神の猫たちは皆踊る。

目黒雅叙園の「福ねこ展at百段階段」に行ってきました(ΦωΦ)☆
9人の現代作家さんによる絵画、立体、陶芸、人形、彫刻、写真などの猫作品を集めた展覧会です。
百段階段は都の有形文化財に指定されていて普段は撮影禁止なのですが
今回は全室撮影OK!ということで遠慮なく撮らせてもらいました。
おうちにかわいい猫たちの画像をお持ち帰りできるのは有難い。

豪華絢爛なエレベーターを出たところで最初に目にするのは
写真家のアクセント氏による猫のアクション写真。
飛んだり跳ねたりしている猫の一瞬を切り取る「のら猫拳」シリーズが有名な方で
全身をバネのように伸ばしたり縮んだり、ひねったり大の字になったりしている猫たちが
生き生きとした写真で紹介されていました。
朝や昼、夕焼けなど時間帯も様々で逆光とかもあっておもしろい。

アイツの裏拳!

百段階段最初のお部屋、十畝の間はもりわじん氏による「招きたんと猫神様の世界」。

巨大なケーキの上で好景気を招く親玉「好景気猫」。洒落がきいてておもしろい!
ケーキは作りものですが本物みたいな質感ですごくおいしそうで
展示室出たところでケーキ食べたくなりました。ぐうぅ。

好景気猫の周りにズラリと並んだ、誕生日猫「招きたん」シリーズ。
1月1日から12月31日まで366匹の猫たちが様々な表情やポーズをとっています。
ひとつひとつ全部手作りで、笑ったり微笑んだり目が点だったり鼻水でてたりアカンベーしてたりと
同じ表情・同じポースがいっこもないのすごい!
(ちなみに写真がなぜ12月22日かというとあの人の命日だからです。こういう撮り方もあります。
自分の誕生日の猫さんもちゃんと撮ったけど)
以下、写真が多いのでたたんであります↓クリックで開きますのでどうぞ☆

金猫神。4本腕で、手は密教の印をイメージしているそうです。
全身金箔ってわけじゃなく微妙に剥がれるエイジングがあえて入れてあるの味わい深いですね。

太陽猫神。
周りには顔が惑星になってる猫たちがいて、つまり猫で銀河を作ったということですな!
太陽の足元に涅槃猫がいるのもまた良し。

漁礁の間は造形作家の小澤康麿氏による「平安から江戸の猫たちの世界」。

にゃんこがいっぱい!
元ネタは歌川国芳が東海道五十三次の宿を全部猫にした「猫飼好五十三疋」という錦絵ですが
その53種類がどどーんと一気に展示されていました。
みんな表情豊かで鳴き声が聞こえてきそうだよ~すごい。

意識したわけではないのですが何となく背景の美女たちとコラボになった1枚。
三島の猫おどりは一度見に行ってみたいです…(ΦωΦ)☆
実際に踊るのは猫じゃなく猫に扮した人間たちだけど絶対楽しいと思う。

結構リアルに作られてるけど1匹だけ趣向の違う猫さまがいて、鞠子→張り子のシャレだったかな?
とにかく国芳の絵のタッチそのままに再現されてるの感動しました。

宇多天皇の黒猫。
寛平御記に書かれている黒猫との暮らしぶりはとても親密で微笑ましいよね^^

歌川国芳の写し「踊る猫又」。
体格といい手足の動きといい、もし猫が踊ったら実際にやりそうなポーズだ!

歌川国芳の写し「木魚問答」。
さてこの魚は海のものか山のものか…舌なめずりしながら語る猫たちと無心な木魚のギャップが楽しい。

草丘の間は日本画家の川上けいすけ氏による「絢爛耽美な日本画の世界」。

猫の掛軸と藤の花。

静水の間は人形作家の石渡いくよ氏による「猫人形の世界」。
お部屋に入ったところでこんな笑顔の子が迎えてくれます、大吉くん。

必殺仕事人シリーズの人物を猫化。
右から2番目が中村主水ですごくいい笑顔だった。

猫の雛壇がとにかく楽しい!
内裏雛も官女もお囃子もみんな笑い転げているのです。

随身もこのとおり。
お酒飲んでおいしいもの食べて、お役目など何のその。

猫の雅楽。

遊郭の宴席も大笑い。

ドラマ「猫侍」の玉之丞さまがいたー!

ガラスケースの中も賑やかです。鬼の家族と琵琶とチンドン屋。

星光の間はもりわじん氏による「神仏猫百覧会」。
涅槃、日光月光、風神雷神、七福神、十二支、四天王、八部衆、薬師、文殊、十一面観音、愛染、不動、阿修羅、八大童子、達磨にお多福、きりがない!
ありとあらゆる神仏猫たちが100体並ぶ様は圧巻でした。拝むしかない。

お賽銭箱まである。(入れてきました)
これだけたくさん集まってるとご利益もすごそうなのでお願い事は選べなくて
ただ「よろしくお願いします」とだけ拝んできました。

一番大きな毒猫神さま。
薬壺をお持ちなので薬師さんがモデルかと思いますが
作家さんによると「薬を与えるのもいいが薬は毒にもなるので毒も神様にしました」とのこと。

一番強そうだと思った千手観音さま。
猫という生き物は基本的にはのんびり屋ですが
千手観音ともなれば無数の手、じゃない肉球でマルチタスクをばんばんこなしたりするのでしょうか。
そしてその無数のおてて触らせてもらいたい…もしくは触ってほしい、肉球まみれになりたい。

清方の間は切り絵作家松風直美氏「切り絵の世界」と、美術家なかむらじん氏による「現代美術の世界」。

猫たちのモビールがフヨフヨしています。

月と猫の掛軸。猫は月夜がよく似合う。

頂上の展示エリアは石黒亜矢子氏による「化け猫の世界」と、はしもとみお氏による「木彫り猫の世界」。
はしもと氏の小さな猫たちはとってもかわいいです。

石黒亜矢子氏の作品。
鬼子母猫百号やパシフィックニャムとかパンチの効いた絵が楽しいです。

「歌舞伎猫」最高!
こんなの被った役者が歌舞伎座に出たら楽しいだろうなあ。
あと、この日のランチは西荻窪のササユリカフェでいただきました。

2月に訪れた際はオーナーの舘野さんに会えなかったので再チャレンジしまして
今回は無事にお会いできて著書の『エンピツ戦記』にサインもしていただけました!
とても気さくな方でわたしの顔を見るなり「絵を描く人かな?」と聞かれて
ええと趣味で…とやっと答えたら「何かでご一緒できたらいいですね」と言ってくださって
ちょっと色々と最高潮になりました。
あああテレビやロマンアルバムで拝見した人が目の前にっっ!!!うあああああ。
汗かいたし顔真っ赤になってたような気がする…うわあ恥ずかしい。でもうれしい。行ってよかったです本当。

カフェでは今月いっぱい、二木真希子さんの仕事を紹介するミニ展示が行われています。
ジブリ映画の原画はもちろん、守り人シリーズの表紙や挿絵、トトロのイヤープレートの原画、
小さなピスケの絵本や黒木瞳さんの詩集、ネットワールド1991年12月号の表紙など
色々なお仕事を手掛けられていたんだなあと。
原画がやっぱりすばらしくて時間の許す限りパラパラパラパラとひたすらめくってしまった、
家を出て山を登っていくソフィーとか、シシ神の足下の草と枯れる木とアシタカに落ちる木の葉とかの
マントのヒラヒラした動きや植物のもわ~~っとした命っぽさとか葉っぱの儚い動きとか…。
有名なポニョ来る原画はまず数センチの分厚さにびっくりし、
ポニョが宗介のもとへ駆けていく動きとか魚の波の形とか、車のリサさんとかを一カットの中で全部動かしていて
完成シーンを知っているから余計にその技術にびっくりする。
ジーナがサヴォイアを見上げる背動のカットもカメラワークの定点とジーナの不規則な動きが見事だし、
ジーナが階段を下りる原画は体格や洋服の描き方、スカートや膝の動き、
動画さんに「一度見せてください」と指示まで入っていてすごく仕事感あふれるカットだなと。
カプローニCa.60が水から離れる前に機体が崩壊するのもそうそう物ってこうして崩れていくよね…みたいな、
崩壊を観察していないと描けないようなカットですさまじかったです。
圧巻は大学在学中に制作されたという「IMAGE」「思いつくまま」「シネカリニズム」のシネカリ3作品。
黒味の8ミリフィルムに直接傷をつける形で絵を描き、動かして撮影したもので
二木さんはその名人だったらしい。
動物や植物が次々に現れては別の生き物に変化していく動きにまったく無駄がないし滑らかで
タイトルにby MAKIって入ってるのと、endテロップで卵が手を振ってくれるのがかわいい~。
二木さんが生前に準備されていたピスケの絵本の3冊目は中味がほとんどできてるそうですが
まだ出版されてないので出版社にリクエストを出そうと思います。
舘野さんも「二木さんは素敵な人だったので色んな人に知ってもらいたいです」とおっしゃっていたし
パネルにあった大平晋也さんの熱いメッセージにも心を打たれたし、
こんなすごい人がいたんだよー!ってわたしも言い続けていきたい。

ラタトゥイユすごくおいしかったです。
帰りは舘野さんがエレベーターまで見送ってくださって、もう緊張と嬉しさのあまり膝が震えまくってて
ちゃんと受け答えできてたかどうか心配だったんですけど
テレビでお姿を拝見していたときよりお小さくていらっしゃるような印象で、でもテキパキした人だなあと思いました。
舘野さんありがとうございましたー!また行きます。
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