も。
弟・白歳の羅漢図は「曽我蕭白筆」と書きこまれてしまっているのですが
印文に「伊藤氏の裔」「白歳居士」とあることから本人筆とされているそうです。
どことなく蕭白の若いころの絵に似てますので間違えられてしまったのかな、
こういう跡も歴史の一部になっていくのだよね。
弟子とされる若演の「釣瓶に鶏図」は釣瓶の棒にとまったニワトリがかわいいし
「遊鶏図押絵貼屏風」にいる石灯籠にぶら下がってアクロバティックポーズを決める鶏ちゃんが
やっぱりかわいい。
若冲について記された同時代の資料もありました。
素絢帖は相国寺の僧・大典の五言絶句36首に若冲が花や昆虫の絵を添えた作品集で
乗興舟と同じ拓版で摺られたもの。
大典の小雲棲稿は若冲の画業について書かれた「藤景和画記」のページが開かれていて、
素絢帖についても記述があるそうです。
現在、伝わっている若冲についての話はほとんど大典の著書をもとに研究されているそうです。
平安人物誌は円山主水(応挙)の次に名前がくるのが藤汝釣(字景和・号若冲)で
こちらは動植綵絵を相国寺に奉納した後に出版された本なので
既にそれなりに知られた絵師になっていたのかなと思う。
京都錦小路青物市場記録は、1771年に錦市場が営業停止に追い込まれたとき
年寄だった若冲も人々と協力して営業再開に向けて働きかけたという一部始終が記録されていて
そのページが開かれていました。(営業は1774年に再開した)
すげー!記述の本物見るの初めてでしたよ。
協力を求めて壬生村を訪れた記録もあるらしくて、そのときに奉納したものでしょうか、
裏面に「施主 伊藤若仲」と書かれた狂言面(僧)が壬生寺に所蔵されているそうです。
実物も展示されていましたが、だいぶ使い込まれたような感じがしました。
もしかして壬生狂言で使われたりしてるのかな…!?ちょっと見てみたい。

美術館の3階には「古香庵」というお茶室があって、お茶とお菓子をいただけます。
入口の銅鑼を鳴らして来訪を告げると、お着物の方が出てきておもてなししてくださるよ!

中も結構広い。
このときは誰もいなくて、貸切状態でした。

展覧会限定の和菓子「綵菜(さいさい)」とお抹茶をいただきました。
和菓子は錦玉(寒天)の中に野菜が入っているのですよ~。
若冲が青物問屋(八百屋)の息子だったことと、野菜の絵を残しているところからのイメージだそうです。

美術館のCAFE CUBEにてトマトソースパスタのランチ。
少なく見えますが丸まっているパスタをほどいたらどっさり出てきました、わー。

美術館近くにあるみやこめっせ(京都市勧業館)の前に、
源氏物語千年紀(2008年)に寄贈された光源氏と紫の上の像があります。
歌碑の歌は須磨の巻から引用された光源氏と紫の上の歌。
細見近くにある京都市美術館ではダリ展をやっていたし
東山駅周辺は明智光秀の首塚とかもあるので余裕があれば歩いて行ってみたかったけど、
暑さに負けたのでこの後はバスに乗って京都駅に戻りました。
特にダリ展…京都市美は51年前もダリ展をやっててしかも当時は本人がプロデュースしたと聞いて
ぜひその空間で展示を味わいたかったけど仕方ない、体だいじ。
秋に巡回してくる東京展は絶対に行くぞ!

帰りの新幹線にて。今月のnikinikiは浮き輪に乗ったシロクマちゃんでした、かわいい!
水(というか氷?)の八ツ橋もきれいだった。
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