博物館に初もうでその4。

今年のミュージアム始めも去年と同じく東博からスタート。
毎年恒例、「博物館に初もうで」に行ってきたよ~!
本館正面階段の生け花も毎年気合いが入ってる感じがします。松竹梅。美しかった☆

トーハクくんにも会えたよ~色んなポーズとってくれてかわいかったです☆
かっこよく仁王立ちとか。

片足上げたりとか。

座ったりとか。これ中の人足どうやって畳んでるんだろう…(^^)。
ちなみにトーハクくんのモデルは東博所蔵の「埴輪(踊る人々)」(埼玉県熊谷市出土)だ!
(過去に見てきたよ→こちら)

今年は酉年ということで、鳥をテーマにした特集陳列「新年を寿ぐ鳥たち」がありましたので
一部をご紹介していきます。
写真は蘿窓の竹鶏図。
ニワトリは五徳(文武勇仁信)をそなえているという言葉が中国の『韓詩外伝』にあるそうで、
「頭の冠=文、足に距(けづめ)を持つ=武、闘鶏=勇、餌を見て相呼ぶ=仁、時を告げる=信」とのこと。
(ちなみにこの考えを『十二支考』の「鶏に関する伝説」に引用した南方熊楠は
「猫の五徳」なるものも記してるよ^^)
それにしてもこのニワトリちゃんすごい目つきしてますね(笑)。
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

鈴木春信「鶏に餌をやる男女」。
いかん、かわいい以外の感想がまったく出てこない。ひたすら可憐でたおやかでかわいい。
春信の絵を見てると「この幸せな光景がいつまでも続きますように…」とか祈りたくなります。
わたしが春信の絵をすきなのは彼の描く世界が平和だからかもしれぬ。

葛飾北斎「詩哥写真鏡・清少納言」。
孟嘗君の函谷関の故事をふまえて清少納言が歌を詠んでいますが(百人一首のあれ)、
それをモチーフにした絵です。
北斎先生が描くと空気がピーンと張り詰めててもどこか気の抜けた感じになるね。

海北友雪「花鳥図屏風」。
様々な鳥たちが描かれていてまるで吉祥画のよう。

伊藤若冲「松梅群鶏図屏風」。
とにかく楽しそう!ニワトリちゃんたちの羽やお尻がふりふりする動きが見えるような軽やかな筆致。

手向山八幡宮所蔵の舞楽面・崑崙八仙。
もともとは鶴の鳴き声を表現するために嘴に鈴を下げていたそうです。どんな音だったのかな。

闘鶏香。
香を聞きわけて駒を動かす香遊びを闘鶏に見立てたゲーム盤です。
6年前にブロともさんと東博を訪れたとき四種盤を見てかっこいいなーと思ったのですが
駒がニワトリという組香もあるんですねえ!

明珍宗頼「鳳凰舟形香炉」。
仏具ではないかとキャプションにありましたが、鳳凰で宝珠も乗ってるしお寺にあったら素敵だと思う。

渋谷安房「群鶏図大小鐔」。
秋の野に遊ぶ鶏の親子で、空を飛ぶ金鶏もいます。(金鶏は元旦に鳴くといわれますな)
渋谷さんは江戸時代後期に仙台伊達家のお抱え工人だったそう。

旧儀式図画帖から「闘鶏御覧」。
かつて宮廷では毎年3月3日に闘鶏が行われていたとかで、
展示品は仙洞御所(上皇の御所)で行われた闘鶏の様子を近代の画家が描いたもの。
特集の後は他の本館展示も堪能、季節やお正月を感じさせる展示品がありました。

鈴木春信「雪中鴛鴦」。
雪の中におしどりと男女が描かれていて、歌舞伎の道行ではないかとする説もあるとか。

鳥文斎栄之「風流五節句・元旦」。
お正月の支度のなかにいる遊女。
色落ちしているのでわかりにくいけど中に着ている着物は赤地に無数の鶴が飛んでいます。

喜多川歌麿「浮世七ツ目合・卯酉」。
向かい干支の酉と卯がテーマになっています。
(そういえば酉年生まれの泉鏡花は向かい干支のお守としてウサギグッズを集めまくった人だそうですな)

鳥文斎栄之「隅田川図巻」の一部。
吉原へ向かう恵比須・大黒天・福禄寿の道中を描いた絵巻物で
写真は隅田川から岸へ上がった3柱が籠に乗ってるとこですけども
アイテムで誰が乗ってるかわかるのがすごくおもしろかった。
この絵巻ちょうど1年前に上野の森美術館の「肉筆浮世絵展」で見たんだよね^^再会うれしい。

小堀遠州の竹茶杓「埋火」。
そういえば東博の庭園には、遠州が伏見の六地蔵に建てた転合庵が移築されていましたっけ。

仁阿弥道八「黒楽鶴亀文茶椀」。
見切れちゃってるけど茶碗の表の左側に白い鶴がいて鶴亀になっています。

徳川家康書状。
服部正栄からみかん一箱を贈られた家康がお礼の手紙として出したものです。
みかん食べる家康たん想像するとちょっと、楽しい(笑)。
(戦国時代くらいになると割と手紙の残存率が高いので武将の生活文化がよくわかるよね~。
たとえば大谷吉継とかは山芋や昆布、ナマコ、綿など様々な贈り物に対する礼状が残ってて
敦賀から昆布が1000本届いて「もういりません」て返事してる手紙とかあります、かわいい)

下村観山「弱法師」(重要文化財)。
謡曲の「弱法師」から、四天王寺の庭で彼岸の落日に向かって拝むシテの様子を描いていて
この、ほんとに能面つけてるみたいな表情が何ともいえない…。
観山は三渓園にある臥龍梅を見てインスピレーションを得たとのことです。

高円宮根付コレクションから。
岸一舟「道成寺 鏡向にて」は舞台に向かう能楽師の気持ちまで伝わってくるようなリアリティ。
高木喜峰「一人旅」は俯き気味のコウテイペンギンの雛で「どうしたの?」って声かけたくなるし
「孫悟空」はこれたぶん金閣銀閣の壺に吸い込まれる瞬間を形にしてると思うんだけど
この「あっ」って顔がすごいおもしろい(笑)おみごと。

アーミン・ミュラー「エジプト提物(印籠)エジプトの石棺、(根付)壺、(緒締)スカラベ」。
これ腰にぶら下げてたら町中の人の目を引きそう(笑)。

河原明秀「鵺」。
ありそうでなかった鵺の擬人化!
向こうから歩いてくる人の顔を見たら猿だったとか、そのての怪談になりそうな。
横から見たら尻尾の蛇が頭の上に出ているのがわかりました。

新春特別公開の古今和歌集(元永本)。国宝です☆
現存最古の完存で、過去に何度か見たけど開かれているページが毎回違っています。
今回は巻一春歌上の31~35番で31番は伊勢で他は詠み人不知。
春霞や梅の花を詠んだ歌で春を先取り~早く春にならないかなあ、毎日寒い。

同じく特別公開、扇面法華経冊子も国宝。
過去に「和様の書展」で見たので久々の再会、類例の少ない装飾経です。

撮影禁止だったけど重要文化財の紺紙金字法華経(巻第四)は平清盛&頼盛兄弟が
いわゆる平家納経とはまた別に厳島神社へ奉納した合筆経です。
「承安元年六月十三日書写了、参議正三位右兵衛督平朝臣頼盛、端四十八行入道大相国御自筆也」という、
書き出しから48行目までは清盛で以降は頼盛が書いていますみたいな前書きがあって
「ふむふむ最初は兄貴ですね…おっ筆跡変わった、弟くん字細っそいなあ…
てか文字の縦横の並び揃えてあって1行の文字数はもしかして全部同…ええええ美し!!」ってなった。
池殿細部まで気ィ遣って奉納品としての体裁きっちり整えてる…やだ超かっこいい…。
ちなみに入道相国はというと(ry
今年も色んなところへお出かけして色んなアートや歴史を楽しく学びたいと思います!
東博の4月からの「茶の湯」展、おもしろそうだな~。
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