災いなるかなバビロン、そのもろもろの神の像は砕けて地に伏したり。
東京都美術館の「ブリューゲル『バベルの塔』展 16世紀ネーデルラントの至宝-ボスを超えて」に行ってきました。
ヒエロニムス・ボスに影響を受けたピーテル・ブリューゲル1世の版画や絵画、
ボスを始めネーデルラントの画家による作品が来日していて
圧巻は1フロアにピンスポットで展示されているブリューゲルの「バベルの塔」!
存在を知ってからずっとずっと本物を見たくてようやく念願かないました、関係者の皆様ありがとう。
まずはネーデルラントの美術史から。
16世紀に作られた木彫り彫刻はキリストや聖職者や天使のモデルが多くて
教会などの建物の装飾として飾られていたそうです。
ほとんど色落ちして茶色かったけど一部色が残っているものもあったし、
あと本を持っている人が多いのが印象的だった。
180度ぐるっと見られるように展示されていたけど、
後ろに回ってみると背中に空洞があったり平坦な板状になってるものが多くて
これは扉や壁についてたからなのかな?
これらの多くは19世紀に切り離され売却されてしまったんだそうで…
19世紀というと日本でも廃仏毀釈などの影響で美術品の売却があったけど
世界中どこでもそういうことが行われる時代や時期がありますね。
ネーデルラント絵画で初期に描かれ始めたのは油絵の人物画。
ディーリク・バウツ「キリストの頭部」はキリストのバストアップを描いたものですが
その後の美術史におけるキリストの顔や骨格は彼の絵をもとに描かれていくそうで
お手本になった絵なんですね…!
(ちなみにキリストに荊冠を初めてかぶせて描いたのもバウツなんだそうだ)
枝葉の刺繍の画家による「聖カタリナ」「聖バルバラ」が美しかった~!
2人とも片手に本を持ち、カタリナは剣を、バルバラは薄を持っていて
画家の通称のとおり刺繍のような筆致で描かれていて布絵かと見まごうほどの完成度です。やばし。
元々はどこかの扉絵だったと思われる「ノールトウェイクの聖ヒエロニムス」「聖アダルベルト」は
彫刻を絵に描いたのかな、そういう立体感がありました。
「風景の中の聖母子」と「本と水差し、水盤のある静物画」は表裏一体の絵画で
静物画はマリアの寓意を表現しているそうですけども
本のページがめくれる風で天使の来訪を表すとか…ほんとにこの時代の絵画は頭を使うな…!
「学生の肖像」は赤い帽子をかぶった制服姿の、ラテン語を学ぶ12歳の少年の絵で
手に持つ紙にはラテン語で”豊かなのは欲しない人 豊かでないのは守銭奴”という意味の言葉が書いてあって
当時の学習の様子とかもわかるんだなあ。
16世紀になると風俗画や風景画が増えてくるのですが
宗教モチーフが多めとはいえイタリアより前に風景画が描かれるようになっていたんですね。
ネーデルラントで最初の風景画家といわれるパティニールの「ソドムとゴモラの滅亡がある風景」は
赤黒い火事と夜の森のコントラストの対比が強烈だった。
逃げる天使とロトたちはものすごくちっちゃく描かれてて
塩の柱にされてしまったロトの妻なんてロトたちよりも小さかったです。
(あとこういう時にタブーを破る役割というのはだいたい女性に振り分けられているな…)
「ロトと娘たち」はその後を描いたものですが
野宿するロトたちのところまで火の粉が降り注いでいるのが火事の規模を物語るようですごい。
「牧草を食べるロバのいる風景」あたりは宗教色はなさそうだったけど
遠近法も既に編み出されていてのどかな田園風景がすてき。
「オリュンポスの神々」は水浴場にいる神々の様子ですが
こちらはどことなくイタリアルネサンス期の絵画に近いような感じでした。
ヒエロニムス・ボスについてはほとんど知識がなくて絵も見るのは初めてで
今回来日した「放浪者(行商人)」「聖クリストフォロス」を見たときは色んな意味で「はじまりの絵だなあ」と思いました。
人物はもちろん動物や建物や風景などをとにかく描いてみる的な。
テーマがどうのというより当時の価値観やキリスト教の寓意などを1枚にごちゃっと描いてて
絵のそこここから色んなことが読み取れる。
そういうのはボスに限らないけど、今回のボスの絵は特にそういう面を強く感じました。
人間のほかに魚やカエルや猫や壺など謎モチーフのオンパレードですが
クリストフォロスの背景にある壺のツリーハウスはちょっと、かわいい。
版画の「樹木人間」とかも、壺みたいな帽子をかぶって体が木で足に小舟の靴を履いてる生き物がいて
なんだこりゃ?って首をかしげたくなるけど妙におもしろくて笑ってしまった。
そんなボスに基づいたり模倣したりする作家や版画もおもしろい。
「聖アントニウスの誘惑」や「様々な幻想的なものたち」とかは北斎漫画みたいな感じだし
「青い船」はカーニバルの青い船組合をモチーフだそうだけどテニルみたいな奇妙さもあるし
「ムール貝」は大きな貝がパカンと開いて中に人々がひしめいて
当時のことですから寓意があるんだと思うけどさっぱり想像がつきません。。
そんな中で台頭してきたのがブリューゲル1世だそうです。
イタリアから帰国したブリューゲルにヒエロニムス・コックという版画業者がボス風の版画を依頼したのが始まりで
彼は「第二のボス」「ボスの生まれ変わり」などと当時の書物に書かれたりしているとか。
(狩野探幽も永徳の再来とか言われた時期がありますけど似たようなものかしら)
ボス風ということで絵の雰囲気やモチーフは確かにボスっぽいけど
ボスほどの癖はあんまり感じなくて、
どちらかというとすっきりまとめているのが多くてそういうところはブリューゲルっぽい感じ。
農民や農村の風景をよく描いたのは版画というものが大衆向けだったからかもしれないけど
ブリューゲル本人が町に出かけてお祭などを観察するのが好きだったらしいので
彼の好みも反映されているのでしょうな。
そして「バベルの塔」。
ブリューゲルの晩年である1568年前後の制作とされる今作は
イタリアのコロッセオをモデルに当時としては珍しく建物を全面的に押し出して描かれた作品です。
(昔の西洋画って人物、というか聖書の登場人物や聖職者や身分の高い人の絵が多いと思う…絵画の出発点てそこなので)
絵そのものはそんなに大きくないのですが、実物を前にすると塔がとても立体的・威圧的に見えて
「でかっ!」って思ったのが最初の感想。
日本で暮らしてると石造りの建物を見る機会があまりないせいかどっしりして見えましたね…
塔の下の煉瓦は色褪せていて、上に積み上げられた煉瓦ほど真っ赤なのは
きっと相当の年月が経過しているからかな…年月も感じさせるのがリアルだなあ。
煉瓦を持ち上げる滑車が16世紀に実在した物だったり、風景の港はアントワープの海がモデルだったり
馬に乗って移動してる人がいたり洗濯物が干されていたり教会があったりと町っぽくなっていて
バベルの塔というはるか昔の物語の情景を描きながら
当時の建築技術や風俗が反映されているので時代考証が目的の絵ではないのかもしれぬ。
誰も見たことないわけだから身の回りの物を参考にするしかないよね…。
今となっては当時を知る貴重な資料になるので色んな面を持った作品でもあります。
よくこんな綺麗にとっといてくれたもんです。学芸員さんの努力のたまもの。
ブリューゲル1世は塔の絵を2枚描いていて、今回来日したのは2作目です。
1作目もいつか本物を見てみたいな…ウィーンにあって2作目より小さめらしいのですが。
あと、わたしがバベルのお話を知ったのはCLAMPの東京BABYLONなのですが
その後に宮崎駿氏のラピュタが今作をモデルにしていると聞いて初めて画集でこの絵を見て
「似てるわー!」と声出た覚えがあります。
宮崎さんはブリューゲルお好きだもんね。
「かくして主、彼の人々をここより全地に散らすが故、彼の人々町を創るを止む。ゆえにその名はバベルと呼ばる。
災いなるかなバビロン、そのもろもろの神の像は砕けて地に伏したり」
(旧約聖書創世記・第11章)
そしてこの冬にはブリューゲル展が同館で開催されるので楽しみだ~☆
子どもの遊戯は!来ますか!!(落ち着け)

エスカレーターのとこにあった比較パネル。
東京藝術大学のチームが検証したそうですが、もしこの塔が実物大で実在したときの大きさは
塔の人物の平均身長を170cmとして計算すると510mほどになるそうで…!
通天閣や東京タワーより高くてスカイツリーよりは低めだけど
何せ幅がでかいので存在感がやばそう、ちなみに直径は高さ以上になるらしいです。

展覧会公式キャラクターのタラ夫。
ブリューゲル「大きな魚は小さな魚を食う」からのキャラ化だそうです。
足が妙にリアルで一瞬、本当に人が入って立っているのかと思ってしまった。。

大友克洋・河村康輔両氏による「INSIDE BABEL」。
調査に基づくバベルの塔の内部構造を大友氏が描き、河村氏がデジタルコラージュで合成しています。
塔をぱっくり切ったらこういう断面図ができそうっていうくらい、リアルで緻密でかっこよかった。

都美を後にして東京藝術大学Arts&Science LABの「Study of BABEL」へ。
COI拠点のチームが科学分析をもとに立体化したバベルの塔がどーんと展示されていました☆
ちなみにさっき書いた、塔の高さの計算を510mとはじきだしたのも同チームで
この複製はその計算をもとに約1/150スケールの3mで再現されています。

絵で見た人々や家、建築現場の道具などまで完璧に再現されている件。
色も絵の具を調べて塗ってあるそうです。

教会に集まる人々。
こうやって3Dにしてくれると自分と対比できるのでスケールが想像しやすいですね…。
窓の青い液晶の中でチラチラしているのは「バベルの塔で働こう」というインスタレーションで、
会場のiPadで自分の顔を撮影すると液晶にデータが転送され、
まるで自分が塔で働いているような気分が味わえます。
あと、この日は国際博物館の日で東博常設展が無料だったので見に行きました。

勝川春章「東扇・初代中村仲蔵」かっこよすぎる!
忠臣蔵で斧定九郎が口から流した血が膝に垂れる演技がありますけど
あれを考案したのが彼だそうで、大好評となったため現代までその様に演じ伝えられてきています。
どうやって思いついたんだか…歌舞伎座で初めて見たときは驚いたもんです。

西川祐信「婦女納涼図」。
京都の水辺で優雅にくつろぐ女性たちがとても素敵。

上野駅エキュート内に展示されていた、
東京大学LEGO部が約46,000ピースのレゴブロックで再現したバベルの塔。
そういえばネットで情報見かけたなと思い出して帰りに見に行きましたらちょうどこの日までの展示でした!
ギリギリセーフで見られてよかったです。
ヒエロニムス・ボスに影響を受けたピーテル・ブリューゲル1世の版画や絵画、
ボスを始めネーデルラントの画家による作品が来日していて
圧巻は1フロアにピンスポットで展示されているブリューゲルの「バベルの塔」!
存在を知ってからずっとずっと本物を見たくてようやく念願かないました、関係者の皆様ありがとう。
まずはネーデルラントの美術史から。
16世紀に作られた木彫り彫刻はキリストや聖職者や天使のモデルが多くて
教会などの建物の装飾として飾られていたそうです。
ほとんど色落ちして茶色かったけど一部色が残っているものもあったし、
あと本を持っている人が多いのが印象的だった。
180度ぐるっと見られるように展示されていたけど、
後ろに回ってみると背中に空洞があったり平坦な板状になってるものが多くて
これは扉や壁についてたからなのかな?
これらの多くは19世紀に切り離され売却されてしまったんだそうで…
19世紀というと日本でも廃仏毀釈などの影響で美術品の売却があったけど
世界中どこでもそういうことが行われる時代や時期がありますね。
ネーデルラント絵画で初期に描かれ始めたのは油絵の人物画。
ディーリク・バウツ「キリストの頭部」はキリストのバストアップを描いたものですが
その後の美術史におけるキリストの顔や骨格は彼の絵をもとに描かれていくそうで
お手本になった絵なんですね…!
(ちなみにキリストに荊冠を初めてかぶせて描いたのもバウツなんだそうだ)
枝葉の刺繍の画家による「聖カタリナ」「聖バルバラ」が美しかった~!
2人とも片手に本を持ち、カタリナは剣を、バルバラは薄を持っていて
画家の通称のとおり刺繍のような筆致で描かれていて布絵かと見まごうほどの完成度です。やばし。
元々はどこかの扉絵だったと思われる「ノールトウェイクの聖ヒエロニムス」「聖アダルベルト」は
彫刻を絵に描いたのかな、そういう立体感がありました。
「風景の中の聖母子」と「本と水差し、水盤のある静物画」は表裏一体の絵画で
静物画はマリアの寓意を表現しているそうですけども
本のページがめくれる風で天使の来訪を表すとか…ほんとにこの時代の絵画は頭を使うな…!
「学生の肖像」は赤い帽子をかぶった制服姿の、ラテン語を学ぶ12歳の少年の絵で
手に持つ紙にはラテン語で”豊かなのは欲しない人 豊かでないのは守銭奴”という意味の言葉が書いてあって
当時の学習の様子とかもわかるんだなあ。
16世紀になると風俗画や風景画が増えてくるのですが
宗教モチーフが多めとはいえイタリアより前に風景画が描かれるようになっていたんですね。
ネーデルラントで最初の風景画家といわれるパティニールの「ソドムとゴモラの滅亡がある風景」は
赤黒い火事と夜の森のコントラストの対比が強烈だった。
逃げる天使とロトたちはものすごくちっちゃく描かれてて
塩の柱にされてしまったロトの妻なんてロトたちよりも小さかったです。
(あとこういう時にタブーを破る役割というのはだいたい女性に振り分けられているな…)
「ロトと娘たち」はその後を描いたものですが
野宿するロトたちのところまで火の粉が降り注いでいるのが火事の規模を物語るようですごい。
「牧草を食べるロバのいる風景」あたりは宗教色はなさそうだったけど
遠近法も既に編み出されていてのどかな田園風景がすてき。
「オリュンポスの神々」は水浴場にいる神々の様子ですが
こちらはどことなくイタリアルネサンス期の絵画に近いような感じでした。
ヒエロニムス・ボスについてはほとんど知識がなくて絵も見るのは初めてで
今回来日した「放浪者(行商人)」「聖クリストフォロス」を見たときは色んな意味で「はじまりの絵だなあ」と思いました。
人物はもちろん動物や建物や風景などをとにかく描いてみる的な。
テーマがどうのというより当時の価値観やキリスト教の寓意などを1枚にごちゃっと描いてて
絵のそこここから色んなことが読み取れる。
そういうのはボスに限らないけど、今回のボスの絵は特にそういう面を強く感じました。
人間のほかに魚やカエルや猫や壺など謎モチーフのオンパレードですが
クリストフォロスの背景にある壺のツリーハウスはちょっと、かわいい。
版画の「樹木人間」とかも、壺みたいな帽子をかぶって体が木で足に小舟の靴を履いてる生き物がいて
なんだこりゃ?って首をかしげたくなるけど妙におもしろくて笑ってしまった。
そんなボスに基づいたり模倣したりする作家や版画もおもしろい。
「聖アントニウスの誘惑」や「様々な幻想的なものたち」とかは北斎漫画みたいな感じだし
「青い船」はカーニバルの青い船組合をモチーフだそうだけどテニルみたいな奇妙さもあるし
「ムール貝」は大きな貝がパカンと開いて中に人々がひしめいて
当時のことですから寓意があるんだと思うけどさっぱり想像がつきません。。
そんな中で台頭してきたのがブリューゲル1世だそうです。
イタリアから帰国したブリューゲルにヒエロニムス・コックという版画業者がボス風の版画を依頼したのが始まりで
彼は「第二のボス」「ボスの生まれ変わり」などと当時の書物に書かれたりしているとか。
(狩野探幽も永徳の再来とか言われた時期がありますけど似たようなものかしら)
ボス風ということで絵の雰囲気やモチーフは確かにボスっぽいけど
ボスほどの癖はあんまり感じなくて、
どちらかというとすっきりまとめているのが多くてそういうところはブリューゲルっぽい感じ。
農民や農村の風景をよく描いたのは版画というものが大衆向けだったからかもしれないけど
ブリューゲル本人が町に出かけてお祭などを観察するのが好きだったらしいので
彼の好みも反映されているのでしょうな。
そして「バベルの塔」。
ブリューゲルの晩年である1568年前後の制作とされる今作は
イタリアのコロッセオをモデルに当時としては珍しく建物を全面的に押し出して描かれた作品です。
(昔の西洋画って人物、というか聖書の登場人物や聖職者や身分の高い人の絵が多いと思う…絵画の出発点てそこなので)
絵そのものはそんなに大きくないのですが、実物を前にすると塔がとても立体的・威圧的に見えて
「でかっ!」って思ったのが最初の感想。
日本で暮らしてると石造りの建物を見る機会があまりないせいかどっしりして見えましたね…
塔の下の煉瓦は色褪せていて、上に積み上げられた煉瓦ほど真っ赤なのは
きっと相当の年月が経過しているからかな…年月も感じさせるのがリアルだなあ。
煉瓦を持ち上げる滑車が16世紀に実在した物だったり、風景の港はアントワープの海がモデルだったり
馬に乗って移動してる人がいたり洗濯物が干されていたり教会があったりと町っぽくなっていて
バベルの塔というはるか昔の物語の情景を描きながら
当時の建築技術や風俗が反映されているので時代考証が目的の絵ではないのかもしれぬ。
誰も見たことないわけだから身の回りの物を参考にするしかないよね…。
今となっては当時を知る貴重な資料になるので色んな面を持った作品でもあります。
よくこんな綺麗にとっといてくれたもんです。学芸員さんの努力のたまもの。
ブリューゲル1世は塔の絵を2枚描いていて、今回来日したのは2作目です。
1作目もいつか本物を見てみたいな…ウィーンにあって2作目より小さめらしいのですが。
あと、わたしがバベルのお話を知ったのはCLAMPの東京BABYLONなのですが
その後に宮崎駿氏のラピュタが今作をモデルにしていると聞いて初めて画集でこの絵を見て
「似てるわー!」と声出た覚えがあります。
宮崎さんはブリューゲルお好きだもんね。
「かくして主、彼の人々をここより全地に散らすが故、彼の人々町を創るを止む。ゆえにその名はバベルと呼ばる。
災いなるかなバビロン、そのもろもろの神の像は砕けて地に伏したり」
(旧約聖書創世記・第11章)
そしてこの冬にはブリューゲル展が同館で開催されるので楽しみだ~☆
子どもの遊戯は!来ますか!!(落ち着け)

エスカレーターのとこにあった比較パネル。
東京藝術大学のチームが検証したそうですが、もしこの塔が実物大で実在したときの大きさは
塔の人物の平均身長を170cmとして計算すると510mほどになるそうで…!
通天閣や東京タワーより高くてスカイツリーよりは低めだけど
何せ幅がでかいので存在感がやばそう、ちなみに直径は高さ以上になるらしいです。

展覧会公式キャラクターのタラ夫。
ブリューゲル「大きな魚は小さな魚を食う」からのキャラ化だそうです。
足が妙にリアルで一瞬、本当に人が入って立っているのかと思ってしまった。。

大友克洋・河村康輔両氏による「INSIDE BABEL」。
調査に基づくバベルの塔の内部構造を大友氏が描き、河村氏がデジタルコラージュで合成しています。
塔をぱっくり切ったらこういう断面図ができそうっていうくらい、リアルで緻密でかっこよかった。

都美を後にして東京藝術大学Arts&Science LABの「Study of BABEL」へ。
COI拠点のチームが科学分析をもとに立体化したバベルの塔がどーんと展示されていました☆
ちなみにさっき書いた、塔の高さの計算を510mとはじきだしたのも同チームで
この複製はその計算をもとに約1/150スケールの3mで再現されています。

絵で見た人々や家、建築現場の道具などまで完璧に再現されている件。
色も絵の具を調べて塗ってあるそうです。

教会に集まる人々。
こうやって3Dにしてくれると自分と対比できるのでスケールが想像しやすいですね…。
窓の青い液晶の中でチラチラしているのは「バベルの塔で働こう」というインスタレーションで、
会場のiPadで自分の顔を撮影すると液晶にデータが転送され、
まるで自分が塔で働いているような気分が味わえます。
あと、この日は国際博物館の日で東博常設展が無料だったので見に行きました。

勝川春章「東扇・初代中村仲蔵」かっこよすぎる!
忠臣蔵で斧定九郎が口から流した血が膝に垂れる演技がありますけど
あれを考案したのが彼だそうで、大好評となったため現代までその様に演じ伝えられてきています。
どうやって思いついたんだか…歌舞伎座で初めて見たときは驚いたもんです。

西川祐信「婦女納涼図」。
京都の水辺で優雅にくつろぐ女性たちがとても素敵。

上野駅エキュート内に展示されていた、
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